JP3569982B2 - 抗菌性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は抗菌性、透明性および成形品表面外観に優れたスチレン系樹脂組成物に関する。
【従来の技術】
ABS樹脂などのスチレン系樹脂は、成形品表面外観、成形加工性物理的性質、機械的性質が優れることから、電気・電子分野、OA・家電分野、自動車分野、便座・台所・風呂場廻りなどのサニタリー分野、雑貨などの幅広い分野に使用されている。
近年、これらに使われている製品において細菌が発生したりして人体に悪影響を及ぼすことが指摘されている。
細菌などの発生する商品にも多くのスチレン系樹脂が使用されており、スチレン系樹脂に抗菌性を付与することが望まれている。
スチレン系樹脂に抗菌性を付与する方法として市販の抗菌剤を練り込む方法があるが、透明スチレン系樹脂の場合、透明性が損なわれるという欠点があった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の課題を背景になされたもので、抗菌性、透明性および成形品表面外観に優れ、広範囲の用途に使用し得る抗菌性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0002】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)(a)ゴム状重合体の存在下に、(b)芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単量体からなる単量体成分を重合して得られる重合体樹脂を含む透明性スチレン系ゴム強化樹脂100重量部に対し、(B)銀もしくは銀化合物を含有するガラス系抗菌剤0.01〜30重量部を含有してなる抗菌性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の(A)透明性スチレン系ゴム強化樹脂は、(a)ゴム状重合体の存在下に、(b)芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単量体からなる単量体成分を(グラフト)重合して得られる(グラフト)重合体樹脂(ゴム変性芳香族ビニル樹脂)であっても、また上記(b)の単量体成分を重合して得られる熱可塑性樹脂と該グラフト重合体樹脂とをブレンドして得られるブレンド系のグラフト共重合体樹脂であっても、さらには単に(a)ゴム状重合体と(b)成分からなる熱可塑性樹脂とのブレンド物であってもよい。(A)透明性スチレン系ゴム強化樹脂は、耐衝撃性および抗菌性の面から好ましくは(a)ゴム状重合体5〜60重量%および(b)芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単量体からなる単量体成分95〜40重量%[ただし、(a)+(b)=100重量%]の構成成分からなるゴム強化樹脂である。
ここで、本発明に使用される(a)ゴム状重合体としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量5〜60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体、シリコンゴム、アクリルゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造を有するものなどが含まれる。さらに、水素化ブタジエン系重合体は、上記ブロック共重合体の水素化物のほかに、スチレンブロックとスチレン−ブタジエンランダム共重合体のブロック体の水素化物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結合含量が20重量%以下のブロックと1,2−ビニル結合含量が20重量%を超えるポリブタジエンブロックからなる重合体の水素化物などが含まれる。これらの(a)ゴム状重合体は、1種単独でまたは2種以上で使用される。
耐衝撃性の面からゴム質重合体存在下に得られたスチレン系樹脂またはゴム質重合体存在下に得られたスチレン系樹脂とゴム質重合体非存在下に重合して得られたスチレン系樹脂との混合物を使用することが好ましい。
これら(a)ゴム状重合体の中で、エチレン−プロピレン共重合体、アクリルゴムおよび水素化ブタジエン系重合体が抗菌性の面から好ましい。
(a)ゴム状重合体の含有量は、(A)成分中に好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%である。(a)成分が5重量%未満では耐衝撃性が劣り、一方、60重量%を超えると剛性が劣る。
また、(b)成分を構成する単量体は、芳香族ビニル化合物または該芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単量体である。
【0003】
この(b)成分を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種単独あるいは2種以上混合して用いられる。
また、(b)成分を構成する他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミノアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリ酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミノメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリ酸エステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合物:アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエーテル、メタクリル酸アミノフプロピル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物:3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシスチレンなどの水酸基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。
