JP3497592B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物及びその成形体Info
- Publication number
- JP3497592B2 JP3497592B2 JP04008595A JP4008595A JP3497592B2 JP 3497592 B2 JP3497592 B2 JP 3497592B2 JP 04008595 A JP04008595 A JP 04008595A JP 4008595 A JP4008595 A JP 4008595A JP 3497592 B2 JP3497592 B2 JP 3497592B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- monomer
- parts
- resin composition
- molecular weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
に優れており、かつシルバーの様な成形品の表面外観不
良現象を発生しない、大型成形体の射出成形に適した熱
可塑性樹脂組成物及びその成形体に関する。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(A
BS樹脂)は、耐衝撃性と成形加工性のバランスに優れ
ているため、自動車、家庭電化製品などの各分野で用い
られている。この中で特に家庭電化製品の表面に使用さ
れる用途では外観が非常に優れていることを要求される
ことが多い。特に表面にシルバー(銀状痕)があるとた
とえそれが僅かな量であっても商品価値を失う場合が多
々ある。
S樹脂の場合は含有水分量の影響が多いとされており、
成形前の乾燥を十分に行い樹脂の含有水分量を減少させ
ることでほとんどの場合は抑制できる。また、流動性の
高い樹脂を用い成形圧力を抑えることでシルバーの発生
を抑制できる場合もある。しかしながら、成形品が大き
くなりかつ形状が箱型状などで端部にウエルド部があっ
た場合、樹脂の乾燥を十分にして含有水分がほとんど存
在しない状態(200ppm以下)で非常に流動性の良
い樹脂(メルトフローレートが80g/10分以上)を
用いて成形しても、ウエルド部近傍にシルバーを僅かに
発生することがあり、商品価値を失う場合がある。
りかつ大型の成形品を成形した場合、シルバーの発生を
完全に抑制し問題のない表面外観を得ることは非常に困
難であり問題になる。
性、耐衝撃性に優れており、かつシルバーの様な成形品
の表面外観不良現象を発生しない、大型成型体の成形に
適した熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする
ものである。
について鋭意検討した結果、樹脂の組成と分子量分布を
ある特定の範囲に限定することでシルバーの発生を抑制
できることを見いだし、本発明に至った。すなわち、本
発明は、(A)ゴム質重合体5〜70重量%の存在下
に、芳香族ビニル単量体55〜80重量%及びシアン化
ビニル単量体20〜45重量%を含む単量体成分30〜
95重量%、又は芳香族ビニル単量体35〜80重量
%、シアン化ビニル単量体20〜45重量%、及びこれ
らと共重合可能な単量体0.1〜20重量%を含む単量
体成分30〜95重量%、をグラフト重合してなるグラ
フト共重合体7〜99.9重量部と、(B)芳香族ビニ
ル化合物55〜80重量%及びシアン化ビニル化合物2
0〜45重量%を含む単量体成分、又は芳香族ビニル化
合物35〜80重量%、シアン化ビニル化合物20〜4
5重量%、及びこれらと共重合可能な単量体0.1〜2
0重量%を含む単量体成分、を共重合してなる共重合体
0.1〜93重量部からなる樹脂組成物であって、該組
成物中にゴム質重合体成分を5〜30重量%を含み、さ
らに、該組成物のアセトン可溶成分の数平均分子量(M
n)が20,000〜60,000、重量平均分子量
(Mw)に対するz−平均分子量(Mz)の比(Mz/
Mw)が1.75〜2.20であることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物である。以下、本発明について詳細に
説明する。
としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポ
リイソブチレン、スチレン−ブタジエンランダム共重合
体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−メタクリ
ロニトリル共重合体、ブタジエン−α、β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル共重合体(例えばブタジエン−
アクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エ
チル共重合体、ブタジエン−アクリル酸ブチル共重合
体、ブタジエン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合
体、ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジ
エン−メタクリル酸エチル共重合体)などのジエン系ゴ
ム質重合体、該ジエン系ゴム質重合体の水素添加物、ア
クリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、フ
ッ素ゴム、シリコンゴムなどの飽和系ゴム質重合体など
が挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を混合し
て使用いてもかまわない。これらの中では表面外観の問
題から好ましくはジエン系ゴム質重合体、更に好ましく
はポリブタジエン含有ゴム質重合体が用いられる。
重合、または重合体を乳化剤などにより乳化する方法な
どにより得られる。該ゴム質重合体の平均粒子径は組成
物の流動特性、表面光沢、耐衝撃性及び耐薬品性を向上
させるために0.03〜1.0μmの範囲であることが
好ましい。更に好ましくは0.08〜0.5μm、特に
好ましくは0.1〜0.35μmである。平均粒子径が
0.03μm未満であると耐衝撃性、耐薬品性に劣る。
1.0μmを越えると表面光沢や耐衝撃性に劣る。
アン化ビニル単量体、芳香族ビニル単量体、又はこれら
及びこれらと共重合可能な他の単量体を含むものからな
る。この中でシアン化ビニル単量体としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等が用いられる。これら
の中ではアクリロニトリルが好ましい。また、芳香族ビ
ニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
ハロゲン化スチレン、アルキル化スチレン、ビニルナフ
タレン等が用いられ、これらは混合しても良い。これら
の中ではスチレンが好ましい。
は、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、α,
β−不飽和カルボン酸、N−置換マレイミド類、無水マ
レイン酸等が挙げられる。これらの中ではα,β−不飽
和カルボン酸アルキルエステルが好ましい。これらは混
合して用いても良い。α,β−不飽和カルボン酸アルキ
ルエステルとしては例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシ
エチルアクリレート、グリシジルアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリ
レート等が挙げられる。これらの中では、エチルアクリ
レート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルア
クリレート、グリシジルメタクリレートが好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸としては例えばアクリル酸、
メタクリル酸等が挙げられる。N−置換マレイミド類と
しては例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等
が挙げられる。
量体が55〜80重量%及びシアン化ビニル単量体が2
0〜45重量%、又は芳香族ビニル単量体が35〜80
重量%、シアン化ビニル単量体が20〜45重量%、及
びその他の共重合可能な単量体が0.1〜20重量%で
あり、合計で100重量%とする。シアン化ビニル単量
