JP4393815B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐衝撃性、耐候性に優れ、比較的安価な樹脂組成物に関する。
スチレン系樹脂、特にABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)は、耐衝撃性、剛性などの機械的特性や加工特性に優れていることから自動車、住宅建材、家庭電気製品などの様々な用途に使用されている。ABS樹脂でも組成比率を変更することで、耐衝撃性や塗装性、耐薬品性を強化することが報告されているが(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、補強ゴムが、共役ジエン系重合体であるため、一般的に耐候性に弱いとされていた。この欠点を改良するため、共役ジエン系重合体を含む多層構造の複合補強ゴムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、これらの提案では、共役ジエン系重合体の補強ゴムと比較して、着色性が悪く、着色に使用する顔料の種類が限定されると共に添加量が多くなり、希望の色調に合わせるのが困難となる。また、補強ゴム自体が非常に高価となると共に、耐衝撃性の改質効果が低く、衝撃向上にはゴムを多く添加する必要があるため、樹脂組成物としても非常に高価である。
特公昭60−28311号公報 特許第2079208号公報 特開平06−032961号公報
本発明は、耐衝撃性、耐候性に優れた樹脂組成物を比較的安価に提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂組成物中の芳香族ビニル化合物単位が特定の割合で存在する場合に限り、その目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、アセトン可溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(MS)が50〜66重量%、ゴム状重合体を除いたアセトン不溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(GS)が50〜68重量%、かつΔS(|MS−GS|)が3重量%未満、および樹脂組成物中の芳香族ビニル化合物単位合計量の割合(TS)が30〜57重量であり、63℃、降雨有り条件のサンシャイン・ウェザー・メーター500時間の促進試験において、対自材の色差が5以下であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物に関する。
本発明の樹脂組成物は、比較的安価であり、かつ優れた耐衝撃性、耐候性の効果を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明における樹脂組成物は、ゴム状重合体に芳香族ビニル単量体を含むビニル系単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体(I)、芳香族ビニル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル系共重合体(II)との混合物からなる。
グラフト重合体(I)は、ゴム状重合体の存在下に、芳香族ビニル単量体を含むビニル系単量体混合物をグラフト重合させて得ることができる。グラフト重合体(I)中のビニル系単量体混合物とビニル系共重合体(II)には、不飽和ニトリル単量体や不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が含まれることが好ましい。その他、芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を含むこともできる。
グラフト重合体におけるゴム状重合体としては、ガラス転移温度が0℃以下のものであれば用いることができる。具体的にはポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム等の共役ジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコンゴム、、シリコン−アクリル複合ゴムおよびそれらの水素添加物等を使用することができる。これらの中でも共役ジエン系重合体が好ましく、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムが好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等が挙げられる。好ましくは、スチレンである。不飽和二トリル単量体としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。好ましくは、アクリロニトリルである。不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられる。メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートが更に好ましい。最も好ましくは、n−ブチルアクリレートである。
その他芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドなどのマレイミド系単量体等が挙げられる。
グラフト重合体の製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、およびこれらの重合法の組み合わせ等の方法がある。具体的には、乳化重合で製造されたゴム状重合体ラテックスにビニル単量体をグラフト重合させる乳化グラフト重合方式がある。また、連続式、バッチ式、セミバッチ式いずれの方法も可能である。グラフト重合体の製造過程で生成するゴム状重合体にグラフトした成分の割合は、好ましくは、ゴム状重合体を100重量部として、10〜150重量部であり、より好ましくは、20〜80重量部である。グラフト重合体は、重合反応により生成したグラフト重合体およびビニル共重合体の混合物をアセトンに溶解した不溶分として得ることができ、グラフトした成分の割合は該不溶分からゴム状重合体の割合を差し引くことにより求めることができる。
