JPH08217936A - 抗菌防黴性樹脂組成物 - Google Patents

抗菌防黴性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH08217936A
JPH08217936A JP4651195A JP4651195A JPH08217936A JP H08217936 A JPH08217936 A JP H08217936A JP 4651195 A JP4651195 A JP 4651195A JP 4651195 A JP4651195 A JP 4651195A JP H08217936 A JPH08217936 A JP H08217936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
component
resin
polymer
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4651195A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Motai
政明 馬渡
Koji Okada
公二 岡田
Hideyuki Kurimoto
英幸 栗本
Hisao Nagai
久男 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP4651195A priority Critical patent/JPH08217936A/ja
Publication of JPH08217936A publication Critical patent/JPH08217936A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌性、防黴性及び成形品表面外観に優れ、
広範囲の用途に使用し得る抗菌防黴性樹脂組成物を提供
する。 【構成】 特定の固有粘度のスチレン系樹脂100重量
部に、ホウ酸系ガラス0.01〜10重量部を配合して
なる抗菌防黴性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性、防黴性及び成
形品表面外観に優れたスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂、AS樹脂、透明ABS樹脂
等のスチレン系樹脂は、成形品表面外観、成形加工性、
物理的性質、機械的性質に優れることから、電気・電子
分野、OA・家電分野、自動車分野、便座・台所・風呂
場廻りなどのサニタリー分野、文具関連分野、雑貨等の
幅広い分野に使用されている。近年、これらに使われて
いる製品において、細菌や黴が発生する場合があり、人
体に悪影響を及ぼすことが指摘されている。細菌にたい
しては、一般に銀系抗菌剤を配合したスチレン系樹脂が
商品化され、各種分野で使用されている。但し、通常の
銀系抗菌剤を配合したスチレン系樹脂では、黴発育阻止
性は十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、抗菌性、防黴性及び
成形品表面外観に優れ、広範囲の用途に使用し得る抗菌
防黴性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)(A)ゴム質重合体存在下又は非存在下に芳香族ビニル化合物、又は芳香 族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体からな る、樹脂質重合体を重合してなるスチレン系樹脂 10〜100重量% (B)他の熱可塑性樹脂 0〜90重量% (A)+(B)100重量部に対して (C)ホウ酸系ガラス 0.01〜10重量部 上記 (A)+(B)+(C) からなる組成物におい
て(A)成分の樹脂質重合体の固有粘度(メチルエチル
ケトンを溶媒として30℃で測定)が、0.2〜0.8
dl/gであることを特徴とする抗菌防黴性樹脂組成
物。 (2)(A)上記(1)の(A)成分 10〜100重量% (B)上記(1)の(B)成分 0〜90重量% (A)+(B)100重量部に対して (C)上記(1)の(C)成分 0.01〜10重量部 (D)ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレン グリコール含有重合体、ポリエチレンオキサイド含有重合体又は帯電防止剤から 選ばれた少なくとも1種 0.01〜30重量部 上記 (A)+(B)+(C)+(D) からなる組成
物であって、(A)成分の樹脂質重合体の固有粘度(メ
チルエチルケトンを溶媒として30℃で測定)が0.2
〜0.8dl/gであることを特徴とする抗菌防黴性樹
脂組成物 (3)(C)成分が酸化銀を含有するホウ酸系ガラスで
あることを特徴とする上記(1)または(2)記載の組
成物を提供するものである。
【0005】本発明の(A)スチレン系樹脂は、ゴム状
重合体の存在下または非存在下に、芳香族ビニル化合物
または芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単
量体からなる単量体成分を(グラフト)重合して得られ
る(グラフト)重合体樹脂(ゴム変性芳香族ビニル樹
脂)であっても、また上記の単量体成分を重合して得ら
れる熱可塑性樹脂と該グラフト重合体樹脂とをブレンド
して得られるブレンド系のグラフト共重合体樹脂であっ
てもよい。
【0006】ここで、本発明に使用されるゴム状重合体
としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブ
チルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含
量5〜60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン
共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エ
チレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オ
レフィン−ポリエン共重合体、シリコンゴム、アクリル
ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素
