JP2020041094A - 抗菌防カビ性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた抗菌、防カビ性付与された成形品を得ることのできるスチレン系熱可塑性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】スチレン系熱可塑性樹脂組成物(I)100質量部に対し滑剤(IV)0.5〜3.0質量部を含み、さらに、防カビ剤(II)0.5質量部以上および/または抗菌剤(III)0.2質量部以上を含むスチレン系熱可塑性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、スチレン系熱可塑性樹脂組成物に、抗菌剤、防カビ剤、滑剤を配合してなる抗菌防カビ性樹脂組成物およびその成形品に関する。
ジエン系ゴムなどのゴム質重合体に、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系化合物をグラフト共重合して得られるABS樹脂は、耐衝撃性、剛性などの機械的強度、成形性およびコストパフォーマンスなどに優れることから、家電製品、通信関連機器、一般雑貨および医療関連機器などの用途分野で幅広く利用されている。
近年、抗菌、防カビ性を有する家電製品、住宅関連設備に対する需要が高まっており、今後の発展が見込まれるため、抗菌、防カビ性の樹脂組成物の開発は急務である。
合成樹脂材料は、誘電材料ないし電気絶縁材料としての性質を有しているため空気中の塵埃や細菌・カビを吸着しやすく、温度及び湿度の条件が揃うと、その表面で細菌やカビが増殖しやすい。このため、合成樹脂の成形品の表面に抗菌防カビ剤入り塗料を被覆することが行われているが、摩擦などにより被覆剤が徐々に表面から失われ抗菌の効果が失われやすい。このため、合成樹脂材料にあらかじめ抗菌防カビ剤を混合し、これを成形して成形品を作る方法も多く知られている。
高分子体であるポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、エリア樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ナイロン、ポリビニルアルコール、ビスコースまたはゴムに、殺菌作用を有する金属(銀、銅、亜鉛及び錫)を保持したゼオライトを含有させることで、無機系の抗菌性ゼオライトを含有してなる高分子発泡体は、防カビ性能も公知の有機系の抗菌剤に比べてより優れている。さらに上記の抗菌性ゼオライトを含有してなる高分子発泡体は真菌(カビ類)のみならず、一般の細菌についても抗菌力が市販の有機系抗菌剤より大きく、かつ長時間にわたり、抗菌効果が安定に持続されることが提案されている(特許文献1)。
ポリアクリロニトリル樹脂、高濃度アクリロニトリルABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂の何れかの樹脂に、銀もしくは銀化合物系無機抗菌剤(ゼオライト)を含有させることで、冷蔵室内が高湿度に保持されてもカビや細菌が繁殖することなく、常に冷蔵庫内をクリーンにし、貯蔵食品を高鮮度に保持することのできる冷凍冷蔵庫を得ることができることが提案されている(特許文献2)。
金属イオンの量を基準として抗菌・防カビ剤の添加量を規制することにより、樹脂の種類に拘らず安定した抗菌・防カビ作用を長期間にわたって発現する樹脂成形物を提供するために、Cu−Ag二元系の合金粒子又はCu−Ag−Zn三元系の合金粒子を、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体等の1種又は2種以上を熱可塑性樹脂として使用するものに分散させることで、抗菌、防カビ性に有用な作用を呈することが提案されている(特許文献3)。
広い抗菌防カビ性を有し、さらにブリードアウトしにくい非晶性の合成樹脂成形体においても、成形後、樹脂が結晶化していくのに伴い、徐々に抗菌剤等の添加物が樹脂内部から表面に押出されるブリードアウトが良好で長期間の抗菌防カビ性能を与えかつ成形体表面に汚れが付きにくい樹脂組成物を得るために、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選ばれる高分子化合物に、抗菌防カビ剤(2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタリル、1,2−ベンズイソチアゾロン、2−メトキシカルボニルアミノベンツイミダゾール、ジ(ヨードメチル−p−トリルスルホン))及び界面活性剤を添加した抗菌防カビ性樹脂組成物が提案されている(特許文献4)。
熱可塑性樹脂組成物の表面または内部に、抗菌剤及び/ 又は防カビ剤を存在させために、抗菌剤としては、銀系抗菌剤、カルシウム系セラミックス、非晶質リン酸カルシウム等が挙げられ、防カビ剤としては、例えば、イミダゾール系防カビ剤、ヨード系防カビ剤、トリアゾール系防カビ剤、チアベンダゾール系防カビ剤が使用できることが提案されている(特許文献5)。
優れた抗菌機能を長期間にわたって安定して発揮することができ、扱いが容易で製造や加工性にも優れ、いかなる製造、加工条件や使用条件下においても着色変化することがない合成樹脂添加用抗菌剤として、B2 O3 :40〜60モル%、MgO:30〜50モル%、Na2 O:1〜10モル%、P2 O5 :1〜10モル%の基本組成に、Ag2 Oを0.05〜3重量%含有した溶解性ガラスを粒子径1μm〜50μmに粉砕したもので構成される合成樹脂添加用抗菌剤が提案されている(特許文献6)。
無機化合物である層状珪酸塩の層間に、有機系防カビ剤であるトリアゾール系防黴性有機物質を担持させた防黴剤と樹脂から構成される防黴性樹脂組成物である。この防黴性樹脂組成物は、防黴効果を長時間持続させることができると共に、紫外線の照射等の厳しい環境下においても変色せず、耐久性に優れた樹脂成形体を形成することができることが提案されている(特許文献7)。
しかし、特許文献1〜7に開示される技術によってもなお、熱可塑性樹脂組成物における抗菌、防カビ性の付与が不十分である。すなわち、従来の熱可塑性樹脂組成物において、優れた抗菌、防カビ性を付与させる技術は確立されていない。
本発明は、上述した従来技術における課題に鑑み、優れた抗菌、防カビ性付与された成形品を得ることのできるスチレン系熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、抗菌剤、防カビ剤の配合量を調整し、かつ滑剤の配合量を調整したスチレン系熱可塑性樹脂組成物において、上記課題を解決することを見い出した。すなわち、本発明は、以下に記載する通り、スチレン系熱可塑性樹脂組成物およびその成形品に係るものである。