樹脂組成物中のゴム状重合体の割合は、1〜60重量%の範囲で用いられるが、必要とする機械的強度、剛性、耐熱性に応じて決められる。好ましくは、5〜50重量%であり、より好ましくは10〜30重量%である。
本発明の樹脂組成物は、アセトン可溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(MS)が50〜66重量%、ゴム状重合体を除くアセトン不溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(GS)が50〜68重量%であり、かつΔS(|MS−GS|)が3重量%未満である。MSは、55〜66重量%が好ましく、58〜66重量がさらに好ましい。MSが50重量%未満であると、成形性が悪く、66重量%を超える場合は、耐候性の効果が得られにくい。GSは、55〜68重量%が好ましく、58〜68重量%がさらに好ましい。GSが50重量%未満であると、成形性が悪く、68重量%を超える場合は、耐候性の効果が得られにくい。また、ΔSは、2重量%以下が好ましい。ΔSが3重量%以上の場合、衝撃性が低下すると共に成形品の表面剥離が懸念される。
本発明の樹脂組成物中の芳香族ビニル化合物単位合計量の割合(TS)は30〜57重量であるが、35〜55重量が好ましい。30重量未満であると、成形加工性が悪く、57重量を超える場合、耐候性の効果が得られにくい。
芳香族ビニル化合物単位の割合は、樹脂組成物をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離し、フーリエ変換赤外分光光度計(以下、FT−IRと略すことがある)により検出する。FT−IRには、アセトン可溶分およびアセトン不溶分をそれぞれ圧縮成形等により、0.01〜0.08μmのフィルムに作製したサンプルが使用される。
FT−IRには、日本分光工業株式会社製FT/IR−7000が使用され、MSは、2262cm−1の吸光度(A1)、2238〜2242cm−1のピーク吸光度(A2)、2222cm−1の吸光度(A3)、1792cm−1の吸光度(E1)、1734〜1738cm−1のピーク吸光度(E2)、1661cm−1の吸光度(E3)、1617cm−1の吸光度(S1)、1600〜1606cm−1のピーク吸光度(S2)、および1575cm−1の吸光度(S3)から下記式(1)より求められる。
MS=1.0/(A+E+1.0)×100 ・・・ 式(1)
但し、A=AA/SS×0.27599
E=EE/SS×0.0438+0.005
AA=A2−(A1−A3)×(A2の波数−A3の波数)/(A1の波数−A3の波数)−A3
SS=S2−(S1−S3)×(S2の波数−S3の波数)/(S1の波数−S3の波数)−S3
EE=E2−(E1−E3)×(E2の波数−E3の波数)/(E1の波数−E3の波数)−E3
GSは、A1、A2、A3、S1、S2、S3から下記式(2)より求められる。
GS=1.0/(A+1.0)×100 ・・・ 式(2)
但し、A=AA/SS×0.27599
AA=A2−(A1−A3)×(A2の波数−A3の波数)/(A1の波数−A3の波数)−A3
SS=S2−(S1−S3)×(S2の波数−S3の波数)/(S1の波数−S3の波数)−S3
樹脂組成物中の芳香族ビニル化合物単位合計量の割合(TS)は、下記式(3)より求められる。
TS=((GT−GR)×GS+MT×MS)/100 ・・・ 式(3)
但し、GT=アセトン不溶分重量、GR=ゴム状重合体重量、MT=アセトン可溶分
重量
樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、グラフト重合体とビニル系共重合体を同時に製造する方法、グラフト重合体と芳香族ビニル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られるビニル系共重合体からなるゴム状重合体の割合の高い混合物(以下、GRCと略することがある)を製造し、別に製造した芳香族ビニル単量体を含む単量体混合物を共重合してなるビニル系共重合体を混合する方法のいずれも可能である。具体的には、乳化重合により、グラフト重合体とグラフト重合しないビニル系共重合体を同時に作り、そのゴム強化ラテックスから凝固剤を用いて固形分を凝固させる方法、また乳化重合によりゴム状重合体の割合の高いGRCのラテックスを製造し、上記と同様に凝固剤を用いて固形分を凝固し、別に塊状重合、乳化重合や懸濁重合等で製造したビニル共重合体とともに配合して目的のゴム含有量にする方法等がある。
本発明の樹脂組成物は、63℃、降雨有り条件でのサンシャイン・ウェザー・メーター(以下、SWOMと略すことがある)500時間の促進試験において、対自材の色差が5以下である。試験条件は、JIS A1415に準拠した試験方法であり、ブラックパネル温度63℃、18分/120分サイクルのスプレー条件で実施される。促進時間は500時間としているが、SWOMは、カーボンアークを使用しており、500時間までに交換を必要とするが、その交換回数は特に制限しないが、6〜10回が好ましい。
試験片は、成形方法、および形状は特に規定はなく、どんな成形方法および形状であっても構わないが、射出成形品、押出成形品、シート成形品、圧縮成形で作製された、表面が平滑なものが好ましい。表面は光沢面でも、シボのある艶消し面でも構わない。試験片の色調は特に制限がないが、自然色、および酸化チタン又はチタンイエロー又はカーボンブラックが配合されている色調が好ましい。促進試験後、対自材の色差を測定するが、測定機器については、特に制限がなく、一般的に色差を測定するカラーアナライザーが使用できる。
本発明の樹脂組成物は、SWOM500時間の促進試験において、対自材の色差が5以下であるが、下限は特に設定してないが、0に近ければ近いほど好ましい。5を超える場合、見た目に大きく色調が異なり、耐候性用途への展開が困難となる。