化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化ブタ
ジエン系重合体、エチレン系アイオノマーなどが挙げら
れる。また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
スチレン−イソプレンブロック共重合体には、AB型、
ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造
を有するものなどが含まれる。さらに、水素化ブタジエ
ン系重合体は、上記ブロック共重合体の水素化物のほか
に、スチレンブロックとスチレン−ブタジエンランダム
共重合体のブロック体の水素化物、ポリブタジエン中の
1,2−ビニル結合含量が20重量%以下のブロックと
1,2−ビニル結合含量が20重量%を超えるポリブタ
ジエンブロックからなる重合体の水素化物などが含まれ
る。これらのゴム状重合体は、1種単独でまたは2種以
上で使用される。耐衝撃性の面からゴム質重合体存在下
に得られたスチレン系樹脂またはゴム質重合体存在下に
得られたスチレン系樹脂とゴム質重合体非存在下に重合
して得られたスチレン系樹脂との混合物を使用すること
が好ましい。
【0007】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチ
レン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニル
ピリジン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジク
ロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタ
レンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種単
独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0008】また、他の単量体としては、アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合
物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、アミノアクリレ
ート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリ
レート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート
などのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、アミノメタクリレート、ヘキシルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート
などのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物;ア
クリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−
(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα,β−
不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グリシジルメタク
リレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基
含有不飽和化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド
などの不飽和カルボン酸アミド;アクリルアミン、メタ
クリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエーテル、
メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレンなどのア
ミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシ−1−プロペ
ン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキ
シ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテ
ン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシスチレンなどの水酸基含有
不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサゾリン
基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0009】芳香族ビニル化合物と共重合可能な上記単
量体の中で特に好ましいものは、シアン化ビニル化合
物、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和酸無水物、不
飽和酸、α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物、
エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物
から選ばれた1種または2種以上の単量体である。特に
好ましい芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の単量体
の具体的なものとしては、アクリロニトリル、メタクリ
ル酸、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、N−フ
ェニルマレイミド、グリシジルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレートなどである。
【0010】上記α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド
化合物共重合体において、前記芳香族ビニル化合物と前
記不飽和酸無水物との共重合体を、後イミド化(完全又
は部分)したものも本発明の(A)成分に含まれる。上
記(A)成分は、1種又は2種以上併用して使用するこ
ともできる。
【0011】本発明の目的のひとつである防黴性の面か
