JP5424524B2 - スチレン系樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体 Download PDF

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本発明は、耐候性に優れたスチレン系樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体に関する。
スチレン系樹脂、特にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)は、耐衝撃性、剛性などの機械的特性や加工特性に優れていることから自動車、住宅建材、家庭電気製品などの様々な用途に使用されている。しかし、ABS樹脂に使用されているブタジエンゴムが耐候性に一般的に弱いとされていることから、ブタジエンゴム以外の耐候性に優れた補強ゴムを使用した樹脂が提案されている(特許文献1参照)。更に耐候性を向上させる方法として補強ゴムの複合化やアクリロニトリルの含有量を特定化することが提案されている(特許文献2参照)。しかし、近年、住宅のロングライフ化の流れから建材などの屋外製品では一段と高い耐候性能レベルが要求されている。そのため、促進暴露試験結果で色変化(色差)のみを重視する従来の傾向から、色変化(色差)だけではなく、表面の光沢低下率(光沢保持率)とのバランスを重視するようになったことから、上記の提案だけでは市場で満足が得られていない。
特開平04−180949号公報 特許3218195号公報
本発明は、耐候性に優れた樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂組成物中に特定の組成の共重合体およびグラフト共重合体を混合する場合に限り、その目的に適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、芳香族ビニル単量体40〜65重量%、不飽和ニトリル単量体30〜50重量%、および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体5〜10重量%(但し、芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体、および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の合計が100重量%である。)を共重合してなるビニル系共重合体(A)とアル
キル(メタ)アクリレートゴム成分及びポリオルガノシロキサン成分からなる複合ゴム状重合体(Ca)を含むグラフト共重合体(B)とからなるスチレン系樹脂組成物であって、アセトン可溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(MS)が45〜65重量%であり、サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター: WEL−SUN−HCH型を用い、ブラックパネル温度63℃、18分/120分の降雨有り条件下で2000時間暴露した後の光沢保持率が94%以上であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物に関する。
本発明の樹脂組成物は、優れた耐候性を有するという効果を奏する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明におけるスチレン系樹脂組成物は、ビニル系共重合体(A)とグラフト共重合体(B)との混合物からなり、ビニル系共重合体(A)は、芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体、および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体からなる共重合体である。ビニル系共重合体(A)には、これらの単量体以外にも共重合可能な他の単量体を共重合体することもできる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等が挙げられる。好ましくはスチレンである。不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。好ましくはアクリロニトリルである。不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられる。メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートが更に好ましい。最も好ましくはn−ブチルアクリレートである。他の単量体としては、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドなどのマレイミド系単量体等が挙げられる。
ビニル系共重合体(A)としては、アクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン−メチルメタアクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート−メチルメタアクリレート共重合体が挙げられ、特にアクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン−メチルメタアクリレート共重合体が好ましく、更にアクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体が好ましい。
ビニル系共重合体(A)の製造方法としては、特に限定はされないが、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、およびこれら重合法の組み合わせ等の方法が挙げられる。
ビニル系重合体()の組成は特に限定されないが、芳香族ビニル単量体40〜65重量%、不飽和ニトリル単量体30〜50重量%、および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体5〜60重量%(但し、芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体、および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の合計が100重量%である。)であることが好ましい。
