JPH07252398A - 抗菌性樹脂組成物 - Google Patents

抗菌性樹脂組成物

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JPH07252398A
JPH07252398A JP7277794A JP7277794A JPH07252398A JP H07252398 A JPH07252398 A JP H07252398A JP 7277794 A JP7277794 A JP 7277794A JP 7277794 A JP7277794 A JP 7277794A JP H07252398 A JPH07252398 A JP H07252398A
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JP
Japan
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silver
antibacterial
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resin
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JP7277794A
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English (en)
Inventor
Chie Hamazaki
智恵 浜崎
Masaaki Motai
政明 馬渡
Munehiko Ishikawa
宗彦 石川
Kenju Furuyama
建樹 古山
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌性、成形品表面外観に優れ、広範囲の用
途に使用し得る抗菌性樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)スチレン系樹脂および(B)カチオン
性を有する重合体を含有してなることを特徴とする抗菌
性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性に優れ、熱による
変色の少ない抗菌性樹脂組成物に関する。
【従来の技術】ABS樹脂などのスチレン系樹脂は、成
形表面外観、成形加工性や、物理的性質、機械的性質が
優れることから電気・電子分野、OA・家電分野、自動
車分野、便座・台所・風呂場廻りなどのサニタリー分
野、雑貨などの幅広い分野に使用されている。近年、こ
れらに使われている製品において、細菌が発生したり、
例えばエアコン内部に細菌が発生したりして、人体に悪
影響を及ぼすことが問題となっている。細菌などの発生
する商品にも多くのスチレン系樹脂が使用されており、
スチレン系樹脂に抗菌性を付与することが望まれてい
る。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので抗菌性に優れ、熱によ
る着色の少ない広範囲のい用途に使用し得る抗菌性樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0002】
【問題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)スチレン系樹脂50〜99重量%、(B)カチオ
ン性を有する重合体0.9〜50重量%および(C)帯
電防止剤0.1〜30重量%からなることを特徴とする
抗菌性樹脂組成物ならびに(A)スチレン系樹脂50〜
99重量%および(B)カチオン性を有する重合体50
〜1重量%の合計量100重量部に対して(D)抗菌剤
0.01〜30重量部を含有してなることを特徴とする
抗菌性樹脂組成物に関する。本発明の(A)スチレン系
樹脂は、(a)ゴム状重合体の存在下または非存在下
に、(b)芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合
物とこれと共重合可能な他の単量体からなる単量体成分
を(グラフト)重合して得られる(グラフト)重合体樹
脂(ゴム変性芳香族ビニル樹脂)であっても、また上記
(b)の単量体成分を重合して得られる熱可塑性樹脂と
該グラフト重合体樹脂とをブレンドして得られるブレン
ド系のグラフト共重合体樹脂であっても、さらには単に
(a)ゴム状重合体と(b)成分からなる熱可塑性樹脂
とのブレンド物であってもよい。(A)スチレン系樹脂
は、耐衝撃性の面から好ましくは(a)ゴム状重合体5
〜60重量%および(b)芳香族ビニル化合物または芳
香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単量体から
なる単量体成分95〜40重量%〔ただし、(a)+
(b)=100重量%〕の構成成分からなるゴム強化樹
脂である。ここで、本発明に使用される(a)ゴム状重
合体としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(スチ
レン含量5〜60重量%が好ましい)、スチレン−イソ
プレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−
