JPH11147991A - メタクリル系耐衝撃性成形材料 - Google Patents

メタクリル系耐衝撃性成形材料

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JPH11147991A
JPH11147991A JP33362897A JP33362897A JPH11147991A JP H11147991 A JPH11147991 A JP H11147991A JP 33362897 A JP33362897 A JP 33362897A JP 33362897 A JP33362897 A JP 33362897A JP H11147991 A JPH11147991 A JP H11147991A
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polymer
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methacrylic
monomer
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JP33362897A
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English (en)
Inventor
Seiichi Kawanami
征一 川波
Yosokichi Kobayashi
与惣吉 小林
Hideaki Haino
英明 拝野
Takao Hoshiba
孝男 干場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】乳化重合法により得られる内層の少なくと
も1層がC1〜8アクリル酸アルキルエステル単量体単
位および/またはジエン系単量体単位を主体とする架橋
弾性体層を有し、最外層にC1〜8メタクリル酸アルキ
ルエステル単量体を主体とする熱可塑性樹脂層を有し、
粒子径が0.1〜0.3μmであるアクリル系多層重合
体(A)50〜95重量%と、乳化重合法により得られ
るメタクリル酸メチル単位80重量%以上とビニル系単
量体単位0〜20重量%の共重合体で、粒子径が0.0
5〜0.20μmの熱可塑性重合体(B)5〜50重量
%とを、エマルジョン状態で、(A)(B)のそれぞれ
の粒子数(N)をNAおよびNBとしたとき、NB/NA=
1〜8となるように混合、凝固、乾燥して得られた耐衝
撃性改良材に、下記ホスファイト化合物 (R1、R2は、C10〜22アルキル基およびフェニ
ル基)および紫外線吸収材を配合。 【効果】 耐候性を損ねずゲルコロニーと着色が少なく
外観性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタクリル系耐衝
撃性成形材料に関し、更に詳しくは着色が少なくゲルコ
ロニーの発生が少ないメタクリル系耐衝撃性成形材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂はその優れた耐候性と透
明性等により広く用いられ、またその用途の拡大に伴い
よりメタクリル系樹脂の性能向上の検討が行われてい
る。このなかで耐衝撃性を付与したいわゆる耐衝撃性メ
タクリル樹脂は射出成形材料、押し出しシートとして広
く用いられている。メタクリル樹脂へ耐衝撃性を付与す
る方法としては、一般的にエラストマー成分である架橋
弾性体を含む乳化重合粒子をブレンドする方法が行われ
ている。この方法は、衝撃により発生するクラックの進
行あるいは成長をミクロに分散したエラストマー成分で
食い止めるものであり、従って一般的にエラストマー成
分を多く含むほど耐衝撃性に優れた成形材料となる。し
かしながら、メタクリル樹脂と架橋弾性体を含む乳化重
合粒子との樹脂ブレンドはいわゆる非相溶系の樹脂ブレ
ンドであり、架橋弾性体を含む乳化重合粒子を均一に分
散させることは、メタクリル系樹脂の物性を保持し、ま
た成形品の外観を良好な状態に保つうえで極めて重要な
ことである。これまで、こうした分散性を改良する方法
としては、例えば特定の割合で分散剤を添加する方法が
提案されている(特公平4−35503号公報)。ま
た、乳化重合粒子を含むメタクリル系樹脂は、残存する
乳化剤や混入する不純物およびエラストマー成分の酸化
劣化により着色しやすいという欠点を有しており、この
ため、染料による補色や、特定のホスファイト系酸化防
止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを組み合わ
せる方法(特公昭62−61073号公報、特開平3−
197547号公報)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特公平4−355
03号公報に開示されている方法は、架橋弾性体を含む
乳化重合粒子を分散させるうえである程度の効果がある
ものの、表面外観性が特に重要視されるメタクリル樹脂
について応用しようとした場合必ずしも十分なものでは
なかった。すなわち、ゲルコロニーに起因する表面上の
欠点は、その個数だけでなくそのサイズが製品価値に大
きく影響し、特に200μm以上の大きなゲルコロニー
が多く発生した場合は商品価値が損なわれる。また、着
色が大きい場合も外観による印象を損ねてしまう。ま
た、特公昭62−61073号公報および特開平3−1
97547号公報で開示されている方法は確かに色消し
には有効であるが、上記のゲルコロニー低減には効果が
なく、ゲルコロニーの発生が少なく且つ着色の少ないメ
タクリル系樹脂はこれまで見い出されていなかった。
【0004】本発明者らは、上記の状況に鑑み、200
μm以上の大きなゲルコロニーが生じにくく、外観性能
の優れたメタクリル系耐衝撃性成形材料を得るため鋭意
検討を重ねた結果、耐衝撃性改良材に特定の粒子サイズ
と配合割合で熱可塑性樹脂を配合することにより上記課
題が解決され、また特定のホスファイト化合物と紫外線
吸収材の組み合わせにより、色相が著しく改善されるこ
とを見い出し、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、乳化
重合法により得られる内層の少なくとも1層が炭素数1
〜8のアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/