グラフト共重合体(B)には、アルキル(メタ)アクリレートゴム成分からなるゴム状重合体(C)が含まれており、アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられる。メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートが更に好ましい。最も好ましくはn−ブチルアクリレートである。
グラフト共重合体(B)は、ゴム状重合体(C)に芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体、および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体から選ばれる1種以上の単量体がグラフトされていることが好ましく、ビニル系共重合体(A)との相容性の観点から特に、芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体、芳香族ビニル単量体と不飽和ニトリル単量体との混合単量体、並びに芳香族ビニル単量体と不飽和ニトリル単量体と不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体との混合単量体をグラフトすることが好ましい。グラフト共重合体(B)からゴム状重合体(C)を除いたグラフトの各成分の組成は、特に限定されないが、芳香族ビニル単量体40〜85重量%、不飽和ニトリル単量体15〜60重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体0〜20重量%(但し、これら単量体の合計を100重量%とする。)であることが好ましい。
グラフト共重合体(B)の製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、およびこれら重合法の組み合わせ等の方法が挙げられる。具体的には、乳化重合で製造されたゴム状重合体ラテックスに芳香族ビニル単量体をグラフト重合させる乳化グラフト重合方式がある(例えば、特開平4−180949号公報参照)。また、これら重合方法には、連続式、バッチ式、セミバッチ式いずれの方法も使用可能である。グラフト共重合体の製造過程で生成するゴム状重合体にグラフトした成分の割合は、好ましくは、ゴム状重合体を100重量部として、10〜150重量部であり、より好ましくは、20〜80重量部である。グラフト共重合体は、重合反応により生成したグラフト共重合体およびビニル共重合体の混合物をアセトンに溶解した不溶分として得ることができ、グラフトした成分の割合は該不溶分からゴム状重合体の割合を差し引くことにより求めることができる。
本発明におけるスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体の割合は、1〜60重量%の範囲で用いられるが、該範囲は必要とする機械的強度、剛性、耐熱性、耐候性に応じて決定される。好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは10〜30重量%である。
ゴム状重合体(C)の重量平均粒子径は特に限定されないが、0.05〜1μmが好ましく、0.07〜0.5μmが特に好ましく、0.08〜0.3μmが更に好ましい。
ゴム状重合体(C)は、アルキル(メタ)アクリレートゴム成分とポリオルガノシロキサン成分からなる複合ゴム状重合体(Ca)であることが好ましい。
複合ゴム状重合体(Ca)の製造方法としては、特に限定はされないが、ポリオルガノシロキサンラテックス成分にアルキル(メタ)アクリレート、および多官能アルキル(メタ)アクリレートからなるアルキル(メタ)アクリレート成分を含浸させた後に重合させることにより製造することができる(例えば、特許3218195号公報参照)。複合ゴム状重合体(Ca)の重量平均粒子径は特に限定されないが、0.05〜1μmが好ましく、0.07〜0.5μmが特に好ましく、0.08〜0.3μmが更に好ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、アセトン可溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(MS)が40〜65重量%に調整されることが好ましく、特に45〜63重量%が好ましく、更に50〜60重量%が好ましい。芳香族ビニル化合物単位の割合(MS)が40重量%未満であると加工性に劣り、65重量%を超えると高い耐候性能が十分に得られない。
芳香族ビニル化合物単位の割合は、スチレン系樹脂組成物をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離し、フーリエ変換赤外分光光度計(以下、FT−IRと略すことがある。)により検出する。FT−IRには、アセトン可溶分およびアセトン不溶分をそれぞれ圧縮成形等により、0.01〜0.08μmのフィルムに作製したサンプルが使用される。
FT−IRには、日本分光工業株式会社製:FT/IR−7000が使用され、MSは、2262cm-1の吸光度(A1)、2238〜2242cm-1のピーク吸光度(A2)、2222cm-1の吸光度(A3)、1792cm-1の吸光度(E1)、1734〜1738cm-1のピーク吸光度(E2)、1661cm-1の吸光度(E3)、1617cm-1の吸光度(S1)、1600〜1606cm-1のピーク吸光度(S2)、および1575cm-1の吸光度(S3)から下記式(1)より求められる。
MS=1.0/(A+E+1.0)×100 ・・・ 式(1)
但し、A=AA/SS×0.27599
E=EE/SS×0.0438+0.005
AA=A2−(A1−A3)×(A2−A3)/(A1−A3)−A3
SS=S2−(S1−S3)×(S2−S3)/(S1−S3)−S3
EE=E2−(E1−E3)×(E2−E3)/(E1−E3)−E3
本発明のスチレン系樹脂組成物は、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を、またその他に滑剤、紫外線吸収剤、耐光剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、分散剤、発泡剤、繊維状および粒状無機充填剤、天然素材、およびその他熱可塑性樹脂組成物に対して一般的に用いられるその他の配合剤、添加剤を配合することもできる。
他の熱可塑性樹脂としては、PMMA、MMAグラフトアクリルゴム、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、PMMA、ポリエステルエラストマー、ポリカプロラクトン、芳香族ポリエステルエラストマー、ポリアミド系エラストマー、ASグラフトポリエチレン、ASグラフトポリプロピレン等が挙げられ、特にPMMA、MMAグラフトアクリルゴムが好ましく、スチレン系樹脂組成物100重量部に対して、10〜150重量部配合されることが好ましい。MMAグラフトアクリルゴムとしては、2層構造でも多層構造でも構わない。