ら、ゴム質重合体量20〜70重量%のグラフト体と、
ゴム質重合体非存在下に重合されたスチレン系樹脂とを
(A)成分として、ゴム量が2〜30重量%、さらに好
ましくは5〜30重量%、特に好ましくは5〜26重量
%のものが好ましい。
【0012】(A)成分のグラフト体のグラフト率、す
なわちゴム質重合体にグラフトしている芳香族ビニル化
合物又は他の単量体との(共)重合体の量は、20〜1
50重量%の範囲にあることが、本発明の目的を達成す
る上で好ましい。また(A)成分のメチルエチルケトン
可溶分の固有粘度(メチルエチルケトンを溶媒として3
0℃で測定)が、0.2〜0.8dl/g、好ましくは
0.3〜0.7dl/gにあることが、本発明の目的を
達成する上で必要である。固有粘度が0.2dl/g未
満では防黴性が劣り、0.8dl/gを超えると成形品
表面外観が劣る。本発明の(A)成分の使用量は、本発
明の(A)+(B)成分中10〜100重量%であり、
10重量%未満では防黴性が劣り好ましくない。
【0013】本発明の(A)成分は、公知の重合法であ
る乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等で得るこ
とができる。特に好ましいのは、乳化重合、溶液重合で
得られたものである。(A)成分にゴム質重合体を用い
た場合、(A)成分に分散したゴム質重合体の平均粒子
径は2μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以
下、特に好ましくは0.05〜0.5μmである。
【0014】(B)成分の他の熱可塑性樹脂としては、
公知のものがすべて使用できるが、好ましい具体例とし
ては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポ
リアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル樹脂、芳香族ポリ
カーボネート樹脂、PPS樹脂、液晶ポリエステル樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルフォン樹脂等であ
る。本発明の(B)成分の使用量は、(A)+(B)成
分中0〜90重量%であり、90重量%を超えると防黴
性が劣る。
【0015】本発明の(C)成分であるホウ酸系ガラス
としては、特に限定はないが、ホウ素の酸化物(B
23)を含有するものである。B23の含有量としては
5〜70重量%であり、好ましくは10〜60重量%、
特に好ましくは15〜60重量%である。ホウ酸系ガラ
スは、通常、他にSiO2を含有し、またR2O(RはL
i、Na、Kなど)を含有してもよい。具体的な組成と
しては、好ましくは以下の組成のものである。 SiO2 25〜60重量% B23 18〜60重量% Al23 0〜20重量% R2O 8〜30重量% (R;Li、Na、K) R′O 0〜20重量% (R′;Ca、Mg、Z
n、Ba)
【0016】(C)成分の平均粒子径は50μm以下が
好ましく、さらに好ましくは30μm以下、特に好まし
くは20μm以下である。(C)成分には、10重量%
以下の酸化銀などの銀化合物を含有してよい。銀化合物
の含有量は、本発明の樹脂組成物に対して好ましくは0
〜5重量%、さらに好ましくは0〜2重量%、特に好ま
しくは0.001〜1重量%である。本発明の(C)成
分に酸化銀(Ag2O)を含む場合、酸化銀量は、ホウ
酸系ガラス中0.05〜10重量%である。特に好まし
いものは、前記組成のホウ酸系ガラスに酸化銀を0.0
5〜3重量%含有するものである。酸化銀などの銀化合
物を含まないものは色変化が少なく、また銀化合物を含
んだものは抗菌性に特に優れる。本発明の(C)成分の
使用量は、(A)+(B)100重量部に対して0.0
1〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さら
に好ましくは0.05〜3重量部である。0.01重量
部未満では抗菌性及び防黴性が発現されず、10重量部
を超えると成形品表面外観が劣る。また本発明の(C)
成分は、アミノシラン、エポキシシラン等のカップリン
グ剤で表面処理したものを用いると、耐衝撃性を向上さ
せることができる。
【0017】本発明の(D)成分としてポリエチレング
リコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリ
コール含有重合体、ポリエチレンオキサイド含有重合体
又は帯電防止剤が使用されるが、(D)成分を配合する
ことで抗菌性、防黴性をさらに向上させることができ
る。好ましい(D)成分としては、ポリエチレンオキサ
イド、ポリエチレングリコール含有重合体、帯電防止剤
である。ここで使用されるポリエチレンオキサイドで好
ましいものは、平均分子量が5万〜50万、さらに好ま
しくは10万〜40万のものである。ポリエチレングリ
コール含有重合体としては、エチレンオキシドの繰り
返し単位を有する不飽和化合物と前記芳香族ビニル化合
物、前記芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル
単量体との共重合体、ポリエチレングリコール含有ブ
ロック共重合体、ポリエチレングリコールをグラフト重
合した重合体等がある。ポリエチレングリコール含有ブ
ロック共重合体としては、公知のポリアミドエラストマ
ー、ポリアミドイミドエラストマー、ポリエステルエラ
ストマー等があり、ポリエチレングリコールをグラフト
重合した重合体としては、公知のポリアミド重合体にポ
リエチレングリコールをグラフトしたもの等がある。
(D)成分に使用されるポリエチレングリコールには、
分子中にビスフェノールAを含むものも使用される。
【0018】本発明で使用される帯電防止剤としては、
通常使用される帯電防止剤がすべて使用される。ここで
使用される帯電防止剤としては、アニオンタイプ、カチ
オンタイプ、非イオンタイプ、両性タイプ等があり、い
ずれも使用される。特に好ましいものは、アニオンタイ
プ、非イオンタイプであり、その中でもスルフォン酸ソ
ーダ系、モノグリセライド系が好ましい。
【0019】(D)成分の使用量は、(A)+(B)成
分100重量部に対して0.01〜30重量部であり、
好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.