(b)成分を構成する芳香族ビニル化合物と共重合可能な上記単量体の中で特に好ましいものは、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和酸無水物、不飽和酸、α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物から選ばれた1種または2種以上の単量体である。
(b)成分として特に好ましい他の単量体の具体的なものとしては、アクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタクリレート、無水マレイ酸、N−フェニルマレイミド、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどである。
(b)成分の使用量は、本発明の(A)成分中に好ましくは40〜95重量%、さらに好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは60〜95重量%である。(b)成分の使用量が40重量%未満では剛性が劣り、一方95重量%を超えると耐衝撃性が劣る。
本発明の(A)成分中のメチルエチルケトン可溶分の固有粘度(メチルエチルケトンを溶媒として30℃で測定)は、0.2〜2dl/gが好ましい。この固有粘度が0.2dl/g未満では耐衝撃性が劣り、一方2dl/gを超えると流動性が劣る。この固有粘度は、連鎖移動剤、重合時間、重合温度などによって制御することができる。
【0004】
本発明の(A)成分は、(a)ゴム状重合体が、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどの場合には、乳化重合、溶液重合、バルク重合などを、またエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、ジエン系ゴム状重合体の水素添加物などの場合には、溶液重合、バルク重合を用い、これに(b)成分を構成する単量体成分をグラフトすることにより得られるグラフト重合体樹脂であることが好ましい。
また、(b)単量体成分のみから構成された熱可塑性樹脂を得て、上記グラフト共重合体樹脂と混合したものも、本発明の(A)成分として使用され、該熱可塑性樹脂を得るには、通常のよく知られた重合法でよい。すなわち、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、バルク重合が用いられる。
重合後の樹脂[(A)成分からなるグラフト重合体樹脂、あるいは(b)成分のみからなる熱可塑性樹脂]は、凝固、洗浄、脱溶などの回収工程を経て、乾燥後、粉体、または流体とする。
なお、ゴム成分を含む(A)成分のグラフト率は、通常、10〜200重量%であり、10重量%未満または200重量%を超えると、耐衝撃性が低くなる傾向にあり好ましくない。
ここで、グラフト率とは、グラフト重合体樹脂のゴム量に対し、ゴム状重合体に直接グラフト結合している共重合体成分の割合をいう。このグラフト率は、重合開始剤量、重合温度などによって制御することができる。このグラフト率の具体的な求め方は、まず本発明のスチレン系樹脂2gを室温のメチルエチルケトンに投入し、十分撹拌し、不溶解分(w)を求める。一方、不溶解分(w)中のゴム状重合体量は、重合処方をもとに算出することができる。この算出されたゴム状重合体をRとし、次式よりグラフト率を求める。
グラフト率(重量%)=[(w−R)/R]×100
また、グラフト率が30〜150重量%の範囲のものが耐衝撃性と抗菌性が特に優れる。
本発明の(A)成分にゴム質重合体を使用する場合、目的とする透明性を得るためには使用するゴム質重合体の屈折率とゴム質重合体存在下に重合された樹脂質重合体の屈折率を実質的に合わせるか、またはゴム質重合体の分散粒子径を800オームストロング以下にする方法がある。
本発明の(A)スチレン系樹脂の好ましい具体例は、ポリブタジエン−スチレン−メタクリル酸メチル−(アクリロニトリル)共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体−スチレン−メタクリル酸メチル−(アクリロニトリル)共重合体、水素化ポリブタジエン系重合体−スチレン−メタクリル酸メチル−(アクリロニトリル)共重合体などが挙げられる。
本発明の組成物は、透明スチレン系樹脂に特定の抗菌剤を配合し、透明性と抗菌性を有する材料を提供することを目的としている。本発明の特定の抗菌剤を一般的な不透明なスチレン系樹脂に配合した場合、抗菌性が劣る。
本発明の抗菌剤と透明スチレン系樹脂と組み合わせることで、一段と優れた抗菌性を有する熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0005】