滑剤としては、脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス等が挙げられ、脂肪酸金属塩、およびポリエチレンワックスの併用が好ましく、スチレン系樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部配合されることが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、トリアジン系、オキザニリド系、ニッケル錯塩系、および無機紫外線吸収剤などその他熱可塑性樹脂に一般的に使用されるものが使用でき、これらのうちベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、トリアジン系が好ましく、さらにベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系が好ましい。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、スチレン系樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜5重量部配合されることが好ましい。耐光剤としては、アミン系が好ましく、更にヒンダードアミンが好ましい。これらは1種又は2種類以上を組み合わせて使用することができ、樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部配合されることが好ましい。
本発明におけるスチレン系樹脂組成物の製造方法は、特に限定はないが、単軸もしくは2軸のベント付き押出機、プラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーなどの熱可塑性樹脂に一般的に用いられる各種混合装置を用いることができる。これらのうち2軸のベント付き押出機による製造が望ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、2層成形体の表皮に使用されることが好ましい。2層成形体とは、2種類の樹脂で構成される成形体であり、特に制限はないが、主に製品裏面となるベース材と製品表面となる表皮材から構成される。成形方法としては、特に制限はなく、熱可塑性樹脂で使用される成形方法が適用される。例えば、射出成形、押出成形、シート押出成形、ブロー成形、およびカレンダ成形などが好ましい。製品としては、特に制限されることなく、各種製品への展開が可能であるが、太陽光や蛍光灯を直接的又は間接的に受ける製品への展開が好ましく、更に屋外に使用されることが好ましい。例えば、エクステリアデッキ、ラティスフェンス、雨樋、サッシ、門、エアコンダクトカバー、エアコン室外機、自動車外装部などが好ましい。
次に、実施例および参考例によって本発明を更に具体的に説明する。
なお、下記の実施例および比較例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、これらの実施例等に何ら限定されるものではない。
また、実施例中の評価、各種測定は以下の方法で行った。更に、組成および配合は、特に記述がない限り重量単位を示す。
1.原料
(A)ビニル系共重合体
A−1:
アクリロニトリル27重量%、スチレン63重量%、ブチルアクリレート10重量%、還元粘度0.51のアクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体
A−2:
アクリロニトリル39重量%、スチレン51重量%、ブチルアクリレート10重量%、還元粘度0.42のアクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体
A−3:
アクリロニトリル10重量%、スチレン40重量%、メチルメタクリレート50重量%、還元粘度0.57のアクリロニトリル−スチレン−メチルメタクリレート共重合体
A−4:
アクリロニトリル20重量%、スチレン70重量%、ブチルアクリレート10重量%、還元粘度0.50のアクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体
A−5:
アクリロニトリル40重量%、スチレン60重量%、還元粘度0.58のアクリロニトリル−スチレン共重合体
A−6:
アクリロニトリル30重量%、スチレン70重量%、還元粘度0.65のアクリロニトリル−スチレン共重合体
A−7:
アクリロニトリル20重量%、スチレン80重量%、還元粘度0.67のアクリロニトリル−スチレン共重合体
(B)グラフト共重合体
B−1:
ASグラフトアクリルゴム
ASグラフトアクリルゴムは、まずシードラテックスを製造してからASをグラフトする。
まず反応器内にイオン交換水248.3重量部、16%濃度のジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム水溶液0.05重量部を仕込み、かきまぜながら窒素置換を十分に行った後、昇温して内温を75℃にした。この反応器に過硫酸アンモニウム0.02重量部添加後、メタクリル酸メチル8重量部、アクリル酸ブチル2重量部の混合物を50分間で連続的に添加した。添加後、さらに過硫酸アンモニウム0.01重量部を添加してから75℃で45分間反応を続けた。重合率は99%であり、ラテックスの粒子径は0.17μmであった。
次にこのラテックス133.32重量部に、イオン交換水372.46重量部反応器に仕込み、かきまぜながら窒素置換を十分に行った後、昇温して内温75℃にした。この反応器にイオン交換水8重量部、16%濃度のジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム水溶液0.375重量部、過硫酸アンモニウム0.04重量部添加後、メタクリル酸メチル12重量部とアクリル酸ブチル3重量部との混合物を50分間で連続的に添加した。添加終了後、さらに反応を完結するために75℃で45分間反応を続けた。重合率は98%であり、ラテックスの粒子径は0.28μmであった。この得られた硬質樹脂粒子を含有するラテックスの存在下に、イオン交換水8重量部、16%濃度のジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム水溶液0.625重量部、過硫酸アンモニウム0.02重量部を添加後、降温して内温70℃とした。そこでアクリル酸ブチル126重量部と、架橋剤としてのトリアリルイソシンアヌレート1.2重量部との混合物を70℃で80分間かけて連続的に添加した。添加終了後、さらに70℃で25分間反応を続けた。重合率は85%であり、粒子径は0.41μmであった。
