JP3357548B2 - ポリアセタール樹脂製クリップ部品及びヒンジ部品 - Google Patents

ポリアセタール樹脂製クリップ部品及びヒンジ部品

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JP3357548B2
JP3357548B2 JP25898796A JP25898796A JP3357548B2 JP 3357548 B2 JP3357548 B2 JP 3357548B2 JP 25898796 A JP25898796 A JP 25898796A JP 25898796 A JP25898796 A JP 25898796A JP 3357548 B2 JP3357548 B2 JP 3357548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアセタール樹
脂の本来有する機械物性、摩擦磨耗性、成形性などを保
持しながら、自動車部品等において物品または部品等を
弾性反発力を利用して相手材装着・係止するためのクリ
ップ、及び、部品のある部分において1回以上の曲げ又
は折り曲げ荷重が加えられる薄肉部であるヒンジに好適
に用いることのできるポリアセタール樹脂組成物を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質
などの物理的特性、或いは耐薬品性、耐熱性などの化学
的特性の優れたエンジニアリング樹脂として極めて広汎
な分野において利用されている。近年、ポリアセタール
樹脂が利用される分野の拡大に伴い、その材料としての
性質にもさらに特殊性が要求される場合がある。例え
ば、自動車その他の機器・器具等において、弾性反発力
を利用して物品または部品等を相手材に装着・係止する
ためのクリップ用プラスチック材料としては、ポリアミ
ド樹脂やポリアセタール樹脂等が汎用されている。ポリ
アミド樹脂性のものは、柔軟性や耐衝撃性が優れ、また
クリップ特性にも優れ、クリップ用材料として好適では
あるが、吸湿により柔軟性や耐衝撃性等が変化しやす
く、クリップ装着時の環境条件(温度・湿度など)に注
意が必要であり、組立て作業性が悪いことが実用上問題
となっている。一方、ポリアセタール樹脂製のものは、
吸湿による耐衝撃性等の物性変化は少ないものの、クリ
ップ特性がポリアミド樹脂製のものに劣るという問題が
あり、その改善が求められていた。一般に、クリップ材
料用ポリアセタール樹脂としては、耐衝撃性改善の目的
で熱可塑性ポリウレタンを配合した組成物が用いられて
おり、耐衝撃性の面では一応の望ましい性質を有するも
のの、成形品表面でポリアセタール樹脂と熱可塑性ポリ
ウレタンの剥離現象が生じ、成形品の外観を著しく損な
う問題があり、又、熱安定性の低下、更には成形品のウ
エルド部の強伸度が著しく低いこと等からクリップの設
計の自由度が小さくなる等の種々の問題があり、その改
善が求められていた。更に、近年クリップに要求される
機能が増すと共に形状は複雑化し、コストダウン・軽量
化を目的として成形品の薄肉化が進行している。また、
クリップ射出成形時の生産性の向上のため、成形サイク
ルの短縮と一回の射出成形により得られるクリップ数を
増すための金型の多数個取り化が必要とされる。このよ
うな要求に対応するためには、材料の高流動性、易離型
性・高湿での射出成形時の耐熱安定性の改善等が必要で
あるが、これらの条件を全て満足するクリップ用樹脂組
成物は未だ提供されていない。一方、ポリアセタール樹
脂が利用される分野の拡大に伴い、その材料として求め
られるクリップ特性以外の性質として、屈曲性に優れる
材料、即ちヒンジ特性に優れる材料の開発が要望される
場合がある。取りわけ近年、部品点数の削減による原価
低減の必要性から、いくつかの部品をヒンジをもって一
体化せしめ組付けを容易且つ安価に行うことが望まれる
場合が増えており、さらには、ヒンジ部品の低温下での
使用、或いは構造上好ましいヒンジ形状が取り得ないも
の等、ヒンジ特性を低下させる要因も多く、本質的に優
れたヒンジ特性の要求は一層厳しいものとなっている。
ヒンジ特性の要求に応える方法としても、ポリアセター
ル樹脂に熱可塑性ウレタンエラストマーを添加してヒン
ジ特性の向上を図る等の方法が知られている。この方法
でも、ヒンジ特性の向上を示すことは可能ではあるが、
先に述べた事と同じく、エラストマー成分を配合するこ
とにより成形品表面で剥離現象が起こり易くなり、成形
品の外観を著しく損なう問題があり、又、熱安定性の低
下、さらに成形品のウエルド強伸度が著しく低下し、流
動性も低下する等のことからヒンジ設計の自由度が小さ
くなる等種々の問題点があり、その改善が求められてい
た。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアセ
タール樹脂本来の特性を可能な限り犠牲にすることな
く、上記の問題が解決され、クリップ用樹脂組成物、或
いはヒンジ用樹脂組成物として要求される性能を満足し
得るポリアセタール樹脂組成物を提供すべく、鋭意研究
