JP2019172872A - 樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂含む樹脂組成物において、優れた耐衝撃性および良好な外観を有する樹脂成形体が得られる樹脂組成物、および当該樹脂成形体を提供すること。【解決手段】ポリスチレン系樹脂と、ABS系樹脂と、オレフィン系共重合体と、グラフト共重合体を含む樹脂組成物であって、前記オレフィン系共重合体は、エチレンに由来する構成単位およびエポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A1)と、エチレンに由来する構成単位および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A2)を含み、前記グラフト共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)と、ビニル系共重合体セグメント(B2)を有し、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の重量比が、20/80〜80/20であり、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の合計が2〜30重量部であり、かつ前記グラフト共重合体が0.01〜5重量部である樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂成形体に関する。
事務機器などの廃材として回収された熱可塑性樹脂を、同じ事務機器などの製品または同等の製品に原料として再利用する熱可塑性樹脂のマテリアルリサイクルが近年注目されている。回収される大半はポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの成形体(成型品)であり、これら回収された成形体は破砕処理され、各樹脂の混合ペレットとなる。そのため、リサイクル材として使用するためには樹脂の種類ごとに選別する必要があり、その分別方法として比重分離法が一般的に行われている。
当該方法は、比重の大きなポリ塩化ビニル系樹脂、比重の小さいポリオレフィン系樹脂などは分離しやすいが、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂を分別することは、比重差が小さいため難しい。このことから、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂を選別せずに使用する検討も行われているが、これら樹脂には相容性がなく、これら樹脂から得られる成形体は、剥離が生じる問題があった。
上記の問題を解決することを目的として、特許文献1には、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂を主体とする廃プラスチックの混合物に、ポリフェニレンエーテル系樹脂およびメタクリル酸メチル系重合体を添加する方法が開示されている。
特開2002−88212号公報
特許文献1で開示された方法では、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂の相容性を改良でき、また、成形体の落下強度をある程度向上させることができる。しかし、このような樹脂成形体には、さらなる特性の向上が求められていた。
以上のような事情に鑑み、本発明は、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂含む樹脂組成物において、優れた耐衝撃性および良好な外観を有する樹脂成形体が得られる樹脂組成物、および当該樹脂成形体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、ポリスチレン系樹脂と、ABS系樹脂と、オレフィン系共重合体と、グラフト共重合体を含む樹脂組成物であって、前記オレフィン系共重合体は、エチレンに由来する構成単位およびエポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A1)と、エチレンに由来する構成単位および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A2)を含み、前記グラフト共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)と、ビニル系共重合体セグメント(B2)を有し、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の重量比(ポリスチレン系樹脂/ABS系樹脂)が、20/80〜80/20であり、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の合計が2〜30重量部であり、かつ前記グラフト共重合体が0.01〜5重量部である樹脂組成物、に関する。
また、本発明は、前記樹脂組成物から得られる樹脂成形体、に関する。
本発明の樹脂組成物および樹脂成形体における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本発明の樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂とオレフィン系共重合体とグラフト共重合体を含み、当該オレフィン系共重合体は、エチレンに由来する構成単位およびエポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A1)と、エチレンに由来する構成単位および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A2)を含み、当該グラフト共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)と、ビニル系共重合体セグメント(B2)を有する。当該樹脂組成物が、特定量のポリスチレン系樹脂とABS系樹脂に対する添加剤として、特定量の共重合体(A1)と共重合体(A2)とグラフト共重合体を含むことにより、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂の相容性を高めることができるため、得られる樹脂成形体が、良好な外観と優れた耐衝撃性を有するものと推定される。
本発明の樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂とオレフィン系共重合体とグラフト共重合体を含む。
<ポリスチレン系樹脂>
本発明のポリスチレン系樹脂は、スチレン系モノマー(スチレン、α−メチルスチレン、о−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなど)を主体(スチレン系モノマー成分が50モル%以上のものであり、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80%モル以上)とする重合体であれば、制限なく使用できる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレンのホモポリマーなどの汎用ポリスチレン樹脂(GPPS(general purpose polystyrene));シンジオタクチックポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸−スチレン共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ノルマルブチルアクリレート−スチレン共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体、マレイミド−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体などが挙げられる。また、前記ABS系樹脂以外の他の樹脂としては、例えば、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS(high impact polystyrene))、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体などのゴム変性ポリスチレン系樹脂が挙げられる。これらの中でも、成形外観、耐衝撃性の観点から、汎用ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレンが好適である。前記ポリスチレン系樹脂は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。なお、前記ポリスチレン系樹脂は、分子構造が、直鎖型であってもよく、分岐型であってもよい。
