JPH101581A - ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるブロー成形品 - Google Patents

ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるブロー成形品

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JPH101581A
JPH101581A JP15362196A JP15362196A JPH101581A JP H101581 A JPH101581 A JP H101581A JP 15362196 A JP15362196 A JP 15362196A JP 15362196 A JP15362196 A JP 15362196A JP H101581 A JPH101581 A JP H101581A
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copolymer
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blow molding
resin composition
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JP15362196A
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English (en)
Inventor
Tousuke Hirata
東介 平田
Kazuyoshi Miyama
一義 深山
Keiji Nakagawa
啓次 中川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、自動車・2輪用大型中空樹脂
部品、住宅用大型中空樹脂部品、電気機器用大型中空樹
脂部品用樹脂材料として要求される耐衝撃性、ブロー成
形加工性、艶消し性のバランスに優れたブロー成形用熱
可塑性樹脂組成物およびそれからなるブロー成形品の提
供にある。 【解決手段】ゴム含有グラフト共重合体、特定の還元粘
度を有するシアン化ビニル系共重合体、特定の反応基を
有する共重合体と特定の構造を有する化合物およびゴム
質凝集体、ビニル系共重合体を特定割合で組み合わせる
ことを特徴とするブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およ
びそれからなるブロー成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、ブロー
成形加工性、艶消し性のバランスに優れたブロー成形用
熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体樹脂(ABS樹脂)は耐衝撃性、成形加工性
のバランスに優れ、射出成形用樹脂として広く使われて
いる。近年、ブロー成形によって大型中空樹脂製品を得
る技術が注目されており、ABS樹脂においてもブロー
成形に適した樹脂組成物が開発されている。製品の光沢
度を低下させた、いわゆる艶消し性を要求される製品を
得ようとすれば、ブロー成形用金型の表面をシボ面化す
る必要があった。しかし、このようなブロー成形用金型
は高価なばかりでなく、大型中空樹脂製品をブロー成形
法により得るには、パリソンのドローダウンを防止する
ために、樹脂組成物の溶融粘度を高くすると、金型転写
性が劣り、十分な艶消し性が得られなかった。本発明は
このように耐衝撃性、ブロー成形加工性、艶消し性のバ
ランスに優れたブロー成形用熱可塑性樹脂組成物に関す
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決することを目的として鋭意検討した結果、ゴム
含有グラフト共重合体、特定の還元粘度を有するシアン
化ビニル系共重合体、特定の反応基を有する共重合体と
特定の構造を有する化合物およびゴム質凝集体、ビニル
系共重合体を特定割合で組み合わせることにより、耐衝
撃性、ブロー成形加工性、艶消し性のバランスに優れた
ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物を見出し、本発明に到
達した。
【0004】
【発明が解決するための手段】すなわち本発明の目的
は、ゴム質重合体(a)20〜80重量部の存在下にシ
アン化ビニル系単量体(b)5〜50重量%、芳香族ビ
ニル系単量体(c)10〜90重量%および不飽和カル
ボン酸アルキルエステル(d)0〜80重量%からなる
単量体混合物80〜20重量部を重合してなるゴム含有
グラフト共重合体(I)10〜50重量部、シアン化ビ
ニル系単量体(b)15〜55重量%および芳香族ビニ
ル系単量体(c)85〜45重量%からなり、還元粘度
が0.5〜1.5dl/gであるシアン化ビニル系共重
合体(II)10〜80重量部、シアン化ビニル系単量体
(b)5〜50重量%、芳香族ビニル系単量体(c)1
0〜90重量%およびエチレン性不飽和カルボン酸
(e)1〜10重量%からなるカルボキシル基含有共重
合体(III)1〜15重量部、式1で表わされる化合物
(IV)0.01〜10重量部、ゴム質凝集体(V)0〜
30重量部およびシアン化ビニル系単量体(b)5〜3
0重量%,芳香族ビニル系単量体(c)75〜45重量
%およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体
(f)0〜60重量%からなるビニル系共重合体(VI)
0〜50重量部からなり、ゴム含有グラフト共重合体
(I)、シアン化ビニル系共重合体(II)、カルボキシ
ル基含有共重合体(III)、化合物(IV)、ゴム質凝集
体(V)およびビニル系共重合体(VI)の合計が1 00
重量部であることを特徴とするブロー成形用熱可塑性樹