5〜15重量部である。0.01重量部未満では、抗菌
防黴性の向上効果が見られず、30重量部を超えると成
形品表面外観が劣る。本発明の(D)成分は、1種また
は2種以上併用して用いることができる。
【0020】なお、本発明の組成物には、ガラス繊維、
炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、ワラストナイト、
ガラスのミルドファイバー、ロックフィラー、ガラスフ
レーク、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、
硫酸バリウム、黒鉛、木粉、二硫化モリブデン、酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウ
ィスカー、ガラスバルーン、セラミックバルーン等の充
填材を1種単独であるいは併用することができる。これ
らの充填材のうちガラス繊維、炭素繊維の形状として
は、6〜60μmの繊維径と30μm以上の繊維長を有
するものが好ましい。これらの充填材は、本発明の組成
物100重量部に対して、通常、1〜200重量部の範
囲で用いられる。
【0021】また、本発明の組成物には、公知のカップ
リング剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、難燃助剤、酸化防
止剤、耐候(光)剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料
等)、滑剤、金属粉等の添加物を配合することができ
る。
【0022】本発明の抗菌防黴性樹脂組成物は、各種押
出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用
い、各成分を混練りすることによって得られる。好まし
い製造方法は、押出機を用いる方法である。また、各成
分を混練りするに際しては、各成分を一括混練りしても
よく、多段添加方式で混練りしてもよい。このようにし
て得られる本発明の抗菌防黴性樹脂組成物は、射出成
形、シート押し出し、真空成形、異形成形、発泡成形、
インジェクションプレス、ガスアシスト成形、プレス成
形、ブロー成形などによって各種成形品に成形すること
ができる。
【0023】上記成形法によって得られる各種成形品
は、その優れた性質を利用して、自動販売機、冷蔵庫、
エアクリーナー、洗濯機、エアコン、便座、加湿器、浄
水器、電話器等の通話機、口腔内ブラシ、ペット用器
具、排水トラップ等の各種パーツ、他家電製品の各種パ
ーツ、キーボード、プリンター、複写機、フロッピーデ
ィスク等のOA関連機器のパーツ、ゲーム機の各種パー
ツ、ゲーム機のカセットパーツ、玩具およびスポーツ
用、住宅関連の各種パーツ、文具・各種事務用品、ベッ
ド部品、病院内の部品、車両内装、浴室・台所・トイレ
のパーツ、各種押しボタン、カバン、電車の吊革、理容
・美容関連機器部品、土木関連機器部品、船舶関連部
品、靴の中敷き、排・入気ファン関連部品等に使用する
ことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして測定した値である。
【0025】抗菌性 検体(樹脂平板の成形品)に、大腸菌の菌液(1mlあ
たりの菌数が約106)を0.2ml接種し、ポリエチ
レンフィルムを密着させたのち、35℃で保存し、保存
開始時および6時間後、24時間後にSCDLP寒天培
地〔日本製薬(株)製〕で生菌を洗い出した。この洗い出
し液について、菌数測定用培地を用いた寒天平板培養法
(35℃、2日間)により生菌数を測定し、検体1枚あ
たりの生菌数に換算した。なお、実施例、比較例で試験
した初期菌数は、3×105であった。
【0026】防黴性 (1)試験菌株 Aspergillus niger IFO 6342 Penicillium funiculosum IFO 6345 Chaetomium globosum ATCC 6205 Gliocladium virens IFO 6355 Aureobasidium pullulans IFO 6353 (2)混合胞子懸濁液の調製 ポテトデキストロース寒天斜面培地で十分に形成させた
各試験菌株の胞子を、それぞれ滅菌0.005%スルホ
