JP3197948B2 - 耐候性ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

耐候性ポリアセタール樹脂組成物

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JP3197948B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐候性に優れ、かつ表面
光沢が抑えられたポリアセタール樹脂組成物に関する。
さらに詳しくはポリアセタール樹脂に耐候(光)安定剤
と特定のコアシェルポリマーを配合してなる、ポリアセ
タールの本来有する機械物性、摩擦摩耗性、成形性など
を保持しながら、耐候性に優れ、かつ表面光沢が低下し
たポリアセタール樹脂組成物及びその成形品を提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質
などの物理的特性、或いは耐薬品性、耐熱性などの化学
的特性の優れたエンジニアリング樹脂として近年きわめ
て広汎な分野において利用されている。しかし、ポリア
セタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、その材料
としての性質にもさらに特殊性が要求される場合があ
る。このような性質の一つとして、耐候性に優れ、かつ
成形品表面の光沢の低下した材料の開発が要望されてい
る。例えば自動車等の内外装品や光学機械等の分野にお
いては、光の反射による目に対する刺激を抑え、高級感
を出すこと、光の反射による機器の誤動作を防止するこ
と等を目的として光沢の少ない、即ち光の反射の少ない
ものが要求される場合がある。また、一般の電気機器、
建材等の分野においても、その目的に応じて各種材料を
組み合わせて使用する機会が増加しているが、ポリアセ
タール樹脂は他の一般的樹脂材料に比べて表面光沢が良
好であるが故に、各種材料が組み込まれた製品において
は、他種材料との調和感に乏しく、表面外観を重視する
分野での使用は少なからず制限されていた。更に、これ
らの材料は外部に出るため、優れた耐候性を保持する必
要がある。この要求に応えるため、従来よりポリアセタ
ール樹脂に対して炭酸カルシウム、タルク、ケイ酸カル
シウム等の無機フィラー系を添加する方法が知られてい
る。しかし、これらの方法で望ましい光沢低減の効果を
得るためにはタルク等を多量に配合する必要があり、そ
の結果、耐候性が著しく低下し、樹脂の白化という欠点
を有する。更に、他の機械的特性、特に伸度、靱性が低
下し、成形品の後加工や組立等の応力或いは成形品の取
り扱い時に落下させる等の衝撃が加わると容易に破損す
るという欠点を有している。又、表面光沢の低減の目的
で、金型表面にシボ加工を施し成形品表面に転写する方
法が一般的に用いられるが、ポリアセタール樹脂の場
合、表面光沢度が高く、又、高結晶性である為か、金型
への転写性が悪く、十分な効果が得られていないのが現
状である。そこで機械的特性、特に伸度、靱性等に優
れ、かつ優れた耐候性を有しながら、表面光沢が抑えら
れたポリアセタール樹脂材料の開発が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアセ
タール樹脂本来の特性を可能な限り犠牲にすることな
く、優れた耐候(光)性を有し、かつ成形品表面の光沢
が著しく抑えられたポリアセタール樹脂材料の開発をす
べく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った
ものである。即ち、本発明は、 (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に (B) 耐候(光)性安定剤0.01〜5重量部および (C) ゴム状ポリマーのコアと含酸素極性基を有するビニ
ル系共重合体からなるガラス状ポリマーのシェルを有す
るコアシェルポリマーであって、コアシェルポリマーの
含酸素極性基を有するビニル系共重合体の1つの構成成
分が、分子内に2個以上の含酸素極性基を有するアルコ
ールの(メタ)アクリレートであるコアシェルポリマー
1〜50重量部 を添加配合してなる低光沢性を有する耐候性ポリアセタ
ール樹脂組成物およびその成形品に関するものである。
【0004】以下本発明の構成成分について詳しく説明
する。まず、本発明において用いられる(A) ポリアセタ
ール樹脂はオキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位
とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマ
ー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少量有する
コポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマーいずれ
にてもよく、又、分子が線状のみならず分岐、架橋構造
を有するものであっても良い。またその重合度等に関し
ても特に制限はない。
【0005】次に本発明において用いられる(B) 耐候
(光)安定剤のうち好ましく用いられるものとしては、
ベンゾトリアゾール系物質、ベンゾフェノン系物
質、蓚酸アニリド系物質、芳香族ベンゾエート系物
質、シアノアクリレート系物質及びヒンダードアミ
ン系物質よりなる群から選ばれた1種又は2種以上であ
る。これらの物質の例を示すと次のものが挙げられる。
【0006】即ち、ベンゾトリアゾール系物質として
は、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチル−フェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5' −ジ
−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3,5 −ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5' −ジ
