JPH04318061A - つや消し性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

つや消し性ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH04318061A
JPH04318061A JP10817091A JP10817091A JPH04318061A JP H04318061 A JPH04318061 A JP H04318061A JP 10817091 A JP10817091 A JP 10817091A JP 10817091 A JP10817091 A JP 10817091A JP H04318061 A JPH04318061 A JP H04318061A
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JP
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polycarbonate resin
resin composition
compound
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JP10817091A
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Inventor
Kazuyuki Nakamura
一幸 中村
Hideaki Kodera
秀章 小寺
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なつや消し性ポリカ
ーボネート樹脂組成物、さらに詳しくは、優れた耐熱性
や耐衝撃性を有するとともに、表面のつや消し性に優れ
、かつそれが均一な成形品を与えるポリカーボネート樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリカーボネート樹脂は機械特性
、電気特性及び耐熱性に優れているものの、軟化温度が
比較的に高く、成形加工性に劣るため、流動性の良好な
スチレン系樹脂、例えばアクリロニトリル‐ブタジエン
‐スチレン共重合体(ABS樹脂)を配合して、成形加
工性を改良することが行われている(特公昭38−15
225号公報)。そして、このポリカーボネート樹脂に
ABS樹脂を配合した組成物は、例えば自動車内外装部
品、家電製品、建築材料などに広く用いられている。
【0003】これらの成形品においては、表面光沢の優
れているものが求められる場合もあるし、逆に光の反射
を抑制したり、落ち着き感や高級感を出すために表面の
光沢をなくしたつや消し性が求められる場合もある。
【0004】ところで、熱可塑性樹脂成形品の表面につ
や消し性を付与する方法としては、例えば(1)金型表
面にシボ加工を行い、成形時に転写する方法、(2)成
形品につや消し塗装を行う方法、(3)熱可塑性樹脂に
ゴム成分を配合する方法、(4)熱可塑性樹脂に無機充
てん剤を配合する方法などが知られ、ポリカーボネート
樹脂組成物においてもこれらの方法が用いられている。
【0005】しかしながら、前記の(1)及び(2)の
方法は、特別の工程を必要とするため作業能率が低下す
るのを免れないし、また(3)の方法は、ポリカーボネ
ート樹脂における好ましい物性、例えば耐衝撃性や強度
が低下するという欠点がある。
【0006】このような欠点を改良したものとして、例
えばポリカーボネート樹脂に、α‐オレフィンとα,β
‐不飽和酸のグリシジルエステルとから得られたα‐オ
レフィン共重合体を配合した組成物(特開昭61−17
4257号公報)、オレフィン単位を含まないエポキシ
基含有共重合体を配合した組成物(特開平1−1013
55号公報)が提案されている。しかしながら、これら
の組成物は、成形した場合、部分的なつや消し性の差を
生じ、外観が不均一になるという欠点を有している。ま
た、ゴム状重合体にα,β‐不飽和酸のグリシジルエス
テルをグラフト共重合させて得られた共重合体をポリカ
ーボネート樹脂に配合した組成物も提案されているが(
特開昭63−156851号公報)、この組成物におい
ては、ゴムの補強効果の低下を招き、耐衝撃性が劣化す
る。
【0007】そのほか、ゴム状重合体に、芳香族ビニル
化合物とシアン化ビニル化合物とを2段階でグラフト共
重合させて得られたグラフト共重合体を配合した組成物
(特開昭62−199647号公報)、多孔質架橋重合
体から成る架橋粒子を配合した組成物(特開昭63−2
97449号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、これらの組成物はいずれもつや消し効果が十分では
なく、良好なつや消し表面を有する成形品が得られない
という欠点を有している。
【0008】また、つや消しのために、ポリカーボネー
トに乳化重合で得られた超高ゴム含量のABS樹脂を配
合した組成物や(メタ)アクリル酸グリシジル系共重合
体を配合した組成物(特開平2−242851号公報、
特開平2−227449号公報)も知られているが、こ
れらの組成物においては、ゴム成分の割合を高めること
でつや消し効果を与えるため、その効果に限度があり、
十分なつや消しが得られないという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来のつや消し性ポリカーボネート樹脂組成物が有する欠
点を克服し、本来の優れた耐熱性や耐衝撃性をそこなう
ことなく、良好なつや消し表面を与え、かつ成形の際に
外観上の不均一を生じないポリカーボネート樹脂組成物
を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、つや消し
性の良好なポリカーボネート樹脂組成物を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、ポリカーボネートに対して、エポ
キシ基含有オレフィン共重合体に特定の単量体をグラフ
ト共重合させて成る共重合体及び場合によりABS樹脂
などのグラフト共重合体やAS樹脂などの共重合体を所
定の割合で配合することにより、その目的を達成しうる
ことを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち、本発明は、(A)ポリカーボネ
ート樹脂に対し、全組成物重量に基づき1〜40重量%
の(B)エポキシ基含有オレフィン共重合体に、芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及びα,β‐不飽
和カルボン酸アルキルエステルの中から選ばれた少なく
とも1種と、場合によりさらにこれらと共重合可能な不
飽和単量体とをグラフト共重合させたグラフト共重合体
を配合してなるつや消し性の優れたポリカーボネート樹
脂組成物、あるいはこれらにさらに全組成物重量に基づ
き50重量%を越えない量の(C)ゴム状重合体に、芳
香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び場合によ
りこれらと共重合可能な不飽和単量体をグラフト共重合
させたグラフト共重合体又は全組成物重量に基づき40
重量%を越えない量の(D)芳香族ビニル化合物、シア
ン化ビニル化合物及び場合によりこれらと共重合可能な
不飽和単量体との共重合体若しくはその両方を配合して
なるつや消し性の優れたポリカーボネート樹脂組成物を
提供するものである。
【0012】本発明組成物において、(A)成分として
用いられるポリカーボネートは、一般式
【化1】 (式中のYは
【化2】 で示される基又は−ArOH、Zは−OH又は
【化3】 で示される基、Rは水素原子又はアルキル基、Arは芳
香族残基、nはポリマーの重量平均分子量が20,00
0〜500,000になるような整数である)で表わさ
れる構造を有している。
【0013】前記一般式(I)におけるRがアルキル基
の場合、このアルキル基としては、例えば
【化4】 で示される基などを挙げることができる。またArとし
ては、例えば
【化5】 及び
【化6】 (式中のmは3〜11の整数、−(CH2)−の水素原
子は低級アルキル基、アリール基、ハロゲン原子などで
置換されていてもよい)で示される基などが挙げられる
が、これらの中で
【化7】 で示される基が好ましい。特に、前記一般式(I)にお
いて、式
【化8】 で表わされる繰り返し単位85モル%以上を含有するも
のが好適である。
【0014】この(A)成分として用いられるポリカー
ボネートは、分子量がゲルパーミエーションンクロマト
グラフィー(以下、GPCと略す)による重量平均分子
量(Mw)で20,000以上、好ましくは22,00
0〜500,000、より好ましくは25,000〜3
00,000の範囲にあるものが好適である。
【0015】このMwが20,000未満では耐薬品性
、塗装性、熱変形温度及び耐衝撃性の改良効果が十分に
発揮されないし、500,000を超えると成形加工性
が低下する傾向がみられ、好ましくない。
【0016】該ポリカーボネートの製造方法については
特に制限はないが、例えば結晶化させたポリカーボネー
トプレポリマーを固相で重合させる方法(例えば特開平
1−158033号公報、特開平1−271426号公
報に記載の方法)が好適である。
【0017】この固相重合法においては、例えば末端基
として、ヒドロキシル基とアリールカーボネート基を有
する結晶化芳香族ポリカーボネートプレポリマーが、固
相状態で高分子量化されるが、その際、該プレポリマー
は、全末端基中に占めるアリールカーボネート基末端の
割合が、30〜80モル%の範囲にあり、かつ重量平均
分子量が6,000〜10,000で、結晶化度が10
〜40%であるものが好ましい。特に好適なのは、前記
した固相重合法によって得られる重量平均分子量が30
,000〜500,000の範囲の高分子量ポリカーボ
ネートである。
【0018】次に、本発明組成物において、(B)成分
として用いられるグラフト共重合体の主鎖となるエポキ
シ基含有オレフィン共重合体は、オレフィンとエポキシ
基含有不飽和単量体とを共重合させることにより得られ
る。該オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレ
ン、ブテン‐1、ヘキセン‐1などが挙げられ、これら
は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよいが、これらの中でエチレンが好適である。また、
該エポキシ基含有不飽和単量体としては、例えばグリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコ
ン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルエ
ステル類、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジ
ルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテル類、あるい
はp‐グリシジルスチレンなどが挙げられ、これらは1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
いが、これらの中でグリシジルメタクリレートが好適で
ある。
【0019】このエポキシ基含有オレフィン共重合体に
おけるオレフィン単位とエポキシ基含有不飽和単量体単
位の割合は、オレフィン単位の含有量が60〜99.9
重量%、好ましくは70〜97重量%で、エポキシ基含
有不飽和単量体単位の含有量が40〜0.1重量%、好
ましくは30〜3重量%の範囲にあるのが望ましい。該
オレフィン単位の含有量が60重量%未満では成形加工
性に劣るし、99.9重量%を超えると成形品のつや消
し性が悪くなる傾向がみられる。
【0020】このエポキシ基含有オレフィン共重合体に
グラフト共重合させる芳香族ビニル化合物としては、例
えばスチレン、α‐メチルスチレン、クロル化スチレン
、ブロム化スチレンなどのハロゲン化スチレン、ビニル
トルエン、ジメチルスチレンなどのアルキルスチレン、
ビニルナフタレンなどが挙げられ、これらは単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、
これらの中で特にスチレンが好適である。
【0021】また、グラフト共重合させるシアン化ビニ
ル化合物としては、例えばアクリロニトリルやメタクリ
ロニトリルなどが挙げられるが、これらの中でアクリロ
ニトリルが特に好ましい。
【0022】また、α,β‐不飽和カルボン酸アルキル
エステルとしては、例えば炭素数1〜10のアルキル基
をもつアルキルアクリレート、具体的にはメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート
、ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレートなどや、炭素数1〜10のアルキル基をもつア
ルキルメタクリレート、具体的にはメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、2‐エチルヘキシルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレートなどが挙げられる。
【0023】これらは単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよいが、これらの中でメチルメ
タクリレート、メチルアクリレート及びブチルアクリレ
ートが好適である。
【0024】また、前記単量体と共重合可能な不飽和単
量体としては、例えばα,β‐不飽和カルボン酸や無水
マレイン酸などが挙げられる。
【0025】該(D)成分のグラフト共重合体における
主鎖となるエポキシ基含有オレフィン共重合体とグラフ
ト共重合させる単量体との使用割合については、エポキ
シ基含有オレフィン共重合体が5〜95重量%、好まし
くは20〜90重量%で、グラフト共重合させる単量体
が95〜5重量%、好ましくは80〜10重量%の割合
が望ましい。該エポキシ基含有オレフィン共重合体が5
重量%未満ではつや消し性の効果が十分に発揮されない
し、95重量%を超えると成形品における均一なつや消
し性や耐熱性、耐衝撃性が低下する傾向がみられる。
【0026】この(B)成分のグラフト共重合体を製造
するには、例えばラジカル共重合性をもつ有機過酸化物
、具体的には、t‐ブチルペルオキシアクリロイロキシ
エチルカーボネート、t‐アミルペルオキシアクリロイ
ロキシエチルカーボネート、t‐ヘキシルペルオキシア
クリロイロキシエチルカーボネートなどの共存下におい
て、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及びα
,β‐不飽和カルボン酸アルキルエステルの中から選ば
れた少なくとも1種を、場合によりこれらと共重合可能
な不飽和単量体とともに重合させて成る重合体を、エポ
キシ基含有オレフィン共重合体とともに押出機や溶液中
でラジカル付加反応によりグラフト共重合する方法、あ
るいはエポキシ基含有オレフィン共重合体に、芳香族ビ
ニル化合物、シアン化ビニル化合物及びα,β‐不飽和
カルボン酸アルキルエステルの中から選ばれた少なくと
も1種の単量体と場合によりこれらと共重合可能な不飽
和単量体とを直接グラフト共重合させる方法などが挙げ
られる。
【0027】次に、本発明組成物において、(C)成分
として用いられるグラフト共重合体におけるゴム状重合
体は、該組成物の耐衝撃性を改良するためにエラストマ
ーの性質を有する重合体であって、このようなものとし
ては、例えばジエン系重合体、具体的にはポリブタジエ
ン、スチレン‐ブタジエンゴム、ブタジエン‐アクリロ
ニトリルゴム、ブタジエン‐イソプレンゴム、ポリイソ
ブチレン、あるいはブチルアクリレート、2‐エチルヘ
キシルアクリレートなどから得られるポリアルキルアク
リレートなどが挙げられ、該ポリアルキルアクリレート
は、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールメタクリ
レートなどの多官能性不飽和単量体によって架橋された
ものであってもよい。さらに、アルキルアクリレートに
、ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、アルキル
メタクリレートなどを共重合させて得たゴム状重合体を
用いることもできる。さらには、他のグラフト共重合可
能なエチレン‐プロピレンゴム、エチレン‐プロピレン
‐ジエンゴム、スチレン‐ブタジエン系ブロック共重合
体、スチレン‐ブタジエン系ブロック共重合体の水素添
加重合体、スチレン‐イソプレン系ブロック共重合体、
スチレン‐イソプレン系ブロック共重合体などの水素添
加重合体やシリコーンゴムなども使用することができる
【0028】また、これらのゴム状重合体にグラフト共
重合させる芳香族ビニル化合物やシアン化ビニル化合物
としては、前記の(B)成分で用いたものと同じものを
用いることができるが、特に好適な芳香族ビニル化合物
はスチレン、好適なシアン化ビニル化合物はアクリロニ
トリルである。
【0029】また、これらの単量体と共重合可能な不飽
和単量体としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基
をもつアルキルアクリレート、具体的にはメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート
、ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレー
トなどや、炭素数1〜10のアルキル基をもつアルキル
メタクリレート、具体的にはメチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、2‐エチルヘキシルメタクリレート、
ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタク
リレートなどが挙げられる。また、マレイミド類、例え
ば、マレイミド、N‐メチルマレイミド、N‐シクロヘ
キシルマレイミド、N‐フェニルマレイミドなどや、α
,β‐不飽和カルボン酸、無水マレイン酸などを用いる
こともできる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中でメチル
メタクリレート、メチルアクリレート、フェニルメタク
リレート、ブチルアクリレート及びN‐フェニルマレイ
ミドが好適である。
【0030】この(C)成分のグラフト共重合体は、例
えば前記ゴム状重合体5〜70重量%、好ましくは5〜
50重量%に、芳香族ビニル化合物10〜90重量%、
シアン化ビニル化合物5〜50重量%及び場合により共
重合可能な不飽和単量体0〜40重量%を混合するか、
あるいは段階的に添加して30〜95重量%の割合でグ
ラフト共重合させることにより、製造することができる
【0031】このゴム状重合体の割合が5重量%未満で
は得られる組成物の耐衝撃性が十分ではないし、70重
量%を超えると成形加工性や熱安定性が低下する傾向が
みられ、好ましくない。
【0032】この(C)成分のグラフト共重合体は、例
えば乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合などの公
知の重合方法により、製造することができる。
【0033】本発明組成物において、(D)成分として
用いられる共重合体における原料単量体の芳香族ビニル
化合物、シアン化ビニル化合物及び場合により用いられ
るこれらと共重合可能の単量体としては、それぞれ前記
(C)成分のグラフト共重合体の説明において例示した
ものを挙げることができるが、芳香族ビニル化合物とし
ては特にスチレンが好ましく、シアン化ビニル化合物と
してはアクリロニトリルが好ましい。また、共重合可能
な不飽和単量体としては、メチルメタクリレート、メチ
ルアクリレート、フェニルメタクリレート、ブチルアク
リレート及びN‐置換マレイミドが好ましく、特にN‐
置換マレイミド、さらにはN‐フェニルマレイミドが好
適である。この共重合体は乳化重合、懸濁重合、塊状重
合、溶液重合などの公知の重合方法により、製造するこ
とができる。
【0034】本発明のポリカーボネート樹脂組成物にお
ける(B)成分の配合量は全組成物重量に基づき1〜4
0重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲で選ばれる
。この(B)成分はつや消し性を付与するために用いら
れる成分であるが、その配合量が1重量%未満ではその
効果が不十分であるし、40重量%よりも多くなると、
熱変形温度が低下する上に、成形加工性が悪くなる。
【0035】次に、(C)成分はポリカーボネートの耐
衝撃性や成形加工性を改善させるために用いられる成分
であって、本発明において必要に応じ用いることができ
るが、その配合量が全組成物重量に基づき50重量%を
越えると熱変形温度の低下を生じ、物性劣化の原因にな
る。
【0036】また、(D)成分はポリカーボネート樹脂
組成物の耐熱性や耐衝撃性を調整するために、必要に応
じ配合させる成分であるが、この配合量が40重量%を
越えると耐衝撃性の著しい低下をもたらす。
【0037】したがって、本発明組成物においては、(
C)成分の配合量は50重量%以下、(D)成分の配合
量は40重量%以下の範囲内で選ばれる。
【0038】本発明組成物の調製方法については特に制
限はなく、従来公知の方法、例えばヘンシェルミキサー
、タンブラー、ブレンダーなどを用いて粉体状又は粒状
の各成分を混合し、次いでこれを押出機、ニーダー、ミ
キサーなどで溶融混練する方法、あらかじめ溶融させた
成分に、他の成分を逐次混合する方法、各成分の混合物
を直接射出成形機で成形する方法などを用いることがで
きる。
【0039】本発明組成物には、本発明の目的がそこな
われない範囲で、所望に応じ各種添加成分、例えば染料
、顔料、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、
難燃剤、難燃助剤、有機充てん剤、無機充てん剤などを
添加することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によると、優れた耐熱性や耐衝撃
性を有するとともに、表面のつや消し性に優れ、かつそ
れが均一な成形品を与えるポリカーボネート樹脂組成物
が容易に得られる。本発明のつや消し性ポリカーボネー
ト樹脂組成物は、例えば自動車の内装部品や家電製品な
どのつや消しが要求される成形品の素材として好適に用
いられる。
【0041】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、組成物の物性は次のようにして
求めた。 (1)引張強度及び伸び ASTM  D‐638に準じて測定した。 (2)アイゾット衝撃強さ ASTM  D‐256の方法に準じて測定した。 (ノッチ付き  厚み  1/8インチ)(3)加熱変
形温度 ASTM  D‐648に準じて測定した。 (4)メルトフローインデックス(MFR)JIS  
K7210  B法  (240℃  10kg荷重)
に準じて測定した。 (5)表面光沢及び均一性の評価 射出成形により、長さ200cm、幅200cm、厚さ
2mmの平板を作製し、この平板表面の両側の各5か所
(各角から10mmの場所を4か所、中央部1か所)に
ついて入射角60度での反射光を測定し(計10か所)
、平均値及び最大値と最小値との差(ΔG)を求め、次
の記号に従って表面光沢及び均一性を評価した。 ○:平均値が40以下で、ΔGが10未満のもの△:平
均値が40以下で、ΔGが10以上のもの×:平均値が
40より大きく、ΔGが10以上のもの
【0042】製
造例1  ポリカーボネート(A‐1)の製造 2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン13
0重量部、ジフェニルカーボネート129重量部を反応
槽に入れ、230℃で窒素気流中、減圧下で、反応させ
てプレポリマーを得た。分子量は8,100であり、ヒ
ドロキシル基末端の割合は、48モル%であった。次い
で、このプレポリマーを直接アセトン200重量部中に
浸せきして結晶化させたのち、ろ過及び乾燥して粉末状
のプレポリマーを得た。次に、プレポリマーをターンブ
ルドライヤーに入れ、窒素気流中で回転させ、減圧下に
て昇温して、220℃で16時間の固相重合を行い、ポ
リカーボネート(A‐1)粉体を得た。得られたポリカ
ーボネートの重量平均分子量は、56,000であった
【0043】製造例2  ポリカーボネート(A‐2)
の製造 製造例1において、固相重合時間を20時間とした以外
は、製造例1と同様にして、重量平均分子量86,00
0のポリカーボネート(A‐2)を得た。
【0044】製造例3  ポリカーボネート(A‐3)
の製造 製造例1において、ヒドロキシル基末端30モル%のプ
レポリマーを用い、かつ固相重合時間を8時間とした以
外は、製造例1と同様にして重量平均分子量26,00
0のポリカーボネートを得た。
【0045】製造例4  グラフト共重合体(B‐1)
の製造 エチレン‐グリシジルメタクリレート共重合体(エチレ
ン単位/グリシジルメタクリレート単位重量比85/1
5)50重量部に、アクリロニトリル15重量部及びス
チレン35重量部をグラフト化反応させてグラフト共重
合体(B‐1)を得た。
【0046】製造例5  グラフト共重合体(B‐2)
の製造 製造例4において、アクリロニトリルの量を20重量部
及びスチレンの量を30重量部に変えた以外は、製造例
8と同様にしてグラフト共重合体(B‐2)を得た。
【0047】製造例6  グラフト共重合体(B‐3)
の製造 製造例4において、アクリロニトリル及びスチレンの代
りにフェニルメタクリレート49重量部及びメチルアク
リレート1重量部を用いた以外は、製造例8と同様にし
てグラフト共重合体(B‐3)を得た。
【0048】製造例7  グラフト共重合体(B‐4)
の製造 製造例4において、アクリロニトリル及びスチレンの代
りにフェニルメタクリレート45重量部及びメチルアク
リレート5重量部を用いた以外は、製造例8と同様にし
てグラフト共重合体(B‐4)を得た。
【0049】製造例8  グラフト共重合体(C‐1)
の製造 平均粒子径が0.30μmのポリブタジエンラテックス
750重量部(ゴム換算40重量%)及び乳化剤(不均
化ロジン酸カリウム)1重量部を重合槽に仕込み、かき
まぜながら、窒素気流中で70℃に昇温し、これにアク
リロニトリル200重量部、スチレン500重量部、ク
メンヒドロペルオキシド0.8重量部及びt‐ドデシル
メルカプタン0.7重量部の混合液と、蒸留水500重
量部にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート1.
0重量部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.1
0重量部及びエチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.2
重量部を溶解させた水溶液とを6時間にわたって添加す
ることにより、重合を行った。添加終了後、さらに2時
間かきまぜ続けて重合を終えた。重合率は、94%であ
った。生成したグラフト共重合体ラテックスは、希硫酸
水溶液で凝固したのち、洗浄、脱水、乾燥して白色粉末
の(C‐1)を得た。
【0050】製造例9  グラフト共重合体(C‐2)
の製造 製造例8において、アクリロニトリルの量を280重量
部、スチレンの量を420重量部に変えた以外は、製造
例4と同様にして重合を行い、グラフト共重合体(C‐
2)を得た。
【0051】製造例10  共重合体(D‐1)の製造
水180重量部に過硫酸カリウム0.4重量部とロジン
酸カリウム2.0重量部を加えて溶解させ、この水溶液
にスチレン70重量部、アクリロニトリル30重量部及
びドデシルメルカプタン0.2重量部を加え、70℃で
4時間反応させて、芳香族ビニル共重合体を得た。重合
率は、94%であった。生成した共重合体は、希硫酸水
溶液で凝固したのち、洗浄、脱水、乾燥して白色粉末の
(D‐1)を得た。
【0052】製造例11  共重合体(D‐2)の製造
アクリロニトリル200重量部、スチレン500重量部
、N‐フェニルマレイミド300重量部、t‐ブチルペ
ルオキシイソプロピルカーボネート0.3重量部及びエ
チルベンゼン450重量部から成る混合液を重合槽に連
続的に供給し、110〜140℃で反応させて、重合を
行った。生成した共重合体から減圧下にて脱揮を行い、
未反応単量体を除去して共重合体(D‐2)を得た。
【0053】実施例1 製造例で得られたポリカーボネート(A‐1)50重量
部、エポキシ系グラフト共重合体(B‐1)10重量部
、グラフト共重合体(C‐1)30重量部及び共重合体
(D‐1)10重量部をヘンシェルミキサーにて混合し
たのち、押出機によりペレットした。次に、このペレッ
トを射出成形機により成形することにより、試験片を作
成し、物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0054】実施例2〜10 表1に示す種類と量の各成分を配合してペレットとした
のち、射出成形機により試験片を作成し、物性を評価し
た。その結果を表1に示す。
【表1】
【0055】比較例1〜6 表2に示す種類と量の各成分を配合してペレットとした
のち、射出成形機により試験片を作成し、物性を評価し
た。その結果を表2に示す。なお、比較例において用い
たつや消し性を示す共重合体の記号は次を意味する。 
 G‐1:エチレンとグリシジルメタクリレートとを共
重合して得られたEGMA共重合体。 G‐2:アクリロニトリル190重量部、スチレン50
0重量部及びグリシジルメタクリレート10重量部とし
た以外は、製造例8と同様に重合して得られたGMAグ
ラフト共重合体。 G‐3:スチレン70重量部、アクリロニトリル25重
量部及びグリシジルメタクリレート5重量部とした以外
は、製造例10と同様に重合して得られたGMA‐AS
共重合体。
【表2】 表1及び表2から明らかなように、本発明組成物は表面
光沢(つや消し性)及び均一性に優れ、かつ耐衝撃性(
アイゾット衝撃強さ)や耐熱性に優れることが分かる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (A)ポリカーボネート樹脂に対し、
    全組成物重量に基づき1〜40重量%の(B)エポキシ
    基含有オレフィン共重合体に、芳香族ビニル化合物、シ
    アン化ビニル化合物及びα,β‐不飽和カルボン酸アル
    キルエステルの中から選ばれた少なくとも1種と、場合
    によりさらにこれらと共重合可能な不飽和単量体をグラ
    フト共重合させたグラフト共重合体を配合してなるつや
    消し性の優れたポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】  請求項1のポリカーボネート樹脂組成
    物に対し、全組成物重量に基づき50重量%を越えない
    量の(C)ゴム状重合体に、芳香族ビニル化合物、シア
    ン化ビニル化合物及び場合によりこれらと共重合可能な
    不飽和単量体をグラフト共重合させたグラフト共重合体
    を配合してなるつや消し性の優れたポリカーボネート樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】  請求項1又は2のポリカーボネート樹
    脂組成物に対し、全組成物重量に基づき40重量%を越
    えない量の(D)芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル
    化合物及び場合によりこれらと共重合可能な不飽和単量
    体との共重合体を配合してなるつや消し性の優れたポリ
    カーボネート樹脂組成物。
JP10817091A 1991-04-15 1991-04-15 つや消し性ポリカーボネート樹脂組成物 Withdrawn JPH04318061A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000045207A (ko) * 1998-12-30 2000-07-15 유현식 웰드강도가 우수한 폴리카보네이트계 열가소성 수지 조성물

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