JPH09235478A - 抗菌性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
抗菌性熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH09235478A JPH09235478A JP4102896A JP4102896A JPH09235478A JP H09235478 A JPH09235478 A JP H09235478A JP 4102896 A JP4102896 A JP 4102896A JP 4102896 A JP4102896 A JP 4102896A JP H09235478 A JPH09235478 A JP H09235478A
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- thermoplastic resin
- antibacterial
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗菌性、機械的特性に優れ、また水洗、雑巾
拭き等にも優れた長期耐性を有する抗菌性熱可塑性樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂99.9〜70重量
%、(B)ポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又
はポリアリルアミンと、長鎖アルキル基を有する有機ス
ルホン酸塩および/又はスルホン酸塩構造を有する重合
体とからなるイオンコンプレックス0.1〜30重量%
からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
拭き等にも優れた長期耐性を有する抗菌性熱可塑性樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂99.9〜70重量
%、(B)ポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又
はポリアリルアミンと、長鎖アルキル基を有する有機ス
ルホン酸塩および/又はスルホン酸塩構造を有する重合
体とからなるイオンコンプレックス0.1〜30重量%
からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂に抗
菌剤としてポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又
はポリアリルアミンと、長鎖アルキル基を有する有機ス
ルホン酸塩および/又はスルホン酸塩構造を有する重合
体とからなるイオンコンプレックスを溶融混練し、長期
にわたって抗菌性能を維持できる熱可塑性樹脂組成物に
関する。
菌剤としてポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又
はポリアリルアミンと、長鎖アルキル基を有する有機ス
ルホン酸塩および/又はスルホン酸塩構造を有する重合
体とからなるイオンコンプレックスを溶融混練し、長期
にわたって抗菌性能を維持できる熱可塑性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は電子・電気分野、家電分
野、自動車分野、便座・台所・風呂場まわり等のサニタ
リー分野、雑貨などの幅広い分野で使用されているが、
近年、これらに使われている製品において細菌や黴が繁
殖し、人体に悪影響を及ぼすことが指摘されている。抗
菌性を熱可塑性樹脂に付与する方法としては抗菌剤を熱
可塑性樹脂に練り込むか、あるいは熱可塑性樹脂製品の
表面に抗菌剤を塗布する方法がある。現状では、抗菌剤
としては無機系抗菌剤が主に練り込みに使用され、一
方、有機系抗菌剤が主に液状で製品に塗布して使用され
ている。無機系抗菌剤の代表例は銀などの金属で置換さ
れたゼオライトや合成鉱物などが挙げられ、有機抗菌剤
としてはクロロヘキシジン、第4級アンモニウム塩等が
挙げられる。
野、自動車分野、便座・台所・風呂場まわり等のサニタ
リー分野、雑貨などの幅広い分野で使用されているが、
近年、これらに使われている製品において細菌や黴が繁
殖し、人体に悪影響を及ぼすことが指摘されている。抗
菌性を熱可塑性樹脂に付与する方法としては抗菌剤を熱
可塑性樹脂に練り込むか、あるいは熱可塑性樹脂製品の
表面に抗菌剤を塗布する方法がある。現状では、抗菌剤
としては無機系抗菌剤が主に練り込みに使用され、一
方、有機系抗菌剤が主に液状で製品に塗布して使用され
ている。無機系抗菌剤の代表例は銀などの金属で置換さ
れたゼオライトや合成鉱物などが挙げられ、有機抗菌剤
としてはクロロヘキシジン、第4級アンモニウム塩等が
挙げられる。
【0003】無機系抗菌剤は耐熱性に優れ、溶融状態の
樹脂や繊維などに成形前に練り込むことが出来るが、イ
オンを遊離しやすい点に不安があり、また着色しやすい
などの問題がある。一方、有機系抗菌剤は強い殺菌力を
持ち噴霧、浸透、塗布などの表面処理によって抗菌性を
付与できるので処理性に優れているが、耐熱性に劣るた
め、樹脂に練り込むことが困難であったり、あるいはベ
ース熱可塑性樹脂との相溶性が悪いためにブリードやべ
たつきなどの問題が生じる。さらに、有機系抗菌剤は水
溶性である場合が多く、水洗や濡れ雑巾拭きにより容易
に組成物中から溶出するために効果の長期持続性に乏し
い。従って、汎用の熱可塑性樹脂の利点である成形加工
の容易性、機械的物性のバランス、色調、安価な価格を
維持した状態で色調変化が少なく長期的な抗菌性能を持
続する樹脂組成物が望まれていた。
樹脂や繊維などに成形前に練り込むことが出来るが、イ
オンを遊離しやすい点に不安があり、また着色しやすい
