JP3257854B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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JP3257854B2 JP5354993A JP5354993A JP3257854B2 JP 3257854 B2 JP3257854 B2 JP 3257854B2 JP 5354993 A JP5354993 A JP 5354993A JP 5354993 A JP5354993 A JP 5354993A JP 3257854 B2 JP3257854 B2 JP 3257854B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面光沢が抑えられたポ
リアセタール樹脂組成物に関する。さらに詳しくはポリ
アセタール樹脂に特定のポリエステルと特定のコアシェ
ルポリマーを配合してなる、ポリアセタールの本来有す
る機械的物性、成形性などを保持しながら成形品表面の
艶消し性に優れ、しかも、印刷・接着性に優れたポリア
セタール樹脂組成物およびその成形品を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質
などの物理的特性、あるいは耐薬品性、耐熱性などの化
学的特性の優れたエンジニアリング樹脂として近年極め
て広汎な分野において利用されている。しかし、ポリア
セタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、その材料
としての性質にもさらに特殊性が要求される場合があ
る。このような特殊性の一つとして、成形品表面の光沢
の低下が要望されている。例えば、自動車等の内外装品
や光学機械等の分野においては、光の反射による目に対
する刺激を抑え、高級感を出すこと、光の反射による機
器の誤動作を防止すること等を目的として光沢の少な
い、即ち光の反射の少ないものが要求される場合があ
る。また、一般の電気機器、建材等の分野においても、
その目的に応じて各種材料を組み合わせて使用する機会
が増加しているが、ポリアセタール樹脂は他の一般的樹
脂材料に比べて表面光沢が良好であるが故に、各種材料
が組み込まれた製品においては、他種材料との調和感に
乏しく、表面外観を重視する分野での使用は少なからず
制限されていた。この要求に応えるため、従来よりポリ
アセタール樹脂に対して炭酸カルシウム、タルク、ケイ
酸カルシウム等の無機フィラー系を添加する方法が知ら
れている。しかし、これらの方法で望ましい光沢低減の
効果を得るためにはタルク等を多量に配合する必要があ
り、その結果、機械的特性、特に伸度、靱性が低下し、
成形品の後加工や組立等の応力あるいは成形品の取り扱
い時に落下させる等の衝撃が加わると容易に破損すると
いう欠点を有している。また、ポリアセタール樹脂は、
外観部品として使用される際、更に印刷・接着性等を要
求される機会が増えているが、ポリアセタールは、高結
晶樹脂である為か、前記性能に劣るという欠点を有して
おり、併せてその改善が要望されていた。そこで機械的
特性に優れ、かつ優れた成形性を有しながら、表面光沢
が抑えられ、しかも優れた印刷・接着性を有するポリア
セタール樹脂材料の開発が望まれていた。
【0003】
【課題を解決する方法】本発明者らは、ポリアセタール
樹脂本来の特性を犠牲にすることなく、成形品表面の光
沢が著しく抑えられ、しかも優れた印刷・接着性を有す
るポリアセタール樹脂組成物の開発をすべく鋭意研究を
重ねた結果、特定のポリアルキレンテレフタレート系共
重合体と特定のコアシェルポリマーとを併用添加するの
が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った
ものである。即ち、本発明は、 (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に (B) 90〜60 mol%のテレフタル酸と10〜40 mol%のイソ
フタル酸からなる酸成分 と、 1,4−ブタンジオールおよ
び/またはエチレングリコールに 1,4−シクロ ヘキサン
ジメチロールを併用したジオール成分とを共重合してな
る、溶融フロー温度が 210℃以下のポリアルキレンテレ
フタレート系共重合体 0.1 〜50重量部および (C) ゴム状ポリマーのコアとビニル系共重合体からなる
ポリマーのシェルを有するコアシェルポリマー 0.1〜50
重量部を添加配合してなるポリアセタール樹脂組成物、
更に所望により、 (D) イソシアネートまたはイソチオシアネート化合物ま
たはそれらの変性体 0.1〜10重量部を添加配合してなる
ポリアセタール樹脂組成物およびその成形品に関するも
のである。
【0004】以下に本発明の構成成分について詳しく説
明する。本発明において用いられる(A) ポリアセタール
樹脂はオキシメチレン基(−CH 2O−)を主たる構成単位
とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマ
ー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有す
るコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマーのい
ずれにてもよく、又、分子が線状のみならず分岐、架橋
構造を有するものであっても良い。またその重合度等に
関しても特に制限はない。
【0005】次に本発明に用いられる(B) ポリアルキレ
ンテレフタレート系共重合体とはテレフタル酸 100〜50
モル%および炭素数6以上の脂肪族または脂環族ジカル