前記ポリスチレン系樹脂において、市販品としては、例えば、PSジャパン(株)製の「HF77」、「H9152」などが挙げられる。また、前記ポリスチレン系樹脂としては、廃材に含まれるものを使用してもよい。
<ABS系樹脂>
本発明のABS系樹脂は、ジエン系ゴム、シアン化ビニル単量体、および芳香族ビニル単量体と、必要に応じて、任意の他の共重合し得る単量体を構成単位とする樹脂であり、例えば、前記ジエン系ゴムの存在下、上記の単量体成分をグラフト重合させる方法などで得られるものである。当該重合の方法としては、公知の方法、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられる。
前記ジエン系ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴムなどが挙げられ、これらの中でも、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが好適である。前記ジエン系ゴムは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、これらの中でも、アクリロニトリルが好適である。前記シアン化ビニル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、о−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、これらの中でもスチレン、α−メチルスチレンが好適である。前記芳香族ビニル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記他の共重合し得る単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類などが挙げられる。前記他の共重合し得る単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記ABS系樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体などが挙げられる。前記ABS系樹脂は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製の「スタイラック321」、東レ(株)製の「トヨラック700−314」などが挙げられる。また、前記ABS系樹脂としては、廃材に含まれるものを使用してもよい。
前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の重量比は、(ポリスチレン系樹脂/ABS系樹脂)が、20/80〜80/20である。前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の重量比は、樹脂成形体の衝撃強度を向上させる観点から、25/75以上であることが好ましく、そして、60/40以下であることが好ましく、50/50以下であることがより好ましい。
<オレフィン系共重合体>
本発明のオレフィン系共重合体は、エチレンに由来する構成単位およびエポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A1)と、エチレンに由来する構成単位および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A2)を含む。前記共重合体(A1)および前記共重合体(A2)は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記共重合体(A1)において、前記エポキシ基を有する単量体は、分子内にエポキシ基およびエチレン性不飽和基を有する単量体であれば、その種類に制限はなく使用できる。前記エポキシ基を有する単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル;アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエーテル、などが挙げられる。前記エポキシ基を有する単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記共重合体(A1)は、必要に応じ、その他の単量体を用いることができる。前記その他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和カルボン酸ビニルエステルなどが挙げられる。前記その他の単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記共重合体(A1)中、前記エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、1〜30重量%であることが好ましい。前記共重合体(A1)中、前記エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、前記ABS系樹脂と前記その他の樹脂の相容性を向上させる観点から、3重量%以上であることが好ましく、そして、25重量%以下であることが好ましく、19重量%以下であることがより好ましい。なお、当該割合は、赤外法により測定できる。
前記共重合体(A1)中、エチレンに由来する構成単位および前記エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位の合計の割合は、70重量%以上であることが好ましい。
前記共重合体(A1)において、市販品としては、例えば、住友化学(株)製の「ボンドファーストBF−2C」、「ボンドファーストBF−E」、「ボンドファーストCG5001」、「ボンドファーストBF−2B」、「ボンドファーストBF−7B」、「ボンドファーストBF−7M」、「ボンドファーストBF−7L」などが挙げられる。
前記共重合体(A2)において、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、分子末端にアルキル基を有する(メタ)アクリレートであれば、その種類に制限はなく使用できる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記共重合体(A2)は、必要に応じ、上記のその他の単量体を用いることができる。
前記共重合体(A2)中、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合は、5〜30重量%であることが好ましい。前記共重合体(A2)中、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合は、前記ABS系樹脂と前記その他の樹脂の相容性を向上させる観点から、10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、そして、28重量%以下であることが好ましい。なお、当該割合は、赤外法により測定できる。