−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2−ヒドロキシ−3,5 −ビス−(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等、 ベンゾフェノン系物質としては、2,4 −ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェ
ノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベン
ゾフェノン等、 蓚酸アニリド系物質としては、N−(2−エチル−フ
ェニル)−N'−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)蓚酸ジアミド、N−(2−エチル−フェニル)−N'
−(2−エトキシ−フェニル)蓚酸ジアミド等、 芳香族ベンゾエート系物質としては、p−t−ブチル
フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレ
ート等、 シアノアクリレート系物質としては、2−エチルヘキ
シル−2−シアノ−3,3 −ジフェニルアクリレート、エ
チル−2−シアノ−3,3 −ジフェニルアクリレート等、 ヒンダードアミン系物質とは、立体障害性基を有する
ピペリジン誘導体で、その例を示せば、4−アセトキシ
−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、4−ステアロイ
ルオキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、4−ア
クリロイルオキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジ
ン、4−メトキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジ
ン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピ
ペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6 −テト
ラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6 −テト
ラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6 −
テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイル
オキシ)−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、ビス
(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジル)オキザレ
ート、ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジ
ル)マロネート、ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−
ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6 −テトラメチ
ル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6 −
ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,
2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレー
ト、1,2 −ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリ
ジルオキシ)エタン、ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−
4−ピペリジル)ヘキサメチレン−1,6−ジルカバメー
ト、ビス(1−メチル−2,2,6,6 −テトラメチル−4−
ピペリジル)アジペート、トリス(2,2,6,6 −テトラメ
チル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5 −トリカルボ
キシレート等である。又、高分子量のピペリジン誘導体
重縮合物、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6 −テトラメ
チルピペリジン重縮合物等も有効である。これらの耐候
(光)安定剤は少なくとも1種もしくは2種以上配合す
るのが好ましく、特に前記〜の耐候安定剤とヒン
ダードアミン系物質との併用が好ましく、さらにはベ
ンゾトリアゾール系物質とヒンダードアミン系物質の
併用が最も好ましい。ここで用いられる耐候(光)安定
剤(B) は(A) 成分100 重量部に対して0.01〜5重量部が
適当であり、特に0.02〜3重量部が好ましい。これらの
成分は過少の場合には効果が期待できず、又いたずらに
過大に添加しても経済的不利のみならず、機械的性質の
低下、金型の汚染等の問題点をもたらす結果となる。
【0007】本発明においては斯かる(B) 耐候(光)安
定剤を配合されたポリアセタール樹脂(A) に(C) 特定の
コアシェルポリマーを添加配合する点に特徴がある。本
発明におけるコアシェルポリマーは、ゴム状ポリマーの
コアと含酸素極性基を有するビニル系共重合体からなる
ガラス状ポリマーのシェルを有し、シード乳化重合法の
うち、通常、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順
次に被覆するような連続した多段階乳化重合法によって
得られる。コアシェルポリマーが後述の中間相を有する
場合においては、先の段階の重合体の中へ後の段階の重
合体が侵入するような多段階乳化重合法によって中間相
が形成されることもある。粒子発生重合時には、モノマ
ー、界面活性剤および水を反応器へ添加し、次に重合開
始剤を添加することにより、乳化重合反応を開始させる
ことが好ましい。第一段目の重合はゴム状ポリマーを形
成する反応である。ゴム状ポリマーを構成するモノマー