などの問題がある。一方、有機系抗菌剤は強い殺菌力を
持ち噴霧、浸透、塗布などの表面処理によって抗菌性を
付与できるので処理性に優れているが、耐熱性に劣るた
め、樹脂に練り込むことが困難であったり、あるいはベ
ース熱可塑性樹脂との相溶性が悪いためにブリードやべ
たつきなどの問題が生じる。さらに、有機系抗菌剤は水
溶性である場合が多く、水洗や濡れ雑巾拭きにより容易
に組成物中から溶出するために効果の長期持続性に乏し
い。従って、汎用の熱可塑性樹脂の利点である成形加工
の容易性、機械的物性のバランス、色調、安価な価格を
維持した状態で色調変化が少なく長期的な抗菌性能を持
続する樹脂組成物が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は耐熱性
があって溶融樹脂中に練り込み可能であり、熱可塑性樹
脂が元来有する成形加工の容易性、機械的物性のバラン
ス、安価な価格を維持した状態で長期的な抗菌特性を有
する樹脂組成物を提供することである。
があって溶融樹脂中に練り込み可能であり、熱可塑性樹
脂が元来有する成形加工の容易性、機械的物性のバラン
ス、安価な価格を維持した状態で長期的な抗菌特性を有
する樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)熱可塑性樹脂99.9〜70重量%、(B)ポリ
ヘキサメチレンビグアナイドおよび/又はポリアリルア
ミンと、長鎖アルキル基を有する有機スルホン酸塩およ
び/又はスルホン酸塩構造を有する重合体とからなるイ
オンコンプレックス0.1〜30重量%からなることを
特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
(A)熱可塑性樹脂99.9〜70重量%、(B)ポリ
ヘキサメチレンビグアナイドおよび/又はポリアリルア
ミンと、長鎖アルキル基を有する有機スルホン酸塩およ
び/又はスルホン酸塩構造を有する重合体とからなるイ
オンコンプレックス0.1〜30重量%からなることを
特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
【0006】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明において(A)成分として使用される熱可塑性樹脂
は、通常の射出成形や押出成形の原料として用いられる
熱可塑性樹脂の中から任意に選ぶことができ、一般に
は、成形加工温度が300℃以下である熱可塑性樹脂が
好適である。具体例として、スチレン系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ
素樹脂および各種の熱可塑性エラストマーなどが挙げら
れる。これらの中でスチレン系樹脂、オレフィン系樹
脂、メタクリル系樹脂及びポリ塩化ビニル系樹脂が好適
である。
明において(A)成分として使用される熱可塑性樹脂
は、通常の射出成形や押出成形の原料として用いられる
熱可塑性樹脂の中から任意に選ぶことができ、一般に
は、成形加工温度が300℃以下である熱可塑性樹脂が
好適である。具体例として、スチレン系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ
素樹脂および各種の熱可塑性エラストマーなどが挙げら
れる。これらの中でスチレン系樹脂、オレフィン系樹
脂、メタクリル系樹脂及びポリ塩化ビニル系樹脂が好適
である。
【0007】上記のスチレン系樹脂としては、一般に成
形用として使用されているもの、例えばスチレンの単一
重合体(PS)のほか、ハイインパクトポリスチレン
(HIPS)、メチルメタクリレート・スチレン共重合
体(MS)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチ
レン共重合体(MBS)、スチレン・無水マレイン酸共
重合体(SMA)、スチレン・メタクリル酸共重合体
(SMAA)、α−メチルスチレンまたはマレイミドを
共重合してなる耐熱性スチレン樹脂、さらには、スチレ
ン・アクリロニトリル系共重合樹脂、α−メチルスチレ
ン・アクリロニトリル系共重合樹脂などを挙げることが
できる。
形用として使用されているもの、例えばスチレンの単一
重合体(PS)のほか、ハイインパクトポリスチレン
(HIPS)、メチルメタクリレート・スチレン共重合
体(MS)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチ
レン共重合体(MBS)、スチレン・無水マレイン酸共
重合体(SMA)、スチレン・メタクリル酸共重合体
(SMAA)、α−メチルスチレンまたはマレイミドを
共重合してなる耐熱性スチレン樹脂、さらには、スチレ
ン・アクリロニトリル系共重合樹脂、α−メチルスチレ
ン・アクリロニトリル系共重合樹脂などを挙げることが
できる。
【0008】ここで、スチレン・アクリロニトリル系共
重合樹脂としては、アクリロニトリル・スチレン共重合
体(AS)、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン
共重合体(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・ア
クリルゴム共重合体(AAS)、アクリロニトリル・ス
チレン・塩素化ポリエチレン共重合体(ACS)、アク
リロニトリル・スチレン・エチレン−プロピレンゴム共
重合体(AES)、アクリロニトリル・スチレン・エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、α−メチルスチレンまたは
マレイミドを共重合してなる耐熱性ABS樹脂等を包含
