JPH05255569A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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JPH05255569A
JPH05255569A JP5801092A JP5801092A JPH05255569A JP H05255569 A JPH05255569 A JP H05255569A JP 5801092 A JP5801092 A JP 5801092A JP 5801092 A JP5801092 A JP 5801092A JP H05255569 A JPH05255569 A JP H05255569A
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polymer
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Toru Katsumata
徹 勝亦
Nobuyuki Matsunaga
伸之 松永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリアセタールの本来有する機械的物性・成形
性などを保持しながら、成形品表面の光沢を著しく低下
させたポリアセタール樹脂組成物およびその成形品を提
供する。 【構成】(A) ポリアセタール樹脂100 重量部に(B) ゴム
状ポリマーのコアと含酸素極性基を有するビニル系共重
合体からなるガラス状ポリマーのシェルを有するコアシ
ェルポリマー0.5 〜100 重量部および(C) 平均粒子径0.
5 〜50μm の粒状構造を持つ無機充填剤0.5 〜30重量部
を配合してなる低光沢性を有するポリアセタール樹脂組
成物およびその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面光沢が抑えられたポ
リアセタール樹脂組成物に関する。さらに詳しくはポリ
アセタール樹脂に特定のコアシェルポリマーと無機充填
剤を添加配合してなる、ポリアセタールの本来有する機
械的物性・成形性などを保持しながら、成形品表面の光
沢を著しく低下させたポリアセタール樹脂組成物および
その成形品を提供するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質
などの物理的特性、或いは耐薬品性、耐熱性などの化学
的特性の優れたエンジニアリング樹脂として近年きわめ
て広汎な分野において利用されている。しかし、ポリア
セタール樹脂が利用される分野の拡大にともない、その
材料としての性質にもさらに特殊性が要求れる場合があ
る。このような性質の一つとして、自動車の内外装品、
光学機械等の分野においては、光の反射による目に対す
る刺激の抑制、機器の誤動作の防止、更には高級感をだ
すこと等を目的として光沢の少ない、即ち光の反射の少
ないものが要求される場合がある。また、一般の電気機
器、建材等の分野においても、その目的に応じて各種材
料を組み合わせて使用する機会が増加しているが、ポリ
アセタール樹脂は他の一般的樹脂材料に比べて表面光沢
が良好であるが故に、各種材料が組み込まれた製品にお
いては、他種材料との調和感に乏しく、表面外観を重視
する分野での使用は少なからず制限されていた。更に、
これらの材料は外部に出るため、優れた耐候性を保持す
る必要がある。この要求に応え、表面光沢を低減するた
め、従来よりポリアセタール樹脂に対して炭酸カルシウ
ム、タルク等の無機フィラー系を添加する方法が知られ
ている。しかし、これらの方法で望ましい光沢低減の効
果を得るためにはタルク等を多量に配合する必要があ
り、その結果、他の機械的特性、特に伸度、靱性が低下
し、成形品の後加工や組み立て時の応力或いは成形品の
取扱い時に落下させる等の衝撃が加わると容易に破損す
るという欠点あるいは耐候性の低下による樹脂の白化と
いう欠点を有している。そこで、伸度、靱性等の機械的
物性に優れ、かつ優れた耐候性を有しながら、表面光沢
が十分に抑えられたポリアセタール樹脂材料の開発が望
まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアセ
タール樹脂が本来有する優れた特性を可能な限り犠牲に
することなく、成形品表面の光沢が著しく抑えられたポ
リアセタール樹脂の開発をすべく鋭意研究を重ねた結
果、本発明を完成するに至ったものである。即ち、本発
明は(A) ポリアセタール樹脂100 重量部に(B) ゴム状ポ
リマーのコアと含酸素極性基を有するビニル系共重合体
からなるガラス状ポリマーのシェルを有するコアシェル
ポリマー0.5 〜100 重量部および(C) 平均粒子径0.5 〜
50μm の粒状構造を持つ無機充填剤0.5 〜30重量部を配
合してなるポリアセタール樹脂組成物およびその成形品
に関するものである。更に本発明は上記の基本構成成分
の他に所望により(D) 耐候(光)性安定剤0.01〜5重量
部を添加配合してなるポリアセタール樹脂組成物に関す
るものである。
【0004】以下、本発明の構成成分について詳しく説
明する。本発明において用いられる(A) ポリアセタール
樹脂はオキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位と
する高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマ
ー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有す
るコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマーいず
れにても良く、又、分子が線状のみならず分岐、架橋構
造を有するものであっても良い。またその重合度等に関
しても特に制限はない。