本発明の樹脂組成物は、紫外線吸収剤、および/または耐光剤が配合されることが好ましく、両者を併用することがさらに好ましい。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、トリアジン系、オキザニリド系、ニッケル錯塩系、および無機紫外線吸収剤などその他熱可塑性樹脂に一般的に使用されるものが使用でき、これらのうちベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、トリアジン系が好ましく、さらにベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系が好ましい。特に反応性タイプが好ましい。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましい。耐光剤は、アミン系が好ましく、更にヒンダードアミンが好ましく、特に反応性タイプが好ましい。これらは1種又は2種類以上を組み合わせて使用することができ、樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
本発明の系樹脂組成物は、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を、またその他に滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、分散剤、発泡剤、繊維状および粒状無機充填剤、あるいは熱可塑性樹脂組成物において一般的に用いられるその他の配合剤、添加剤を配合することも可能である。他の熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、PMMA、ポリエステルエラストマー、ポリカプロラクトン、芳香族ポリエステルエラストマー、ポリアミド系エラストマー、ASグラフトポリエチレン、ASグラフトポリプロピレン等が挙げられる。また、滑剤としては、脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
本発明におけるスチレン系樹脂組成物の製造方法は、特に限定はないが、単軸もしくは2軸のベント付き押出機、プラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーなどの熱可塑性樹脂に一般的に用いられる各種混合装置を用いることができる。これらのうち2軸のベント付き押出機による製造が望ましい。
本発明の樹脂組成物は、特に制限されることなく、各種製品への展開が可能であるが、太陽光や蛍光灯を直接的又は間接的に受ける製品への展開が好ましく、更に住宅内・外装の製品が好ましい。例えば、浴室部材、キッチン部材、トイレ部材、ガーデニング部材および屋外製品のカバーなどが好ましく、特に浴室出窓およびドア樹脂枠、キッチン扉木口材、トイレカウンター、トイレ収納カバー、デッキ材、フェンス、門、エアコンダクトカバー、エアコン室外機、エアコン配線穴キャップ、物干し竿、物干し竿キャップ、シャッターカバー、昇り竿、および疑似竹などが好ましい。
次に、実施例および参考例によって本発明を説明する。
なお下記の実施例および比較例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、以下の例に限定されるものではない。尚、実施例中の評価、各種測定は以下の方法で行った。また、組成および配合は、特に記述がない限り重量単位を示す。
1.原料
(A)樹脂組成物
ABS−1:
ブタジエン系ゴム50重量%、ゴム重量平均粒子径200〜300nm、アクリロニトリル20重量%、スチレン30重量%、グラフト率50%、還元粘度0.39のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
ABS−2:
ブタジエン系ゴム50重量%、ゴム重量平均粒子径200〜300nm、アクリロニトリル17重量%、スチレン33重量%、グラフト率45%、還元粘度0.3のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
ABS−3:
ブタジエン系ゴム50重量%、ゴム重量平均粒子径200〜300nm、アクリロニトリル15重量%、スチレン35重量%、グラフト率55%、還元粘度0.26のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
AS−1:
アクリロニトリル40重量%、スチレン60重量%、還元粘度0.58のアクリロニトリル−スチレン共重合体
AS−2:
アクリロニトリル40重量%、スチレン60重量%、還元粘度0.47のアクリロニトリル−スチレン共重合体
AS−3:
アクリロニトリル34重量%、スチレン66重量%、還元粘度0.61のアクリロニトリル−スチレン共重合体
AS−4:
アクリロニトリル75重量%、スチレン25重量%、還元粘度0.46のアクリロニトリル−スチレン共重合体
AS−5:
アクリロニトリル30重量%、スチレン70重量%、還元粘度0.65のアクリロニトリル−スチレン共重合体
ここで言うグラフト率とは、ゴム状重合体にグラフト共重合した成分の、ゴム状重合体に対する重量割合として定義される。重合反応により生成した重合体をアセトンに溶解し、遠心分離器によりアセトン可溶分と不溶分とに分離する。この時、アセトンに溶解する成分は重合反応した共重合体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成分)であり、アセトン不溶分はゴム状重合体、及びゴム状重合体にグラフト反応した成分(グラフト成分)である。アセトン不溶分の重量からゴム状重合体の重量を差し引いた値がグラフト成分の重量として定義されるので、これらの値からグラフト率を求めることが出来る。
