JP3255567B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

Info

Publication number
JP3255567B2
JP3255567B2 JP27549095A JP27549095A JP3255567B2 JP 3255567 B2 JP3255567 B2 JP 3255567B2 JP 27549095 A JP27549095 A JP 27549095A JP 27549095 A JP27549095 A JP 27549095A JP 3255567 B2 JP3255567 B2 JP 3255567B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
polyacetal resin
acid
polymer
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP27549095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09118805A (ja
Inventor
恭之 福手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP27549095A priority Critical patent/JP3255567B2/ja
Priority to CN96197846A priority patent/CN1131280C/zh
Priority to PCT/JP1996/003065 priority patent/WO1997015625A1/ja
Priority to CA002230632A priority patent/CA2230632A1/en
Priority to KR10-1998-0702938A priority patent/KR100475401B1/ko
Publication of JPH09118805A publication Critical patent/JPH09118805A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3255567B2 publication Critical patent/JP3255567B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L59/00Compositions of polyacetals; Compositions of derivatives of polyacetals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/04Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to rubbers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアセタール樹
脂と特定のコアシェルポリマーとを配合してなる、極め
て優れたヒンジ特性を有し、しかも耐衝撃性及び流動性
に優れるポリアセタール樹脂組成物、及びその組成物を
成形してなるポリアセタール樹脂製ヒンジ部品を提供す
るものである。尚、ここで言うヒンジ部品とは、例えば
図1に示す如きものであり、部品のある部分において1
回以上の曲げ又は折り曲げ荷重が加えられる薄肉部を称
してヒンジ(図中1で示す)と呼ぶ。ヒンジの形状につ
いては、特に制約はなく、シート状、帯状、ひも状等で
あることができる。ヒンジの厚み、長さについても規定
されるものではなく、実質的にヒンジとしての機能を有
するものは本発明にいうヒンジ部品に含まれる。また、
本明細書中、ヒンジ特性とは、上記の如きヒンジにおけ
る1回以上の曲げ又は折り曲げ荷重に対する耐久性と定
義する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質
などの物理的特性、或いは耐薬品性、耐熱性などの化学
的特性の優れたエンジニアリング樹脂として近年きわめ
て広汎な分野において利用されている。しかし、ポリア
セタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、その材料
としての性質にもさらに特殊性が要求される場合があ
る。このような性質の一つとして、屈曲性に優れる材
料、即ちヒンジ特性に優れる材料の開発が要望される場
合がある。取りわけ近年、部品点数の削減による原価低
減の必要性から、いくつかの部品をヒンジをもって一体
化せしめ組付けを容易且つ安価に行うことが望まれる場
合が増えており、さらには、ヒンジ部品の低温下での使
用、或いは構造上好ましいヒンジ形状が取り得ないもの
等、ヒンジ特性を低下させる要因も多く、本質的に優れ
たヒンジ特性の要求は一層厳しいものとなっている。ま
た、一般の電気機器、建材等の分野においても、その目
的に応じて各種材料を組み合わせて使用する機会が増加
しているが、ポリアセタール樹脂の一層の耐衝撃性向上
が求められている。ヒンジ特性の要求に応える方法とし
て、ポリアセタール樹脂に熱可塑性ポリウレタン等のエ
ラストマーを添加してヒンジ特性或いは耐衝撃性の向上
を図る等の方法が知られている。この方法でも、ヒンジ
特性の向上を示すことは可能ではあるが、エラストマー
成分を配合することにより成形品表面で剥離現象が起こ
り易くなり、成形品の外観を著しく損なう問題があり、
又、熱安定性の低下、さらに成形品のウエルド強伸度が
著しく低下し、流動性も低下する等のことからヒンジ設
計の自由度が小さくなる等種々の問題点があり、その改