またはジエン系単量体単位を主体とする架橋弾性体層を
有し、最外層に炭素数1〜8のメタクリル酸アルキルエ
ステル単量体を主体とする熱可塑性樹脂層を有し、粒子
径が0.1〜0.3μmであるアクリル系多層重合体
(A)50〜95重量%と、乳化重合法により得られる
メタクリル酸メチル単位80重量%以上とこれと共重合
可能なビニル系単量体単位0〜20重量%の共重合体で
あり、且つ粒子径が0.05〜0.20μmである熱可
塑性重合体(B)5〜50重量%とを、エマルジョン状
態で、アクリル系多層重合体(A)および熱可塑性重合
体(B)のそれぞれの粒子数(N)をNAおよびNBとし
たとき、その比NB/NA=1〜8となるように混合し、
凝固し、乾燥して得られた耐衝撃性改良材に、下記構造
を有するホスファイト化合物
【0006】
【化3】
【0007】(ここでR1およびR2は、炭素数10〜
22のアルキル基および置換されたフェニル基からなる
群より選ばれる置換基である)および紫外線吸収材を配
合してなるメタクリル系耐衝撃性成形材料である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に詳細に説明
する。本発明における耐衝撃性改良材は、アクリル系多
層重合体(A)50〜95重量%と熱可塑性重合体
(B)5〜50重量部から製造されるものである。アク
リル系多層重合体(A)の割合が50重量%未満である
と、耐衝撃性の改良効果が小さくなり、一方アクリル系
多層重合体(A)の割合が95重量%を超えるとゲルコ
ロニーが発生しやすくなるので好ましくない。
【0009】アクリル系多層重合体(A)は、乳化重合
法によって製造され、内層が炭素数1〜8のアクリル酸
アルキルエステル単量体単位および/またはジエン系単
量体単位を主体とする架橋弾性体からなる層を少なくと
も1層有し、最外層が炭素数1〜8のメタクリル酸アル
キルエステル単量体を主体とする熱可塑性樹脂層を有す
るものであって、各層がグラフト結合しているものであ
れば制限なく使用できる。
【0010】炭素数1〜8のアクリル系アルキルエステ
ル単量体単位および/またはジエン系単量体単位を主体
とする架橋弾性体を「軟」、炭素数1〜8のメタクリル
酸エステルを主体とする架橋重合体および熱可塑性重合
体を「硬」と表現すると、その製造プロセスにおいて軟
−硬の2層重合体、硬−軟−硬の3層重合体、軟−硬−
軟−硬の4層重合体などさまざまな組合せが可能であ
る。この中で特に好ましいアクリル系多層重合体として
は、第1層がメタクリル酸メチル単量体80〜99.9
5重量部、炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステル
単量体0〜19.95重量%、多官能性単量体0.05
〜2重量%を重合してなる硬質架橋樹脂層であり、第2
層が炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステル単量体
80〜98重量%、芳香族ビニル化合物単量体1〜19
重量%、多官能性単量体1〜5重量%を重合してなる架
橋弾性体層であり、第3層がメタクリル酸メチル単量体
80〜100重量部、炭素数1〜8のアクリル酸アルキ
ルエステル単量体0〜20重量%を重合してなる硬質熱
可塑性樹脂層から構成されている3層重合体が挙げられ
る。
【0011】上記の架橋弾性体の主成分としては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸プ
ロピル等の炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステル
単量体および1,3−ブタジエン、イソプレン等のジエ
ン系単量体のほか、これらと共重合可能なビニル単量体
を用いることができる。共重合可能なビニル単量体とし
ては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル
等のメタクリル酸エステル単量体;スチレン、p−メチ
ルスチレン、o−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量
体;N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、N−o−クロロフェニルマレイミド等のマレイ
ミド系単量体;エチレングリコールジメタクリレート、
プロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタ
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロ
ピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリアリ
ルイソシアヌレート等の多官能性単量体が挙げられる。
【0012】アクリル系多層重合体(A)の粒子径は、
0.1〜0.3μmであることが必要である。粒子径が
0.1μm未満であると得られる成形物の耐衝撃性の改
良効果が小さく、一方、粒子径が0.3μmを超えると
ヘイズが増すため好ましくない。アクリル系多層重合体
(A)の粒子径は0.2μm以上の比較的大きな粒子径
を用いることが好適である。大きな粒子径のものほどゲ
ルコロニーが目立ちやすいからである。
【0013】また、熱可塑性重合体(B)は、乳化重合
法によって、メタクリル酸メチル単位80重量%以上と
これと共重合可能なビニル系単量体単位0〜20重量%
とから製造される。ここで共重合可能なビニル系単量体
としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2
エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベン
ジル等のアクリル酸エステル単量体;メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリ
ル酸エステル単量体;酢酸ビニル、スチレン、p−メチ
ルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族
ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のニトリル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸等のα、β不飽和カルボン酸;N−エチルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合
物などが挙げられ、これらは単独で使用しても、あるい
は2種以上を併用してもよい。熱可塑性重合体(B)に
おけるメタクリル酸メチル単位が、80重量%未満では
メタクリル系樹脂の特長である優れた耐候性が損なわれ
るため好ましくない。
【0014】乳化重合に用いられる乳化剤は、アニオン
系乳化剤としてステアリン酸ナトリウム等のカルボン酸
塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリル
スルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク
酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアル
キルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム等
のアルキル硫酸塩が挙げられ、ノニオン系乳化剤の例と
してポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられ、またノ
ニオン・アニオン系乳化剤の例としてポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ントリデシルエーテル酢酸ナトリウムなどのアルキルエ
ーテルカルボン酸塩等が挙げられる。ノニオン系乳化剤
およびノニオン・アニオン系乳化剤におけるエチレンオ
キサイドの付加モル数は、これがいたずらに大きくなる
と発泡性が増加するため好ましくない。エチレンオキサ
イドの好ましい付加モル数は30〜1モルであり、より
好ましくは20〜1モル、更に好ましくは10〜1モル
である。これらの乳化剤は単独で使用しても、あるいは
2種以上を併用してもよい。
【0015】また、重合開始剤としては、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系開始剤、パース
ルホキシレート/有機過酸化物、過硫酸塩/亜硫酸塩等
のレドックス系開始剤のいずれの開始剤を用いてもよ
い。
【0016】本発明において耐衝撃性改良材は、上記の
アクリル系多層重合体(A)と熱可塑性重合体(B)と
をエマルジョン状態にて混合し、凝固し、乾燥すること
により製造され、その混合の際にアクリル系多層重合体
(A)と熱可塑性重合体(B)の粒子数比を特定の範囲
内にすることが重要である。このことによりアクリル系
多層重合体の良好な分散を可能とし、その結果として2
00μm以上の大きなゲルコロニー数が著しく低減し、
また耐衝撃性等の物性面においても優れた成形材料を得
ることが可能となる。このため熱可塑性重合体(B)は
粒子径が0.05〜0.20μmであることが必要であ
る。熱可塑性重合体(B)の粒子径が0.05μm未満
であるとエマルジョンの取扱いが悪くなり、一方その粒
子径が0.20μmを超えるとアクリル系多層重合体の
分散性が低下し好ましくない。その粒子径は0.08〜
0.15μmであることが好ましい。
【0017】また、本発明において、上記のごとくアク
リル系多層重合体(A)と熱可塑性重合体(B)を特定
の範囲内の粒子数比で混合することが重要である。すな
わち、アクリル系多層重合体(A)および熱可塑性重合
体(B)のそれぞれの粒子数(N)をNAおよびNBとし
たときに、その比NB/NA=1〜8、好ましくは1.5
〜5となるようにエマルジョン状態で混合し、凝固させ
たのち、脱水、乾燥することが必要である。NB/NAが
1未満では、アクリル系多層重合体同士が隣り合う確率
が大きくなり、結果として大きなゲルコロニーの原因に
なりやすく、一方NB/NAが8を越える場合はゲルコロ
ニーは少なくなるが、生産性の低下を招き好ましくな
い。
【0018】尚、NB/NAは、アクリル系多層重合体
(A)および熱可塑性重合体(B)のそれぞれについて
粒子径から次式を用いて耐衝撃性改良材中に占める各重
合体の粒子数の算出し、その比をとることにより得られ
る。 Ni=3・xi/4・π・r3 ・ρ ここで、Nはi重合体の耐衝撃性改良材1gに占める粒
子数(個)、xiは、i重合体の耐衝撃性改良材中に占
める重量分率、πは円周率、rはi重合体粒子の半径
(cm)、ρはi重合体の平均密度(g/cm3 )であ
る。
【0019】本発明において耐衝撃性改良材は、20℃
クロロホルム溶液における熱可塑性重合体(B)の極限
粘度(ηB)と該耐衝撃性改良材を構成する樹脂組成物
における熱可塑性重合体(B)の重量分率(xB)との
間で0.05≦ηB/xB≦2.5、好ましくは0.5≦
ηB/xB≦2.0の関係式が満足されることが望まし
い。なお、熱可塑性重合体(B)の製造に際し、極限粘
度調整は、メルカプタン類等の公知の連鎖移動剤を用い
ることができる。
【0020】上記の耐衝撃改質材は、通常粉体状であっ
て、それ自体で耐衝撃性熱可塑性樹脂としてあるいは柔
軟性に優れた熱可塑性樹脂として使用することも可能で
あるが、この耐衝撃性改良材と下記のメタクリル系熱可
塑性樹脂(C)とを樹脂ブレンドすることにより、アク
リル系多層重合体の良好に分散し、耐候性、透明性、耐
衝撃性に優れゲルコロニーが少ないメタクリル系耐衝撃
性成形材料を得ることができる。
【0021】メタクリル系熱可塑性樹脂(C)は、メタ
クリル酸メチル単位を80重量%以上とこれと共重合可
能なビニル系単量体単位0〜20重量%とから構成され
る。ここで共重合可能なビニル系単量体としては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2エチルヘキシ
ル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアク
リル酸エステル単量体;メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキ
シル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル
単量体;酢酸ビニル、スチレン、p−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル
類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα、β
不飽和カルボン酸;N−エチルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物などが挙げら
れ、これらは単独で使用しても、あるいは2種以上を併
用してもよい。
【0022】メタクリル系熱可塑性樹脂(C)の重量平
均分子量は、5万を超え20万未満であることが必要で
ある。その重量平均分子量が5万以下の場合、得られる
樹脂の粘り強さが低下し、一方重量平均分子量が20万
以上の場合、樹脂の流動性が低下し好ましくない。ま
た、メタクリル系樹脂熱可塑性樹脂(C)は、上記の条
件を満たす範囲に於て一般にメタクリル樹脂として市販
されているものおよびISO 8257−1:1997
(E)「プラスチック−ポリ(メチルメタクリレート)
(PMMA)成形用および押し出し用材料」(”Pla
stics−Poly(Methyl Methacr
ylate)(PMMA)moulding and
extrusion material−”)に規定さ
れている材料をも含み得る。
【0023】上記のメタクリル系熱可塑性樹脂(C)
は、乳化重合の他、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等の
公知の重合方法により製造されるものであっても差し支
えない。
【0024】メタクリル系熱可塑性重樹脂(C)は、公
知のミキサー等を用いて耐衝撃改良材に混合することが
できる。
【0025】本発明において、上記の耐衝撃改良材には
下記構造を有するホスファイト化合物を配合することが
必要である。
【0026】
【化4】
【0027】ここでR1およびR2は、炭素数10〜2
2のアルキル基および置換されたフェニル基からなる群
より選ばれる置換基である。
【0028】本発明における耐衝撃改良材または樹脂組
成物の着色を抑制する化合物を種々検討したところ、上
記構造を有するホスファイト化合物が最も効果的である
ことが判明した。ホスファイト化合物は、着色の抑制に
は有効であるが、その使用量が多過ぎるとしばしば熱安
定性や透明性などのその他の物性の低下を招くことがあ
るので、耐衝撃改良材または樹脂組成物100重量部に
対し0.001〜0.1重量部、とりわけ0.005〜
0.05重量部とすることが好ましい。
【0029】本発明におけるホスファイト化合物のR1
およびR2は、炭素数10〜22のアルキル基および置
換されたフェニル基からなる群より選ばれる置換基であ
る。炭素数10〜22のアルキル基は直鎖アルキル基、
分岐アルキル基または脂環式アルキル基の何れでもよ
い。また置換されたフェニル基は、メチル基、エチル
基、t−ブチル基、ノニル基、ステアリル基等で例示さ
れる炭素数1〜22のアルキル基によりフェニル基の水
素原子の少なくとも1つ以上が置換されたフェニル基で
ある。上記の条件を満たす具体的なホスファイト化合物
としては、例えば、ジドデシルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(2、4−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、2、4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル・フェニルペンタエリスリトールジホスファイトなど
が挙げられる。
【0030】また、本発明における耐衝撃改良材または
樹脂組成物には、紫外線吸収材を配合することが必要で
ある。紫外線吸収材としては、ベンゾトリアゾール系の
もの、サリチル酸メチル系のもの等が用いられるが、紫
外線吸収能が優れることからベンゾトリアゾール系のも
のが好ましく用いられる。ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、6−(2
−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6’−t
−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェ
ノール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α
−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリア
ゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)6−2H−ベンゾトリアゾー
ル−イル)フェノール]などが挙げられる。紫外線吸収
材の配合量は、耐衝撃改良材または樹脂組成物100重
量部に対し0.001〜0.1重量部であることが好ま
しい。
【0031】本発明のメタクリル系耐衝撃成形材料は、
混合粉体、ペレットまたは押し出しシ−トの形態で供さ
れる。耐衝撃性改良材等のペレット化およびシ−ト化
は、その混合粉体をベント付きの単軸押出機あるいは二
軸押出機等公知の押出機を用いて行うことができるが、
該耐衝撃性改良材等は分散性に優れるため単軸押出機で
も十分な混練が可能であり、設備コストの面で有利であ
る。本発明のメタクリル系耐衝撃性成形材料は、射出成
形法、押し出し成形法、真空成形法、ブロー成形法等公
知の成形方法により成形もしくは賦形あるいは加工を行
うことができる。
【0032】本発明のメタクリル系耐衝撃性成形材料
は、外観性に優れるため外観が重要視される分野で好適
に用いられ、シート、フィルム、表面被覆材、光学機器
部材、電子機器部材等に好適に使用される。また、本発
明のメタクリル系耐衝撃性成形材料は、これらの分野に
おいて更に耐候性、透明性等が要求される自動販売機全
面板、カーポート屋根材、ドアバイザー、ルーフ、ガー
ニッシュ等の車輌用外装部材等に好適に用いられる。本
発明のメタクリル系耐衝撃性成形材料は、それ自体着色
が少なく良好であるがより外見の印象を良くするため染
料による補色を行うこともできる。本発明のメタクリル
系耐衝撃性成形材料には、必要に応じ公知の酸化防止
剤、光安定剤、染料、顔料、滑剤、流動性改良や成形性
改良の為の高分子系加工助剤等を添加することも可能で
ある。