体の割合が20重量%より少ないと耐薬品性や耐衝撃性
に劣る。45重量%より多いと成形加工性や光沢などの
外観面に劣る。また、その他の共重合可能な単量体は必
要により添加しても良い。
重合体5〜70重量%の存在下にグラフト重合すること
によりグラフト共重合体(A)を得る。この製造方法は
乳化重合、懸濁重合、または重合体を乳化剤などにより
乳化する方法等、公知の方法による。また、本発明の
(B)に用いられる単量体成分はグラフト共重合体
(A)の場合に用いられた単量体成分と同じものを用い
ることができる。この単量体成分の割合は芳香族ビニル
単量体が55〜80重量%及びシアン化ビニル単量体が
20〜45重量%、又は芳香族ビニル単量体が55〜8
0重量%、シアン化ビニル単量体が20〜45重量%、
及びその他の共重合可能な単量体が0.1〜20重量%
であり、合計で100重量%とする。シアン化ビニル単
量体の割合が20重量%より少ないと耐薬品性や耐衝撃
性に劣る。45重量%より多いと成形加工性や光沢など
の外観面に劣る。また、その他の共重合可能な単量体は
必要により添加しても良い。
重合体(B)を得るが、この製造方法は乳化重合、懸濁
重合、塊状重合及び溶液重合等の公知の重合方法によっ
て製造される。以上のようにして得られたグラフト共重
合体(A)7〜99.9重量部、好ましくは7〜97重
量部と共重合体(B)0.1〜93重量部、好ましくは
3〜93重量部を混合することにより本樹脂組成物を得
る。
成分の含有量は組成物100重量%中に5〜30重量%
である。5重量部より少ないと耐衝撃性が劣り、30重
量部を越えると成形加工性が悪くなる。本発明の樹脂組
成物におけるアセトン可溶成分の数平均分子量(Mn)
は20,000〜60,000、好ましくは40,00
0〜60,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)
に対するz−平均分子量(Mz)の比(Mz/Mw)が
1.75〜2.20、好ましくは1.80〜2.10で
ある。ここで言及する平均分子量とは、試料中に含まれ
る重合度Pの分子種の分子量をMp、分子数をNpとし
た場合、数平均分子量(Mn)はMn=(ΣMpNp)
/(ΣNp)、重量平均分子量(Mw)はMw=(ΣM
p2Np)/(ΣMpNp)、z−平均分子量(Mz)
はMz=(ΣMp3Np)/(ΣMp2Np)で表される
ものである。このような分子量を測定する方法としては
粘度法、光散乱法、沈降平衡法など多数知られている
が、本発明の場合、ゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィによる測定(GPC法)により得られた値を用
いる。
がポリスチレン換算で20,000未満であると耐衝撃
性に劣り、60,000より高いと成形加工時の樹脂の
流動性に劣るため、流動性を上げるために成形温度を高
める必要があり、焼けを発生しやすくなる。また、z−
平均分子量とは高分子量成分の影響を多く加味した平均
分子量であり、重量平均分子量に対するz−平均分子量
(Mz)の比(Mz/Mw)が大きければ組成物中に高
分子量の成分がより多く入っていることを表すことがで
きるが、この値が1.75〜2.20であるような樹脂
組成物を選択することによりシルバーの発生を抑制する
ことができる。市販されている通常のAS樹脂にはMn
が小さくかつこのような分子量分布を有するものはほと
んどないが、このような分子量分布を得る方法としては
実施例に示すように、例えばアセトン可溶成分の数平均
分子量が20,000〜56,000の低分子量の共重
合体に数平均分子量が80,000〜200,000の
高分子量の共重合体を3〜25重量%、好ましくは3〜
20重量%、更に好ましくは3〜15重量%配合するこ
とにより得ることができる。
されるものではなく、公知の技術、例えば、ヘンシェル
ミキサー、タンブラー、ブレンダー等で液状、粉体及び
粒状物を混合し、これを押出機、ニーダー、ミキサー等
で溶融混合する方法、予め溶融させた樹脂に他の樹脂や
液体を直接逐次混合する方法等の各種の方法で製造する
ことができる。
の熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可
