JP4786243B2 - グラフト共重合体とその製造方法、熱可塑性樹脂組成物、および成形品 - Google Patents
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Description
近年、自動車業界では自動車部品の形状の大型化やデザインの複雑化等から成形時にフローマークやウエルドと言った外観不良が発生し易くなっており、大型成形性に問題を有している。又、これらの外観不良は二次加工性に大きく影響し、特にめっき不良や塗装不良等と言った商品として致命的な不良が高頻度に発生することがあった。
このように自動車部品の形状やデザインの複雑化に対応するために、熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、めっき性、塗装性を改良するべく様々な提案がなされている。
また下記特許文献2では、ゴム質含有スチレン系グラフト共重合体のスラリーに、シアン化ビニル系単量体単位を含む硬質重合体を添加することよって、グラフト共重合体含有粉体の粉体特性を改善し、該粉体を用いた熱可塑性樹脂組成物のフローマーク性を改善する方法が提案されている。
また特許文献2の方法では、グラフト共重合体のブロッキング性向上が充分でなかったり、ブロッキング防止のために添加した材料が離脱してハンドリング性に不具合を生じる場合がある。また、該グラフト共重合体を用いた熱可塑性樹脂組成物において良好な分散性が得られず、大型成形品を製造する際に表面外観不良が発生する場合がある。
すなわち、従来、グラフト共重合体の耐ブロッキング性に優れ、且つ大型成形性等の表面外観に優れた熱可塑性樹脂組成物は得られていなかった。
すなわち、本発明のグラフト共重合体(A)は、ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト重合させて得られるゴム質含有グラフト共重合体(a)のラテックス100質量部(固形分)を凝析させた後に、下記硬質共重合体(B)を含み、反応転化率が80〜90質量%である、硬質共重合体(B)のラテックスを0.1〜30質量部(固形分)添加し、凝析させた後、粉体として回収して得られることを特徴とする。
硬質共重合体(B):芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含み、かつGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いて測定し標準ポリスチレン換算法にて算出される質量平均分子量が1,500,000〜4,500,000である共重合体。
また本発明は、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、およびポリアミド樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の熱可塑性樹脂(D)と、本発明のグラフト共重合体(A)、または本発明のグラフト共重合体(A)と前記ビニル共重合体(C)を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供する。
また本発明は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形した成形品を提供する。
また本発明は、ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト重合させて得られるゴム質含有グラフト共重合体(a)のラテックス100質量部(固形分)を、70〜95℃の第1の凝析温度で凝析させた後に、ゴム質含有グラフト共重合体(a)の凝析温度より5〜20℃高い第2の凝析温度の状態で、下記硬質共重合体(B)を含み、反応転化率が80〜90質量%である、硬質共重合体(B)のラテックスを0.1〜30質量部(固形分)添加し、凝析させた後、脱水、乾燥して粉体状のグラフト共重合体(A)を得ることを特徴とするグラフト共重合体の製造方法を提供する。
硬質共重合体(B):芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含み、かつGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いて測定し標準ポリスチレン換算法にて算出される質量平均分子量が1,500,000〜4,500,000である共重合体。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、大型成形性に優れ、表面外観に優れた成形品が得られる。本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品は、表面外観が良好であり、めっき性及び塗装性のいずれにおいても優れる。
<ゴム質含有グラフト共重合体(a)>
