JP2022187748A - 熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、流動性、耐衝撃性、耐熱性のバランスに優れ、良好な艶消し外観を有する成形品を得るための熱可塑性樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、硬質共重合体(C)を含み、下記条件(1)~(4)を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に40~70質量%。(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)に、芳香族ビニル系単量体(b-2)75質量%を超えて100質量%以下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b-3)25質量%未満及びその他の単量体(b-4)10質量%未満をグラフト重合してなる(グラフトさせる単量体合計を100質量%とする)。(3)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に10~30質量%。(4)硬質共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体を重合してなる。【選択図】なし
Description
本発明は、流動性、耐衝撃性、耐熱性のバランスに優れ、艶消し外観を有する成形品を得るための熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
ポリカーボネート樹脂とゴム強化スチレン系樹脂からなる組成物(以下、PCアロイ樹脂と記す)は、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性に優れることから、自動車用部品、家電機器用部品、事務機器用部品をはじめとする多様な用途に使用されている。特に、車両用部品等は大型化の傾向が見られ、形状がより複雑なデザインになる傾向にある。また、車両重量の軽量化のために、成形品肉厚は薄肉化に設計される傾向にあるため、成形加工性、耐衝撃性、及び耐熱性などの性能に優れている材料が求められる。
加えて、近年これら自動車用部品や家電機器用部品等の分野では、高級感を求める志向にあり、マット調の落ち着いた風合いを得るために部品表面の光沢を抑えた艶消し性を付与した樹脂材料が要求されている。従来、これら光沢を抑えた艶消し部品を得る方法としては、金型面にシボ加工を施す方法や、艶消し塗装による方法、タルク等の無機フィラーやゴム成分を配合する方法が用いられてきた。
例えば、特許文献1ではグラフト鎖中のシアン化ビニル単量体単位の含有量と、ビニル系共重合体中のシアン化ビニル単量体単位の含有量の差により、良好な艶消し外観が得られる熱可塑性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、大型や薄肉の車両用部品等に求められる耐熱性、耐衝撃性のバランスに関しては未だ満足できるものではない。
特許文献2では、架橋ゴム含有イミド化共重合体を用いて、耐熱性と艶消し性を付与した熱可塑性樹脂組成物が提案されているが、添加量が増加するに従い流動性、耐衝撃性が低下する傾向にあり、成形加工性が不十分のため成形外観不良が生じやすいといった問題がある。
本発明は、流動性、耐衝撃性、耐熱性のバランスに優れ、良好な艶消し外観を有する成形品を得るための熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂、グラフト共重合体、硬質共重合体を特定量用いた上で、グラフト側鎖の芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の単量体の含有量を特定範囲にすることで、上記課題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]~[3]で構成される。
[1]ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、硬質共重合体(C)を含み、下記条件(1)~(4)を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に40~70質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)に、芳香族ビニル系単量体(b-2)75質量%を超えて100質量%以下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b-3)25質量%未満及びその他の単量体(b-4)10質量%未満をグラフト重合してなる(グラフトさせる単量体合計を100質量%とする)。
(3)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に10~30質量%。
(4)硬質共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体を重合してなる。
[2]下記条件(5)を満足することを特徴とする[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)熱可塑性樹脂組成物を射出成形して得られる成形品の60度鏡面光沢値が70未満。
[3] [1]~[2]の何れか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる艶消し外観を有する成形品。
[1]ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、硬質共重合体(C)を含み、下記条件(1)~(4)を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に40~70質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)に、芳香族ビニル系単量体(b-2)75質量%を超えて100質量%以下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b-3)25質量%未満及びその他の単量体(b-4)10質量%未満をグラフト重合してなる(グラフトさせる単量体合計を100質量%とする)。
(3)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に10~30質量%。
(4)硬質共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体を重合してなる。
[2]下記条件(5)を満足することを特徴とする[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)熱可塑性樹脂組成物を射出成形して得られる成形品の60度鏡面光沢値が70未満。
[3] [1]~[2]の何れか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる艶消し外観を有する成形品。