塑剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、有
機充填剤、無機充填剤等の各種添加剤、また金属状外観
を付与するためにアルミニウム、銅のような金属を加え
ることは任意である。本発明の樹脂組成物を使用して成
形体を構成する成形法は、一般に用いられる成形方法、
例えば射出成形、射出−押出成形、真空成形、圧空成形
などを用いることができる。この中では好ましくは射出
成形、射出−押出成形、真空成形、特に好ましくは射出
成形法を用いて成形体を得るのが良い。
形体の形状については特に制限されるものではないが、
ウエルド部を1カ所以上有する成形体の成形に使用する
場合に特に効果がある。このような成形体の形状は板
状、箱型状、直方体状、円筒状、あるいはこれらを変形
したものなどがあげられるが、これらの中では特に箱型
状、直方体状の場合に本樹脂組成物を用いる効果が大き
い。また、成形体の大きさも制限されるものではない
が、特に成形体が大型になった場合、例えば成形体の肉
厚(t)が0.5〜10mm、好ましくは1〜5mm、
更に好ましくは2〜4mm、表面積(S)が5×104
〜1×107mm2、好ましくは1×105〜1×106の
範囲にあり、かつ肉厚に対する表面積の比(S/t)が
2×104〜2×106のような形状を有する場合に著し
い効果を発揮する。(S)が5×104mm2以下であっ
たり(S/t)が2×104以下である場合は成形が容
易であるので必ずしも本発明で得られた樹脂でなくても
良い。一方(S)が1×107mm2以上であったり(S
/t)が2×106である場合は本樹脂組成物をもって
しても外観や耐衝撃性に満足のいく成形品を得ることは
困難である。さらに、箱型状、直方体状の大きさは特に
短辺の長さ(L1)、長辺の長さ(L2)、高さ(H)
の関係が、短辺の長さ(L1)が250〜1000m
m、好ましくは300〜500mm、短辺の長さに対す
る長辺の長さの比(L2/L1)が1〜10、好ましく
は1〜4短辺の長さに対する高さの比(H/L1)が
0.05〜1、好ましくは0.05〜0.3の範囲にあ
る場合に効果が大きい。
成物を用いて得られた成形品は耐衝撃性と優れた表面外
観を要求される用途、例えば家庭電化製品やOA用品、
家具等の扉やふた、パネル、天板などに用いることがで
きる。具体的には、電気冷蔵庫の扉や本体の外枠、洗濯
機のふたや外枠、エアコンの外枠や室外機の枠、テレビ
やオ−ディオ製品のハウジング、ロッカ−、保管庫やキ
ャビネットの扉、机や脇机、ワゴンの引き出し、扉や天
板などが挙げられる。
らに詳細に説明する。本発明で用いた分析法を以下に示
す。 (1)アセトン可溶成分の数平均分子量、重量平均分子
量、及びz−平均分子量の測定 樹脂1gにアセトン20mlを加え、振とう機にて可溶
成分が完全に溶解するまで(2時間)振とうした。この
溶液を20000rpmで40分間遠心分離後、可溶分
のみを濾別した後、80℃で4時間乾燥しアセトンを除
き、さらに100℃で1時間減圧乾燥することにより、
アセトン可溶成分を得た。
ムを用い、展開溶媒にはテトラヒドロフラン(THF)
を、カラムには東ソー製G3000HXL,G4000
HXL,G5000HXL,G6000HXLを用い
て、カラム温度38℃、ポンプ液量1ml/minの条
件下、検出器として示差屈折計(RI)を用い、アセト
ン可溶成分のTHF溶液を測定した。分子量は、あらか
じめ分子量が既知のポリスチレン標準サンプルを測定す
ることにより相対的に分子量を求めた。 (2)シルバーの発生 型締め圧が1300tもしくは1600tの射出成形機
を用いシリンダー温度250℃の条件で図1のような箱
形の形状を有する金型(肉厚 3mm、総表面積 4×1
05mm2、厚みに対する表面積の比 1.3×105)で
射出成形を行いシルバーの発生の有無を目視で判断し
た。「シルバ−の発生なし」を○、「シルバ−の発生あ
り」を×とした。 (3)成形加工性 JIS K7210に基づくメルトフローレートの測定
で評価した(温度;220℃、加重;10Kg)。メル
トフローレートが「30g/10分以上」を○、「30
g/10分未満」を×とした。
テックス45重量部(固形分換算)及び脱イオン水12
0重量部を還流冷却器付き重合槽に入れ、気相部を窒素