としては、例えば共役ジエンまたはアルキル基の炭素数
が2〜8であるアルキルアクリレートあるいはそれらの
混合物などが挙げられる。これらのモノマーを重合させ
てゴム状ポリマーを形成する。このような共役ジエンと
して、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等
を挙げることができる。又、アルキル基の炭素数が2〜
8であるアルキルアクリレートとして、例えばエチルア
クリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート等を挙げることができる。ゴム状ポリマー
として特にブチルアクリレートが好ましく用いられる。
第一段目の重合には共役ジエンおよびアルキルアクリレ
ートなど共重合可能なモノマー、例えばスチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳
香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン、メチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタ
クリレート等を共重合させることもできる。
【0008】第一段目の重合が共役ジエンを含まない場
合あるいは共役ジエンを含んでいても第一段目の全モノ
マー量の20重量%以下である場合は、架橋性モノマーお
よびグラフト化モノマーを少量用いることにより高い耐
衝撃性をもつポリマーとすることができる。架橋性モノ
マーとして、例えばジビニルベンゼン等の芳香族ジビニ
ルモノマー、エチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ブチレングリコール
ジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘ
キサンジオールジメタクリレート、オリゴエチレングリ
コールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート等のアルカンポリオールポリ
アクリレートまたはアルカンポリオールポリメタクリレ
ート等を挙げることができるが、特にブチレングリコー
ルジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレートが
好ましく用いられる。グラフト化モノマーとして、例え
ばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリ
ルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネ
ート等の不飽和カルボン酸アリルエステル等を挙げるこ
とができるが、特にアリルメタクリレートが好ましく用
いられる。このような架橋性モノマー、グラフト化モノ
マーは、それぞれ第一段目の全モノマー量の0〜5重量
%、好ましくは 0.1〜2重量%の範囲で用いられる。
【0009】シェル相は含酸素極性基を有するビニル系
共重合体からなるガラス状ポリマーが形成されている。
本発明において、前記含酸素極性基としては、例えば水
酸基、エーテル結合(−O−)を有する基(例えばグリシ
ジル基)、アミド基(−CONH−)、
【0010】
【化1】
【0011】及びニトロ基(−NO2)などが挙げられる
が、特に水酸基及びエーテル結合を有する基が好まし
い。シェル相に含酸素極性基を有さないコアシェルポリ
マーでは、艶消し効果(光沢低減効果)は、ほとんど認
められず、また含酸素極性基を有しても本発明のコアシ
ェル構造をとっていないビニル重合体粒子では、効果は
認められるものの十分ではない。上記含酸素極性基を有
するビニル系共重合体を構成するモノマーとしては、例
えば分子内に2個以上の含酸素極性基を有するアルコー
ルの(メタ)アクリレートが用いられる。ここで分子内
に2個以上の含酸素極性基を有するアルコールとは、ア
ルコール部分の水酸基以外に少なくとも1個の含酸素極
性基を有するアルコールを示す。含酸素極性基を有する
アルコールの(メタ)アクリレートとしては、例えば水
酸基および/またはグリシジル基を有するアルコールの
(メタ)アクリレートが用いられる。水酸基を有するア
ルコールの(メタ)アクリレートとしては、例えばヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレートなどを挙げることができるが、
好ましくはヒドロキシエチルメタクリレートが用いられ
る。グリシジル基を有するアルコールの(メタ)アクリ
レートとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレー
トなどを挙げることができるが、好ましくはグリシジル
メタクリレートが用いられる。また、上記の(メタ)ア
クリレート以外の、例えばアリロキシエタノール、アリ
ルグリシジルエーテル等の含酸素極性基を有するビニル
単量体も、含酸素極性基を有するビニル系共重合体の構
成成分として用いることができる。含酸素極性基を有す
る前記モノマー以外のガラス状ポリマーを構成するモノ
マーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳
香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン等のビニル
重合性モノマーを挙げることができるが、特に好ましく
はメチルメタクリレート、スチレン−アクリロニトリル
等が用いられる。このシェル相はコアシェルポリマー全
体の10〜50重量%の範囲が好ましい。このシェル相がこ
の重量範囲よりも少ないとき、耐候性が不十分であり
又、越えて多いとき、生成するコアシェルポリマーを溶
融混合して得られる樹脂組成物の機械的性質が十分でな
いことがある。
【0012】また、第一段と最終の重合相の間には中間
相が存在していてもよい。例えば、グリシジルメタクリ
レート、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどのような官能基を有する重合モノマー、メチルメ
タクリレートなどのようなガラス状ポリマーを形成する