本発明におけるゴム質含有グラフト共重合体(a)は、ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト重合させて得られるものである。
これらのゴム質重合体は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、膨潤量が上記範囲より小さいと大型成形性が十分でなく、残留ひずみが大きく、めっき性能や塗装性が劣る。一方、膨潤量が上記範囲を超えると、金型への付着物が増加し、成形品の表面外観が劣るとともに表層の配向度が大きくなることにより、めっき性や塗装性が劣り、また塗装時の吸い込み現象が発生し易い傾向にある。
膨潤量(倍)=膨潤状態の不溶解分の質量(g)/乾燥した不溶解分の質量(g)
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらの中でも、特にアクリロニトリルが好ましい。
これらの単量体については、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここでいうグラフト密度とは、以下のようにして求めた値である。すなわち、ゴム質含有グラフト共重合体(a)のサンプルをアセトン中に溶解させ、遠心分離器を用いて可溶分と不溶分とに分離し、得られた不溶分(質量;X)をオゾン分解させる。そして、メタノール不溶分(質量;m)を抽出し、さらに得られたメタノール不溶分をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて質量平均分子量(Mw)を求め、これらの結果を基に次の計算式により算出する。
グラフト密度(%)=グラフト率/(Mw/104)
グラフト率(%)={m/(X−m)}×100
硬質共重合体(B)は、芳香族ビニル系単量体単位とシアン化ビニル系単量体単位を含む共重合体である。さらに芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体と共重合可能な他の単量体から誘導される単位を含んでいてもよい。
硬質共重合体(B)の質量平均分子量は1500000(150万)〜4500000(450万)の範囲である。該質量平均分子量の好ましい範囲は180万〜400万であり、より好ましい範囲は200万〜350万である。硬質共重合体(B)の質量平均分子量が上記範囲にあれば、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形外観、すなわちフローマークやウエルド及びダイライン等が大幅に改善する。
具体的には、硬質共重合体(B)の質量平均分子量が1500000以下では、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形外観が劣り、4500000を超えた場合、分散不良や、衝撃性、流動性、光沢等の低下を招き好ましくない。
尚、本明細書における質量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算法にて算出される値とする。測定装置としては、例えば、東ソー(株)製のGPCを用いることができる。
本明細書における硬質共重合体(B)の反応転化率は、該硬質共重合体(B)の生成に使用した単量体の量に対する、硬質共重合体(B)の生成量の割合であり、単位は質量%である。反応転化率は、反応時間や、開始剤の添加量、反応温度(重合温度)を調整することによって制御できる。
硬質共重合体(B)の製造方法は、上記の特定された質量平均分子量および反応転化率を最終的に有していれば特に制限はなく、いかなる公知重合方法も採用できる。
グラフト共重合体(A)は、ゴム質含有グラフト共重合体(a)100質量部に対し、硬質共重合体(B)を0.1〜30質量部添加して得られる。グラフト共重合体(A)は好ましくは粉体として回収される。
硬質共重合体(B)の添加量は1〜25質量部がより好ましく、3〜20質量部がさらに好ましい。硬質共重合体(B)の添加量が0.1質量部以下では、グラフト共重合体(A)のブロッキング性や、該グラフト共重合体(A)を含む熱可塑性樹脂組成物の成形品における表面外観の改良効果が不充分になる。一方、30質量部以上では、熱可塑性樹脂組成物における分散不良や成形品における耐衝撃性の低下を招き好ましくない。
このようにしてグラフト共重合体(A)を調製すると、ゴム質含有グラフト共重合体(a)が凝析して形成された凝析粒子の表面に硬質共重合体(B)が付着され、耐ブロッキング性及びハンドリング性に優れたグラフト共重合体(A)の粉体が得られるとともに、グラフト共重合体(A)を含む熱可塑性樹脂組成物における良好な大型成形性および成形品の良好な表面外観を達成することができる。
本発明で用いられるビニル共重合体(C)は、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含むものである。ビニル共重合体(C)は、必要に応じて、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体と共重合可能な他の単量体から誘導される単量体単位を含んでいてもよい。
該芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、これらと共重合可能な他の単量体としては、上述したゴム質含有グラフト共重合体(a)で使用されたものと同様のものを使用できる。
ビニル共重合体(C)の製造方法は、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、またはこれらを複合化した公知の重合方法を採用できる。
ビニル共重合体(C)の質量平均分子量は80,000〜200,000が好ましい。
ビニル共重合体(C)の生成に用いられる単量体のうちの20〜45質量%がシアン化ビニル系単量体であることが好ましい。シアン化ビニル系単量体20〜55質量%と芳香族ビニル系単量体と80〜45質量%とを共重合させて得られるビニル共重合体(C)がより好ましい。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(D)は、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカンと、ホスゲン(ホスゲン法)またはジアリールカーボネート等の炭酸エステル(エステル交換法)とから得られるビス(ヒドロキシアリール)アルカン系ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
これらのうち、特にナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6T/6I、ナイロン6/6T、ナイロン66/6Tが好ましく用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(1):グラフト共重合体(A)と、ビニル共重合体(C)を含有するブレンド系の熱可塑性樹脂組成物、(2):グラフト共重合体(A)と熱可塑性樹脂(D)を含有するアロイ系の熱可塑性樹脂組成物、または(3):グラフト共重合体(A)と、ビニル共重合体(C)と、熱可塑性樹脂(D)を含有するアロイ系の熱可塑性樹脂組成物である。
グラフト共重合体(A)の含有量が10質量部未満では、すなわちビニル共重合体(C)の含有量の合計が90質量部を超えると、耐衝撃性が低くなり、また、めっき性や塗装性等及び成形加工性等の性能が低下する。
該グラフト共重合体(A)の含有量は15〜70質量部がより好ましく、20〜60質量部がさらに好ましい。
グラフト共重合体(A)の含有量が10質量部未満では、すなわちビニル共重合体(C)と熱可塑性樹脂(D)の含有量の合計が90質量部を超えると、耐衝撃性が低くなり、また、めっき性や塗装性等及び成形加工性等の性能が低下する。
前記(2)または(3)の熱可塑性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂(D)の含有量は、85〜30質量部がより好ましく、80〜40質量部がさらに好ましく、前記グラフト共重合体(A)の含有量は15〜70質量部がより好ましく、20〜60質量部がさらに好ましい。
かかるグラフト共重合体(A)を含有する本発明の熱可塑性樹脂組成物は、大型成形性に優れ、表面外観に優れた成形品を得ることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品は表面外観が良好であり、めっき性及び塗装性のいずれにおいても優れる。
このように本発明によれば、ABS樹脂に代表されるゴム含有スチレン系樹脂の従来からの欠点が改良された画期的な高性能成形材料が得られる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、大型の自動車用部品等の成形材料として、その工業的な実用価値は極めて大きく、ラジエーターグリルやガーニッシュ等の大型の自動車用外装部品等の成形材料として極めて有用である。
更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ブロー成形や押し出し成形用途にも好適である。
下記表1に示す配合でゴム質含有グラフト共重合体(a−1)を合成した。すなわち、オートクレーブにポリブタジエン・ラテックス(b−1)(ゲル含有量:85質量%、膨潤量:22倍、質量平均粒子径:320nm)50部、不均化ロジン酸カリウム1.2部、およびt−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、60℃に加熱し、単量体(スチレン10.5部とアクリロニトリル4.5部使用)を仕込み、60℃に保持したまま30分間放置した。この後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム、結晶ブドウ糖及びクメンハイドロパーオキサイドを150分かけて連続添加した。その後、残りの単量体(スチレン24.5部とアクリロニトリル10.5部)を1時間かけて滴下した。その後70℃に昇温し、これを1時間保って反応を完結させてゴム質含有グラフト共重合体(a−1)のラテックスを得た。
