JP2002284957A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びそのシート状物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びそのシート状物

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JP2002284957A
JP2002284957A JP2001084461A JP2001084461A JP2002284957A JP 2002284957 A JP2002284957 A JP 2002284957A JP 2001084461 A JP2001084461 A JP 2001084461A JP 2001084461 A JP2001084461 A JP 2001084461A JP 2002284957 A JP2002284957 A JP 2002284957A
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styrene
rubber
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JP2001084461A
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Takao Okubo
傑夫 大久保
Hideaki Nishimura
英明 西村
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダー加工性及びカレンダー成形で得ら
れるシート及び/またはフィルムの印刷特性が優れるゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物及びそのシート及び/又は
フィルムを提供する。 【解決手段】 グラフト共重合体とスチレン系共重合体
からなる樹脂成分100質量部当たり、(A1)高級脂
肪酸及び/又は高級脂肪酸塩0.1〜3.5質量部、
(A2)(ジ)ペンタエリスリトール系エステル及び/
又はソルビタン系エステル0.01〜5質量部、(A
3)脂肪酸モノグリセリド及び/又は脂肪酸ジグリセリ
ド0.01〜5質量部を必須成分とする加工助剤を含有
することを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物及
びそのシート及び/又はフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダー成形用
ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびカレンダー成形で
得られるゴム変性スチレン系樹脂組成物のシート及び/
またはフィルムに関するものである。なお、本発明にお
いて、厚さ0.2mm以下の膜状体をフィルムと呼び、
厚さ0.2mmを超えるものをシートとし、以後、シー
ト及び/またはフィルムをシート状物と呼ぶことにす
る。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂等のゴム変性スチレン系樹脂
は成形性、機械的特性、電気的性質、着色性、印刷特
性、耐薬品性等に優れ、射出成形、押出成形、異形押
出、ブロー成形等の種々の成形法により、幅広い用途に
利用されているが、ゴム変性スチレン系樹脂のシート状
物は、従来、押出成形により製造されてきた。一方、環
境問題の観点で塩化ビニル樹脂のシート状物からゴム変
性スチレン系樹脂のシート状物への切り替えが進められ
ようとしている。その際、従来の押出成形ではシート状
物の厚み精度や生産性において課題があり、カレンダー
成形による製造方法が提案されている。例えば、スチレ
ン系樹脂に有機燐酸エステル(特開2000−1542
88公報)、ABS系樹脂にポリカプロラクトン(特開
平8−311301号公報)、ABS系樹脂にアクリル
酸系樹脂及び有機スズ系化合物(特開2000−129
076号公報)を配合することにより、カレンダー成形
時の問題であるロールからの剥離性、表面の平滑性やフ
ローマークが改良されることが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法により得
られるシート状物を壁紙等に使用する場合、ゴム変性ス
チレン系樹脂の特長の1つであった良好な印刷特性が損
なわれたり、表面の傷付きや変色防止の為にラミネート
するアクリル系ラミネートフィルムとの密着性が低下す
る課題が新たに提起されている。また、塩化ビニル樹脂
に比較して、壁紙としての室内耐光性が不十分であった
り、気密性のよい新築住宅での異臭の問題が残されてい
る。
【0004】本発明は、カレンダー成形における加工性
(ロール剥離性、表面の平滑性やフローマーク)に優
れ、しかも、得られるシート状物が印刷特性及びアクリ
ル系ラミネートフィルムとの密着性に優れるゴム変性ス
チレン系樹脂組成物およびそのゴム変性スチレン系樹脂
組成物をカレンダー成形して得られるシート状物を提供
するものである。さらには、室内耐光性にも優れ、密閉
度の高い室内で使用した場合でも、臭気が抑制されたシ
ート状物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ゴム変性
スチレン系樹脂において、前記課題を解決すべく鋭意検
討した結果、特定の加工助剤を配合することにより、カ
レンダー成形における加工性、得られるシート状物の印
刷特性及びアクリル系ラミネートフィルムとの密着性に
も優れることを見出し、本発明に到達したのである。ま
た、ゴム変性スチレン系樹脂を重合させる際、特定の連
鎖移動剤を使用することにより、得られるシート状物の
臭気が改善されこと、及び、特定の加工助剤にさらに紫
外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を添加するこ
とにより、室内耐光性も改良できることを見出したので
ある。
【0006】すなわち、本発明は、以下の通りである。
第一は、ゴム状重合体(Ia)10〜80質量部の存在
下、スチレン系単量体10〜95質量%、シアン化ビニ
ル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体から
選ばれた少なくとも1種の単量体90〜5質量%及び共
重合可能な他の単量体0〜20質量%からなる単量体混
合物(Ib)90〜20質量部を共重合してなるグラフ
ト共重合体(I)10〜90質量%と、スチレン系単量
体10〜95質量%、シアン化ビニル系単量体及び(メ
タ)アクリル酸エステル単量体から選ばれた少なくとも
1種の単量体90〜0質量%及び共重合可能な単量体0
〜60質量%からなるスチレン系共重合体(II)90
〜10質量%からなる樹脂成分(III)100質量部
に対し、(A1)高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸塩
0.1〜3.5質量部、(A2)(ジ)ペンタエリスリ
トール系エステル及び/又はソルビタン系エステル0.