し、また、α−メチルスチレン・アクリロニトリル系共
重合樹脂は、スチレン・アクリロニトリル系共重合樹脂
のスチレン部分がα−メチルスチレンに置き変わったα
−メチルスチレン・アクリロニトリル系共重合樹脂を挙
げることができる。
重合樹脂としては、アクリロニトリル・スチレン共重合
体(AS)、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン
共重合体(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・ア
クリルゴム共重合体(AAS)、アクリロニトリル・ス
チレン・塩素化ポリエチレン共重合体(ACS)、アク
リロニトリル・スチレン・エチレン−プロピレンゴム共
重合体(AES)、アクリロニトリル・スチレン・エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、α−メチルスチレンまたは
マレイミドを共重合してなる耐熱性ABS樹脂等を包含
し、また、α−メチルスチレン・アクリロニトリル系共
重合樹脂は、スチレン・アクリロニトリル系共重合樹脂
のスチレン部分がα−メチルスチレンに置き変わったα
−メチルスチレン・アクリロニトリル系共重合樹脂を挙
げることができる。
【0009】上記のオレフィン系樹脂としては、一般に
成形用として使用されているもの、例えば超低密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、中低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの
ポリエチレン樹脂、酢酸ビニル含有量が0.1〜25重
量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸含有
量が0.1〜25重量%のエチレン・アクリル酸共重合
体、プロピレン単独重合体、エチレン含有量が2〜40
モル%の結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合
体、エチレン含有量が0.5〜10モル%の結晶性エチ
レン・プロピレンランダム共重合体、ポリブテン、エチ
レン・プロピレンラバー、エチレン・プロピレン・ジエ
ンラバーなどを挙げることができる。
成形用として使用されているもの、例えば超低密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、中低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの
ポリエチレン樹脂、酢酸ビニル含有量が0.1〜25重
量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸含有
量が0.1〜25重量%のエチレン・アクリル酸共重合
体、プロピレン単独重合体、エチレン含有量が2〜40
モル%の結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合
体、エチレン含有量が0.5〜10モル%の結晶性エチ
レン・プロピレンランダム共重合体、ポリブテン、エチ
レン・プロピレンラバー、エチレン・プロピレン・ジエ
ンラバーなどを挙げることができる。
【0010】上記のメタクリル系樹脂としては、例えば
メチルメタクリレート単独重合体の他、メチルメタクリ
レートにスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニト
リル、各種のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステ
ルなどの他のモノマーを共重合させて各種の性能を改良
したメタクリル樹脂、さらにはアクリル酸エステルやメ
タクリル酸エステルを主成分とする重合体あるいはブタ
ジエンを主成分とする重合体にメチルメタクリレート、
スチレン、アクリロニトリル、各種のアクリル酸エステ
ルやメタクリル酸エステルなどをグラフト共重合した耐
衝撃性メタクリル樹脂などが挙げられる。
メチルメタクリレート単独重合体の他、メチルメタクリ
レートにスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニト
リル、各種のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステ
ルなどの他のモノマーを共重合させて各種の性能を改良
したメタクリル樹脂、さらにはアクリル酸エステルやメ
タクリル酸エステルを主成分とする重合体あるいはブタ
ジエンを主成分とする重合体にメチルメタクリレート、
スチレン、アクリロニトリル、各種のアクリル酸エステ
ルやメタクリル酸エステルなどをグラフト共重合した耐
衝撃性メタクリル樹脂などが挙げられる。
【0011】上記のポリ塩化ビニル系樹脂としては、例
えば塩化ビニル単独重合体の他、塩化ビニルにエチレ
ン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル等をコモノマーとして重合させて得られた共
重合体や、ポリ塩化ビニルにMBS樹脂、ABS樹脂、
ニトリルゴム、塩素化ポリエチレン、EVA−PVCグ
ラフト共重合体、さらには各種の可塑剤を添加した改質
ポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができる。これらの熱
可塑性樹脂は、重量平均分子量(Mw)が1,000〜
1,000,000、好ましくは10,000〜1,0
00,000、さらに好ましくは50,000〜80
0,000の範囲にあるもの、特に100,000〜5
00,000の範囲にあるものが、成形性に優れるので