置換しながら70℃に昇温した。次いで、これにスチレ
ン40重量部、アクリロニトリル15重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.6重量部、クメンハイドロパーオ
キシド0.2重量部から成る混合液、及び、脱イオン水
50重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレ
ート0.2重量部、硫酸第一鉄0.004重量部、エチ
レンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩0.008重量
部から成る水溶液を、5時間要して連続追添加して反応
させた。この間、重合温度を70℃に調節し、追添加終
了後、さらに1時間その状態を維持して重合を完結させ
た。重合率は97%であった。得られた共重合体ラテッ
クスは凝集塩析した後、洗浄乾燥して、白色固体を得
た。
2)の製造 平均粒子径が0.15μmであるポリブタジエンゴムの
ラテックス40重量部(固形分換算)及び脱イオン水1
00重量部を還流冷却器付き重合槽に入れ、気相部を窒
素置換しながら70℃に昇温した。次いで、これにスチ
レン40重量部、アクリロニトリル20重量部、t−ド
デシルメルカプタン0.4重量部、クメンハイドロパー
オキシド0.15重量部から成る混合液、及び、脱イオ
ン水50重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート0.2重量部、硫酸第一鉄0.004重量部、
エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩0.008
重量部から成る水溶液を、5時間要して連続追添加して
反応させた。この間、重合温度を70℃に調節し、追添
加終了後、さらに1時間その状態を維持して重合を完結
させた。重合率は95%であった。得られた共重合体ラ
テックスは凝集塩析した後、洗浄乾燥して、白色固体を
得た。
リル、ブチルアクリレート、エチルベンゼンよりなる単
量体溶液を一定速度で連続追添加しつつ重合系内の反応
率を一定に保ち、反応温度、単量体の組成、エチルベン
ゼンの使用量を調節することにより、アクリロニトリル
含有率30重量%、スチレン含有率63重量%、ブチル
アクリレート含有率7重量%、数平均分子量46,00
0、Mz/Mw1.61であるアクリロニトリル、スチ
レン、ブチルアクリレートの共重合体(B−1)を得
た。
リル、エチルベンゼンよりなる単量体溶液を一定速度で
連続追添加しつつ重合系内の反応率を一定に保ち、反応
温度、単量体の組成、エチルベンゼンの使用量を調節す
ることにより、アクリロニトリル含有率34重量%、ス
チレン含有率66重量%、数平均分子量120,00
0、Mz/Mw1.53であるアクリロニトリル、スチ
レンの共重合体(B−2)を得た。
考例3で得た(B−1)55重量部、及び参考例4で得
た(B−2)10重量部を押出機を用いて溶融混合し樹
脂組成物を得た。これを射出成形したところ、耐衝撃性
に優れ、かつシルバーの発生のない良好な外観を有する
成形品が得られた。その評価結果を表1に示す。
合を表1に示す量に変更して実施した以外は実施例1と
同様にして樹脂組成物を得た。実施例1と同様に問題の
ない成形品が得られた。その評価結果を表1に示す。
考例3で得た(B−1)60重量部、及び参考例4で得
た(B−2)10重量部を押出機を用いて溶融混合し、
樹脂組成物を得た。実施例1と同様に問題のない成形品
が得られた。その評価結果を表1に示す。
参考例3で得た(B−1)65重量部を押出機を用いて
溶融混合し樹脂組成物を得た。これは流動性は非常に良
いもののMz/Mwが1.72であり、成形品のウエル
ド部分にシルバーが僅かに発生した。その評価結果を表
1に示す。
考例3で得た(B−1)40重量部及び参考例4で得た
(B−2)30重量部を押出機を用いて溶融混合し樹脂
組成物を得た。これはMz/Mwが1.92であり、シ
ルバーの発生はなかったが流動性が著しく低いために成
形加工が困難でショートショットとバリが同時に発生し
た。その評価結果を表1に示す。
参考例3で得た(B−1)60重量部を押出機を用いて
溶融混合し樹脂組成物を得た。これはMz/Mwが1.