01〜5質量部、(A3)脂肪酸モノグリセリド及び/
又は脂肪酸ジグリセリド0.01〜5質量部を必須成分
とする加工助剤を含有することを特徴とするゴム変性ス
チレン系樹脂組成物及びそのシート状物である。
【0007】第二は、連鎖移動剤として2,4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテン、ターピノーレン、ジ
ペンテン、テルピネンから選ばれる少なくとも1種の化
合物を使用して得られるグラフト共重合体(I)を使用
することにより、異臭が抑制された第一の発明のゴム変
性スチレン系樹脂組成物及びそのシート状物である。
【0008】第三は、グラフト共重合体(I)10〜9
0質量%とスチレン系共重合体(II)90〜10質量
%からなる樹脂成分100質量部に対して、さらに紫外
線吸収剤0.02〜1質量部、ヒンダードアミン系光安
定剤0.02〜1質量部を含有することを特徴とする第
一または第二の発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物及
びそのシート状物である。
【0009】第四は、グラフト共重合体(I)10〜9
0質量%とスチレン系共重合体(II)90〜10質量
%からなる樹脂成分100質量部当たり、重量平均分子
量が300,000〜8、000,000であり、か
つ、スチレン系単量体及び/又は(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体を必
須成分とする高分子量重合体(IV)20質量部以下
(但し、0は含まず)を含有することを特徴とする第一
〜三の発明のいずれかのゴム変性スチレン系樹脂組成物
及びそのシート状物である。
【0010】次いで、本発明を詳細に説明する。まず、
本発明におけるグラフト共重合体(I)は、ゴム状重合
体(Ia)の存在下にスチレン系単量体、シアン化ビニ
ル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体から
選ばれた少なくとも1種の単量体及び必要に応じてこれ
と共重合可能な他のビニル単量体を加えた単量体混合物
を公知の塊状重合、塊状懸濁重合、乳化重合及び溶液重
合することにより得られる。もしくは、エポキシ基、無
水マレイン酸基、アミノ基、オキサゾリニル基、メルカ
プト基、水酸基等の官能基を有するゴム状重合体とこれ
ら官能基と反応する官能基を有するスチレン系樹脂とを
溶融混練(リアクティブプロセシング)させて得ること
もできる。
【0011】グラフト共重合体(I)に使用されるゴム
状重合体は、ガラス転移温度(Tg)が10℃以下であ
ることが必要であり、10℃を超えると耐衝撃性が低下
する。ゴム状重合体の例として、ポリブタジエン、ブタ
ジエン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、ポリイソプレン、イソプレン−スチレン共重
合体、クロロプレンゴム等のジエン系ゴム及び上記ジエ
ン系ゴムを(部分)水素添加したゴム、イソブチレン−
イソプレン共重合体、アクリル系ゴム、エチレン−プロ
ピレン(ジエン成分)共重合体等が挙げられる。好まし
くは、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレンランダム
共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エ
チレン−プロピレン(ジエン成分)共重合体である。
【0012】グラフト共重合体(I)中のゴム状重合体
(Ia)の割合は、10〜80質量%、好ましくは、2
0〜75質量%、特に好ましくは、30〜70質量%で
ある。ゴム状重合体の含有量が10質量%未満では、耐
衝撃性が低下し、一方、80質量%を超えると、耐熱
性、外観性及び流動性の少なくとも1つの特性が損なわ
れる傾向がある。
【0013】グラフト共重合体(I)におけるゴム状重
合体(Ia)はゴム変性スチレン系樹脂組成物中に、ス
チレン系単量体を必須成分とする連続相に分散してお
り、その分散粒子の体積平均粒子径は0.1〜2.0μ
m、好ましくは、0.2〜1.5μmであり、特に好ま
しくは、0.25〜1.0μmである。なお、分散粒子
の体積平均粒子径を0.2〜0.4μm、特に0.25
〜0.35μmに調整し、連続相の屈折率と分散相の屈
折率の差を0.05以下にすることにより、得られるシ
ート状物の耐衝撃性を確保しつつ、透明性も向上させる
ことができる。なお、分散粒子径はN,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)にグラフト共重合体(I)もしく
はゴム変性スチレン系樹脂組成物を分散させて光散乱式
粒度分布測定装置で測定した体積基準のメジアン径であ
る。
【0014】グラフト共重合体(I)における単量体混
合物(Ib)の質量割合は、スチレン系単量体:シアン
化ビニル単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体
から選ばれた少なくとも1種の単量体:共重合可能な単
量体=10〜95:90〜5:0〜20%、好ましく
は、20〜85:80〜15:0〜15%、特に好まし
くは、30〜75:70〜25:0〜10%である。ス
チレン系単量体の割合が、10質量%未満になると、成
形性、耐熱性、弾性率の少なくとも1つの特性が損なわ
れる。逆に、スチレン系単量体の割合が95質量%を越
えると、耐衝撃性や耐薬品性が損なわれる。グラフト共
重合体(I)においてシアン化ビニル単量体の使用は耐
衝撃性、耐白化性や耐薬品性を向上させ、(メタ)アク
リル酸エステル単量体の使用は透明性や耐傷付き性を向
上させる効果がある。勿論、シアン化ビニル単量体と
(メタ)アクリル酸エステル単量体とを併用してもよ
い。
【0015】グラフト共重合体(I)に使用されるスチ
レン系単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ハロスチレン、
スチレンスルホン酸ナトリウム、インデン、アセナフチ
レン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げ
られ、好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンであ
る。これらスチレン系単量体は、単独でもよいが二種類
以上を併用してもよい。
【0016】また、グラフト共重合体(I)において使
用されるシアン化ビニル単量体として、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロ
アクリロニトリル等が挙げられるが、好ましくは、アク
リロニトリル、メタクリロニトリルである。また、(メ
タ)アクリル酸エステル単量体として、メチルアクリル
酸エステル、エチルアクリル酸エステル、ブチルアクリ
ル酸エステル、2−エチルヘキシルアクリル酸エステル
等のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリル酸エ
ステル、エチルメタクリル酸エステル、ブチルメタクリ
ル酸エステル、シクロヘキシルメタクリル酸エステル等
のメタクリル酸エステル単量体があげられるが、好まし
くは、ブチルアクリル酸エステルやメチルメタクリル酸
エステルである。必要に応じて使用できる共重合可能な
他のビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸モノメチル及びフマル酸モノメチル等の
単官能の不飽和カルボン酸単量体、アクリル酸アミドや
メタクリル酸アミド等の不飽和カルボン酸アミド単量
体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマ
レイミド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミ
ド、N−(アルキル置換フェニル)マレイミド等の不飽
和ジカルボン酸イミド単量体、マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸及びアコニット酸等の不飽和ジカルボ
ン酸無水物及びグリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、グリシジルシナメート、メタアリルグ
リシジルエーテル、N−{4−(2,3−エポキシプロ
ポキシ)−3,5−ジメチルベンジル}アクリルアミ
ド、N−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,
5−ジメチルベンジルメタクリルアミド等のエポキシ基
を含有するビニル単量体等が挙げられるが、好ましく
は、アクリル酸、メタクリル酸、N−フェニルマレイミ
ド、マレイミド、マレイン酸無水物及びグリシジルメタ
クリレート等のビニル単量体である。勿論、これらの2
種類以上のビニル単量体を併用してもよい。
【0017】エポキシ基、無水マレイン酸基、アミノ
基、オキサゾリニル基、メルカプト基、水酸基等の官能
基を有するゴム状重合体との溶融混練(リアクティブプ
ロセシング)に使用できる官能基を有するスチレン系樹
脂とは、スチレン系単量体:シアン化ビニル単量体及び
(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれた少なく
とも1種の単量体:官能基を有する単量体:官能基を持
たない共重合可能な単量体=10〜95:4.9〜8
9.9:0.1〜10:0〜20%、好ましくは、20
〜85:14.8〜79.8:0.2〜8:0〜15
%、特に好ましくは、30〜75:24.7〜69.
