JPH08176339A - 熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および成形品

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JPH08176339A
JPH08176339A JP31961594A JP31961594A JPH08176339A JP H08176339 A JPH08176339 A JP H08176339A JP 31961594 A JP31961594 A JP 31961594A JP 31961594 A JP31961594 A JP 31961594A JP H08176339 A JPH08176339 A JP H08176339A
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JP
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component
resin
weight
resin composition
talc
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JP31961594A
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English (en)
Inventor
Takashi Koga
孝志 古賀
Takashi Oda
隆司 小田
Teruzo Okamoto
輝三 岡本
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性に優れ、剛性が高く、外観の良好な
樹脂組成物およびそれからの成形品を提供する。 【構成】 (A)熱可塑性樹脂(A成分)および(B)
嵩比重が0.4〜0.9のタルク(B成分)より実質的に
なり、A成分100重量部に対してB成分が1〜100
重量部である樹脂組成物およびそれからの成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂組成物およびそれ
からの成形品に関する。さらに詳しくは、熱可塑性樹脂
好ましくは特定のポリマーアロイに嵩比重が0.4〜0.
9のタルクを配合してなる耐衝撃性に優れ、剛性が高
く、外観の良好な樹脂組成物およびそれからの成形品に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、タルクはその鱗片状構造のた
め剛性の向上、寸法安定性の改良、耐クリープ性の改良
および艶消し効果等を目的に、熱可塑性樹脂の強化材と
して広く利用されている。
【0003】また熱可塑性樹脂の中で、芳香族ポリカー
ボネート樹脂の成形品は、優れた機械特性および熱的性
質を有しているため工業的に広く利用されている。しか
しながら加工性、成形性に劣るため、その改良を目的と
して、他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイが数多く開
発されており、その中でもABS樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂またはポリブチレンテレフタレート樹
脂とのポリマーアロイは、自動車分野、OA機器のハウ
ジング等に広く利用されている。
【0004】一方、上記自動車分野、OA機器のハウジ
ング等において、軽薄短小化の傾向は益々強くなり、そ
れに伴い材料の剛性も高いものが要求され、加えて外観
が良く、また艶消しの要望もあり、そのため強化材とし
てタルクが通常使用されている。しかしながら従来の成
形品は耐衝撃性においては十分とは云えず、その改良が
求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐衝
撃性に優れ、剛性が高く、外観の良好な樹脂組成物およ
びそれからの成形品を提供することにある。
【0006】本発明者は、この目的を達成せんとして鋭
意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂好ましくは特定のポ
リマーアロイに、特定量の嵩比重が0.4〜0.9のタル
クを配合することにより得られた樹脂組成物およびそれ
からの成形品が、従来品に比べ、その剛性を保持したま
ま、耐衝撃性に優れ、しかも外観が良好であることを見
出し、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、(A)熱可塑性樹脂(A成分)および(B)嵩比重
が0.4〜0.9のタルク(B成分)より実質的になり、
A成分100重量部に対してB成分が1〜100重量部
である樹脂組成物およびそれからの成形品が提供され
る。
【0008】本発明において、A成分として使用される
熱可塑性樹脂は、通常成形品を得るために使用されてい
る樹脂であればよい。この熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ABS樹脂およびAS樹脂等の汎用樹脂;
ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニ
レンオキシドおよびポリアミド等の汎用エンジニアリン
グ樹脂;ポリフェニレンサルファイド、ポリスルフォ
ン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテル−エーテル
ケトン、ポリアリレート、芳香族ポリエステルおよび芳
香族ポリアミド等の高性能エンジニアリング樹脂;ふっ
素樹脂、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルフォルマール、ポリ
ビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチルおよびポリ
酢酸セルロース等の特殊樹脂等が挙げられ、これらを単
独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0009】また、本発明において、B成分として使用
されるタルクは、嵩比重が0.4〜0.9であり、0.5
〜0.8の範囲が好ましい。嵩比重が0.4より小さくな
ると耐衝撃性の改良が十分でなく、0.9より大きくな
ると混練時にタルクが崩れず分散不良が起こり好ましく
ない。
【0010】ここで使用されるタルクは、嵩比重が0.
4〜0.9であり、従来一般的に使用されている嵩比重
0.1〜0.3のものに比べ、高嵩比重のものが使用され
る。この高嵩比重のタルクの製造方法としては、例えば
従来の嵩比重0.1〜0.3のタルクを機械的に圧縮して
嵩比重0.4〜0.9のタルクを得る方法等が用いられ
る。
【0011】上記A成分として使用される熱可塑性樹脂
100重量部に対して、B成分として使用される嵩比重
0.4〜0.9のタルクは1〜100重量部であり、3〜
60重量部の範囲が好ましい。1重量部より少なくなる
と剛性の改良が十分でなく、100重量部より多くなる
と押出、成形そのものが困難となり良好な成形品が得ら
れ難い。
【0012】また上記A成分の中で、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂が好適に用いられる。本発明において使用さ
れる芳香族ポリカーボネート樹脂は通常エンジニアリン
グ樹脂として使用される樹脂であり、二価フェノールと
カーボネート前駆体を反応させて得られる芳香族ポリカ
ーボネート樹脂である。ここで使用される二価フェノー
ルの代表的な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドおよびビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アルカンであり、なかでもビスフェノールAが特に
好ましい。カーボネート前駆体としてはカルボニルハラ
イド、ジアリールカーボネートまたはハロホルメート等
が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等があげ
られる。
【0013】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに
当たっては、二価フェノールは単独または2種以上を使
用することができ、また芳香族ポリカーボネート樹脂は
例えば三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した
分岐ポリカーボネート樹脂であっても、2種以上の芳香
族ポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。また
必要に応じて触媒、分子量調整剤、酸化防止剤を使用し
てもよい。芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量につい
ては任意のものを用いることができ、例えば二価フェノ
ールとしてビスフェノールA、カーボネート前駆体とし
てホスゲンを用いて芳香族ポリカーボネート樹脂を得た
場合、濃度0.7g/dl塩化メチレン溶液により温度
20℃で測定した比粘度が0.15〜1.5の範囲のもの
が好ましく用いられる。
【0014】また、本発明によれば、(A)樹脂成分
が、芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)、AB
S樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブ
チレンテレフタレート樹脂より選ばれる少くとも1種の
樹脂(A−2成分)および弾性重合体(A−3成分)よ
りなり、全樹脂の合計を100重量%とした場合、A−
1成分が10〜90重量%、A−2成分が10〜90重
量%およびA−3成分が0〜20重量%である樹脂成分
および(B)嵩比重が0.4〜0.9のタルク(B成分)
より実質的になり、樹脂成分100重量部に対してB成
分が1〜100重量部である樹脂組成物およびそれから
の成形品が提供される。
【0015】このA−1成分、A−2成分および所望に
よりA−3成分よりなるポリマーアロイは前記したよう
に自動車分野、OA機器のハウジング等に広く使用され
ているが、この分野において軽薄短小化の傾向が強まっ
てきており、本発明のポリマーアロイと嵩比重0.4〜
0.9のタルクよりなる樹脂組成物およびそれからの成
形品は、耐衝撃性に優れ、剛性が高く、外観が良好で、
特に好ましく使用される。また、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂単独に比べ、このポリマーアロイはタルクと混合
して押出、成形した場合、分子量低下による機械的特性
の低下もなく、この点においても好適に使用される。
【0016】本発明のA−1成分として使用される芳香
族ポリカーボネート樹脂は、前記A成分において説明し
た芳香族ポリカーボネート樹脂と同様のものが使用でき
る。全樹脂成分中のA−1成分の重量割合は10〜90
重量%であり、好ましくは30〜70重量%である。1
0重量%より少なくなると耐熱性が劣り、90重量%よ
り多くなると成形、加工性が低下し好ましくない。本発
明のA−2成分として使用される樹脂は、ABS樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテ
レフタレート樹脂より選ばれる少くとも1種の樹脂であ
る。全樹脂成分中のA−2成分の重量割合は10〜90
重量%であり、好ましくは30〜70重量%である。1
0重量%より少なくなると成形、加工性が低下し、90
重量%より多くなると耐熱性が劣り好ましくない。
【0017】A−2成分の1種として使用されるABS
樹脂は、通常汎用樹脂として使用される樹脂である。こ
のABS樹脂はジエンゴム成分に芳香族ビニル化合物成
分およびシアン化ビニル化合物成分をグラフト重合させ
た共重合体である。ジエンゴム成分としては、全ジエン
ゴム成分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上
がポリブタジエンであり、他の成分としてはポリイソプ
レンおよびスチレン−ブタジエン共重合体等が使用でき
る。ジエンゴム成分の割合は全成分中10〜95重量%