【0033】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて具体的に
本発明を説明するが、本発明はこれらに制限されるもの
ではない。なお、実施例および比較例で用いた「部」お
よび「%」は全て「重量部」および「重量%」である。
【0034】また、実施例および比較例の評価は以下の
方法により行った。 (1)粒子径 大塚電子(株)製光散乱光度計DLS−600を用い測
定した。 (2)重量平均分子量 高速液体クロマトグラフィーLC−9A(島津製作所
(株)製)に、ゲルパーミエーションクロマトフラフィ
ー(GPC)用カラムとしてGPC−802、HSG−
30、HSG−50(いずれも島津製作所(株)製)お
よびShodexA−806(昭和電工(株)製)を直
列に繋ぎ、検出器として示差屈折率検出器RID−9A
(島津製作所(株)製)を用いた。試料溶液の調整は、
重合体を0.12g秤量し、これに20mlのテトラヒ
ドロフランを加えて溶解し、0.5μmのメンブランフ
ィルターで濾過した。測定の際の流量は1.5ml/m
inとした。 (3)極限粘度 自動粘度測定機を用い、測定温度20℃、クロロホルム
を溶媒として測定した。 (4)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準じエッジワイズ、ノッチ有りの
条件で測定した。この際、試験片は実施例および比較例
にて作成した押出板より試験片(63.5×12.7×
3.2mmt)を切出し、ノッチングカッター(2.5
R切欠き)でノッチを入れたもの用いた。 (5)ゲルコロニー評価 実施例および比較例にて作成した押出板より20×20
cmのサイズに切出し、150℃オーブン中に釣り下げ
て20分間加熱処理し、その後冷却してゲルコロニーを
目視および顕微鏡観察にて200μm以上および200
μm以下に分類し各々の個数をカウントし、100cm
2 あたりの個数(個/100cm2 )に換算して評価し
た。 (6)測色 実施例および比較例にて作成した押出板より50×50
mmに切出し日立自記分光光度計C−2000((株)
日立製作所製)にて視野2゜、光源C光にて測色(La
b)を行った。
【0035】参考例1(アクリル系多層重合体(A−
1)の製造) コンデンサー、温度計、撹拌機を備えたグラスライニン
グ製100リットルの反応槽に、イオン交換水48kg
を投入し、ニッコールECT−3NEX(商品名、ポリ
オキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、日
光ケミカル製)4.5gおよび炭酸ナトリウム16gを
溶解して、撹拌しながら75℃に昇温した。これとは別
に30リットルのステンレス容器にメタクリル酸メチル
10.52kg、アクリル酸メチル0.67kgにメタ
クリル酸アリル22.3gとニッコールECT−3NE
X78gを溶解し乳化剤溶解単量体混合物(I)を調製
した。反応槽内が75℃になったら、重合開始剤として
過硫酸カリウム11.2gを投入した後、乳化剤溶解単
量体混合物(I)を2.0%/分の供給速度で連続的に
供給し重合を行った。乳化剤溶解単量体混合物(I)の
供給が終了したら、攪拌しながら75℃に30分保持し
た後、過硫酸カリウム14.7gを投入した後アクリル
酸ブチル11.89kg、スチレン2.44kg、メタ
クリル酸アリル288gおよびニッコールECT−33
NEX38.1gから成る乳化剤溶解単量体混合物(I
I)を1.67%/分の供給速度で連続的に供給し重合
した。乳化剤溶解単量体混合物(II)の供給が終了した
ら、攪拌しながら75℃に90分保持し、過硫酸カリウ
ム6.41gを投入した後、メタクリル酸メチル6.0
kgとアクリル酸メチル0.38kgおよびn−オクリ
ルメルカプタン12.3gから成る単量体混合物を3.
33%/分の供給速度で連続的に供給して重合した。単
量体混合物の供給が終了したら、攪拌しながら75℃に
60分保持し、重合を完結させた。重合終了後40℃ま
で冷却した後、325メッシュの金網で濾過して取り出
し粒子径0.23μmの3層重合体を40%含有するア
クリル系多層重合体(A−1)が得られた。
【0036】参考例2(アクリル系多層重合体(A−
2)の製造) コンデンサー、温度計、撹拌機を備えたグラスライニン
グ製100リットルの反応槽に、イオン交換水48kg
を投入し、ステアリン酸ナトリウム416g、ラウリル
ザルコシン酸ナトリウム128gおよび炭酸ナトリウム
16gを投入し溶解させた後、アクリル酸メチル9.8
kg、スチレン1.4kgおよびメタクリル酸アリル2
17gを投入し撹拌しながら70℃に昇温した後、3%
過硫酸カリウム水溶液112gを添加して重合を開始さ
せた。重合ピーク終了後30分間70℃に保持した。次
いでこのラテックスに2%過硫酸ナトリウム水溶液14
4gを更に添加した後、アクリル酸ブチル12.4k
g、スチレン1.76kgおよびメタクリル酸アリル2
80gからなるモノマー混合物を60分にわたって滴下
し、その後60分間撹拌を続けてグラフト重合を行っ
た。更に2%過硫酸カリウム水溶液100gを添加しメ
タクリル酸メチル6.2kg及びアクリル酸メチル0.
2kgおよびn−オクチルメルカプタン200gからな
る混合物を30分間にわたって滴下し、その後60分間
撹拌を続けて重合を完結させた。その後、冷却して重合
体ラテックスを得た。得られた重合体エマルジョンは、
粒子径0.20μmの軟−軟−硬の3層重合体を40%
含有するものであった。
【0037】参考例3(熱可塑性重合体(B−1)の製
造) アクリル系多層重合体(A)と同様の反応槽にイオン交
換水48kgを投入した後、ペレックスSS−H(商品
名、花王(株)製)252gを投入し、撹拌して溶解さ
せた。70℃に昇温し2%過硫酸カリウム水溶液160
gを添加した後、メタクリル酸メチル3.04kg、ア
クリル酸メチル0.16kgおよびn−オクチルメルカ
プタン13.8gから成る単量体混合物3.2kgを一
括添加し、重合を開始した。重合による発熱が終了した
時点から30分間攪拌しながら保持し、2%過硫酸カリ
ウム水溶液160gを添加後、メタクリル酸メチル2
7.4kg、アクリル酸メチル1.44kgおよびn−
オクチルメルカプタン98gから成る単量体混合物2
8.8kgを2時間かけて連続的に供給し重合を行っ
た。滴下終了後、60分放置した後冷却して粒子径0.