本発明の(B)成分は、銀および銀化合物を含有するガラス系抗菌剤であり、銀化合物としては、例えばコロイダル状の銀(コロイダル銀)、炭酸銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、臭素酸銀、ヨウ素酸銀、過ヨウ素酸銀、リン酸銀、二リン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、タングステン酸銀、バナジン酸銀、チオシアン酸銀、アミド硫酸銀、ホウ酸銀、チオ硫酸銀、酸化銀、過酸化銀、硫化銀、フッ化銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、酢酸銀、安息香酸銀、乳酸銀、ピロリン酸銀、クエン酸銀、ベヘン酸銀、ジエチルカルバミン酸銀、ステアリン酸銀、カルボン酸銀、酒石酸銀、メタスルホン酸銀、トリフルオロ酸銀、リン酸もしくは亜リン酸のアルキルエステル、フェニルエステルもしくはアルキルフェニルエステルの銀塩、リンフッ化銀、フタロシアニン銀、エチレンジアミンテトラ酢酸銀、プロテイン銀などを挙げることができる。このうち好ましいものは酸化銀である。
また銅化合物、亜鉛化合物などを併用することができる。
銅化合物としては、例えば硝酸銅(II)、硫酸銅、過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸カリウム、塩化銅などが挙げられる。
亜鉛化合物としては、硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛などが挙げられる。
これらの金属化合物は、1種または2種以上で使用される。
本発明の(B)成分は一般的に銀化合物とSiO、Bを主成分とするガラス原料を溶解混合した後、冷却粉砕して得ることができる。
具体的製造方法としては特公平4−80757号公報、特公平5−53733号公報記載の方法が全て使用される。
本発明の抗菌性樹脂組成物に使用される(B)成分の平均粒子径(最長径)は、0.1〜200μの範囲にあることが本発明の目的を達成する上で好ましい。
本発明の(B)成分であるAgOを含有するガラス系抗菌剤はSiO 25〜60重量%、B 18〜60重量%、Al 0〜20重量%、RO(R=Li、Na、K)0〜30重量%、R′O(R′=Ca、Mg、Zn、Ba)0〜20重量%、AgO 0.05〜10重量%、SiO 0〜0.1重量%、鉄酸化物(Fe換算)0〜0.1重量%の組成範囲にあるものが好ましい。
本発明(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。
(B)成分が0.01重量部未満では抗菌性の効果に乏しく、一方、30重量部を超えると耐衝撃性、成形外観が劣り好ましくない。
また本発明の抗菌性樹脂化合物は、(A)成分中の(a)成分と(b)成分の屈折率の差、および(A)成分と(B)成分の屈折率の差は好ましくは0.02以下、さらに好ましくは0.01以下である。
また、(B)成分に有機系抗菌剤および/または他の無機系抗菌剤を実質的に透明性を損わない範囲で併用してもよく、有機系のものとしては、ベンゾイミダゾール系化合物、有機ヨウド系化合物、エーテル系化合物、ハロアルキル系化合物、ニトリル系化合物、スルホン系化合物などがあり、無機系抗菌剤としては、有機系もしくは無機系の金属化合物、多孔性構造をもった物質(多孔性構造体)に金属化合物および/または金属錯塩を担持させたもの、あるいは多孔性構造体に金属イオンをイオン交換させたものなどがある。
多孔性構造体としては、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、シリカゲル、ヒドロキシアパタイトなどがある。
【0006】
さらに抗菌効果を高める目的から、下記の物質を本発明の抗菌性樹脂組成物に透明性を損わない範囲で添加して用いることができる。
(1)ポリエチレングリコールをブロック成分とするポリアミド系、ポリエステル系などのエラストマー
(2)帯電防止剤の低分子タイプおよび高分子タイプ
特にアニオン、ノニオンタイプが好ましい。
(3)少なくとも1種の官能基を有する分子量300〜10,000の化合物または重合体
(4)2価以上のカチオン性金属イオンを有する金属塩
例えば亜鉛、金、銅化合物
(5)カチオン性を有する重合体
また上記成分を組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明の抗菌性樹脂組成物には、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、ワラストナイト、ロックフィラー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラスフレーリ、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカーなどの充填材を1種単独で、あるいは併用することができる。これらの充填材のうち、ガラス繊維、炭素繊維の形状としては、6〜60μmの繊維系と30μm以上の繊維長を有するものが好ましい。これらの充填材は、本発明の組成物100重量部に対して、通常5〜150重量部の範囲で用いられる。
また透明性を失わない範囲で、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルフォン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、液晶ポリマーなどを配合することもできる。
また本発明の組成物には、公知の各種添加剤を添加してもよい。例えば、カップリング剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、シリコンオイルなどがある。
本発明の抗菌性樹脂組成物は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用い、各成分を混練りすることによって得られる。好ましい製造方法は、二軸押出機を用いる方法である。また各成分混練りするに際して、各成分を一括して混練りしてもよく、多段添加方式で混練りしてもよい。
