JP2000204222A - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその成形品

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JP2000204222A
JP2000204222A JP11007248A JP724899A JP2000204222A JP 2000204222 A JP2000204222 A JP 2000204222A JP 11007248 A JP11007248 A JP 11007248A JP 724899 A JP724899 A JP 724899A JP 2000204222 A JP2000204222 A JP 2000204222A
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vinyl cyanide
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Shusuke Tanaka
秀典 田中
Kozo Kitano
幸三 北野
Akihiro Omura
昭洋 大村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建材または家具材としてあるいはその一部分の
装飾材とした、押出成形用樹脂材料として要求される流
動性、耐衝撃性のバランスに優れ、かつ押出成形性、形
体の安定性に優れた押出成形用熱可塑性樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】特定の分子量を有する(メタ)アクリル酸
エステル共重合体を特定の割合でゴム含有グラフト共重
合体、シアン化ビニル系共重合、無機フィラーと配合し
た押出成形用熱可塑性樹脂塑性物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性、耐衝撃性
のバランスに優れ、かつ押出成形性、形体の安定性に優
れた押出成形用熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂に無機フィラーを配
合することはよく知られており、特に住宅建材におい
て、木材に押出成形品を接合してなる複合建材用途とし
て使用されてきた。該樹脂としては塩化ビニルおよび塩
化ビニルに炭酸カルシウムを充填した複合材が主として
使用されてきた。ABS樹脂においても無機フィラーを
配合した樹脂組成物が開発されており、特に耐衝撃性に
優れた射出成形および押出成形用熱可塑性樹脂組成物が
提案されている(特開昭52−82942号公報)が、
押出成形性、耐衝撃性が十分でない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の分子量を
有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を特定の割
合でゴム含有グラフト共重合体、シアン化ビニル系共重
合体、無機フィラーと配合し、流動性、耐衝撃性のバラ
ンスに優れ、かつ押出成形性、形体の安定性に優れた樹
脂組成物を見出し、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ゴム
質重合体(a)の存在下にシアン化ビニル系単量体
(b)、芳香族ビニル系単量体(c)およびこれらと共
重合可能な他のビニル系単量体(d)から選ばれる少な
くとも1種以上の単量体をグラフトしてなるゴム含有グ
ラフト共重合体(I)10〜50重量部、シアン化ビニ
ル系単量体(b)10〜45重量%および芳香族ビニル
系単量体(c)90〜55重量%からなるシアン化ビニ
ル系共重合体(II)30〜80重量部、および無機フ
ィラ− (III)5〜50重量部からなる(I)+
(II)+(III)=100重量部に対して、重量平
均分子量が1.0×105 〜4.0×105 の(メタ)
アクリル酸エステル共重合体(IV)0.5〜10重量
部を配合した押出成形用熱可塑性樹脂組成物、および該
熱可塑性樹脂組成物を押出成形してなる成形品に関す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるゴム含有グラフト
共重合体(I)に用いるゴム質重合体(a)としては,
ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴムなどで
あり、具体例としては、ポリブタジエン、ポリ(ブタジ
エン−スチレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリ
ル)、ポリイソプレン、ポリ(ブタジエン−アクリル酸
ブチル)、ポリ(ブタジエン−アクリル酸メチル)、ポ
リ(ブタジエン−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリ
ル酸ブチル−メタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン
−アクリル酸エチル)、エチレン−プロピレンラバー、
エチレン−プロピレン−ジエンラバー、ポリ(エチレン
−イソブチレン)、ポリ(エチレン−アクリル酸メチ
ル)などが挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種