[1] スチレン系熱可塑性樹脂(I)100質量部に対し滑剤(IV)0.5〜3.0質量部を含み、さらに、防カビ剤(II)0.5質量部以上および/または抗菌剤(III)0.2質量部以上を含むスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[2]前記滑剤(IV)が、TGA測定時の減量開始温度が250℃以下である前記[1]に記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[3] 前記滑剤(IV)が、高級脂肪酸、酸エステル、酸アミド系および高級アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む前記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4] 前記滑剤(IV)が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびエチレンビスステアリン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種含む前記 [1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[5]スチレン系熱可塑性樹脂(I)が、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)及びシアン化ビニル系単量体(a2)を含有するビニル系単量体混合物(a)を共重合してなるビニル系共重合体(A)並びに、ゴム質重合体(r)の存在下、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)及びシアン化ビニル系単量体(b2)を含有するビニル系単量体混合物(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(B)を配合してなる前記[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[6] 前記ゴム質重合体(r)が、ポリブタジエンおよび/またはアクリルゴムである前記[1]に記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[7] 前記防カビ剤(II)が、無機有機ハイブリッド防カビ剤であることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[8] 前記抗菌剤(III)が、亜鉛および/または銀系抗菌剤である前記[1]〜[7]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
[1] スチレン系熱可塑性樹脂(I)100質量部に対し滑剤(IV)0.5〜3.0質量部を含み、さらに、防カビ剤(II)0.5質量部以上および/または抗菌剤(III)0.2質量部以上を含むスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[2]前記滑剤(IV)が、TGA測定時の減量開始温度が250℃以下である前記[1]に記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[3] 前記滑剤(IV)が、高級脂肪酸、酸エステル、酸アミド系および高級アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む前記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4] 前記滑剤(IV)が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびエチレンビスステアリン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種含む前記 [1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[5]スチレン系熱可塑性樹脂(I)が、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)及びシアン化ビニル系単量体(a2)を含有するビニル系単量体混合物(a)を共重合してなるビニル系共重合体(A)並びに、ゴム質重合体(r)の存在下、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)及びシアン化ビニル系単量体(b2)を含有するビニル系単量体混合物(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(B)を配合してなる前記[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[6] 前記ゴム質重合体(r)が、ポリブタジエンおよび/またはアクリルゴムである前記[1]に記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[7] 前記防カビ剤(II)が、無機有機ハイブリッド防カビ剤であることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[8] 前記抗菌剤(III)が、亜鉛および/または銀系抗菌剤である前記[1]〜[7]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明の抗菌防カビ性樹脂組成物は、成形品にこれまで以上に優れた抗菌、防カビ性を付与することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、スチレン系熱可塑性樹脂(I)100質量部に対し、滑剤(IV)0.5〜3.0質量部を含み、さらに、防カビ剤(II)0.5質量部以上および/または抗菌剤(III)0.2質量部以上を含むスチレン系熱可塑性樹脂組成物。滑剤(IV)を含有せしめることにより、本発明の樹脂組成物を成形せしめた後、防カビ剤(II)および/または抗菌剤(III)がブリードして、成形品の表層に現れることで、優れた抗菌、防カビ性を示すことができる。
本発明において用いられるスチレン系熱可塑性樹脂(I)とは、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)を用いて重合されてなる樹脂である。
芳香族ビニル系単量体(a1)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明において用いられるスチレン系熱可塑性樹脂(I)としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/ゴム質重合体/アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂)等を挙げることができる。