12μmの熱可塑性重合体(B)を40%含む重合体エ
マルジョンを得た。得られた熱可塑性重合体(B−1)
の粒子径は0.12μm、極限粘度は、0.52dl/
gであった。
【0038】参考例4(熱可塑性重合体(B−2)の製
造) 参考例3において、単量体混合物中のn−オクチルメル
カプタン量を1.1倍量に増し、極限粘度が0.437
dl/gである熱可塑性重合体(B−2)を得た。
【0039】参考例5(熱可塑性重合体(B−3)の製
造) 参考例3において、単量体混合物中のn−オクチルメル
カプタン量を1.2倍量に増し、極限粘度が0.374
dl/gである熱可塑性重合体(B−3)を得た。
【0040】参考例6(メタクリル系熱可塑性樹脂(C
−1)の製造) コンデンサー、温度計、攪拌機を備えたグラスライニン
グ製100リットルの反応槽に、イオン交換水48kg
を投入し、分散剤としてメタクリル酸メチル−メタクリ
ル酸共重合体の部分ケン化物8.5g、安定剤としてリ
ン酸2ナトリウム30gを投入し、メタクリル酸メチル
20.4kg、アクリル酸メテル3.6kg、n−ラウ
リルメルカプタン29gおよびアゾイソブチロニトリル
24gから成る混合物を投入し、窒素雰囲気下80℃で
懸濁重合を行い、メタクリル酸メチル85%、アクリル
酸メチル15%、重量平均分子量15万のビーズ状のメ
タクリル系熱可塑性樹脂(C−1)重合体を製造した。
【0041】参考例7(メタクリル系熱可塑性樹脂(C
−2)の製造) 混合物がメタクリル酸メチル23.5kg、アクリル酸
メチル0.5kg、n−オクチルメルカプタン60gお
よびアゾイソブチロニトリル14gである以外は参考例
6と同様の操作により、メタクリル酸メチル98%、ア
クリル酸メチル2%で重量平均分子量9万のビーズ状の
メタクリル系熱可塑性樹脂(C−2)を製造した。
【0042】実施例1 アクリル系多層重合体(A−1)を含むエマルジョン
と、熱可塑性重合体(B−1)を含むエマルジョンを
(A−1):(B−1)=1:1にブレンドし、−20
℃で2時間かけて凍結した。凍結したエマルジョンの2
倍量の80℃温水に凍結エマルジョンを投入・溶解しス
ラリーとした後、20分間80℃に保持した後、脱水
し、70℃で乾燥して粉体形状の耐衝撃性改良材を得
た。この耐衝撃性改良材のNB/NA=6.92、ηB/
xB=1.04であった。この耐衝撃性改良材とメタク
リル系熱可塑性樹脂(C−1)の、耐衝撃性改良材:メ
タクリル系熱可塑性樹脂(C−1)=2:3の混合重合
体100部に対し、ホスファイト化合物としてアデカス
タブPEP−36(商品名、主成分:ビス(2、4−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、旭電化工業(株)製)を0.03
部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としてJF−7
7(商品名、主成分:2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、城北化学工業
(株)製)を0.04部添加しスーパーミキサーにて混
合した。この混合物をTダイを装着させた50φ単軸押
出機を用いシリンダー温度260℃、ポリシングロール
温度100℃の条件でシート厚み3mmの押出板を作成
し、その評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】実施例2 アクリル系多層重合体(A−1)を含むエマルジョン
と、熱可塑性重合体(B−2)を含むエマルジョンを
(A−1):(B−2)=2:1にブレンドし、−20
℃で2時間かけて凍結した。凍結したエマルジョンの2
倍量の80℃温水に凍結エマルジョンを投入・溶解しス
ラリーとした後、20分間80℃に保持した後、脱水
し、70℃で乾燥して粉体形状の耐衝撃性改良材を得
た。この耐衝撃性改良材のNB/NAは3.46、ηB/
xBは、1.31であった。得られた耐衝撃性改良材と
メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)の、耐衝撃性改良
材:メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)=3:7の混
合重合体100部に対し、ホスファイト化合物としてア
デカスタブPEP−36を0.02部、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤としてJF−77を0.04部添加
しスーパーミキサーにて混合した。この混合物をTダイ
を装着させた50φ単軸押出機を用いシリンダー温度2
60℃、ポリシングロール温度100℃の条件でシート
厚み3mmの押出板を作成し、その評価を行った。結果
を表1に示す。
【0044】実施例3 アクリル系多層重合体(A−1)を含むエマルジョン
と、熱可塑性重合体(B−3)を含むエマルジョンを
(A−1):(B−3)=4:1にブレンドし、−20
℃で2時間かけて凍結した。凍結したエマルジョンの2
倍量の80℃温水に凍結エマルジョンを投入・溶解しス
ラリーとした後、20分間80℃に保持した後、脱水
し、70℃で乾燥して粉体形状の耐衝撃性改良材を得
た。この耐衝撃性改良材のNB/NA=1.73、ηB/
xB=1.87であった。得られた耐衝撃性改良材とメ
タクリル系熱可塑性樹脂(C−1)の、耐衝撃性改良
材:メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)=1:3の混
合重合体100部に対し、ホスファイト化合物としてJ
PP−2000(商品名、ジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト、城北化学工業(株)製)を0.