本発明は、流動性、耐衝撃性、耐熱性のバランスに優れ、良好な艶消し外観を有する成形品を得るための熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、硬質共重合体(C)を含有するものである。
ポリカーボネート樹脂(A)としては、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、;“ビスフェノールA”から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4-ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-第3ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルファイド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルファイドのようなジヒドロキシジアリールスルファイド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独又は2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル類等を混合しても良い。
さらに、上記のジヒドロキシジアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用しても良い。3価以上のフェノールとしてはフロログルシノール、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプテン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン、1,3,5-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)エタン及び2,2-ビス-[4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン等が挙げられる。なお、これらポリカーボネート樹脂を製造するに際し、ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、通常10000~80000であり、好ましくは15000~60000である。分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することが出来る。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。
グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(b-1)に、芳香族ビニル系単量体(b-2)75質量%を超えて100質量%以下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b-3)25質量%未満、及びその他の単量体(b-4)10質量%未満をグラフト重合して得られる(グラフトさせる単量体合計を100質量%とする)ものである。
グラフト共重合体(B)を構成するゴム質重合体(b-1)としては特に制限はなく、公知の重合方法により得られる、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)等の共役ジエン系ゴム、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-非共役ジエン(エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等)ゴム等のエチレン-プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレートゴム等のアクリル系ゴム、シリコーン系ゴムを1種又は2種以上用いることができ、さらに、これらを組み合わせた多層構造を有するゴム質重合体として用いることもできる。中でも、共役ジエン系ゴムを含むことが耐衝撃性の観点から好ましい。
ゴム質重合体(b-1)の質量平均粒子径に特に制限はないが、耐衝撃性、流動性の点から、0.1~2.0μmが好ましく、0.15~1.0μmがより好ましい。また、質量平均粒子径が0.05~0.3μmのゴム質重合体を凝集肥大化させることで調整することもできる。
芳香族ビニル系単量体(b-2)としては、スチレン、α-メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。
芳香族ビニル系単量体(b-2)の含有量は75質量%を超えて100質量%以下である必要があり、77~100質量%であることが好ましく、80~100質量%以下であることがより好ましい(グラフトさせる単量体合計を100質量%とする)。上記範囲に調整することで、艶消し外観を向上させることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b-3)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4-t-ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸(ジ)ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸クロルフェニル等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b-3)の含有量は25質量%未満である必要があり、23質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい(グラフトさせる単量体合計を100質量%とする)。上記範囲に調整することで、艶消し外観を向上させることができる。
その他の単量体(b-4)としては、シアン化ビニル系単量体、マレイミド系単量体、アミド系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、多官能性単量体等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等が挙げられる。
マレイミド系単量体としては、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
アミド系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
不飽和カルボン酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、2-エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸等が挙げられる。
多官能性単量体としては、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