の範囲が好ましい。ジエンゴム成分にグラフトされる芳
香族ビニル化合物成分としては、全芳香族ビニル化合物
成分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上がス
チレンであり、他の成分としてはα−メチルスチレンお
よび核置換スチレン等が挙げられる。芳香族ビニル化合
物成分の割合はグラフト成分中50〜95重量%の範囲
が好ましい。さらにジエンゴム成分にグラフトされるシ
アン化ビニル化合物成分としては、全シアン化ビニル化
合物成分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上
がアクリロニトリルであり、他の成分としてはメタクリ
ロニトリル等が挙げられ、さらにこれらに無水マレイン
酸、N−置換マレイミド等を混合使用することができ
る。シアン化ビニル化合物成分の割合はグラフト成分中
50〜5重量%範囲が好ましい。
【0018】このABS樹脂は、塊状重合、懸濁重合ま
たは乳化重合のいずれの方法で製造されたものでよく、
また共重合の方法も一段で共重合してもまた多段で共重
合してもよい。さらにABS樹脂は1種のみならず2種
以上を混合して使用することができる。
【0019】またA−2成分の1種として使用されるポ
リエチレンテレフレタート樹脂は、通常エンジニアリン
グ樹脂として使用される樹脂であり、テレフタル酸を主
たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコー
ル成分とする重合体である。
【0020】ジカルボン酸成分としては、全ジカルボン
酸成分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上が
テレフタル酸である。テレフタル酸以外のジカルボン酸
成分としては、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル
酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルジカル
ボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニル
スルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸
およびアンスラセンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸およびセバチン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等の脂環族
ジカルボン酸等が挙げられる。
【0021】グリコール成分としては、全グリコール成
分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチ
レングリコールである。エチレングリコール以外のグリ
コール成分としては、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコールおよびデカメチレングリコール等
の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の
脂環族ジオール、ハイドロキノン、レゾルシンおよび
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の
芳香族ジオール、1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン
等の芳香族を有する脂肪族ジオール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメ
チレングリコール等のポリアルキレングリコール(ポリ
オキシアルキレングリコール)等が挙げられる。
【0022】また、本発明におけるポリエチレンテレフ
タレート樹脂には、例えばヒドロキシ安息香酸のような
芳香族オキシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸のような脂
肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を、
ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成分の合計に
対し20モル%未満で共重合するものも包含される。
【0023】さらに本発明におけるポリエチレンテレフ
タレート樹脂には実質的に線状である範囲の量、例えば
全酸成分に対し2モル%以下の量で、三官能以上のポリ
カルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメ
リット酸、ペンタエリスリトール等を共重合するものも
包含される。
【0024】ポリエチレンテレフタレート樹脂の分子量
については任意のものを用いることができ、例えばテレ
フタル酸とエレチングリコールとの重合体の場合、o−
クロロフェノール溶液により温度25℃で測定した極限
粘度が0.4〜1.3dl/gの範囲のものが好ましく用
いられる。
【0025】さらにA−2成分の1種として使用される
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、通常エンジニアリ
ング樹脂として使用される樹脂であり、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、テトラメチレングリコールを主たる
グリコール成分とする重合体である。
【0026】ジカルボン酸成分およびグリコール成分に
ついては、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂の説明
において、エチレングリコールをテトラメチレングリコ