を重ねた結果、ポリアセタール樹脂にコアシェルポリマ
ーと特定のポリエステルエラストマーとを併用添加する
のが有効であることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。即ち、本発明は、 (A) ポリアセタール樹脂に (B) ゴム状ポリマーのコアとガラス状ポリマーのシェル
を有するコアシェルポリマー1〜50重量%(対全組成
物)及び (C) アルキレン基が低級アルキレン基であるアルキレン
テレフタレートで構成されたハードセグメントと、ポリ
オキシアルキレングリコールとフタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸との
エステルで構成されたソフトセグメントとを含むポリエ
ステルエラストマー1〜50重量%(対全組成物)を配合
してなり、且つ (B)+(C) の重量比率が10〜60重量%
(対全組成物)の範囲、成分(B) :成分(C) の重量比が
40:60〜99:1の範囲にあるポリアセタール樹脂組成物
を成形してなるポリアセタール樹脂製クリップ部品、及
(B)+(C) の重量比率が10〜60重量%(対全組成物)
の範囲、成分(B) :成分(C) の重量比が1:99〜60:40
の範囲にあるポリアセタール樹脂組成物を成形してなる
ポリアセタール樹脂製ヒンジ部品に関するものである。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、従来技術では困
難であった、環境の変化に対して安定なクリップ特性と
高流動性、好ましいクリップ挿入力、射出成形時の耐熱
安定性、耐衝撃性、及び良好なヒンジ特性とを達成でき
るため、クリップ用材料としても、ヒンジ用材料として
も極めて好適な材料である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下本発明の構成成分について詳
しく説明する。まず、本発明において用いられる(A) ポ
リアセタール樹脂はオキシメチレン基(-CH2O-)を主たる
構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホ
モポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少
量有するコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマ
ーいずれにてもよく、又、分子が線状のみならず分岐、
架橋構造を有するものであっても良い。
【0005】次に、本発明において用いられる(B) コア
シェルポリマーとは、ゴム状ポリマーのコアとガラス状
ポリマーのシェルを有する化合物であり、公知の方法に
よって調製することもできるし、又、市販品を用いるこ
ともできる。その典型例はローム・ハース社のアクリロ
イドKM330 及びKM653 、呉羽化学(株)のパラロイドKC
A-102 及びKCA-301 、武田薬品工業(株)のスタフィロ
イドPO-0270 及びPO-0148 、鐘淵化学工業(株)のカネ
エースFM、三菱レーヨン(株)のメタブレンC-102,E-90
1,W-800,S-2001等が挙げられる。かかるコアシェルポリ
マーの内、好ましいのは、ゴム状のポリマーのコアとメ
チルメタクリレートを主成分とするガラス状ポリマーの
シェルを有するコアシェルポリマーであり、特に実質的
にアニオンが検出されないコアシェルポリマーである。
アニオンが検出されるコアシェルポリマーを用いた場
合、溶融練り込み時や射出成形時にポリアセタールの分
解を促進することがあり、所望のクリップ特性が得られ
ないことがある。また、分解が多過ぎて溶融練り込みが
不可能な場合もある。ここで、実質的にアニオンが検出
されないコアシェルポリマーとは、通常のアニオンの定
性試験によってはアニオンが検出されない程度のコアシ
ェルポリマーを意味する。例えば、その測定方法として
は、試料(コアシェルポリマー)5gを50ml三角フラス
コに秤量し、イオン交換水20mlを加え、マグネチックス
ターラーで3時間攪拌し、次いでNo5C濾紙で濾過した濾
液を二分し、一方に1%塩化バリウム水溶液 0.5mlを加
え、濁りの発生を比較観察する方法(硫酸イオンの定性
試験)、または、同様の処理を行い、1%塩化バリウム
水溶液の替わりに 0.1N硝酸銀水溶液を加え、濁りの発
生を比較する方法(ハロゲンイオンの定性試験)によっ
てアニオンの存在を確認することができる。好ましく
は、これらのアニオンが全く存在しないコアシェルポリ
マーが好適に用いられる。
【0006】本発明に用いるのに好ましいコアシェルポ
リマーは、ノニオン性界面活性剤及び発生するラジカル
が中性である重合開始剤を用い乳化重合して得られるも
のである。かかるコアシェルポリマーは、例えば特開平
3−14856 号公報に記載された乳化重合技術を用いて製
造することができる。乳化重合は、例えば次のような界
面活性剤および重合開始剤を用いて行うことができる。
ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのエ
ーテル型、ポリオキシエチレンモノステアレートなどの
エステル型、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ートなどのソルビタンエステル型、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどのブロッ
クポリマー型など広く一般に使用されているノニオン性
界面活性剤のほとんどが使用可能である。その添加量は
界面活性剤の粒子安定化能力によって適宜選択される。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,
2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2'−アゾビス(2−
アミノプロパン)二塩酸塩などのアゾ系重合開始剤、ク
メンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系
重合開始剤が単独または2種以上を組み合わせて用いら
れる。このようにアニオンを含まない界面活性剤と過硫
酸塩ではないような反応系で乳化重合を行えば、実質的
にアニオンを含まないか、含んでいても極く少量である
コアシェルポリマーが得られる。このような実質的にア
ニオンを含まないコアシェルポリマーを用いたポリアセ
タール樹脂組成物はクリップ特性・ヒンジ特性に優れた
ものとなる。
【0007】本発明において用いられる(B) コアシェル
ポリマーとは、ゴム状ポリマーのコアとガラス状ポリマ
ーのシェルを有し、シード乳化重合法のうち、通常、先
の段階の重合体を後の段階の重合体が順次に被覆するよ
うな連続した多段階乳化重合法によって得られる。コア
シェルポリマーが後述の中間相を有する場合において
は、先の段階の重合体の中へ後の段階の重合体が侵入す
るような多段階乳化重合法によって中間相が形成される
こともある。粒子発生重合時には、モノマー、界面活性
剤および水を反応器へ添加し、次に重合開始剤を添加す
ることにより、乳化重合反応を開始させることが好まし
い。第一段目の重合はゴム状ポリマーを形成する反応で
ある。ゴム状ポリマーを構成するモノマーとしては、例
えば共役ジエンまたはアルキル基の炭素数が2〜8であ
るアルキルアクリレートあるいはそれらの混合物などが
挙げられる。これらのモノマーを重合させてゴム状ポリ
マーを形成する。これらのモノマーを重合させてガラス
転移温度−30℃以下のゴム状ポリマーを形成する。この
ような共役ジエンとして、例えばブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン等を挙げることができる。又、アルキ
ル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレートとし
て、例えばエチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等を挙げることが
できる。ゴム状ポリマーとして特にブチルアクリレート
が好ましく用いられる。第一段目の重合には共役ジエン
およびアルキルアクリレートなど共重合可能なモノマ
ー、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シア
ン化ビニリデン、メチルメタクリレート、ブチルメタク
リレート等のアルキルメタクリレート等を共重合させる
こともできる。第一段目の重合が共役ジエンを含まない
場合あるいは共役ジエンを含んでいても第一段目の全モ
ノマー量の20重量%以下である場合は、架橋性モノマー
およびグラフト化モノマーを少量用いることにより高い
耐衝撃性をもつポリマーとすることができる。架橋性モ
ノマーとして、例えばジビニルベンゼン等の芳香族ジビ
ニルモノマー、エチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコー
ルジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、
ヘキサンジオールジメタクリレート、オリゴエチレング
リコールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート等のアルカンポリオールポリ
アクリレートまたはアルカンポリオールポリメタクリレ
ート等を挙げることができるが、特にブチレングリコー
ルジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレートが
好ましく用いられる。グラフト化モノマーとして、例え
ばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリ
ルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネ
ート等の不飽和カルボン酸アリルエステル等を挙げるこ
とができるが、特にアリルメタクリレートが好ましく用
いられる。このような架橋性モノマー、グラフト化モノ
マーは、それぞれ第一段目の全モノマー量の0〜5重量