7:0.3〜5:0〜10%である。スチレン系単量体
の割合が、10質量%未満になると、成形性、耐熱性、
弾性率の少なくとも1つの特性が損なわれる。逆に、ス
チレン系単量体の割合が95質量%を越えると、耐衝撃
性や耐薬品性が損なわれる。官能基を有するスチレン系
樹脂に使用できるスチレン系単量体、シアン化ビニル単
量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体は、前述の
単量体混合物(Ib)で例示したものでよく、官能基を
有する単量体としては、前述の単量体混合物(Ib)に
おいて例示した単官能の不飽和カルボン酸単量体、不飽
和ジカルボン酸及びエポキシ基を含有するビニル単量体
や、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート及び
ヒドロキシスチレン等の水酸基を含有する単量体、2−
ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、4−ビニルイミ
ダゾール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルベンズ
イミダゾール及びp−アミノスチレン等のアミノもしく
はイミノ基を含有する単量体、ビニルオキサゾリン等の
オキサゾリニル基含有の単量体、2−テトラヒドロピラ
ニル4’−ビニルフェニルチオエーテルや4−ビニルフ
ェニルチオアセテート等のチオール基を保護した単量体
(共重合後、加水分解しチオール基を有する共重合体に
変性できる)が挙げられる。また、官能基を持たない共
重合可能な単量体としては、前述の単量体混合物(I
b)において示された不飽和カルボン酸アミド単量体及
び不飽和ジカルボン酸イミド単量体等が挙げられる。
【0018】本発明におけるグラフト共重合体(I)の
メチルエチルケトン可溶分の重量平均分子量が7000
0〜180000、好ましくは75000〜16000
0、特に好ましくは80000〜150000である。
メチルエチルケトン可溶分の重量平均分子量が7000
0未満のグラフト共重合体は、耐衝撃性が低下する傾向
がある。一方、180000を超えると得られるシート
状物の光沢等の外観性が低下する傾向が現れる。
【0019】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
壁紙用シート状物として使用する場合、気密性の良い家
屋においても、異臭の問題が発生しないように、グラフ
ト共重合体(I)のメチルエチルケトン可溶分の分子量
調節のための連鎖移動剤として、アルキルメルカプタ
ン、チオグリコール酸エステル、メルカプトプロピオン
酸エステル等の硫黄系連鎖異動剤の代わりに、2,4−
ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、ターピノーレ
ン、ジペンテン、テルピネン、特に2,4−ジフェニル
−4−メチル−1−ペンテンを使用することが好まし
い。
【0020】つぎに、本発明におけるスチレン系共重合
体(II)について説明する。スチレン系共重合体(I
I)における各単量体の質量割合はスチレン系単量体:
シアン化ビニル単量体及び(メタ)アクリル酸エステル
単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体:共重合可
能な他の単量体=10〜95:90〜0:0〜60
(%)、好ましくは、20〜85:80〜0:0〜55
(%)、特に好ましくは25〜80:75〜10:0〜
53である。スチレン系単量体の割合が、10質量%未
満になると、成形性、耐熱性、耐衝撃性の少なくとも1
つの特性が損なわれる。逆に、95質量%を越えると、
耐衝撃性、耐白化性や耐薬品性が損なわれる傾向があ
る。本発明のスチレン系共重合体(II)はこれらの単
量体混合物を公知の塊状連続重合、塊状懸濁重合、乳化
重合、懸濁重合及び溶液重合等で重合させて得ることが
できる。
【0021】スチレン系共重合体(II)に使用される
スチレン系単量体、シアン化ビニル単量体、(メタ)ア
クリル酸エステル単量体及び共重合可能な他の単量体は
グラフト共重合体(I)において例示されたスチレン系
単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び共重合
可能な他の単量体でよく、いずれの単量体も単独又は2
種類以上併用して用いることができる。耐衝撃性、耐白
化性や耐薬品性を特に向上させる場合はシアン化ビニル
単量体を、透明性や制振性を重視する場合は(メタ)ア
クリル酸エステル単量体を、耐熱性が特に必要ならば不
飽和カルボン酸単量体、不飽和ジカルボン酸無水物及び
不飽和ジカルボン酸イミド単量体を共重合させることが
望ましい。
【0022】スチレン系共重合体(II)の具体例とし
ては、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、α−メ
チルスチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/
アクリロニトリル共重合体、スチレン/アクリロニトリ
ル/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/N−フェ
ニルマレイミド共重合体、スチレン/N−フェニルマレ
イミド/アクリロニトリル共重合体、スチレン/N−フ
ェニルマレイミド/無水マレイン酸共重合体、スチレン
/N−フェニルマレイミド/メタクリル酸メチル共重合
体等である。
【0023】スチレン系共重合体(II)の重量平均分
子量は80000〜200000、好ましくは9000
0〜180000、特に好ましくは100000〜17
0000である。80000未満の場合、耐衝撃性や耐
薬品性が低下する傾向があり、200000を超える
と、フィルムまたはシートの外観性が低下する。
【0024】グラフト共重合体(I)とスチレン系共重
合体(II)との質量比は10〜90:90〜10、好
ましくは15〜80:85〜20、特に好ましくは20
〜70:80〜30である。(I)成分の割合が10未
満では、耐衝撃性や耐薬品性が低下し、逆に、90を超
えると耐熱性や外観性が低下する欠点が現れる。
【0025】本発明において、グラフト共重合体(I)
とスチレン系共重合体(II)からなる樹脂成分(II
I)100質量部あたり、他の熱可塑性樹脂0〜100
質量部併用することもできる。併用することができる熱
可塑性樹脂の例として、ポリメチルメタクリレート、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、Uポリマ
ー、液晶性ポリエステル、6−ナイロン、6,6−ナイ
ロン、ナイロンMXD6が挙げられる。耐傷付き性、制
振性、透明性等を向上させたい場合はポリメチルメタク
リレート、耐熱性、耐衝撃性、難燃性等を高めたい場合
はポリカーボネート、Uポリマーが望ましい。
【0026】次に、本発明に使用する加工助剤について
説明する。先ず、(A1)高級脂肪酸及び/又は高級脂
肪酸塩における高級脂肪酸は、炭素数10以上、好まし
くは12以上を有する脂肪族及び脂環族のカルボン酸を
意味することとする。具体的には、ラウリル酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヒ
ドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、ロジ
ン酸、不均化ロジン酸、エルカ酸、リシノール酸、アセ
チルリシノール酸等が挙げられ、好ましくはステアリン
酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、モンタン
酸、不均化ロジン酸である。
【0027】また、高級脂肪酸塩とは、これら高級脂肪
酸の金属塩であり、金属としては亜鉛、カルシウム、マ
グネシウム、アルミニウム、バリウム、鉛、リチウム、
カリウム、ナトリウム等があげられ、好ましくは亜鉛、
カルシウム、マグネシウムである。これらの高級脂肪酸
及び/又は高級脂肪酸塩は、単独でもよいが2種以上を
併用してもよい。これら高級脂肪酸及び/又は高級脂肪
酸塩はグラフト共重合体(I)を乳化重合で製造する場
合、ラテックスの析出条件で高級脂肪酸と高級脂肪酸塩
の比率を制御することができるが、混練時にさらに添加
することもできる。リアクティブプロセシングでグラフ
ト共重合体(I)を製造する場合、高級脂肪酸及び/又
は高級脂肪酸塩を混練時に添加すればよい。得られるシ