好適である。また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせてポリマーアロイと
して用いてもよい。
えば塩化ビニル単独重合体の他、塩化ビニルにエチレ
ン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル等をコモノマーとして重合させて得られた共
重合体や、ポリ塩化ビニルにMBS樹脂、ABS樹脂、
ニトリルゴム、塩素化ポリエチレン、EVA−PVCグ
ラフト共重合体、さらには各種の可塑剤を添加した改質
ポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができる。これらの熱
可塑性樹脂は、重量平均分子量(Mw)が1,000〜
1,000,000、好ましくは10,000〜1,0
00,000、さらに好ましくは50,000〜80
0,000の範囲にあるもの、特に100,000〜5
00,000の範囲にあるものが、成形性に優れるので
好適である。また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせてポリマーアロイと
して用いてもよい。
【0012】本発明において使用される(B)成分は、
ポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又はポリアリ
ルアミンと、長鎖アルキル基を有する有機スルホン酸塩
および/又はスルホン酸塩構造を有する重合体とからな
るイオンコンプレックスである。本発明の樹脂組成物を
構成する(B)成分を得るには、ポリヘキサメチレンビ
グアナイドおよび/又はポリアリルアミンの塩酸塩、硫
酸塩、低分子有機酸塩の水溶液を攪拌しながら、長鎖ア
ルキル基を有する有機スルホン酸化合物および/又はス
ルホン酸構造を有する重合体のアルカリ金属塩あるいは
アルカリ土類金属塩の水溶液を加えることによって得ら
れた沈殿物を濾別回収して乾燥させることにより、容易
に得ることができる。
ポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又はポリアリ
ルアミンと、長鎖アルキル基を有する有機スルホン酸塩
および/又はスルホン酸塩構造を有する重合体とからな
るイオンコンプレックスである。本発明の樹脂組成物を
構成する(B)成分を得るには、ポリヘキサメチレンビ
グアナイドおよび/又はポリアリルアミンの塩酸塩、硫
酸塩、低分子有機酸塩の水溶液を攪拌しながら、長鎖ア
ルキル基を有する有機スルホン酸化合物および/又はス
ルホン酸構造を有する重合体のアルカリ金属塩あるいは
アルカリ土類金属塩の水溶液を加えることによって得ら
れた沈殿物を濾別回収して乾燥させることにより、容易
に得ることができる。
【0013】ここで、使用される長鎖アルキル基を有す
る有機スルホン酸化合物あるいはスルホン酸構造を有す
る重合体のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩
の水溶液の量は、ポリヘキサメチレンビグアナイドおよ
び/又はポリアリルアミンの塩基等量に対して通常0.
5〜1.5倍等量配合することができる。すなわち、本
発明ではイオンコンプレックスの沈殿物が回収可能であ
ればポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又はポリ
アリルアミンの塩基等量塩基等量よりも少ない量で長鎖
アルキル基を有する有機スルホン酸化合物あるいはスル
ホン酸構造を有する重合体のアルカリ金属塩あるいはア
ルカリ土類金属塩を配合することができる。
る有機スルホン酸化合物あるいはスルホン酸構造を有す
る重合体のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩
の水溶液の量は、ポリヘキサメチレンビグアナイドおよ
び/又はポリアリルアミンの塩基等量に対して通常0.
5〜1.5倍等量配合することができる。すなわち、本
発明ではイオンコンプレックスの沈殿物が回収可能であ
ればポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又はポリ
アリルアミンの塩基等量塩基等量よりも少ない量で長鎖
アルキル基を有する有機スルホン酸化合物あるいはスル
ホン酸構造を有する重合体のアルカリ金属塩あるいはア
ルカリ土類金属塩を配合することができる。
【0014】このようにして、得られたポリヘキサメチ
レンビグアナイドおよび/又はポリアリルアミンと長鎖
アルキル基を有する有機スルホン酸塩および/又はスル
ホン酸塩構造を有する重合体とからなるイオンコンプレ
ックス(B)は熱可塑性樹脂との相溶性が改善されてい
るため、溶融混練が可能となり、得られた樹脂組成物
は、剥離、肌荒れなどの成形不良の発生がなく、さら
に、機械的物性が維持されている。また、熱可塑性樹脂
に配合された(B)成分は、水中でわずかに解離するも
のの急激に溶出することが無く、従って、塩基性重合体
の徐放性を付与できるため、長期的な抗菌効果が維持さ
れる。
レンビグアナイドおよび/又はポリアリルアミンと長鎖
アルキル基を有する有機スルホン酸塩および/又はスル
ホン酸塩構造を有する重合体とからなるイオンコンプレ
ックス(B)は熱可塑性樹脂との相溶性が改善されてい
るため、溶融混練が可能となり、得られた樹脂組成物
は、剥離、肌荒れなどの成形不良の発生がなく、さら
に、機械的物性が維持されている。また、熱可塑性樹脂
に配合された(B)成分は、水中でわずかに解離するも
のの急激に溶出することが無く、従って、塩基性重合体
の徐放性を付与できるため、長期的な抗菌効果が維持さ
れる。
【0015】本発明で使用されるポリヘキサメチレンビ
グアナイドはグアニジン基が2個結合したビグアナイド