ボン酸またはテレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸0
〜50モル%からなる成分を酸成分とし、炭素数2〜8の
アルキレンジオール成分とを共重縮合して得られるポリ
エステルであり、かつ溶融フロー温度が 210℃以下のも
のを言う。ここで用いられるテレフタル酸以外の酸成分
の例を示せば、先ず、炭素数6以上の脂肪族ジカルボン
酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデ
カンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。また、
炭素数6以上の脂環族ジカルボン酸としては、 1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、 1,3−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、 1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げ
られる。テレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸として
はイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボ
ン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルス
ルホンジカルボン酸等が挙げられる。更にはヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂
肪族ジカルボン酸;p−β−ヒドロキシエトキシ安息香
酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等の如きオ
キシ酸等の他の二官能性カルボン酸等を使用することも
できる。また、これらのジカルボン酸化合物はエステル
形成可能な誘導体例えばジメチルエステルの如き低級ア
ルコールエステルの形で重合に使用することも可能であ
る。これら酸成分は2種以上併用しても良い。これらの
酸成分中、好ましくはアジピン酸、セバシン酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、デカンジカルボン酸
である。更に好ましくはイソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸およびアジピン酸である。一方、ここで使用さ
れる炭素数2〜8のアルキレンジオールとしては、 1,4
−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、 1,1−シクロヘ
キサンジメチロール、ジエチレングリコール、 1,4−シ
クロヘキサンジメチロール、 2,2−ビス(4−β−ヒド
ロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
これらのアルキレンジオールは2種以上併用しても良
い。好ましくは 1,4−ブタンジオール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、 1,4−シクロヘキサンジ
メチロールである。更に好ましくは 1,4−ブタンジオー
ル、エチレングリコールあるいはその一部がエチレング
リコール(1,4−ブタンジオールを使用した場合)、ジエ
チレングリコール、 1,4−シクロヘキサンジメチロール
の1種以上で置換されたものである。本発明で用いられ
る(B) ポリアルキレンテレフタレート系重合体は上記の
如き、酸成分とジオール成分を共重合して得られるコポ
リエステルであって、実施例記載の方法により測定した
その溶融フロー温度が 210℃以下、好ましくは 190℃以
下のものである。溶融フロー温度が 210℃より高い場
合、混練操作が困難となり、また、得られた組成物も十
分な効果を発揮する事はできない。溶融フロー温度が 2
10℃以下であればいずれのポリアルキレンテレフタレー
トも本発明の(B)成分として用いることができる。好ま
しい共重合体を例示すると、テレフタル酸の一部がイソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸の一種
以上で置換された酸成分と 1,4−ブタンジオール、エチ
レングリコールあるいはその一部がエチレングリコール
(1,4−ブタンジオールを使用した場合)、ジエチレング
リコール、 1,4−シクロヘキサンジメチロールの一種以
上の成分で置換されたジオール成分とからなるコポリエ
ステルである。また特に好ましくは90〜60 mol%のテレ
フタル酸と10〜40 mol%のイソフタル酸からなる酸成分
と 1,4−ブタンジオール、および/またはエチレングリ
コールに 1,4−シクロヘキサンジメチロールを併用した
ジオール成分とを共重合したコポリエステルである。ま
たかかるコポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は特に限
定されないが、良好な分散状態を得るために溶融混練温
度におけるコポリエステルの溶融粘度ができるだけポリ
アセタールの溶融粘度に近くなるようにコポリエステル
の固有粘度を選ぶのが望ましい。これらのことから、好
ましくは0.3 以上 1.2以下、特に好ましくは 0.4以上
0.8以下の固有粘度のものである。ここで規定される固
有粘度は溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン混
合溶媒を用い、40℃にて通常使用される方法にて測定さ
れる。ここで用いられるポリアルキレンテレフタレート
系共重合体(B) の配合量は、(A) ポリアセタール樹脂 1