脂組成物によって達成できる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるゴム含有グラフト
共重合体(I)に用いるゴム質重合体(a)としては,
ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴムなどで
あり、具体例としては、ポリブタジエン、ポリ(ブタジ
エン−スチレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリ
ル)、ポリイソプレン、ポリ(ブタジエン−アクリル酸
ブチル)、ポリ(ブタジエン−アクリル酸メチル)、ポ
リ(ブタジエン−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリ
ル酸ブチル−メタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン
−アクリル酸エチル)、エチレン−プロピレンラバー、
エチレン−プロピレン−ジエンラバー、ポリ(エチレン
−イソブチレン)、ポリ(エチレン−アクリル酸メチ
ル)などが挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種
または2種以上の混合物で使用される。これらのゴム質
重合体のうち、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン−ス
チレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、エ
チレン−プロピレンラバーが耐衝撃性の点で特に好まし
く用いられる。
【0006】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)、シアン化ビニル系共重合体(II)、カルボキシ
ル基含有共重合体(III)およびビニル系共重合体(V
I)に用いるシアン化ビニル系単量体(b)の具体例と
してはアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなど
が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
中でもアクリロニトリルが耐衝撃性の点で特に好まし
い。
【0007】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)、シアン化ビニル系共重合体(II)、カルボキシ
ル基含有共重合体(III)およびビニル系共重合体(V
I)に用いる芳香族ビニル系単量体(c)の具体例とし
ては、スチレン,α−メチルスチレン,オルソメチルス
チレン,パラメチルスチレン,パラ−t−ブチルスチレ
ンおよびハロゲン化スチレンなどが挙げられ、1種また
は2種以上用いることができる。スチレン,α−メチル
スチレンが特に好ましく、さらに好ましくはスチレンが
良い。
【0008】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)に用いる不飽和カルボン酸アルキルエステル
(d)とは、炭素数1〜6のアルキル基または置換アル
キル基を持つアクリル酸エステルおよび/またはメタク
リル酸エステルが好適であり、1種または2種以上を用
いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸クロロメチルおよび(メタ)アクリル酸2−
クロロエチルなどが挙げられ、なかでも(メタ)アクリ
ル酸メチルが好ましく使用できる。
【0009】本発明におけるカルボキシル基含有共重合
体(III)に用いるエチレン性不飽和カルボン酸(e)
とは、カルボキシル基を持つ共重合可能なビニル系単量
体のことであり、具体的にはアクリル酸および/または
メタクリル酸が好適である。
【0010】本発明における化合物(IV)とは、式1で
表わされるものであり、
【化2】 式1中のR1、R2およびR3は互いに同一であっても
異なっていても良く、R1、R2およびR3は水素また
は炭素数が1〜26のアルキル基、アルケニル基、ヒド
ロキシルアルキル基、ヒドロキシルアルケニル基であ
り、Yは窒素またはCONで表わされる基である。具体
例としては、N、N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)ド
デシルアミン、N、N−ジヒドロキシエチルステアリル
アミン、N、N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)ドデカ
ンアミドおよびラウリン酸ジエタノールアミド、ウンデ
カン酸ジエタノールアミドなどが挙げられる。中でも
N、N−ジヒドロキシルエチルステアリルアミン、N、
N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)ドデカンアミドが好
ましい。
【0011】本発明におけるゴム質凝集体(V)とは、
ゴム質重合体の凝集体のことであり、ゴム質重合体とは
例えば本発明におけるゴム含有グラフト共重合体(I)
に用い るゴム質重合体(a)などがあり、ジエン系ゴ
ム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴムなどがある。具体
例としては、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン−スチ
レン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、ポリ
イソプレン、ポリ(ブタジエン−アクリル酸ブチル)、
ポリ(ブタジエン−アクリル酸メチル)、ポリ(ブタジ
エン−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸ブチル
−メタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン−アクリル
酸エチル)、エチレン−プロピレンラバー、エチレン−
プロピレン−ジエンラバー、ポリ(エチレン−イソブチ
レン)、ポリ(エチレン−アクリル酸メチル)などのゴ
ム質重合体の凝集体であり、1種または2種以上の混合
物で使用される。これらのゴム質凝集体のうち、ポリブ
タジエン、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)の凝
集体が艶消し性の点で特に好ましく用いられる。
【0012】本発明におけるビニル系共重合体(VI)に
用いる共重合可能な他のビニル系単量体(f)の具体例
としては、アクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,ア
クリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;
アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチルアクリ
ルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、マレイミ
ド,N−メチルマレイミド,N−フェニルマレイミドな
どのマレイミド類および無水マレイン酸、無水シトラコ
ン酸、無水アコニット酸などの不飽和カルボン酸無水物
などを挙げることができ、なかでもメタクリル酸メチ
ル、N−フェニルマレイミドがブロー成形加工性の点で
好ましい。
【0013】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)におけるゴム質重合体(a)の含有率は、20〜
80重量部である必要がある。20重量部未満だと得ら
れるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工
性が悪く、80重量部を越えると衝撃強度が低く好まし
くない。中でも30〜70重量部が好ましい。
【0014】また、ゴム含有グラフト共重合体(I)に
おける単量体混合物中のシアン化ビニル系単量体(b)
の割合は、5〜50重量%が必要である。5重量%未満
だと得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の衝撃強
度が低く好ましくない。また、50重量%を越えると、
ブロー成形加工性が悪く好ましくない。中でも10〜4
5重量%が好ましい。また、ゴム含有グラフト共重合体
(I)における単量体混 合物中の芳香族ビニル系単量体
(c)の割合は、10〜90重量%が必要である。10
重量%未満だと得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成
物のブロー成形加工性が悪く好ましくない。また90重
量%を越えると、衝撃強度が低く好ましくない。中でも
15〜85重量%が好ましい。
【0015】また、ゴム含有グラフト共重合体(I)に
おける単量体混合物中の不飽和カルボン酸アルキルエス
テル(d)は80重量%以下である必要がある。80重
量%を越えると得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成
物の衝撃強度が低く好ましくない。中でも75重量%以
下が好ましい。
【0016】またゴム含有グラフト共重合体(I)のグ
ラフト率は、特に制限はないが、10〜100重量%が
好ましい。また、グラフト成分の共重合体の還元粘度
は、特に制限はないが、0.2〜1.0dl/gが耐衝
撃性の点で好ましい。
【0017】本発明におけるシアン化ビニル系共重合体
(II)は、シアン化ビニル系単量体(b)15〜55重
量%、芳香族ビニル系単量体(c)85〜45重量%と
する必要がある。シアン化ビニル系単量体(b)が15
重量%未満であると、得られる共重合体を用いたブロー
成形用熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が不十分であり、
また55重量%を越えると、ブロー成形用熱可塑性樹脂
組成物のブロー成形加工性が低下するため好ましくな
い。また、芳香族ビニル系単量体(c)が45重量%未
満であると、得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
のブロー成形加工性が低下し、85重量%を越えると得
られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低
下するため好ましくない。中でも、シアン化ビニル系単
量体(b)20〜50重量%、芳香族ビニル系単量体
(c)80〜50重量%の範囲のものが特に好ましい。
【0018】また、本発明におけるシアン化ビニル系共
重合体(II)の還元粘度(ηsp/c)は、得られるブロー
成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工性の点か
ら、0.5〜1.5dl/gであること必要である。
0.5dl/g未満でも1.5dl/gを越えても、得
られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加
工性が著しく劣るため好ましくない。なかでも、還元粘
度(ηsp/c)0.6〜1.2dl/gが特に好ましい。
【0019】本発明におけるカルボキシル基含有共重合
体(III)は、シアン化ビニル系単量体(b)5〜50
重量%、芳香族ビニル系単量体(c)10〜90重量%
およびエチレン性不飽和カルボン酸(e)1〜10重量
%である。シアン化ビニル系単量体(b)が5重量%未
満だと得られる共重合体を用いたブロー成形用熱可塑性
樹脂組成物の耐衝撃性が十分でなく、また50重量%を
越えると、ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成
形加工性が悪化するため好ましくない。また、芳香族ビ
ニル系単量体(c)が10重量%未満であると、得られ
るブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工性
が劣り、90重量%を越えると得られるブロー成形用熱
可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低下するため好ましくな
い。また、エチレン性不飽和カルボン酸(e)が1重量
%未満であると、得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組
成物の艶消し性が低下し、10重量%を越えると得られ
るブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工性
が低下するため好ましくない。中でも、シアン化ビニル
系単量体(b)20〜45重量%、芳香族ビニル系単量
体(c)80〜50重量%、エチレン性不飽和カルボン
酸(e)2〜8重量%の範囲のものが特に好ましい。
【0020】本発明におけるビニル系共重合体(VI)は
シアン化ビニル系単量体(b)5〜30重量%、芳香族
ビニル系単量体(c)75〜45重量%およびこれらと
共重合可能な他のビニル系単量体(f)0〜60重量%
とする必要がある。シアン化ビニル系単量体(b)が5
重量%未満だと得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成
物の耐衝撃性が十分でなく、30重量%を越えると得ら
れるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工
性が悪化するため好ましくない。また、芳香族ビニル系
単量体(c)が45重量%未満だと得られるブロー成形
用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工性が劣り、75
重量%を越えると得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組
成物の耐衝撃性が十分でないため、好ましくない。ま
た、必要に応じて共重合可能な他のビニル系単量体
(f)を構成成分とすることができるが、60重量%を
越えると得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の耐
衝撃性を維持することが困難になるため、かかる共重合
可能な他のビニル系単量体(f)は0〜60重量%が必
要である。特に、シアン化ビニル系単量体(b)10〜
25重量%、芳香族ビニル系単量体(c)70〜50重
量%およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体
(f)0〜50重量%の範囲のものが好ましい。
【0021】本発明におけるメタクリル酸メチル/アク
リル酸n−ブチル共重合体のメタクリル酸メチルの含有
率が30重量%以上である必要がある。メタクリル酸メ
チルの含有率が30重量%未満だと得られるブロー成形
用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工性が劣るため好
ましくない。特にメタクリル酸メチルの含有率は40重
量%以上が好ましい。また、重量平均分子量が30万以
上である必要がある。30万未満だと得られるブロー成
形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工性が著しく劣
るため好ましくない。なかでも、重量平均分子量が50
万以上のものが特に好ましい本発明のブロー成形用熱可
塑性樹脂組成物において、ゴム含有グラフト共重合体
(I)、シアン化ビニル系共重合体(II)、カルボキシ
ル基含有共重合体(III)、化合物(IV)、ゴム質凝集
体(V)およびビニル系共重合体(VI)の配合割合 は、
ゴム含有グラフト共重合体(I)10〜50重量部、シ
アン化ビニル系共重 合体(II)10〜80重量部、カ
ルボキシル基含有共重合体(III)1〜15重 量部、化
合物(IV)0.01〜10重量部、ゴム質凝集体(V)
0〜30重量部 およびビニル系共重合体(VI)0〜5
0重量部であり、合計が100重量部である必要があ
る。
【0022】ゴム含有グラフト共重合体(I)が10重
量部未満だと得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
の衝撃強度が十分ではなく、50重量部をこえるとブロ
ー成形加工性が劣るため好ましくない。シアン化ビニル
系共重合体(II)が10重量部未満だと得られるブロー
成形用熱可塑性樹脂組成物の衝撃強度が十分ではなく、
80重量部を越えるとブロー成形加工性が劣るため好ま
しくない。カルボキシル基含有共重合体(III)が1重
量部未満だと得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
の艶消し性が十分ではなく、15重量部をこえるとブロ
ー成形加工性が劣るため好ましくない。化合物(IV)が
0.01重量部未満だと得られるブロー成形用熱可塑性
樹脂組成物の艶消し性が十分ではなく、10重量部をこ
えると衝撃強度が劣るため好ましくない。ゴム質凝集体
(V)が30重量部をこえるとブロー成形用熱可塑性樹
脂組成物のブロー成形加工性が劣るため好ましくない。
ビニル系共重合体(VI)が50重量部をこえるとブロー
成形用熱可塑性樹脂組成物の衝撃強度が劣るため好まし
くない。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂組成物100重量部
に対して、メタクリル酸メチルの含有率が30重量%以
上でありかつ重量平均分子量が30万以上であるメタク
リル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体0.1〜
5重量部を添加してブロー成形用熱可塑性樹脂組成物と
することができる。メタクリル酸メチル/アクリル酸n
−ブチル共重合体が0.1重量部未満だと得られるブロ
ー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形加工性が劣る
ため好ましくない。5重量部を越えると得られるブロー
成形用熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が劣るため好まし
くない。
【0024】本発明における自動車、2輪用大型中空樹
脂部品の具体例としてバンパー、エアースポイラー、ラ
ジエターグリル、スクーターハウジングなどがあり、住
宅用大型中空樹脂部品の具体例としてはパーテーショ
ン、机の天板、家具、浴槽サイドカバーなどがあり、電
気機器用大型中空樹脂部品としては電気冷蔵庫の扉、事
務機器などがあり、本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂
組成物が好適である。
【0025】本発明においては、さらに必要に応じて
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4、
4´−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)などのフェノール系酸化防止剤、トリス
(ミックスド、モノおよびジノニルフェニル)ホスファ
イト、ジフェニル・イソデシルホスファイトなどのリン
系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピネート、ジミリ
スチルチオジプロピネートジアステリアルチオジプロピ
ネートなどのイオウ系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4
−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外線
吸収剤、ビス(2、2、6、6、−テトラメチル−4−
ピペリジニル)などの光安定剤、ヒドロキシルアルキル
アミン、スルホン酸塩などの帯電防止剤、エチレンビス
ステアリルアミド、金属石鹸などの滑剤、ガラス繊維、
カーボン繊維などの無機充填材、テトラブロモビスフェ
ノールA、デカブロモジフェニールオキサイド、TBA
エポキシオリゴマー、TBAポリカーボネートオリゴマ
ー、三酸化アンチモンなどの難燃剤、着色剤なども添加
することも可能である。
【0026】本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
は耐衝撃性、ブロー成形加工性、艶消し性のハジランス
に優れているため、自動車・2輪用大型中空樹脂部品、
住宅用大型中空樹脂部品、電気機器用大型中空樹脂部品
に適している。
【0027】以下、本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂
組成物の製造方法例について述べる。本発明におけるゴ
ム含有グラフト共重合体(I)の製造方法については特
に制限 はなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合
法、溶液重合法ならびにそれらの組み合わせによる従来
公知の重合法により製造することができる。
【0028】本発明におるシアン化ビニル系共重合体
(II)、カルボキシル基含有共重合体(III)およびビ
ニル系共重合体(VI)の製造方法については特に制限は
なく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合
法ならびにそれらの組み合わせによる従来公知の重合法
により製造することができる。
【0029】本発明におるゴム質凝集体(V)の製造方
法については、乳化重合法、溶液重合法などの従来公知
の重合法により製造することができる。なかでも特に乳
化重合法が艶消し性の点で好ましい。
【0030】本発明におるメタクリル酸メチル/アクリ
ル酸n−ブチル共重合体の製造方法については、乳化重
合法、溶液重合法などの従来公知の重合法により製造す
ることができる。なかでも特に乳化重合法がブロー成形
加工性の点で好ましい。
【0031】本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
に関し、ゴム含有グラフト共重合体(I)、シアン化ビ
ニル系共重合体(II)、カルボキシル基含有共重合体
(III)、化合物(IV)、ゴム質凝集体(V)およびビニ
ル系共重合体(VI)の配合・溶融 押出しについては特
に制限はなく、通常公知の方法を採用することができ
る。ゴム含有グラフト共重合体(I)、シアン化ビニル
系共重合体(II)、カルボキシ ル基含有共重合体(II
I)、化合物(IV)、ゴム質凝集体(V)およびビニル系
共重合体(VI)の配合の際には、例えばリボンブレンダ
ー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いるこ
とができる。そして1軸押出機、2軸押出機などの押出
機、バンバリーミキサー、混合ロール、加圧ニーダー等
を使用した混練処理を採用することができる。
【0032】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例および比較例を挙げて説明するが、これら実
施例は本発明を限定するものではない。参考例、実施
例、比較例中の部、%はそれぞれ重量部、重量%を表
す。なお、得られたゴム含有グラフト共重合体(I)、
シアン化ビニル系共重合体(II)、カルボキシル基含有
共重合体(III)、ビニル系共重合体(VI)およびブロ
ー成形用熱可塑性樹脂組成物の各物性値は、下記の試験
法により求めた。
【0033】グラフト率:ゴム含有グラフト共重合体所
定量(M)にアセトンを加え、3時間還流し、この溶液
を40分間遠心分離後、不溶分を濾過し、この不溶分を
60℃で5時間減圧乾燥し、重量(N)を測定した。次
式によりグラフト率を求めた。ただし、式中Lはゴム含
有グラフト共重合体中のゴム含有率(%)である。
【0034】グラフト率(%)=100×(N−M×L
/100)/(M×L/100)
【0035】還元粘度(ηsp/c):ゴム含有グラフト
共重合体(I)は、上記グラフト率測定と同様の操作を
行い、アセトン可溶分を60℃で5時間減圧乾燥により
得る。このようにして得られたゴム含有グラフト共重合
体(I)のアセトン可溶成分、 シアン化ビニル系共重合
体(II)、カルボキシル基含有共重合体(III)および
ビニル系共重合体(VI)を試料濃度0.4g/dlのア
セトン溶液に調整し、ウベローデ粘度計を用いて、測定
温度30℃にて測定した。
【0036】重量平均分子量:WATERS社ゲル浸透
クロマトグラフGPC−244を用いて、次のような測
定条件でポリスチレンを基準に重量平均分子量を求め
た。
【0037】カラムTSK−gel−GMHXL、溶媒テ
トラヒドロフラン、流速1.0ml/分、23℃、試料濃
度0.1%、示差屈折率検出器。
【0038】
【0039】1/2インチ、ノッチ付きアイゾット衝撃
強度:ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の射出成形品に
ついて、ASTM D256に準じた。
【0040】艶消し性:得られたブロー成形品の光沢度
をスガ試験機(株)製デジタル変角光沢計UGV−5D
を用いて、入射角60°での反射率を測定した。
【0041】ブロー成形加工性:1.5mのパリソンが
30秒以上ドローダウンしなかったものを◎、15秒以
上ドローダウンしなかったものを○と判定した。また、
ドローダウンが激しかったもの又はメルトフラクチャー
を起こし均一な肉厚のパリソンが得られなかったものを
×と判定した。
【0042】以下、実施例および比較例を示す。 参考例1 ゴム含有グラフト共重合体(I)Aの製造 窒素置換した反応器に純水120部、ブドウ糖0.5
部、ピロリン酸ナトリウム0.5部、硫酸第一鉄0.0
05部およびポリブタジエンラテックス50部(固形分
換算)を仕込み、撹拌しながら反応器内の温度を65℃
に昇温した。内温が65℃に達した時点を重合開始とし
てスチレン35部,アクリロニトリル15部およびt−
ドデシルメルカプタン0.3部からなる混合物を5時間
かけて連続滴下した。同時に並行してクメンハイドロパ
ーオキサイド0.25部,オレイン酸カリウム2.5部
および純水25部からなる水溶液を7時間かけて連続滴
下し、反応を完結させた。得られたゴム含有グラフト共
重合体ラテックスを硫酸で凝固し、苛性ソ−ダで中和
後、洗浄、濾過、乾燥してゴム含有グラフト共重合体
(I)Aを得た。このゴム含有グラフト共重合体(I)A
のグラフト率、樹脂成分のηsp/cを表1に示した。
【0043】参考例2 ゴム含有グラフト共重合体
(I)Bの製造 参考例1の条件のうちポリブタジエンラテックス50部
(固形分換算)、アクリロニトリル12部、スチレン2
8部,メタクリル酸メチル10部に変えた以外は、参考
例1と同様に行い、表1記載のゴム含有グラフト共重合
体(I)Bを得た。
【0044】参考例3 ゴム含有グラフト共重合体
(I)Cの製造 参考例1の条件のうちポリブタジエンラテックス15部
(固形分換算)、アクリロニトリル25部、スチレン6
0部に変えた以外は、参考例1と同様に行い、表1記載
のゴム含有グラフト共重合体(I)Cを得た。
【0045】参考例4 ゴム含有グラフト共重合体
(I)Dの製造 参考例1の条件のうちポリブタジエンラテックス50部
(固形分換算)、アクリロニトリル28部、スチレン2
2部に変えた以外は、参考例1と同様に行い、表1記載
のゴム含有グラフト共重合体(I)Dを得た。
【0046】参考例5 シアン化ビニル系共重合体(I
I)aの製造 容量が20Lで、バッフルおよびファウドラ型攪拌翼を
備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メ
チル/アクリルアミド共重合体(特公昭45−2415
1号公報記載)0.05部をイオン交換水165部に溶
解した溶液を400rpmで攪拌し、系内を窒素ガスで
置換した。次にアクリロニトリル28部、スチレン72
部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.40部の混合溶液を反応
系を攪拌しながら添加し、60℃に昇温し重合を開始し
た。15分かけて反応温度を65℃まで昇温したのち、
50分かけて100℃まで昇温した。以降は、通常の方
法に従って、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾
燥を行ない、表2記載のシアン化ビニル系共重合体(I
I)aを得た。
【0047】参考例6 シアン化ビニル系共重合体(I
I)bの製造 参考例5の条件のうち、アクリロニトリル24部、スチ
レン76部、t−ドデシルメルカプタン0.25部にし
た以外は、参考例5と同様に重合を行い、表2記載のシ
アン化ビニル系共重合体(II)bを得た。
【0048】参考例7 シアン化ビニル系共重合体(I
I)cの製造 参考例5の条件のうち、t−ドデシルメルカプタンを
0.5部にした以外は、参考例5と同様に同様の方法で
重合を行い、表2記載のシアン化ビニル系共重合体(I
I)cを得た。
【0049】参考例8 シアン化ビニル系共重合体(I
I)dの製造 参考例5の条件のうち、アクリロニトリル10部、スチ
レン90部、t−ドデシルメルカプタンを0.13部と
し、あとは参考例5と同様の方法で重合を行い、表2記
載のシアン化ビニル系共重合体(II)dを得た。
【0050】参考例9 カルボキシル基含有共重合体
(III)イの製造 容量が20Lで、バッフルおよびファウドラ型攪拌翼を
備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メ
チル/アクリルアミド共重合体(特公昭45−2415
1号公報記載)0.05部をイオン交換水165部に溶
解した溶液を400rpmで攪拌し、系内を窒素ガスで
置換した。次にアクリロニトリル25部、スチレン70
部、メタクリル酸5部、t−ドデシルメルカプタン0.