α−オレフィン−ポリエン共重合体、シリコンゴム、ア
クリルゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル
共重合体、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合
体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水
素化ブタジエン系重合体、エチレン系アイオノマーなど
が挙げられる。また、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体には、
AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック
型の構造を有するものなどが含まれる。さらに、水素化
ブタジエン系重合体は、上記ブロック共重合体の水素化
物のほかに、スチレンブロックとスチレン−ブタジエン
ランダム共重合体のブロック体の水素化物、ポリブタジ
エン中の1,2−ビニル結合含量が20重量%以下のブ
ロックと1,2−ビニル結合含量が20重量%を超える
ポリブタジエンブロックからなる重合体の水素化物など
が含まれる。これらの(a)ゴム状重合体は、1種単独
でまたは2種以上で使用される。
【0003】耐衝撃性の面からゴム質重合体存在下に得
られたスチレン系樹脂またはゴム質重合体存在下に得ら
れたスチレン系樹脂とゴム質重合体非存在下に重合して
得られたスチレン系樹脂との混合物を使用することが好
ましい。これら(a)ゴム状重合体の中で、エチレン−
プロピレン共重合体、アクリルゴムおよび水素化ブタジ
エン系重合体が抗菌性の面から好ましい。(a)ゴム状
重合体の含有量は、(A)成分中に好ましくは5〜60
重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、特に好まし
くは5〜40重量%である。(a)成分が5重量%未満
では耐衝撃性が劣り、一方60重量%を超えると剛性が
劣る。また、(b)成分を構成する単量体は、芳香族ビ
ニル化合物または該芳香族ビニル化合物とこれと共重合
可能な他の単量体である。
【0004】この(b)成分を構成する芳香族ビニル化
合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−
p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−ア
ミノメチルスレチン、ビニルピリジン、ビニルキシレ
ン、モノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロ
モスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、エ
チルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、特に
スチレン、α−メチルスレチンが好ましい。これらの芳
香族ビニル化合物は、1種単独であるいは2種以上混合
して用いられる。また、(b)成分を構成する他の単量
体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルな
どのシアン化ビニル化合物;メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、アミノアクリレート、ヘキシルアクリレート、
オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸エステル;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミノメタ
クリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オ
クタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、
ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸な
どの不飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの
不飽和酸;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブ
チルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合
物;グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テルなどのエポキシ基含有不飽和化合物;アクリルアミ
ド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;
アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メタクリ
ル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノフプロピル、ア
ミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒ
ドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテ
ン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4
−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
スチレンなどの水酸基含有不飽和化合物;ビニルオキサ
ゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化合物などが挙
げられる。
【0005】(b)成分を構成する芳香族ビニル化合物
と共重合可能な上記単量体の中で特に好ましい物は、シ
アン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、不
飽和酸無水物、不飽和酸、α,β−不飽和ジカルボン酸
のイミド化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基
含有不飽和化合物から選ばれた1種または2種以上の単
量体である。(b)成分として特に好ましい他の単量体
の具体的な物としては、アクリロニトリル、メタクリル
酸、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、N−フェ
ニルマレイミド、グリシジルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートなどである。(b)成分の
使用量は、本発明の(A)成分中に好ましくは40〜9
5重量%、さらに好ましくは50〜95重量%、特に好
ましくは60〜95重量%である。(b)成分の使用量
が40重量%未満では剛性が劣り、一方95重量%を超
えると耐衝撃性が劣る。本発明の(A)成分中のメチル
エチルケトン可溶分の固有粘度(メチルエチルケトンを
溶媒として30℃で測定)は、0.2〜2dl/gが好
ましい。この固有粘度が0.2dl/g未満では耐衝撃
性が劣り、一方2dl/gを超えると流動性が劣る。こ
の固有粘度は、連鎖移動剤、重合時間、重合温度などに
よって制御することができる。本発明の(A)成分は、
(a)ゴム状重合体が、ポリブタジエンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
などの場合には、乳化重合、溶液重合、バルク重合など
を、またエレチン−プロピレンゴム、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエンゴム、スチレン−ブタジエンのブロ
ック共重合体、ジエン系ゴム状重合体の水素添加物など
の場合には、溶液重合、バルク重合を用い、これに
(b)成分を構成する単量体成分をグラフトすることに
より得られるグラフト重合体樹脂であることが好まし
い。また、(b)単量体成分のみから構成された熱可塑
性樹脂を得て、上記グラフト共重合体樹脂と混合したも
のも、本発明の(A)成分として使用され、該熱可塑性
樹脂を得るには、通常のよく知られた重合法でよい。す
なわち、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、バルク重合が
用いられる。重合後の樹脂〔(A)成分からなるグラフ
ト重合体樹脂、あるいは(b)成分のみからなる熱可塑
性樹脂〕は、凝固、洗浄、脱溶などの回収工程を経て、
乾燥後、粉体または流体とする。なお、ゴム成分を含む
(A)成分のグラフト率は、通常、10〜200重量%
であり、10重量%未満または200重量%を超える
と、耐衝撃性が低くなる傾向にあり好ましくない。ここ
で、グラフト率とは、グラフト重合体樹脂のゴム量に対
し、ゴム状重合体に直接グラフト結合している共重合体
成分の割合をいう。このグラフト率は、重合開始剤量、
重合温度などによって制御することができる。このグラ
フト率の具体的な求め方は、まず本発明のスチレン系樹
脂2gを室温のメチルエチルケトンに投入し、十分撹拌
し、不溶解分(w)を求める。一方、不溶解分(w)中
のゴム状重合体量は、重合処方をもとに算出することが
できる。この算出されたゴム状重合体をRとし、次式よ
りグラフト率を求める。 グラフト率(重量%)=〔(w−R)/R〕×100 また、グラフト率が30〜150重量%の範囲のものが
耐衝撃性と抗菌性が特に優れる。
【0006】本発明(A)スチレン系樹脂は、成形品表
面外観から、アクリロニトロリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)およびメタクリル酸メチル−
ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)が好まし
い。また、衝撃性の面からABS樹脂およびMBS樹脂
中のゴム量は30〜80重量%が好ましく、さらに好ま
しくは上記(b)成分中の他の単量体を0.1〜20重
量%併用したものである。本発明の(B)カチオン性を
有する重合体としては、ポリマーの主査または側鎖にア
ミノ基、もしくはその変性物、第四アンモニウム塩基な
どのカチオン基を含有するものである。該カチオン基の
好ましい含有量は、ポリマー中に0.1〜50モル%、
さらに好ましくは0.2〜30モル%である。また、カ
チオン性を有する重合体の重量平均分子量は、好ましく