前記共重合体(A2)中、エチレンに由来する構成単位および前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の合計の割合は、70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましく、95重量%以上であることがよりさらに好ましい。
前記共重合体(A2)において、市販品としては、例えば、日本ポリエチレン(株)製の「レクスパールA6200」、「レクスパールA4250」、「レクスパールA3100」などが挙げられる。
前記オレフィン系共重合体は、必要に応じ、前記共重合体(A1)および前記共重合体(A2)以外の他のオレフィン系共重合体を用いることができる。前記他のオレフィン系共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合樹脂などが挙げられる。前記他のオレフィン系共重合体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。ただし、前記他のオレフィン系共重合体は、後述するグラフト重合体とは異なるものである。
前記オレフィン系共重合体において、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の重量比((A1)/(A2))は、10/90〜90/10であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
前記オレフィン系共重合体中、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の合計の割合は、70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましく、95重量%以上であることがよりさらに好ましい。
<グラフト共重合体>
本発明のグラフト共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)と、ビニル系共重合体セグメント(B2)を有する。前記グラフト共重合体は、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の相容化剤として機能すると推定される。よって、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)が良好に混合できるため、ポリスチレン系樹脂とABS系樹脂含む樹脂組成物において、優れた耐衝撃性および良好な外観を有する樹脂成形体が得られる。前記グラフト共重合体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)は、グラフト共重合体の主鎖部分に相当する。当該セグメントを構成するエチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、エチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体から合成される共重合体である。
前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)において、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、分子末端にアルキル基を有する(メタ)アクリレートであれば、その種類に制限はなく使用できる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体中、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合は、5〜30重量%であることが好ましく、10〜25重量%であることがより好ましい。なお、当該割合は、赤外法により測定できる。
前記ビニル系共重合体セグメント(B2)は、グラフト共重合体の側鎖部分に相当する。当該セグメントを構成するビニル系共重合体は、ビニル系単量体から合成される(ビニル系単量体に由来する構成単位を含む)共重合体である。
前記ビニル系共重合体セグメント(B2)は、相容性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含むことが好ましい。前記ビニル系共重合体セグメント(B2)において、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、分子末端にアルキル基を有する(メタ)アクリレートであれば、その種類に制限はなく使用できる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記ビニル系共重合体中、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合は、5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましい。
前記ビニル系共重合体セグメント(B2)は、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の相容性を向上させる観点から、芳香族ビニル系単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。前記芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ブロムスチレンなどが挙げられる。前記芳香族ビニル系単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記芳香族系単量体を使用する場合、前記ビニル系共重合体中、前記芳香族ビニル系単量体に由来する構成単位の割合は、5〜20重量%であることが好ましく、10〜15重量%であることがより好ましい。
前記ビニル系共重合体セグメント(B2)は、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の相容性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸3−ヒドロキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチルなどが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体を使用する場合、前記ビニル系共重合体中、前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合は、5〜20重量%であることが好ましく、10〜15重量%であることがより好ましい。
前記グラフト共重合体中、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)とビニル系共重合体セグメント(B2)の重量比((B1)/(B2))が、50/50〜80/20であることが好ましく、60/40〜70/30であることがより好ましい。
<グラフト共重合体の製造方法>
前記グラフト共重合体の製造方法は、特に制限はなく、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法などの公知の重合法を使用することができる。これらの中でも、懸濁重合法が好ましい。また、グラフト化する方法としては、特に制限はなく、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法などの公知のグラフト化方法を採用することができる。これらの中でも、ラジカル重合法が好ましく、とくに、グラフト共重合体を工業的に大量かつ効率的に製造できる観点から、過酸化結合を有するビニル系単量体(ラジカル重合性有機過酸化物)を用いたラジカル重合法がより好ましい。