このようにして得られる本発明の抗菌性樹脂組成物は、射出成形、シート押し出し、真空成形、異形成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形などによって各種成形品に成形することができる。
射出成形により得る場合、射出速度を高くした方が抗菌性はよい方向にある。上記成形法によって得られる各種成形品は、その優れた性質を利用して、便座、加湿器、浄水器、エアコン、雑貨、文具、他の各種家電製品、電話器などの各パーツ、ハウジングなどに使用することができる。
【0007】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例中、部および%は特に断らない限り重量基準である。
また、実施例中の各種評価は、次のようにして測定した値である。
抗菌性
検体(樹脂平板の成形品)にMRSA(メシチリン耐性ブドウ球菌)の菌液(1ml当りの菌数が約10)を0.2ml接種し、ポリエチレンフィルムを密着させたのち、35℃で保存し、保存開始時および24時間後にSCDLP寒天培地[日本製薬(株)製]で生菌を洗い出した。この洗い出し液については、菌数測定用培地を用いた寒天平板培養法(35℃、2日間)により生菌数を測定し、検体1枚当りの生菌数に換算した。なお、実施例、比較例で試験した初期菌数は3×10であった。
成形品表面外観
肉厚1.0mm×150mm×150mmの平板を2点のピンポイントゲートで成形しウェルド部およびウェルド以外の面の外観を下記の評価基準で目視評価した。
○:外観良好
×:外観が劣る。
透明性
上記、成形品表面外観用試験片を用い、下記評価基準で目視評価した。
○:透明性あり
×:不透明
本発明の(A)成分として以下のものを用いた。なお、得られた(A)成分の射出成形品は実質的に透明であった。
ゴム状重合体
(a)−1 乳化重合で得た平均粒子径2600オームストロングのポリブタジエンラテックス
(a)−2 ポリスチレン(5%)ブロックとスチレン80部、ブタジエン80部からなるランダム共重合体ブロック(90%)およびスチレン5部、ブタジエン3部からなるスチレンが漸増するテーパーブロック(5%)からなるA−B−C型ブロック共重合体の水添率99%の水添ジエン系重合体。
【0008】
【表1】
Figure 0003569982
【0009】
重合体(A)−1〜(A)−3
(A)−1、(A)−3、(A)−4は乳化重合で、また(A)−2は溶液重合で得た。
ガラス系抗菌剤(B)−1〜2、ゼオライト系抗菌剤(B)−3、4
(B)−1:日本硝子繊維社製 アモルクリン P−10(銀タイプ)
(B)−2:石塚硝子社製 イオンピュア P (銀タイプ)
(B)−3:品川燃料社製 ゼオミックXAW10D(銀タイプ)
(B)−4:鐘紡社製 バクテキラーBM103(銀タイプ)
【0010】
実施例1〜、比較例1〜5
抗菌性組成物の調製
上記本発明の(A)、(B)成分を水分量0.1%以下まで乾燥し、表1の配合処方で混合し、ベント付二軸押出機を用いて溶融混練りし、ペレツト化した。なお、本発明の抗菌性組成物の調製に当り、滑剤としてヘキスト社製WAX−Eを0.1部添加した。
得られたペレット化の水分量を0.1%以下まで乾燥し、射出成形により抗菌性および成形品表面外観評価用試験片を成形し、上記評価方法で評価した。結果を表2に示した。
【0011】
【表2】
Figure 0003569982
【0012】
比較例1は本発明の(B)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、抗菌性が劣る。
比較例2は本発明の(B)成分の使用量が発明の範囲外で多い例であり、成形品表面外観が劣る。
比較例3、4は(B)成分の種類が発明の範囲外のものであり、透明性が劣る。
比較例5は不透明なスチレン系樹脂を用いた例であり、実施例8と比較して抗菌性が劣る。
【0013】
【発明の効果】
本発明の抗菌性樹脂組成物は、抗菌性、透明性および成形品表面外観に優れ、広範囲の用途、例えば加湿器、浄水器、エアコン、便座、文具、雑貨、他の各種家電製品、電話器などの各パーツ、ハウジングなどに有用である。

Claims (4)

  1. (A)(a)ゴム状重合体の存在下に、(b)芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単量体からなる単量体成分を重合して得られる重合体樹脂を含む透明性スチレン系ゴム強化樹脂100重量部に対し、(B)銀もしくは銀化合物を含有するガラス系抗菌剤0.01〜30重量部を含有してなる抗菌性樹脂組成物
  2. 上記(A)透明性スチレン系ゴム強化樹脂が、(a)ゴム状重合体の存在下に、(b)芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単量体からなる単量体成分を重合して得られる重合体樹脂と、(b)芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単量体からなる単量体成分を重合して得られる熱可塑性樹脂と、を含む透明性スチレン系ゴム強化樹脂である請求項1記載の抗菌性樹脂組成物。
  3. 上記他の単量体がメチルメタクリレートである請求項1又は2記載の抗菌性樹脂組成物。
  4. 上記(B)銀もしくは銀化合物を含有するガラス系抗菌剤が、SiO 25〜60重量%、B 18〜60重量%、Al 0〜20重量%、R O(R=Li、Na、K)0〜30重量%、R’O(R’=Ca、Mg、Zn、Ba)0〜20重量%、Ag O0.05〜10重量%、SiO 0〜0.1重量%、鉄酸化物(Fe 換算)0〜0.1重量%の組成範囲にあるガラス系抗菌剤である請求項1乃至3のいずれかに記載の抗菌性樹脂組成物。
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