基誘導体のヘキサメチレンビグアナイドが平均12個
(n=12)重合した重合体であり、一般式(I)で表
される。
グアナイドはグアニジン基が2個結合したビグアナイド
基誘導体のヘキサメチレンビグアナイドが平均12個
(n=12)重合した重合体であり、一般式(I)で表
される。
【0016】
【化1】
【0017】このビグアナイド基を有する化合物で抗菌
性を有するものは数多く知られているが、塩酸塩、硫酸
塩、あるいは有機酸塩として使用されている。このよう
な低分子の酸との塩とすることによりカチオン性で水に
溶解しやすくなるので使用が簡単になる。従来から使用
されているポリヘキサメチレンビグアナイドの塩酸塩ま
たは硫酸塩は水溶性の抗菌防黴剤で広範囲の抗菌スペク
トルを有するカチオン系の抗菌防黴剤であるが、極めて
低毒性であるため食品加工工場や醸造工場その他一般用
殺菌剤として安心して使用できる抗菌剤である。しかし
ながら、このような酸性塩では熱可塑性樹脂への相溶性
が極めて悪くなるので溶融混練を行うことが極めて困難
である。また、本発明で使用されるポリアリルアミンは
側鎖に第一アミノ基を含む直鎖状のオレフィン系重合体
であり、一般式(II)で表されるものである。
性を有するものは数多く知られているが、塩酸塩、硫酸
塩、あるいは有機酸塩として使用されている。このよう
な低分子の酸との塩とすることによりカチオン性で水に
溶解しやすくなるので使用が簡単になる。従来から使用
されているポリヘキサメチレンビグアナイドの塩酸塩ま
たは硫酸塩は水溶性の抗菌防黴剤で広範囲の抗菌スペク
トルを有するカチオン系の抗菌防黴剤であるが、極めて
低毒性であるため食品加工工場や醸造工場その他一般用
殺菌剤として安心して使用できる抗菌剤である。しかし
ながら、このような酸性塩では熱可塑性樹脂への相溶性
が極めて悪くなるので溶融混練を行うことが極めて困難
である。また、本発明で使用されるポリアリルアミンは
側鎖に第一アミノ基を含む直鎖状のオレフィン系重合体
であり、一般式(II)で表されるものである。
【0018】
【化2】
【0019】ポリアリルアミンは日東紡績(株)より工
業的に製造されている。ポリアリルアミン及びその塩酸
塩は吸湿性が極めて高いため、通常は水溶液の状態で市
販されている。ポリアリルアミン単体及びその塩酸塩は
熱可塑性樹脂に直接溶融混練することは困難である。本
発明ではこれらを、長鎖アルキル基を有する有機スルホ
ン酸塩もしくはスルホン酸塩構造を有する重合体とから
なるイオンコンプレックスにすることにより容易に直接
溶融混練り可能にした。
業的に製造されている。ポリアリルアミン及びその塩酸
塩は吸湿性が極めて高いため、通常は水溶液の状態で市
販されている。ポリアリルアミン単体及びその塩酸塩は
熱可塑性樹脂に直接溶融混練することは困難である。本
発明ではこれらを、長鎖アルキル基を有する有機スルホ
ン酸塩もしくはスルホン酸塩構造を有する重合体とから
なるイオンコンプレックスにすることにより容易に直接
溶融混練り可能にした。
【0020】本発明の樹脂組成物を構成する(B)成分
を製造するのに使用される長鎖アルキル基を有する有機
スルホン酸塩とは炭素数8〜18の長鎖アルキル基を有
するスルホン酸の塩であり、好ましくはラウリルスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩も
しくはアルカリ土類金属塩が使用される。また、スルホ
ン酸塩構造を有する重合体は、スルホン酸塩を構造単位
に有する不飽和化合物を用い、公知の方法、例えば懸濁
−塊状重合法、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法等
によってラジカル共重合させることによって容易に得る
ことができる。
を製造するのに使用される長鎖アルキル基を有する有機
スルホン酸塩とは炭素数8〜18の長鎖アルキル基を有
するスルホン酸の塩であり、好ましくはラウリルスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩も
しくはアルカリ土類金属塩が使用される。また、スルホ
ン酸塩構造を有する重合体は、スルホン酸塩を構造単位
に有する不飽和化合物を用い、公知の方法、例えば懸濁
−塊状重合法、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法等
によってラジカル共重合させることによって容易に得る
ことができる。
【0021】このスルホン酸塩を構造単位に有する不飽
和化合物としては、例えばスチレンスルホン酸塩、ビニ
ルスルホン酸塩、メタリルスルホン塩酸などを挙げるこ
とができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて
用いられる。上記に列挙したなかで、特にスチレンスル
ホン酸塩が好適である。また、塩についてはアルカリ金
属塩、もしくはアルカリ土類金属塩が好ましい。
和化合物としては、例えばスチレンスルホン酸塩、ビニ
ルスルホン酸塩、メタリルスルホン塩酸などを挙げるこ
とができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて
用いられる。上記に列挙したなかで、特にスチレンスル
ホン酸塩が好適である。また、塩についてはアルカリ金
属塩、もしくはアルカリ土類金属塩が好ましい。
【0022】また、本発明で使用されるスルホン酸塩構
造を有する重合体は、スチレン、α−メチルスチレン、
パラメチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸及びその塩、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、
アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのニトリル
化合物、マレオニトリル、フマル酸エステル、フマロニ
トリルなどの1,2−置換オレフィン類、ビニルエーテ
ル類、あるいは、アクリルアミド、メタクリルアミド、
およびこれらの窒素置換化合物、さらにはポリオキシエ
チレンをエステル残基としてもつ(メタ)アクリレート
などの不飽和化合物が0〜50モル%共重合されていて
も良く、これらの構造単位を導入することにより、ベー
ス熱可塑性樹脂との相溶性を向上させて、樹脂組成物中
の(B)成分の分散性を向上させることができる。これ
らの構造単位は単独で用いても良いし、2種以上を組み
合わせて使用しても良い。
造を有する重合体は、スチレン、α−メチルスチレン、
パラメチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸及びその塩、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、
アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのニトリル
化合物、マレオニトリル、フマル酸エステル、フマロニ
トリルなどの1,2−置換オレフィン類、ビニルエーテ
ル類、あるいは、アクリルアミド、メタクリルアミド、
およびこれらの窒素置換化合物、さらにはポリオキシエ
チレンをエステル残基としてもつ(メタ)アクリレート
などの不飽和化合物が0〜50モル%共重合されていて
も良く、これらの構造単位を導入することにより、ベー
ス熱可塑性樹脂との相溶性を向上させて、樹脂組成物中
の(B)成分の分散性を向上させることができる。これ
らの構造単位は単独で用いても良いし、2種以上を組み
合わせて使用しても良い。
【0023】本発明の(B)成分のイオンコンプレック
スの添加量は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜
20重量%、さらに好ましくは1〜15重量%である。
(B)成分が0.1重量%未満では樹脂組成物の抗菌力
が得られず、一方、30重量%を超えると熱可塑性樹脂
本来の機械的物性や成形性が損なわれることがあり、好
ましくない。
スの添加量は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜
20重量%、さらに好ましくは1〜15重量%である。
(B)成分が0.1重量%未満では樹脂組成物の抗菌力
が得られず、一方、30重量%を超えると熱可塑性樹脂
本来の機械的物性や成形性が損なわれることがあり、好
ましくない。
【0024】本発明の熱可塑性ポリマー組成物の製造方
法については特に制限はなく、上記(A)及び(B)成
分を所定の配合比でヘンシェルミキサーやタンブラーで
混合した後、一軸あるいは多軸の押出機、バンバリーミ
キサー、ニーダー、ロールなどの公知の混練装置を用い
て溶融混練することにより得ることができる。また、ヘ
ンシェルミキサーやタンブラーなどによる原料の混合を
省略して各種原料を別々のフィーダーを用いて溶融混練
装置に供給し、混練して得ることもできる。
法については特に制限はなく、上記(A)及び(B)成
分を所定の配合比でヘンシェルミキサーやタンブラーで
混合した後、一軸あるいは多軸の押出機、バンバリーミ
キサー、ニーダー、ロールなどの公知の混練装置を用い
て溶融混練することにより得ることができる。また、ヘ
ンシェルミキサーやタンブラーなどによる原料の混合を
省略して各種原料を別々のフィーダーを用いて溶融混練
装置に供給し、混練して得ることもできる。
【0025】また、本発明においては、必要に応じて各
種添加剤成分、例えば、可塑剤、滑剤、安定剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤などをポリマー成
分の重合時やポリマー成形体の成形加工時に配合するこ
ともできる。このようにして得られた本発明の熱可塑性
ポリマー組成物は、一般に熱可塑性ポリマーの成形に用
いられている公知の方法、例えば射出成形、押出成形、
ブロー成形、インフレーション成形、真空成形などの方
法によって各種成形体に成形される。また、フィルムや
二軸延伸フイルム、シート、発泡シート、発泡ビーズな
どに成形された後、所望の成形体に成形される。
種添加剤成分、例えば、可塑剤、滑剤、安定剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤などをポリマー成
分の重合時やポリマー成形体の成形加工時に配合するこ
ともできる。このようにして得られた本発明の熱可塑性
ポリマー組成物は、一般に熱可塑性ポリマーの成形に用
いられている公知の方法、例えば射出成形、押出成形、
ブロー成形、インフレーション成形、真空成形などの方
法によって各種成形体に成形される。また、フィルムや
二軸延伸フイルム、シート、発泡シート、発泡ビーズな
どに成形された後、所望の成形体に成形される。
【0026】
【発明の実施の形態】なお、各物性の測定は以下に示す
方法に従って行った。 <抗菌力試験>樹脂組成物の平板成形体(厚さ2mm)
を50mm×50mmに切り出し、エタノールをしみ込
ませたガーゼで成形体表面をワイプして清浄にし、23
℃、60%相対湿度雰囲気下で24時間放置し、抗菌力
試験用検体とした。試験検体に菌液を0.5ml接種
し、45mm×45mmのポリエチレンフィルムを密着
させた後、37℃で保存し、保存開始時及び24時間後
にSCDLP培地(日本製薬(株)製)で生存菌を洗い
出した。この洗い出し液について菌数測定用標準寒天培
地(ニッスイ(株)製)を用いた寒天平板培養法(37