重合モノマー、ブチルアクリレートなどのゴム状ポリマ
ーを形成する重合モノマーなどをシード乳化重合するこ
とによって中間相が形成される。このような中間相は所
望のコアシェルポリマーの性質によって種々選択するこ
とができる。このような中間相を有するコアシェルポリ
マーの構造は、例えばコアとシェルの間にもう一つの層
が存在している多層系構造をとるものや、中間相がコア
中で細かな粒状となって分散しているサラミ構造をとる
ものが挙げられる。サラミ構造を有するコアシェルポリ
マーにおいては更に極端な場合は、分散するべき中間相
がコアの中心部において新たな芯を形成していることも
ある。このような構造のコアシェルポリマーはスチレン
に代表されるモノマーを中間相構成モノマーとして使用
した場合に生じることがある。また、中間相を有するコ
アシェルポリマーを使用した場合、耐衝撃性の改良、曲
げ弾性率の向上、熱変形温度の上昇、外観 (表面剥離お
よびパール光沢の抑制、屈折率変化による色調の変化)
が改善されることがある。。
【0013】本発明の乳化重合は、例えばノニオン性界
面活性剤、オリゴマー型アニオン性またはノニオン性界
面活性剤等の界面活性剤や例えばアゾ系重合開始剤、過
酸化物系重合開始剤等の重合開始剤を用いて行われる。
本発明で用いられるノニオン性界面活性剤としてはポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテルなどのエーテル型、ポリオキシエチレンモノ
ステアレートなどのエステル型、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレートなどのソルビタンエステル型、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポ
リマーなどのブロックポリマー型など広く一般に使用さ
れているノニオン性界面活性剤のほとんどが使用可能で
ある。本発明で用いられるオリゴマー型アニオン性また
はオリゴマー型ノニオン性界面活性剤としては、従来、
特殊用途で乳化重合物に用いられてきたオリゴマー型界
面活性剤であり、例えば下記式のオリゴマー型界面活性
剤が用いられる。
【0014】
【化2】
【0015】該オリゴマー型界面活性剤は、既に水溶性
であるか、または酸化物、水酸化物またはアルコールと
反応させて水溶性塩に転換される。上記水溶性塩として
は、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第II
I族重金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩等
が挙げられるが、特にアンモニウム塩が好ましい。該オ
リゴマー型界面活性剤は、例えば特公昭47−34832 号公
報等に記載されているように、アルキルメルカプタンの
存在下、適切な単量体を水を含まない溶媒中で付加重合
するか、または次いで過酸化水素またはオゾンを用い
て、相当するスルホキシドまたはスルホンヘ酸化するこ
とにより得られる。上記アルキルメルカプタンとして
は、例えばn −オクチルメルカプタン、n −ドデシルメ
ルカプタン、t −ドデシルメルカプタン、n −デシルメ
ルカプタン等のアルキルメルカプタンが用いられる。上
記単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、α−エ
チルアクリル酸、β−メチルアクリル酸、α,β−ジメ
チルアクリル酸、カプロン酸、イタコン酸、フマル酸、
マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルメチルエーテル、アリルアルコール、ビ
ニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、エチルア
クリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル
アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、酢酸ビ
ニル、ビニルプロピオネート、N −イソプロピルアクリ
ルアミド、N −エチルアクリルアミド、N −メチルアク
リルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、N −メ
チロールアクリルアミド等の分子中に1ケ以上の極性基
を有するα,β−エチレン系不飽和単量体が用いられ
る。付加重合の際に用いられる溶媒としては、例えばメ
タノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アル
カノールが好ましい。通常、上記付加重合は20〜100 ℃
程度の範囲で行われる。本発明において、界面活性剤の
添加量は、界面活性剤の粒子安定化能力によって適宜選
択される。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2'−アゾ
ビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩などのアゾ系重
合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド、過酸化水素など
の過酸化物系重合開始剤が単独または2種以上を組み合
わせて用いられる。前記ノニオン性界面活性剤および/
またはオリゴマー型界面活性剤と、アゾ系および/また
は過酸化物系重合開始剤を使用するような反応系で乳化
重合を行えば、実質的に硫黄酸化化合物を含まないか、
含んでいても極く少量であるコアシェルポリマーが得ら
れる。ここで硫黄酸化化合物(例えば硫酸塩、硫酸エス
テル塩、過硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩等)の含有
量は通常の硫黄酸化化合物の定性試験によって検出され
ない程度のことを示す。例えば、その測定方法として
は、試料(コアシェルポリマー)5gを50ml三角フラス
コに秤量し、イオン交換水20mlを加えてマグネチックス
ターラーで3時間撹拌し、次いで、No. 5Cろ紙でろ過
したろ液を二分して、一方に1%塩化バリウム水溶液0.