下記表1に示す配合でゴム質含有グラフト共重合体(a−2)を合成した。本例では、ゴム質重合体に単量体を含浸させる工程を行わずにグラフト重合させた。また開始剤等の配合量を表1の通りに変更した。
すなわち、オートクレーブに前記ポリブタジエン・ラテックス(b−1)65部と、不均化ロジン酸カリウム、t−ドデシルメルカプタン、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム、結晶ブドウ糖及びクメンハイドロパーオキサイドを仕込み、60℃に温度制御しつつ、単量体(スチレン24.5部とアクリロニトリル10.5部)を1時間かけて滴下した。その後70℃に昇温し、これを1時間保って反応を完結させてゴム質含有グラフト共重合体(a−2)のラテックスを得た。
下記表1に示す配合でゴム質含有グラフト共重合体(a−3)を合成した。本例が合成例1と異なる点は、ゴム質重合体ラテックスをポリブタジエン・ラテックス(b−2)(ゲル含有量:65質量%、膨潤量:31倍、質量平均粒子径:290nm)に変更した点、および単量体の含浸時間を10分に変更した点である。
すなわち、オートクレーブにポリブタジエン・ラテックス(b−2)50部を仕込み、60℃に加熱し、単量体(スチレン10.5部とアクリロニトリル4.5部使用)を仕込み、60℃に保持したまま10分間放置した。この後は合成例1と同様にして、ゴム質含有グラフト共重合体(a−3)のラテックスを得た。
下記表1に示す配合でゴム質含有グラフト共重合体(a−4)を合成した。本例が合成例1と異なる点は、ゴム質重合体ラテックスをブチルアクリルゴム・ラテックス(b−3)(ゲル含有量:68質量%、膨潤量12倍、質量平均粒子径:180nm)に変更した点であり、それ以外は合成例1と同様にして、ゴム含有グラフト共重合体(a−4)のラテックスを得た。
下記表1に示す配合でゴム質含有グラフト共重合体(a−5)を合成した。本例が合成例1と異なる点は、ゴム質重合体ラテックスをエチレン−プロピレンゴム・ラテックス(b−4)(ゲル含有量:62質量%、膨潤量:18倍、質量平均粒子径:420nm)に変更した点であり、それ以外は合成例1と同様にして、ゴム含有グラフト共重合体(a−5)のラテックスを得た。
下記表1に示す配合でゴム質含有グラフト共重合体(a−6)を合成した。本例が合成例1と異なる点は、ポリブタジエン(b−1)の配合量を35部に変更した点、単量体の配合量を表1の通りに変更した点、および開始剤等の配合量を表1の通りに変更した点である。それ以外は合成例1と同様にして、ゴム含有グラフト共重合体(a−6)のラテックスを得た。
表2に示す配合で硬質共重合体(B−1)を合成した。すなわち、表2に示す原料のうちの過硫酸カリウム以外を還流冷却管付きオートクレーブに仕込み、65℃に加熱した後、窒素を30分間吹き込み、しかる後、窒素を吹き込みながら過硫酸カリウム:0.05部を5時間かけて滴下した。その後、70℃に昇温し、2時間保持した後、冷却して硬質共重合体(B−1)のラテックスを得た。この硬質共重合体(B−1)の反応転化率は89質量%であり、その質量平均分子量は約3100000であった。
表2に示す配合で、合成例7と同様にして硬質共重合体(B−2)のラテックスを得た。この硬質共重合体(B−2)の反応転化率は86質量%であり、その質量平均分子量は約4500000であった。
表2に示す配合で、合成例7と同様にして硬質共重合体(B−3)のラテックスを得た。この硬質共重合体(B−3)の反応転化率は74質量%であり、その質量平均分子量は約2300000であった。
表2に示す配合で、合成例7と同様にして硬質共重合体(B−4)のラテックスを得た。この硬質共重合体の反応転化率は96質量%であり、その質量平均分子量は約1800000であった。
表2に示す配合で、合成例7と同様にして硬質共重合体(B−5)のラテックスを得た。この硬質共重合体の反応転化率は97質量%であり、その質量平均分子量は約980000であった。
窒素置換した反応器にイオン交換水:120部、ドデシルベンゼンスルホン酸;0.003部、水酸化アパタイト:0.5部、アゾイソブチルニトリル:0.15部、アクリロニトリル:29部、スチレン:71部、t−ドデシルメルカプタン:0.42部を仕込み、開始温度を60℃として5時間加熱後、120℃に昇温し、続いて4時間反応させて重合を完結させた。その際の最終転化率は97.6%であり、得られたビニル共重合体(C−1)の質量平均分子量は98000 、アクリロニトリル含有量は28.7%であった。
上記合成例1〜6で得られたゴム質含有共重合体(a−1〜6)のラテックスと、上記合成例7〜11で得られた硬質重合体(B−1〜5)のラテックスを用い、表3に示す配合でグラフト共重合体(A−1〜12)を得た。