は1,000〜500,000、さらに好ましくは2,
000〜100,000である。
【0007】本発明の(B)成分であるカチオン性を有
する重合体の具体例としては、例えばジメチルアミノメ
チルメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタク
リレートなどのアルキルアミノ(メタ)アクリレートか
ら選ばれた少なくとも1種の単量体の(共)重合体、ま
たはこれと他の共重合可能な前記単量体との共重合体、
またはこれとエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1,4−メチルブテン−1,4−
メチルペンテン−1などのα−オレフィン、ブタジエン
などのジエン化合物、酢酸ビニルなどから選ばれた少な
くとも1種の単量体との共重合体などが挙げられる。ま
た、下記一般式(I)で示されるアクリルアミド構造単
位を有する重合体、および下記一般式(II)、(II
I)で示されるマレイミド構造単位を有する重合体があ
る。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】 (式中R1 は炭素数2〜8のアルキレン基、R2 および
3 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R4 は炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリーリル
アルキル基、または炭素数6〜12の脂環アルキル基、
Xはハロゲン原子、CH3 OSO3 またはC2 5 OS
3 を示す。)
【0010】
【化3】
【0011】(式中R5 は、水素原子またはメチル基、
1 、R2 、R3 、R4 は前記と同じ。mは0または
1。) 上記式(I)、(II)で示される重合体は、特開平5
−320526、特開平5−194660、特開平5−
194661などに示される方法で製造される。これら
のうち工業的に入手できるものとしては、第一工業製薬
(株)製レオレックス、荒川化学(株)製ルナペールな
どがある。本発明の(C)成分である帯電防止剤として
は、通常使用される帯電防止剤がすべて使用される。こ
こで、使用される帯電防止剤としては、低分子系帯電防
止剤としては、アニオンタイプ、カチオンタイプ、非イ
オンタイプ、両性タイプなどがあり、アニオンタイプの
一般構造式として、下記のものが使用される。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Rは炭素数4〜40のアルキル基
を示す。) カチオンタイプの一般構造式として、下記のものが使用
される。
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R、R1 、R2 、R3 は炭素数1
〜60のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子であり、
好ましくは炭素数1である。) 非イオン性のものとしては、下記の一般構造式のものが
使用される。
【0016】
【化6】
【0017】(式中、Rは炭素数4〜40のアルキル
基、R1 はグリセリン、ソルビトールなどの多価アルコ
ールのエステル残基を示す。)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、Rは炭素数4〜40のアルキル基
を示す。) 両性のものとしは、下記一般構造式のものが使用され
る。
【0020】
【化8】
【0021】(式中、R、R1 、R2 は炭素数1〜6の
アルキル基を示す。) 樹脂に混練りする場合の熱安定性の面から、アニオン
系、非イオン系が好ましい。また、高分子系帯電防止剤
としては、非イオンタイプ、アニオンタイプ、およびカ
チオンタイプがある。非イオンタイプとしては、下記一
般構造式のものが使用される。 ポリビニルアルコール系
【0022】
【化9】
【0023】(式中、nは繰り返し数を示す。) ポリエーテル系
【0024】
【化10】
【0025】(式中、nは繰り返し数を示す。) 不飽和基含有ポリエーテル系
【0026】
【化11】
【0027】(式中、Rは水素原子またはメチル基、R
1 は炭素数1〜40のアルキル基、nは繰り返し数を示
す。) ポリエーテルエステル系
【0028】
【化12】
【0029】(式中、n、n′は繰り返し数を示し、R
1 は炭素数1〜12のアルキル基を示す。) アニオンタイプとしては、下記の一般構造式のものが使
用される。 ポリアクリル酸系
【0030】
【化13】
【0031】(式中、nは繰り返し数を示す。) ポリスチレンスルホン酸系
【0032】
【化14】
【0033】(式中、nは繰り返し数を示す。) カチオンタイプとしては、下記の一般構造式のものが使
用される。 ポリアクリルエステル系
【0034】
【化15】
【0035】(式中、nは繰り返し数を示し、Xはハロ
ゲン原子を示す。) ポリスチレン系
【0036】
【化16】
【0037】(式中、nは繰り返し数を示し、Xはハロ
ゲン原子を示す。) ポリジアリル系
【0038】
【化17】
【0039】(式中、nは繰り返し数を示し、Xはハロ
ゲン原子を示す。)
【0040】また(C)成分の帯電防止剤としては、上
記の他にソフトセグメントとしてポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールを用いたポリアミドエラストマー、ポ
リアミドイミドエラストマー、ポリエステルエラストマ
ー、ポリエステルカーボネートエラストマーなどを用い
ることができる。本発明で使用される帯電防止剤は、1
種または2種以上で使用され、熱安定性の面からアニオ
ンタイプ、非イオンタイプが好ましい。
【0041】本発明の(D)成分の抗菌剤として好まし
くは無機系抗菌剤である。無機系抗菌剤としては、有機
系もしくは無機系の金属化合物多孔性を持った物質(多
孔性構造体)に金属化合物および/または金属錯塩を担
持させたもの、あるいは多孔性構造体に金属イオンをイ
オン交換させたものなどが挙げられる。ここで使用され
る金属イオンは、銀、銅、亜鉛、マグネシウム、水銀、
スズ、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、コバルト、
ニッケル、鉄、マンガン、砒素、アンチモン、バリウム
などが挙げられ、好ましくは銀、銅、亜鉛、マグネシウ
ムなど、さらに好ましくは銀、銅、亜鉛であり、特に好
ましくは銀、亜鉛である。
【0042】銀化合物としは、例えばコロイダル状の銀
(コロイダル銀)、炭酸銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、臭
素酸銀、ヨウ素酸銀、過ヨウ素酸銀、リン酸銀、二リン
酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、タングステン酸銀、
バナジン酸銀、チオシアン酸銀、アミド硫酸銀、ホウ酸
銀、チオ硫酸銀、酸化銀、過酸化銀、硫化銀、フッ化
銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、酢酸銀、安息香酸銀、
乳酸銀、ピロリン酸銀、クエン酸銀、ベヘン酸銀、ジエ
チルカルバミン酸銀、ステアリン酸銀、カルボン酸銀、
酒石酸銀、メタスルホン酸銀、トリフルオロ酸銀、リン
酸もしくは亜リン酸のアルキルエステル、フェニルエス
テルもしくはアルキルフェニルエステルの銀塩、リンフ
ッ化銀、フタロシアニン銀、エチレンジアミンテトラ酢
酸銀、プロテイン銀などを挙げることができる。このう
ち、好ましいものは、コロイダル銀、塩素酸銀、過塩素
酸銀、炭酸銀、臭素酸銀、ヨウ素酸銀、過ヨウ素酸銀、
リン酸銀、二リン酸銀、硝酸銀、硫酸銀、タングステン
酸銀、バナジン酸銀、クエン酸銀、チオシアン酸銀、カ
ルボン酸銀、アミド硫酸銀、チオ硫酸銀、塩化銀、酸化
銀、過酸化銀である。また、特に好ましいものは、コロ
イダル銀、酸化銀、リン酸銀、炭酸銀、ヨウ素酸銀、ピ
ロリン酸銀、クエン酸銀、タングステン酸銀、塩化銀で
ある。
【0043】銅化合物としては、例えば硝酸銅(I
I)、硫酸銅、過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸
カリウム、塩化銅などが挙げられる。亜鉛化合物として
は、硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、チオ
シアン酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛などが挙
げられる。これらの金属化合物は、1種または2種以上
で使用される。さらに、多孔性構造体としは、シリカゲ
ル、活性炭、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、リン酸
カルシウム、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタ
イト、カルシウム系セラミックスなどがあり、上記金属
と上記金属化合物を含有させたもの、溶解性ガラスに酸
化銀などを含有させたもの(特開平4−178433号
公報)などもある。これらの分子量の粒子径は、50μ
m以下が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10μm
である。
【0044】本発明の(A)成分と(B)成分の組成物
でも抗菌性を有するが、上記(C)成分を配合すること
で抗菌性を向上させることができる。一方(A)成分と
(D)成分の組成物でも抗菌性を発現するが、(A)+
(B)+(D)成分の組成物で抗菌性を向上させること
ができる。特許請求項1の(A)成分の使用量は50〜
99重量%、好ましくは60〜99重量%、さらに好ま
しくは70〜97重量%であり、50重量%未満では成
形品が着色し易くなり好ましくなく、また99重量%を
超えると抗菌性が劣る。(B)成分の使用量は0.9〜
50重量%、好ましくは0.9〜40重量%、さらに好
ましくは2.5〜30重量%である。0.9重量%未満
では抗菌性が劣り、50重量%を超えると成形品が着色
し易くなり好ましくない。(C)成分の使用量は0.1
〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、さらに
好ましくは0.5〜15重量%である。0.1重量%未
満では抗菌性が劣り、30重量%を超えると成形品が着
色し易くなり好ましくない。特許請求項2の(A)成分
の使用量は50〜99重量%、好ましくは60〜99重
量%、さらに好ましくは70〜97重量%であり、50
重量%未満では成形品が着色し易くなり好ましくなく、
また99重量%を超えると抗菌性が劣る。(B)成分の
使用量は1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%、
さらに好ましくは3〜30重量%である。1重量%未満
では抗菌性が劣り、50重量%を超えると成形品が着色
し易くなり好ましくない。(C)成分の使用量は(A)
+(B)成分100重量部に対して0.01〜30重量
部、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましく
は0.1〜10重量部である。0.01重量部未満では
抗菌性が劣り、30重量部を超えると成形品が着色し易
くなる。なお、本発明の抗菌性樹脂組成物には、ガラス
繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、ワラストナ
イト、ロックフィラー、炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ、ガラスフレーリ、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、
二硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛ウィス
カー、チタン酸カリウムウィスカーなどの充填材を1種
単独で、あるいは併用することができる。これらの充填
材のうち、ガラス繊維、炭素繊維の形状としては、6〜
60μmの繊維径と30μm以上の繊維長を有するもの
が好ましい。これらの充填材は、本発明の組成物100
重量部に対して、通常、5〜150重量部の範囲で用い
られる。また、本発明の組成物には、公知のカップリン
グ剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シ
リコンオイルなどの添加物を配合することができる。さ
らに、本発明の組成物には、要求される性能に応じて、
他の重合体、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィ
ド、液晶ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、スチレン−
酢酸ビニル共重合体などを適宜ブレンドすることができ
る。
【0045】本発明の抗菌性樹脂組成物は、各種押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用
い、各成分を混練りすることによって得られる。好まし
い製造方法は、二軸押出機を用いる方法である。また、
各成分混練りするに際して、各成分を一括して混練りし
てもよく、多段添加方式で混練りしてもよい。このよう
にして得られる本発明の抗菌性樹脂組成物は、射出成
形、シート押し出し、真空成形、異形成形、発泡成形、
インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形など
によって各種成形品に成形することができる。射出成形
により得る場合、射出速度を高くした方が抗菌性はよい
方向にある。上記成形法によって得られる各種成形品
は、その優れた性質を利用して、便座、加湿器、浄水
器、エアコン、雑貨、他の各種家電製品、電話器、など
の各パーツ、ハウジングなどに使用することができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして測定した値である。抗菌性 検体(樹脂平板の成形品)に、ブドウ状球菌の菌液(1
mlあたりの菌数が約106 )を0.2ml接種し、ポ
リエチレンフィルムを密着させた後、35℃で保存し、
保存開始時および24時間後にSCDLP寒天培地〔日
本製薬(株)製〕で生菌を洗い出した。この洗い出し液
について、菌数測定用培地を用いた寒天平板培養法(3
5℃、2日間)により生菌数を測定し、検体1枚あたり
の生菌数に換算した。なお、実施例、比較例で試験した
初期菌数は、3×105 であった。成形品着色性 板状成形品を成形し、成形品の着色性を下記の評価基準
で目視評価した。 ○;着色なし、または少ない ×;着色が激しいゴム状重合体(a)−1〜(a)−4 本発明の(A)スチレン系樹脂に用いられる(a)成分
のゴム状重合体を表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】樹脂(A)−1〜(A)−8の調整 上記ゴム状重合体(a)−1〜(a)−4の存在下に、
本発明の(b)成分を構成する単量体成分を重合した樹
脂、およびゴム状重合体(a)を存在させずに(b)成
分を構成する単量体成分を重合した樹脂をそれぞれ得
た。これらの樹脂の組成を表2に示す。なお表2中、S
Tはスチレン、ANはアクリロニトリルを示す。
【0049】
【表2】
【0050】なお、樹脂(A)−1、(A)−5および
(A)−8は乳化重合で、また樹脂(A)−2〜(A)
−4、(A)−6、(A)−7は溶液重合で得た。(B)−1〜(B)−4の調整 (B)−1:荒川化学(株)製、ルナペール912 (B)−2:荒川化学(株)製、ルナペール434 (B)−3:荒川化学(株)製、ルナペール903 (B)−4:第一工業製薬(株)製、レオレックスAS
−170(C)その他の成分の調整 (C)−1:ポリエチレンオキサイド(分子量=20〜
30万) (C)−2:
【0051】
【化18】
【0052】(R:炭素数12のアルキル基) (C)−3:ポリアミドエラストマー ε−カプロラクタムの開環重縮合で、ナイロン6の重合
体ブロックを得た後、アジピン酸で両末端をカルボン酸
にした後、ポリエチレングリコールを添加重合し、ポリ
アミドエラストマーを得た。エラストマーのポリアミド
成分とポリエチレングリコール成分の比は約50/50
%であり、ギ酸を用い、25℃、濃度0.5g/100
mlで測定した還元粘度は1.50であった。また、D
SC(示差熱分析)で測定したポリアミドの融点は20
5℃であった。(D)成分の調整 (D)−1:品川燃料(株)製、ゼオミックXAW10
0 (D)−2:松下アムテック(株)製、アムテクリーン
Z MK−10(E)−1〜2の調整 (その他の成分;滑剤) (E)−1:モンタン酸エステル/モンタン酸カルシウ
ム塩(ヘキスト社製、WAX−OP) (E)−2:モンタン酸エステル(ヘキスト社製、WA
X−E)
【0053】実施例1〜17、比較例1〜4抗菌性組成分の調整 上記各スチレン系樹脂、添加剤を水分量0.1%以下ま
で乾燥し、表3の配合処方で混合し、ベント付き二軸押
出機を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペ
レットを水分量0.1%以下まで乾燥し、射出成形によ
り抗菌性および成形品表面外観評価用試験片を成形し、
上記の評価方法で評価した。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3から明らかなように、本発明の抗菌性
樹脂組成物(実施例1〜17)は、いずれも抗菌性に優
れており、成形時の着色性の少ないものとなっている。
これに対して比較例1は、(B)成分の使用量が本発明
の範囲外で多く(A)成分の使用量が発明の範囲外で少
ない例であり、成形時の着色が激しい。比較例2は、
(B)成分の使用量が本発明の範囲外で少なく(A)成
分の使用量が発明の範囲外で多い例で抗菌性が劣る。比
較例3は、(C)成分の使用量が本発明の範囲外で少な
い例で抗菌性が劣る。比較例4は、(D)成分の使用量
が本発明の範囲外で少ない例で抗菌性が劣る。
【0056】
【発明の効果】本発明の抗菌性樹脂組成物は、抗菌性、
成形品表面外観に優れ、広範囲の用途、例えば便座、加
湿器、浄水器、エアコン、雑貨、他の各種家電製品、電
話器などに有用である。本発明の好ましい実施態様とし
ては、次のような組成物が挙げられる。 1.(A)スチレン系樹脂50〜99重量%、(B)カ
チオン性を有する重合体0.9〜50重量%、および
(C)帯電防止剤0.1〜30重量%の合計量100重
量部に対して(D)抗菌剤0.01〜30重量部を含有
する抗菌性樹脂組成物。 2.帯電防止剤がポリアミドエラストマーおよび/また
はポリエステルエラストマーである上記の抗菌性樹脂組
成物。 3.上記(A)50〜99重量%、(B)成分0.9〜
50重量%、およびポリアミドエラストマーおよび/ま
たはポリエステルエラストマー0.1〜30重量%を含
有する抗菌性樹脂組成物。
フロントページの続き (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系樹脂50〜99重量
    %、(B)カチオン性を有する重合体0.9〜50重量
    %および(C)帯電防止剤0.1〜30重量%からなる
    ことを特徴とする抗菌性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)スチレン系樹脂50〜99重量%
    および(B)カチオン性を有する重合体50〜1重量%
    の合計量100重量部に対して(D)抗菌剤0.01〜
    30重量部を含有してなることを特徴とする抗菌性樹脂
    組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10110075A (ja) * 1996-10-04 1998-04-28 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ブロー成形用スチレン系樹脂組成物およびスチレン系樹脂ブロー成形品
US5900258A (en) * 1996-02-01 1999-05-04 Zeolitics Inc. Anti-bacterial compositions

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JPH10110075A (ja) * 1996-10-04 1998-04-28 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ブロー成形用スチレン系樹脂組成物およびスチレン系樹脂ブロー成形品

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