℃、24時間)により、生存菌数を測定し、検体1枚当
たりの生存菌数に換算した。
方法に従って行った。 <抗菌力試験>樹脂組成物の平板成形体(厚さ2mm)
を50mm×50mmに切り出し、エタノールをしみ込
ませたガーゼで成形体表面をワイプして清浄にし、23
℃、60%相対湿度雰囲気下で24時間放置し、抗菌力
試験用検体とした。試験検体に菌液を0.5ml接種
し、45mm×45mmのポリエチレンフィルムを密着
させた後、37℃で保存し、保存開始時及び24時間後
にSCDLP培地(日本製薬(株)製)で生存菌を洗い
出した。この洗い出し液について菌数測定用標準寒天培
地(ニッスイ(株)製)を用いた寒天平板培養法(37
℃、24時間)により、生存菌数を測定し、検体1枚当
たりの生存菌数に換算した。
【0027】なお、試験菌は大腸菌(IFO3301)
を使用した。試験菌液は大腸菌を、肉エキス5mg、ペ
プトン10mg、及び塩化ナトリウム5mgを1リット
ルの蒸留水に溶かした溶液に懸濁させ、1mlあたりの
菌数が106個となるように調製した。 <抗菌効果の環境依存性>抗菌効果の環境依存性を以下
の処理を行った後に上記の抗菌力試験を行うことにより
評価した。 (1)エージング 成形試験片を40℃のオーブン中で14日間エージング
処理を行った後、その表面をエタノールをしみ込ませた
ガーゼで成形体表面をふき取った後、23℃、60%相
対湿度雰囲気下で24時間放置後、前述の抗菌力評価を
行った。
を使用した。試験菌液は大腸菌を、肉エキス5mg、ペ
プトン10mg、及び塩化ナトリウム5mgを1リット
ルの蒸留水に溶かした溶液に懸濁させ、1mlあたりの
菌数が106個となるように調製した。 <抗菌効果の環境依存性>抗菌効果の環境依存性を以下
の処理を行った後に上記の抗菌力試験を行うことにより
評価した。 (1)エージング 成形試験片を40℃のオーブン中で14日間エージング
処理を行った後、その表面をエタノールをしみ込ませた
ガーゼで成形体表面をふき取った後、23℃、60%相
対湿度雰囲気下で24時間放置後、前述の抗菌力評価を
行った。
【0028】(2)温水浸漬 成形試験片を40℃の温水中に7日間浸漬処理を行った
後、その表面をエタノールをしみ込ませたガーゼで成形
体表面をふき取った後、23℃、60%相対湿度雰囲気
下で24時間放置後、前述の抗菌力評価を行った。 <温水浸漬後の表面外観観察>40℃の温水中に7日間
浸漬処理を行った成形体の表面外観を目視により評価し
た。○は外観異常がないことを示す。 [製造例1 ポリヘキサメチレンビグアナイド/ラウリ
ルスルホン酸イオンコンプレックス(B−1)の製
造)]ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩水溶液
(三洋化成(株)製、商品名BG−IR、20wt%水
溶液)100gに攪拌しながら10wt%のラウリルス
ルホン酸ソーダ500gを加え、沈殿物を濾別回収し、
真空乾燥機で乾燥させ、ポリヘキサメチレンビグアナイ
ド/ラウリルスルホン酸イオンコンプレックス(B−
1)を得た。 [製造例2 ポリアリルアミン/ラウリルスルホン酸イ
オンコンプレックス(B−2)の製造)]ポリアリルア
ミン塩酸塩水溶液(日東紡績(株)製、10wt%水溶
液)100gに攪拌しながら10wt%のラウリルスル
ホン酸ソーダ500gを加え、沈殿物を濾別回収し、真
空乾燥機で乾燥させ、ポリアリルアミン/ラウリルスル
ホン酸イオンコンプレックス(B−2)を得た。
後、その表面をエタノールをしみ込ませたガーゼで成形
体表面をふき取った後、23℃、60%相対湿度雰囲気
下で24時間放置後、前述の抗菌力評価を行った。 <温水浸漬後の表面外観観察>40℃の温水中に7日間
浸漬処理を行った成形体の表面外観を目視により評価し
た。○は外観異常がないことを示す。 [製造例1 ポリヘキサメチレンビグアナイド/ラウリ
ルスルホン酸イオンコンプレックス(B−1)の製
造)]ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩水溶液
(三洋化成(株)製、商品名BG−IR、20wt%水
溶液)100gに攪拌しながら10wt%のラウリルス
ルホン酸ソーダ500gを加え、沈殿物を濾別回収し、
真空乾燥機で乾燥させ、ポリヘキサメチレンビグアナイ
ド/ラウリルスルホン酸イオンコンプレックス(B−
1)を得た。 [製造例2 ポリアリルアミン/ラウリルスルホン酸イ
オンコンプレックス(B−2)の製造)]ポリアリルア
ミン塩酸塩水溶液(日東紡績(株)製、10wt%水溶
液)100gに攪拌しながら10wt%のラウリルスル
ホン酸ソーダ500gを加え、沈殿物を濾別回収し、真
空乾燥機で乾燥させ、ポリアリルアミン/ラウリルスル
ホン酸イオンコンプレックス(B−2)を得た。
【0029】
【実施例1、2】表1に示すように上記の製造例で得た
(B−1)及び(B−2)とハイインパクトポリスチレ
ン(HIPS)(旭化成工業(株)製、商品名 スタイ
ロンEXZ13)及びアクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン共重合体(ABS)(旭化成工業(株)製、商
品名 スタイラック220B)を]二軸押出機(ZSK
−25、WERNER & PFLEIDERER社
製、ドイツ国)を用いて溶融混練、ペレタイズを行って
ポリマー組成物を得た。ここで、混練温度(シリンダ−
設定温度)は220℃とした。得られたポリマー組成物
のペレットから射出成形機(オートショット50Bファ
ナック(株)製)を用いて試験用平板(100mm×1
00mm×2mm(t))を作製した。成形機のシリン
ダー設置温度は210℃とし、金型温度は60℃とし
た。得られた樹脂成形体の抗菌力試験結果を表1に示
す。