ート状物の透明性を重視する場合、高級脂肪酸/高級脂
肪酸塩の質量比≧1/2、さらに好ましくは質量比≧1
/1である。勿論、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸塩
は、単独でもよいが2種類以上併用してもよい。
【0028】(A2)(ジ)ペンタエリスリトール系エ
ステル及び/又はソルビタン系エステルにおける(ジ)
ペンタエリスリトール系エステルとしては、ペンタエリ
スリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテ
トラオレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレ
ート、(ジ)ペンタエリスリトールと脂肪酸および/ま
たは二塩基酸とのエステル(例えば、ペンタエリスリト
ール・マレイン酸・ジステアリン酸テトラエステル)が
挙げられ、ソルビタン系エステルとしては、ソルビタン
モノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビ
タンモノステアレート、ソルビタンセスキオレート、ソ
ルビタントリオレート、ソルビタントリステアレート等
のソルビタンと脂肪酸とのエステルや、これらソルビタ
ンと脂肪酸とのエステルにさらにエチレンオキシドを付
加させた化合物が挙げられる。なお、脂肪酸とは、酢
酸、プロピオン酸及び前述の高級脂肪酸等である。ま
た、二塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸、フタル
酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。好ましく
は、(ジ)ペンタエリスリトールのアジピン酸と高級脂
肪酸との混合エステル、ペンタエリスリトール・マレイ
ン酸・ジステアリン酸テトラエステル、ソルビタンモノ
パルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレ
ートである。勿論、(ジ)ペンタエリスリトール系エス
テル及び/又はソルビタン系エステルは単独でも、2種
類以上でも使用することができる。
【0029】(A3)脂肪酸モノグリセリド及び/又は
脂肪酸ジグリセリドとしては、グリセリンモノステアレ
ート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノベ
ヘネート、グリセリンモノリシノレート、グリセリンモ
ノヒドロキシステアレート、グリセリンモノオレート等
の脂肪酸モノグリセリド、グリセリンセスキパルミテー
ト、グリセリンセスキステアレート等の脂肪酸セスキグ
リセリド、グリセリンジステアレート、グリセリンジオ
レート、グリセリンジベヘネート、グリセリンジヒドロ
キシステアレート等の脂肪酸ジグリセリド、ジグリセリ
ンジステアレート、ジグリセリントリラウレート、ジグ
リセリンモノオレート等のジグリセリンの脂肪酸エステ
ルが挙げられる。好ましくは、グリセリンモノステアレ
ート、グリセリンモノヒドロキシステアレート、グリセ
リンセスキパルミテート、グリセリンジヒドロキシステ
アレート、ジグリセリンジステアレート等である。勿
論、脂肪酸モノグリセリド及び/又は脂肪酸ジグリセリ
ドは単独でもよいが、2種類を併用することもできる。
【0030】本発明者の必須の加工助剤である(A1)
高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸塩の少なくとも1種の
加工助剤、(A2)(ジ)ペンタエリスリトール系エス
テル及び/又はソルビタ系エステルの少なくとも1種の
加工助剤、(A3)脂肪酸モノグリセリド及び/又は脂
肪酸ジグリセリドの少なくとも1種の加工助剤の各配合
割合は、グラフト共重合体(I)とスチレン系共重合体
(II)からなる樹脂成分(III)100質量部当た
り、(A1)0.1〜3.5質量部、(A2)0.01
〜5質量部、(A3)0.01〜5質量部、好ましくは
(A1)0.2〜3.3質量部、(A2)0.03〜4
質量部、(A3)0.03〜4.5部、特に好ましくは
(A1)0.3〜3質量部、(A2)0.05〜3質量
部、(A3)0.05〜4質量部である。
【0031】(A1)成分が0.1質量部未満であった
り、(A2)成分もしくは(A3)成分のいずれか1成
分でも0.01質量部未満の場合、カレンダー加工時の
ロール剥離性が不十分になったり、得られるシート状物
の表面の平滑性の低下やフローマークの発生が多くなる
傾向が見られる。一方、(A1)成分が3.5質量部を
超えると、ロールにプレートアウト物が付着しやすく、
得られるシート状物の表面性が低下したり、印刷特性や
アクリル系ラミネートフィルムとの密着性が損なわれ易
くなり、(A2)もしくは(A3)のいずれか1成分で
も5質量部を超えると、ロールにプレートアウト物が付
着しやすく、得られるシートまたはフィルムの表面性が
低下したり、耐熱性が低下する短所が現れる。
【0032】本発明において、(A1)、(A2)及び
(A3)以外のその他の加工助剤を併用することもでき
るが、その他の加工助剤の配合量は1質量部未満、好ま
しくは0.8質量部未満、特に好ましくは0.5質量部
未満である。その他の加工助剤の配合量が1質量部以上
の場合、得られるシート状物の印刷特性やアクリル系ラ
ミネートフィルムとの密着性が損なわれる傾向が現れ
る。
【0033】その他の加工助剤としては、アミド系滑
剤、ポリエチレングリコール系エステル、脂肪酸トリグ
リセリド、単官能アルコール系エステル、脂肪族炭化水
素系滑剤、有機燐化合物等が挙げられる。具体例とし
て、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン
酸アミド、N,N’ーメチレンビス(ステアリン酸アミ
ド)、N,N’ーエチレンビス(ステアリン酸アミ
ド)、オキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の
アミド系滑剤、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエ
チレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコー
ルジステアレート、ポリオキシエチレングリセリンオレ
イン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンステア
リン酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビ
トールオレイン酸エステル等のポリエチレングリコール
系エステル、グリセリントリステアレート、グリセリン
トリオレート、グリセリントリヒドロキシステアレート
等の脂肪酸トリグリセリド、オレイン酸ブチル、アセチ
ルリシノール酸メチル、ステアリン酸ブチル、ヒドロキ
システアリン酸メチル、コハク酸ジイソデシル、アジピ
ン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸
ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジ
ブチル、セバシン酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸
ジオクチル等の単官能アルコール系エステル、流動パラ
フィン、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチ
レンワックス、ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水
素系滑剤が挙げられる。
【0034】その他の加工助剤としての有機燐化合物と
しては、モノラウリルハイドロゲンホスファイト、モノ
オレイルハイドロゲンホスファイト、モノステアリルハ
イドロゲンホスファイト、モノノニルフェニルハイドロ
ゲンホスファイト、トリデシルポリオキシエチレンハイ
ドロゲンホスファイト等の第1級ホスファイト、ジー2
−エチルヘキシルハイドロゲンホスファイト、ジラウリ
ルハイドロゲンホスファイト、ビス(トリデシル)ハイ
ドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスフ
ァイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、ビス
(デシルポリオキシエチレン)ハイドロゲンホスファイ
ト等の第2級ホスファイト、ジフェニル亜ホスフィン