前記過酸化結合を有するビニル系単量体(ラジカル重合性有機過酸化物)は、分子内にペルオキシ基およびエチレン性不飽和基を有する単量体であれば、その種類に特に制限はなく使用でき、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。前記過酸化結合を有するビニル系単量体としては、例えば、以下の一般式(1)または一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019172872
(式(1)中、Rは水素原子、またはメチル基を表し、Rは水素原子、メチル基、またはエチル基を表し、RおよびRはそれぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基、または炭素原子数3〜12のシクロアルキル基を表す。mの値は、1または2である。)
Figure 2019172872
(式(2)中、Rは水素原子、またはメチル基を表し、Rは水素原子、または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、RおよびRはそれぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R10は炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基、または炭素原子数3〜12のシクロアルキル基を表す。nの値は、0、1または2である。)
前記一般式(1)で表される単量体としては、例えば、t−ブチルペルオキシ(メタ)アクリロイロキシエチルカーボネート、t−アミルペルオキシ(メタ)アクリロイロキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシ(メタ)アクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシ(メタ)アクリロイロキシエトキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシ(メタ)アクリロイロキシエトキシエチルカーボネートなどが挙げられる。
前記一般式(2)で表される単量体としては、例えば、t−ブチルペルオキシ(メタ)アリルカーボネート、t−アミルペルオキシ(メタ)アリルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシ(メタ)アリルカーボネートなどが挙げられる。
前記過酸化結合を有するビニル系単量体を用いたラジカル重合法は、例えば、前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を、水を主成分とする媒体に懸濁した溶液(エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の濃度:10〜30重量%)に、前記ビニル系単量体を含むモノマー成分と、前記過酸化結合を有するビニル系単量体と、重合開始剤を加え、前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の粒子)中に、前記ビニル系単量体を含むモノマー成分と前記過酸化結合を有するビニル系単量体と前記重合開始剤を含浸させて、前記モノマー成分を重合してグラフト化前駆体を得る工程と、当該前駆体を溶融して混練(溶融混練)して、グラフト共重合体を製造する工程を含む方法が挙げられる。なお、前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を懸濁する際、必要に応じ、懸濁剤(例えば、ポリビニルアルコール)を前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100重量部に対して、0.1〜1重量部程度使用してもよく、また、分散剤(例えば、リン酸カルシウム)を前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100重量部に対して、5〜20重量部程度使用してもよい。また、上記の含浸の際、前記エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体中にモノマー成分などを十分に含浸させるため、加温(例えば、60〜80℃程度)しながら、攪拌してもよい。
前記重合開始剤は、熱によりラジカルを発生するものであれば、特に限定されず、例えば、アゾ系重合開始剤、有機過酸化物、過硫酸塩、過酸化水素水、レドックス重合開始剤(酸化剤及び還元剤を組み合わせた重合開始剤)などの公知の重合開始剤が挙げられる。特に、懸濁重合法で使用する場合は、油溶性の有機過酸化物が好ましい。重合開始剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記グラフト化前駆体を製造する工程において、前記過酸化結合を有するビニル系単量体は、前記ビニル系単量体を含むモノマー成分100重量部に対し、0.5〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部以上であることがより好ましい。
前記グラフト化前駆体を製造する工程において、前記重合開始剤は、前記ビニル系単量体を含むモノマー成分100重量部に対し、0.3〜5重量部以上であることが好ましく、0.5〜3重量部以上であることがより好ましい。
前記溶融混練としては、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどの混練機を用いて、前記前駆体を溶融して混練りする方法が挙げられる。混練りする回数は、1回または複数回であってもよい。混練りする時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、3〜10分程度とすればよい。また、混練機の排出温度は、150〜350℃とすることが好ましく、180〜250℃とすることがより好ましい。
以下、本発明の樹脂組成物の配合量について説明する。
前記樹脂組成物において、前記共重合体(A1)は、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、樹脂成形体の衝撃強度を向上させる観点から、1重量部以上であることが好ましく、3重量部以上であることがより好ましく、そして、15重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましい。
前記樹脂組成物において、前記共重合体(A2)は、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、樹脂成形体の衝撃強度を向上させる観点から、1重量部以上であることが好ましく、3重量部以上であることがより好ましく、そして、15重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましい。
前記樹脂組成物において、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の合計は、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、2〜30重量部である。前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の合計は、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、樹脂成形体の衝撃強度を向上させる観点から、2重量部以上であることが好ましく、6重量部以上であることがより好ましく、そして、25重量部以下であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましい。
前記樹脂組成物において、前記グラフト共重合体は、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、0.01〜5重量部である。前記グラフト共重合体は、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の相容性を向上させ、耐衝撃性を向上させる観点から、前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、0.1重量部以上であることが好ましく、0.5重量部以上であることがより好ましく、そして、耐衝撃性の低下や外観不良を抑制できる観点から、3重量部以下であることが好ましく、2重量以下であることがより好ましい。
なお、本発明の樹脂組成物は、必要に応じ、各種配合剤を用いることができる。配合剤としては、例えば、エチレン―プロピレンゴム(EPR),エチレン-オクテン共重合体(PEO)などに代表されるゴム成分、セラミックファイバー(CF)、ガラス繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、鉱物破砕繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、石コウ繊維、水酸化マグネシウム繊維、炭化ケイ素繊維、ジルコニア繊維などの繊維強化材;球状シリカ、マイカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、ベントナイト、セリサイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、アルミナ、硅酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、グラファイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン、超高密度ポリエチレンなどの各形状の有機または無機の充填剤;酸化防止剤、紫外線防止剤、着色剤、固体潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤などが挙げられる。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、前記ポリスチレン系樹脂、前記ABS系樹脂、前記オレフィン系共重合体、前記グラフト共重合体、任意の前記各種配合剤を混合することによって得られる。混合の方法は、とくに制限はなく、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどの混練機を用いて、溶融して混練りする方法などが挙げられる。また、上記の各成分を、任意の順序で添加し混練りしてもよく、同時に添加して混練りしてもよい。混練りする回数は、1回または複数回であってもよい。混練りする時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、3〜10分程度とすればよい。また、混練機の排出(押出)温度は、150〜350℃とすることが好ましく、180〜250℃とすることがより好ましい。
<樹脂成形体>
本発明の樹脂成形体は、前記樹脂組成物を所定の形状に成形することにより得られる。成形方法としては、何ら限定されるものではないが、例えば、射出成形、押出し成形などが挙げられ、成形の加熱温度、圧力、時間などは適宜設定できる。当該樹脂成形体は、機械物性、および摺動性に優れるため、電気部品、電子部品、機械部品、精密機器部品、自動車部品などの広い分野で利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<グラフト共重合体の製造>
<製造例1>
内容積5Lの反応槽に、水2000重量部を入れ、懸濁剤としてポリビニルアルコール2.0重量部を溶解させ、さらに分散剤として第三リン酸カルシウム20重量部を分散させた。この中に、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体として、EEA(日本ポリエチレン(株)製、商品名「レクスパールA6200」)700重量部と、ビニル系単量体として、アクリル酸ブチル100重量部と、スチレン100重量部と、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル100重量部と、過酸化結合を有するビニル系単量体として、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート3重量部を加え、攪拌しながら70℃に昇温した。続いて、反応槽内の温度が70℃に到達してから、さらに1時間攪拌を継続した後、ラジカル重合開始剤として、ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド4.5重量部を投入し、70℃で5時間重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、水洗、濾過、乾燥工程を経てグラフト化前駆体を得た。得られたグラフト化前駆体を、ラボプラストミル単軸押出機((株)東洋精機製作所製)を使用し、180℃にて押し出しを行い、グラフト化反応させることにより、製造例1のグラフト共重合体を得た。
<製造例2>
ビニル系単量体として、アクリル酸ブチル90重量部と、メタクリル酸メチル210重量部を使用したこと以外は、製造例1と同様の操作を行い、製造例2のグラフト共重合体を得た。
<実施例1>
<樹脂組成物および樹脂成形体の製造>
前記ポリスチレン系樹脂成分として、汎用ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製、商品名「HF77」)30重量部、前記ABS系樹脂成分として、ABS樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「スタイラック321」)70重量部と、前記共重合体(A1)成分として、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学(株)製、商品名「ボンドファーストBF−7M」)を5重量部と、前記共重合体(A2)成分として、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(日本ポリエチレン(株)製、商品名「レクスパールA6200」)5重量部と、上記で得られた製造例1のグラフト共重合体0.1重量部を、二軸押出機(PCM−30:池貝製)を用いて、溶融混練(押出温度:220〜240℃)し、ペレット状の組成物を得た。次いで、このペレットを射出成形(バレル温度:240〜250℃、金型温度:80℃)し、評価用試験片(長さ:64mm×幅:10mm×厚み:4mm)を作製した。
得られた試験片を用いて、耐衝撃性および成形外観を以下の方法にて評価した。結果を表1に示す。
<耐衝撃性の評価>
耐衝撃性の評価は、ASTM規格D−256に準拠し、ノッチ付きの上記で得られた試験片を用いて、アイゾッド衝撃強度(単位:KJ/m2)を測定し、以下の式(1)にて、向上率(%)を算出した。なお、共重合体(A1)、共重合体(A2)およびグラフト共重合体を含まない試験片は、上記の実施例1において、共重合体(A1)、共重合体(A2)およびグラフト共重合体を添加しないこと以外は、同様の操作にて、作製した。
向上率(%)={(試験片のアイゾッド衝撃値)/共重合体(A1)、共重合体(A2)およびグラフト共重合体を含まない試験片のアイゾッド衝撃値)}×100・・・(式(1))
本発明の樹脂成形体は、上記の耐衝撃性の向上率(%)が、130%以上であることが好ましく、140%以上であることがより好ましい。
<成形体外観の評価>
成形体外観に関しては、試験片を目視により、以下の基準により評価した。
○:良好(フローマーク、ジェッティング、剥離などがない。)
×:不良(フローマーク、ジェッティング、剥離などが存在する。)
なお、フローマークとは、成形体のゲート付近に円形波紋ができる外観不良である。ジェッティングとは、成形体に蛇状の樹脂の流れ模様ができる外観不良である。剥離とは、成形体外観の表面に樹脂が剥がれたようなあとができる外観不良を意味する。
<実施例2〜14、比較例1〜4>
<樹脂組成物および樹脂成形体の製造>