02部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としてJF
−79(商品名、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾ−ル)を0.04部添加しスーパーミキサーにて
混合した。この混合物をTダイを装着させた50φ単軸
押出機を用いシリンダー温度260℃、ポリシングロー
ル温度100℃の条件でシート厚み3mmの押出板を作
成し、その評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】実施例4 実施例2におけるアクリル系多層重合体(A−1)と熱
可塑性重合体(B−2)から成る耐衝撃性改良材と、メ
タクリル系熱可塑性樹脂(C−1)との、耐衝撃改良
材:メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)=1:5の混
合重合体100部に対し、ホスファイト化合物としてJ
PP−88(商品名、ビス(トリデシル)ペンタエリス
ルトールジホスファイトとビス(ノニルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイトの混合物、城北化学工
業(株)製)0.02部、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤としてJF−77を0.04部添加し、スーパー
ミキサーにて混合した。この混合物をTダイを装着させ
た50φ単軸押出機を用いシリンダー温度260℃、ポ
リシングロール温度100℃の条件でシート厚み3mm
のメタクリル耐衝撃樹脂板を作成し、その評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0046】実施例5 実施例2におけるアクリル系多層重合体(A−1)と熱
可塑性重合体(B−2)から成る耐衝撃性改良材と、メ
タクリル系熱可塑性樹脂(C−1)との、耐衝撃改良
材:メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)=5:7の混
合重合体100部に対し、ホスファイト化合物としてア
デカスタブPEP−36を0.02部、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤としてアデカスタブLA−31(商
品名、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3
−テトラメチルブチル)6−2H−ベンゾトリアゾール
−イル)フェノール]、旭電化工業(株)製)を0.0
4部添加しスーパーミキサーにて混合した。この混合重
合体をTダイを装着させた50φ単軸押出機を用いシリ
ンダー温度260℃、ポリシングロール温度100℃の
条件でシート厚み3mmの押出板を作成し、その評価を
行った。結果を表1に示す。
【0047】実施例6 実施例1の耐衝撃性改良材(NB/NA=6.92、ηB
/xB=1.04)100部に対し、ホスファイト化合
物としてアデカスダブPEP−36を0.1部および紫
外線吸収材としてJF−77を0.11部配合してTダ
イを装着させた50φ短軸押出機を用いシリンダー温度
260℃、ポリシングロール温度100℃の条件でシー
ト厚み3mmの押出板を作成し、その評価を行った。結
果を表1に示す。
【0048】実施例7 アクリル系多層重合体(A−1)に代えてアクリル系多
層重合体(A−2)を用いた以外は、実施例3と同様の
方法により熱可塑性重合体(B−3)を用いて耐衝撃性
改良材を作成し、次いでアクリル系熱可塑性樹脂(C−
1)ブレンドを行ってシートを作成し評価した。尚、こ
の際の耐衝撃性改良材のNB/NA=1.14、ηB/xB
=1.87であった。
【0049】実施例8 メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)に代えてメタクリ
ル系熱可塑性樹脂(C−2)を用い、耐衝撃改良材と混
合する際に添加剤として樹脂成分100部に対してホス
ファイト化合物としてアデカスタブPEP−36を0.
02部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としてJF
−77を0.04部、加工助剤としてパラロイドK12
5P(商品名、呉羽化学工業(株)製)1部を加える以
外は、実施例2と同様の方法によりシート厚み3mmの
押出板を作成し、その評価を行った。結果を表1に示
す。
【0050】実施例9 メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)に代えてメタクリ
ル系熱可塑性樹脂(C−2)を用い、耐衝撃改良材と混
合する際に添加剤として樹脂成分100部に対してアデ
カスタブPEP−36を0.02部、JF−77を0.
03部、パラロイド K125Pを1部加える以外は、
実施例4と同様の方法によりシート厚み3mmのメタク
リル耐衝撃樹脂板を作成し、その評価を行った。結果を
表1に示す。
【0051】実施例10 メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)に代えてメタクリ
ル系熱可塑性樹脂(C−2)を用い、耐衝撃改良材10
0部に対してアデカスタブPEP−36を0.1部、J
F−77を0.1部、パラロイド K125Pを3部加
える以外は、実施例6と同様の方法によりシート厚み3
mmの押出板を作成し、その評価を行った。結果を表1
に示す。
【0052】比較例1 アクリル系多層重合体(A−1)を含むエマルジョンを
−20℃で2時間かけて凍結した。凍結したエマルジョ
ンをその2倍量の80℃温水に投入・溶解しスラリーと
した後、20分間80℃に保持した後、脱水し、70℃
で乾燥してアクリル系多層重合体(A−1)の粉体を得
た。メタクリル熱可塑性樹脂(C−1)を用い、アクリ
ル系多層重合体(A−1)粉体:メタクリル熱可塑性樹
脂(C−1)=1:4となるようスーパーミキサーにて
混合し、混合重合体を得た。これを実施例1と同様の条
件でシート化して押出板を得、その評価を行った。結果
を表1に示す。
【0053】比較例2 熱可塑性重合体(B−3)を含むエマルジョンとアクリ
ル系多層重合体(A−1)を含むエマルジョンを4:9
6にブレンドし、−20℃で2時間かけて凍結した。凍
結したエマルジョンの2倍量の80℃温水に凍結エマル
ジョンを投入・溶解しスラリーとした後、20分間80
℃に保持し、脱水し、70℃で乾燥して粉体形状の混合
重合体を得た。この耐衝撃性改良材のNB/NA=0.2
9、ηB/xB=9.35であった。得られた耐衝撃性改
良材とメタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)との、耐衝
撃性改良材:メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)=
1:5の混合重合体100部に対してアデカスタブPE
P−36を0.2部、JF−77を0.03部となるよ
うスーパーミキサーにて混合した。この混合物をTダイ
を装着させた50φ単軸押出機を用いシリンダー温度2
60℃、ポリシングロール温度100℃の条件でシート
厚み3mmの押出板を作成し、その評価を行った。結果
を表1に示す。尚、押出時に熱分解物によると思われる
ガスのかみ込みが発生し、シートに気泡が含まれたりシ
ルバー状の欠点がしばしば発生した。
【0054】比較例3 熱可塑性重合体(B−1)含むエマルジョンを−20℃
で2時間かけて凍結した。凍結したエマルジョンをその
2倍量の80℃温水に投入・溶解しスラリーとした後、
20分間80℃に保持した後、脱水し、70℃で乾燥し
て熱可塑性重合体(B−1)の粉体を得た。比較例1で
用いたアクリル系多層重合体(A−1)の粉体にメタク
リル系熱可塑性樹脂(C−1)のビーズ状重合体および
上記熱可塑性重合体(B−1)の粉体を用い、(A−
1):(B−1):(C−1)=1:1:3となるよう
スーパーミキサーにて混合し、混合重合体を得た。これ
を実施例1と同様の条件でシート化して押出板を得、そ
の評価を行った。結果を表1に示す。
【0055】比較例4 メタクリル系熱可塑性樹脂(C−1)に代えてメタクリ
ル系熱可塑性樹脂(C−2)を用い、耐衝撃改良材と混
合する際に添加剤として樹脂成分100部に対してJF
−77を0.03部、パラロイドK125Pを1部加え
る以外は、比較例2と同様の方法によりシート厚み3m
mの押出板を作成し、その評価を行った。結果を表1に
示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明のメタクリル系耐衝撃性成形材料
は、メタクリル樹脂の特徴である耐候性に損ねることな
くゲルコロニーと着色が少なく外観性に優れるため極め
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 干場 孝男 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合法により得られる内層の少なく
    とも1層が炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステル
    単量体単位および/またはジエン系単量体単位を主体と
    する架橋弾性体層を有し、最外層に炭素数1〜8のメタ
    クリル酸アルキルエステル単量体を主体とする熱可塑性
    樹脂層を有し、粒子径が0.1〜0.3μmであるアク
    リル系多層重合体(A)50〜95重量%と、乳化重合
    法により得られるメタクリル酸メチル単位80重量%以
    上とこれと共重合可能なビニル系単量体単位0〜20重
    量%の共重合体であり、且つ粒子径が0.05〜0.2
    0μmである熱可塑性重合体(B)5〜50重量%と
    を、エマルジョン状態で、アクリル系多層重合体(A)
    および熱可塑性重合体(B)のそれぞれの粒子数(N)
    をNAおよびNBとしたとき、その比NB/NA=1〜8と
    なるように混合し、凝固し、乾燥して得られた耐衝撃性
    改良材に、下記構造を有するホスファイト化合物 【化1】 (ここでR1およびR2は、炭素数10〜22のアルキ
    ル基および置換されたフェニル基からなる群より選ばれ
    る置換基である)および紫外線吸収材を配合してなるメ
    タクリル系耐衝撃性成形材料。
  2. 【請求項2】 耐衝撃性改良材10〜80重量%と、メ
    タクリル酸メチル単位80重量%以上とこれと共重合可
    能なビニル系単量体単位0〜20重量%の共重合体であ
    り、かつ重量平均分子量が5万を超え20万未満である
    メタクリル系熱可塑性樹脂(C)20〜90重量%から
    なる樹脂組成物に、下記構造を有するホスファイト化合
    物 【化2】 (ここでR1およびR2は、炭素数10〜22のアルキ
    ル基および置換されたフェニル基からなる群より選ばれ
    る置換基である)および紫外線吸収材を配合してなる請
    求項1に記載のメタクリル系耐衝撃性成形材料。
  3. 【請求項3】 ホスファイト化合物および紫外線吸収材
    を、耐衝撃性改良材または樹脂組成物100重量部に対
    してそれぞれ0.001〜0.1重量部配合してなる請
    求項1または請求項2記載のメタクリル系耐衝撃性成形
    材料。
  4. 【請求項4】 熱可塑性重合体(B)の20℃における
    クロロホルム溶液で測定した極限粘度([η]:g/d
    l)をηBとし、組成物中におけるアクリル系多層重合
    体(A)と熱可塑性重合体(B)の重量分率をそれぞれ
    xAおよびxBとした場合に下記の関係式を満足する請求
    項1〜3記載のメタクリル系耐衝撃性成形材料。 xA+xB=1 0.05≦ηB/xB≦2.5
  5. 【請求項5】 アクリル系多層重合体(A)が3層重合
    体であり、第1層がメタクリル酸メチル単量体80〜9
    9.95重量部、炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエ
    ステル単量体0〜19.95重量%、多官能性単量体
    0.05〜2重量%を重合してなる硬質架橋樹脂層であ
    り、第2層が炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステ
    ル単量体80〜98重量%、芳香族ビニル化合物単量体
    1〜19重量%、多官能性単量体1〜5重量%を重合し
    てなる架橋弾性体層であり、第3層がメタクリル酸メチ
    ル単量体80〜100重量部、炭素数1〜8のアクリル
    酸アルキルエステル単量体0〜20重量%を重合してな
    る硬質熱可塑性樹脂層から構成されていることを特徴と
    する請求項1〜4記載のメタクリル系耐衝撃性成形材
    料。
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