酸、ジトリル亜ホスフィン酸、ジドデシルフェニル亜ホ
スフィン酸、ジナフチル亜ホスフィン酸等のジアリール
亜ホスフィン酸、ドデシル亜ホスホン酸、オレイル亜ホ
スホン酸、フェニル亜ホスホン酸、トリル亜ホスホン酸
等の亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸モノ(2−ヒ
ドロキシエチル)、フェニル亜ホスホン酸モノラウリ
ル、フェニル亜ホスホン酸モノフェニル、トリル亜ホス
ホン酸モノオレイル、フェニル亜ホスホン酸モノ(オク
チルフェニルポリオキシエチレン)等の亜ホスホン酸モ
ノアルキル、フェニルホスフィン酸ドデシル、フェニル
ホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸(2−ヒ
ドロキシエチル)、トリルホスフィン酸デシルポリオキ
シエチレン等のホスフィン酸エステル、オクチルポリオ
キシエチレンリン酸エステル、ドデシルポリオキシエチ
レンリン酸エステル、トリデシルポリオキシエチレンリ
ン酸エステル等のリン酸エステル、9,10−ジヒドロ
ー9−オキサー10−ホスファフェナンスレンー10−
オキサイド(以下HCAと略す)、1−メチルーHC
A、1−クロルーHCA、1,3−ジクロルーHCA、
1,3,7−トリメチル−HCA、1−ターシャリーブ
チル−HCA、1−シクロヘキシル−HCA、3−フェ
ニル−HCA、3−シアノーHCA等の環状有機燐化合
物が挙げられる。勿論、その他の加工助剤は2種以上を
併用することもできる。
【0035】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物や
そのシート状物に高度な室内耐光性を向上させたい場
合、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を添
加するのが好ましく、その添加量は樹脂成分(III)
100質量部当たり、それぞれ0.02〜1質量部ず
つ、特に0.08〜0.5質量部ずつが好ましい。紫外
線吸収剤もしくはヒンダードアミン系光安定剤は1質量
部を超えると、カレンダー加工時にプレートアウトした
り、シート状物を長期使用した際ブリードアウトしやす
い欠点が現れ易くなる。
【0036】本発明における紫外線吸収剤として、2−
(5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)
フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ
−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−メチル−
2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[3’−(3”,
4”,5”,6”−テトラヒドロ・フタルイミドメチ
ル)−5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル]ベン
ゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕等のベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤、2−エトキシ−2’−エチ
ル蓚酸ビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−
2’−エチル蓚酸ビスアニリド及び2−エトキシ−4’
−イソデシルフェニル蓚酸ビスアニリド等の蓚酸アニリ
ド系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキ
シベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’
−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外
線吸収剤、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート
等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−
2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチ
ル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等
のシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
好ましくは、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び蓚
酸アニリド系紫外線吸収剤、特に好ましくは、ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤である。
【0037】本発明におけるヒンダードアミン系光安定
剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)
−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン重縮合物、ポリ〔〔6,(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕及
び1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4
−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)(4−メトキシフェニル)
メチレン−マロネート等がある。
【0038】グラフト共重合体(I)およびスチレン系
共重合体(II)からなる樹脂成分(III)100質
量部当たり、重量平均分子量が300,000〜8,0
00,000であり、かつ、スチレン系単量体及び/又
は(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれた少な
くとも1種の単量体を必須成分とする高分子量重合体
(IV)20質量部以下(但し、0は含まず)を含有さ
せることにより、カレンダー加工時のロール剥離性がよ
り安定化し、得られるシート状物にエアマーク、ネッキ
ンッグや厚みムラの発生が殆ど見られず、ロングラン作
業性が一層良くなる。
【0039】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
カレンダー成形して得られるシート状物は、真空成形、
プラグアシスト成形、圧空成形、真空圧空成形、圧縮成
形、先端拡張法、固相圧空成形等の熱成形加工により、
種々の形状の成形体を得ることができる。特に、樹脂成
分(III)100質量部当たり、重量平均分子量が3
00,000〜8,000,000であり、かつ、スチ
レン系単量体及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単
量体から選ばれた少なくとも1種の単量体を必須成分と
する高分子量重合体(IV)20質量部以下(但し、0
は含まず)を含有させることにより、深絞りの成形体で
も、偏肉が少なく、金型転写性の良好な成形体を得るこ
とができる。重量平均分子量が300,000〜8,0
00,000の(共)重合体の組成は、グラフト共重合
体(I)およびスチレン系共重合体(II)からなる樹
脂成分との親和性や屈折率を考慮して決めることによ
り、得られる成形体の靱性や透明性を確保できる。ま
た、重量平均分子量が300,000未満の場合、深絞
り成形の際に偏肉の改良効果が乏しく、逆に、重量平均
分子量が8,000,000を超えたり、添加量が20
質量部を超えると、溶融粘度が大きくカレンダー成形温
度の上昇や真空成形の際、成形サイクルの延長が必要と
なるので好ましくない。
【0040】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、グラフト共重合体(I)とスチレン系共重合体(I
I)を必須成分とする樹脂成分(III)に、(A
1)、(A2)及び(A3)を必須成分とする加工助剤
を配合及び/または混練して得ることができる。配合方
法としては、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー等のブ
レンダーにより樹脂成分と(A1)〜(A3)成分をド
ライブレンドする方法でもよく、あるいは、グラフト共
重合体(I)もしくはスチレン系共重合体(II)の重