00重量部に対し 0.1〜50重量部であり、好ましくは1〜
50重量部、特に好ましくは3〜40重量部である。(B) 成
分が少なすぎると表面低光沢効果が十分発揮されず、ま
たいたずらに過大に添加しても、機械的性質や熱安定性
に好ましくない影響を与えるとともに、押出性が困難に
なる。かかるポリアルキレンテレフタレート系共重合体
(B) は、ポリアセタール樹脂(A) 中に添加配合すること
により、得られた成形品表面の光沢は低下するが、押出
性が困難であると同時に、成形品表面は不均一となる欠
点を有していた。本発明においては前記(A) 、(B) 成分
に加えて、更に(C) アクリルコアシェルポリマーを添加
配合する点に特徴があり、かかる配合により押出性が向
上するとともに、得られた成形品表面の光沢が均一に低
下し、しかもポリアセタール樹脂のバランスのとれた物
性を保持することが可能となる。
【0006】かかる(C) アクリルコアシェルポリマーは
(A)〜(B) 成分中に添加配合することにより、 (A)〜
(B) 成分の相溶化効果を持つことにより押出性が可能と
なると共にそれ自身成形表面を均一に荒らし、艶消し効
果を発揮する。さらに表面が改質されることにより印刷
性が向上する。この場合使用される(C) アクリルコアシ
ェルポリマーは通常使用される全アクリル系のコアシェ
ルポリマーで十分相溶化効果を発揮する。好ましくは下
記するようにノニオン性界面活性剤又はオリゴマー型界
面活性剤を用い、アゾ系および/または過酸化物系重合
開始剤を用いて乳化重合し、ポリアセタール樹脂の熱的
安定剤をより向上したアクリルコアシェルポリマーが望
ましい。上記界面活性剤および重合開始剤を用いて得ら
れたコアシェルポリマーを使用することにより、ポリア
セタール樹脂分解を極力抑制し、結果的に (A)〜(B) 成
分の相溶化効果が一層発揮されるとともに、押出し性に
優れ、得られた成形品外観および艶低下の均一性が高
く、落ち着きのある高級感をもたせると同時にポリアセ
タールの持つ優れた機械的性質を保持する。またシェル
部に水酸基を有するアクリルコアシェルポリマーの使用
は、シェル部の含酸素極性基が (A)〜(B) 成分の相溶性
を高め、且つそれ自身の艶消し効果が高く、得られた成
形品表面の光沢低下に顕著な効果を発揮する。ここで使
用されるコアシェルポリマーはいかなる方法によって生
成されても良い。以下にコアシェルポリマーの製法の一
例を示すが、この方法に限るものではない。本発明にお
けるコアシェルポリマーは、ゴム状ポリマーのコアと、
ビニル系共重合体からなるポリマーのシェルを有し、例
えばシード乳化重合法のうち、先の段階の重合体を後の
段階の重合体が順次に被覆するような連続した多段階乳
化重合法によって得られる。粒子発生重合時には、モノ
マー、界面活性剤および水を反応器へ添加し、次に重合
開始剤を添加することにより、乳化重合反応を開始させ
ることが好ましい。第一段目の重合はゴム状ポリマーを
形成する反応である。ゴム状ポリマーを構成するモノマ
ーとしては、例えば共役ジエンまたはアルキル基の炭素
数が2〜8であるアルキルアクリレートあるいはそれら
の混合物などが挙げられる。これらのモノマーを重合さ
せてゴム状ポリマーを形成する。このような共役ジエン
として、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン
等を挙げることができるが、特にブタジエンが好ましく
用いられる。又、アルキル基の炭素数が2〜8であるア
ルキルアクリレートとして、例えばエチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート等を挙げることができる。ゴム状ポリマーとして特
にブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリ
レートが好ましく用いられる。第一段目の重合には共役
ジエンおよびアルキルアクリレートなど共重合可能なモ
ノマー、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、
シアン化ビニリデン、メチルメタクリレート、ブチルメ
タクリレート等のアルキルメタクリレート等を共重合さ
せることもできる。第一段目の重合が共役ジエンを含ま
ない場合あるいは共役ジエンを含んでいても第一段目の
全モノマー量の20重量%以下である場合は、架橋性モノ
マーおよびグラフト化モノマーを少量用いることにより
高い耐衝撃性をもつポリマーとすることができる。架橋
性モノマーとして、例えばジビニルベンゼン等の芳香族
ジビニルモノマー、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレング
リコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ヘキサンジオールジメタクリレート、オリゴエチ
レングリコールジアクリレート、オリゴエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアク
リレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート等のアルカンポリオー
ルポリアクリレートまたはアルカンポリオールポリメタ
クリレート等を挙げることができるが、特にブチレング
リコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレ
ートが好ましく用いられる。グラフト化モノマーとし
て、例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレー
ト、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリ
ルイタコネート等の不飽和カルボン酸アリルエステル等
を挙げることができるが、特にアリルメタクリレートが
好ましく用いられる。このような架橋性モノマー、グラ
フト化モノマーは、それぞれ第一段目の全モノマー量の
0〜5重量%、好ましくは 0.1〜2重量%の範囲で用い
られる。このゴム状ポリマーのコアはコアシェルポリマ
ー全体の50〜90重量%の範囲が好ましい。コアがこの重
量範囲よりも少ないとき、あるいは越えて多いときは生
成するコアシェルポリマーを溶融混合して得られるポリ
アセタール樹脂組成物の機械的性質が十分ではないこと
がある。
【0007】シェル相はビニル系共重合体からなり、ガ
ラス転移温度40℃以上のガラス状ポリマーで形成されて
いるのが特に好ましい。斯かるポリマーを構成するモノ
マーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳
香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン等のビニル
重合性モノマーを挙げることができるが、好ましくはメ
チルメタクリレートが用いられる。又、コアシェルポリ
マーとして、シェル相に含酸素極性基を有するビニル系
共重合体も好ましく用いることができる。前記の含酸素
極性基としては、例えば水酸基、エーテル結合(−O−)
を有する基(例えばグリシジル基)、アミド基(−CONH
−)、
【0008】
【化1】
【0009】及びニトロ基(−NO2)などが挙げられる
が、特に水酸基及びエーテル結合を有する基が好まし
い。上記含酸素極性基を有するビニル系共重合体を構成
するモノマーとしては、例えば分子内に2個以上の含酸
素極性基を有するアルコールの(メタ)アクリレートが
用いられる。ここで分子内に2個以上の含酸素極性基を
有するアルコールとは、アルコール部分の水酸基以外に
少なくとも1個の含酸素極性基を有するアルコールを示
す。含酸素極性基を有するアルコールの(メタ)アクリ
レートの具体例としては、例えば水酸基および/または
グリシジル基を有するアルコールの(メタ)アクリレー
トが挙げられる。水酸基を有するアルコールの(メタ)
アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レートなどを挙げることができるが、好ましくはヒドロ
キシエチルメタクリレートが用いられる。グリシジル基
を有するアルコールの(メタ)アクリレートとしては、
例えばグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ートなどを挙げることができるが、好ましくはグリシジ
ルメタクリレートが用いられる。また、上記の(メタ)
アクリレート以外の、例えばアリロキシエタノール、ア
リルグリシジルエーテル等の含酸素極性基を有するビニ
ル単量体も、含酸素極性基を有するビニル系共重合体の
構成成分として用いることができる。
【0010】また、第一段と最終の重合相の間には中間
相が存在していてもよい。例えば、グリシジルメタクリ
レート、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどのような官能基を有する重合モノマー、メチルメ
タクリレートなどのようなガラス状ポリマーを形成する
重合モノマー、ブチルアクリレートなどのゴム状ポリマ
ーを形成する重合モノマーなどをシード乳化重合するこ
とによって中間相が形成される。このような中間相は所
望のコアシェルポリマーの性質によって種々選択するこ
とができる。このような中間相を有するコアシェルポリ
マーの構造は、例えばコアとシェルの間にもう一つの層
が存在している多層系構造をとるものや、中間相がコア
中で細かな粒状となって分散しているサラミ構造をとる
ものが挙げられる。サラミ構造を有するコアシェルポリ
マーにおいては更に極端な場合は、分散するべき中間相
がコアの中心部において新たな芯を形成していることも
ある。このような構造のコアシェルポリマーはスチレン
に代表されるモノマーを中間相構成モノマーとして使用
した場合に生じることがある。また、中間相を有するコ
アシェルポリマーを使用した場合、耐衝撃性の改良、曲
げ弾性率の向上、熱変形温度の上昇、外観(表面剥離お
よびパール光沢の抑制、屈折率変化による色調の変化)
が改善されることがある。
【0011】本発明の乳化重合は、例えばノニオン性界
面活性剤、オリゴマー型アニオン性またはオリゴマー型
ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤や例えばアゾ系重
合開始剤、過酸化物系重合開始剤等の重合開始剤を用い
て行われる。本発明で用いられるノニオン性界面活性剤
としてはポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテルなどのエーテル型、ポリオキシ
エチレンモノステアレートなどのエステル型、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレートなどのソルビタン
エステル型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ブロックコポリマーなどのブロックポリマー型など広く
一般に使用されているノニオン性界面活性剤のほとんど
が使用可能である。本発明で用いられるオリゴマー型ア
ニオン性またはオリゴマー型ノニオン性界面活性剤と
は、従来、特殊用途で乳化重合物に用いられてきたオリ
ゴマー型界面活性剤であり、例えば下記式のオリゴマー
型界面活性剤が用いられる。
【0012】
【化2】
【0013】該オリゴマー型界面活性剤は、既に水溶性
であるか、または酸化物、水酸化物またはアルコールと