善が求められていた。更に、近年ヒンジに要求される機
能が増すと共に形状は複雑化し、コストダウン、軽量化
を目的として薄肉化しつつある。又、射出成形時の生産
性向上の為に、成形サイクルの短縮と一回の射出成形に
より得られる成形品数を増すための金型の多数個取り化
が必要とされる。このような要求に対応するためには、
材料の高流動性の改善が必要である。本発明は、他の物
性を損なうこと無く、従来のものよりも更に優れたヒン
ジ特性を有するポリアセタール樹脂組成物と、ポリアセ
タール樹脂製ヒンジ部品を提供することを目的とするも
のである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリアセタ
ール樹脂本来の特性を可能な限り犠牲にすることなく、
上記の問題が解決され、優れたヒンジ特性を有し、かつ
靭性を維持するポリアセタール樹脂材料の開発をすべく
鋭意研究を重ねた結果、ある特定の飽和脂肪酸ビスアマ
イドを予めコアシェルポリマーに均一に配合したものの
添加が有効であることを見出し、本発明を完成するに至
ったものである。即ち、本発明は、(A) ポリアセタール
樹脂 100重量部に(B) ゴム状ポリマーのコアとガラス状
ポリマーのシェルからなり、下記一般式で表される飽和
脂肪酸ビスアマイド0.3 〜5重量部(対コアシェルポリ
マー100重量部当たり)を予め均一に配合したコアシェ
ルポリマー1〜100 重量部を配合してなるポリアセター
ル樹脂組成物、及び当該ポリアセタール樹脂組成物を成
形してなるポリアセタール樹脂製ヒンジ部品に関するも
のである。 一般式: R1-CONH-R2-NHCO-R3 (但し、R1とR3は炭素数10〜22の脂肪族アルキル基、置
換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ
る基であり、各々同一であっても異なっていても良い。
R2は炭素数1〜12の2価の炭化水素基である。) 本発明の樹脂組成物は従来技術では困難であった、良好
なヒンジ特性と耐衝撃性及び流動性を備えているため、
ヒンジ用樹脂として極めて好適な材料である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下本発明の構成成分について詳
しく説明する。まず、本発明において用いられる(A) ポ
リアセタール樹脂はオキシメチレン基(-CH2O-)を主たる
構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホ
モポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少
量有するコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマ
ーいずれにてもよく、又、分子が線状のみならず分岐、
架橋構造を有するものであっても良い。本発明では、好
ましくはシリンダー温度190 ℃でのASTM D1238-89 E 法
に準じて測定したメルトインデックスが 0.1〜30g/10
分、更に好ましくは 0.5〜15g/10分のものが用いられ
る。
【0005】次に、本発明において用いられる(B) コア
シェルポリマーとは、下記一般式で表される飽和脂肪酸
ビスアマイドを、ゴム状ポリマーのコアとガラス状ポリ
マーのシェルを有するコアシェルポリマーに対して、予
め均一に 0.3〜5重量部(対コアシェルポリマー100 重
量部当たり)配合したものである。 一般式: R1-CONH-R2-NHCO-R3 (但し、R1とR3は炭素数10〜22の脂肪族アルキル基、置
換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ
る基であり、各々同一であっても異なっていても良い。
R2は炭素数1〜12の2価の炭化水素基である。) 本発明において用いられる飽和脂肪酸ビスアマイドを予
め均一に配合したコアシェルポリマー(B) の、前駆体と
して用いられるコアシェルポリマーとは、ゴム状ポリマ
ーのコアとガラス状ポリマーのシェルを有する化合物で
あり、公知の方法によって調製することもできるし、
又、市販品を用いることもできる。その典型例はローム
・ハース社のアクリロイドKM330 及びKM653 、呉羽化学
(株)のパラロイドKCA-102 及びKCA-301 、武田薬品工
業(株)のスタフィロイドPO-0143及びPO-0148 、鐘淵
化学工業(株)のカネエースFM、三菱レーヨン(株)の
メタブレンC-102 、E-901 、W-800 、S-2001等が挙げら
れる。かかるコアシェルポリマーの内、好ましいのは、
ゴム状のポリマーのコアとメチルメタクリレートを主成
分とするガラス状ポリマーのシェルを有するコアシェル
ポリマーであり、特に実質的にアニオンが検出されない
コアシェルポリマーである。アニオンが検出されるコア
シェルポリマーを用いた場合、溶融練り込み時や射出成
形時にポリアセタールの分解を促進することがあり、所
望のヒンジ特性が得られないことがある。また、分解が
多すぎて溶融練り込みが不可能な場合もある。ここで、
実質的にアニオンが検出されないコアシェルポリマーと
は、通常のアニオンの定性試験によってはアニオンが検
出されない程度のコアシェルポリマーを意味する。例え
ば、その測定方法としては、試料(コアシェルポリマ
ー)5gを50ml三角フラスコに秤量し、イオン交換水20
mlを加え、マグネチックスターラーで3時間攪拌し、次
いでNo.5C濾紙で濾過した濾液を二分し、一方に1%塩
化バリウム水溶液 0.5mlを加え、濁りの発生を比較観察
する方法(硫酸イオンの定性試験)、または、同様の処
理を行い、1%塩化バリウム水溶液の替わりに 0.1N硝