%、好ましくは 0.1〜2重量%の範囲で用いられる。
【0008】このゴム状ポリマーのコアはコアシェルポ
リマー全体の50〜90重量%の範囲が好ましい。コアがこ
の重量範囲よりも少ないとき、或いはこれを越えて多い
ときは生成するコアシェルポリマーを溶融混合して得ら
れる樹脂組成物の耐衝撃性改良の効果が十分でないこと
がある。また、コアのガラス転移温度が−30℃よりも高
い場合は、低温耐衝撃性改良の効果が十分ではないこと
がある。最外殻層(シェル相)はガラス状ポリマーが形
成されている。ガラス状ポリマーを構成するモノマーと
しては、メチルメタクリレート、メチルメタクリレート
と共重合可能なモノマーの混合物であり、ガラス転移温
度60℃以上のガラス状ポリマーを形成する。メチルメタ
クリレートと共重合可能なモノマーとしては、例えば、
エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアル
キルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート等のアルキルアクリレート、スチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳香
族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン等のビニル重
合性モノマーを挙げることができるが、特に好ましくは
エチルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル等が
用いられる。この最外殻層(シェル相)はコアシェルポ
リマー全体の10〜50重量%の範囲が好ましい。このシェ
ル相がこの重量範囲よりも少ないとき、あるいは越えて
多いとき、生成するコアシェルポリマーを溶融混合して
得られる樹脂組成物の耐衝撃性改良の効果が十分でない
ことがある。また、第一段と最終の重合相の間には中間
相が存在していてもよい。例えば、グリシジルメタクリ
レート、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどのような官能基を有する重合モノマー、メチルメ
タクリレートなどのようなガラス状ポリマーを形成する
重合モノマー、ブチルアクリレートなどのゴム状ポリマ
ーを形成する重合モノマーなどをシード乳化重合するこ
とによって中間相が形成される。このような中間相は所
望のコアシェルポリマーの性質によって種々選択するこ
とができる。また、その重合割合も使用するモノマーに
よって適宜選択すれば良い。例えば、ガラス状ポリマー
を中間層とする場合は、その重合割合をシェルの一部と
して算出すれば良く、ゴム状ポリマーの場合はコアの一
部として算出すれば良い。
【0009】このような中間相を有するコアシェルポリ
マーの構造は、例えばコアとシェルの間にもう一つの層
が存在している多層系構造をとるものや、中間相がコア
中で細かな粒状となって分散しているサラミ構造をとる
ものが挙げられる。サラミ構造を有するコアシェルポリ
マーにおいては更に極端な場合は、分散するべき中間相
がコアの中心部において新たな芯を形成していることも
ある。このような構造のコアシェルポリマーはスチレン
に代表されるモノマーを中間相構成モノマーとして使用
した場合に生じることがある。また、中間相を有するコ
アシェルポリマーを使用した場合、耐衝撃性の改良、曲
げ弾性率の向上、熱変形温度の上昇、外観(表面剥離お
よびパール光沢の抑制、屈折率変化による色調の変化)
が改善されることがある。本発明の(B) コアシェルポリ
マーの添加量は1〜50重量%(対全組成物)、好ましく
は10〜40重量%である。コアシェルポリマーの添加量が
少なすぎると必要なクリップ特性・ヒンジ特性が得られ
ず、またいたずらに過大に添加しても、機械的性質特に
剛性の大巾な低下が認められる。
【0010】かかるコアシェルポリマー(B) をポリアセ
タール樹脂中に添加配合することにより、ポリアセター
ル樹脂の優れた機械的性質を低下させることなく、良好
なクリップ特性・ヒンジ特性を持つ材料は得られる。し
かし、(B) コアシェルポリマーの添加量に比例して流動
性が低下する為に、ポリアセタール樹脂組成物の成形
性、即ち、薄肉の部品を射出成形する際に必要とされる
流動性が劣る事となる。また、コアシェルポリマーの組
成によっては熱変形温度も低下することがある。従っ
て、実用上の使用範囲・製品設計・製品形状等が限られ
たものとなり、材料に求められるポリアセタール樹脂の
良好な特性が十分に生かされていなかった。
【0011】そこで、本発明は、上記(A) 、(B) 成分に
更に(C) ポリエステルエラストマーを配合することを特
徴とするものであり、かかる(A) 、(B) 、(C) の3成分
を配合することにより、ポリアセタール樹脂本来のも
つ、バランスのとれた特性を損なうことなく、上記の問
題点を克服するものであり、特にポリエステル系樹脂を
併用することにより、更に、クリップ挿入力の改善に有
効であること、良好なヒンジ特性を持つこと、そして良
好な熱変形温度を持つことが判明し、好ましいクリップ
用・ヒンジ用材料を提供することができる。本発明にお
いて、かかる目的で用いられる(C) ポリエステルエラス
トマーとは、アルキレン基が低級アルキレン基であるア
ルキレンテレフタレートで構成されたハードセグメント
と、ポリオキシアルキレングリコールとフタル酸、イソ
フタル酸及びテレフタル酸から選ばれた芳香族ジカルボ
ン酸とのエステルで構成されたソフトセグメントとを含
むポリエステルエラストマーである。ポリエステルエラ
ストマーは、成形品の熱変形温度・耐衝撃性等を大きく
改善する上で有用である。本発明のポリエステルエラス
トマーには、ポリエステルブロック共重合体、例えば、
低分子量ジオールを含むポリエステル単位で構成された
ハードセグメントと、ポリエーテルジオール又は脂肪族
ポリエステルジオールを含む(ポリ)エステル単位で構
成されたソフトセグメントとを有するブロック共重合体
が含まれる。前記ハードセグメントとソフトセグメント
との割合は、1:99〜99:1(重量%)、好ましくは
5:95〜95:5(重量%)程度の範囲から選択すること
ができ、25:75〜75:25(重量%)程度である場合が多
い。
【0012】ポリエステルのハードセグメントを構成す
るジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、2,6 −ナフタレンジカルボン酸、1,5 −ナフタレ
ンジカルボン酸、ビス−(4−カルボキシフェニル)メ
タン等の芳香族ジカルボン酸、1,4 −シクロヘキシレン
ジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸等の脂環族
ジカルボン酸、及びアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族
ジカルボン酸等が挙げられる。機械的特性や耐熱性の観
点から、ジカルボン酸成分の少なくとも50モル%以上
(例えば、60〜100 モル%)は芳香族ジカルボン酸であ
るのが好ましく、芳香族ジカルボン酸としては、特にテ
レフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
【0013】ハードセグメントを形成するジオール成分
としては、炭素数2〜12程度のアルキレンジオール(例
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ヘキサメチレングリコール、オクタンジオ
ール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル等の炭素数2〜12程度の脂肪族ジオール)、脂環族ジ
オール(例えば1,1 −シクロヘキシレンジメチレンジオ
ール、1,4 −シクロヘキシレンジメチレンジオール、水
素化ビスフェノールA等)、芳香族ジオール〔例えばビ
ス−(p−ヒドロキシジフェニル)メタン、ビス−(p
−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス−(p−ヒドロキシジ
フェニル)プロパン、2,2 −ビス−(4−β−ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2 −ビス−(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2 −ビス−
(4−β−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパン、
等〕、及び、それらの混合物が使用できる。好ましいジ
オール成分は、炭素数2〜8程度のアルキレンジオー
ル、特に炭素数2〜4程度のアルキレンジオールであ
る。ハードセグメントは、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリC24 アルキ
レン−テレフタレート単位、又は対応するポリC24
ルキレン−イソフタレート単位、ポリブチレンイソフタ
レート単位等で構成する場合が多い。
【0014】ポリエステルエラストマーのソフトセグメ
ントを構成するジカルボン酸成分としては、前記ハード
セグメントを構成する酸成分が使用される。ジオール成
分としては、ポリエーテルジオール、〔特にポリ(オキ
シアルキレン)グリコール〕や脂肪族ポリエステルジオ
ールが好適である。ポリオキシアルキレングリコールに
は、炭素鎖が2〜8個隣接するオキシアルキレン重合体
が挙げられ、具体例としては、ポリ(エチレンオキシ
ド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレン−
1,2 −オキシド)、ポリオキソラン、ポリオキサン、ポ
リオキセパン、ポリオキソカン及びポリオキソナン並び
にエチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、エ
チレンオキシド・オキソラン共重合体等のグリコール等
がある。これらのポリエーテルジオールは、単独で又は
二種以上組み合わせて使用することもできる。ポリエー
テルジオールとしては、ポリ(テトラメチレン)グリコ
ールが好ましい。ポリエーテルジオールの数平均分子量
は、例えば、 200〜6000程度の範囲から選択できる。脂
肪族ポリエステルジオールには、前記脂肪族ジカルボン
酸と脂肪族ジオールとの重縮合により生成する両末端に
ヒドロキシル基を有するジオール、例えば、C412脂肪
族ジカルボン酸とC26 脂肪族ジオールとのポリエステ
ルジオールが含まれる。ポリエステルジオールの数平均
分子量は、例えば、 200〜6000程度の範囲から選択でき
る。ソフトセグメントは、ポリオキシテトラメチレング
リコール等のポリ(オキシ−直鎖状C24 アルキレン)
グリコールと、テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル
酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸とのエステルで構成
する場合が多い。
【0015】ポリエステルエラストマーの固有粘度(I
V)は特に限定されないが、良好な分散状態を得る為に
は、溶融混練温度においてポリアセタール樹脂の溶融粘
度に近い又は重複する溶融粘度となるように、ポリエス
テルエラストマーの固有粘度を選択するのが好ましい。
ポリエステルエラストマーの固有粘度(IV)は、例えば
0.3〜1.2 、好ましくは 0.4〜0.8 程度である。固有粘
度は溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン混合溶
媒を用い、40℃で測定した値である。
【0016】ポリエステルエラストマーは、公知の方法
によって調製することもできるし、又、市販品を用いる
こともできる。その典型例は東レ・デュポン社のハイト
レル、大日本インキ社のグリラックス、ヘキスト・セラ
ニーズ社のライトフレックス等が挙げられる。好ましい
ポリエステルエラストマーは、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、又はポリブチレン
テレフタレート単位をハードセグメントとし、分子量 2
00〜6000程度のポリオキシエチレングリコール又はポリ
オキシテトラメチレングリコールとテレフタル酸及び/
又はイソフタル酸とのエステルをソフトセグメントとす
るポリエステルエラストマーである。(C) ポリエステル
エラストマーの添加量は、所望する成形品の特性等に応
じて選択でき、例えば、全組成物に対し1〜50重量%が
適当であり、特に5〜40重量%が好ましい。1重量%よ
り少ない量ではクリップ特性・ヒンジ特性の改善効果が
小さく、50重量%より多い量では改善効果が飽和に達
し、ポリアセタール樹脂本来の特性に悪影響を生じると
共に、ポリアセタール樹脂の特徴の一つである耐薬品性
が劣り、成形品表面に剥離が生じる為に不適当である。
かかる(C) ポリエステルエラストマーは、ポリアセター
ル樹脂に単独に配合しても良好なクリップ特性と耐衝撃
性に優れるポリアセタール樹脂組成物は得られない。そ
こで、(B) コアシェルポリマーとの3成分(A +B +C
)を併用することにより顕著な改善効果を発揮し、優
れたクリップ特性・ヒンジ特性・耐衝撃性・高流動性・
熱変形温度を有するという効果が認められる。また、こ
の樹脂組成物は、(C) ポリエステルエラストマーの作用
により成形品の表面の滑りが向上する為に、クリップを
組み付ける時の挿入力が低下するという効果をも発現
し、クリップの組み付け等の作業上、更に好ましい材料
となった。
【0017】(B) コアシェルポリマーと(C) ポリエステ
ルエラストマーとの合計した添加量は、所望する成形品
の特性等に応じて選択でき、全組成物に対し10〜60重量
%が適当であり、好ましくは10〜40重量%、特に15〜35
重量%が好ましい。さらに、例えば、所望する成形品に
クリップ特性をより期待するならば、成分(B) :成分
(C) の重量比が40:60〜99:1の範囲にあることが好ま
しく、所望する成形品にヒンジ特性をより期待するなら
ば、成分(B) :成分(C) の重量比が1:99〜60:40の範
囲にあることが好ましい。
【0018】本発明の組成物は更に公知の各種安定剤を
添加し、熱安定性を補強することが望ましく、この目的
のため公知の酸化防止剤や窒素含有化合物、アルカリ又
はアルカリ土類金属化合物等を1種類又は2種類以上合
わせて使用することが望ましい。
【0019】本発明組成物には更にその目的に応じ所望
の特性を付与するため、従来公知の添加剤、例えば滑
剤、核剤、離型剤、帯電防止剤その他の界面活性剤、或
いは(B)(C)成分以外の有機高分子材料、無機、有機の繊
維状、粉粒状、板状の充填剤等を1種又は2種以上添加
含有させることが可能である。
【0020】本発明の組成物は、一般に合成樹脂組成物
の調製法として公知の設備と方法により調製することが
できる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押
出機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとした
後成形することができ、又組成物の調製を成形機にて成
形と同時に行うことも可能である。また各成分の分散混
合を良くするため樹脂成分の一部又は全部を粉砕し、混
合して溶融押出したペレットを成形する方法等、いずれ
も可能である。
【0021】また前記安定剤、添加剤等の配合物は任意
のいかなる段階で加えてもよく、又最終成形品を得る直
前で添加、混合することももちろん可能である。また本
発明にかかる樹脂組成物は、押出し成形、射出成形、圧
縮成形、真空成形、吹き込み成形、発泡成形のいずれに
よっても成形可能であるが、一般的にはクリップは射出
成形によって成形される。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例、比較例における特性評価は、以下の方法に
従って行った。 (1) クリップ特性試験 表1、2の組成からなるペレットを用いて、図1に示す
形状のクリップを下記の条件で成形し、図2に示すよう
に、直径 7.0mm(室温23℃、50%RHの場合)及び、直径
7.5mm(−10℃の場合)の穴の開いた冶具に載せ、その
真上31cmの高さから1kgの分銅を落下させ、クリップを
穴に衝撃的に打ち込んだ。供試サンプル(25個)中のサ
ンプル破壊数を調べ、破壊数の少ない方がクリップ特性
が良好と判断した。 * 成形機 ;日本製鋼所(株)製J75EP * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 800 (kg/cm2) 射出速度 0.3 (m/min) 金型温度 60(℃) 成形サイクル 射出保圧7sec, 冷却9sec (2) クリップ挿入力試験 クリップ挿入力試験は、上記クリップ特性試験と同様に
成形したクリップを用いて、図3に示すように、直径
8.3mmの孔をあけた肉厚 2.6mmのSUS416製板金冶具に載
せ、室温23℃、50%RHの条件下、硬質プラスチックの落
錘衝撃試験方法通則 K7211-1976 に定められた試験方法
に準じて行った。供試サンプルの板金冶具への挿入完了
判定は、クリップのフランジ部が全て板金冶具に接地し
たか否かによって行い、重錘質量と、クリップが挿入完
了される落下高さとからクリップ挿入力エネルギーを求
めた。そのクリップ挿入力エネルギーは、低い方が良好
と判断した。 (3) 流動性(薄肉棒流動長)の測定法 表1、2の組成からなるペレットを用いて、下記の条件
に設定した成形機を用い、薄肉の試験片(幅5mm×厚さ
0.5mm)を成形し、その流動長(樹脂の充填された長
さ:最大50mm)から流動性を評価した。 * 成形機 ;日精(株)製PS20E * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 1000 (kg/cm2) 射出速度 4.0 (m/min) 金型温度 70(℃) (4) アイゾット衝撃強度 表1、2の組成からなるペレットを用いて、インライン
射出成形機を用いて、下記条件で試験用サンプル(幅1
2.7mm、厚さ6.4mm 、長さ64mmの直方体)を成形し、AST
M D 256の方法に準拠したノッチを付け、アイゾット衝
撃値を測定した。アイゾット衝撃値が高い方が良好であ
ると判断される。 * 成形機 ;東芝(株)製IS80EPN * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 650 (kg/cm2) 射出速度 4.0 (m/min) 金型温度 80(℃) (5) ヒンジ特性の評価 表1、2の組成からなるペレットを用いて、図4に示し
た形状の試験片を下記の成形条件で成形した。 * 成形機 ;東芝(株)製IS80EPN * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 650 (kg/cm2) 射出速度 1.0 (m/min) 金型温度 80(℃) ヒンジ特性は、次に示す基準に基づき評価した。 サンプル数:n=10 テスト方法:サンプルを−10℃、50%RHの環境下に24
時間以上放置した後、同条件下でヒンジ部を 180度の角
度で 100回繰り返し折り曲げた。 評価A: 100回の折り曲げの間にヒンジ部が破壊した個
数(数値の小さいほど優れる)。 評価B:100 回折り曲げを行った後のヒンジ部状態を次
の様な判定基準で評価し、平均点で表したもの(数値の
大きいほど優れる)。 5:殆ど異常が認められなかったもの。 4:ヒンジ部の表面に微小クラックが発生したもの。 3:ヒンジ部表面のクラックが成長し、大きくなったも
の。 2:ヒンジ部のクラックが更に中心部に向かって成長
し、ヒンジ部が極めて薄くなったもの。 1:薄くなったヒンジ部に切れ目が入り、切断しかかっ
たもの。 0:破断したもの。 (6) 荷重たわみ温度の評価 表1、2の組成からなるペレットを用いて、インライン
射出成形機を用いて、(4) アイゾット衝撃強度の測定法
と同じ成形機・成形条件で試験用サンプル(幅12.7mm、
厚さ 6.4mm、長さ128mm の直方体)を成形し、ASTM D 6
48方法に準拠し、 1.81MPaの荷重条件で測定した。 (7) 表層剥離の評価 1/32インチ試験片表面にセロハンテープを貼り付け、引
き剥した後、剥離状況を目視で観察し、表層剥離状態の
有無を評価した。
【0023】実施例1〜11、比較例1〜13 ポリアセタール樹脂(A) (ポリプラスチックス(株)
製、ジュラコン(商品名)」にコアシェルポリマーB-1
、ポリエステル系樹脂C-1 とを表1・2に示す組成で
配合し、ヘンシェルミキサーを用いて混合後、30mm2軸
押出し機を用いて溶融混練しペレット状の組成物を調製
した。次いで、このペレットから、射出成形機を用いて
前述の成形条件にて試験片を成形し、各特性を測定し、
評価した。その結果を表1、2に示す。尚、表に示した
各成分の略号は以下のものを示す。 ・ポリアセタール〔ポリプラスチックス(株)製、ジュ
ラコン(商品名)〕 A-1 メルトインデックス(190 ℃) 2.5 (g/10min) A-2 〃 9.0 (g/10min) A-3 〃 14.0 (g/10min) ・コアシェルポリマー B-1 武田薬品工業(株)製 スタフィロイド(商品
名)PO-0148 ・ポリエステル系樹脂、他 C-1 東レ・デュポン(株)製 ハイトレル(商品名)
4047 C-2 大日本インキ化学工業(株)製 グリラックス
(商品名)E500 C'-1 ポリプロピレン樹脂 三井石油化学工業(株)製 ハイポール J700 (商品
名) C'-2 熱可塑性ポリウレタン 武田バーディシェウレタン工業(株)製 エラストラン
S80A(商品名)
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】以上の説明および実施例により明らかな
ように、ポリアセタール樹脂に、コアシェルポリマー及
びポリエステル系樹脂を併用して添加配合させてなる本
願発明のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール
のバランスのとれた機械的物性を保持しながらクリップ
特性・流動性・ヒンジ特性に優れ、かつ靭性・耐熱安定
性を維持させるという顕著な効果を示した。懸かるポリ
アセタール樹脂組成物を成形してなる部品の用途例とし
て、自動車、電気・電子、建材、雑貨等の分野に於ける
各種の部品が挙げられ、これらの用途のクリップ用・ヒ
ンジ用樹脂材料に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クリップ特性の評価に用いたクリップ試験片
の形状を示す図である。
【図2】 クリップ特性の評価の実際の試験状況を示す
図である。
【図3】 クリップ挿入力の評価の実際の試験状況を示
す図である。
【図4】 ヒンジ特性測定に用いた試験片の略図であ
り、(a),(b),(c) は各々平面図、側図及びヒンジ部の拡
大図を示す。その他の数値の単位はmmである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリアセタール樹脂に (B) ゴム状ポリマーのコアとガラス状ポリマーのシェル
    を有するコアシェルポリマー1〜50重量%(対全組成
    物)及び (C) アルキレン基が低級アルキレン基であるアルキレン
    テレフタレートで構成されたハードセグメントと、ポリ
    オキシアルキレングリコールとフタル酸、イソフタル酸
    及びテレフタル酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸との
    エステルで構成されたソフトセグメントとを含むポリエ
    ステルエラストマー1〜50重量%(対全組成物)を配合
    してなり、且つ (B)+(C) の重量比率が10〜60重量%
    (対全組成物)の範囲、成分(B) :成分(C) の重量比が
    40:60〜99:1の範囲にあるポリアセタール樹脂組成物
    を成形してなるポリアセタール樹脂製クリップ部品。
  2. 【請求項2】(A) ポリアセタール樹脂に (B) ゴム状ポリマーのコアとガラス状ポリマーのシェル
    を有するコアシェルポリマー1〜50重量%(対全組成
    物)及び (C) アルキレン基が低級アルキレン基であるアルキレン
    テレフタレートで構成されたハードセグメントと、ポリ
    オキシアルキレングリコールとフタル酸、イソフタル酸
    及びテレフタル酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸との
    エステルで構成されたソフトセグメントとを含むポリエ
    ステルエラストマー1〜50重量%(対全組成物)を配合
    してなり、且つ (B)+(C) の重量比率が10〜60重量%
    (対全組成物)の範囲、成分(B) :成分(C) の重量比が
    1:99〜60:40の範囲にあるポリアセタール樹脂組成物
    を成形してなるポリアセタール樹脂製ヒンジ部品。
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