これらの樹脂は単独あるいは2種以上の混合物として用いることができる。さらに、これらの樹脂はその一部にα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸およびこれらのメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル誘導体アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニルカルボン酸アミド誘導体、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−メトキンフェニルマレイミド、N−o−メトキシフェニルマレイミド、N−p−メトキンフェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−m−クロロフェニルマレイミド、N−p−クロロフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等のマレイミド系単量体、エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体および塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等の単量体から選ばれる1種あるいは2種以上の単量体を共重合してもよい。
本発明において、スチレン系熱可塑性樹脂(I)は、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)及びシアン化ビニル系単量体(a2)を含有するビニル系単量体混合物(a)を共重合してなるビニル系共重合体(A)並びに、ゴム質重合体(r)の存在下、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)及びシアン化ビニル系単量体(b2)を含有するビニル系単量体混合物(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(B)を配合してなる樹脂(I−1)であることが特に好ましい。
斯かる樹脂(I−1)は、耐衝撃性、剛性などの機械的強度、耐熱性、成形性およびコストパフォーマンスなどの点に関して、他の樹脂よりも優れることから、好ましい。
本発明にてスチレン系熱可塑性樹脂として好適に用いられる樹脂(I−1)は、後述するビニル系共重合体(A)に、後述するグラフト共重合体(B)を配合してなるものである。
スチレン系熱可塑性樹脂(I−1)を構成するビニル系共重合体(A)は、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)およびシアン化ビニル系単量体(a2)を含有するビニル系単量体混合物(a)を共重合して得られるものである。ビニル系単量体混合物(a)は、前記(a1)および(a2)に加えて、共重合可能な他の単量体をさらに含有してもよい。
芳香族ビニル系単量体(a1)としては、前述の単量体を用いることができ、2種以上が用いられても良い。
シアン化ビニル系単量体(a2)としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
また、これらと共重合可能な他の単量体は、前述の芳香族ビニル系単量体(a1)およびシアン化ビニル系単量体(a2)以外のビニル系単量体であって、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限はない。具体的には、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、不飽和脂肪酸、アクリルアミド系単量体、マレイミド系単量体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体としては、例えば、炭素数1〜6のアルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルが好ましい。炭素数1〜6のアルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルは、さらに水酸基やハロゲン基などの置換基を有してもよい。炭素数1〜6のアルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を示す。
不飽和脂肪酸としては、例えば、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
アクリルアミド系単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
マレイミド系単量体としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(r)の存在下に、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)およびシアン化ビニル系単量体(b2)を含有するビニル系単量体混合物(b)をグラフト共重合して得られるものである。
本発明におけるゴム質重合体(r)としては、ポリブタジエンおよび/またはアクリルゴムを用いることにより、本発明によって得られる成形品の耐衝撃性を向上させることができる。これらのことから、ポリブタジエンおよび/またはアクリルゴムが好ましい。
芳香族ビニル系単量体(b1)としては、芳香族ビニル系単量体(a1)として先に例示されたものが挙げられる。
シアン化ビニル系単量体(b2)としては、シアン化ビニル系単量体(a2)として先に例示したものが挙げられる。
ビニル系単量体混合物(b)は、前記(b1)および(b2)に加えて、これらと共重合可能な他の単量体をさらに含有してもよい。
このような共重合可能な他の単量体は、前述の芳香族ビニル系単量体(b1)およびシアン化ビニル系単量体(b2)以外のビニル系単量体であって、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限はない。具体的には、ビニル系単量体混合物(a)において他の単量体として例示したものが挙げられる。
本発明のスチレン系熱可塑性樹脂組成物は滑剤(IV)を含む。一般に、滑剤は、樹脂溶融物の粘度を低下し成形性を向上させたり、成形品を得る際の金型金属面からの離型性を向上させたり、成形品の機械的強度を向上させたりする目的で主に用いられる。
しかし、本発明において、滑剤(IV)は、滑剤(IV)と共に防カビ剤(II)や抗菌剤(III)を、成形品の表層に分散しやすくせしめ、抗菌防カビ性能を向上させる目的で用いられる。また、滑剤(IV)を含有せしめることにより、防カビ剤(II)や抗菌剤(III)をスチレン系熱可塑性樹脂組成物中に均一に分散させることができ、長時間に渡って抗菌、防カビ性の効果を示すことができる。
滑剤(IV)の含有量は、スチレン系熱可塑性樹脂(I)100質量部に対し、0.5質量部以上、3.0質量部以下である。
滑剤(IV)の含有量を0.5質量部以上とすることにより、抗菌、防カビ性を最大限得ることができる。また、滑剤の添加による粘度の低下による成形性や離型性の向上を図ることができる。
滑剤(IV)の含有量を3.0質量部以下とすることにより、樹脂の表層に、過剰の抗菌剤、防カビ剤が移動(ブリード)することを抑制することができる。過剰量の抗菌剤、防カビ剤が表層に移動(ブリード)してしまうと、抗菌性および防カビ性が短時間で失われてしまうことがある。抗菌、防カビ性の発生量を一定にすることにより、抗菌、防カビ性の持続性を図ることができる。また、滑剤(IV)の含有量を3.0質量部以下とすることにより、滑剤の含有量が増加することに伴う成形品の外観不良を防ぐこともできる。より好ましくは2.0質量部以下である。
これらの点から、滑剤(IV)の含有量を0.5〜3.0質量部とすることが好ましい。より好ましくは0.5〜2.0質量部である。
滑剤(IV)のTGA測定時の減量開始温度は、250℃以下であることが好ましい。
減量開始温度が250℃以下であれば成形時、滑剤(IV)と共に防カビ剤(II)、抗菌剤(III)が、成形品の表層に分散しやすくなり、抗菌防カビ性能を向上させる
ここでいう減量開始温度とは、TGA(熱重量分析)装置によって測定されるもので、測定開始からの最大値から0.05%減少した段階での温度のことである。
ここでいう減量開始温度とは、TGA(熱重量分析)装置によって測定されるもので、測定開始からの最大値から0.05%減少した段階での温度のことである。
減量開始温度の測定は、以下に記載の方法で行った。熱重量測定装置(TGA−50、(株)島津製作所製)に、試料を約10mg白金パンに入れ、窒素雰囲気中、30℃にて10分間保持した後、ガス流量:20ml/min、昇温速度10℃/minで800℃まで昇温しながら熱重量分析を行った。
滑剤(IV)のTGA測定時の減量開始温度は、180℃以上であることが好ましい。減量開始温度が180℃以上であれば、樹脂の表層に、過剰の抗菌剤、防カビ剤が移動(ブリード)することを抑制することができる。
本発明のスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、前記滑剤(IV)として、高級脂肪酸、酸エステル、酸アミドおよび高級アルコールより選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。さらに好ましくは、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびエチレンビスステアリン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことである。
高級脂肪酸とは、例えば、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミスチリン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
酸エステルとは、例えば、ミリスチン酸セシル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールジステアリレート、ペンタエリスリトールテトラステアリレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ポリオキシエチレン、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
酸アミドとは、例えば、ステアリン酸モノアミド、オレイン酸モノアミド、エルカ酸モノアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等が挙げられる。
高級アルコールとは、例えば、ラウリルアルコール、ミスチリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
中でも、滑剤(IV)として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレンビスステアリン酸アミドを用いることにより、抗菌防カビ性を向上させ、長時間に渡って抗菌防カビ性の効果を示すだけでなく、成形品の機械的強度を向上させることができるため好ましく用いられる。
本発明では、これらの点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびエチレンビスステアリン酸アミドを用いることが好ましい。
本発明のスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、さらに、防カビ剤(II)および/または抗菌剤(III)を含む。
防カビ剤とは、真菌(カビ)に作用し、生育阻止作用、殺菌作用を示す物質のことであり、抗カビ剤、抗カビ薬、殺真菌剤、殺真菌薬、殺カビ剤、殺カビ薬、殺カビ剤、防カビ薬などともいわれることがある。
スチレン系熱可塑性樹脂組成物が防カビ剤(II)を含む場合、防カビ剤(II)の含有量はスチレン系熱可塑性樹脂(I)100質量部に対し0.5質量部以上である。
防カビ剤(II)の含有量を0.5質量部以上とすることにより、表層に、必要最低限度の防カビ性を発現させ、その防カビ性を持続するだけの十分な量を確保することができる。
防カビ剤(II)の含有量の上限値は特に限定されるものではないが、本発明においては1.5質量部以下であることが好ましい。
防カビ剤(II)の含有量を1.5質量部以下とすることにより、使用した滑剤の含有量で最大の効果を示すことができる。滑剤の含有量の関係から、防カビ性を発現できる量は限られ、たとえ、防カビ剤(II)が、1.5質量部を超えて用いた場合でも、これ以上の効果を示すことはできない場合がある。
本発明における防カビ剤(II)は、無機有機ハイブリッド系防カビ剤であることが好ましい。
無機有機ハイブリッド系防カビ剤を用いることにより、従来の防カビ剤の持つ多くの弱点を解消することができる。
すなわち、従来の防カビ剤としては、無機系防カビ剤や有機系防カビ剤が挙げられる。しかし、無機系防カビ剤においては、耐熱性、耐久性に優れるが、防カビ性が低いという弱点があり、有機系防カビ剤においては、熱、紫外線によって分解しやすく、用途によっては、使用できなかったり、効果を十分に発現しなかったり、水や有機溶剤に溶出しやすく、効果が持続しないなどの弱点がある。
無機有機ハイブリッド系防カビ剤はこれらの弱点の多くを解消することができる。
本発明において、無機有機ハイブリッド系防カビ剤は、防カビ性の観点から、層状ケイ酸塩/トリアゾール系防カビ剤や層状ケイ酸塩/非トリアゾール系防カビ剤が好ましく、層状ケイ酸塩/トリアゾールが特に好ましい。なお、ケイ酸塩にはアルミノケイ酸塩を含む。
本発明にて用いられる抗菌剤(III)とは、細菌の発生や増殖などを抑える薬品のことであり、抗菌薬と呼ばれることもある。
スチレン系熱可塑性樹脂組成物が抗菌剤(III)を含む場合、抗菌剤(III)の含有量はスチレン系熱可塑性樹脂(I)100質量部に対し0.2質量部以上である。
抗菌剤(III)の含有量を0.2質量部以上とすることにより、表層に、必要最低限度の抗菌性を発現させ、その抗菌性を持続するだけの十分な量を確保することができる。
抗菌剤(III)の含有量の上限値は特に限定されるものではないが、本発明においては1.5質量部以下であることが好ましい。