こはく酸ジオクチルナトリウム溶液に加えて懸濁させ
た。この懸濁液から子実体・菌糸体を除去した後、これ
を1ml当たりの胞子数が1,000,000±20
0,000個となるように無機塩培地(表1)に加えて
単一胞子懸濁液とした。次に、各単一胞子懸濁液を等量
混合して、混合胞子懸濁液とした。 表1 無機塩培地の組成 ───────────────────────── リン酸水素二カリウム 0.7g リン酸二水素カリウム 0.7g 硫酸マグネシウム 7水和物 0.7g 硝酸アンモニウム 1.0g 塩化ナトリウム 0.005g 硫酸第一鉄 7水和物 0.002g 硫酸亜鉛 7水和物 0.002g 硫酸マンガン 7水和物 0.001g 精製水 1,000ml PH 6.0〜6.5 ───────────────────────── (3)試験操作 無機塩寒天平板培地(1.5%寒天含有無機塩培地を固
化させて平板としたもの)上に試験片を置き、混合胞子
懸濁液を噴霧して温度28〜30℃、相対湿度85%以
上で21日間培養した。21日目の表面に生じた菌糸の
発育状態を肉眼及び実体顕微鏡下で観察した。なお、無
機塩寒天平板培地上に直径25.4mmの滅菌したろ紙
をのせ、これに混合胞子懸濁液を噴霧して温度28〜3
0℃、相対湿度85%以上で14日間培養し、ろ紙片表
面に黴の発育を確認した。 (4)試験結果の表示方法 試験結果を表2に示した方法で表示した。 表2 試験結果の表示方法 ────────────────────────────────── 表示 表示内容 ────────────────────────────────── 0 黴の発育が認められない 1 黴の発育がわずか(試験片表面の10%以下)に認められる 2 黴の発育が少し(試験片表面の10%〜30%)認められる 3 黴の発育が中程度(試験片表面の30%〜60%)に認められる 4 黴の発育が激しく(試験片表面の60%以上)認められる ──────────────────────────────────
【0027】成形品表面外観 板状成形品を成形し、成形品表面外観を下記の評価基準
で目視評価した。 ○:外観良好 ×:外観劣る成形品の着色性 板状成形品を成形し、成形品の着色性(黒色)を下記の
評価基準で目視評価した。 ○:黒色の着色性が無い △:黒色の着色性がわずかにある
【0028】参考例ゴム質重合体(a)−1〜(a)−5の調製 本発明の(A)スチレン系樹脂に用いられるゴム質重合
体を表3に示す。
【0029】スチレン系樹脂(A)−1〜(A)−15
の調製 上記ゴム質重合体(a)−1〜(a)−5の存在下に単
量体成分を重合した樹脂、およびゴム質重合体(a)を
存在させずに単量体成分を重合した樹脂をそれぞれ得
た。これらの樹脂の組成、メチルエチルケトン可溶部の
固有粘度、および電子顕微鏡観察から測定した平均ゴム
粒径を表4に示した。なお、重合体(A)−1、(A)
−2、(A)−3、(A)−5、(A)−8、(A)−
12、(A)−13は乳化重合で重合し、硫酸で凝固回
収した。重合体(A)−4、(A)−6、(A)−7、
(A)−9、(A)−10、(A)−11、(A)−1
4は溶液重合で得た。(A)−15は、透明ABSとし
て日本合成ゴム(株)製#58を用いた。
【0030】
【表4】
【0031】(B)成分 本発明の(B)成分として下記の重合体を用いた。 (B)−1:ポリアミド6として東レ(株)製 アミラン
CM1017を用いた。 (B)−2:PBTとして鐘紡(株)製 PBT−124
を用いた。 (B)−3:ポリカーボネートとして帝人化成(株)製
パンライトL−1225を用いた。
【0032】(C)成分 本発明の(C)成分として下記のものを用いた。
【0033】(D)成分 本発明の(D)成分として下記のものを用いた。 (D)−1:ポリアミド6オリゴマー/ポリエチレング
リコール(PEG1500)=50/50%のマルチブ
ロック共重合体、ギ酸(25℃、濃度0.5g/100
ml)で測定した還元粘度2.0、ポリアミドの融点2
05℃のものを用いた。 (D)−2:分子量20万のポリエチレンオキサイドを
用いた。 (D)−3:下記の構造を有する帯電防止剤を用いた。
【0034】実施例1〜29、比較例1〜6 抗菌防黴性樹脂組成物の調製は、上記成分を水分量0.