尚、表3において、ゴム質含有共重合体(a−1〜6)の配合量および硬質重合体(B−1〜5)の配合量は、配合するラテックス中の固形分の質量を示している。
すなわち、表3に示すゴム質含有共重合体(a)のラテックスを第1の凝析温度に昇温して、第1の凝析時間保持することにより一旦凝析した後、第2の凝析温度に昇温し、硬質重合体(B)を滴下した。滴下後、第2の凝析時間保持することによりグラフト共重合体(A)を生成し、脱水、乾燥して粉体状のグラフト共重合体(A)を得た。
[ブロッキング性の評価]
直径8cmの円筒形の容器に、得られたグラフト共重合体の粉体を20g入れ、35℃で0.4kg/cm2の圧力を2時間加えた後に、ブロッキング状となった粉体を目開き2.5mmのメッシュに乗せ、振動篩い器で振動させ、該ブロックが60%破砕する時間(秒)を測定した。
[微粉量の評価]
得られたグラフト共重合体の粉体のうち、目開き60μmメッシュを通過した粉体の割合(単位:質量%)を測定した。
例1〜12で得られた各グラフト共重合体(A−1〜12)、および合成例12で得られたビニル共重合体(C−1)、および熱可塑性樹脂(D)としてポリカーボネート(製品名:L1250、帝人化成社製)を表4、5に示す割合で配合し、220℃で2軸押出機((株)日本製鋼所製、製品名:TEX−44)にて溶融混合し、ペレット化して熱可塑性樹脂組成物を得た。
得られたペレットを2オンス射出成形機((株)東芝製)で240℃にて成形し、必要なテストピースを作成した。大型成形性(表面外観)、めっき性、塗装性、耐衝撃性、流動性をそれぞれ以下の方法で評価した。評価結果を表4、5に合わせて示す。
実際のラジエーターグリルを想定した格子状の形状を持つ箱型大型成形品を、型締め圧が550tクラスの射出成形機を用い、市場での成形条件を参考にしてシリンダー温度235℃、射出速度50%で成形した。得られた成形品について、素地の外観とフローマークの発生の有無を目視にて判断した。
判定基準;
○:梨地及びフローマーク発生なし。
△:梨地及びフローマーク極僅か発生。
×:梨地及びフローマーク発生あり。
上記ラジエーターグリルを想定した箱型大型成形品に対して、下記のようなめっき処理を施し、めっき処理表面を肉眼にて観察した。
めっき工程:次の(1)〜(15)の手順でメッキ処理した。
(1)脱脂工程(60℃×3分)、
(2)水洗、
(3)エッチング(CrO3:400g/LとH2SO4:200cc/Lの混合液を用い、65℃、15分の条件でエッチングを行った。)、
(4)水洗、
(5)酸処理(常温×1分)、
(6)水洗、
(7)触媒化処理(25℃×3分)、
(8)水洗、
(9)活性化処理(40℃×5分)、
(10)水洗、
(11)化学Niめっき(40℃×5分)、
(12)水洗、
(13)電気銅めっき(膜厚35μm、20℃×60分)、
(14)水洗、
(15)乾燥。
判定基準;
○: 極めて良好。
△: ほぼ良好。
×: やや不良。
××: 著しく不良。
平板テストピース(160mm×60mm×2.5mm厚)に、常温にて2液ウレタン系塗料(製品名:レタンPG60、関西ペイント社製)をスプレー塗装した。
得られた塗装成形品表面を肉眼で観察して下記のような判断基準で評価した。
判定基準;
○:極めて良好
△:ほぼ良好
×:やや不良
××:著しく不良
厚みが1/4インチの試験片を用い、アイゾット衝撃強度(単位:J/m)をASTM−D256に準拠して23℃にて測定した。
[流動性]
東洋精機製作所製メルトインデクサーP−111を用い、ISO1133に準じて260℃、5kg荷重の条件でのメルトボリュームレート(MVR)を測定した。
また表4に示されるように、これらのグラフト共重合体(A−1〜6)を用いて熱可塑性樹脂組成物を調製した例13〜19では、表面外観に優れた大型成形品を成形することができ、成形品のめっき性、塗装性、耐衝撃性も良好であった。
硬質重合体(B)として反応転化率が96%の硬質重合体(B−4)を用いた例8のグラフト共重合体(A−8)は、粉体の微粉の発生が多く、このグラフト共重合体(A−8)を用いて熱可塑性樹脂組成物を調製した例21では、梨地が発生した。
硬質重合体(B)として反応転化率が97%で質量平均分子量が98万の硬質重合体(B−5)を用いた例9のグラフト共重合体(A−9)は、粉体の微粉の発生が多く、このグラフト共重合体(A−9)を用いて熱可塑性樹脂組成物を調製した例22では、フローマークの発生が見られ、めっき性および塗装性もやや不良であった。
例10の、硬質重合体(B)の配合量を0.05部としたグラフト共重合体(A−10)は、粉体の耐ブロッキング性が不充分であり、このグラフト共重合体(A−10)を用いて熱可塑性樹脂組成物を調製した例23では、フローマークの発生が見られ、めっき性および塗装性もやや不良であった。
硬質重合体(B)の配合量が45部である例11のグラフト共重合体(A−11)は、耐ブロッキング性は向上したものの、粉体の微粉の発生がやや多かった。このグラフト共重合体(A−11)を用いて熱可塑性樹脂組成物を調製した例24では、表面外観、めっき性、塗装性、および耐衝撃性が劣っていた。