【0005】次に本発明に用いられる(B) コアシェルポ
リマーは、ゴム状ポリマーのコアと含酸素極性基を有す
るビニル系共重合体からなるガラス状ポリマーのシェル
を有し、シード乳化重合法のうち、通常、先の段階の重
合体を後の段階の重合体が順次に被覆するような連続し
た多段階乳化重合法によって得られる。粒子発生重合時
には、モノマー、界面活性剤および水を反応器へ添加
し、次に重合開始剤を添加することにより、乳化重合反
応を開始させることが好ましい。第一段目の重合はゴム
状ポリマーを形成する反応である。ゴム状ポリマーを構
成するモノマーとしては、例えば共役ジエンまたはアル
キル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレートあ
るいはそれらの混合物などが挙げられる。これらのモノ
マーを重合させてゴム状ポリマーを形成する。このよう
な共役ジエンとして、例えばブタジエン、イソプレン、
クロロプレン等を挙げることができるが、特にブタジエ
ンが好ましく用いられる。又、アルキル基の炭素数が2
〜8であるアルキルアクリレートとして、例えばエチル
アクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート等を挙げることができるが、特にブチル
アクリレートが好ましく用いられる。第一段目の重合に
は共役ジエンおよびアルキルアクリレートなどと共重合
可能なモノマー、例えばスチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン
化ビニル、シアン化ビニリデン、メチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート
等を共重合させることもできる。
【0006】架橋性モノマーとして、例えばジビニルベ
ンゼン等の芳香族ジビニルモノマー、エチレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ブチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、オリゴエチレングリコールジアクリレート、オリゴ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のア
ルカンポリオールポリアクリレートまたはアルカンポリ
オールポリメタクリレート等を挙げることができるが、
特にブチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオ
ールジアクリレートが好ましく用いられる。グラフト化
モノマーとして、例えばアリルアクリレート、アリルメ
タクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレー
ト、ジアリルイタコネート等の不飽和カルボン酸アリル
エステル等を挙げることができるが、特にアリルメタク
リレートが好ましく用いられる。このような架橋性モノ
マー、グラフト化モノマーは、それぞれ第一段目の全モ
ノマー量の0〜5重量%、好ましくは 0.1〜2重量%の
範囲で用いられる。
【0007】シェル相は含酸素極性基を有するビニル系
共重合体からなるガラス状ポリマーが形成されている。
本発明における含酸素極性基としては、例えば水酸基、
エーテル結合(-O-) を有する基(例えばグリシジル
基)、アミド基 (-CONH)及びニトロ基(-NO2)などが挙げ
られるが、特に水酸基及びエーテル結合を有する基が好
ましい。
【0008】シェル相に含酸素極性基を有さないコアシ
ェルポリマーでは、艶消し効果(光沢低減効果)は、ほ
とんど認められず、また含酸素極性基を有しても本発明
のコアシェル構造をとっていないビニル重合体粒子で
は、わずかに効果は認められるものの十分ではない。上
記含酸素極性基を有するビニル系共重合体を構成するモ
ノマーとしては、例えば分子内に2個以上の含酸素極性
基を有するアルコールの(メタ)アクリレートが用いら
れる。ここで分子内に2個以上の含酸素極性基を有する
アルコールとは、アルコール部分の水酸基以外に少なく
とも1個の含酸素極性基を有するアルコールを示す。含
酸素極性基を有するアルコールの(メタ)アクリレート
としては、例えば水酸基および/またはグリシジル基を
有するアルコールの(メタ)アクリレートが挙げられ
る。水酸基を有するアルコールの(メタ)アクリレート
としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどを挙
げることができるが、好ましくはヒドロキシエチルメタ
クリレートが用いられる。グリシジル基を有するアルコ
ールの(メタ)アクリレートとしては、例えばグリシジ
ル(メタ)アクリレートなどを挙げることができるが、
好ましくはグリシジルメタクリレートが用いられる。ま
た上記の(メタ)アクリレート以外の例えばアリロキシ
エタノール、アリルグリシジルエーテル等の含酸素極性
基を有するビニル単量体も、含酸素極性基を有するビニ
ル系共重合体の構成成分として用いることができる。含
酸素極性基を有する前記モノマー以外のガラス状ポリマ
ーを構成するモノマーとしては、例えばメチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化
ビニリデン等のビニル重合性モノマーを挙げることがで
きるが、特に好ましくはメチルメタクリレート、スチレ
ン−アクリロニトリル等が用いられる。また、第一段と
最終の重合相の間には中間相が存在していてもよい。例
えば、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸、ヒド
ロキシエチルメタクリレートなどのような官能基を有す
る重合モノマー、メチルメタクリレートなどのようなガ
ラス状ポリマーを形成する重合モノマー、ブチルアクリ
レートなどのゴム状ポリマーを形成する重合モノマーな
どをシード乳化重合することによって中間相が形成され