酸銀水溶液を加え、濁りの発生を比較する方法(ハロゲ
ンイオンの定性試験)によってアニオンの存在を確認す
ることができる。好ましくは、これらのアニオンが全く
存在しないコアシェルポリマーが好適に用いられる。
【0006】本発明に用いるのに好ましいコアシェルポ
リマーは、ノニオン性界面活性剤及び発生するラジカル
が中性である重合開始剤を用い乳化重合して得られるも
のである。かかるコアシェルポリマーは、例えば特開平
3−14856 号公報に記載された乳化重合技術を用いて製
造することができる。乳化重合は、例えば次のような界
面活性剤および重合開始剤を用いて行うことができる。
ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのエ
ーテル型、ポリオキシエチレンモノステアレートなどの
エステル型、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ートなどのソルビタンエステル型、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどのブロッ
クポリマー型など広く一般に使用されているノニオン性
界面活性剤のほとんどが使用可能である。その添加量は
界面活性剤の粒子安定化能力によって適宜選択される。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,
2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2'−アゾビス(2−
アミノプロパン)二塩酸塩などのアゾ系重合開始剤、ク
メンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系
重合開始剤が単独または2種以上を組み合わせて用いら
れる。このようにアニオンを含まない界面活性剤と過硫
酸塩ではないような反応系で乳化重合を行えば、実質的
にアニオンを含まないか、含んでいても極く少量である
コアシェルポリマーが得られる。このような実質的にア
ニオンを含まないコアシェルポリマーを用いたポリアセ
タール樹脂組成物はヒンジ特性に優れたものとなる。
【0007】本発明において前駆体として用いられるコ
アシェルポリマーとは、ゴム状ポリマーのコアとガラス
状ポリマーのシェルを有し、シード乳化重合法のうち、
通常、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次に被
覆するような連続した多段階乳化重合法によって得られ
る。コアシェルポリマーが後述の中間相を有する場合に
おいては、先の段階の重合体の中へ後の段階の重合体が
侵入するような多段階乳化重合法によって中間相が形成
されることもある。
【0008】粒子発生重合時には、モノマー、界面活性
剤および水を反応器へ添加し、次に重合開始剤を添加す
ることにより、乳化重合反応を開始させることが好まし
い。第一段目の重合はゴム状ポリマーを形成する反応で
ある。ゴム状ポリマーを構成するモノマーとしては、例
えば共役ジエンまたはアルキル基の炭素数が2〜8であ
るアルキルアクリレートあるいはそれらの混合物などが
挙げられる。これらのモノマーを重合させてガラス転移
温度−30℃以下のゴム状ポリマーを形成する。このよう
な共役ジエンとして、例えばブタジエン、イソプレン、
クロロプレン等を挙げることができる。又、アルキル基
の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレートとして、
例えばエチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブ
チルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート等を挙げることができる。
【0009】第一段目の重合には共役ジエンおよびアル
キルアクリレートなどと共重合可能なモノマー、例えば
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳
香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリ
デン、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等
のアルキルメタクリレート等を共重合させることもでき
る。第一段目の重合が共役ジエンを含まない場合あるい
は共役ジエンを含んでいても第一段目の全モノマー量の
20重量%以下である場合は、架橋性モノマーおよびグラ
フト化モノマーを少量用いることにより高い耐衝撃性を
もつポリマーとすることができる。架橋性モノマーとし
て、例えばジビニルベンゼン等の芳香族ジビニルモノマ
ー、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリ
レート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジ
オールジメタクリレート、オリゴエチレングリコールジ
アクリレート、オリゴエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメ
チロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート等のアルカンポリオールポリアクリレー
トまたはアルカンポリオールポリメタクリレート等を挙
げることができるが、特にブチレングリコールジアクリ
レート、ヘキサンジオールジアクリレートが好ましく用
いられる。グラフト化モノマーとして、例えばアリルア
クリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエー
ト、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート等の不
飽和カルボン酸アリルエステル等を挙げることができる
が、特にアリルメタクリレートが好ましく用いられる。
このような架橋性モノマー、グラフト化モノマーは、そ
れぞれ第一段目の全モノマー量の0〜5重量%、好まし
くは 0.1〜2重量%の範囲で用いられる。このゴム状ポ
リマーのコアはコアシェルポリマー全体の50〜90重量%
の範囲が好ましい。コアがこの重量範囲よりも少ないと
き、或いはこれを越えて多い時は生成するコアシェルポ
リマーを溶融混合して得られる樹脂組成物の耐衝撃性改
良の効果が十分でないことがある。また、コアのガラス
転移温度が−30℃よりも高い場合は、低温耐衝撃性改良
の効果が十分ではないことがある。
【0010】最外殻層(シェル相)はガラス状ポリマー
が形成されている。ガラス状ポリマーを構成するモノマ
ーとしては、メチルメタクリレート、メチルメタクリレ
ートと共重合可能なモノマーの混合物であり、ガラス転
移温度60℃以上のガラス状ポリマーを形成する。メチル
メタクリレートと共重合可能なモノマーとしては、例え
ば、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等の
アルキルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート等のアルキルアクリレート、スチレン、ビ
ニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、
芳香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のシアン化ビニル、シアン化ビニリデン等のビニ
ル重合性モノマーを挙げることができるが、特に好まし
くはエチルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル
等が用いられる。この最外殻層(シェル相)はコアシェ
ルポリマー全体の10〜50重量%の範囲が好ましい。この
シェル相がこの重量範囲よりも少ないとき、あるいは越
えて多いとき、生成するコアシェルポリマーを溶融混合
して得られる樹脂組成物の耐衝撃性改良の効果が十分で
ないことがある。
【0011】また、第一段と最終の重合相の間には中間
相が存在していてもよい。例えば、グリシジルメタクリ
レート、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどのような官能基を有する重合モノマー、メチルメ
タクリレートなどのようなガラス状ポリマーを形成する
重合モノマー、メチルアクリレートなどのゴム状ポリマ
ーを形成する重合モノマーなどをシード乳化重合するこ
とによって中間相が形成される。このような中間相は所
望のコアシェルポリマーの性質によって種々選択するこ
とができる。また、その重合割合も使用するモノマーに
よって適宜選択すれば良い。例えば、ガラス状ポリマー
を中間層とする場合は、その重合割合をシェルの一部と
して算出すればよく、ゴム状ポリマーの場合はコアの一
部として算出すれば良い。このような中間相を有するコ
アシェルポリマーの構造は、例えばコアとシェルの間に
もう一つの層が存在している多層系構造をとるものや、
中間相がコア中で細かな粒状となって分散しているサラ
ミ構造をとるものが挙げられる。サラミ構造を有するコ
アシェルポリマーにおいては更に極端な場合は、分散す
るべき中間相がコアの中心部において新たな芯を形成し
ていることもある。このような構造のコアシェルポリマ
ーはスチレンに代表されるモノマーを中間相構成モノマ
ーとして使用した場合に生じることがある。また、中間
相を有するコアシェルポリマーを使用した場合、耐衝撃
性の改良、曲げ弾性率の向上、熱変形温度の上昇、外観
(表面剥離およびパール光沢の抑制、屈折率変化による
色調の変化)が改善されることがある。
【0012】ポリアセタール樹脂への耐衝撃性を付与す
る手法として、ゴム状物質の添加以外の方法では、従来
よりポリアセタール樹脂に対してコアシェルポリマー等
を添加する方法が知られている。確かにヒンジ特性以外
の条件は、この方法で満足するものの、ポリアセタール
樹脂自体にヒンジ特性が良くないことに加え、更にコア
シェルポリマーを加える結果、いっそうヒンジ特性が低
下するという欠点を有する。流動性、非剥離性等を保持
しつつヒンジ特性も満足するポリアセタール樹脂組成物
は未だ提供されていない。この様に、従来のコアシェル
ポリマーをポリアセタール樹脂中に添加配合することに
より、ポリアセタール樹脂の優れた機械的性質を低下さ
せることなく、靭性の向上をさせるが、ヒンジ特性は全
く劣り、ヒンジ部品用途には使用する事はできなかっ
た。そこで、本発明は、上記コアシェルポリマー成分に
特定の滑剤(飽和脂肪酸ビスアマイド)を予め配合した
もの(B) と、(A) ポリアセタール樹脂と混練することを
特徴とするものであり、かかる手法で(A) 、(B) の2成
分を配合することにより、ポリアセタール樹脂本来のも
つ、バランスのとれた特性を損なわず、ヒンジ特性の改
善に極めて有効である。ポリアセタール樹脂、コアシェ
ルポリマー及び滑剤等の3成分を混合する方法として、
いずれか2成分を混練りした後に更に残り1成分を加え
て混練りする方法と、3成分を同時に混練りする方法と
が考えられる。例えば、ポリアセタール樹脂とコアシェ
ルポリマーとを混練りした後に更に滑剤を加えて混練り
する方法では、滑剤の影響で混練り状態が悪く滑剤の分
散性も悪くなり、得られるポリアセタール樹脂組成物は
均一性に劣っている。その結果、得られたポリアセター