ゴム質重合体の配合量が35部であるゴム質含有グラフト共重合体(a−6)を用いた例12のグラフト共重合体(A−12)は、微粉の発生はやや多いものの、耐ブロッキング性が向上しており、このグラフト共重合体(A−12)を用いて熱可塑性樹脂組成物を調製した例25では、表面外観に優れた大型成形品を成形することができ、成形品のめっき性、塗装性も良好であった。
Claims (7)
- ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト重合させて得られるゴム質含有グラフト共重合体(a)のラテックス100質量部(固形分)を凝析させた後に、
下記硬質共重合体(B)を含み、反応転化率が80〜90質量%である、硬質共重合体(B)のラテックスを0.1〜30質量部(固形分)添加し、凝析させた後、粉体として回収して得られることを特徴とするグラフト共重合体(A)。
硬質共重合体(B):芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含み、かつGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いて測定し標準ポリスチレン換算法にて算出される質量平均分子量が1,500,000〜4,500,000である共重合体。 - 請求項1記載のグラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含み、かつGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いて測定し標準ポリスチレン換算法にて算出される質量平均分子量が80,000〜200,000であるビニル共重合体(C)を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
- 前記グラフト共重合体(A)10〜80質量部と、前記ビニル共重合体(C)90〜20質量部からなる[グラフト共重合体(A)とビニル共重合体(C)の合計は100質量部]ことを特徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、およびポリアミド樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の熱可塑性樹脂(D)と、
請求項1記載のグラフト共重合体(A)、または請求項1記載のグラフト共重合体(A)と下記ビニル共重合体(C)を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
ビニル共重合体(C):芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含み、かつGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いて測定し標準ポリスチレン換算法にて算出される質量平均分子量が80,000〜200,000であるビニル共重合体。 - 前記熱可塑性樹脂(D)90〜20質量部と、前記グラフト共重合体(A)10〜80質量部と、前記ビニル共重合体(C)0〜70質量部からなる[熱可塑性樹脂(D)とグラフト共重合体(A)とビニル共重合体(C)の合計は100質量部]ことを特徴とする請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項2ないし5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形した成形品。
- ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を含有する単量体混合物をグラフト重合させて得られるゴム質含有グラフト共重合体(a)のラテックス100質量部(固形分)を、70〜95℃の第1の凝析温度で凝析させた後に、
ゴム質含有グラフト共重合体(a)の凝析温度より5〜20℃高い第2の凝析温度の状態で、
下記硬質共重合体(B)を含み、反応転化率が80〜90質量%である、硬質共重合体(B)のラテックスを0.1〜30質量部(固形分)添加し、凝析させた後、脱水、乾燥して粉体状のグラフト共重合体(A)を得ることを特徴とするグラフト共重合体の製造方法。
硬質共重合体(B):芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含み、かつGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いて測定し標準ポリスチレン換算法にて算出される質量平均分子量が1,500,000〜4,500,000である共重合体。
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