71であり、成形品のウエルド部分にシルバーが僅かに
発生した。その評価結果を表1に示す。
優れており、かつシルバーといった成形品の外観不良現
象を発生しにくい、大型成型体の成形に優れた熱可塑性
樹脂組成物を得られるという効果がある。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)ゴム質重合体5〜70重量%の存
在下に、芳香族ビニル単量体55〜80重量%及びシア
ン化ビニル単量体20〜45重量%を含む単量体成分3
0〜95重量%、又は芳香族ビニル単量体35〜80重
量%、シアン化ビニル単量体20〜45重量%、及びこ
れらと共重合可能な単量体0.1〜20重量%を含む単
量体成分30〜95重量%、をグラフト重合してなるグ
ラフト共重合体7〜99.9重量部と、(B)芳香族ビ
ニル化合物55〜80重量%及びシアン化ビニル化合物
20〜45重量%を含む単量体成分、又は芳香族ビニル
化合物35〜80重量%、シアン化ビニル化合物20〜
45重量%、及びこれらと共重合可能な単量体0.1〜
20重量%を含む単量体成分、を共重合してなる共重合
体0.1〜93重量部からなる樹脂組成物であって、該
組成物中にゴム質重合体成分を5〜30重量%を含み、
さらに、該組成物のアセトン可溶成分の数平均分子量
(Mn)が20,000〜60,000、重量平均分子
量(Mw)に対するz−平均分子量(Mz)の比(Mz
/Mw)が1.75〜2.20であることを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物から
なる成形体であって、ウエルド部が1カ所以上存在する
樹脂成形体。 - 【請求項3】 肉厚(t)が0.5〜10mm、表面積
(S)が5×104〜1×107mm2、肉厚に対する表
面積の比(S/t)が2×104〜2×106であって、
更に短辺の長さ(L1)が250mm〜1000mm、
短辺の長さ(L1)に対する長辺の長さ(L2)の比
(L2/L1)が1〜10、短辺の長さ(L1)に対す
る高さ(H)の比(H/L1)が0.05〜1である成
形体であって、箱型状又は直方体状の成形体である請求
項2記載の樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04008595A JP3497592B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04008595A JP3497592B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08231819A JPH08231819A (ja) | 1996-09-10 |
JP3497592B2 true JP3497592B2 (ja) | 2004-02-16 |
Family
ID=12571064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04008595A Expired - Lifetime JP3497592B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3497592B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000212355A (ja) * | 1999-01-26 | 2000-08-02 | Asahi Chem Ind Co Ltd | スチレン系樹脂組成物 |
KR20010100240A (ko) * | 2000-03-23 | 2001-11-14 | 히라이 가쯔히꼬 | 열가소성 수지 조성물 및 그것으로 이루어진 압출성형품 |
-
1995
- 1995-02-28 JP JP04008595A patent/JP3497592B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08231819A (ja) | 1996-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH10182927A (ja) | 改良された臭気特性を有するabs成型用組成物 | |
JP2005325363A (ja) | グラフトポリマーを含有する成形材料および前記材料から押出を介して得られる成形体 | |
JP3497592B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 | |
JP2000017170A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
KR980009375A (ko) | 내약품성이 우수한 열가소성 수지 조성물 | |
JP4741939B2 (ja) | 射出成形品 | |
JPH08143768A (ja) | 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH1160882A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH10330580A (ja) | 耐酢酸性及び耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物 | |
KR0161983B1 (ko) | 난연성 사출-성형 수지 조성물 | |
JPH10330581A (ja) | 耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 | |
JP3338557B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3392179B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH10306183A (ja) | 耐酢酸性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 | |
US20070027256A1 (en) | Styrenic thermoplastics composition | |
JP5016199B2 (ja) | 表面硬度に優れる透明樹脂組成物および該樹脂組成物を成形してなる透明樹脂成形品 | |
JPH09157470A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 | |
JPH11147992A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2004256743A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 | |
JPH05295047A (ja) | グラフト重合体含有樹脂組成物の製法 | |
JPH0525340A (ja) | 良流動性スチレン系樹脂組成物 | |
JPH08157502A (ja) | 肥大ゴムラテックス、グラフト共重合体及び熱可塑性樹脂組成物 | |
JPS63196637A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3361360B2 (ja) | 樹脂組成物及び耐フロン性冷蔵庫外装用成形品 | |
JPH05194808A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128 Year of fee payment: 6 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |