JP3436802B2 - 含浸印刷の施されたポリアセタール樹脂成形品 - Google Patents

含浸印刷の施されたポリアセタール樹脂成形品

Info

Publication number
JP3436802B2
JP3436802B2 JP23559594A JP23559594A JP3436802B2 JP 3436802 B2 JP3436802 B2 JP 3436802B2 JP 23559594 A JP23559594 A JP 23559594A JP 23559594 A JP23559594 A JP 23559594A JP 3436802 B2 JP3436802 B2 JP 3436802B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mol
molded product
core
shell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23559594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07165935A (ja
Inventor
正裕 工藤
道夫 中野
要一 海老名
久 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP23559594A priority Critical patent/JP3436802B2/ja
Publication of JPH07165935A publication Critical patent/JPH07165935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3436802B2 publication Critical patent/JP3436802B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Input From Keyboards Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のポリアセタール
樹脂組成物を用いた、含浸印刷を施してなる成形品に関
する。さらに詳しくはポリアセタール樹脂に特定のポリ
エステルとコアシェルポリマーおよび/またはイソシア
ネート化合物を配合してなる組成物成形品に含浸印刷を
施してなる成形品に関する。かかる組成よりなる成形品
はポリアセタールの本来有する優れた機械的物性、外観
などを保持しながら、成形品表面の含浸印刷インクの耐
久性が、著しく向上した含浸印刷が可能であり、パソコ
ン、ワープロ、タイプライター、電卓、電話機などのキ
ー(特にキートップ)の如く、文字、記号、絵柄などを
含浸印刷して使用する用途に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質
などの物理的特性、或いは耐薬品性、耐熱性などの化学
的特性の優れたエンジニアリング樹脂として近年極めて
広汎な分野において利用されている。しかし、ポリアセ
タール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、その材料と
しての性質にもさらに高性能化が要求される場合があ
る。このような高性能化の一つとして、ポリアセタール
樹脂成形品への、含浸印刷インクの耐久性の向上が要望
されている。例えば、パーソナルコンピューターのキー
ボードのキートップの材質は、優れた摺動性を持つポリ
アセタール樹脂を使用する場合が多く、印刷方法として
は、磨耗耐久性に優れることから、含浸印刷が注目を浴
びている。しかしながら、ポリアセタール樹脂へ含浸印
刷を施した文字が、高温、高湿条件下において、しばし
ば褪変色したり、にじんだりして、問題が発生する場合
がある。又、自動車等の内装品や、光学機器、電気/電
子機器のボタン類、ライター等にも、ポリアセタール樹
脂成形品に含浸印刷を施す場合があるが、同様の問題が
発生する場合がある。この問題を解決するために、従来
よりポリアセタール樹脂に対して、浸透性が良い含浸印
刷インクを検討したり、インク材料の昇華温度等の条件
を検討して、解決が図られているが、充分な効果が得ら
れていないのが現状である。そこで、機械的特性に優
れ、かつ優れた外観を有しながら、耐久性(熱、温度、
紫外線等の環境下における安定性、印刷された文字・記
号などの磨耗耐久性)に優れた含浸印刷可能なポリアセ
タール樹脂成形品の開発が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアセ
タール樹脂本来の特性を犠牲にすることなく、耐久性の
優れた含浸印刷を可能とするポリアセタール樹脂製成形
品を得る為、鋭意研究を重ねた結果、特定のポリアルキ
レンテレフタート系共重合体と、特定の物質とを配合し
た組成物には耐久性の優れた含浸印刷が可能であること
を見出し、本発明を完成するに至ったものである。即
ち、本発明は、(A) ポリアセタール樹脂 100重量部に、
(B) 溶融フロー温度が210 ℃以下のポリアルキレンテレ
フタレート系共重合体1〜100 重量部、および(C) ゴム
状ポリマーのコアとビニル系共重合体からなるポリマー
のシェルを有するコアシェルポリマーおよび/または
(D) イソシアネートあるいはイソチオシアネート化合物
もしくはそれらの変性体 0.1〜15重量部を添加配合して
なるポリアセタール樹脂組成物の成形品に含浸印刷を施
してなることを特徴とする含浸印刷の施された成形品に
関するものである。
【0004】本発明において用いられる(A) ポリアセタ
ール樹脂は、オキシメチレン基(-CH 20-)を主たる構成単
位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリ
マー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有
するコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマーの
いずれにてもよく、又、分子が線状のみならず分岐、架
橋構造を有するものであっても良い。またその重合度等
に関しても特に制限はない。
【0005】次に本発明に用いられる(B) ポリアルキレ
ンテレフタレート系共重合体とはテレフタル酸 100〜50
モル%および炭素数6以上の脂肪族または脂環族ジカル
ボン酸またはテレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸0
〜50モル%からなる成分を酸成分とし、炭素数2〜8の
アルキレンジオール成分とを共重縮合して得られるポリ
エステルであり、かつ溶融フロー温度が 210℃以下のも
のを言う。ここで用いられるテレフタル酸以外の酸成分
の例を示せば、先ず、炭素数6以上の脂肪族ジカルボン
酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデ
カンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。また、
炭素数6以上の脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,3 −シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,2 −シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げ
られる。テレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸として
はイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボ
ン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルス
ルホンジカルボン酸等が挙げられる。更にはヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂
肪族ジカルボン酸;p−β−ヒドロキシエトキシ安息香
酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等の如きオ
キシ酸等の他の二官能性カルボン酸等を使用することも
できる。また、これらのジカルボン酸化合物はエステル
形成可能な誘導体例えばジメチルエステルの如き低級ア
ルコールエステルの形で重合に使用することも可能であ
る。これら酸成分は2種以上併用しても良い。これらの
酸成分中、好ましくはアジピン酸、セバシン酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、デカンジカルボン酸
である。更に好ましくはイソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸およびアジピン酸である。一方、ここで使用さ
れる炭素数2〜8のアルキレンジオールとしては、1,4
−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,1 −シクロヘ
キサンジメチロール、ジエチレングリコール、1,4 −シ
クロヘキサンジメチロール、2,2 −ビス(4−β−ヒド
ロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
これらのアルキレンジオールは2種以上併用しても良
い。好ましくは1,4 −ブタンジオール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4 −シクロヘキサンジ
メチロールである。更に好ましくは1,4 −ブタンジオー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4
−シクロヘキサンジメチロールの1種以上で置換された
ものである。本発明で用いられる(B) ポリアルキレンテ
レフタレート系重合体は上記の如き、酸成分とジオール
成分を共重合して得られるコポリエステルであって、実
施例記載の方法により測定したその溶融フロー温度が 2
10℃以下、好ましくは 190℃以下のものである。溶融フ
ロー温度が 210℃より高い場合、ポリアルキレンテレフ
タレートの分散不良によって成形品の表面に縞模様、斑
模様などが生じ、成形品の商品価値を著しく損なうと共
に機械的強度や耐衝撃性が悪化してしまう。溶融フロー
温度が 210℃以下であればいずれのポリアルキレンテレ
フタレートも本発明の(B) 成分として用いることができ
る。好ましい共重合体を例示すると、テレフタル酸の一
部がイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸の一種以上で置換された酸成分と1,4 −ブタンジオー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4
−シクロヘキサンジメチロールの一種以上の成分で置換
されたジオール成分とからなるコポリエステルである。
また特に好ましくは、90〜60mol %のテレフタル酸と10
〜40 mol%のイソフタル酸からなる酸成分と、ブタンジ
オールとを共重合したコポリエステル、100 〜60mol %
のテレフタル酸と0〜40 mol%のイソフタル酸からなる
酸成分と、エチレングリコール100 〜60 mol%と1,4 −
シクロヘキサンジメチロールおよび/またはジエチレン
グリコール0〜40mol %を併用したジオール成分とを共
重合したコポリエステルである。またかかるコポリエス
テル樹脂の固有粘度(IV)は特に限定されないが、良好な
分散状態を得るために溶融混練温度におけるコポリエス
テルの溶融粘度ができるだけポリアセタールの溶融粘度
に近くなるようにコポリエステルの固有粘度を選ぶのが
望ましい。これらのことから、好ましくは 0.3以上 1.2
以下、特に好ましくは 0.4以上 0.8以下の固有粘度のも
のである。ここで規定される固有粘度は溶媒としてフェ
ノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用い、40℃にて
通常使用される方法にて測定される。ここで用いられる
ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(B) の配合量
は、(A) ポリアセタール樹脂 100重量部に対し、1〜10
0 重量部であり、好ましくは5〜80重量部である。(B)
成分が少なすぎると、含浸印刷の耐久性が充分発揮され
ず、又いたずらに過大に添加しても、成形品の機械的性
質や熱安定性に好ましくない影響を与える。
【0006】本発明では、(C) コアシェルポリマーおよ
び/または(D) イソシアネート系化合物を (A)〜(B) 成
分中に添加することにより、 (A)〜(B) 成分の相溶化効
果を発現せしめ、成形品表面の均一性、表面剥離を改善
し、通常の成形で表面性の良好な成形品を得るものであ
る。本発明で用いられる(C) のアクリルコアシェルポリ
マーは通常使用される全アクリル系のコアシェルポリマ
ーで十分相溶化効果を発揮する。好ましくはノニオン性
界面活性剤又はオリゴマー型界面活性剤を用い、アゾ系
および/または過酸化物系重合開始剤を用いて乳化重合
したアクリルコアシェルポリマーがポリアセタール樹脂
の熱的安定性をより向上させる上で望ましい。上記界面
活性剤および重合開始剤を用いて得られたコアシェルポ
リマーを使用することにより、ポリアセタール樹脂分解
を極力抑制し、結果的に(A) 〜(B) 成分の相溶化効果が
一層発揮されるとともに、得られた成形品外観および高
い印刷性をもたせると同時にポリアセタールの持つ優れ
た機械的性質を保持する。またシェル部に水酸基を有す
るアクリルコアシェルポリマーの使用は、シェル部の含
酸素極性基が (A)〜(B) 成分の相溶性を高め、且つ得ら
れた成形品表面の印刷性に効果を発揮する。ここで使用
されるコアシェルポリマーは通常使用されるいかなる方
法によって生成されても良い。本発明におけるコアシェ
ルポリマーは、ゴム状ポリマーのコアと、ビニル系共重
合体からなるポリマーのシェルを有し、例えばシード乳
化重合法のうち、先の段階の重合体を後の段階の重合体
が順次に被覆するような連続した多段階乳化重合法によ
って得られる。しかし、本発明に使用できるコアシェル
ポリマーはこの方法に何等制限されるものではない。
【0007】本発明に使用される好ましい(D) イソシア
ネート又はイソチオシアネート化合物またはそれらの変
性体としては、一般式 O=C=N-R-N=C=O 又は S=C=N-R-N
=C=S(R ;2価の基)で表される化合物およびそれらの
変性体である。例えば、4,4'−メチレンビス(フェニル
イソシアネート)、2,4 −トリレンジイソシアネート、
2,6 −トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシア
ネート、1,6 −ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシア
ネート、またはこれらに対応するジイソチオシアネート
およびこれらの二量体、三量体、さらにはイソシアネー
ト基(-NCO) がなんらかの形で保護されている化合物等
いずれも有効であるが、溶融処理時の変色度等の諸性
質、あるいは取り扱い上の安全性を考慮すると、4,4'−
メチレンビス(フェニルイソシアネート)、イソホロン
ジイソシアネート、1,5 −ナフタレンジイソシアネー
ト、1,6 −ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4 −ト
リレンジイソシアネート、2,6 −トリレンジイソシアネ
ート並びにこれらの二量体、三量体等の変性体(又は誘
導体)が特に望ましい。かかる効果は粘度上昇から見
て、成分が溶融処理時にポリアセタール樹脂(A)および
/またはポリアルキレンテレフタレート系樹脂(B) と反
応し、場合により一部三次元化構造をとり、(A), (B)両
者の親和性を高め、あるいは界面の密着性を向上させて
いるものと推定される。ここで用いられる相溶化剤(C)
および/または(D) の配合量はポリアセタール樹脂 100
重量部に対し 0.1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部
である。(C) 、(D) 成分の量が少なすぎると、成形品の
表面均一性等が十分でなく、また過剰に添加しすぎる
と、流動性が低下し射出成形に支障をきたす事がある為
好ましくない。
【0008】本発明の組成物は、含浸印刷性を損なわな
い範囲で、目的に応じてさらに公知の各種安定剤を添加
して安定性を補強することが望ましい。使用される安定
剤としては酸化防止剤、耐熱安定剤(分解防止剤)、耐
候(光)安定剤等が特に重要である。酸化防止剤として
は、立体障害性フェノールまたはアミン類等、耐熱安定
剤としては、金属の水酸化物や無機塩、脂肪酸の金属
塩、アミジン化合物やアミド化合物の如き窒素含有化合
物等、耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリアゾール
系物質、ベンゾフェノン系物質、芳香族ベンゾエート系
物質、ヒンダードアミン系物質(立体障害性基を持つピ
ペリジン誘導体)等が一般的に用いられる。また、本発
明の組成物成形品には各種カーボンブラック、その他各
種の染顔料を適宜添加し、任意の色に着色することもで
きる。本発明組成物には更にその目的に応じ所望の特性
を付加するため、従来公知の添加剤、例えば滑剤、核
剤、離型剤、帯電防止剤その他の界面活性剤、或いは
(B) 成分及び(C) 成分以外の有機高分子材料、無機、有
機強化剤等を1種または2種以上添加含有させることが
可能である。
【0009】本発明の組成物は、一般に合成樹脂組成物
の調製法として公知の設備と方法により調製することが
できる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押
出機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとした
後成形することができ、又組成物の調製を成形機に成形
と同時に行うことも可能である。また各成分の分散混合
を良くするため樹脂成分の一部又は全部を粉砕し、混合
して溶融押出したペレットを成形する方法、あるいは組
成物を構成する一部(例えば(A) 成分と(B) 成分および
/または(C) 、(D) 成分の一部)を予め溶融混練処理し
(マスターバッチ)、これを残りの成分と更に混練して
所定の成分の組成物または成形品とする方法等は、更に
本発明の効果を高めるため好ましい。また、前記安定
剤、添加剤等の配合物は任意のいかなる段階で加えても
よく、また最終成形品を得る直前で添加、混合すること
ももちろん可能である。また本発明の樹脂組成物は、押
出し成形、射出成形、圧縮成形、真空成形、吹き込み成
形、発泡成形等のいずれによっても成形可能である。
【0010】また本発明における含浸印刷法も特に限定
されるものではなく、従来より公知の方法、例えば昇華
性染料を練りこんだ特殊インキを用いて、パッド印刷、
スクリーン印刷などの方法で成形品に直接文字、記号等
を印刷した後、熱処理する事によりインキ中の染料を成
形品内部に浸透固着させる方法あるいは前記特殊インキ
を用いて離型紙の上に文字・記号等を印刷した後、印刷
された離型紙を成形品上にのせて感熱圧着し、インキ中
の染料を成形品の内部に浸透固着させる方法など何れの
方法も使用できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例によって示すが、本発
明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、
比較例中の「部」はすべて重量部を表す。また実施例に
おいて表面状態および機械物性の特性値の評価に用いた
方法は以下の通りである。 (1)印刷性の評価 ポリアセタール樹脂(POM)にポリアルキレンテレフ
タレート系共重合体、及び相溶化剤を表1に示す割合で
配合した樹脂組成物を調製し、これを射出成形して50mm
×70mm、厚み3mmの平板を得た。次に、同平板に対しタ
ンポ(パッド)印刷機(ナビスタ株式会社 パッド印刷
機T−5F)にて、含浸インク(東洋インキ製造株式会
社 SMX PBT F−1 墨)を転写した。含浸印
刷の詳細な工程を以下に示す。 転写 → 加熱処理*1 → 洗浄*2 → 完成 *1 150 ℃で5分〜10分 *2 表面に残ったインクを、アセトンにて洗浄し取り除
いた。 <評価1> 初期印刷品の仕上がり 含浸印刷により得た印刷品の仕上がりを肉眼及び10倍の
ルーペで観察し、評価した。印刷品の縁の鮮明さ(評価
)、印刷品の色の濃さ(評価)を次の5段階で評価
した。 <評価2> 耐熱評価 含浸印刷により得た印刷品を80℃で10日間、20日間、30
日間加熱処理を行い、初期印刷品との外観変化を目視に
より評価した。印刷品の縁の鮮明さ(評価)、印刷品
の色の濃さ(評価)を次の10段階で評価した。 <評価3> 耐湿評価 含浸印刷により得た印刷品を85℃、95%RHで5日間の
処理を行い、初期印刷品との外観変化を目視により評価
した。印刷品の縁の鮮明さ(評価)、印刷品の色の濃
さ(評価)を次の5段階で評価した。 <評価4> 印刷部の摩耗耐久性 プラスチック消しゴムで加圧 500gで1万回の摩耗テス
トを行った。 (2)成形品の表面状態 ポリアセタール樹脂(POM)にポリアルキレンテレフ
タレート系共重合体、及び相溶化剤を表1に示す割合で
配合した樹脂組成物を調整し、これを射出成形して50mm
×70mm、厚み3mmの平板を得、この成形品の外観を観察
した。表面均一性は、ポリエステル樹脂の分散不良によ
り生ずる成形品表面の渦巻模様の度合を目視にて5段階
で評価した。数字が大きいほど表面が均一で模様の無い
状態である。表面剥離は、成形品表面の剥離状態を目視
にて5段階で評価した。数字が大きいほど表面の剥離が
無い状態である。 * 成形機 ;東芝(株)製IS80 * 成形条件 ノズル C1 C2 C3 シリンダー温度(℃) 200 190 180 160 射出圧力 650 (kg/cm2) 射出速度 1.0 (m/min) 金型温度 80 (℃) 表面均一性 5…渦巻模様が全く無い 4…ゲート付近で僅かに模様がある 3…表面に少し模様がある 2…表面積の30%以上にはっきりとした模様がある 1…表面積の50%以上にはっきりとした模様がある 表面剥離 5…剥離は全くない 4…ゲート付近で僅かに剥離がある 3…成形品の角に少し剥離がある 2…表面積の30%以上が剥離している 1…表面積の50%以上が剥離している (5)溶融フロー温度 (B) 成分について、直径1mmのノズルを付けたフローテ
スター(島津製作所(株)製)中にペレットを充填し、
500kgの荷重をかけて温度を上昇させ、流動を開始した
温度を測定した。
【0012】実施例1〜12 ポリアセタール樹脂(A) に各種ポリアルキレンテレフタ
レート(B) 、および各種コアシェルポリマー(C) および
/またはイソシアネート系化合物(D) を表1に示す組成
で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて混合後、30mm二
軸押出機を用いて、溶融混練し、ペレット状の組成物を
調製した。次いでこのペレットから、射出成形機を用い
て前述の成形条件にて試験片を成形し、印刷性、その他
の特性を測定し、評価した。その結果を表1に示す。
尚、印刷部の摩耗耐久性の評価では、異常は認められな
かった。
【0013】比較例1〜4 表1に示すように、ポリアセタール樹脂(A) 単独、又は
ポリアルキレンテレフタレート(B) 、コアシェルポリマ
ー(C) 、イソシアネート系化合物(D) の何れか1成分を
ポリアセタール樹脂に添加したものについて、実施例1
と同様に組成物を調製し、評価した。その結果を表1に
示す。
【0014】尚、印刷部の摩耗耐久性の評価では、異常
は認められなかった。
【0015】
【表1】
【0016】*a 表面剥離がひどく印刷評価不可 注−1) B−1:イソフタル酸を全酸成分に対し30モル%共重合
した変性ポリブチレンテレフタレート 溶融フロー温度= 160℃、IV=0.5 B−2:イソフタル酸を全酸成分に対し12.5モル%共重
合した変性ポリブチレンテレフタレート 溶融フロー温度= 205℃、IV=0.7 B−3:1,4 −シクロヘキサンジメチロールを全ジオー
ル成分に対し10モル%、イソフタル酸を全酸成分に対し
20モル%共重合した変性ポリエチレンテレフタレート 溶融フロー温度= 150℃、IV=0.7 B−4:全ジオール成分に対し1,4 −シクロヘキサンジ
メチロール32.0モル%、ジエチレングリコール3.0 モル
%、エチレングリコール65.0モル%で共重合した変性ポ
リエチレンテレフタレート 溶融フロー温度= 146℃、IV=0.6 B−5:イソフタル酸を全酸成分に対し30モル%共重合
した変性ポリエチレンテレフタレート 溶融フロー温度= 155℃、IV=0.6 注−2) C−1:アクリルコアシェルポリマー コア/シェル比 70:30 コア部組成 エチルアクリレート 2% ブチルアクリレート 87% メチルメタクリレート 10% 架橋モノマー 1% シェル部組成 エチルアクリレート 10% メチルメタクリレート 89% 架橋モノマー等 1% C−2:アクリルコアシェルポリマー コア/シェル比 70:30 コア部組成 エチルアクリレート 2% ブチルアクリレート 87% メチルメタクリレート 10% 架橋モノマー 1% シェル部組成 エチルアクリレート 10% メチルメタクリレート 44% スチレン 30% ヒドロキシエチルメタクリレート 15% 架橋モノマー等 1% 注−3) D−1:イソホロンジイソシアネート(三量体) D−2:4,4'−メチレンビス(フェニルイソシアネー
ト)
【0017】
【発明の効果】以上の説明および実施例により明らかな
ように、ポリアセタール樹脂に、特定のポリアルキレン
テレフタレート系共重合体および特定のコアシェルポリ
マーおよび/またはイソシアネート系化合物を配合した
組成物の成形品を被印刷基体とする事によって、ポリア
セタール単独の樹脂成形品に比べて著しく含浸印刷性が
改良され、鮮明で、インキの密着性が良く、加熱処理な
どによるインキの滲みが著しく少なく、磨耗耐久性にも
優れた含浸印刷成形品を得る事が可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−296557(JP,A) 特開 平2−269138(JP,A) 特開 昭63−98482(JP,A) 特開 平6−25508(JP,A) 特開 平2−191614(JP,A) 特開 平1−268761(JP,A) 特開 平5−179103(JP,A) 実開 昭61−190630(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 C08J 7/04 C08L 1/00 - 101/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ポリアセタール樹脂 100重量部に、
    (B) 溶融フロー温度が210 ℃以下のポリアルキレンテレ
    フタレート系共重合体1〜100 重量部、および(C) ゴム
    状ポリマーのコアとビニル系共重合体からなるポリマー
    のシェルを有するコアシェルポリマーおよび/または
    (D) イソシアネートあるいはイソチオシアネート化合物
    もしくはそれらの変性体 0.1〜15重量部を添加配合して
    なるポリアセタール樹脂組成物の成形品に含浸印刷を施
    してなることを特徴とする含浸印刷の施された成形品。
  2. 【請求項2】 (B) ポリアルキレンテレフタレート系共
    重合体の構成酸成分が、テレフタル酸あるいはその一部
    がイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸
    の一種以上で置換されたものである請求項1記載の含浸
    印刷の施された成形品。
  3. 【請求項3】 (B) ポリアルキレンテレフタレート系共
    重合体の構成ジオール成分が、1,4 −ブタンジオール、
    エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4 −シ
    クロヘキサンジメチロールの一種以上で置換されたもの
    である請求項1又は2記載の含浸印刷の施された成形
    品。
  4. 【請求項4】 (B) ポリアルキレンテレフタレート系共
    重合体が、90〜60mol %のテレフタル酸と10〜40 mol%
    のイソフタル酸からなる酸成分と、ブタンジオールとを
    共重合したコポリエステルである請求項1〜3の何れか
    1項記載の含浸印刷の施された成形品。
  5. 【請求項5】 (B) ポリアルキレンテレフタレート系共
    重合体が、100 〜60mol %のテレフタル酸と0〜40 mol
    %のイソフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコー
    ル100 〜60 mol%と1,4 −シクロヘキサンジメチロール
    および/またはジエチレングリコール0〜40mol %を併
    用したジオール成分とを共重合したコポリエステルであ
    る請求項1〜3の何れか1項記載の含浸印刷の施された
    成形品。
  6. 【請求項6】 (C) コアシェルポリマーのシェル部がア
    ルキル(メタ)アクリレートである請求項1〜5の何れ
    か1項記載の含浸印刷の施された成形品。
  7. 【請求項7】 (C) コアシェルポリマーのシェル部がヒ
    ドロキシエチルアクリレートまたはグリシジルメタクリ
    レートである請求項1〜6の何れか1項記載の含浸印刷
    の施された成形品。
  8. 【請求項8】 (D) イソシアネートあるいはイソチオシ
    アネート化合物もしくはそれらの変性体が、ジイソシア
    ネートあるいはジイソチオシアネート化合物もしくはそ
    れらの二量体、三量体である請求項1〜7の何れか1項
    記載の含浸印刷の施された成形品。
JP23559594A 1993-10-12 1994-09-29 含浸印刷の施されたポリアセタール樹脂成形品 Expired - Fee Related JP3436802B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23559594A JP3436802B2 (ja) 1993-10-12 1994-09-29 含浸印刷の施されたポリアセタール樹脂成形品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-253995 1993-10-12
JP25399593 1993-10-12
JP23559594A JP3436802B2 (ja) 1993-10-12 1994-09-29 含浸印刷の施されたポリアセタール樹脂成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07165935A JPH07165935A (ja) 1995-06-27
JP3436802B2 true JP3436802B2 (ja) 2003-08-18

Family

ID=26532217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23559594A Expired - Fee Related JP3436802B2 (ja) 1993-10-12 1994-09-29 含浸印刷の施されたポリアセタール樹脂成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3436802B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4934310B2 (ja) * 2005-10-19 2012-05-16 リケンテクノス株式会社 樹脂組成物、これを用いたカレンダー成形用樹脂組成物およびシート
JP5468187B2 (ja) * 2006-09-26 2014-04-09 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07165935A (ja) 1995-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0694874B1 (en) Biodegradable cards
US4806588A (en) Polyester resin composition
GB1580348A (en) Filler reinforced moulding compositions
JP2001514283A (ja) ジオールラテックス組成物
JPS60231757A (ja) ポリエステル組成物
EP0443757A2 (en) Low temperature toughened thermoplastic polymer blend compositions
JPH0733462B2 (ja) 印刷可能なポリアセタ−ル組成物
EP0248352A2 (en) Polyester-based shock-resistant compositions and process for their preparation
JP3436802B2 (ja) 含浸印刷の施されたポリアセタール樹脂成形品
JP2000169680A (ja) ポリエステル樹脂カード材料
JP3137395B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
US4742130A (en) Polyethylene terephthalate resin composition
EP0300573B1 (en) Molded article comprising a weather-resistant polyoxymethylene composition
KR0120106B1 (ko) 폴리아세탈 수지조성물
JP2001518527A (ja) 改質縮合ポリマー
JP4369037B2 (ja) エレクトロニクス分野の搬送用冶具
JP2976453B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2935369B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形品の印刷方法および印刷の施された成形品
JP3290327B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JP3257854B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JPH0693252A (ja) ポリカプロラクトン系制電性付与剤
JP3407346B2 (ja) 自動車用ファスナー
EP0443756A2 (en) Heat resistant thermoplastic polymer blends
JPS61283651A (ja) キートップ部品
JPH08217951A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees