JPH0971702A - 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性熱可塑性樹脂組成物

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JPH0971702A
JPH0971702A JP35683591A JP35683591A JPH0971702A JP H0971702 A JPH0971702 A JP H0971702A JP 35683591 A JP35683591 A JP 35683591A JP 35683591 A JP35683591 A JP 35683591A JP H0971702 A JPH0971702 A JP H0971702A
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JP
Japan
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weight
resin composition
heat
thermoplastic resin
copolymer
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JP35683591A
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English (en)
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Makoto Nishimoto
信 西本
Yoshinori Sasaki
吉紀 佐々木
Akihiro Watanabe
昭広 渡辺
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性および高い機械的強度と実用的な耐衝
撃性を有し、かつ100〜140℃の高温雰囲気下に放
置後室温に冷却しても淡色化することのない耐熱性熱可
塑性樹脂組成物を提供することにある。 【構成】 (1)(A)スチレン−アクリロニトリル−
N−フェニルマレイミド熱可塑性共重合体:10〜90
重量% (B)スチレン−アクリロニトリル共重合体と、この共
重合体をブタジエンゴムにグラフトさせたグラフト共重
合体よりなる共重合体組成物:10〜90重量%からな
る熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、 (2)下式(I)の化合物0.01〜2.0重量部 (式中、R1 はメチル基、R2 ,R3 はt−アミル基、
4 は水素を示す。) (3)燐系の酸化防止剤0.01〜1.0重量部を配合
した耐熱性熱可塑性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な耐熱性可塑性樹脂
組成物、さらに詳しくは、耐熱性に優れ、かつ高い機械
的強度及び高い実用的耐衝撃性を有するとともに、高温
雰囲気下に放置後、室温に戻しても淡色化することのな
い成形品を提供することができ、例えば自動車、事務機
器、電気製品などの部品の材料として好適な耐熱性熱可
塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、事務機器、電気製品等の
分野に於て、軽量化、省エネルギー化などの目的で、特
に板金の一部分を樹脂化することが試みられている。A
BS樹脂は、耐衝撃性、機械的強度等の物性と加工性の
バランスに優れ、かつ耐薬品性や外観等も優れ、上記用
途に幅広く使用されている。しかしながら、一般のAB
S樹脂およびABS樹脂を用いた樹脂組成物は、耐熱性
に劣るために、耐熱性が要求される用途においては、使
用することができない。
【0003】この問題を解決するために、ABS樹脂中
に、N−置換マレイミド単位を導入することにより、該
樹脂の耐熱性を改良する方法が考案されている。例えば
米国特許第3652726号明細書、特開平3−205
411号公報には、N−アリールマレイミドを用いた例
が開示されている。
【0004】しかしながら、スチレンとアクリロニトリ
ルとN−置換マレイミドから成る熱可塑性共重合体と、
ガラス転移温度25℃以下のゴム成分にスチレンとアク
リロニトリルでグラフト化した熱可塑性グラフト共重合
体との熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品は、10
0℃〜140℃の高温雰囲気下に放置後室温に戻すと、
淡色化(白色化)するという問題が生じる。さらにこの
成形品は、IZOD衝撃強度、シャルピー衝撃強度とい
った耐衝撃性は充分高いのに対し、面衝撃強度、落垂衝
撃強度といった実用的な衝撃強度が低いという問題があ
った。
【0005】一方、特開平2−302470号公報に
は、ブタジエン系ポリマー以外の熱可塑性樹脂に、化学
式(I)で表わされる化合物の一種を配合することによ
り高温成型時の耐熱加工安定性、耐熱黄変性が改良され
ることが開示されている。さらに特開平3−20778
8号公報には、酸化、加熱及び化学線により誘起される
分解を受けやすい有機材料に、化学式(I)で表わされ
る化合物の一種及び特定のフェノール系酸化防止剤を配
合することにより、前記有機材料を安定化する事ができ
ることが開示されている。
【0006】しかしながら、これらの報告では、化学式
(I)で表わされる化合物と燐系酸化防止剤の併用によ
る効果については開示されていない。また酸化・熱劣化
等による樹脂の黄変やゲル化防止といった効果は開示さ
れているが、樹脂の酸化劣化や熱劣化とは本質的に異な
り、N−置換マレイミドとゴム質を含有する樹脂に固有
の問題点である淡色化の防止効果については示されてい
ない。また同じくN−置換マレイミドとゴム質を含有す
る樹脂に固有の問題点である低い面衝撃強度や、落垂衝
撃強度といった実用的衝撃強度(IZOD衝撃強度とは
異なる)の向上効果についても記載されていない。
【0007】他に、特開平2−279756号公報に
は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体に化学式
(I)で表わされる化合物の一種と燐系の酸化防止剤を
配合することにより、高温加工時の耐熱加工安定性と耐
熱黄変性に効果がある事が開示されているが、本発明と
は樹脂成分が異なり効果も異なる。また特開平2−22
8345号公報及び特開平2−225544号公報に
は、ポリエチレンに化学式(I)で表わされる化合物の
一種と燐系の酸化防止剤を配合することにより、高温加
工時の耐熱加工安定性と耐熱黄変性に効果がある事が開
示されているが、これらの発明も、本発明とは樹脂成分
が異なり効果も異なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、耐
熱性および高い機械的強度と実用的な耐衝撃性を有し、
かつ100〜140℃の高温雰囲気下に放置後室温に冷
却しても淡色化(白色化)することのない耐熱性熱可塑
性樹脂組成物を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
かかる現状に鑑み鋭意検討した結果、以下に示す耐熱性
熱可塑性樹脂組成物が本発明の目的を達成することを見
いだし、本発明に至った。すなわち、本発明は、 (1)(A)芳香族ビニル化合物単位30〜70重量
%、シアン化ビニル化合物単位5〜50重量%、N−置
換マレイミド単位20〜50重量%からなる熱可塑性共
重合体:10〜90重量% (B)芳香族ビニル化合物単位とシアン化ビニル化合物
単位の共重合体と、芳香族ビニル化合物単位とシアン化
ビニル化合物単位をガラス転移温度25℃以下のゴム成
分にグラフトさせたグラフト共重合体とよりなり、ゴム
成分の割合が10〜70重量% ゴム成分以外の成分に占める芳香族ビニル化合物単位の
割合が40〜90重量%、ゴム成分以外の成分に占める
シアン化ビニル化合物単位の割合が10〜60重量%で
ある熱可塑性グラフト共重合体組成物:10〜90重量
%からなり、(A),(B)成分の合計が100重量部
の熱可塑性樹脂組成物に対し、 (2)化学式(I)で示される化合物0.01〜2.0
重量部 (但し式中、R1 は水素もしくは炭素数1〜4のアルキ
ル基、R2 ,R3 は炭素数1〜9のアルキル基、シクロ
ヘキシル基、R4 は水素もしくはメチル基を示す。) (3)燐系の酸化防止剤0.01〜1.0重量部を配合
して成ることを特徴とする耐熱性熱可塑性樹脂組成物に
関するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】まず成分(1)について説明する。成分
(1)は、下記の(A),(B)成分により構成され
る。
【0011】(A)成分は、芳香族ビニル化合物単位、
シアン化ビニル化合物単位、Nー置換マレイミド単位を
必須成分として構成される。芳香族ビニル化合物単位と
しては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレンなど
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以
上を組み合わせて用いてもよいが、特にスチレンが好適
である。またシアン化ビニル化合物単位としては、例え
ばアクリロニトリルやメタクリロニトリル等が挙げら
れ、これらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。N−置換マレイミド単位として
は、例えば、N−フェニルマレイミド、Nーメチルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、
これらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせ
て用いてもよいが、特にN−フェニルマレイミドが好適
である。さらに本発明の目的を妨げない範囲で前記単量
体と共重合可能な単量体単位を共重合してもよい。これ
らの共重合可能な単量体単位としては、例えば不飽和ジ
カルボン酸無水物単位(例えば無水マレイン酸、無水イ
タコン酸等)が挙げられる。
【0012】この熱可塑性共重合体における各単位の含
有量は、芳香族ビニル化合物単位が30〜70重量%、
シアン化ビニル化合物単位が5〜50重量%およびN−
置換マレイミド単位が20〜50重量%の範囲に成るよ
うに選ばれる。芳香族ビニル化合物単位が30重量%未
満では、流動性が低下し、加工性が悪くなり場合によっ
ては成形できない事がある。70重量%を超えると、耐
熱性が低下する。シアン化ビニル化合物単位が5重量%
未満では、耐薬品性、耐塗装性等が悪くなり、50重量
%を超えると、加工性が悪くなる。N−置換マレイミド
単位の含有量が20重量%未満では、耐熱性の向上効果
が充分に発揮されないし、50重量%を超えると流動性
が低下し、加工性が悪くなり場合によっては成形できな
い事がある。該熱可塑性共重合体としては、従来公知の
方法、例えば連続塊状重合法、連続溶液重合法、懸濁重
合法、乳化重合法などのラジカル重合法によって製造す
ることができる。
【0013】(B)成分は、芳香族ビニル化合物単位と
シアン化ビニル化合物単位の共重合体と、芳香族ビニル
化合物単位とシアン化ビニル化合物単位をガラス転移温
度25℃以下のゴム成分にグラフトさせたグラフト共重
合体とよりなる。
【0014】該ゴム成分としては、ガラス転移温度(A
STMD418による)が25℃以下のゴム成分が用い
られ、例えばポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソ
プレンゴム、ブチルアクリレートゴム、エチルアクリレ
ートゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレ
ンジエンゴム等が挙げられ、単独もしくは併用系で用い
られる。また(B)成分に用いる芳香族ビニル化合物単
位としては、前記(A)成分において例示したものを挙
げることができる。これらは単独で用いてもよいし二種
以上を組み合わせて用いてもよいが、特にスチレンが好
適である。さらに、(B)成分に用いるシアン化ビニル
化合物単位としては、前記(A)成分において例示した
ものを挙げることができる。これらは単独で用いてもよ
いし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、
(B)成分には、これらと共重合可能な単量体単位を導
入しても構わない。この場合、ゴム成分のグラフト鎖の
みに共重合してもよいし、グラフトしていない共重合体
のみに共重合してもよいし、両方に同じものあるいはそ
れぞれ種類の違うものを共重合してもよい。例えば、ゴ
ムへのグラフト鎖にN−置換マレイミド単位を導入し、
かつゴムにグラフトしていない共重合体にブチルアクリ
レ−ト等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を導
入することができる。該熱可塑性グラフト共重合体に含
まれるゴム成分の割合は20〜75重量%の範囲であ
る。ゴム成分がこれより少ないと耐衝撃性が低くなり、
これより高いと加工性が悪くなる。ゴム成分以外の成分
に占める芳香族ビニル化合物単位の割合は40〜90重
量%の割合で選ばれる。この割合がこの範囲より少ない
と加工性が悪くなり、多いと耐薬品性が悪くなる。ゴム
成分以外の成分に占めるシアン化ビニル化合物単位の割
合は10〜60重量%の範囲で選ばれる。この割合がこ
の範囲より少ないと耐薬品性や耐塗装性が悪くなり、多
いと加工性が低下する。
【0015】(B)成分は、前記ゴム成分の存在下に、
芳香族ビニル化合物単位およびシアン化ビニル化合物単
位を、例えば、乳化重合法によりグラフト共重合させて
直接製造したものであってもよいし、前記ゴム成分の存
在下に、芳香族ビニル化合物単位およびシアン化ビニル
化合物単位を、例えば乳化重合法によりグラフト共重合
させて得たグラフト共重合体と、芳香族ビニル化合物単
位およびシアン化ビニル化合物単位を、例えば連続塊状
重合法、連続溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法など
のラジカル重合法によって製造した共重合体との混合物
でもよい。
【0016】(1)成分中の各構成成分の比率は、
(A)成分が10〜90重量%、(B)成分が10〜9
0重量%の範囲の中から選ばれる。(A)成分が10重
量%より少ないと耐熱性熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が
不十分であり、90重量%を超えると流動性が低下し加
工性が悪くなり、場合によっては成形できない事があ
る。(B)成分が10重量%より少ないと耐熱性熱可塑
性樹脂組成物の耐衝撃性が不十分となり、90重量%を
超えると流動性が低下し加工性が悪くなり、場合によっ
ては成形できない事がある。
【0017】次に本発明における成分(2)について説
明する。成分(2)としては、化学式(I)に示される
化合物が挙げられる。 (但し式中、R1 は水素もしくは炭素数1〜4のアルキ
ル基、R2 ,R3 は炭素数1〜9のアルキル基、シクロ
ヘキシル基、R4 は水素もしくはメチル基を示す。) このなかで、R1 がメチル基、R2 ,R3 がt−アミル
基、R4 が水素である化合物は、高温雰囲気下に放置
後、室温に戻した際の耐熱性熱可塑性樹脂組成物の淡色
化の防止効果が特に優れ、本発明の目的に対し最も好適
に用いることができる。
【0018】本発明における成分(2)の量は、成分
(1)100重量部に対して0.01〜2.0重量部、
好ましくは0.05〜1.0重量部の範囲で選ばれる。
0.01重量部より少ないと淡色化防止効果が不十分と
なり、実用的衝撃強度も低くなる。2.0重量部を超え
ると成形品表面にブリードアウトするという欠点が生じ
る。また2.0重量部を超えると本発明の効果は飽和し
さらに大きな効果は認められない。
【0019】次に本発明における成分(3)について説
明する。成分(3)はホスフアイト構造を分子鎖中に有
する燐系の酸化防止剤であり、具合的には1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリスノニルフェニ
ルホスファイト、トリフェニルホスファイト、2,2−
メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オク
チルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等
が挙げられる。
【0020】本発明において成分(3)の量は、成分
(1)100重量部に対し0.01〜1.0重量部、好
ましくは0.02〜0.5重量部の範囲で選ばれる。
0.01重量部より少ないと淡色化防止効果が不十分と
なり、実用的衝撃強度も低くなる。1.0重量部を超え
ると成形品表面にブリードアウトするという欠点が生じ
る。また、1.0重量部を超えると本発明の効果は飽和
しさらに大きな効果は認められない。
【0021】本発明において成分(2)及び成分(3)
を用いることが必須である。成分(1)に対し成分
(2)または成分(3)を単独で用いた場合には本発明
の目的を達成することはできない。
【0022】本発明の耐熱性熱可塑性樹脂組成物は、前
記成分(1)、(2)及び(3)をロール、押出機、バ
ンバリーミキサー、ニ−ダ−等の公知の方法を用いて混
練することにより調製することができる。また混練にさ
いして所望に応じて他の酸化防止剤、光安定剤、紫外線
吸収剤、重金属不活性化剤、難燃剤、顔料、ガラス繊
維、滑剤、可塑剤等の従来公知の添加剤成分を配合する
ことができる。さらには、本発明の目的を損なわない範
囲で、本発明以外の熱可塑性樹脂を配合することができ
る。なお前記の添加物は、混練以外の工程、例えば重合
工程で導入しても構わない。
【0023】この様にして得られた本発明の耐熱性熱可
塑性樹脂組成物は、射出成形、押出成形、中空成形、真
空成形等の従来公知の成形法によって成形され、外観、
耐熱性、機械的特性、耐衝撃性、加工性などに優れ、か
つ100℃〜140℃の高温雰囲気下に放置後室温に戻
した際に淡色化しない成形品を提供することができる。
この耐熱性熱可塑性樹脂組成物は、例えば自動車部品、
工業部品、家電部品などの材料として好適に用いられ
る。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら制限される
ものではない。なお、諸物性は次のようにして求めた。 (1)加熱変形温度 ASTM D648に準じて求めた。
【0025】試験片厚み1/4インチ、タンザク片 荷重 18.6Kg/cm2 (2)引張強度 ASTM D638に準じて求めた。
【0026】試験片厚み1/8インチ、ダンベル片 23℃,50%RH (3)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準じて求めた。
【0027】試験片厚み1/4インチ、タンザク片 23℃,50%RH (4)メルトフローレート JIS K7210に準じて求めた。
【0028】220℃,荷重10Kg (5)面衝撃強度 TOYOSEIKI製ダートイン
パクトテスターを用い破壊の全吸収エネルギーを測定 試験片 10cm×10cm×3mm 平板 ミサイル落下高さ100cm、ミサイル荷重6.5K
g、ミサイル径1/2インチ (6)淡色化度 射出成形された厚さ1/8インチの平板試験片を、12
0℃の熱風乾燥器で3時間熱処理した後、23℃,50
%相対湿度雰囲気下で6時間静置後の黄色度(以下YI
と略す)を色差計(スガ試験機製)で測定し、熱処理前
の平板試験片のYIとの差(△YI)により求めた。こ
こで△YIが正の場合は、平板試験片が黄変したことを
意味し、負の場合は淡色化したことを意味する。
【0029】次表に△YIと淡色化度の関係を示す。
【0030】
【表1】 製造例1 (A)成分熱可塑性共重合体(a)の製造 アクリロニトリル18重量部、N−フェニルマレイミド
19重量部、スチレン33重量部、エチルベンゼン30
重量部及びt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート(パーブチルI,日本油脂製)0.015重量部か
ら成る混合液を、1L/hrの速度で2.1Lの完全混
合型反応器に連続的に供給し、110℃で重合を行い、
次に1.5Lの層流反応器2基に供給した。第一層流反
応器の重合温度は120℃、第二層流反応器は3つの温
度ゾーンよりなり、入口から順に130℃,140℃,
150℃でコントロールされる。重合液はベント付き押
出機に導入され、260℃,ベント部の真空度40to
rrで、未反応モノマー及び溶媒を除去しペレットとし
て熱可塑性共重合体を連続的に得た。
【0031】ガスクロマトグラフ分析より、該熱可塑性
共重合体は、アクリロニトリル単位19重量%、N−フ
ェニルマレイミド単位31重量%、スチレン単位50重
量%から成る熱可塑性共重合体(a)であった。製造例2 (B)成分熱可塑性グラフト共重合体構成成
分(b−1)の製造 20Lのガラス反応器に、ブタジエンゴムラテックス4
5重量部(固形分として)、ロジン酸ナトリウム1.2
重量部、t−ドデシルメルカプタン0.15重量部、硫
酸第一鉄0.007重量部、エチレンジアミン四酢酸ナ
トリウム0.045重量部、ナトリウムホルムアルデヒ
ドスルホキシレート0.14重量部、純水150重量部
を、総重量10Kgに成るように仕込み70℃に温調し
た。次に、アクリロニトリル22重量部、スチレン33
重量部、t−ドデシルメルカプタン0.4重量部、クメ
ンヒドロペルオキシド0.2重量部を7時間かけて等速
添加した。添加後1時間したのち、硫酸アルミニウムで
凝固し、脱水、乾燥して熱可塑性グラフト共重合体を得
た。
【0032】IRスペクトル分析の結果より、該熱可塑
性グラフト共重合体は、ブタジエン単位重量46%、ス
チレン単位33重量%、アクリロニトリル単位21重量
%からなる熱可塑性グラフト共重合体(b−1)であっ
た。
【0033】また、(b−1)をアセトン中に投入し不
溶分と可溶分を遠心分離機により分離すると、23重量
%のアセトン可溶分を含んでいた。このアセトン可溶分
はIR分析の結果により、スチレン単位60重量%、ア
クリロニトリル単位40重量%からなる共重合体であっ
た。製造例3 (B)成分熱可塑性グラフト共重合体構成成
分(b−2)の製造 アクリロニトリル21重量部、スチレン49重量部、エ
チルベンゼン30重量部及びt−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート(パーブチルI,日本油脂製)
0.015重量部から成る混合液を、1L/hrの速度
で2.1Lの完全混合型反応器に連続的に供給し、11
0℃で重合を行い、重合液はベント付き押出機に導入さ
れ、260℃,ベント部の真空度40torrで、未反
応モノマー及び溶媒を除去しペレットとして共重合体を
連続的に得た。
【0034】ガスクロマトグラフ分析より、該共重合体
は、アクリロニトリル単位28重量%、スチレン単位7
2重量%から成る共重合体(b−2)であった。製造例4 (B)成分熱可塑性グラフト共重合体構成成
分(b−3)の製造 アクリロニトリル18重量部、スチレン45重量部、ブ
チルアクリレート7重量部、エチルベンゼン30重量部
及びt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
(パーブチルI,日本油脂製)0.015重量部から成
る混合液を、1L/hrの速度で2.1Lの完全混合型
反応器に連続的に供給し、110℃で重合を行い、重合
液はベント付き押出機に導入され、260℃,ベント部
の真空度40torrで、未反応モノマー及び溶媒を除
去しペレットとして共重合体を連続的に得た。
【0035】ガスクロマトグラフ分析より、該共重合体
は、アクリロニトリル単位25重量%、スチレン単位6
5重量部%、ブチルアクリレート単位10重量部から成
る共重合体(b−3)であった。実施例1〜13 表2に示した配合で(A),(B)成分、および化学式
(I)で示される化合物及び燐系酸化防止剤(d1〜d
4:表5に構造式を示す)を混合し、二軸押出機で28
0℃にて溶融混練してペレット化した後、射出成形機に
て260℃で成形し、諸物性及び熱処理による淡色化度
(△YI)を測定した。測定値は表2に示す。比較例1〜18 表3および表4に示した配合で(A),(B)成分、お
よび化学式(I)で示される化合物及び燐系酸化防止剤
及び他の酸化防止剤(d1〜d6:表5に構造式を示
す)を混合し、二軸押出機で280℃にて溶融混練して
ペレット化した後、射出成形機にて260℃で成形し、
諸物性及び淡色化度(△YI)を測定した。測定値は表
3及び表4に示す。
【0036】以上の実施例及び比較例に示した結果か
ら、以下に示す事実が明らかになった。 d1あるいはd2(構成要件(2))と、d3ある
いはd4(構成要件(3))の併用により、淡色化が大
幅に改良されていることが判る。なおd1の方がd2よ
りも淡色化防止効果は大きい。(実施例1〜13、比較
例11〜13) d1,d2,d3,d4それぞれ単独で用いた系で
は、淡色化防止効果は認められず、併用系の場合初めて
大きな効果が発現される。(比較例1〜6) d5またはd6をd1と併用した系も、淡色化度の改良
にはほとんど効果がない。(比較例7、8) (A)成分が請求範囲より少ない系では、耐熱性は
大きく低下する。(比較例16〜18) (B)成分中のゴム成分の量が請求範囲より少ない
系では、淡色化はおこらないが、耐衝撃性が大きく低下
する。(比較例14、15) (B)成分の中に耐熱性熱可塑性樹脂組成物の流動
性を改良する目的でブチルアクリレート単位を導入した
系においても、d1あるいはd2とd3の併用による淡
色化防止効果が確認できる。(実施例7、13および比
較例13) 実用的な衝撃強度の指標である面衝撃強度の全吸収
エネルギーの向上効果も前記の淡色化防止効果と同様の
傾向を示す。d1あるいはd2とd3あるいはd4の相
乗効果が観察される。IZOD衝撃強度はあまり大きく
向上しないにもかかわらず、驚くべきことに面衝撃強度
は大きく向上することが判る。(実施例1〜13、比較
例1〜13)
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】本発明の耐熱性熱可塑性樹脂組成物を用
いることにより、耐熱性に優れ、高い機械的強度と高い
実用的な衝撃強度を有し、かつ100〜140℃の高温
雰囲気下に放置後室温に戻した際に淡色化することのな
い成形品を得ることができる。この耐熱性熱可塑性樹脂
組成物は、例えば自動車、事務機器、電気製品などの部
品材料として好適に用いられ、その工業的意義は大き
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(A)芳香族ビニル化合物単位3
    0〜70重量%、シアン化ビニル化合物単位5〜50重
    量%、N−置換マレイミド単位20〜50重量%からな
    る熱可塑性共重合体:10〜90重量% (B)芳香族ビニル化合物単位とシアン化ビニル化合物
    単位の共重合体と、芳香族ビニル化合物単位とシアン化
    ビニル化合物単位をガラス転移温度25℃以下のゴム成
    分にグラフトさせたグラフト共重合体とよりなり、 ゴム成分の割合が10〜70重量%ゴム成分以外の成分
    に占める芳香族ビニル化合物単位の割合が40〜90重
    量%、ゴム成分以外の成分に占めるシアン化ビニル化合
    物単位の割合が10〜60重量%である熱可塑性グラフ
    ト共重合体組成物:10〜90重量%からなり、
    (A),(B)成分の合計が100重量部の熱可塑性樹
    脂組成物に対し、 (2)化学式(I)で示される化合物0.01〜2.0
    重量部 (但し式中、R1 は水素もしくは炭素数1〜4のアルキ
    ル素、R2 ,R3 は炭素数1〜9のアルキル基、シクロ
    ヘキシル基、R4 は水素もしくはメチル基を示す。) (3)燐系の酸化防止剤0.01〜1.0重量部を配合
    して成ることを特徴とする耐熱性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 化学式(I)のR1 がメチル基、R2
    3 がt−アミル基、R4 が水素である請求項1に記載
    の耐熱性熱可塑性樹脂組成物。
JP35683591A 1991-12-26 1991-12-26 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 Withdrawn JPH0971702A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100416812B1 (ko) * 2001-10-16 2004-02-05 주식회사 엘지화학 내열성이 우수한 공중합체의 제조방법
JPWO2021006266A1 (ja) * 2019-07-10 2021-01-14
JPWO2021006265A1 (ja) * 2019-07-10 2021-01-14

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KR100416812B1 (ko) * 2001-10-16 2004-02-05 주식회사 엘지화학 내열성이 우수한 공중합체의 제조방법
JPWO2021006266A1 (ja) * 2019-07-10 2021-01-14
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