ル樹脂組成物を成形してなるヒンジ部品はヒンジとして
の機能に劣るので好ましくない。他の方法としては、ポ
リアセタール樹脂と滑剤とを混練りした後に更にコアシ
ェルポリマーを加えて混練りする方法が考えられるが、
滑剤を含有するポリアセタール樹脂とコアシェルポリマ
ーとを混練りするために、コアシェルポリマーが均一に
分散しにくく、得られるポリアセタール樹脂組成物を成
形してなるヒンジ部品もまたヒンジとしての機能に劣る
ので好ましくない。また、3成分を同時に混練りしても
上記と同じく、得られたポリアセタール樹脂組成物を成
形してなるヒンジ部品はヒンジとしての機能に劣るので
好ましくない。これら3成分を上記いずれの方法で混練
りしても、得られるポリアセタール樹脂組成物の中でコ
アシェルポリマー、滑剤は分散性が悪く均一性に劣って
いる。従って、このようにして得られたポリアセタール
樹脂組成物を成形してなるヒンジ部品は、ヒンジとして
の機能に劣るので好ましくない。
【0013】しかしながら本発明者らは、飽和脂肪酸ビ
スアマイドを予めコアシェルポリマーに均一に配合し、
これをポリアセタール樹脂に添加する方法がヒンジ部品
として有効であることを見出した。本発明においては、
ポリアセタール樹脂組成物に配合すべき滑剤の全量をコ
アシェルポリマーに均一に配合した滑剤含有コアシェル
ポリマーをポリアセタール樹脂にポリマーブレンドす
る。例えば、飽和脂肪酸ビスアマイドを溶媒に溶解させ
た溶液と市販のコアシェルポリマーとをヘンシェルミキ
サーを用いて混合後に溶媒を除去する方法、コアシェル
ポリマーの乳化重合の乾燥工程時に飽和脂肪酸ビスアマ
イドを添加する方法、等の方法を用いる事により、予め
飽和脂肪酸ビスアマイドをコアシェルポリマーに均一に
分散させておくことができる。本発明において、かかる
目的で用いられる飽和脂肪酸ビスアマイドは、 一般式: R1-CONH-R2-NHCO-R3 (但し、R1とR3は炭素数10〜22の脂肪族アルキル基、置
換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ
る基であり、各々同一であっても異なっていても良い。
R2は炭素数1〜12の2価の炭化水素基である。) で表される飽和脂肪酸ビスアマイドである。これは特定
のアルキレンジアミンと特定の飽和脂肪酸から得られる
ものである。飽和脂肪酸ビスアマイドの飽和脂肪酸成分
は炭素数11〜23のものであり、ウンデカン酸、ラウリン
酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パ
ルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン
酸、アラキジン酸及びベヘン酸等が挙げられる。このう
ち特にステアリン酸が好ましい。飽和脂肪酸ビスアマイ
ドの2価の炭化水素基として好ましくは、モノメチレン
基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン
基、ペンタメチレン基及びヘキサメチレン基のアルキレ
ン基等が挙げられる。このうち特に、モノメチレン基、
ジメチレン基が好ましい。以上の飽和脂肪酸ビスアマイ
ドのうち、特に、エチレンビスステアリン酸アマイド
(C17H35-CONH-CH2-CH2-NHCO-C17H35 )及びメチレンビ
スステアリン酸アマイド(C17H35-CONH-CH2-NHCO-C17H
35 )が好ましい。飽和脂肪酸ビスアマイドの添加量
は、コアシェルポリマー 100重量部に対し、0.3 〜5重
量部が適当であり、好ましくは1〜5重量部、特に2〜
4重量部が好ましい。0.3 重量部より少ない量ではヒン
ジ特性の改善効果が小さく、5重量部より多い量では改
善効果が飽和に達し、ポリアセタール樹脂本来の特性に
悪影響を生じる。
【0014】かかる飽和脂肪酸ビスアマイドは、(A) ポ
リアセタール樹脂とコアシェルポリマーと共に混練・配
合しても優れた靭性を有するポリアセタール樹脂組成物
が得られるが、優れたヒンジ特性をも付与されたヒンジ
成形部品は得られない。そこで、予めコアシェルポリマ
ーに飽和脂肪酸ビスアマイドを配合することにより顕著
な改善効果を発揮し、優れたヒンジ特性を有するという
効果が認められる。
【0015】コアシェルポリマーをポリアセタール樹脂
中に添加配合して得られる成形品では、その表面にコア
シェルポリマーが粒子状で分散し、成形部品を屈曲させ
る時そのコアシェルポリマーが起点となって破壊或いは
破断してしまう。従って、(A) ポリアセタール樹脂にコ
アシェルポリマーを配合したものはヒンジ特性が大幅に
劣る。しかしながら、予めコアシェルポリマーに飽和脂
肪酸ビスアマイドを配合することにより顕著な改善効果
を発揮し、優れたヒンジ特性を有するという効果が認め
られる。かかる作用効果は、一次粒子は数μ程度のコア
シェルポリマーであっても、通常は数十μ程度に凝集し
た二次粒子塊となる為に、単にポリアセタール樹脂と混
練しただけでは一次粒子までに均一に分散されないが、
コアシェルポリマーに予め飽和脂肪酸ビスアマイドを配
合しておくことにより、ポリアセタール樹脂と混練した
場合、均一に一次粒子で分散するためによるものと推測
される。滑剤として飽和脂肪酸ビスアマイドを用いると
その効果が大きいのは、コアシェルポリマーのシェル成
分との親和性が大きい為に、コアシェルポリマーを分散
させる能力が高くなったからであると推測される。尚、
この作用効果は、必ずしも明確ではなく、これにより本
発明が何等制限を受けるものではない。本発明の飽和脂
肪酸ビスアマイドが配合されたコアシェルポリマー(B)
のポリアセタール樹脂 100重量部に対する添加量は1〜
100 重量部、好ましくは5〜50重量部である。コアシェ