3部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.40
部の混合溶液を反応系を攪拌しながら添加し、60℃に
昇温し重合を開始した。15分かけて反応温度を65℃
まで昇温したのち、50分かけて100℃まで昇温し
た。以降は、通常の方法に従って、反応系の冷却、ポリ
マーの分離、洗浄、乾燥を行ない、表3記載のシアン化
ビニル系共重合体(III)イを得た。
【0051】参考例10 カルボキシル基含有共重合体
(III)ロの製造 参考例9の条件のうち、アクリロニトリル20部、スチ
レン65部、メタクリル酸15部、t−ドデシルメルカ
プタン0.3部とし、あとは参考例9と同様の方法で重
合を行い、表3記載のカルボキシル基含有共重合体(II
I)ロを得た。
【0052】参考例11 カルボキシル基含有共重合体
(III)ハの製造 参考例9の条件のうち、アクリロニトリル25部、スチ
レン74.5部、メタクリル酸0.5部、t−ドデシル
メルカプタン0.25部とし、あとは参考例9と同様の
方法で重合を行い、表3記載のカルボキシル基含有共重
合体(III)ハを得た。
【0053】参考例12 化合物(IV)A 化合物(IV)Aとして市販されているN、N−ジヒドロ
キシルエチルステアリルアミンを使用した。
【0054】参考例13 化合物(IV)B 化合物(IV)Bとして市販されているN、N−ジ(2−
ヒドロキシプロピル)ドデカンアミドを使用した。
【0055】参考例14 ゴム質凝集体(V)aの製造 アクリロニトリル−ブタジエン共重合体50部とスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体50部との混合物に有機
過酸化物(ジクミルパーオキサイド)0.1部を加え、
単軸押出し機を用いて230℃にて溶融混練し、ゴム質
凝集体(V)aを得た。
【0056】参考例15 ビニル系共重合体(VI)イの
製造 参考例5の条件のうち、アクリロニトリル28部、スチ
レン72部、t−ドデシルメルカプタン0.3部とし、
あとは参考例5と同様の方法で重合を行い、表4記載の
ビニル系共重合体(VI)イを得た。
【0057】参考例16 ビニル系共重合体(VI)ロの
製造 参考例5の条件のうち、アクリロニトリル35部、スチ
レン35部、N−フェニルマレイミド30部、t−ドデ
シルメルカプタン0.3部とし、あとは参考例5と同様
の方法で重合を行い、表4記載のビニル系共重合体(V
I)ロを得た。
【0058】参考例17 メタクリル酸メチル/アクリ
ル酸n−ブチル共重合体の製造 撹拌機および還流冷却器つき反応容器に純水250部、
ジオクチルスルフォ琥珀酸エステルソーダ塩1.5部、
過硫酸アンモニウム0.2部、メタクリル酸メチル85
部、アクリル酸n−ブチル15部、n−オクチルメルカ
プタン0.05部を仕込み、容器内を窒素にて置換した
のち、反応容器を55℃に昇温し、6時間加熱撹拌す
る。冷却後、塩化アルミニウムを用いて凝析し、表5記
載のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合
体を得た。
【0059】参考例18 メタクリル酸メチル/アクリ
ル酸n−ブチル共重合体の製造 参考例17の条件のうち、メタクリル酸メチル85部を
65部、アクリル酸n−ブチル15部を35部にした以
外は、参考例17と同様に行い、表5記載のメタクリル
酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体を得た。
【0060】参考例19 メタクリル酸メチル/アクリ
ル酸n−ブチル共重合体の製造 参考例17の条件のうち、n−オクチルメルカプタン
0.05部を1.0部にした以外は、参考例17と同様
に行い、表5記載のメタクリル酸メチル/アクリル酸n
−ブチル共重合体を得た。
【0061】実施例 1〜4 ブロー成形用熱可塑性樹
脂組成物の製造 参考例1〜2にて製造されたゴム含有グラフト共重合体
(I)A〜B、参考例5〜6にて製造されたシアン化ビ
ニル系共重合体(II)a〜b、参考例9にて製造された
カルボキシル基含有共重合体(III)イ、参考例12〜
13の化合物(IV)A〜B、参考例14にて製造された
ゴム質凝集体(V)、参考例15にて製造されたビニル
系共重合体(VI)イおよび参考例17〜18にて製造さ
れたメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合
体〜を表6に示す配合割合にてヘンシェルミキサー
で混練後、40mmφ押出機により押出しブロー成形用
熱可塑性樹脂組成物を得た。得られたブロー成形用熱可
塑性樹脂組成物を射出成形により試験片を作成し、アイ
ゾット衝撃強度を測定しその測定値を表6に示した。ま
た、ブロー成形を行い、ブロー成形加工性および成形品