合開始前、重合反応中、重合後にこれらの添加剤を配合
する方法でもよい。また、混練方法としては特に制限は
ないが、たとえばバンバリーミキサー、コニーダー、単
軸押出機、二軸押出機等の公知の混練機でゴム変性スチ
レン系樹脂に練り込ませる方法が挙げられ、勿論、これ
らの混練機に引き続いて連続してカレンダー成形しても
よい。
【0041】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
カレンダー成形して得られるシート状物は、壁紙、銘
板、食品や電子部品の包装材・トレー・キャリアテー
プ、ブリスターパック、冷蔵庫内箱、カバン、ルーフト
ランク、家具類・事務用品・運動用品等の保護シート・
加飾シート・表皮として使用される。また、本発明のゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物は、カレンダー成形の他、
射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形等の方法によ
り各種成形体に成形することができる。
【0042】また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組
成物には、これまでに説明した本発明を構成する添加剤
以外の第3級ホスファイトやフェノール系等の酸化防止
剤、耐候剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、防黴剤、抗
菌剤、鉱油、難燃剤等の添加剤を本発明のゴム変性スチ
レン系樹脂組成物の性能を損なわない範囲で配合しても
よい。配合する時期については、重合開始前、重合反応
途中、重合体の後処理、重合体の造粒、成形、加工等の
任意の段階を適宜選ぶことができる。
【0043】なお、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組
成物からなるシート状物にラミネートすることができる
アクリル系ラミネートフィルムとしては、メタクリル酸
エステル単量体50〜99質量%と、アクリル酸エステ
ル単量体1〜50質量%と、これらと共重合可能な他の
ビニル単量体0〜49質量%とからなるアクリル系重合
体(B1)0〜95質量%、アクリル酸エステル35〜
99.9質量%と、これと共重合可能な他のビニル単量
体0〜64.9質量%と、共重合性の架橋性単量体0.1
〜10質量%とからなる単量体混合物を重合して得られ
る一層以上の構造を有する弾性共重合体100質量部の
存在下に、メタクリル酸エステル単量体50〜100質
量%と、これと共重合可能な他のビニル単量体0〜50
質量%からなる単量体または単量体混合物10〜200
0質量部を重合させることにより得られるゴム含有アク
リル系重合体(B2)5〜100質量%を含有するアク
リル樹脂(B)及び必要ならば、さらにチタン酸カリウ
ムやホウ酸アルミニウム等の針状無機物、マイカやタル
ク等の無機または有機架橋艶消剤、可塑剤を含有するア
クリル系ラミネートフィルムが挙げられる。
【0044】アクリル系重合体(B1)やゴム含有アク
リル系重合体(B2)に使用されるメタクリル酸エステ
ル単量体、アクリル酸エステル単量体及び共重合可能な
他のビニル単量体は、グラフト共重合体(I)で例示さ
れたものでよい。共重合性の架橋性単量体の例として
は、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオ
ールジメタクリレート、アクリル酸アリル、メタクリル
酸アリル、フタル酸ジアリル、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、
マレイン酸ジアリル、トリメチロールトリアクリレー
ト、アリルシンナメート等が挙げられる。
【0045】このようなアクリル系ラミネートフィルム
は通常のラミネート方法で本発明のゴム変性スチレン系
樹脂組成物やシート状物にラミネートできるが、50〜
220℃で熱ラミネーションを行うことが好ましい。
【0046】
【実施例】次に実施例をもって本発明を更に説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。な
お、本発明記載の部及び比は特に記載がなければ、いず
れも質量基準で示したものである。
【0047】以下に実施例及び比較例において使用した
グラフト共重合体(I)、スチレン系共重合体(I
I)、添加剤等を示す。
【0048】<ジエン系ゴムラテックスの製造>オート
クレーブにステアリン酸カリウム2.0部、過硫酸カリ
ウム0.1部、酢酸ナトリウム0.2部を溶解した水を
200部仕込み、更にジビニルベンゼン0.08部を添
加した。次いで、ブタジエン100部を圧入し、65℃
にて30時間撹拌して重合を行った。30時間経過後、
未反応のブタジエンを除去し、ゴムラテックスを得た。
得られたゴムラテックスを米国マントンゴーリン社製の
型式15M8TBAホモジナイザーに供給し、固形分濃
度28%、重量平均粒子径0.35μの肥大処理ゴムラ
テックス(PBdLx)を得た。
【0049】<乳化重合法によるグラフト共重合体
(I)の製造>オートクレーブにゴムラテックス(PB
dLx)を固形分換算で100部を仕込み、次いで水2
10部、硫酸第一鉄0.005部、エチレンジアミン四
酢酸四ナトリウム0.01部、ロンガリット0.3部を
加え、窒素雰囲気下にて撹拌した。内容物を60℃に保
ち、アクリロニトリル25部、スチレン75部、t−ド
デシルメルカプタン0.6部、ステアリン酸カリウム
3.0部およびt−ブチルパーオキシアセテート0.2
部からなる単量体混合物を5時間かけて上記ラテックス
中に連続添加した。単量体混合物の添加終了後、クメン
ヒドロキシパーオキサイド0.1重量部添加し、更に7
0℃にて2時間撹拌して重合を完結した。得られたラテ
ックス(GFLx)を硫酸マグネシウムと硫酸の水溶液
を注加し、95℃にて3分間撹拌し、脱水、水洗、乾燥
してグラフト共重合体の粉末を得た。以下、GF1と略
す。
【0050】グラフト共重合体GF1において、t−ブ
チルパーオキシアセテート0.2部及びt−ドデシルメ
ルカプタン0.6部の代わりに、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイド0.4部、2,4−ジフェニ
ルー4−メチルー1−ペンテン0.2部で重合させた以
外は、GF2と同様にしてグラフト共重合体GF2を得
た。
【0051】GF1及びGF2をプレス成形し、蛍光X
線分析により、カリウムはいずれも100ppm未満、
マグネシウムはそれぞれ340、360ppmであっ
た。また、GF1、GF2をメタノール抽出後、液体ク
ロマトグラフで定量した結果、ステアリン酸及びステア
リン酸マグネシウム塩の合計は、いずれも2.2%であ
った。
【0052】<溶融混練法によるグラフト共重合体
(I)の製造>エチレン含量80モル%のエチレン・プ
ロピレン共重合体ペレットを8.0部、粉末状の無水マ
レイン酸を0.11部及び2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンを0.008部を
窒素を流通したヘンシェルミキサーに仕込み、5分間攪
拌して均一にブレンドし、これを40mmφ押出機(窒
素を流通、L/D=28、ダルメージ型)にて、ペレッ
ト状としたものである。シリンダー温度は、重合体温度
が240℃となるように調節して、無水マレイン酸変性
ポリオレフィン系重合体を得た。この無水マレイン酸変
性ポリオレフィン系重合体30部と懸濁重合により得ら
れたスチレン、アクリロニトリル及びグリシジルメタク
リレートの比が74/25/1、重量平均分子量10
8,000であるエポキシ基含有AS樹脂70部とをヘ
ンシェルミキサーで混合攪拌し、TEM35B押出機
(東芝、2軸同方向、L/D=36)にて、樹脂温度2
65℃で押出しペレットGF3が得られた。なお、スク
リューは順送り、中立、逆送りのニーディングエレメン
ト各々3個を2ケ所のニーディングゾーンが2ケ所に分
割配置した構成である。
【0053】<スチレン系共重合体(II)の製造>ア
クリロニトリルとスチレンをそれぞれ26部と74部と
なるよう単量体混合液を調合した。また、溶媒としては
エチルベンゼンを使用し、重合開始剤としてt−ヘキシ
ルパーオキシイソプロピルカーボネートを使用した。エ
チルベンゼン100部に対し重合開始剤を0.20部お
よび連鎖移動剤として2,4−ジフェニルー4−メチル
ー1−ペンテン(α−メチルスチレンダイマー)を0.