ルポリマーの添加量が少なすぎるとヒンジ特性或いは耐
衝撃性が十分発揮されず、またいたずらに過大に添加し
ても、機械的性質特に剛性の大巾低下が認められ、ま
た、熱安定性に好ましくない影響が生じる。
【0016】本発明の組成物は更に公知の各種安定剤を
添加し、熱安定性を補強することが望ましく、この目的
のため公知の酸化防止剤や窒素含有化合物、アルカリ又
はアルカリ土類金属化合物等を1種類又は2種類以上合
わせて使用することが望ましい。本発明組成物には更に
その目的に応じ所望の特性を付与するため、従来公知の
添加剤、例えば飽和脂肪酸ビスアマイド以外の滑剤、核
剤、離型剤、帯電防止剤、その他の界面活性剤、有機高
分子材料、無機、有機の繊維状、粉粒状、板状の充填剤
等を1種又は2種以上添加含有させることが可能であ
る。
【0017】本発明の組成物は、一般に合成樹脂組成物
の調製法として公知の設備と方法により調製することが
できる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押
出機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとした
後成形することができ、又組成物の調製を成形機にて成
形と同時に行うことも可能である。また各成分の分散混
合を良くするため樹脂成分の一部又は全部を粉砕し、混
合して溶融押出したペレットを成形する方法等、いずれ
も可能である。また前記安定剤、添加剤等の配合物は任
意のいかなる段階で加えてもよく、又最終成形品を得る
直前で添加、混合することももちろん可能である。また
本発明にかかる樹脂組成物は、押出し成形、射出成形、
圧縮成形、真空成形、吹き込み成形、発泡成形のいずれ
によっても成形可能である。
【0018】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。なお実施例、比較例中の「部」はすべ
て重量部を表す。実施例、比較例中に用いる略語は下記
の通りである。 エチルアクリレート EA メチルメタクリレート MMA 1,4 −ブチレングリコールアクリレート BGA アリルメタクリレート AIMA メタクリルアミド MAM 2−エチルヘキシルアクリレート EHA ブタジエン BD ノニオン性界面活性剤(花王製エマルゲン950) E950 オリゴマー型アニオン性界面活性剤 界面活性剤A (特開昭53−10682 号公報、実施例13の記載に従って合
成し、アンモニア水でpH7.5 に調整後、純水にて固形分
率10%とした。
【0019】
【化1】
【0020】 <組 成> メタクリル酸 155g MMA 360g n−ドデシルメルカプタン 109g アゾビスイソブチロニトリル 4.4gイソフ゜ロハ゜ノール 314g 分子量 1310) 脱イオン水 DIW 2,2'−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩 V50 (和光純薬(製)V50 ) エチレンビスステアロアミド EBS C17H35-CONH-CH2-CH2-NHCO-C17H35 メチレンビスステアロアミド MBS C17H35-CONH-CH2-NHCO-C17H35 ペンタエリスリトールテトラステアレート PETS ポリアセタール樹脂 POM 樹脂 <コアシェルポリマーB−1及びB’−1の製造>5リ
ットル還流冷却器付重合容器内にDIW 1200g、25%アン
モニア水1.68g、界面活性剤A7g、MAM 0.14gを仕込
み、窒素気流下で攪拌しながら70℃に昇温した。次の組
成からなるシードモノマー混合物の 27.86gを添加し、
10分間かけて分散させた後、V50 の10%水溶液21gを添
加してシード粒子を重合した。 シードモノマー EA 27.664g AIMA 0.14 g BGA 0.056g 続いてMAM 7gを添加し、次の組成からなるコア部モノ
マー混合物1500gに界面活性剤A 210g、DIW 900g、25
%アンモニウム水2.80gを添加混合したモノマー乳化液
および10%V 50水溶液21.0g、1%アンモニア水0.63g
の混合液を180分かけて連続フィードし、シード重合を
行った。 コア部モノマー混合物 EHA 1040.2g BD 450.0g BGA 2.8g AIMA 7.0g 80℃に昇温して1時間熟成後、冷却して70℃とした。次
に、V50 の10%水溶液を9g、1%アンモニア水0.27g
を添加し、次の組成のシェル部モノマー乳化液およびV5
0 の10%水溶液を12g、1%アンモニア水0.36gを60分
かけて連続フィードし、乳化重合を行った。
【0021】シェル部モノマー乳化液 MMA 438.8g EA 60.0g 界面活性剤A 30.0g DIW 500.0g 25%アンモニウム水 0.72g BGA 1.2g MAM 3.0g 80℃に昇温して1時間熟成後、冷却した後、 300メッシ
ュのステンレス金網で濾過し、コアシェルポリマーラテ
ックスを得た。このラテックスを−15℃にて凍結させ、
グラスフィルターで濾過した後、60℃にて一昼夜送風乾
燥して、コアシェルポリマーB’−1を得た。
【0022】このコアシェルポリマーと、エチレンビス
ステアリン酸アマイド〔ライオンアクゾ(株)製 商品
名アーモワックス〕60gをDMF 100mlに溶かした溶液
とをヘンシェルミキサーを用いて混合後に溶媒を減圧除
去し、コアシェルポリマーB−1を得た。 <コアシェルポリマーB−2〜5、B’−2〜3の製造
>表1に示されるような組成のモノマーを用いた以外は
B−1と同様にして重合を行い、コアシェルポリマーB
−2〜5、B’−2〜3を得た。 <コアシェルポリマーB’−4の製造>表1に示される