各原料の種類とその配合量を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂組成物および樹脂成形体を製造し、実施例2〜14および比較例1〜4の評価用試験片を作製した。なお、ABS系樹脂は、旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「スタイラック321」を使用した。ただし、実施例10では、樹脂組成物の製造において、共重合体(A1)成分と、共重合体(A2)成分、グラフト共重合体を、予めバンバリーミキサーにて180℃で混合したもの(予備混練物)に、ポリスチレン系樹脂成分とABS系樹脂成分を配合し、二軸押出機を用いて、溶融混練してペレット状の組成物を得た。
上記で得られた実施例2〜14および比較例1〜4の評価用試験片について、上記の評価方法により、耐衝撃性および成形体外観を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2019172872
表1中、HF77は、汎用ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製、商品名「HF77」、MFRが8(g/10min));
H9152は、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製、商品名「H9152」、MFRが6(g/10min));
BF−7Mは、エチレン−グリシジルメタクリレート−メタクリル酸メチル共重合体(住友化学(株)製、商品名「ボンドファーストBF−7M」、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位の割合が6重量%、エチレンに由来する構成単位の割合が67重量%;
BF−2Cは、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学(株)製、商品名「ボンドファーストBF−2C」、エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合が6重量%、エチレンに由来する構成単位の割合が94重量%;
BF−Eは、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学(株)製、商品名「ボンドファーストBF−E」、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位の割合が12重量%、エチレンに由来する構成単位の割合88重量%;
BF−2Bは、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学(株)製、商品名「ボンドファーストBF−2B」、エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合が12重量%、エチレンに由来する構成単位の割合が83重量%;
BF−7Lは、エチレン−グリシジルメタクリレート−メタクリル酸メチル共重合体(住友化学(株)製、商品名「ボンドファーストBF−7L」、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位の割合が3重量%、エチレンに由来する構成単位の割合が70重量%;
A6200は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(日本ポリエチレン(株)製、商品名「レクスパールA6200」、アクリル酸エチルに由来する構成単位の割合が20重量%、エチレンに由来する構成単位の割合が80重量%;
A4250は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(日本ポリエチレン(株)製、商品名「レクスパールA4250」、アクリル酸エチルに由来する構成単位の割合が25重量%、エチレンに由来する構成単位の割合が75重量%;
A3100は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(日本ポリエチレン(株)製、商品名「レクスパールA3100」、アクリル酸エチルに由来する構成単位の割合が10重量%、エチレンに由来する構成単位の割合が90重量%;を示す。

Claims (9)

  1. ポリスチレン系樹脂と、ABS系樹脂と、オレフィン系共重合体と、グラフト共重合体を含む樹脂組成物であって、
    前記オレフィン系共重合体は、エチレンに由来する構成単位およびエポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A1)と、エチレンに由来する構成単位および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む共重合体(A2)を含み、
    前記グラフト共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)と、ビニル系共重合体セグメント(B2)を有し、
    前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の重量比(ポリスチレン系樹脂/ABS系樹脂)が、20/80〜80/20であり、
    前記ポリスチレン系樹脂と前記ABS系樹脂の合計100重量部に対して、前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の合計が2〜30重量部であり、かつ前記グラフト共重合体が0.01〜5重量部であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記共重合体(A1)中、前記エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合が1〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記共重合体(A2)中、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合が5〜30重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 前記共重合体(A1)と前記共重合体(A2)の重量比((A1)/(A2))が10/90〜90/10であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記グラフト共重合体中、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体セグメント(B1)とビニル系共重合体セグメント(B2)の重量比((B1)/(B2))が、50/50〜80/20であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. ビニル系共重合体セグメント(B2)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. ビニル系共重合体セグメント(B2)が、さらに、芳香族ビニル系単量体に由来する構成単位を含む請求項6記載の樹脂組成物。
  8. ビニル系共重合体セグメント(B2)が、さらに、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む請求項6または7記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物から得られることを特徴とする樹脂成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021048977A (ja) * 2019-09-24 2021-04-01 株式会社ユニバーサルエンターテインメント 遊技機

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