1%以下まで乾燥し、表5〜7の配合処方と、滑剤とし
てヘキスト社製ワックスEを1.0部を混合し、ベント
付き二軸押出機を用いて溶融混練りし、ペレット化する
ことにより行った。得られたペレットを水分量0.1%
以下まで乾燥し、射出成形により抗菌性、防黴性および
成形品表面外観評価用試験片を成形し、上記評価方法で
評価した。評価結果を表5〜7に示した。また表中、固
有粘度は(A)成分のメチルエチルケトン可溶部の固有
粘度を示す。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】比較例1は、(A)成分のメチルエチルケ
トン可溶部の固有粘度が本発明の範囲外で高いものであ
り、成形品表面外観が劣る。また逆に比較例2は、固有
粘度が本発明の範囲外で低いものであり、防黴性が劣
る。比較例3は、本発明の(C)成分の使用量が本発明
の範囲外で少ないものであり、抗菌性及び防黴性が劣
る。比較例4は、本発明の(C)成分の使用量が本発明
の範囲外で多いものであり、成形品表面外観が劣る。比
較例5は、本発明の(C)成分がホウ酸を含まないもの
であり、抗菌性及び防黴性が劣る。比較例6は、本発明
の(D)成分の使用量が本発明の範囲外で多いものであ
り、成形品表面外観が劣る。
【0039】
【発明の効果】本発明の抗菌防黴性樹脂組成物は、抗菌
性、防黴性及び成形品表面外観に優れ、広範囲の用途に
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 51/04 71:00) (72)発明者 永井 久男 東京都中央区築地2丁目11番24号日本合成 ゴム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム質重合体存在下又は非存在下に芳香族ビニル化合物、又は芳香族ビ ニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体からなる、 樹脂質重合体を重合してなる、スチレン系樹脂 10〜100重量% (B)他の熱可塑性樹脂 0〜90重量% (A)+(B) 100重量部に対して (C)ホウ酸系ガラス 0.01〜10重量部 上記(A)+(B)+(C)からなる組成物において、
    (A)成分の樹脂質重合体の固有粘度(メチルエチルケ
    トンを溶媒として30℃で測定)が、0.2〜0.8
    dl/gであることを特徴とする抗菌防黴性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)請求項1の(A)成分 10〜100重量% (B)請求項1の(B)成分 0〜90重量% (A)+(B) 100重量部に対して (C)請求項1の(C)成分 0.01〜10重量部 (D)ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリ コール含有重合体、ポリエチレンオキサイド含有重合体又は帯電防止剤から選ば れた少なくとも1種 0.01〜30重量部 上記 (A)+(B)+(C)+(D) からなる組成
    物であって、(A)成分の樹脂質重合体の固有粘度(メ
    チルエチルケトンを溶媒として30℃で測定)が0.2
    〜0.8dl/g であることを特徴とする抗菌防黴性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(C)成分が酸化銀を含有するホウ酸系ガ
    ラスであることを特徴とする請求項第1または第2項記
    載の組成物。
JP4651195A 1995-02-10 1995-02-10 抗菌防黴性樹脂組成物 Pending JPH08217936A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4651195A JPH08217936A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 抗菌防黴性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4651195A JPH08217936A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 抗菌防黴性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08217936A true JPH08217936A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12749294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4651195A Pending JPH08217936A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 抗菌防黴性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08217936A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2310140A (en) * 1996-01-12 1997-08-20 Trevor Woolard Bactericidal compositions
JP2018104687A (ja) * 2016-12-23 2018-07-05 ロッテ アドバンスト マテリアルズ カンパニー リミテッド 耐電離放射線性熱可塑性樹脂組成物およびこれを含む成形品
WO2018124657A1 (ko) * 2016-12-28 2018-07-05 롯데첨단소재(주) 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
KR20180077044A (ko) * 2016-12-28 2018-07-06 롯데첨단소재(주) 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