その他の単量体(b-4)の含有量は10質量%未満である必要があり、7質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい(グラフトさせる単量体合計を100質量%とする)。上記範囲に調整することで、艶消し外観を向上させることができる。
グラフト共重合体(B)中のゴム質重合体(b-1)の含有量に特に制限はないが、耐衝撃性、流動性などの物性バランスから、20~80質量%が好ましく、40~70質量%がより好ましい。
グラフト共重合体(B)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度に特に制限はないが、耐衝撃性、流動性などの物性バランスの観点から、グラフト率は20~150%であることが好ましく、30~100%がより好ましく、36~75%が特に好ましい。アセトン可溶分の還元粘度は、0.2~1.5dl/gであることが好ましく、0.3~1.0dl/gであることがより好ましい。
上記グラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度は、下記により求めることができる。
分別方法
三角フラスコにグラフト共重合体(B)を約2g、アセトンを60ml投入し、24時間浸漬させた。その後、遠心分離器を用いて15,000rpmで30分間、遠心分離することで可溶部と不溶部に分離する。不溶分は、真空乾燥により常温で一昼夜乾燥させることで得られる。可溶分は、アセトン可溶部をメタノールに沈殿させ、真空乾燥により常温で一昼夜乾燥させることで得られる。
グラフト率
グラフト率(%)=(X―Y)/Y×100
X:真空乾燥後のアセトン不溶分量(g)
Y:グラフト共重合体中のゴム質重合体量(g)
アセトン可溶分の還元粘度(dl/g)
アセトン可溶分をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、0.4g/100mlの濃度の溶液とした後、キャノンフェンスケ型粘度管を用い30℃で測定した流下時間より還元粘度を求める。
三角フラスコにグラフト共重合体(B)を約2g、アセトンを60ml投入し、24時間浸漬させた。その後、遠心分離器を用いて15,000rpmで30分間、遠心分離することで可溶部と不溶部に分離する。不溶分は、真空乾燥により常温で一昼夜乾燥させることで得られる。可溶分は、アセトン可溶部をメタノールに沈殿させ、真空乾燥により常温で一昼夜乾燥させることで得られる。
グラフト率
グラフト率(%)=(X―Y)/Y×100
X:真空乾燥後のアセトン不溶分量(g)
Y:グラフト共重合体中のゴム質重合体量(g)
アセトン可溶分の還元粘度(dl/g)
アセトン可溶分をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、0.4g/100mlの濃度の溶液とした後、キャノンフェンスケ型粘度管を用い30℃で測定した流下時間より還元粘度を求める。
上述のようにして得られたグラフト共重合体(B)には、通常、ゴム質重合体(b-1)に単量体成分がグラフトしたグラフト化重合体(B1成分)が主として含有される他、ゴム質重合体(b-1)にグラフトしていない単量体成分が共重合された共重合体(B2成分と呼ぶ)が含まれる。そのため、本発明ではグラフト共重合体(B)に含まれるB2成分が、硬質共重合体(C)を構成する単量体成分を満たす場合、硬質共重合体(C)を含有していることを意味する。
硬質共重合体(C)は、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して得られるものである。
硬質共重合体(C)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。
硬質共重合体(C)を構成するシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。
さらに、硬質共重合体(C)には、芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体と共重合可能なその他の単量体が含まれていてもよく、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量体、アミド系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、多官能性単量体等が挙げられ、上述した(b-3)や(b-4)と同様のものを1種又は2種以上用いることができる。
硬質共重合体(C)を構成する単量体の組成比率に特に制限はないが、芳香族ビニル系単量体50~90質量%、シアン化ビニル系単量体10~50質量%及び共重合可能な他の単量体0~40質量%の組成比率が挙げられる。中でも、硬質共重合体(C)を構成するシアン化ビニル系単量体の含有量が25~40質量%であることが耐衝撃性、流動性の物性バランスの点で好ましい。
硬質共重合体(C)の還元粘度に特に制限はないが、耐衝撃性、流動性などの物性バランスの観点から0.2~1.5dl/gであることが好ましく、0.3~1.0dl/gであることがより好ましい。
上記還元粘度は、下記式により求めることができる。
硬質共重合体(C)を、N,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、0.4g/100mlの濃度の溶液とした後、キャノンフェンスケ型粘度管を用い30℃で測定した流下時間より還元粘度を求める。
上記熱可塑性樹脂組成物を構成するグラフト共重合体(B)、硬質共重合体(C)の重合方法には特に制限はなく、例えば乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法及びこれらを組み合わせた方法により製造することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成するポリカーボネート樹脂(A)の含有量は、40~70質量%である必要があり、42~68質量%であることが好ましく、45~65質量%であることがより好ましい((A)+(B)+(C)の合計を100質量%とする)。上記範囲に調整することで耐衝撃性、流動性及び耐熱性のバランスを向上させることができる。