抗菌剤(III)の含有量を1.5質量部以下とすることにより、使用した滑剤の含有量で最大の効果を示すことができる。滑剤の含有量の関係から、抗菌性を発現できる量は限られて、たとえ、抗菌剤(III)を、1.5質量部を超えて用いた場合でも、これ以上の効果を示すことはできない。
本発明においては、抗菌剤(III)として、亜鉛系抗菌剤、銀系抗菌剤を用いることが好ましい。
亜鉛系抗菌剤、銀系抗菌剤としては、溶解性ガラスに亜鉛または銀が担持されたものが好ましい。より具体的には、粉砕したガラス(溶解性ガラス)による網目構造中に、抗菌性をもつ金属イオン(亜鉛系抗菌剤:亜鉛イオン、銀系抗菌剤:銀イオン)が配置されているものであることが好ましい。粉砕したガラス(溶解性ガラス)から、金属イオンが放出されることにより高い抗菌効果が発現される。また、粉砕したガラス(溶解性ガラス)による網目構造が、非常に強固なため、化学的・物理的に安定性が高く、あらゆる樹脂での練り込みに使用することができる。
続いて、銀系抗菌剤を例に、その抗菌・防カビメカニズムについて以下に説明する。
銀系抗菌剤は、水分と接触することにより、樹脂が持っているわずかな透水性、透湿性により、抗菌剤の内部に、水分を浸透させる。この水分によって、抗菌剤中の溶解性ガラスが微量ずつ溶解することで、抗菌性能をもつ銀イオンを溶出させる。
銀イオンの溶出量は、一定期間中ほぼ一定量であり、その銀イオンは、プラスに帯電しており、このイオンが、マイナスに帯電している細菌の表面に引き寄せられる。すると、細菌の表面の電気的バランスが崩れ、細胞膜が破れ、細菌は死滅してゆく。さらに、銀イオンは、細胞内に浸透して細胞内の酵素の−SH基と反応、結合し、酵素活性を失わせる。また、細菌のDNAとも反応し、その機能を失わせ、繁殖力を低下させる。この結果、銀イオンの抗菌作用によって、合成樹脂の表面上における細菌の繁殖、あるいはそれらによる変色等を完全に防止することができる。これらのことから、本発明における抗菌剤(III)は、亜鉛系抗菌剤および/または銀系抗菌剤であることが好ましい。
抗菌剤(III)として、鉛系抗菌剤および銀系抗菌剤を併用した場合、それぞれの抗菌剤が競争的にマイナスに帯電している細菌の表面に引き寄せられるため、併用した場合は、単独で用いるよりも細菌の表面の電気的バランスを崩すことが難しい。本発明では、亜鉛系抗菌剤および銀系抗菌剤が併用される態様よりも、亜鉛系抗菌剤のみが用いられる態様、または、銀系抗菌剤のみが用いられる態様が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形され、成形品となった後、高温多湿で劣悪な環境下で使用されることが想定されており、そのような環境下では、カビ、細菌の増殖が懸念される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品に、カビおよび細菌が付着した時、熱可塑性樹脂組成物が防カビ剤または抗菌剤の一方のみしか含有していない場合、カビまたは細菌の一方の増殖を抑えることに成功するが、他方の増殖を許すことになる場合がある。
そこで、本発明のスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、防カビ剤(II)および抗菌剤(III)を含有することがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を配合してもよい。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリ乳酸系樹脂等のポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、芳香族または脂肪族ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、芳香族または脂肪族ポリケトン樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ビニルエステル系樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスビーズ、ガラスフレーク、アルミナ、アルミナ繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、ステンレス繊維、ウィスカ、チタン酸カリウム繊維、ワラステナイト、アスベスト、ハードクレー、焼成クレー、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウムおよび鉱物などの無機充填材;ヒンダードフェノール系、含硫黄化合物系または含リン有機化合物系などの酸化防止剤;フェノール系、アクリレート系などの熱安定剤;ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系またはサリシレート系などの紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤;モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびエチレンワックスなどの離型剤;各種難燃剤;難燃助剤;亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤;リン酸、リン酸1ナトリウム、無水マレイン酸、無水コハク酸などの中和剤;核剤;アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系などの帯電防止剤;カーボンブラック、顔料、染料などの着色剤などを配合することができる。
次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、前述のビニル系共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、滑剤(IV)、防カビ剤(II)、抗菌剤(III)を溶融混練することにより得ることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限はなく、熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分を、混合機を用いて混合する方法や、これらを均一に溶融混練する方法などが挙げられる。混合機としては、例えば、V型ブレンダー、スーパーミキサー、スーパーフローターおよびヘンシェルミキサーなどが挙げられる。溶融混練機としては、例えば、ニーダー、一軸または二軸押出機などが挙げられる。溶融混練温度は210〜320℃が好ましく、230〜300℃がより好ましい。得られた熱可塑性樹脂組成物は、ペレタイザによりペレット化して用いられることが一般的である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、任意の成形方法により成形することができる。成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形、ガスアシスト成形などが挙げられ、射出成形が好ましく用いられる。射出成形時のシリンダー温度は180〜320℃が好ましく、金型温度は30〜80℃が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、任意の形状の成形品として広く用いることができる。成形品としては、例えば、フィルム、シート、繊維、布、不織布、射出成形品、押出成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、他の材料との複合体などが挙げられる。本発明の成形品は、家電住設関連分野全般において、適用することができ、家電製品、通信関連機器、一般雑貨および医療関連機器などの用途に有用であり、なかでも、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、浴室周辺の機器、部材など好ましく用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)防カビ性
JIS Z 2911:2010 カビ抵抗性試験方法 (附属書A プラスチック製品の試験 方法B) による試験を実施した。試験条件は下記の通り。
検体調整:30mm×40mm×3mmt プレート
試験カビ:Aspergillus niger、Penicillium pinophilum、Paecilomyces variotii、Trichoderma virens、Chaetomium globosum
胞子懸濁液:胞子数 約106個/mL、JIS Z 2911 グルコース/無機塩溶液0.1mL
寒天培地:グルコース添加無機塩寒天培地、90φmm
培養条件:温度29℃、湿度95%RH、28日間および2ヶ月間
得られた結果について、肉眼及び実体顕微鏡を用いた観察により評価し、カビ発育状態を下記に基づいて判定を行った。
肉眼及び顕微鏡下でカビの発育は認められない:1
肉眼ではカビの発育が認められないが,顕微鏡下では明らかに確認できる:2
肉眼でカビの発育が認められ,発育部分の面積は試料の全面積の25%未満:3
肉眼でカビの発育が認められ,発育部分の面積は試料の全面積の25%以上〜50%未満:4
菌糸はよく発育し,発育部分の面積は試料の全面積の50%以上:5
菌糸の発育は激しく,試料全面を覆っている:6。
JIS Z 2911:2010 カビ抵抗性試験方法 (附属書A プラスチック製品の試験 方法B) による試験を実施した。試験条件は下記の通り。
検体調整:30mm×40mm×3mmt プレート
試験カビ:Aspergillus niger、Penicillium pinophilum、Paecilomyces variotii、Trichoderma virens、Chaetomium globosum
胞子懸濁液:胞子数 約106個/mL、JIS Z 2911 グルコース/無機塩溶液0.1mL
寒天培地:グルコース添加無機塩寒天培地、90φmm
培養条件:温度29℃、湿度95%RH、28日間および2ヶ月間
得られた結果について、肉眼及び実体顕微鏡を用いた観察により評価し、カビ発育状態を下記に基づいて判定を行った。
肉眼及び顕微鏡下でカビの発育は認められない:1
肉眼ではカビの発育が認められないが,顕微鏡下では明らかに確認できる:2
肉眼でカビの発育が認められ,発育部分の面積は試料の全面積の25%未満:3
肉眼でカビの発育が認められ,発育部分の面積は試料の全面積の25%以上〜50%未満:4
菌糸はよく発育し,発育部分の面積は試料の全面積の50%以上:5
菌糸の発育は激しく,試料全面を覆っている:6。
(2)抗菌性
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に30mm(横)×40mm(縦)×3mm(厚み)の角板成形品を成形した。
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に30mm(横)×40mm(縦)×3mm(厚み)の角板成形品を成形した。
この成形品を用いJIS Z 2801:2012 抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果 (フィルム密着法)による試験を実施した。試験条件は下記の通り。
菌種:E.coli(大腸菌)NBRC3972、S.aureus(黄色ブドウ球菌)NBRC12732
菌液条件:1/500NB、0.4mL
作用条件:35℃、24時間
菌種:E.coli(大腸菌)NBRC3972、S.aureus(黄色ブドウ球菌)NBRC12732
菌液条件:1/500NB、0.4mL
作用条件:35℃、24時間
得られた結果について、抗菌製品技術協議会の抗菌製品の抗菌性能基準(抗菌活性値2.0以上)に基づいて判定を行った。
抗菌活性値が2.0以上:○
抗菌活性値が2.0未満:×。
抗菌活性値が2.0以上:○
抗菌活性値が2.0未満:×。
(3)成形品外観
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度を250℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に50mm(横)×60mm(縦)×2.5mm(厚み)、50mm(横)×30mm(縦)×1.0mm(厚み)の2段付き角板成形品を成形した。得られた成形品を目視観察し、ガス曇りの有無を評価した。
ガス曇りなし:○
ガス曇りあり:×。
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度を250℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に50mm(横)×60mm(縦)×2.5mm(厚み)、50mm(横)×30mm(縦)×1.0mm(厚み)の2段付き角板成形品を成形した。得られた成形品を目視観察し、ガス曇りの有無を評価した。
ガス曇りなし:○
ガス曇りあり:×。
(4)TGA測定時の減量開始温度
減量開始温度の測定は、以下に記載の方法で行った。熱重量測定装置(TGA−50、(株)島津製作所製)に、試料を約10mg白金パンに入れ、窒素雰囲気中、30℃にて10分間保持した後、ガス流量:20ml/min、昇温速度10℃/minで800℃まで昇温しながら熱重量分析を行った。測定開始からの最大値から0.05%減少した段階での温度を減量開始温度とした。
減量開始温度の測定は、以下に記載の方法で行った。熱重量測定装置(TGA−50、(株)島津製作所製)に、試料を約10mg白金パンに入れ、窒素雰囲気中、30℃にて10分間保持した後、ガス流量:20ml/min、昇温速度10℃/minで800℃まで昇温しながら熱重量分析を行った。測定開始からの最大値から0.05%減少した段階での温度を減量開始温度とした。
(参考例1)ビニル系共重合体(A)
まず、懸濁重合用の媒体として、メタクリル酸メチル−アクリルアミド共重合体を以下の方法により製造した。
まず、懸濁重合用の媒体として、メタクリル酸メチル−アクリルアミド共重合体を以下の方法により製造した。
アクリルアミド80質量部、メタアクリル酸メチル20質量部、過硫酸カリウム0.3質量部、イオン交換水1800質量部を反応器中に仕込み、反応器中の気相を窒素ガスで置換した。よくかき混ぜながら70℃に保ち重合率が99%に到達した時点で重合を終了し、アクリルアミドとメタアクリル酸メチル二元共重合体の水溶液を得た。得られた水溶液は、やや白濁した粘性を有していた。この水溶液に、水酸化ナトリウム35重量部とイオン交換水15000質量部を加え、0.6質量%のアクリルアミドとメタアクリル酸メチルとの二元共重合体の水溶液を得た。70℃で2時間撹拌してケン化させた後、室温まで冷却し、透明な懸濁重合用の媒体(メタクリル酸メチル−アクリルアミド二元共重合体)の水溶液を得た。
20Lのオートクレーブにメタクリル酸メチル−アクリルアミド共重合体水溶液6質量部を165質量部の純水に溶解した溶液を入れて400rpmで攪拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、アクリロニトリル28.9質量部、スチレン11.1質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.32質量部及びt−ドデシルメルカプタン0.32質量部の単量体混合物を反応系を攪拌しながら30分かけて初期添加し、70℃にて共重合反応を開始した。単量体混合物を添加後、1時間経過したところで、スチレンを供給ポンプを使用して15質量部添加した。その後、30分間隔で各15質量部×3回スチレンを反応系に添加した。全モノマーの添加終了後60分かけて100℃に昇温した。到達後30分間100℃でコントロールした後、冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行って、ビーズ状ビニル系共重合体(A)を得た。
(参考例2)グラフト共重合体(B−1)
重量平均粒子径が0.3μmであるポリブタジエンラテックス50質量部(固形分換算)存在下、純水130質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1質量部、硫酸第一鉄0.01質量部及びピロリン酸ナトリウム0.1質量部を反応容器に仕込み、窒素置換後、60℃に温調し、攪拌下スチレン6.7質量部、アクリロニトリル2.5質量部及びt−ドデシルメルカプタン0.046質量部の単量混合物(全単量体混合物の18.4質量部)を0.5時間かけて初期添加した。次いで、クメンハイドロパーオキサイド0.32質量部、乳化剤であるラウリン酸ナトリウム1.5質量部及び純水25質量部の開始剤混合物の投入を開始し、重合を開始させた。開始剤混合物は5時間かけて連続滴下し、同時に並行して、スチレン29.8質量部、アクリロニトリル11質量部及びt−ドデシルメルカプタン0.15質量部の混合液を3時間かけて単量体混合物を連続追滴下した。単量体混合物滴下後、1時間、開始剤混合物のみを連続滴下し重合を終了させた。重合を終了したラテックスを1.5質量%硫酸で凝固し、ついで水酸化ナトリウムで中和、洗浄、遠心分離、乾燥して、パウダー状のグラフト共重合体(B−1)を得た。
重量平均粒子径が0.3μmであるポリブタジエンラテックス50質量部(固形分換算)存在下、純水130質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1質量部、硫酸第一鉄0.01質量部及びピロリン酸ナトリウム0.1質量部を反応容器に仕込み、窒素置換後、60℃に温調し、攪拌下スチレン6.7質量部、アクリロニトリル2.5質量部及びt−ドデシルメルカプタン0.046質量部の単量混合物(全単量体混合物の18.4質量部)を0.5時間かけて初期添加した。次いで、クメンハイドロパーオキサイド0.32質量部、乳化剤であるラウリン酸ナトリウム1.5質量部及び純水25質量部の開始剤混合物の投入を開始し、重合を開始させた。開始剤混合物は5時間かけて連続滴下し、同時に並行して、スチレン29.8質量部、アクリロニトリル11質量部及びt−ドデシルメルカプタン0.15質量部の混合液を3時間かけて単量体混合物を連続追滴下した。単量体混合物滴下後、1時間、開始剤混合物のみを連続滴下し重合を終了させた。重合を終了したラテックスを1.5質量%硫酸で凝固し、ついで水酸化ナトリウムで中和、洗浄、遠心分離、乾燥して、パウダー状のグラフト共重合体(B−1)を得た。
(参考例3)グラフト共重合体(B−2)
純水130質量部、乳化剤である不均化ロジン酸カリウム水溶液1質量部(固形分換算)を反応容器に仕込み、75℃まで昇温し、撹拌下、アクリル酸n−ブチル19.8質量部とメタクリル酸アリル0.2質量部の混合物を1時間かけて連続添加した。次いで2質量%過硫酸カリウム水溶液10質量部と、不均化ロジン酸カリウム水溶液1.5質量部(固形分換算)をそれぞれ6時間かけて連続添加した。また、過硫酸カリウム水溶液および不均化ロジン酸カリウム水溶液の添加開始から2時間後にアクリル酸n−ブチル79.2質量部とメタクリル酸アリル0.8質量部の混合物を4時間かけて添加し、添加終了後さらに1時間保持することでアクリル系ゴム質重合体ラテックスを得た。
純水130質量部、乳化剤である不均化ロジン酸カリウム水溶液1質量部(固形分換算)を反応容器に仕込み、75℃まで昇温し、撹拌下、アクリル酸n−ブチル19.8質量部とメタクリル酸アリル0.2質量部の混合物を1時間かけて連続添加した。次いで2質量%過硫酸カリウム水溶液10質量部と、不均化ロジン酸カリウム水溶液1.5質量部(固形分換算)をそれぞれ6時間かけて連続添加した。また、過硫酸カリウム水溶液および不均化ロジン酸カリウム水溶液の添加開始から2時間後にアクリル酸n−ブチル79.2質量部とメタクリル酸アリル0.8質量部の混合物を4時間かけて添加し、添加終了後さらに1時間保持することでアクリル系ゴム質重合体ラテックスを得た。
純水13.2質量部、無水ブドウ糖0.48質量部、ピロリン酸ナトリウム0.26質量部および硫酸第一鉄0.01質量部の混合物、オレイン酸カリウム0.4質量部および純水12.5質量部の混合物、アクリル系ゴム質重合体50質量部(固形分換算)および純水94.3質量部を反応容器に仕込み、58℃まで昇温し、撹拌下、スチレン36.5質量部、アクリロニトリル13.5質量部およびt−ドデシルメルカプタン0.2質量部の混合物(i)を4時間かけて連続添加した。連続添加開始0.5時間後に、容器内温度を62℃に昇温し、クメンハイドロパーオキサイド0.3質量部、オレイン酸カリウム2.0質量部および純水12.5質量部の混合物を並行して5時間かけて連続添加した。続いて、(i)の添加終了時にさらに65℃まで昇温し、重合を終了させた。重合を終了したラテックスを1.5重量%硫酸で凝固し、ついで水酸化ナトリウムで中和、洗浄、遠心分離、乾燥して、パウダー状のグラフト共重合体(B−2)を得た。
(防カビ剤(II))
・東亞合成(株) “カビノン”(登録商標)800:無機有機ハイブリッド防カビ剤(層状ケイ酸塩/トリアゾール系防カビ剤)
・(株)シナネンゼオミック “エッセンガード”(登録商標)10:無機有機ハイブリッド防カビ剤(非層状アルミノケイ酸塩/トリアゾール系防カビ剤)
・富士ケミカル(株) “バクテキラー”(登録商標)TZA−100:(窒素硫黄系化合物)。
・東亞合成(株) “カビノン”(登録商標)800:無機有機ハイブリッド防カビ剤(層状ケイ酸塩/トリアゾール系防カビ剤)
・(株)シナネンゼオミック “エッセンガード”(登録商標)10:無機有機ハイブリッド防カビ剤(非層状アルミノケイ酸塩/トリアゾール系防カビ剤)
・富士ケミカル(株) “バクテキラー”(登録商標)TZA−100:(窒素硫黄系化合物)。
(抗菌剤(III))
・石塚硝子(株) “イオンピュア”(登録商標)TA:(溶解性ガラス、Zn担持)
・(株)シナネンゼオミック “ゼオミック”(登録商標)KM10D:(溶解性ガラス、Ag担持)銀イオン/ゼオライト、
・富士ケミカル(株) “バクテキラー”(登録商標)BM−102TG:(溶解性ガラス、Ag−Zn担持)。
・石塚硝子(株) “イオンピュア”(登録商標)TA:(溶解性ガラス、Zn担持)
・(株)シナネンゼオミック “ゼオミック”(登録商標)KM10D:(溶解性ガラス、Ag担持)銀イオン/ゼオライト、
・富士ケミカル(株) “バクテキラー”(登録商標)BM−102TG:(溶解性ガラス、Ag−Zn担持)。
(滑剤(IV))
・日油(株) ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(減量開始温度:232℃)
・日油(株) エチレンビスステアリン酸アミド(減量開始温度:229℃)。
・日油(株) ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(減量開始温度:232℃)
・日油(株) エチレンビスステアリン酸アミド(減量開始温度:229℃)。
(実施例・比較例)
参考例1で調整したビニル系共重合体(A)、参考例2で調製したグラフト共重合体(B)、防カビ剤(II)、抗菌剤(III)をそれぞれ、表1に示した配合比で配合し、さらに添加剤として“アデカスタブ” 135A 0.123重量部を加え、ヘンシェルミキサーを用い、23℃で混合した後、得られた混合物を40mmφ押出機により、押出温度230℃で溶融混練し、ガット状に押出してペレット化した。また、これらペレットを前述の方法で角板を成形した。スチレン系熱可塑性樹脂組成物の配合比及び評価結果を表1及び表2に示す。
参考例1で調整したビニル系共重合体(A)、参考例2で調製したグラフト共重合体(B)、防カビ剤(II)、抗菌剤(III)をそれぞれ、表1に示した配合比で配合し、さらに添加剤として“アデカスタブ” 135A 0.123重量部を加え、ヘンシェルミキサーを用い、23℃で混合した後、得られた混合物を40mmφ押出機により、押出温度230℃で溶融混練し、ガット状に押出してペレット化した。また、これらペレットを前述の方法で角板を成形した。スチレン系熱可塑性樹脂組成物の配合比及び評価結果を表1及び表2に示す。
本発明の抗菌防カビ性樹脂組成物によって、これまで以上に優れた抗菌、防カビ性を有する成形品を得ることができる。かかる特性を活かして、菌やカビの生えやすい浴室等の住設用途、エアコン等の家電用途などに好適に供することができる。
Claims (9)
- スチレン系熱可塑性樹脂(I)100質量部に対し滑剤(IV)0.5〜3.0質量部を含み、さらに、防カビ剤(II)0.5質量部以上および/または抗菌剤(III)0.2質量部以上を含むスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
- 前記滑剤(IV)が、TGA測定時の減量開始温度が250℃以下である請求項1に記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
- 前記滑剤(IV)が、高級脂肪酸、酸エステル、酸アミド系および高級アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または2に記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
- 前記滑剤(IV)が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびエチレンビスステアリン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
- 前記スチレン系熱可塑性樹脂(I)が、少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)及びシアン化ビニル系単量体(a2)を含有するビニル系単量体混合物(a)を共重合してなるビニル系共重合体(A)並びに、ゴム質重合体(r)の存在下、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)及びシアン化ビニル系単量体(b2)を含有するビニル系単量体混合物(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(B)を配合してなる請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ゴム質重合体(r)が、ポリブタジエンおよび/またはアクリルゴムである請求項1に記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
- 前記防カビ剤(II)が、無機有機ハイブリッド系防カビ剤である請求項1〜6のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
- 前記抗菌剤(III)が、亜鉛系抗菌剤および/または銀系抗菌剤である請求項1〜7のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のスチレン系熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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JP (1) | JP2020041094A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114481682A (zh) * | 2022-02-16 | 2022-05-13 | 东莞市伟邦新材料科技有限公司 | 一种浸胶工艺用抗菌防粘剂及其制备方法 |
CN114891311A (zh) * | 2022-06-14 | 2022-08-12 | 深圳市富恒新材料股份有限公司 | 一种抗菌耐候asa复合材料及其制备方法 |
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2018
- 2018-09-13 JP JP2018171143A patent/JP2020041094A/ja active Pending
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