工程終了後、昇温して内温75℃とした後、イオン交換水8重量部、16%濃度のジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム水溶液5.625重量部、過硫酸アンモニウム0.09重量部添加後、アクリロニトリル13.5重量部、スチレン40.5重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.075重量部から成る混合物を75℃で160分間かけて連続的に添加した。添加終了後、さらに反応を完結するために75℃で90分間反応を続けた。反応重合率は93%であった。メタクリル酸メチル8重量部、アクリル酸ブチル65重量部からなるアクリルゴムにアクリロニトリル6.75重量部、スチレン20.25重量部がグラフトした粒子径0.5μm、不溶分量78重量%、可溶分の還元粘度0.75のASグラフトアクリルゴムを製造した。
B−2:
ASグラフトシリコーン・アクリル複合ゴム(三菱レイヨン株式会社製:メタブレンSX−006)
B−3:
MMAグラフトアクリルゴム(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製:EXL2315)
B−4:
MMAグラフトアクリルゴム(株式会社カネカ製:FM−50)
(D)添加剤その他
D−1:
紫外線吸収剤(城北化学工業株式会社製:JF77)
D−2:
耐光剤(城北化学工業株式会社製:JF90)
D−3:
カーボンブラック(三菱化学株式会社製:CB−960)
(E)その他熱可塑性樹脂
E−1:
PMMA(旭化成ケミカルズ株式会社製 デルペット70H)
〔参考例1〜3、実施例1〜
表1、2に示す配合で混合し、設定温度240℃の二軸押出機で混練溶融させてペレットを作製した。得られたペレットを設定温度250℃、金型温度60℃の条件下で長さ90mm、巾50mm、厚み2.5mmの射出成形品プレート片を作製し、耐候性を評価した。結果を表1、2に示す。
〔比較例1〜9〕
表3に示す配合で混合し、実施例1〜と同様にして、ペレッを作製し、得られたペレットを実施例1〜と同様にして射出成形品プレート片を作製し、耐候性を評価した。結果を表3に示す。
2.測定項目
1)耐候性:
サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター: WEL−SUN−HCH型を用い、ブラックパネル温度63℃、18分/120分の降雨有り条件下で2000時間暴露し、コニカミノルタセンシング株式会社製:色彩色差計;CR−300を用い非暴露自材片との色差(ΔE)を測定し、5未満の場合を○、5以上の場合を×とした。また、スガ試験機株式会社製:携帯光沢計HG−268を用い光沢を測定し非暴露からの光沢保持率を計算し、94%以上の場合を○、94%未満の場合を×とした。
2)アセトン可溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(MS):
樹脂組成物をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離し、アセトン可溶分を圧縮成形により、0.01〜0.08μmのフィルムを作製し、日本分光工業株式会社製:FT/IR−7000により、2262cm-1の吸光度(A1)、2238〜2242cm-1のピーク吸光度(A2)、2222cm-1の吸光度(A3)、1792cm-1の吸光度(E1)、1734〜1738cm-1のピーク吸光度(E2)、1661cm-1の吸光度(E3)、1617cm-1の吸光度(S1)、1600〜1606cm-1のピーク吸光度(S2)、および1575cm-1の吸光度(S3)を検出し、下記式(1)より求めた。
MS=1.0/(A+E+1.0)×100 ・・・ 式(1)
但し、A=AA/SS×0.27599
E=EE/SS×0.0438+0.005
AA=A2−(A1−A3)×(A2−A3)/(A1−A3)−A3
SS=S2−(S1−S3)×(S2−S3)/(S1−S3)−S3
EE=E2−(E1−E3)×(E2−E3)/(E1−E3)−E3
表1〜3で本発明のスチレン系樹脂組成物は、促進暴露試験で色差(ΔE)、光沢保持率のバランスに優れていることがわかり、本発明の条件を満たさない場合には、耐候性において本発明のスチレン系樹脂組成物より劣ることがわかる。
Figure 0005424524
Figure 0005424524
Figure 0005424524
本発明は、耐候性に優れた効果を有するスチレン系樹脂組成物であるため、太陽光や蛍光灯に直接もしくは間接的に接する樹脂製品に最適である。

Claims (3)

  1. 芳香族ビニル単量体40〜65重量%、不飽和ニトリル単量体30〜50重量%、および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体5〜10重量%(但し、芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体、および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の合計が100重量%である。)を共重合してなるビニル系共重合体(A)とアルキル(メタ)アクリレートゴム成分及びポリオルガノシロキサン成分からなる複合ゴム状重合体(Ca)を含むグラフト共重合体(B)とからなるスチレン系樹脂組成物であって、アセトン可溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(MS)が45〜65重量%であり、サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター: WEL−SUN−HCH型を用い、ブラックパネル温度63℃、18分/120分の降雨有り条件下で2000時間暴露した後の光沢保持率が94%以上であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
  2. ビニル系共重合体(A)が、アクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体(Aa)であることを特徴とする請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のスチレン系樹脂組成物が、2層成形体の表皮層を形成していることを特徴とする樹脂成形体。
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