JP2020535266A (ja) * 2017-09-28 2020-12-03 ロッテ ケミカル コーポレイション 耐電離放射線性熱可塑性樹脂組成物及びこれを含む成形品
WO2022080640A1 (ko) * 2020-10-14 2022-04-21 (주) 엘지화학 열가소성 수지 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 성형품
US11505674B2 (en) 2017-11-08 2022-11-22 Lotte Chemical Corporation Thermoplastic resin composition and molded article produced from same

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2310140A (en) * 1996-01-12 1997-08-20 Trevor Woolard Bactericidal compositions
JP2018104687A (ja) * 2016-12-23 2018-07-05 ロッテ アドバンスト マテリアルズ カンパニー リミテッド 耐電離放射線性熱可塑性樹脂組成物およびこれを含む成形品
WO2018124657A1 (ko) * 2016-12-28 2018-07-05 롯데첨단소재(주) 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
KR20180077044A (ko) * 2016-12-28 2018-07-06 롯데첨단소재(주) 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
CN110114405A (zh) * 2016-12-28 2019-08-09 乐天尖端材料株式会社 热塑性树脂组合物及由其制造的模制品
JP2020503402A (ja) * 2016-12-28 2020-01-30 ロッテ アドバンスト マテリアルズ カンパニー リミテッド 熱可塑性樹脂組成物およびこれから製造された成形品
US10829628B2 (en) 2016-12-28 2020-11-10 Lotte Chemical Corporation Thermoplastic resin composition and molded article manufactured therefrom
CN110114405B (zh) * 2016-12-28 2022-06-17 乐天尖端材料株式会社 热塑性树脂组合物及由其制造的模制品
JP2020535266A (ja) * 2017-09-28 2020-12-03 ロッテ ケミカル コーポレイション 耐電離放射線性熱可塑性樹脂組成物及びこれを含む成形品
US11505674B2 (en) 2017-11-08 2022-11-22 Lotte Chemical Corporation Thermoplastic resin composition and molded article produced from same
WO2022080640A1 (ko) * 2020-10-14 2022-04-21 (주) 엘지화학 열가소성 수지 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 성형품

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5614568A (en) Antibacterial resin composition
EP3235868B1 (en) Thermoplastic resin composition and molded product comprising same
JPH1135787A (ja) 抗菌性熱可塑性樹脂組成物
EP0409657B1 (en) Impact modified thermoplastic blends
CN113785015A (zh) 热塑性树脂组合物和由其制造的模制品
JPH08217936A (ja) 抗菌防黴性樹脂組成物
JP3575127B2 (ja) 抗菌・防カビ性樹脂組成物
JP3569982B2 (ja) 抗菌性樹脂組成物
JPH09126184A (ja) ファン用樹脂組成物及びファン
JP4117713B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを成形してなる木目模様を有する成形品
CN116490567A (zh) 热塑性树脂组合物和由其产生的模制品
JP3389715B2 (ja) 抗菌性樹脂組成物
JPH0827306A (ja) 抗菌性樹脂組成物
JPH0925389A (ja) 抗菌防カビ性樹脂組成物
JP3575125B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2000026699A (ja) 抗菌性熱可塑性樹脂組成物
WO2015008945A1 (ko) 내충격성과 투명성이 우수한 (메트)아크릴레이트계 수지 조성물
JP4197068B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP3511746B2 (ja) 難燃抗菌防黴性樹脂組成物
JP3717217B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体
JPS6343949A (ja) ポリカ−ボネ−ト樹脂組成物
JP2873893B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2005206670A (ja) 難燃性樹脂組成物及びその製造方法
JPH11228765A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4442780B2 (ja) スチレン系樹脂組成物