15部となるように添加し、溶媒/開始剤/連鎖移動剤
混合液とした。この単量体混合液および溶媒/開始剤/
連鎖移動剤混合液を、内温102℃に保たれた内容積7
リットルのダブルヘリカルリボン翼付きの反応器に、単
量体混合液1.33kg/hrおよび溶媒/開始剤/連
鎖移動剤混合液0.40kg/hrの割合で連続的に供
給した。重合溶液は供給量と同重量だけポンプにより連
続的に抜き出し、気液分離後の溶融ポリマー温度が21
0℃になるように予熱器で加熱し、30torrに保た
れたフラッシュタンクに送液し未反応モノマーと溶剤を
気液分離後、ペレットとして回収した。このときの反応
器出口の重合溶液中のポリマー分は約62%であった。
また、得られたペレットはアクリロニトリル26%、重
量平均分子量139,000であった。以下、ASと略
す。
【0054】加工助剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン系光安定剤、高分子量重合体(IV)として、下記の
ものを使用した。 高級脂肪酸として、モンタン酸(以下、WAXSと略
す) 高級脂肪酸塩として、ステアリン酸カルシウム(以下、
StCaと略す) (ジ)ペンタエリスリトール系エステルとして、理研ビ
タミン株式会社製リケマールHT−10(以下、HTと
略す) ソルビタン系エステルとして、花王株式会社製レオドー
ルTW−S106(以下、TWSと略す) 脂肪酸モノグリセリドとして、リケマールHC−100
(以下、HC1と略す) 脂肪酸ジグリセリドとして、リケマールHC−200
(以下、HC2と略す) アミド系滑剤として、花王株式会社製カオーワックスE
B−P(以下、EBPと略す) 単官能アルコール系エステルとして、花王株式会社製エ
キセパールBS(以下、BSと略す) 有機燐化合物として、昭島化学工業社製No.1737
(以下、PHSと略す) 紫外線吸収剤として、チバ・ガイギー社製チヌビンP
(以下、TPと略す) ヒンダードアミン系光安定剤として、三共株式会社製サ
ノールLS−770(以下、LSと略す) 高分子量重合体(IV)として、三菱レイヨン社製L−
1000(重量平均分子量270×104、以下、AC
Lと略す)
【0055】実施例1〜22、比較例1〜8 表1〜3に示す量を配合し、ヘンシェルミキサーで均一
に分散させた後、TEM35B押出機(東芝、2軸同方
向、L/D=36)にて、樹脂温度210℃で押出して
ペレット化した。なお、スクリューは順送り2個、中立
1個、逆送り1個のニーディングエレメントのニーディ
ングゾーンを2ケ所に分割配置した構成である。このペ
レットを単軸押出機で溶融し、連続的にカレンダー成形
機(西村工機鋼社製8インチ4本ロール逆L型)を用い
てロール温度195℃にて厚さ0.2mmのシートを得
た。カレンダー成形時の加工性、得られたシートの外観
性、耐変色性、印刷特性及び臭気等を下記のように測定
し、得られた結果を表1〜3に示す。
【0056】本発明において実施した各物性値の測定方
法、および評価基準を以下に説明する。 (1)カレンダー加工性:ロール剥離性 ロールに全く粘着せずに安定してシートが得られる ○ ロールに多少粘着するものの安定してシートが得られる △ ロールに全ての樹脂が粘着しカレンダー成形不能である × とし、○〜△を合格とする。
【0057】 (2)カレンダー加工性:外観性 ネッキング、エアーマーク、フローマーク、プレートアウトがなく、表面の平 滑性に優れる ○ ネッキング、エアーマーク、フローマーク、プレートアウトのいずれかが若干 発生する △ ネッキング、エアーマーク、フローマーク、プレートアウトのいずれかの発生 頻度が高く、成形不能である × とし、○〜△を合格とする。
【0058】(3)室内耐光性:ΔYI カレンダー成形で得られたシートを、サンシャインウェ
ザーメーター(スガ試験機(株)WEL−SUN−HC
E)を用いて、雰囲気温度63℃、降雨無しで24時間
照射し、引き続いて恒温恒湿槽70℃×95%RHの条
件で24時間静置した後、JIS K−7103に準拠
してYI(黄色度)を測定する。照射前のYI0(初期
の黄色度)に対する黄変度を下記式により算出する。 ΔYI=YI−YI0
【0059】(4)印刷特性:濡れ指数 濡れ指数(単位:μN/cm)をJIS K−6768
に準拠して測定し、以下の○〜△を合格とする。
【0060】(5)臭気 バルブ付の密閉できる内容積1リットルのステンレス容
器の中の空気を新鮮な空気に入れ替えた後、実施例や比
較例のペレット100gを入れ、密閉後、50℃で7日
間、恒温槽に静置した。室温に冷却後、バルブを徐々に
解放しながら、臭いをかぎ判定した。 不快臭は全くない ○ 若干、不快な異臭がする △ 異臭がする ×
【0061】(6)重量平均分子量 ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置を用い、次
の条件で測定したもので、分子量はポリスチレン換算値
である。 装置;東ソー(株)製、「SYSTEM−21」 カラム;PLgel MIXED−B 温度;40℃ 溶媒;テトラヒドロフラン 検出;RI 濃度;0.2質量% 注入量;100μl 検量線;標準ポリスチレン(Polymer Laboratories社
製)を使用
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】(A1)高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸
塩0.1〜3.5質量部、(A2)(ジ)ペンタエリス
リトール系エステル及び/又はソルビタン系エステル
0.01〜5質量部、(A3)脂肪酸モノグリセリド及
び/又は脂肪酸ジグリセリド0.01〜5質量部を必須
成分とする加工助剤を含有する実施例1〜22は、(A
1)〜(A3)成分の1つでも必須成分量から外れる比
較例1〜6に比較して、ロール剥離性、外観性(ネッキ
ング、エアーマーク、フローマーク、プレートアウ
ト)、濡れ指数(印刷特性及びアクリル系ラミネートフ
ィルムとの密着性の指標)のバランスに優れる。
【0066】実施例14〜17と比較例7及び8との対
比から、本発明の(A1)、(A2)及び(A3)以外
のその他の加工助剤の添加量が、樹脂成分(III)1
00部当たり、1部を超えると、印刷特性が損なわれ
る。
【0067】実施例9〜11の比較から、連鎖移動剤と
してメルカプタンの代わりに、2,4−ジフェニル−4
−メチル−1−ペンテンを使用すると、臭気も改善され