る。このような中間相は所望のコアシェルポリマーの性
質によって種々選択することができる。このような中間
相を有するコアシェルポリマーの構造は、例えばコアと
シェルの間にもう一つの層が存在している多層系構造を
とるものや、中間相がコア中で細かな粒状となって分散
しているサラミ構造をとるものが挙げられる。サラミ構
造を有するコアシェルポリマーにおいては更に極端な場
合は、分散するべき中間相がコアの中心部において新た
な芯を形成していることもある。このような構造のコア
シェルポリマーはスチレンに代表されるモノマーを中間
相構成モノマーとして使用した場合に生じることがあ
る。また、中間相を有するコアシェルポリマーを使用し
た場合、耐衝撃性の改良、曲げ弾性率の向上、熱変形温
度の上昇、外観 (表面剥離およびパール光沢の抑制、屈
折率変化による色調の変化) が改善されることがある。
【0009】本発明の乳化重合は、例えばノニオン性界
面活性剤、オリゴマー型アニオン性またはオリゴマー型
ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤や例えばアゾ系重
合開始剤、過酸化物系重合開始剤等の重合開始剤を用い
て行われる。本発明で用いられるノニオン性界面活性剤
としてはポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテルなどのエーテル型、ポリオキシ
エチレンモノステアレートなどのエステル型、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレートなどのソルビタン
エステル型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ブロックコポリマーなどのブロックポリマー型など広く
一般に使用されているノニオン性界面活性剤のほとんど
が使用可能である。本発明で用いられるオリゴマー型ア
ニオン性またはオリゴマー型ノニオン性界面活性剤と
は、従来、特殊用途で乳化重合物に用いられてきたオリ
ゴマー型界面活性剤であり、例えば下記式のオリゴマー
型界面活性剤が用いられる。
【0010】
【化1】
【0011】該オリゴマー型界面活性剤は、既に水溶性
であるか、または酸化物、水酸化物またはアルコールと
反応させて水溶性塩に転換される。上記水溶性塩として
は、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第II
I族重金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩等
が挙げられるが、特にアンモニウム塩が好ましい。該オ
リゴマー型界面活性剤は、例えば特公昭47−34832 号公
報等に記載されているように、アルキルメルカプタンの
存在下、適切な単量体を水を含まない溶媒中で付加重合
するか、または次いで過酸化水素またはオゾンを用い
て、相当するスルホキシドまたはスルホンヘ酸化するこ
とにより得られる。上記アルキルメルカプタンとして
は、例えばn −オクチルメルカプタン、n −ドデシルメ
ルカプタン、t −ドデシルメルカプタン、n −デシルメ
ルカプタン等のアルキルメルカプタンが用いられる。上
記単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、α−エ
チルアクリル酸、β−メチルアクリル酸、α,β−ジメ
チルアクリル酸、カプロン酸、イタコン酸、フマル酸、
マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルメチルエーテル、アリルアルコール、ビ
ニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、エチルア
クリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル
アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、酢酸ビ
ニル、ビニルプロピオネート、N −イソプロピルアクリ
ルアミド、N −エチルアクリルアミド、N −メチルアク
リルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、N −メ
チロールアクリルアミド等の分子中に1ケ以上の極性基
を有するα,β−エチレン系不飽和単量体が用いられ
る。付加重合の際に用いられる溶媒としては、例えばメ
タノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アル
カノールが好ましい。通常、上記付加重合は20〜100 ℃
程度の範囲で行われる。本発明において、界面活性剤の
添加量は、界面活性剤の粒子安定化能力によって適宜選
択される。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2'−アゾ
ビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩などのアゾ系重合
開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの
過酸化物系重合開始剤が単独または2種以上を組み合わ
せて用いられる。前記ノニオン性界面活性剤および/ま
たはオリゴマー型界面活性剤と、アゾ系および/または
過酸化物系重合開始剤を使用するような反応系で乳化重
合を行えば、実質的に硫黄酸化化合物(例えば硫酸塩、
硫酸エステル塩、過硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩
等)を含まないか、含んでいても極く少量であるコアシ
ェルポリマーが得られる。本発明のコアシェルポリマー
のポリアセタール樹脂100 重量部に対する添加量は0.5
〜100 重量部、好ましくは1〜50重量部、更に好ましく