(B−1)及び(B−2)とハイインパクトポリスチレ
ン(HIPS)(旭化成工業(株)製、商品名 スタイ
ロンEXZ13)及びアクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン共重合体(ABS)(旭化成工業(株)製、商
品名 スタイラック220B)を]二軸押出機(ZSK
−25、WERNER & PFLEIDERER社
製、ドイツ国)を用いて溶融混練、ペレタイズを行って
ポリマー組成物を得た。ここで、混練温度(シリンダ−
設定温度)は220℃とした。得られたポリマー組成物
のペレットから射出成形機(オートショット50Bファ
ナック(株)製)を用いて試験用平板(100mm×1
00mm×2mm(t))を作製した。成形機のシリン
ダー設置温度は210℃とし、金型温度は60℃とし
た。得られた樹脂成形体の抗菌力試験結果を表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】表1より実施例1、2の樹脂成形体はいず
れも優れた抗菌性能を示し、また耐水性にも優れること
がわかる。
れも優れた抗菌性能を示し、また耐水性にも優れること
がわかる。
【0032】
【比較例1〜3】ベースポリマーであるHIPS、及び
ABSの抗菌力試験結果を表1の比較例1、2に、HI
PSとポリヘキサメチレンビグアナイドの混練り結果を
比較例3に示す。
ABSの抗菌力試験結果を表1の比較例1、2に、HI
PSとポリヘキサメチレンビグアナイドの混練り結果を
比較例3に示す。
【0033】
【発明の効果】本発明の抗菌性熱可塑性樹脂組成物は、
優れた抗菌力を発現すると共に、機械的特性にも優れ、
また水洗、雑巾拭き等にも優れた長期耐性を有する。こ
のため、本熱可塑性ポリマー組成物は広範囲の用途、例
えば、各種のOA機器や家電製品、あるいは便座、洗面
台用部品などの各種サニタリー用品、その他建材、車両
部品、日用品、玩具、雑貨などの幅広い用途に好適であ
る。
優れた抗菌力を発現すると共に、機械的特性にも優れ、
また水洗、雑巾拭き等にも優れた長期耐性を有する。こ
のため、本熱可塑性ポリマー組成物は広範囲の用途、例
えば、各種のOA機器や家電製品、あるいは便座、洗面
台用部品などの各種サニタリー用品、その他建材、車両
部品、日用品、玩具、雑貨などの幅広い用途に好適であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂99.9〜70重量
%、(B)ポリヘキサメチレンビグアナイドおよび/又
はポリアリルアミンと、長鎖アルキル基を有する有機ス
ルホン酸塩および/又はスルホン酸塩構造を有する重合
体とからなるイオンコンプレックス0.1〜30重量%
からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)がスチレン系樹脂で
あることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4102896A JPH09235478A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 抗菌性熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4102896A JPH09235478A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 抗菌性熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09235478A true JPH09235478A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=12596951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4102896A Withdrawn JPH09235478A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 抗菌性熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09235478A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008524410A (ja) * | 2004-12-21 | 2008-07-10 | バイエル・イノベーシヨン・ゲー・エム・ベー・ハー | 耐感染性ポリウレタンフォーム、その製造方法および殺菌性創傷被覆におけるその使用 |
JP2010229312A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Fuji Xerox Co Ltd | 樹脂組成物、および樹脂成形体 |
-
1996
- 1996-02-28 JP JP4102896A patent/JPH09235478A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008524410A (ja) * | 2004-12-21 | 2008-07-10 | バイエル・イノベーシヨン・ゲー・エム・ベー・ハー | 耐感染性ポリウレタンフォーム、その製造方法および殺菌性創傷被覆におけるその使用 |
JP2010229312A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Fuji Xerox Co Ltd | 樹脂組成物、および樹脂成形体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030506 |