5ml を加え、濁りの発生を比較観察する方法(硫酸イオ
ンの定性試験)があげられる。この実質的に硫黄酸化化
合物を含まないコアシェルポリマーは、安定にポリアセ
タール樹脂に溶融ブレンドされ、該ポリアセタール樹脂
組成物は艶消し、熱的安定性、耐衝撃性、伸び等に優れ
たものとなる。
【0016】本発明のコアシェルポリマーは、例えば、
次のような方法により、粒状、フレーク状あるいは粉末
状として取り出すことができる。 前述の界面活性剤および重合開始剤を用いて、公知の
シード乳化重合法によりラテックスを製造する。 次に該ラテックスを凍結融解によりポリマーを分離す
る。 続いて、遠心脱水、乾燥する。 このような取り出し操作によって、乳化重合中に使用し
た溶媒や界面活性剤などの多くを除くことができる。あ
るいは、の段階でラテックスをそのまま乾燥して用い
ることもできる。また、スプレイ・ドライヤーによる噴
霧乾燥方法も、ラテックスからコアシェルポリマーを取
り出す方法の一つである。こうして取り出されたコアシ
ェルポリマーはさらに押出機、およびペレタイザーによ
りペレット状にしてもよいし、あるいはそのままで樹脂
に溶融混合することができる。
【0017】本発明のコアシェルポリマーのポリアセタ
ール樹脂100 重量部に対する添加量は1〜50重量部、好
ましくは3〜20重量部である。コアシェルポリマーの添
加量が少なすぎると表面光沢低下効果が十分発揮され
ず、またいたずらに過大に添加しても、機械的性質特に
剛性の大巾低下が認められ、また、熱安定性に好ましく
ない影響が生じる。
【0018】かかるコアシェルポリマー(C) はポリアセ
タール樹脂中に耐候(光)安定剤(B) と併用して添加配
合することにより、得られた成形品表面の光沢が均一に
低下し、落ち着きのある高級感をもたせると同時に耐候
性を相乗的に向上させる。更に、ポリアセタール樹脂の
持つ優れた機械的性質を保持する。かかる光沢性の低減
効果はコアシェルポリマーをポリアセタール樹脂中に添
加配合して得られる成形品では、その表面にコアシェル
ポリマーが0.5 〜2μm 程度の粒子状で分散し、ポリア
セタール樹脂表面を粗くすると同時に含酸素極性基が表
面に均一に分散しており、ポリアセタール樹脂成形品の
表面を改質し、低光沢になるものと考えられる。表面光
沢の度合いは、実用上好ましくは後記測定法(鏡面金型
使用)による光沢度が30%以下のもの、さらに好ましく
は25%以下、特に好ましくは20%以下のものである。
又、最近の自動車内装の外観高級化に伴い、又、手触り
を良くするために、内装部品の大部分に皮シボ・梨地シ
ボと呼ばれるシボ加工が施されており、鏡面での低光沢
化をすると同時に、シボ加工面への高い転写性が必要と
なる。通常のポリアセタール樹脂では結晶性が高いため
か、転写性が悪く、鏡面での光沢低下に比べ、低下率が
小さい。本発明の組成物においては、ポリアセタール樹
脂成形品の表面を改質することにより、シボ加工面への
転写性が非常に良くなり、シボ成形表面での光沢は更に
一層低下する。本発明の成形品としては樹脂組成物を金
型内面がシボ加工された射出成形金型を装備した射出成
形機を用いて成形された表面がシボ形状をしている成形
品が好ましい。又、シボ形状を有する成形品としては、
成形品の表面の一部または全部がシボ形状をしている成
形品を包含するものである。従ってその際に使用する金
型の内面はその目的に応じて一部または全部がシボ加工
されていればよい。これらの金型内面のシボ加工は化学
エッチングなどの腐蝕加工、放電加工などにより行うこ
とができ、シボ模様の表面粗さは目的とする成形品の外
観に応じて選択し得る。
【0019】本発明の組成物においては、次に示す染料
又は顔料等の着色成分を配合することが好ましい。使用
する染料や顔料等の種類については特に制限はなく、従
来ポリアセタール組成物に慣用されているものの中から
任意のものを選び用いることができる。染料としては、
例えばアントラキノン系染料などが好ましく、顔料とし
てはカーボンブラックをはじめ、アゾ系、フタロシアニ
ン系、ペリレン系、キナクリドン系、アントラキノン
系、インドリン系、チタン系、酸化鉄系、コバルト系な
どが好ましい。これらの着色成分は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に着色成
分としてカーボンブラックを添加した場合、耐候安定性
を更に一層向上せしめる効果がある。該カーボンブラッ
クとしては、通常プラスチックの着色用として使用され
るもの、例えばミクロネックス、アセチレンブラック、
ケッチェンブラックなどを用いることができる。本発明
組成物において、この着色成分の配合量は、ポリアセタ
ール樹脂100 重量部当たり、 0.1〜10重量部の範囲が好
ましい。特に 0.3〜3重量部が好適である。この配合量
が0.1 重量部未満では着色効果が十分に発揮されない
し、また、着色量を10重量部より多く配合する必要がな
く、多すぎる配合量は、むしろ組成物の物性、熱安定性
を低下させる。
【0020】本発明の組成物は更に公知の各種安定剤を
添加し、熱安定剤を補強することが望ましく、この目的
のため公知の酸化防止剤や窒素含有化合物、アルカリ又