反応させて水溶性塩に転換される。上記水溶性塩として
は、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第II
I族重金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩等
が挙げられるが、特にアンモニウム塩が好ましい。該オ
リゴマー型界面活性剤は、例えば特公昭47−34832 号公
報等に記載されているように、アルキルメルカプタンの
存在下、適切な単量体を水を含まない溶媒中で付加重合
するか、または次いで過酸化水素またはオゾンを用い
て、相当するスルホキシドまたはスルホンへ酸化するこ
とにより得られる。上記アルキルメルカプタンとして
は、例えばn−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−デシルメ
ルカプタン等のアルキルメルカプタンが用いられる。上
記単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、α−エ
チルアクリル酸、β−メチルアクリル酸、α,β−ジメ
チルアクリル酸、カプロン酸、イタコン酸、フマル酸、
マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルメチルエーテル、アリルアルコール、ビ
ニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、エチルア
クリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル
アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、酢酸ビ
ニル、ビニルプロピオネート、 N−イソプロピルアクリ
ルアミド、 N−エチルアクリルアミド、 N−メチルアク
リルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、 N−メ
チロールアクリルアミド等の分子中に1ケ以上の極性基
を有するα,β−エチレン系不飽和単量体が用いられ
る。付加重合の際に用いられる溶媒としては、例えばメ
タノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アル
カノールが好ましい。通常、上記付加重合は20〜100 ℃
程度の範囲で行われる。本発明において、界面活性剤の
添加量は、界面活性剤の粒子安定化能力によって適宜選
択される。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2'−アゾ
ビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩などのアゾ系重
合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド、過酸化水素など
の過酸化物系重合開始剤が単独または2種以上を組み合
わせて用いられる。前記ノニオン性界面活性剤および/
またはオリゴマー型界面活性剤と、アゾ系および/また
は過酸化物系重合開始剤を使用するような反応系で乳化
重合を行えば、実質的に硫黄酸化化合物(例えば硫酸
塩、硫酸エステル塩、過硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸
塩等)を含まないか、含んでいても極く少量であるコア
シェルポリマーが得られる。ここで用いられるコアシェ
ルポリマー(C) の配合量はポリアセタール樹脂 100重量
部に対し 0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部であ
る。(C) 成分の量が少なすぎると、押出性、光沢の均一
化等が十分でなく、また過剰に添加しすぎると、混練操
作に支障をきたす原因となる。
【0014】本発明の組成物を成形してなる成形品表面
の光沢の度合いは、実用上好ましくは後記測定法による
光沢度が20%以下のもの、特に好ましくは15%以下のも
のである。また最近の自動車内装の高級化に伴い、また
手触りを良くするために内装部品の大部分に皮シボ、梨
地シボと呼ばれるシボ加工が施されており、鏡面での低
光沢化をすると同時に、シボ加工面への高い転写性が必
要となってくる。本発明の組成物においてはポリアセタ
ール樹脂表面を改質することにより鏡面の光沢が著しく
低下すると同時にシボ加工面への転写性が非常に良くな
り、シボ加工面での光沢は更に一層低下する。
【0015】また本発明の組成物はこのままで用いても
十分良好な物性を有し、かつ成形品表面の光沢低下に顕
著な効果を有するが、更に前記 (A)〜(C) 成分に加えて
(D)イソシアネートまたはイソチオシアネート化合物ま
たはそれらの変性体を添加配合することにより、得られ
た成形品表面はよりいっそう光沢の低く、落ち着きのあ
る高級感を有するとともに、より一層印刷性が向上す
る。しかも得られたポリアセタール樹脂の本来有するバ
ランスのとれた物性を保持することが可能となる。本発
明に使用される好ましい(D) イソシアネート又はイソチ
オシアネート化合物またはそれらの変性体としては、一
般式 O=C=N−R−N=C=O又は S=C=N−R−N=C=S
(R ;2価の基)で表される化合物およびそれらの変性
体である。例えば、4,4'−メチレンビス(フェニルイソ
シアネート)、 2,4−トリレンジイソシアネート、 2,6
−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、 1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、またはこれらに対応するジイソチオシアネートおよ