また、グラフト共重合体(B)の含有量は、10~30質量%である必要があり、12~28質量%であることが好ましく、14~26質量%であることがより好ましい((A)+(B)+(C)の合計を100質量%とする)。上記範囲に調整することで耐衝撃性と艶消し外観を向上させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、良好な艶消し外観を有するものであり、前記熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品の60度鏡面光沢値が、70未満であることが好ましく、より好ましくは65未満、さらに好ましくは60未満である。60度鏡面光沢値は、下記実施例に記載の方法で測定することができ、例えば、本発明でいうグラフト共重合体(B)のゴム質重合体(b-1)に重合させる単量体の組成により調整することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を配合することもできる。このような他の熱可塑性樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂等のポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド系樹脂等を使用することができる。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ヒンダードアミン系の光安定剤;ヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系等の酸化防止剤;フェノール系、アクリレート系等の熱安定剤;ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系等の紫外線吸収剤;有機ニッケル系、高級脂肪酸アミド類等の滑剤;ポリブロモフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール-A、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化等の含ハロゲン系化合物、リン系化合物、三酸化アンチモン等の難燃剤・難燃助剤;臭気マスキング剤;カーボンブラック、酸化チタン等の顔料;染料等を添加することもできる。さらに、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスウール、炭素繊維、金属繊維等の補強剤や充填剤を添加することもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述の成分を溶融混練することで得ることができる。溶融混練するためには、例えばロール、バンバリーミキサー、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー等公知の混練機を用いることができる。
このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、ブロー成形等により成形することで、成形品を得ることができ、良好な艶消し外観を有するものである。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す部及び%は質量に基づくものである。また、各実施例、比較例での各種物性の測定は次の方法による。
シャルピー衝撃強度(NC)
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO試験方法294に準拠して各種試験片を成形し、ISO試験方法179に準拠し、4mm厚みで、ノッチ付きシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m2
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO試験方法294に準拠して各種試験片を成形し、ISO試験方法179に準拠し、4mm厚みで、ノッチ付きシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m2
メルトボリュームフローレイト(MVR)
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO試験方法1133に準拠して、220℃、98.07N荷重の条件でメルトボリュームフローレイトを測定した。単位: cm3/10分
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO試験方法1133に準拠して、220℃、98.07N荷重の条件でメルトボリュームフローレイトを測定した。単位: cm3/10分
荷重たわみ温度(HDT)
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO試験方法294に準拠して各種試験片を成形し、ISO75に準拠し、荷重1.8MPaの荷重たわみ温度を測定した。単位:℃
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO試験方法294に準拠して各種試験片を成形し、ISO75に準拠し、荷重1.8MPaの荷重たわみ温度を測定した。単位:℃
鏡面光沢値
各実施例及び比較例で得られたペレットを、1.0オンス射出成形機を用いて射出成形した。成形金型として、金型表面を#1,500で磨き上げた鏡面金型を備え付けた55mm×90mm×2.5mm厚の光沢測定用平板金型を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度60℃、射出圧は4MPaの成形条件で、成形を行った。平板鏡面部の光沢を、日本電色工業株式会社製光沢計VG-7000を用いて入射角60°で測定した。
なお、鏡面光沢値が低いほど、艶消し外観が良好であることを示す。
各実施例及び比較例で得られたペレットを、1.0オンス射出成形機を用いて射出成形した。成形金型として、金型表面を#1,500で磨き上げた鏡面金型を備え付けた55mm×90mm×2.5mm厚の光沢測定用平板金型を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度60℃、射出圧は4MPaの成形条件で、成形を行った。平板鏡面部の光沢を、日本電色工業株式会社製光沢計VG-7000を用いて入射角60°で測定した。
なお、鏡面光沢値が低いほど、艶消し外観が良好であることを示す。
ポリカーボネート樹脂(A)
ホスゲンとビスフェノールAからなる粘度平均分子量20,200のポリカーボネート樹脂。
ホスゲンとビスフェノールAからなる粘度平均分子量20,200のポリカーボネート樹脂。
グラフト共重合体(B-1)の製造
ガラスリアクターに、凝集肥大化スチレン-ブタジエンゴムラテックス(スチレン5質量%、ブタジエン95質量%、質量平均粒子径315nm)を固形分換算で70質量部仕込み、撹拌を開始させ、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し60℃に到達したところで、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩0.008質量部、ナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.2質量部及び硫酸第1鉄0.002質量部を脱イオン水13質量部に溶解した水溶液を添加した。その後、スチレン30質量部と、t-ブチルハイドロパーオキサイド0.15質量部(固形分換算)を脱イオン水20質量部に溶解した水溶液を3.5時間かけて連続的に滴下した。滴下後、2時間保持してグラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析、脱水、乾燥し、グラフト共重合体(B-1)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-1)のグラフト率は34%であった。