はアルカリ土類金属化合物等を1種類又は2種類以上合
わせて使用することが望ましい。本発明組成物には更に
その目的に応じ所望の特性を付与するため、従来公知の
添加剤、例えば滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤その他
の界面活性剤、或いは(C) 成分以外の有機高分子材料、
無機、有機の繊維状、粉粒状、板状の充填剤等を1種又
は2種以上添加含有させることが可能である。
【0021】本発明の組成物は、一般に合成樹脂組成物
の調製法として公知の設備と方法により調製することが
できる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押
出機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとした
後成形することができ、又組成物の調製を成形機にて成
形と同時に行うことも可能である。また各成分の分散混
合を良くするため樹脂成分の一部又は全部を粉砕し、混
合して溶融押出したペレットを成形する方法等、いずれ
も可能である。また前記安定剤、添加剤等の配合物は任
意のいかなる段階で加えてもよく、又最終成形品を得る
直前で添加、混合することももちろん可能である。また
本発明にかかる樹脂組成物は、押出し成形、射出成形、
圧縮成形、真空成形、吹き込み成形、発泡成形のいずれ
によっても成形可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施
例、比較例中の「部」はすべて重量部を表す。又、実施
例において表面状態および機械物性の特性値の評価に用
いた方法は以下の通りである。 (1) 表面状態 表面状態は、1〜4のランクに分け、艶消し状態および
表面の均一性を評価した。数字が小さい程、艶消し状態
が良くかつ均一性が良い状態を示す。 1…蛍光灯を試料上に反射させ、蛍光灯の輪郭が認めら
れずかつ、均一に表面が荒れている。 2…蛍光灯の輪郭は認められないが、表面の凹凸が不均
一で荒れている。 3…蛍光灯の輪郭は認められるが、不明瞭である。 4…蛍光灯の輪郭が明瞭に認められ、表面の凹凸がほと
んど認められない。 (2) 表面光沢度 下記条件にて成形した試験片(70mm×40mm×3mm厚さ)
を用いてJIS K7105 の光沢度測定に準拠してデジタル変
角光沢計(スガ試験機(株)製 UGV-40 )にて45度−45
度反射における光沢度を測定した。また光沢は鏡面およ
びシボ付きの金型で成形した成形品表面について測定し
た。 * 成形機 ;東芝(株)製IS80 * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 650 (kg/cm2) 射出速度 1.0 (m/min) 金型温度 80 (℃) (3) 耐候性試験 紫外線フェードメータ(スガ試験機(株)製FAL-AU・H
・B ・Em型)を用いて、ブラックパネル温度83℃で紫外
線を照射し、クラック発生時間及び表面状態の変化を評
価した。 クラック発生時間 試験片に紫外線を所定の条件で照射し、試験片表面のク
ラック発生の有無を10倍のルーペで観察し、初めてクラ
ックの発生時間とした。値が大きいほど良好であること
を示す。 表面状態の変化 試験片に紫外線を所定の条件で一定時間(600 時間、10
00時間)照射し、照射前後における試験片の色相の変
化、及びクラックの状況を観察し、それらの変化の程度
を5段階に区分して表示する。数字の小なるほど変化
少、即ち変色、クラックの発生が少ないことを意味す
る。 (4) 引張試験 ASTM D638 に準拠して引張強伸度を測定した。又、実施
例、比較例中に用いる略語は下記の通りである。
【0023】 エチルアクリレート EA メチルメタクリレート MMA ブチルアクリレート BA 1,4 −ブチレングリコールアクリレート BGA アリルメタクリレート AlMA メタクリルアミド MAM ノニオン性界面活性剤 (花王製エマルゲン950) E950 オリゴマー型アニオン性界面活性剤 界面活性剤A (特開昭53−10682 号公報、実施例13の記載にしたがっ
て合成し、アンモニア水でpH7.5 に調整後、純水にて固
形分率10%とした。
【0024】
【化3】
【0025】 (式中、a :b =7:3、a +b =約13.6) <組 成> メタクリル酸 155g MMA 360g n −ドデシルメルカプタン 109g アゾビスイソブチロニトリル 4.4g イソプロパノール 314g 分子量 1310 ) 脱イオン水 DIW 2,2'−アゾビス(2−アミノジロパン)二塩酸塩 V50 (和光純薬(製)V50) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート HEMA スチレン St グリシジルメタクリレート GMA 製造例1〜3<コアシェルポリマーC−1〜3の製造> 5リットル還流冷却器付重合容器内にDIW 1200g、25%
アンモニア水1.68g、界面活性剤A7g、MAM 0.14gを
仕込み、窒素気流下で撹拌しながら70℃に昇温した。次