びこれらの二量体、三量体、さらにはイソシアネート基
(−NCO)がなんらかの形で保護されている化合物等いず
れも有効であるが、溶融処理時の変色度等の諸性質、あ
るいは取り扱い上の安全性を考慮すると、4,4'−メチレ
ンビス(フェニルイソシアネート)、イソホロンジイソ
シアネート、 1,5−ナフタレンジイソシアネート、 1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネート、 2,4−トリレンジ
イソシアネート、 2,6−トリレンジイソシアネート並び
にこれらの二量体、三量体等の変性体(又は誘導体)が
特に望ましいかかる(D) イソシアネート又はイソチオシ
アネート化合物類が溶融混練の際、存在することによ
り、均一に落ち着きのある低光沢な表面状態をもたらす
とともに、強度・剛性が上がり、しかも印刷性、接着性
等が更に向上する。かかる効果は粘度上昇から見て、
(D) 成分が溶融処理時にポリアセタール樹脂(A) 及び/
またはポリアルキレンテレフタレート系樹脂(B) と反応
し、場合により一部三次元化構造をとり、(A) ,(B) 両
者の親和性を高め、あるいは界面の密着性を向上させる
とともに(C) 成分の相溶化を補う効果を寄与しているも
のと推定される。ここで用いられるイソシアネート又は
イソチオシアネート化合物またはそれらの変性体(D) の
配合量は、ポリアセタール樹脂 100重量部に対し0〜10
重量部であり、好ましくは 0.1〜5重量部である。
【0016】本発明の組成物は、さらに公知の各種安定
剤を添加して安定性を補強することが望ましい。使用さ
れる安定剤としては酸化防止剤、耐熱安定剤(分解防止
剤)、耐候(光)安定剤等が特に重要である。酸化防止
剤としては、立体障害性フェノールまたはアミン類等、
耐熱安定剤としては、金属の水酸化物や無機塩、脂肪酸
の金属塩、アミジン化合物やアミド化合物の如き窒素含
有化合物等、耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリア
ゾール系物質、ベンゾフェノン系物質、芳香族ベンゾエ
ート系物質、ヒンダードアミン系物質(立体障害性基を
有するピペリジン誘導体)等が一般的に用いられる。ま
た、本発明の組成物は各種カーボンブラック、その他各
種の染顔料を適宜添加し、任意の色に着色することもで
きる。本発明組成物には更にその目的に応じ所望の特性
を付加するため、従来公知の添加剤、例えば滑剤、核
剤、離型剤、帯電防止剤その他の界面活性剤、或いは
(B) 成分及び(C) 成分以外の有機高分子材料、無機、有
機強化剤等を1種または2種以上添加含有させることが
可能である。
【0017】本発明の組成物は、一般に合成樹脂組成物
の調製法として公知の設備と方法により調製することが
できる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押
出機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとした
後成形することができ、又組成物の調製を成形機に成形
と同時に行うことも可能である。また各成分の分散混合
を良くするため樹脂成分の一部又は全部を粉砕し、混合
して溶融押出したペレットを成形する方法、あるいは組
成物を構成する一部(例えば (A)成分と (B)成分及び/
又は (C)成分の一部)を予め溶融混練処理し(マスター
バッチ)、これを残りの成分と更に混練して所定の成分
の組成物または成形品とする方法等は、更に本発明の効
果を高めるため好ましい。また、前記安定剤、添加剤等
の配合物は任意のいかなる段階で加えてもよく、また最
終成形品を得る直前で添加、混合することももちろん可
能である。また本発明の樹脂組成物は、押出し成形、射
出成形、圧縮成形、真空成形、吹き込み成形、発泡成形
のいずれによっても成形可能である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によって示すが、本発
明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、
比較例中の「部」はすべて重量部を表す。また実施例に
おいて表面状態および機械物性の特性値の評価に用いた
方法は以下の通りである。 (1) 押出し加工性(組成物ペレット調製時所見) 内径30mmのベント付二軸押出機を使用して押出しを行
い、押出し状況を観察した。押出し性は1〜3ランクに
分け、評価した。数字が小さい程、押出し性が良好であ
る。 1…通常の方法にて、容易に押出しが可能である。 2…押出しが困難であり、ストランドが切れやすい。 3…押出しが不可能である。 (2) 表面状態および表面光沢度の測定 鏡面およびシボ付きの金型を用いて下記条件にて成形し
た試験片(70mm×40mm×3mm厚さ)を用いて表面状態お
よび表面光沢度を測定した。 (イ)表面状態は、1〜4のランクに分け、艶消し状態
および成形表面の均一性を評価した。数字が小さい程、
均一性が良く、かつ艶消し状態が良い。 1…表面が均一であり、かつ艶消し状態も良い。 2…表面の艶は、低下しているが、表面の凹凸は不均一
で荒れている。 3…表面の艶が、消えている部分と消えていない部分が
不均一にまだら模様になっている。 4…表面の艶がほとんど低下していない。または、表面
のまだら模様が大きく、艶の低下していない部分が大き
い。 (ロ)表面光沢度の測定はJIS K7105 の光沢度測定に準
拠してデジタル変角光沢計(スガ試験機(株)製 UGV-4
0 )にて45度−45度反射における光沢度を測定した。 * 成形機 ;東芝(株)製IS80 * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 650 (kg/cm2) 射出速度 1.0 (m/min) 金型温度 80 (℃) (3) 引張試験・曲げ試験 ASTM D638 に準拠して引張強伸度及び曲げ強度を測定し