または2種以上の混合物で使用される。これらのゴム質
重合体のうち、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン−ス
チレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、エ
チレン−プロピレンラバーが耐衝撃性の点で特に好まし
く用いられる。
【0006】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)、およびシアン化ビニル系共重合体(II)に用
いるシアン化ビニル系単量体(b)の具体例としてはア
クリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどが挙げら
れ、1種または2種以上用いることができる。中でもア
クリロニトリルが耐熱性の面で特に好ましい。なお、ゴ
ム含有グラフト共重合体(I)で用いるシアン化ビニル
系単量体(b)、シアン化ビニル系共重合体(II)で
用いるシアン化ビニル系単量体(b)は同一でも異なっ
ても良い。
【0007】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)、およびシアン化ビニル系共重合体(II)に用
いる芳香族ビニル系単量体(c)の具体例としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、オルソメチルスチレン、
パラメチルスチレン、パラ−t−ブチルスチレンおよび
ハロゲン化スチレンなどが挙げられ、1種または2種以
上用いることができる。なかでもスチレン、α−メチル
スチレンが成形加工性の面で特に好ましく、さらにスチ
レンが好ましい。なお、ゴム含有グラフト共重合体
(I)で用いる芳香族ビニル系単量体(c)、シアン化
ビニル系共重合体(II)で用いる芳香族ビニル系単量
体(c)は同一でも異なっても良い。
【0008】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)に用いる共重合可能な他のビニル系単量体(d)
の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸などの不
飽和カルボン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステ
ル類、および無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水
アコニット酸などの不飽和カルボン酸無水物などを挙げ
ることができ、なかでもメタクリル酸メチルが成形加工
性の面で好ましい。
【0009】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)におけるゴム質重合体(a)の含有率は、耐衝撃
性の点で10〜80重量%が好ましく、40〜70重量
%がさらに好ましい。また、ゴム含有グラフト共重合体
(I)におけるシアン化ビニル系単量体(b)の含有率
は、5〜70重量%が色調安定性の点で好ましく、さら
には10〜60重量%が好ましい。さらに、ゴム含有グ
ラフト共重合体(I)における芳香族ビニル系単量体
(c)の含有率は、10〜80重量%が色調安定性の点
で好ましく、さらには20〜70重量%が好ましい。
【0010】またグラフト率は10〜80重量%が、グ
ラフト成分の共重合体の還元粘度は、0.2〜0.8d
l/gが耐衝撃性の点で好ましい。
【0011】本発明におけるシアン化ビニル系共重合体
(II)の単量体成分の構成単位は、シアン化ビニル系
単量体(b)10〜45重量%、芳香族ビニル系単量体
(c)90〜55重量%である。好ましくは、シアン化
ビニル系単量体(b)20〜40重量%、芳香族ビニル
系単量体(c)80〜60重量%である。シアン化ビニ
ル系単量体(b)が10重量%未満であり、芳香族ビニ
ル系単量体(c)が90重量%を越えると耐衝撃性が十
分でない。また、シアン化ビニル系単量体(b)が45
重量%を越え、芳香族ビニル系単量体(c)が55重量
%未満であると色調安定性が低下する。
【0012】また、ビニル系共重合体(II)の分子量
としては特に制限がないが、還元粘度が0.30〜0.
90dl/g、特に0.35〜0.85dl/gの範囲
のものが、耐衝撃性、流動性の点から好ましく用いられ
る。
【0013】本発明において使用する無機フィラー(I
II)としては、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、ガ
ラス繊維、炭素繊維など、熱可塑性樹脂に一般的に用い
られる無機フィラーが用いられ、中でも炭酸カルシウム
が好ましく用いられる。さらに比表面積7000cm2
/g以上の炭酸カルシウムが衝撃強度、線膨張係数、寸
法安定性の点からより好ましい。
【0014】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ゴ
ム含有グラフト共重合体(I)、シアン化ビニル系共重
合体(II)、および無機フィラー(III)の配合割
合は、ゴム含有グラフト共重合体(I)10〜50重量
部、シアン化ビニル系共重合体(II)30〜80重量
部、無機フィラー(III)5〜50重量部であること
が必要である。ゴム含有グラフト共重合体(I)が10
重量部未満だと衝撃強度が十分ではなく、50重量部を