は1〜30重量部である。コアシェルポリマーの添加量が
少なすぎると表面光沢低下効果が十分発揮されず、また
いたずらに過大に添加しても、機械的性質特に剛性の大
巾低下が認められ、また、熱安定性に好ましくない影響
が生じる。
【0012】かかるコアシェルポリマー (B)はポリアセ
タール樹脂(A) 中に添加配合することにより、得られた
成形品表面の光沢が均一に低下し、落ち着きのある高級
感をもたせ、且つポリアセタール樹脂の持つ優れた機械
的性質を保持する。かかる光沢性の低減効果はコアシェ
ルポリマーをポリアセタール樹脂中に添加配合して得ら
れる成形品では、その表面にコアシェルポリマー(B) が
0.5〜2μm 程度の粒子状で分散し、ポリアセタール樹
脂表面を粗くすると同時に含酸素極性基が表面に均一に
分散しており、ポリアセタール樹脂成形品の表面を改質
し、表面の平滑性をある程度維持しながら低光沢になる
ものと考えられる。
【0013】また本発明の組成物はこのまま((A) +
(B) 成分)で用いても成形品表面の光沢低下に効果を有
するが、更に前記 (A)〜(B) 成分に加えて(C) 無機充填
剤を併用することにより、鏡面光沢に対して一層の効果
を得ることができる。ここで(C) 成分の無機充填剤と
は、平均粒子径0.5 〜50μm の粒状構造を有するもの
で、好ましくは平均粒子径2〜30μm のものが望まし
い。また種類について特に限定されるものでないが、本
発明の目的である光沢低減に対する効率或いは諸物性等
を考慮すると、周期律表II族又はIII 族金属の酸化物、
水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、硫黄塩もしくは二酸化珪素
を主たる構成成分とするものが好ましい。その例として
は、酸化カルシウム、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カル
シウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸塩、タル
ク、クレー、ベントナイト、ドロマイト、シリカ等があ
げられる。その中で炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸塩、タルクが好
ましく用いられ、さらに好ましくは炭酸カルシウム、ケ
イ酸カルシウム、タルク、アルミノケイ酸塩が用いられ
る。
【0014】本発明において用いられる無機充填剤の添
加量はポリアセタール樹脂100 重量部に対し、0.5 〜30
重量部、好ましくは1〜20重量部である。これより少な
い量では、成形品表面の光沢低下の相乗効果が小さく、
また多い量では、成形品表面の均一性が低下し、むらが
出ると同時に物性(特に伸度、靱性)に悪い影響を与え
る。
【0015】表面光沢の度合いは、実用上好ましくは後
記測定法(鏡面金型使用)による光沢度が20%以下のも
の、さらに好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以
下のものである。又、最近の自動車内装の外観高級化に
伴い、又、手触りを良くするために、内装部品の大部分
に皮シボ・梨地シボと呼ばれるシボ加工が施されてお
り、鏡面での低光沢化をすると同時に、シボ加工面への
高い転写性が必要となる。通常のポリアセタール樹脂で
は結晶性が高いためか、転写性が悪く、鏡面での光沢低
下に比べ、低下率が小さい。本発明の組成物において
は、ポリアセタール樹脂成形品の表面を改質することに
より、鏡面での光沢が低下するのみならずシボ加工面へ
の転写性が非常に良くなり、シボ成形表面での光沢は更
に一層低下する。本発明の成形品としては樹脂組成物を
金型内面がシボ加工された射出成形金型を装備した射出
成形機を用いて成形された表面がシボ形状をしている成
形品が好ましい。又、シボ形状を有する成形品として
は、成形品の表面の一部または全部がシボ形状をしてい
る成形品を包含するものである。従ってその際に使用す
る金型の内面はその目的に応じて一部または全部がシボ
加工されていればよい。これらの金型内面のシボ加工は
化学エッチングなどの腐蝕加工、放電加工などにより行
うことができ、シボ模様の表面粗さは目的とする成形品
の外観に応じて選択し得る。
【0016】本発明の(A) ポリアセタール樹脂に(B) 特
定のコアシェルポリマーと(C) 無機充填剤を併用するこ
とにより、(B) 成分単独あるいは(C) 成分単独で用いた
時に比べ、比較的少量で成形品表面の光沢を著しく低下
させるとともに、ポリアセタールのバランスのとれた機
械物性を保持することが可能となるのである。かかる光
沢の低減効果は、(B) 、(C) 成分の相乗効果によって生
じる。つまり、コアシェルポリマーと無機充填剤をポリ
アセタール中に添加配合して得られる成形品では、その
表面に(B) コアシェルポリマーが 0.5〜2μm 程度に粒
子分散し、成形表面を改質するとともに、(C) 無機充填
剤が表面に分散され、ポリアセタール表面を粗くするこ
とにより、低光沢になるものと考えられる。(B) 成分単
独では、表面を粗くする効果が小さく、また(C) 成分単
独では、望ましい光沢低減を得るためには多量の配合を
必要とし、機械物性等を低下するという欠点を有してい
る。
【0017】本発明はこのままでも優れた効果を示す
が、(A) 〜(C) 成分にさらに(D) 耐候(光)安定剤を添
加することにより、非常に優れた耐候(光)性を有する
組成物となる。ここで用いられる(D) 耐候(光)性安定
剤のうち、好ましく用いられるものとしては、ベンゾ
トリアゾール系物質、ベンゾフェノン系物質、蓚酸
アニリド系物質、芳香族ベンゾエート系物質、シア
ノアクリレート系物質及びヒンダードアミン系物質よ
りなる群から選ばれた1種又は2種以上である。これら
の物質の例を示すと次のものが挙げられる。
【0018】即ち、ベンゾトリアゾール系物質として
は、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチル−フェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5' −ジ
−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3,5 −ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5' −ジ
−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2−ヒドロキシ−3,5 −ビス−(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等、 ベンゾフェノン系物質としては、2,4 −ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェ
ノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベン
ゾフェノン等、 蓚酸アニリド系物質としては、N−(2−エチル−フ
ェニル)−N'−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)蓚酸ジアミド、N−(2−エチル−フェニル)−N'
−(2−エトキシ−フェニル)蓚酸ジアミド等、 芳香族ベンゾエート系物質としては、p−t−ブチル
フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレ
ート等、 シアノアクリレート系物質としては、2−エチルヘキ
シル−2−シアノ−3,3 −ジフェニルアクリレート、エ
チル−2−シアノ−3,3 −ジフェニルアクリレート等、 ヒンダードアミン系物質とは、立体障害性基を有する
ピペリジン誘導体で、その例を示せば、4−アセトキシ
−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、4−ステアロイ
ルオキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、4−ア
クリロイルオキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジ
ン、4−メトキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジ
ン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピ
ペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6 −テト
ラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6 −テト
ラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6 −
テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイル
オキシ)−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、ビス
(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジル)オキザレ
ート、ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジ
ル)マロネート、ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−
ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6 −テトラメチ
ル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6 −
ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,
2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレー
ト、1,2 −ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリ
ジルオキシ)エタン、ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−
4−ピペリジル)ヘキサメチレン−1,6−ジルカバメー
ト、ビス(1−メチル−2,2,6,6 −テトラメチル−4−
ピペリジル)アジペート、トリス(2,2,6,6 −テトラメ
チル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5 −トリカルボ
キシレート等である。又、高分子量のピペリジン誘導体
重縮合物、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6 −テトラメ
チルピペリジン重縮合物等も有効である。 これらの耐候(光)安定剤は少なくとも1種もしくは2
種以上配合するのが好ましく、特に前記〜の耐候安
定剤とヒンダードアミン系物質との併用が好ましく、
さらにはベンゾトリアゾール系物質とヒンダードア
ミン系物質の併用が最も好ましい。ここで用いられる耐
候(光)安定剤(D) は(A) 成分100 重量部に対して0.01
〜5重量部が適当であり、特に0.02〜3重量部が好まし
い。これらの成分は過少の場合には効果が期待できず、
又いたずらに過大に添加しても経済的不利のみならず、
機械的性質の低下、金型の汚染等の問題点をもたらす結
果となる。
【0019】又、本発明の組成物においては、次に示す
染料又は顔料等の着色成分を配合することが好ましい。
使用する染料や顔料等の種類については特に制限はな
く、従来ポリアセタール組成物に慣用されているものの
中から任意のものを選び用いることができる。染料とし
ては、例えばアントラキノン系染料などが好ましく、顔
料としてはカーボンブラックをはじめ、アゾ系、フタロ
シアニン系、ペリレン系、キナクリドン系、アントラキ
ノン系、インドリン系、チタン系、酸化鉄系、コバルト
系などが好ましい。これらの着色成分は単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に着
色成分としてカーボンブラックを添加した場合、耐候安
定性を更に一層向上せしめる効果がある。該カーボンブ
ラックとしては、通常プラスチックの着色用として使用
されるもの、例えばミクロネックス、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンブラックなどを用いることができる。本
発明組成物において、この着色成分の配合量は、ポリア
セタール樹脂100 重量部当たり、 0.1〜10重量部の範囲
が好ましい。特に 0.3〜5重量部が好適である。この配
合量が0.1 重量部未満では着色効果が十分に発揮されな
いし、また、着色量を10重量部より多く配合する必要が
なく、多すぎる配合量は、むしろ組成物の物性、熱安定
性を低下させる。
【0020】本発明の組成物は更に公知の各種安定剤を
添加し、熱安定剤を補強することが望ましく、この目的
のため公知の酸化防止剤や窒素含有化合物、アルカリ又
はアルカリ土類金属化合物等を1種類又は2種類以上合
わせて使用することが望ましい。本発明組成物には更に
その目的に応じ所望の特性を付与するため、従来公知の
添加剤、例えば滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤その他
の界面活性剤、或いは(B) 成分以外の有機高分子材料あ
るいは(C) 成分以外の無機充填剤等を1種又は2種以上
添加含有させることが可能である。
【0021】本発明の組成物は、一般に合成樹脂組成物
の調製法として公知の設備と方法により調製することが
できる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押
出機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとした
後成形することができ、又組成物の調整を成形機にて成
形と同時に行うことも可能である。また各成分の分散混
合を良くするため樹脂成分の一部又は全部を粉砕し、混
合して溶融押出したペレットを成形する方法等、いずれ
も可能である。また前記安定剤、添加剤等の配合物は任
意のいかなる段階で加えてもよく、又最終成形品を得る
直前で添加、混合することももちろん可能である。また
本発明にかかる樹脂組成物は、押出し成形、射出成形、
圧縮成形、真空成形、吹き込み成形、発泡成形のいずれ
によっても成形可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施
例・比較例中の「部」はすべて重量部を表す。又、実施
例において表面状態および機械物性の特性値の評価に用
いた方法は以下の通りである。 (1) 表面状態および表面光沢度の測定 鏡面およびシボ付きの金型を用いて下記条件にて成形し
た試験片(70mm×40mm×3mm厚さ)を用いて表面状態お
よび表面光沢度を測定した。(イ)表面表面状態は、1
〜4のランクに分け、艶消し状態および成形表面の均一
性を評価した。数字が小さい程、均一性が良く、かつ艶
消し状態が良い。 1…表面が均一であり、かつ艶消し状態も良い。 2…表面の艶は、低下しているが、表面の凹凸は不均一
で荒れている。 3…表面の艶が、消えている部分と消えていない部分が
不均一にまだら模様になっている。 4…表面の艶がほとんど低下していない。または、表面
のまだら模様が大きく、艶の低下していない部分が大き
い。 (ロ)表面光沢度の測定はJIS K7105 の光沢度測定に準
拠してデジタル変角光沢計(スガ試験機(株)製 UGV-4
0 )にて45度−45度反射における光沢度を測定した。 * 成形機 ;東芝(株)製IS80 * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 650 (kg/cm2) 射出速度 1.0 (m/min) 金型温度 80 (℃) (2) 耐候性試験 紫外線フェードメータ(スガ試験機(株)製FAL-AU・H
・B ・Em型)を用いて、ブラックパネル温度83℃で紫外
線を照射し、クラック発生時間及び表面状態の変化を評
価した。 クラック発生時間 試験片に紫外線を所定の条件で照射し、試験片表面のク
ラック発生の有無を10倍のルーペで観察し、初めてクラ
ックの発生時間とした。値が大きいほど良好であること
を示す。 表面状態の変化 試験片に紫外線を所定の条件で一定時間(600 時間、10
00時間)照射し、照射前後における試験片の色相の変
化、及びクラックの状況を観察し、それらの変化の程度
を5段階に区分して表示する。数字の小なるほど変化
少、即ち変色、クラックの発生が少ないことを意味す
る。 (3) 引張試験 ASTM D638 に準拠して引張強伸度を測定した。 (4) アイゾット衝撃値 ASTM D256 に準拠してアイゾット衝撃値を測定した。
【0023】又、実施例、比較例中に用いる略語は下記
の通りである。 エチルアクリレート EA メチルメタクリレート MMA ブチルアクリレート BA 1,4 −ブチレングリコールアクリレート BGA アリルメタクリレート AlMA メタクリルアミド MAM ノニオン性界面活性剤 (花王製エマルゲン950) E950 オリゴマー型アニオン性界面活性剤 界面活性剤A (特開昭53−10682 号公報、実施例13の記載にしたがっ
て合成し、アンモニア水でpH7.5 に調整後、純水にて固
形分率10%とした。
【0024】
【化2】
【0025】(式中、a:b=7:3、a+b=約13.