の組成からなるシードモノマー混合物の27.86 gを添加
し、10分間かけて分散させた後、V50 の10%水溶液21g
を添加してシード粒子を重合した。 シードモノマー EA 27.664g AlMA 0.14 g BGA 0.056g 続いてMAM 7gを添加し、次の組成からなるコア部モノ
マー混合物1365gに界面活性剤A 210g、DIW 900 g、
25%アンモニウム水2.80gを添加混合したモノマー乳化
液および10%V 50水溶液21.0g、1%アンモニア水0.63
gの混合液を180 分かけて連続フィードし、シード重合
を行った。 コア部モノマー混合物 BA 1215.2g MMA 140.0g BGA 2.8g AlMA 7.0g 80℃に昇温して1時間熟成後、冷却して70℃とした。
【0026】次に、V50の10%水溶液を9g、1%アン
モニア水0.27gを添加し、次の組成のシェル部モノマー
乳化液およびV50の10%水溶液を12g、1%アンモニア
水0.36gを60分かけて連続フィードし、シード重合を行
った。 シェル部モノマー乳化液 MMA 265.8g EA 60.0g 界面活性剤A 30.0g DIW 500.0g 25%アンモニウム水 0.72 g St 180.0g HEMA 90.0g BGA 1.2g MAM 3.0g 80℃に昇温して1時間熟成後、冷却した後、300 メッシ
ュのステンレス金網で濾過し、コアシェルポリマーラテ
ックスを得た。このラテックスを−15℃にて凍結させ、
グラスフィルターで濾過した後、60℃にて一昼夜送風乾
燥して、コアシェルポリマーC−1を得た。又、表1に
示されるような組成のモノマーを用いた以外は製造例1
と同様にして重合を行ない、コアシェルポリマーC−2
及びC−3を得た。
【0027】
【表1】
【0028】なお、シードモノマーはコア部モノマー混
合物35g を使用した。
【0029】実施例1 ポリアセタール樹脂(A) (ポリプラスチックス(株)
製、ジュラコン(商品名)」に前記のように製造したコ
アシェルポリマーC−1と耐候安定剤(B−1及びB−
3)とを表2に示す組成で配合し、ヘンシェルミキサー
を用いて混合後、30mm2軸押出し機を用いて溶融混練し
ペレット状の組成物を調製した。次いで、このペレット
から、射出成形機を用いて前述の成形条件にて試験片を
成形し、光沢、その他の特性を測定し、評価した。その
結果を表2に示す。
【0030】比較例1 実施例1において、ポリアセタール樹脂にコアシェルポ
リマーを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして
ポリアセタール組成物を得た。同様してこの組成物から
各試験片を作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0031】実施例2〜15 上記のようにして製造したコアシェルポリマーC−2,
3を用いて、表2に示す組成で、実施例1と同様にして
ポリアセタール組成物を得た。同様にして、この組成物
から各試験片を作製し、評価した。その結果を表2に示
す。
【0032】比較例2〜8 表3に示すように、ポリアセタール樹脂に耐候安定剤単
独、耐候性安定剤と(D) 着色成分又はケイ酸カルシウム
とを併用して添加したものについて実施例1と同様に、
組成物を調製し、評価した。
【0033】その結果を表3に示す。
【0034】比較例9〜11 表3に示すように、(B) 成分の代わりにグラフトしてい
ない状態のアクリル樹脂を添加したもの、含酸素極性基
を有しないアクリル変性グラフト共重合体を添加したも
のについて、実施例1と同様に組成物を調製し、評価し
た。その結果を表3に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】注−1) B−1:2−〔2−ヒドロキシ−3,5 −ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール(日
本チバガイギー(株)、TINUV IN 234) B−2:2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフ
ェノン(住友化学工業 (株)、スミソーブ110) 注−2) B−3:ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート(三共 (株)、サノールLS−770) B−4:コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリ
ジン重縮合物(日本チバガイギー( 株)、TINUVI
N 622LD) 注−3) D−1:アセチレンブラック(電気化学工業(株)、デ
ンカブラック)D−2:フタロシアニン系青色顔料(大
日精化工業(株)、フタロシアニン) 注−4) アクリル樹脂 C’−1:P(MMA−HEMA) メチルメタクリレートとヒドロキシエチルメタクリレー
トのランダム共重合体(MMA/HEMA;8/2(Wt%)) C’−2:P(MMA−GMA) メチルメタクリレートとグリシジルメチルメタクリレー