越えると成形品表面外観が劣る。シアン化ビニル系共重
合体(II)が30重量部未満だと成形品表面外観が十
分ではなく、80重量部を越えると衝撃強度が劣る。無
機フィラー(III)が5重量部未満だと目的とする線
膨張係数のものが得られなく、50重量部を越えると衝
撃強度が大幅に低下する。
【0015】本発明における(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体(IV)の具体例としては、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−2プルピ
ル、メタクリル酸n−ブチルなどが上げられるが、中で
もメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。これらは
単独ないしは2種以上を共重合して用いることができ
る。
【0016】本発明における(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体(IV)の配合割合は、(I)+(II)+
(III)=100重量部に対して0.5〜10重量部
であり、好ましくは1〜5重量部である。(メタ)アク
リル酸エステル共重合体 (IV)が 0.5部未満で
あると、樹脂の離型性低下により押出成形性、形体の安
定性が劣り(寸法、肉厚、屈曲、湾曲等)、10重量部
を越えると耐衝撃性がやや低下するとともに、線膨張係
数が大きくなる。
【0017】本発明における(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体(IV)の重量平均分子量は、1.0×10
5 〜4.0×105 であるることが必要であり、好まし
くは1.5×105〜3.0×105である。重量平均分
子量が4.0×105 を越えると流動性が低下し押出成
形性、形体の安定性が劣り、1.0×105 未満である
と押出成形性、形体の安定性が劣る。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、流動性、
耐衝撃性のバランスに優れ、かつ押出成形性、形体の安
定性に優れるため、建材または家具材としてあるいはそ
の一部分の装飾材として適した材料である。
【0019】本発明においては、さらに必要に応じて
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4、
4´−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)などのフェノール系酸化防止剤、トリス
(ミックスド、モノおよびジノニルフェニル)ホスファ
イト、ジフェニル・イソデシルホスファイトなどのリン
系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピネート、ジミリ
スチルチオジプロピネートジアステリアルチオジプロピ
ネートなどのイオウ系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4
−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外線
吸収剤、ビス(2、2、6、6、−テトラメチル−4−
ピペリジニル)などの光安定剤、ヒドロキシルアルキル
アミン、スルホン酸塩などの帯電防止剤、ポリエーテル
エステルアミドなどの制電樹脂、エチレンビスステアリ
ルアミドなどの滑剤、、テトラブロモビスフェノール
A、デカブロモジフェニールオキサイド、TBAエポキ
シオリゴマー、TBAポリカーボネートオリゴマー、三
酸化アンチモンなどの難燃剤、着色剤なども添加するこ
とも可能である。
【0020】以下、本発明の押出成形用熱可塑性樹脂組
成物の製造方法例について述べる。
【0021】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)、ビニル系共重合体(II)の製造方法について
は特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合
法、溶液重合法ならびにそれらの組み合わせによる重合
法により製造することができる。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物の配合・溶融
押出しについては特に制限はなく、通常公知の方法を採
用することができる。例えばリボンブレンダー、V型ブ
レンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機や単軸押出
機、2軸押出機などの押出機、バンバリーミキサー、混
合ロール、加圧ニーダー等を使用した混練処理を採用す
ることができる。
【0023】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例および比較例を挙げて説明するが、これら実
施例は本発明を限定するものではない。参考例、実施
例、比較例中の部、%はそれぞれ重量部、重量%を表
す。なお各物性値は、下記の試験法により求めた。 (1)還元粘度(ηsp/c) ウベローデ粘度計を使用し、測定温度30℃、試料濃度
0.4g/dlのメチルエチルケトン溶液より測定し
た。
【0024】(2)グラフト率 グラフト共重合体所定量(m)にアセトンを加え、3時
間還流し、この溶液を8800r.p.m.(1000
0G)で40分間遠心分離後、不溶分を濾過し、この不
溶分を60℃で5時間減圧乾燥し、重量(n)を測定
し、下記式より算出した。 グラフト率(%)=[{(n)−(m)×L}/
{(m)×L}]×100 ここで、Lはグラフト共重合体のゴム含有率である。
【0025】(3)シアン化ビニル系共重合体(II)
中のシアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量
体の含有率 30μm程度のフィルム状の試料をFT−IR分析によ
り求めた。
【0026】(4)比表面積 島津式粉体比表面積測定器にて、資料3gを2cm2×
1cmの試料筒に充填し、500mm水柱で5ccの空
気透過時間より測定した。
【0027】(5)12.7mmtノッチ付きアイゾット衝撃
強度および3.0mmtノッチなしアイゾット衝撃強度 押出成形用熱可塑性樹脂組成物の射出成形品について、
ASTM D256に準じて測定した。
【0028】(6)流動性(MFR) ISO 1133に準じて、220℃、98N荷重で測
定した。
【0029】(7)線膨張係数 JIS K7197に準じて測定した。ASTM 1号
ダンベルの中央部分を切削して、3mm×5mm×10
mmの試験片を作成し、昇温速度は2℃/minで行
い、30℃〜70℃の平均値で求めた。
【0030】(8)成形品外観 押出成形品を目視検査により判定した。表面が平滑なも
のを○、表面があれ平滑性が劣るものを×と判定した。
【0031】(9)成形品の形体の安定性 押出成形品を目視検査により判定した。寸法、肉厚が均
一であり、屈曲、湾曲等の程度で形体の安定性良好なも
のを○、成形品の形体の安定性が劣るものを×と判定し
た。
【0032】以下、実施例および比較例を示す。
【0033】参考例1 ゴム含有グラフト共重合体
(I)の製造 窒素置換した反応器に純水120部、ブドウ糖0.5
部、ピロリン酸ナトリウム0.5部、硫酸第一鉄0.0
05部およびポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径
0.3μm,ゲル含有率85%)50部(固形分換算)
を仕込み、撹拌しながら反応器内の温度を65℃に昇温
した。内温が65℃に達した時点を重合開始としてモノ
マ(スチレン35部,アクリロニトリル15部)および
t−ドデシルメルカプタン0.3部からなる混合物を5
時間かけて連続滴下した。同時に並行してクメンハイド
ロパーオキサイド0.25部,オレイン酸カリウム2.
5部および純水25部からなる水溶液を7時間かけて連
続滴下し、反応を完結させた。得られたグラフト共重合
体ラテックスを硫酸で凝固し、苛性ソ−ダで中和後、洗
浄、濾過、乾燥してゴム含有グラフト共重合体(I)を
得た。このグラフト共重合体(I)のグラフト率は45
%、樹脂成分のηsp/cは0.68dl/gであっ
た。
【0034】参考例2 シアン化ビニル系共重合体(I
I)の製造 容量が20Lで、バッフルおよびファウドラ型攪拌翼を
備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メ
チル/アクリルアミド共重合体(特公昭45−2415
1号公報記載)0.05部をイオン交換水165部に溶
解した溶液を400rpmで攪拌し、系内を窒素ガスで
置換した。次にアクリロニトリル32部、スチレン4.
0部、t−ドデシルメルカプタン0.46部、2,2’
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3
9部,2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.05
部の混合溶液を反応系を攪拌しながら添加し、58℃に
昇温し重合を開始した。重合開始から15分が経過した
後オートクレーブ上部に備え付けた供給ポンプからのス
チレン64部を110分かけて添加した。この間、反応
温度を65℃まで昇温した。スチレンの反応系への添加
終了後、50分かけて100℃まで昇温した。以降は、
通常の方法に従って、反応系の冷却、ポリマーの分離、
洗浄、乾燥を行ない、アクリロニトリル31重量%、ス
チレン69重量%のシアン化ビニル系共重合体(II)
を得た。このシアン化ビニル系共重合体(II)のηs
p/cは0.55dl/gであった。
【0035】参考例3 無機フィラー(III) A:炭酸カルシウム(比表面積 2700cm2
g) B:炭酸カルシウム(比表面積 5700cm2
g) C:炭酸カルシウム(比表面積 12000cm2
g) D:炭酸カルシウム(比表面積 22000cm2
g) E:炭酸カルシウム(比表面積 80000cm2
g) 参考例4 (メタ)アクリル酸エステル共重合体(I
V) A:メタブレン”L1000(三菱レイヨン社製) 重量平均分子量=2.7×105 B:メタブレン”P501A(三菱レイヨン社製) 重量平均分子量=8.0×105 C:メタブレン”P530A(三菱レイヨン社製) 重量平均分子量=3.1×106 D:メタブレン”P710 (三菱レイヨン社製) 重量平均分子量=7.0×104 実施例1〜11および比較例1〜11 参考例記載のゴム含有グラフト共重合体(I)、シアン
化ビニル系共重合体(II)、無機フィラー(III)
および(メタ)アクリル酸エステル共重合体(IV)を
表1に示す配合割合にてヘンシェルミキサーで混練後、
30mmφ 2軸押出機によりコンパウンドし、熱可塑