ールに、逆にテトラメチレングリコールをエチレングリ
コールに代えたものと同様である。
【0027】ポリブチレンテレフタレート樹脂の分子量
については任意のものを用いることができ、例えばテレ
フタル酸とテトラメチレングリコールとの重合体の場
合、o−クロロフェノール溶液により温度25℃で測定
した極限粘度が0.4〜1.3dl/gの範囲のものが好
ましく用いられる。
【0028】また、A−2成分としては、ABS樹脂が
特に好適に用いられる。ABS樹脂は、芳香族ポリカー
ボネート樹脂とポリマーアロイ化することによって芳香
族ポリカーボネート樹脂の成形、加工性を改善すること
ができるバランスのとれた樹脂組成物であることに加
え、艶消し効果もあり、特に好ましく使用される。
【0029】本発明のA−3成分として所望により弾性
重合体が使用される。全樹脂成分中のA−3成分の重量
割合は0〜20重量%であり、好ましくは3〜15重量
%である。20重量%より多くなると機械的強度が低下
し好ましくない。
【0030】弾性重合体は、これを配合することにより
さらに衝撃強度が向上されるため、好ましく用いられ
る。弾性重合体としては、例えば、ブタジエン−アルキ
ルメタクリレート−スチレン共重合体、ブタジエン−ア
ルキルメタクリレート−スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体およびブタジエン−アルキルアクリレート−アル
キルメタクリレート共重合体等のアクリル系弾性重合
体、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム成分とが相互に絡み合った構造を
有している複合弾性重合体などが挙げられ、これらを単
独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0031】また、本発明においてB成分として使用さ
れるタルクは、嵩比重が0.4〜0.9であり、0.5〜
0.8の範囲が好ましい。嵩比重が0.4より小さくなる
と耐衝撃性の改良が十分でなく、0.9より大きくなる
と混練時にタルクが崩れず分散不良が起こり好ましくな
い。上記樹脂成分100重量部に対して、B成分として
使用される嵩比重0.4〜0.9のタルクは1〜100重
量部であり、3〜60重量部の範囲が好ましい。1重量
部より少なくなると剛性の改良が十分でなく、100重
量部より多くなると押出、成形そのものが困難となり良
好な成形品が得られ難い。
【0032】本発明において、従来広く使用されている
嵩比重0.1〜0.3のタルクに代えて嵩比重0.4〜0.
9のタルクを使用することの他の利点がいくつか挙げら
れる。例えば低嵩比重のタルクは供給時粉塵の飛散があ
り、安全性に問題があったが、高嵩比重のタルクの使用
により粉塵の発生が低減される。また、押出前にブレン
ダー等を用いてタルクと熱可塑性樹脂等を混合する作業
では、高嵩比重のタルクを用いることにより、低嵩比重
のものと比較して、同じ重量のブレンド物を調整する際
に、時間と手間が簡略化され、作業効率が向上する。ま
た低嵩比重のタルクは空気を多く同伴するため、ホッパ
ーからスムースに押出機等に供給することが困難であっ
たり、押出量の変動、ペレットまたは成形品の品質不良
等の原因となっていた。このため低嵩比重のタルクを高
充填した熱可塑性樹脂組成物は供給不良を起こし生産で
きない等の問題があったが、高嵩比重のタルクは上記問
題を生じない。
【0033】本発明における高嵩比重のタルクの使用に
よる耐衝撃性の改良は、低嵩比重のタルクを含む樹脂組
成物の押出量の変動を改善したことによるものと考えら
れる。すなわち空気を多く同伴した低嵩比重のタルクを
配合した樹脂組成物を押出機に供給した際、押出機内の
樹脂溶解ゾーンにおいて樹脂が溶解すると、タルクと同
伴した空気はそれ以上先に進むことができず押出機内を
逆流し、押出機フィードゾーンではその逆流空気のため
に供給された樹脂が先に進むことができず押出量が低下
し、このため押出機内での樹脂組成物の滞留時間が長く
なり、加えて混練不足による分散不良を起こし、押出さ
れた樹脂組成物の耐衝撃性が低下していたものと考えら
れる。また、上記滞留時間の長さや混練不足による分散
不良が外観についても悪影響を及ぼしていたものと考え
られる。一方本発明の高嵩比重のタルクを配合した樹脂
組成物は、押出機内での混練が効率良く進み、タルクが
均一に分散されるため、耐衝撃性の低下や外観の悪化が
ないものと考えられる。
【0034】本発明の樹脂組成物には、目的および効果
を損なわない範囲で難燃剤、難燃助剤、核剤、安定剤、
酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤等を配合しても良
い。本発明の樹脂組成物を製造するには、任意の方法が
採用される。例えば熱可塑性樹脂、タルクおよび適宜そ
の他の添加剤を例えばV型ブレンダー等の混合手段を用
いて充分に混合した後、ベント式一軸または二軸ルーダ
ーでペレット化する方法、熱可塑性樹脂およびその他の
添加剤をスーパーミキサー等の強力な手段で予め混合し
たものを用意しておき、これをベント式二軸ルーダーの
第一シュートより供給し、他の熱可塑性樹脂はルーダー
途中の第二シュートより供給して混練し、ペレット化す
る方法等の一般に工業的に用いられる方法が適宜用いら
れる。かくして得られた樹脂組成物は、射出成形、押出
成形、圧縮成形または回転成形等任意の方法で容易に成
形できる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお評価は下記の方法によった。 (1)衝撃強さ:ASTM D−256に従って測定し
た。 (2)剛性(曲げ弾性率):ASTM D−790に従
って測定した。 (3)外観、作業性、安全性、生産性:これらについて