トのランダム共重合体(MMA/GMA ;8/2(Wt%)) C’−3 アクリル架橋粒子:P(BA−MMA)−g−PMMA ブチルアクリレート・メチルメタクリレートのランダム
共重合体とポリメタクリル酸メチルとのグラフト共重合
体((BA-MMA)/PMMA;7/3(Wt%))
【0038】
【発明の効果】以上の説明および実施例により明らかな
ように、ポリアセタール樹脂に、耐候安定剤と特定のコ
アシェルポリマーを添加配合させてなる本発明の組成物
は、ポリアセタールのバランスのとれた機械的物性を保
持しながら耐候性に優れ、かつ成形表面の光沢を著しく
低下させるという顕著な効果を示した。従って、本発明
の低光沢性を有するポリアセタール樹脂組成物は、高級
感をだし、光の反射が嫌われると同時に耐候(光)性を
必要とする自動車内装部品(例えばレギュレーターハン
ドル、内装クリップ、ベンチレーターノブ等)、および
光学機械、建材、家庭用品等の用途等に好適に使用し得
る。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリアセタール樹脂 100重量部に (B) 耐候(光)性安定剤0.01〜5重量部および (C) ゴム状ポリマーのコアと含酸素極性基を有するビニ
    ル系共重合体からなるガラス状ポリマーのシェルを有す
    るコアシェルポリマーであって、コアシェルポリマーの
    含酸素極性基を有するビニル系共重合体の1つの構成成
    分が、分子内に2個以上の含酸素極性基を有するアルコ
    ールの(メタ)アクリレートであるコアシェルポリマー
    1〜50重量部を添加配合してなる低光沢性を有する耐候
    性ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(B) 耐候(光)安定剤がベンゾトリアゾー
    ル系物質、ベンゾフェノン系物質、蓚酸アニリド系物
    質、芳香族ベンゾエート系物質、シアノアクリレート系
    物質及びヒンダードアミン系物質よりなる群から選ばれ
    た1種または2種以上である請求項1記載の低光沢性を
    有する耐候性ポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B) 耐候(光)安定剤がベンゾトリアゾー
    ル系物質、ベンゾフェノン系物質、蓚酸アニリド系物
    質、芳香族ベンゾエート系物質、シアノアクリレート系
    物質の1種又は2種以上と、ヒンダードアミン系物質と
    の併用よりなる請求項1記載の低光沢性を有する耐候性
    ポリアセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(C) コアシェルポリマーの含酸素極性基
    が、水酸基および/またはグリシジル基である請求項1
    記載の低光沢性を有する耐候性ポリアセタール樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】(C) コアシェルポリマーの(メタ)アクリ
    レートがヒドロキシエチルメタクリレートまたはグリシ
    ジルメタクリレートである請求項1記載の低光沢性を有
    する耐候性ポリアセタール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(C) コアシェルポリマーがオリゴマー型界
    面活性剤を用いて乳化重合して得ら れる、ゴム状ポリマ
    ーのコアと含酸素極性基を有するビニル系共重合体から
    なるガラス状ポリマーのシェルを有するものであること
    を特徴とする請求項1記載の低光沢性を有する耐候性ポ
    リアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(C) コアシェルポリマーがノニオン性界面
    活性剤を用いて乳化重合して得られる、ゴム状ポリマー
    のコアと含酸素極性基を有するビニル系共重合体からな
    るガラス状ポリマーのシェルを有するものであることを
    特徴とする請求項1記載の低光沢性を有する耐候性ポリ
    アセタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の何れか1項記載の組成物
    に、更に(D) 着色成分0.1 〜10重量部(対ポリアセター
    ル100 重量部)を配合してなる低光沢性を有する耐候性
    ポリアセタール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の何れか1項記載の組成物を
    成形してなる低光沢性を有するポリアセタール樹脂成形
    品。
  10. 【請求項10】請求項9記載の成形品が、本文記載の方
    法(鏡面金型使用)により測定した表面光沢度が30%以
    下を示すポリアセタール樹脂成形品。
  11. 【請求項11】請求項1〜8の何れか1項記載の組成物
    を成形してなる成形品であって、表面の一部又は全部が
    シボ形状をしているポリアセタール樹脂成形品。
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