性樹脂組成物を得た。得られた組成物を射出成形により
組成物の試験片を作成し、12.7mmtノッチ付きア
イゾット衝撃強度、3.0mmtノッチなしアイゾッド
衝撃強度、線膨張係数を測定し、その測定値を表2に示
した。また、押出成形により縦40mm、横40mm、
肉厚2mmのL字型の製品を製造し、その成形表面外観
および成形性、形体の安定性の結果も表2に示した。
【0036】実施例および比較例から、本発明の押出成
形用熱可塑性樹脂組成物は、流動性、耐衝撃性のバラン
スに優れ、かつ成形性、形体の安定性に優れていること
がわかる。これは特定の添加剤を特定の割合で配合する
ことにより初めて実現されるものである。
【0037】比較例1、2について、無機フィラー(I
II)の配合割合が5重量部を下回ると線膨張係数が大
きくなり、50重量部を越えると耐衝撃性が極端に低下
した。比較例3、4について、ゴム含有グラフト共重合
体(I)の配合割合が10重量部を下回ると耐衝撃性が
低下し、50重量部を越えると成形品表面外観が低下し
た。比較例5、6について、(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体(IV)の添加量が0.5重量部を下回る
と、成形時の形体の安定性および成形品表面外観が低下
した。また(メタ)アクリル酸エステル共重合体(I
V)の添加量が10重量部を越えると、線膨張係数が大
きくなった。比較例7、8、9について、(メタ)アク
リル酸エステル共重合体(IV)の重量平均分子量
(8.0×105および3.1×106 )の大きいもの
を配合すると、重量平均分子量が大きいほど流動性が低
下し、押出成形性、形体の安定性が劣り、重量平均分子
量(7.0×104 )の小さいものを配合すると押出成
形性、形体の安定性が劣った。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特定の
添加剤を特定の割合で配合することにより、流動性、耐
衝撃性のバランスに優れ、押出成形性、形体の安定性に
優れている押出成形用熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、これらの
特徴をいかして押出成形加工用途に供されるが、特に建
材または家具材としてあるいはその一部分の装飾材とし
た、押出成形用樹脂材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 55/02 25:12) B29K 25:00 55:02 C08L 33:06 Fターム(参考) 4F207 AA14L AA21E AA45G AB11 AB16 AH46 KA01 KF01 KF02 4J002 BC06W BC08W BC09W BC11W BG053 BN06X BN12X BN13X BN14X BN15X DA016 DE236 DJ046 DJ056 DL006 FA046 FD016

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム質重合体(a)の存在下にシアン化ビ
    ニル系単量体(b)、芳香族ビニル系単量体(c)およ
    びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体(d)から
    選ばれる少なくとも1種以上の単量体をグラフトしてな
    るゴム含有グラフト共重合体(I)10〜50重量部、
    シアン化ビニル系単量体(b)10〜45重量%および
    芳香族ビニル系単量体(c)90〜55重量%からなる
    シアン化ビニル系共重合体(II)30〜80重量部、
    および無機フィラー(III)5〜50重量部からなる
    (I)+(II)+(III)=100重量部に対し
    て、重量平均分子量が1.0×105 〜4.0×105
    の(メタ)アクリル酸エステル共重合体(IV)0.5
    〜10重量部を配合した熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】無機フィラー(III)が比表面積700
    0cm2 /g以上の炭酸カルシウムである請求項1記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成
    物を押出成形してなる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008291158A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Asahi Kasei Chemicals Corp 耐傷付性、意匠性及び耐衝撃性に優れる熱可塑性樹脂組成物
JP2010070760A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Lg Chem Ltd 難燃性、着色性、及び耐スクラッチ性に優れる熱可塑性樹脂組成物
JP2012062485A (ja) * 2011-12-13 2012-03-29 Asahi Kasei Chemicals Corp 耐傷付性、意匠性及び耐衝撃性に優れる熱可塑性樹脂組成物からなる白色系成形品

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