6) <組 成> メタクリル酸 155g MMA 360g n −ドデシルメルカプタン 109g アゾビスイソブチロニトリル 4.4g イソプロパノール 314g 分子量 1310 ) 脱イオン水 DIW 2,2'−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩 V50 (和光純薬(製)V50) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート HEMA スチレン St グリシジルメタクリレート GMA 製造例1〜3<コアシェルポリマーB−1〜3の製造> 5リットル還流冷却器付重合容器内にDIW 1200g、25%
アンモニア水1.68g、界面活性剤A7g、MAM 0.14gを
仕込み、窒素気流下で撹拌しながら70℃に昇温した。次
の組成からなるシードモノマー混合物の27.86 gを添加
し、10分間かけて分散させた後、V50 の10%水溶液21g
を添加してシード粒子を重合した。 シードモノマー EA 27.664g AlMA 0.14 g BGA 0.056g 続いてMAM 7gを添加し、次の組成からなるコア部モノ
マー混合物1365gに界面活性剤A 210g、DIW 900g、25
%アンモニウム水2.80gを添加混合したモノマー乳化液
および10%V 50水溶液21.0g、1%アンモニア水0.63g
の混合液を180分かけて連続フィードし、シード重合を
行った。 コア部モノマー混合物 BA 1215.2g MMA 140.0g BGA 2.8g AlMA 7.0g 80℃に昇温して1時間熟成後、冷却して70℃とした。
【0026】次に、V50の10%水溶液を9g、1%アン
モニア水0.27gを添加し、次の組成のシェル部モノマー
乳化液およびV50の10%水溶液を12g、1%アンモニア
水0.36gを60分かけて連続フィードし、シード重合を行
った。 シェル部モノマー乳化液 MMA 265.8g EA 60.0g 界面活性剤A 30.0g DIW 500.0g 25%アンモニウム水 0.72 g St 180.0g HEMA 90.0g BGA 1.2g MAM 3.0g 80℃に昇温して1時間熟成後、冷却した後、300 メッシ
ュのステンレス金網で濾過し、コアシェルポリマーラテ
ックスを得た。このラテックスを−15℃にて凍結させ、
室温まで融解させてグラスフィルターで濾過し、その後
60℃にて一昼夜送風乾燥して、コアシェルポリマーB−
1を得た。又、表1に示されるような組成のモノマーを
用いた以外は製造例1と同様にして重合を行ない、コア
シェルポリマーB−2及びB−3を得た。
【0027】
【表1】
【0028】実施例1 ポリアセタール樹脂(A) (ポリプラスチックス(株)
製、ジュラコン(商品名)」に前記のように製造したコ
アシェルポリマー(B−1)と無機充填剤(C−1)を
表2に示す組成で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて
混合後、30mm2軸押出し機を用いて溶融混練しペレット
状の組成物を調製した。次いで、このペレットから、射
出成形機を用いて前述の成形条件にて試験片を成形し、
光沢、その他の特性を測定し、評価した。その結果を表
2に示す。 比較例1 実施例1において、ポリアセタール樹脂にコアシェルポ
リマーと無機充填剤を配合しなかった以外は、実施例1
と同様にしてポリアセタール組成物を得た。同様にして
この組成物から各試験片を作製し、評価した。結果を表
3に示す。 実施例2〜15 上記のようにして製造したコアシェルポリマー(B−1
〜B−3)及び無機充填剤(C−1〜C−3)を用い
て、表2に示す組成で、実施例1と同様にしてポリアセ
タール組成物を得た。同様にして、この組成物から各試
験片を作製し、評価した。その結果を表2に示す。 比較例2〜13 表3に示すように、ポリアセタール樹脂にコアシェルポ
リマー単独又は無機充填剤を単独で添加したものについ
て実施例1と同様に、組成物を調製し、試験片を作製
し、評価した。その結果を表3に示す。 比較例14〜17 表3に示すように、(B) 成分の代わりにグラフトしてい
ない状態のアクリル樹脂を添加したもの、あるいは前記
アクリル樹脂と無機充填剤の併用した系、あるいは平均
粒子径が50μm を越える無機充填剤をコアシェルポリマ
ーに添加したものについて、実施例1と同様に組成物を
調製し、試験片を作製し、評価した。その結果を表3に
示す。 実施例16〜19 ポリアセタール樹脂にコアシェルポリマー、無機充填剤
及び耐候(光)安定剤(D−1〜D−3)を表4に示す
組成で配合し、実施例1と同様にしてポリアセタール組
成物を得て、同様にして、この組成物から各試験片を作
製し、評価した。その結果を表4に示す。 比較例18〜22 表5に示すように、ポリアセタール樹脂単独、コアシェ
ルポリマーあるいは無機充填剤を配合したものに、更に
耐候(光)安定剤を併用して添加したものについて、実
施例1と同様に組成物を調製し、試験片を作製し、評価
した。その結果を表5に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】注−2) C−1:タルク 平均粒子径約15μm C−2:タルク 平均粒子径約30μm C−3:炭酸カルシウム 平均粒子径約5μm C−4:アルミノケイ酸塩 平均粒子径約2.5 μm C' −1:炭酸カルシウム 平均粒子径約60μm 注−3) D−1:2−〔2−ヒドロキシ−3,5 −ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール D−2:2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフ
ェノン 注−4) D−3:ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート 注−5) アクリル樹脂 B’−1:P(MMA−HEMA) メチルメタクリレートとヒドロキシエチルメタクリレー
トのランダム共重合体(MMA/HEMA;8/2(wt%)) B’−2:P(MMA−GMA) メチルメタクリレートとグリシジルメチルメタクリレー
トのランダム共重合体(MMA/GMA ;8/2(Wt%))
【0034】
【発明の効果】以上の説明および実施例により明らかな
ように、ポリアセタール樹脂に、特定のコアシェルポリ
マーと無機充填剤を添加配合させてなる本発明の組成物
は、ポリアセタールのバランスのとれた機械的物性を保
持しながら成形表面の光沢を著しく低下させるという顕
著な効果を示した。また上記の成分に耐候(光)性安定
剤を併用することにより、優れた耐候(光)性を有する
組成物となる。従って、本発明の低光沢性を有するポリ
アセタール樹脂組成物は、高級感をだし、光の反射が嫌
われる自動車内装品(例えばレギュレーターハンドル、
内装クリップ、ベンチレーターノブ等)、および自動車
のアウターハンドル、キーボードのキートップ、光学機
械、ハウジング、家庭用品等の用途等に好適に使用し得
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/04 LKX 7142−4J LKY 7142−4J 59/00 LMN B 8215−4J

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリアセタール樹脂100 重量部に(B)
    ゴム状ポリマーのコアと含酸素極性基を有するビニル系
    共重合体からなるガラス状ポリマーのシェルを有するコ
    アシェルポリマー0.5 〜100 重量部および(C) 平均粒子
    径0.5 〜50μm の粒状構造を持つ無機充填剤0.5 〜30重
    量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(B) コアシェルポリマーの含酸素極性基を
    有するビニル系共重合体の1つの構成成分が、分子内に
    2個以上の含酸素極性基を有するアルコールの(メタ)
    アクリレートである請求項1記載のポリアセタール樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】(B) コアシェルポリマーの含酸素極性基
    が、水酸基および/またはグリシジル基である請求項1
    又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(B) コアシェルポリマーの(メタ)アクリ
    レートがヒドロキシエチルメタクリレートまたはグリシ
    ジルメタクリレートである請求項2記載のポリアセター
    ル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(B) コアシェルポリマーがオリゴマー型界
    面活性剤を用いて乳化重合することにより得られたもの
    であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載
    のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(B) コアシェルポリマーがノニオン性界面
    活性剤を用いて乳化重合することにより得られたもので
    あることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の
    ポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(C) 無機充填剤が炭酸カルシウム、アルミ
    ノケイ酸塩またはタルクである請求項1記載のポリアセ
    タール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1記載の組成物に、更に(D) 耐候
    (光)性安定剤0.01〜5重量部を添加配合してなるポリ
    アセタール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】(D) 耐候(光)性安定剤がベンゾトリアゾ
    ール系物質、ベンゾフェノン系物質、蓚酸アニリド系物
    質、芳香族ベンゾエート系物質、シアノアクリレート系
    物質およびヒンダードアミン系物質よりなる群から選ば
    れた1種または2種以上である請求項8記載のポリアセ
    タール樹脂組成物。
  10. 【請求項10】(D) 耐候(光)性安定剤がベンゾトリア
    ゾール系物質、ベンゾフェノン系物質蓚酸アニリド系物
    質、芳香族ベンゾエート系物質、シアノアクリレート系
    物質の1種または2種以上とヒンダードアミン系物質と
    の併用よりなる請求項8記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1項記載の組
    成物を成形してなるポリアセタール樹脂成形品。
  12. 【請求項12】請求項11記載の成形品が本文記載の方
    法(鏡面金型使用)により測定した表面光沢度が20%以
    下を示すポリアセタール樹脂成形品。
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