また、上記凝集肥大化スチレン-ブタジエンゴムラテックスの質量平均粒子径は下記のように求めた。
四酸化オスミウム(OsO4)で染色し、乾燥後に透過型電子顕微鏡で写真撮影した。画像解析処理装置(装置名:旭化成(株)製IP-1000PC)を用いて800個のゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、質量平均粒子径を算出した。
ガラスリアクターに、凝集肥大化スチレン-ブタジエンゴムラテックス(スチレン5質量%、ブタジエン95質量%、質量平均粒子径315nm)を固形分換算で70質量部仕込み、撹拌を開始させ、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し60℃に到達したところで、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩0.008質量部、ナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.2質量部及び硫酸第1鉄0.002質量部を脱イオン水13質量部に溶解した水溶液を添加した。その後、スチレン30質量部と、t-ブチルハイドロパーオキサイド0.15質量部(固形分換算)を脱イオン水20質量部に溶解した水溶液を3.5時間かけて連続的に滴下した。滴下後、2時間保持してグラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析、脱水、乾燥し、グラフト共重合体(B-1)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-1)のグラフト率は34%であった。
また、上記凝集肥大化スチレン-ブタジエンゴムラテックスの質量平均粒子径は下記のように求めた。
四酸化オスミウム(OsO4)で染色し、乾燥後に透過型電子顕微鏡で写真撮影した。画像解析処理装置(装置名:旭化成(株)製IP-1000PC)を用いて800個のゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、質量平均粒子径を算出した。
グラフト共重合体(B-2)の製造
スチレン30質量部をスチレン27質量部、メタクリル酸メチル3質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-2)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-2)のグラフト率は36%であった。
スチレン30質量部をスチレン27質量部、メタクリル酸メチル3質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-2)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-2)のグラフト率は36%であった。
グラフト共重合体(B-3)の製造
スチレン30質量部をスチレン24質量部、メタクリル酸メチル6質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-3)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-3)のグラフト率は30%であった。
スチレン30質量部をスチレン24質量部、メタクリル酸メチル6質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-3)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-3)のグラフト率は30%であった。
グラフト共重合体(B-4)の製造
スチレン30質量部をスチレン21質量部、メタクリル酸メチル9質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-4)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-4)のグラフト率は31%であった。
スチレン30質量部をスチレン21質量部、メタクリル酸メチル9質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-4)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-4)のグラフト率は31%であった。
グラフト共重合体(B-5)の製造
スチレン30質量部をスチレン9質量部、メタクリル酸メチル21質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-5)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-5)のグラフト率は35%であった。
スチレン30質量部をスチレン9質量部、メタクリル酸メチル21質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-5)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-5)のグラフト率は35%であった。
グラフト共重合体(B-6)の製造
スチレン30質量部をメタクリル酸メチル30質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-6)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-6)のグラフト率は33%であった。
スチレン30質量部をメタクリル酸メチル30質量部に変更した以外は、グラフト共重合体(B-1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(B-6)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-6)のグラフト率は33%であった。
グラフト共重合体(B-7)の製造
ガラスリアクターに、凝集肥大化スチレン-ブタジエンゴムラテックス(スチレン5質量%、ブタジエン95質量%、質量平均粒子径440nm)を固形分換算で60質量部仕込み、撹拌を開始させ、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、ブドウ糖0.06質量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.03質量部及び硫酸第1鉄0.001質量部を脱イオン水10質量部に溶解した水溶液を添加した後に、70℃に昇温した。その後、アクリロニトリル10質量部、スチレン30質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.3部、t-ブチルハイドロパーオキサイド0.1質量部の混合液及びオレイン酸カリウム1.0質量部(固形分換算)を脱イオン水20質量部に溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析、脱水、乾燥し、グラフト共重合体(B-7)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-7)のグラフト率は42%であった。
ガラスリアクターに、凝集肥大化スチレン-ブタジエンゴムラテックス(スチレン5質量%、ブタジエン95質量%、質量平均粒子径440nm)を固形分換算で60質量部仕込み、撹拌を開始させ、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、ブドウ糖0.06質量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.03質量部及び硫酸第1鉄0.001質量部を脱イオン水10質量部に溶解した水溶液を添加した後に、70℃に昇温した。その後、アクリロニトリル10質量部、スチレン30質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.3部、t-ブチルハイドロパーオキサイド0.1質量部の混合液及びオレイン酸カリウム1.0質量部(固形分換算)を脱イオン水20質量部に溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析、脱水、乾燥し、グラフト共重合体(B-7)のパウダーを得た。得られたグラフト共重合体(B-7)のグラフト率は42%であった。
硬質共重合体(C)の製造
公知の塊状重合法により、スチレン75質量部、アクリロニトリル25質量部からなる共重合体(C)を得た。上述の方法により、得られた共重合体(C)の還元粘度は0.50dl/gであった。
公知の塊状重合法により、スチレン75質量部、アクリロニトリル25質量部からなる共重合体(C)を得た。上述の方法により、得られた共重合体(C)の還元粘度は0.50dl/gであった。
実施例1~3及び比較例1~4
ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B-1)~(B-7)、及び硬質共重合体(C)を表1記載の配合割合で混合した後、シリンダー温度250℃に設定したφ26mmの2軸押出機にて主スクリュー回転数400rpm、吐出量20kg/hrの条件で溶融混練し、ペレット化した。また、このペレットを用いて射出成形機(シリンダー温度250℃、金型温度60℃)にて物性測定用試験片及び光沢測定用平板を成形した。次いで、その試験片及び平板を用いて物性ならびに鏡面光沢値を測定した。結果を表1に示す。
ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B-1)~(B-7)、及び硬質共重合体(C)を表1記載の配合割合で混合した後、シリンダー温度250℃に設定したφ26mmの2軸押出機にて主スクリュー回転数400rpm、吐出量20kg/hrの条件で溶融混練し、ペレット化した。また、このペレットを用いて射出成形機(シリンダー温度250℃、金型温度60℃)にて物性測定用試験片及び光沢測定用平板を成形した。次いで、その試験片及び平板を用いて物性ならびに鏡面光沢値を測定した。結果を表1に示す。
表1中の略語は、下記成分を示す。
(単量体)
STY:スチレン
ACN:アクリロニトリル
MMA:メタクリル酸メチル
(単量体)
STY:スチレン
ACN:アクリロニトリル
MMA:メタクリル酸メチル
表1から明らかなように、本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用した実施例1~3は、耐衝撃性、流動性、耐熱性のバランスに優れ、かつ良好な艶消し外観の成形品が得られた。
比較例1~3は、グラフト共重合体(B)のゴム質重合体(b-1)にグラフトされる芳香族ビニル系単量体(b-2)の含有量が本願規定範囲の下限未満であることから、鏡面光沢値が高く艶消し外観に劣るものであった。
比較例4は、グラフト共重合体(B)のゴム質重合体(b-1)にグラフトされるその他の単量体(b-4)の含有量が本願規定範囲の上限を超えることから、鏡面光沢値が高く艶消し外観に劣るものであった。
比較例1~3は、グラフト共重合体(B)のゴム質重合体(b-1)にグラフトされる芳香族ビニル系単量体(b-2)の含有量が本願規定範囲の下限未満であることから、鏡面光沢値が高く艶消し外観に劣るものであった。
比較例4は、グラフト共重合体(B)のゴム質重合体(b-1)にグラフトされるその他の単量体(b-4)の含有量が本願規定範囲の上限を超えることから、鏡面光沢値が高く艶消し外観に劣るものであった。
上記のとおり、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、流動性、耐熱性のバランスに優れ、かつ良好な艶消し外観の成形品が得られることから、例えば車両内装用部品、車両外装用部品、及び家電機器用部品等の多彩な用途に使用することができる。
Claims (3)
- ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、硬質共重合体(C)を含み、下記条件(1)~(4)を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に40~70質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)に、芳香族ビニル系単量体(b-2)75質量%を超えて100質量%以下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b-3)25質量%未満及びその他の単量体(b-4)10質量%未満をグラフト重合してなる(グラフトさせる単量体合計を100質量%とする)。
(3)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に10~30質量%。
(4)硬質共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体を重合してなる。 - 下記条件(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)熱可塑性樹脂組成物を射出成形して得られる成形品の60度鏡面光沢値が70未満。 - 請求項1~2の何れか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる艶消し外観を有する成形品。
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JP2021095913A JP2022187748A (ja) | 2021-06-08 | 2021-06-08 | 熱可塑性樹脂組成物および成形品 |
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