還元粘度とは、熱可塑性樹脂をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離する。熱可塑性樹脂におけるゴム状重合体にグラフトしていない成分(非グラフト成分)の還元比粘度は、アセトン可溶分0.25gを2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより得られる。
(B)添加剤
B−1:
2−(2‘−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
B−2:
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
B−3:
二酸化チタン
B−4:
チタン、アンチモン、クロムの複合酸化物
B−5:
エチレンビスステアリン酸アマイド
2.測定項目
1)シャルピー衝撃強度:
ISO179に準拠した測定を行った。
2)耐候性:
設定温度260℃、金型温度60℃の条件下で長さ90mm、巾50mm、厚み2.5mmの射出成形品プレート片をスガ試験機株式会社製 サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター WEL−SUN−HCH型を用い、63℃、18分/120分の降雨有り条件下で500時間暴露し、スガ試験機株式会社製 S&M COLOUR COMPUTER MODEL SM−5を用い非暴露自材片との色差(ΔE)を測定した。
3)アセトン可溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(MS):
樹脂組成物をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離し、アセトン可溶分を圧縮成形により、0.01〜0.08μmのフィルムを作製し、日本分光工業株式会社製FT/IR−7000により、2262cm−1の吸光度(A1)、2238〜2242cm−1のピーク吸光度(A2)、2222cm−1の吸光度(A3)、1792cm−1の吸光度(E1)、1734〜1738cm−1のピーク吸光度(E2)、1661cm−1の吸光度(E3)、1617cm−1の吸光度(S1)、1600〜1606cm−1のピーク吸光度(S2)、および1575cm−1の吸光度(S3)を検出し、下記式(1)より求めた。
MS=1.0/(A+E+1.0)×100 ・・・ 式(1)
但し、A=AA/SS×0.27599
E=EE/SS×0.0438+0.005
AA=A2−(A1−A3)×(A2の波数−A3の波数)/(A1の波数−A3の波数)−A3
SS=S2−(S1−S3)×(S2の波数−S3の波数)/(S1の波数−S3の波数)−S3
EE=E2−(E1−E3)×(E2の波数−E3の波数)/(E1の波数−E3の波数)−E3
4)ゴム重合体を除いたアセトン不溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(GS):
樹脂組成物をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセト
ン不溶分に分離し、アセトン不可溶分を圧縮成形により、0.01〜0.08μmのフィ
ルムを作製し、日本分光工業株式会社製FT/IR−7000により、A1、A2、A3
、S1、S2、S3を検出し、式(2)より求めた。
GS=1.0/(A+1.0)×100 ・・・ 式(2)
但し、A=AA/SS×0.27599
AA=A2−(A1−A3)×(A2の波数−A3の波数)/(A1の波数−A3の波数)−A3
SS=S2−(S1−S3)×(S2の波数−S3の波数)/(S1の波数−S3の波数)−S3
5)樹脂組成物中の芳香族ビニル化合物単位合計量の割合(TS):
下記式(3)より求められる。
TS=((GT−GR)×GS+MT×MS)/100 ・・・ 式(3)
但し、GT=アセトン不溶分重量、GR=ゴム状重合体重量、MT=アセトン可溶分
重量
表1に示すように本発明に規定する条件を満たさない場合には、耐候性において悪いが、本発明の樹脂組成物は、衝撃強度が高く、かつ、耐候性において優れた効果が得られていることがわかる。
Figure 0004393815

本発明は、耐衝撃性、耐候性に優れた効果を有する樹脂組成物であるため、太陽光や蛍光灯に直接もしくは間接的に接する樹脂製品に最適である。

Claims (3)

  1. スチレン系樹脂組成物から成る、住宅内装・外装の製品であって、
    該樹脂組成物が、ゴム状重合体に芳香族ビニル単量体を含むビニル系単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体(I)、芳香族ビニル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル系共重合体(II)との混合物からなり、該グラフト重合体(I)中の該ビニル系単量体混合物と該ビニル系共重合体(II)に、不飽和ニトリル単量体が含まれ、
    該樹脂組成物中のアセトン可溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(MS)が50〜66重量%、ゴム状重合体を除いたアセトン不溶分中の芳香族ビニル化合物単位の割合(GS)が50〜68重量%、かつΔS(|MS−GS|)が3重量%未満、および樹脂組成物中の芳香族ビニル化合物単位合計量の割合(TS)が30〜57重量であり、該樹脂組成物中のゴム状重合体の割合が5〜50重量%であって、ここで該ゴム状重合体は共役ジエン系重合体であり、63℃、降雨有り条件のサンシャイン・ウェザー・メーター500時間の促進試験において、対自材の色差が5以下であることを特徴とする上記スチレン系樹脂組成物から成る、上記住宅内装・外装の製品。
  2. 芳香族ビニル化合物単位がスチレンであることを特徴とする請求項1記載の製品。
  3. 紫外線吸収剤、および耐光剤が含有されることを特徴とする請求項1または2記載の製品。
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