ような組成のモノマーを用いて、滑剤添加しない以外は
B−1と同様にして重合を行い、コアシェルポリマー
B’−4を得た。
【0023】
【表1】
【0024】〔硫酸イオンの定性試験〕コアシェルポリ
マーB−1〜5、およびB’−1〜4について、それら
に含まれる硫酸イオンを検出した。すなわち、試料5g
を50ml三角フラスコに秤量し、イオン交換水20mlを加
え、マグネチックススターラーで3時間攪拌した。次い
で、No.5C濾紙で濾過した濾液を二分して、一方に1%
塩化バリウム水溶液 0.5mlを加え、濁りの発生を比較観
察した。本定性試験において、コアシェルポリマーB−
1〜5、およびB’−1〜4からは硫酸イオンが検出さ
れなかった。 ポリアセタール ポリプラスチックス(株)製 POMコポリマー樹脂 商品名 ジュラコン A−1 メルトインデックス(190 ℃) 2.5 (g/10min) A−2 メルトインデックス(190 ℃) 9.0 (g/10min) 実施例1〜8 表2に示されるような組成でポリプラスチックス(株)
製 POMコポリマー樹脂ジュラコンと前記のように製造し
たコアシェルポリマーB−1〜5を、水分量0.3 %以下
となるまで乾燥した後、池貝鉄工(株)製の二軸押出機
PCM−30を用いて、シリンダー温度 190℃、ダイヘッド
温度 200℃で溶融混練し、ペレット化した。このペレッ
トを180 ℃で3時間以上乾燥し、射出成形機により成形
して試験片を作製し、下記評価を行った。結果を表2に
示す。 比較例1〜11 表3に示されるような組成でポリプラスチックス(株)
製 POMコポリマー樹脂ジュラコンと前記のように製造し
たコアシェルホリマーB’−1〜4を、水分量0.3 %以
下となるまで乾燥した後、池貝鉄工(株)製の二軸押出
機 PCM−30を用いて、シリンダー温度 190℃、ダイヘッ
ド温度 200℃で溶融混練し、ペレット化した。このペレ
ットを用いて実施例と同様に試験片を作製し、下記評価
を行った。結果を表3に示す。
【0025】尚、実施例、比較例における特性評価は、
以下の方法に従って行った。 (1) ヒンジ特性の評価 図1に示した形状の試験片を成形し、次に示す基準に基
づき評価した。 サンプル数:n=10 テスト方法:サンプルを−10℃、50%RHの環境下に
24時間以上放置した後、同条件下でヒンジ部を 180度の
角度で 100回繰り返し折り曲げた。 評価A: 100回の折り曲げの間にヒンジ部が破壊した個
数。(数値の小さいほど優れる) 評価B:100 回折り曲げを行った後のヒンジ部状態を次
の様な判定基準で評価し、平均点で表したもの。(数値
の大きいほど優れる) 5:殆ど異常が認められなかったもの。 4:ヒンジ部の表面に微小クラックが発生したもの。 3:ヒンジ部表面のクラックが成長し、大きくなったも
の。 2:ヒンジ部のクラックが更に中心部に向かって成長
し、ヒンジ部が極めて薄くなったもの。 1:薄くなったヒンジ部に切れ目が入り、切断しかかっ
たもの。
【0026】0:破断したもの。 (2) アイゾット衝撃強度 実施例および比較例で調製された樹脂ペレットを、イン
ライン射出成形機を用いて試験用サンプル(幅12.7mm、
厚さ6.4mm 、長さ64mmの直方体)を成形し、ASTM D 256
の方法に準拠したノッチを付け、アイゾット衝撃値を測
定した。アイゾット衝撃値が高い方が良好であると判断
される。又、実施例において、ヒンジ特性、機械物性の
評価に用いた試験片の成形方法は以下の通りである。 * 成形機 ;東芝(株)製IS80 * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 650 (kg/cm2) 射出速度 1.0 (m/min) 金型温度 70(℃) (3) 流動性(薄肉棒流動長)の測定法 下記の条件に設定した成形機を用い、薄肉の試験片(幅
5mm×厚さ0.5mm)を成形し、その流動長(樹脂の充填さ
れた長さ)から流動性を評価した。
【0027】 * 成形機 ;日精(株)製PS20E * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 1000 (kg/cm2) 射出速度 4.0 (m/min) 金型温度 70(℃)
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】以上の説明および実施例により明らかな
ように、滑剤を予めコアシェルポリマーに均一に配合
し、ポリアセタール樹脂と混練させてなる本発明の樹脂
組成物は、ポリアセタールのバランスのとれた機械的物
性を保持しながらヒンジ特性・流動性に優れ、かつ靭性
を維持させるという顕著な効果を示した。
【0031】懸かるポリアセタール樹脂組成物を成形し
てなるヒンジ部品の用途例として、自動車、電気・電
子、建材、雑貨等の分野に於ける各種のヒンジ部品が挙
げられるが、より具体的には、自動車用コネクター、電
気機器用コネクター等が挙げられ、これらの用途に好適
に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒンジ特性測定に用いた試験片の略図であ
り、(a),(b),(c) は各々平面図、側面図及びヒンジ部の
拡大図を示す。その他の数値の単位はmmである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 59/00 - 59/04 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリアセタール樹脂 100重量部に(B)
    ゴム状ポリマーのコアとガラス状ポリマーのシェルから
    なり、下記一般式で表される飽和脂肪酸ビスアマイド0.
    3 〜5重量部(対コアシェルポリマー100重量部当た
    り)を予め均一に配合したコアシェルポリマー1〜100
    重量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。 一般式: R1-CONH-R2-NHCO-R3 (但し、R1とR3は炭素数10〜22の脂肪族アルキル基、置
    換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ
    る基であり、各々同一であっても異なっていても良い。
    R2は炭素数1〜12の2価の炭化水素基である。)
  2. 【請求項2】コアシェルポリマー(B) が、実質的にアニ
    オンが検出されないコアシェルポリマーである請求項1
    記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】コアシェルポリマー(B) が、ノニオン性界
    面活性剤及び発生するラジカルが中性である重合開始剤
    を用い乳化重合して得られるものである請求項1又は2
    記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】コアシェルポリマー(B) のシェルが、メチ
    ルメタクリレートを主成分とするポリマーである請求項
    1〜3の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】飽和脂肪酸ビスアマイドが、その飽和脂肪
    酸成分がウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミ
    リスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリ
    ン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸及び
    ベヘン酸から選ばれた飽和脂肪酸ビスアマイドである請
    求項1〜4の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】飽和脂肪酸ビスアマイドが、その2価の炭
    化水素基がモノメチレン基、ジメチレン基、トリメチレ
    ン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基及びヘキサ
    メチレン基から選ばれた飽和脂肪酸ビスアマイドである
    請求項1〜4の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】飽和脂肪酸ビスアマイドが、エチレンビス
    ステアリン酸アマイド(C17H35-CONH-CH2-CH2-NHCO-C17
    H35 )及び/又はメチレンビスステアリン酸アマイド
    (C17H35-CONH-CH2-NHCO-C17H35 )である請求項1〜4
    の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の何れか1項記載のポリアセ
    タール樹脂組成物を成形してなるポリアセタール樹脂製
    ヒンジ部品。
JP27549095A 1995-10-24 1995-10-24 ポリアセタール樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3255567B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27549095A JP3255567B2 (ja) 1995-10-24 1995-10-24 ポリアセタール樹脂組成物
CN96197846A CN1131280C (zh) 1995-10-24 1996-10-22 聚缩醛树脂组成物
PCT/JP1996/003065 WO1997015625A1 (fr) 1995-10-24 1996-10-22 Composition de resine polyacetalique
CA002230632A CA2230632A1 (en) 1995-10-24 1996-10-22 Polyacetal resin composition
KR10-1998-0702938A KR100475401B1 (ko) 1995-10-24 1996-10-22 폴리아세탈수지조성물

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27549095A JP3255567B2 (ja) 1995-10-24 1995-10-24 ポリアセタール樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09118805A JPH09118805A (ja) 1997-05-06
JP3255567B2 true JP3255567B2 (ja) 2002-02-12

Family

ID=17556244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27549095A Expired - Lifetime JP3255567B2 (ja) 1995-10-24 1995-10-24 ポリアセタール樹脂組成物

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP3255567B2 (ja)
KR (1) KR100475401B1 (ja)
CN (1) CN1131280C (ja)
CA (1) CA2230632A1 (ja)
WO (1) WO1997015625A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4563004B2 (ja) * 2003-07-08 2010-10-13 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂製摺動部品
JPWO2021002316A1 (ja) * 2019-07-03 2021-01-07
JPWO2021002315A1 (ja) * 2019-07-03 2021-01-07
WO2021002314A1 (ja) * 2019-07-03 2021-01-07 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 樹脂組成物および成形品

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3187917B2 (ja) * 1992-03-16 2001-07-16 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物
JPH06100759A (ja) * 1992-09-16 1994-04-12 Polyplastics Co クリップ用樹脂組成物
JPH0718157A (ja) * 1993-07-06 1995-01-20 Polyplastics Co ポリアセタール樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
CA2230632A1 (en) 1997-05-01
JPH09118805A (ja) 1997-05-06
WO1997015625A1 (fr) 1997-05-01
KR19990067002A (ko) 1999-08-16
CN1131280C (zh) 2003-12-17
CN1200752A (zh) 1998-12-02
KR100475401B1 (ko) 2005-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4757109A (en) Process for the preparation of maleimide copolymers and thermoplastic resin composition using the same
JPS61190548A (ja) 衝撃性変性用組成物
JP2999318B2 (ja) ポリアセタール樹脂用光沢低減剤
JP2628095B2 (ja) コアシェルポリマー
US5280076A (en) Core-shell polymer and its use
JP3255567B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3358885B2 (ja) ゴムラテックス、グラフト共重合体及び熱可塑性樹脂組成物
JPH08134312A (ja) 耐衝撃性に優れた樹脂組成物
JPH0770255A (ja) コアシェルポリマー
JP3590463B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3281242B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JPH06100759A (ja) クリップ用樹脂組成物
JP3658457B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JPH05255569A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3462888B2 (ja) 耐候性ポリアセタール樹脂組成物
JPH09216980A (ja) 樹脂組成物
JP3590447B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3162153B2 (ja) ポリアセタール樹脂成形品
JP3303390B2 (ja) 高光沢樹脂組成物
JP2000053842A (ja) 低光沢性ポリアセタ―ル樹脂組成物
JP3359454B2 (ja) グラフト共重合体およびそれを用いた樹脂組成物
JP2711026B2 (ja) 難燃樹脂組成物
JPH05179104A (ja) 耐候性ポリアセタール樹脂組成物
JPH06100758A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JPH0273841A (ja) 強化熱可塑性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071130

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term