た。 (4) 碁盤目試験 本発明で言う印刷性の評価のため、行う試験であり、印
刷インキとサンプルの接着強度試験である。 サンプル:上記(2) で成形した試験片(70mm×40mm×3
mm厚さ) 印刷方法:サンプル表面にアーバンプロセス社製TDST-1
4 (変性ウレタン系インキ)を用いてパッド印刷した。
その後130 ℃で30分間乾燥したのち室温にもどし、以下
の碁盤目試験を行った。 碁盤目試験:サンプル上に塗布された印刷インキの上に
ナイフで直交する縦・横11本ずつの平行線を1mm間隔で
引いて、1cm2 の中に100 個の枡目を作る。枡目の上に
セロハンテープをはり、ついでセロハンテープを剥離さ
せた時の印刷インキの剥離した枡目の数を測定する。剥
離した枡目の数が少ない程、接着強度が強く、印刷・接
着性が良好である。表2、表3に100 目盛中の残存枡目
数の数を示す。 (5) 溶融フロー温度 直径1mmのノズルをつけたフローテスター(島津製作所
(株)製)中にペレットを充填し、 500kgの荷重をかけ
て温度を上昇させ、流動を開始した温度を測定した。
【0019】又、実施例、比較例中に用いるコアシェル
ポリマーの製造に用いる略語は下記の通りである。 エチルアクリレート EA メチルメタクリレート MMA ブチルアクリレート BA 2−エチルヘキシルアクリレート 2EHA 1,4 −ブチレングリコールアクリレート BGA アリルメタクリレート AlMA メタクリルアミド MAM ノニオン性界面活性剤(花王製エマルゲン950) E950 オリゴマー型アニオン性界面活性剤 界面活
性剤A (特開昭53−10682 号公報、実施例13の記載に従って合
成し、アンモニア水でpH7.5に調整後、純水にて固形分
率10%とした。
【0020】
【化3】
【0021】 (式中、a:b=7:3、a+b=約13.6) <組成> メタクリル酸 155 g MMA 360 g n −ドデシルメルカプタン 109 g アゾビスイソブチロニトリル 4.4 g イソプロパノール 314 g 分子量 1310 ) 脱イオン水 DIW 2,2'−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩基酸 V50 (和光純薬(製)V50) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート HEMA スチレン St グリシジルメタクリレート GMA 製造例1〜4 <コアシェルポリマー C−1〜4の製造
> 5リットル還流冷却器付重合容器内にDIW 1200g、25%
アンモニア水1.68g、界面活性剤A7g、MAM 0.14gを
仕込み、窒素気流下で攪拌しながら70℃に昇温した。次
の組成からなるシードモノマー混合物の27.86 gを添加
し、10分間かけて分散させた後、V50 の10%水溶液21g
を添加してシード粒子を重合した。 シードモノマー EA 27.664g AlMA 0.14 g BGA 0.056g 続いてMAM 7gを添加し、次の組成からなるコア部モノ
マー混合物1365gに界面活性剤A 210g、DIW 900 g、
25%アンモニウム水2.80gを添加混合したモノマー乳化
役および10%V 50水溶液21.0g、1%アンモニア水0.63
gの混合液を180 分かけて連続フィードし、シード重合
を行った。 コア部モノマー混合物 BA 1215.2g MMA 140.0g BGA 2.8g AlMA 7.0g 80℃に昇温して1時間熟成後、冷却して70℃とした。次
に、V50の10%水溶液を9g、1%アンモニア水0.27g
を添加し、次の組成のシェル部モノマー乳化液およびV
50の10%水溶液を12g、1%アンモニア水0.36gを60分
かけて連続フィードし、シード重合を行った。 シェル部モノマー乳化液 MMA 265.8g EA 60.0g 界面活性剤A 30.0g DIW 500.0g 25%アンモニウム水 0.72 g St 180.0g HEMA 90.0g BGA 1.2g MAM 3.0g 80℃に昇温して1時間熟成後、冷却した後、300 メッシ
ュのステンレス金網で濾過し、コアシェルポリマーラテ
ックスを得た。このラテックスを−15℃にて凍結させ、
グラスフィルターで濾過した後、60℃にて一昼夜送風乾
燥して、コアシェルポリマー C−1を得た。又、表1に
示されるような組成のモノマーを用いた以外は製造例1
とほぼ同様にして重合を行い、コアシェルポリマー C−
2、 C−3及び C−4を得た。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1〜 ポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス(株)、ジュ
ラコン(商標)M90)(A) にポリアルキレンテレフタ
レート(B) 、および各種コアシェルポリマー(C) を表2
に示す組成で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて混合
後、30mm二軸押出機を用いて、溶融混練し、ペレット状
の組成物を調製した。次いでこのペレットから、射出成
形機を用いて前述の成形条件にて試験片を成形し、光
沢、その他の特性を測定し、評価した。その結果を表2
に示す。 実施例 上記成分に更にイソシアネート化合物を表2に示す組成
で配合し実施例1と同様に組成物を調製し、評価した。
その結果を表2に示す。 比較例1〜14 表3に示すように、ポリアセタール樹脂(A) 単独、又は
ポリアルキレンテレフタレート(B) 、コアシェルポリマ