る。実施例14と15の対比から、紫外線吸収剤及びヒ
ンダードアミン系光安定剤を併用すると、室内耐光性が
改良され、実施例13及び14に示すように、ポリブタ
ジエンゴムをエチレン−プロピレンゴムにすると、さら
に室内耐光性が良くなる。実施例6〜9から、1部以上
の高分子量重合体(IV)を添加することにより、ロー
ル剥離性や外観性がさらに改良される。
【0068】
【発明の効果】グラフト共重合体(I)とスチレン系共
重合体(II)からなる樹脂成分(III)に、(A
1)高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸塩、(A2)
(ジ)ペンタエリスリトール系エステル及び/又はソル
ビタン系エステル、(A3)脂肪酸モノグリセリド及び
/又は脂肪酸ジグリセリドを必須成分とする加工助剤を
配合することにより、カレンダー成形における加工性が
改善され、得られるシート状物は外観性、印刷特性に優
れる。また、ゴム変性スチレン系樹脂を重合させる際、
特定の連鎖移動剤を使用することにより、得られるシー
ト状物の臭気が改善され、さらに紫外線吸収剤とヒンダ
ードアミン系光安定剤を添加することにより、室内耐光
性も良くなる。したがって、本発明のゴム変性樹脂組成
物をカレンダー成形して得られるシート及び/又はフィ
ルムは、壁紙、銘板、食品や電子部品の包装材・トレー
・キャリアテープ、ブリスターパック、冷蔵庫内箱、カ
バン、ルーフトランク、家具類・事務用品・運動用品等
の保護シート・加飾シート・表皮として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 5/09 5/09 5/098 5/098 5/10 5/10 5/3435 5/3435 C08L 25/08 C08L 25/08 33/06 33/06 // B29K 19:00 B29K 19:00 25:00 25:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA22 AA22X AA33X AA34 AA34X AA77 AC09 AC10 AC12 AE05 AE11 BC01 4F100 AH02A AH02H AK12A AK25A AK25B AK80A AL04A AL05A AL06A AP00A BA02 BA15 CA07A CA19A GB08 GB15 GB81 JL01 JL09 YY00A 4F204 AA13G AA21G AA45G AA48G AB06 AB07 AB14 AG01 AG03 FA06 4J002 BC03Y BC04Y BC06X BC07X BG04Y BN14W BN15W BN16W EF056 EG016 EH047 EH058 EU079 EU089 FD049 FD058 FD176 FD177 FD178 4J011 NA12 NB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体(Ia)10〜80質量部
    の存在下、スチレン系単量体10〜95質量%、シアン
    化ビニル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量
    体から選ばれた少なくとも1種の単量体90〜5質量%
    及び共重合可能な他の単量体0〜20質量%からなる単
    量体混合物(Ib)90〜20質量部を共重合してなる
    グラフト共重合体(I)10〜90質量%と、スチレン
    系単量体10〜95質量%、シアン化ビニル系単量体及
    び(メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれた少な
    くとも1種の単量体90〜0質量%及び共重合可能な他
    の単量体0〜60質量%からなるスチレン系共重合体
    (II)90〜10質量%からなる樹脂成分(III)
    100質量部に対し、(A1)高級脂肪酸及び/又は高
    級脂肪酸塩0.1〜3.5質量部、(A2)(ジ)ペン
    タエリスリトール系エステル及び/又はソルビタン系エ
    ステル0.01〜5質量部、(A3)脂肪酸モノグリセ
    リド及び/又は脂肪酸ジグリセリド0.01〜5質量部
    を必須成分とする加工助剤を含有することを特徴とする
    ゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 連鎖移動剤として2,4−ジフェニル−
    4−メチル−1−ペンテン、ターピノーレン、ジペンテ
    ン、テルピネンから選ばれる少なくとも1種の化合物を
    使用して得られるグラフト共重合体(I)であることを
    特徴とする請求項1に記載のゴム変性スチレン系樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 樹脂成分(III)100質量部に対し
    て、さらに紫外線吸収剤0.02〜1質量部、ヒンダー
    ドアミン系光安定剤0.02〜1質量部を含有すること
    を特徴とする請求項1または2に記載のゴム変性スチレ
    ン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 樹脂成分(III)100質量部当た
    り、さらに重量平均分子量が300,000〜8,00
    0,000であり、かつ、スチレン系単量体及び/又は
    (メタ)アクリル酸エステル単量体から選ばれた少なく
    とも1種の単量体を必須成分とする高分子量重合体(I
    V)20質量部以下(但し、0は含まず)を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜3に記載のいずれかのゴム変
    性スチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載のいずれかのゴム変
    性スチレン系樹脂をカレンダー成形してなるシートまた
    はフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のシートまたはフィルム
    にアクリル系ラミネートフィルムをラミネートしたこと
    を特徴とするシートまたはフィルム。
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