は嵩比重0.2のタルク(日本タルク(株)製P−3)
を使用した場合を○として、これより優れる場合は◎、
劣る場合は×を記載した。作業性はプリブレンド等の作
業効率、安全性は粉塵の発生量、生産性は押出時の安定
性を示した。また表1および表2記載の各成分を示す記
号は下記の通りである。 PC :芳香族ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)
製 パンライトL−1225] ABS:ABS樹脂[三井東圧化学(株)製 サンタッ
クUT−61] PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂[帝人(株)
製 TRB−J] 弾性重合体:ブタジエン−アルキルアクリレート−アル
キルメタクリレート共重合体[呉羽化学工業(株)製
パラロイドEXL−2602] P−3:タルク(嵩比重0.2)[日本タルク(株)製
P−3] HS−T0.5:タルク(嵩比重0.5)[林化成(株)
製 HS−T0.5] HS−T0.8:タルク(嵩比重0.8)[林化成(株)
製 HS−T0.8]
【0036】実施例1、2および比較例1 表1記載の各成分を表1記載の割合でブレンダーにて混
合した後、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)
日本製鋼所 TEX−30]によりシリンダー温度24
0℃でペレット化した。次にこれを110℃で5時間乾
燥後、射出成形機[FANUC T−150D]でシリ
ンダー温度250℃、金型温度60℃で試験片を作成し
評価した。
【0037】実施例3、4および比較例2 表2記載の各成分を表2記載の割合でブレンダーにて混
合した後、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)
日本製鋼所 TEX−30]によりシリンダー温度26
0℃でペレット化した。次にこれを120℃で5時間乾
燥後、射出成形機[FANUC T−150D]でシリ
ンダー温度260℃、金型70℃で試験片を作成し評価
した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は耐衝撃性
に優れ、剛性が高く、かつ外観が良好であるため、自動
車分野、OA機器のハウジング等の各種成形品として好
適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 LPP LPR 101/00 LSY

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂(A成分)および
    (B)嵩比重が0.4〜0.9のタルク(B成分)より実
    質的になり、A成分100重量部に対してB成分が1〜
    100重量部である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 B成分の嵩比重が0.5〜0.8である請
    求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 A成分100重量部に対してB成分が3
    〜60重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 A成分が、芳香族ポリカーボネート樹脂
    である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の樹脂組成物より形成され
    た成形品。
  6. 【請求項6】 (A)樹脂成分が、芳香族ポリカーボネ
    ート樹脂(A−1成分)、ABS樹脂、ポリエチレンテ
    レフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹
    脂より選ばれる少くとも1種の樹脂(A−2成分)およ
    び弾性重合体(A−3成分)よりなり、全樹脂の合計を
    100重量%とした場合、A−1成分が10〜90重量
    %、A−2成分が10〜90重量%およびA−3成分が
    0〜20重量%である樹脂成分および(B)嵩比重が
    0.4〜0.9のタルク(B成分)より実質的になり、樹
    脂成分100重量部に対してB成分が1〜100重量部
    である樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 B成分の嵩比重が0.5〜0.8である請
    求項6記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 樹脂成分100重量部に対してB成分が
    3〜60重量部である請求項6記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 全樹脂成分中のA−1成分の重量割合が
    30〜70重量%である請求項6記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 全樹脂成分中のA−2成分の重量割合
    が30〜70重量%である請求項6記載の樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 全樹脂成分中のA−3成分の重量割合
    が3〜15重量%である請求項6記載の樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 A−2成分がABS樹脂である請求項
    6記載の樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項6記載の樹脂組成物より形成さ
    れた成形品。
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