ー(C) 、イソシアネート化合物(D) の何れか1成分をポ
リアセタール樹脂に添加したものについて、実施例1と
同様に組成物を調製し、評価した。その結果を表3に示
す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】注−1) B−1:イソフタル酸を全酸成分に対し、12.5モル%共
重合した変性ポリブチレンテレフタレート 溶融フロー温度=205 ℃、IV=0.7 B−2:イソフタル酸を全酸成分に対し、30モル%共重
合した変性ポリブチレンテレフタレート 溶融フロー温度=160 ℃、IV=0.5 B−3:シクロヘキサンジメタノールを全ジオール成分
に対し、10モル%、イソフタル酸を全酸成分に対し、20
モル%共重合した変性ポリエチレンテレフタレート(製
造法;撹拌機および溜出塔を備えたステンレン製反応器
に、 テレフタル酸1658重量部、イソフタル酸414 重量
部、エチレングリコール 941 重量部、シクロヘキサンジ
メタノール28重量部、エステル交換触媒( 酢酸カルシウ
ム)2.25重量部を仕込み、230 ℃で常圧下でエステル交
換反 応を150 分間行った。続いて、重合触媒(三酸化ア
ンチモン)3.75重量部 と燐酸エステル1.25重量部を添加
し、270 ℃、1torrの圧力下で110 分間 撹拌を続けて溶
融重縮合を行い、目的とする共重合ポリエステル樹脂を
た。) 溶融フロー温度=150 ℃、IV=0.7 B−4:ナフタレンジカルボンを全酸成分に対し、30モ
ル%変性したポリブチレンテレフタレート 溶融フロー温度=190 ℃、IV=0.6 注−2) 前記製造例1〜4で製造したコアシェルポリマー C−1
〜4 注−3) D−1:イソホロンジイソシアネート(三量体)
【0027】
【発明の効果】以上の説明および実施例により明らかな
ように、ポリアセタール樹脂に、特定のポリアルキレン
テレフタレート系共重合体および特定のコアシェルポリ
マーを添加配合させてなる本発明の組成物は、押出し性
・成形性に優れ、ポリアセタールのバランスのとれた機
械的物性を保持しながら、成形表面の光沢を著しく低下
させ、落ち着きのある表面を形成するという顕著な効果
を示した。従って、本発明の低光沢性を有するポリアセ
タール樹脂組成物は、高級感をだし、光の反射が嫌われ
る自動車内装品(例えばレギュレーターハンドル、内装
クリップ、ベンチレーターノブ等)、および自動車のア
ウターハンドル、キーボードのキートップ、デッキチェ
アー等の家具および印刷性の要求されるフロッピーディ
スクのシャッター材、および光学機械、ハウジング、家
庭用品等の用途等に好適に使用し得る。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリアセタール樹脂 100重量部に (B) 90〜60 mol%のテレフタル酸と10〜40 mol%のイソ
    フタル酸からなる酸成分 と、 1,4−ブタンジオールおよ
    び/またはエチレングリコールに 1,4−シクロ ヘキサン
    ジメチロールを併用したジオール成分とを共重合してな
    る、溶融フロー温度が 210℃以下のポリアルキレンテレ
    フタレート系共重合体 0.1 〜50重量部および (C) ゴム状ポリマーのコアとビニル系共重合体からなる
    ポリマーのシェルを有するコアシェルポリマー 0.1〜50
    重量部を添加配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(C) コアシェルポリマーがノニオン性界面
    活性剤又はオリゴマー型界面活性剤を用いて乳化重合す
    ることを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】(C) コアシェルポリマーがアゾ系および/
    または過酸化物系重合開始剤を用いて乳化重合すること
    を特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】(C) コアシェルポリマーのシェル部がアル
    キル(メタ)アクリレートである請求項1記載のポリア
    セタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(C) コアシェルポリマーが含酸素極性基を
    有するビニル系共重合体のポリマーのシェルを有するも
    のである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(C) コアシェルポリマーのシェル部がヒド
    ロキシエチルアクリレートまたはグリシジルメタクリレ
    ートである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】更に、(D) イソシアネートまたはイソチオ
    シアネート化合物またはそれらの変 性体 0.1〜10重量部
    を配合してなる請求項1〜6の何れか1項記載のポリア
    セタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(D) イソシアネートまたはイソチオシアネ
    ート化合物またはそれらの変性体が、ジイソシアネート
    又はジイソチオシアネート化合物またはそれらの二量
    体、三量体である請求項7記載のポリアセタール樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の何れか1項記載の組成物を
    成形してなる低光沢性を有するポリアセタール樹脂成形
    品。
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