の光沢度の結果も表6に示した。
【0062】比較例 1〜9 ブロー成形用熱可塑性樹
脂組成物の製造 参考例1〜4にて製造されたゴム含有グラフト共重合体
(I)A〜D、参考例5〜8にて製造されたシアン化ビ
ニル系共重合体(II)a〜d、参考例9〜11にて製造
されたカルボキシル基含有共重合体(III)イ〜ハ、参
考例12〜13の化合物(IV)A〜B、参考例14にて
製造されたゴム質凝集体(V)、参考例15〜16にて
製造されたビニル系共重合体(VI)イ〜ロおよび参考例
19にて製造されたメタクリル酸メチル/アクリル酸n
−ブチル共重合体を表6に示す配合割合にてヘンシェ
ルミキサーで混練後、40mmφ押出機により押出しブ
ロー成形用熱可塑性樹脂組成物を得た。得られたブロー
成形用熱可塑性樹脂組成物を射出成形により試験片を作
成し、アイゾット衝撃強度を測定しその測定値を表6に
示した。また、ブロー成形を行い、ブロー成形加工性お
よび成形品の光沢度の結果も表6に示した。
【0063】実施例1〜4より、本発明の請求項記載の
ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物が耐衝撃性、ブロー成
形加工性、艶消し性のバランスに優れていることが判
る。しかし、比較例1〜5はゴム含有グラフト共重合体
(I)、シアン化ビニル系共重合体(II)、カルボキシ
ル基含有共重合体(III)、化合物(IV)、ゴム質凝集
体(V)、ビニル系共重合体(VI)およびメタクリル酸
メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体の配合割合が本
発明の規定する範囲外であるため、比較例1は衝撃強度
が低く、比較例3、5は艶消し性が劣り、比較例2、4
はブロー成形加工性が劣る。
【0064】また、比較例6〜9はゴム含有グラフト共
重合体(I)、シアン化ビニル系共重合体(II)、カル
ボキシル基含有共重合体(III)、化合物(IV)、ゴム
質凝集体(V)、ビニル系共重合体(VI)およびメタク
リル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体が本発明
の規定する範囲外であるため、比較例6は衝撃強度およ
びブロー成形加工性が劣り、比較例7はブロー成形加工
性および艶消し性が劣り、比較例8、9はブロー成形加
工性が劣る。
【0065】このように各実施例および各比較例より、
本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性、ブロー成形加工性、艶消し性のバランスに優れてい
る。これは、ゴム含有グラフト共重合体、特定の還元粘
度を有するシアン化ビニル系共重合体、特定の反応基を
有する共重合体と特定の構造を有する化合物およびゴム
質凝集体、ビニル系共重合体を特定割合で組み合わせる
ことにより初めて実現されるものである。
【0066】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0067】
【発明の効果】本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成
物は、ゴム含有グラフト共重合体、特定の還元粘度を有
するシアン化ビニル系共重合体、特定の反応基を有する
共重合体と特定の構造を有する化合物およびゴム質凝集
体、ビニル系共重合体を特定割合で組み合わせることに
より、耐衝撃性、ブロー成形加工性、艶消し性のバラン
スに優れている。そして、本発明のブロー成形用熱可塑
性樹脂組成物は、これらの特徴をいかしてブロー成形加
工用途に供されるが、自動車・2輪用大型中空樹脂部
品、住宅用大型中空樹脂部品、電気機器用大型中空樹脂
部品用樹脂材料として好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 21/00 LBF C08L 21/00 LBF LBH LBH 51/04 LKY 51/04 LKY 55/02 LMC 55/02 LMC LME LME // B29K 25:00 55:02 B29L 22:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム質重合体(a)20〜80重量部の存
    在下にシアン化ビニル系単量体(b)5〜50重量%、
    芳香族ビニル系単量体(c)10〜90重量%および不
    飽和カルボン酸アルキルエステル(d)0〜80重量%
    からなる単量体混合物80〜20重量部を重合してなる
    ゴム含有グラフト共重合体(I)10〜50重量部、シ
    アン化ビニル系単量体(b)15〜55重量%および芳
    香族ビニル系単量体(c)85〜45重量%からなり、
    還元粘度が0.5〜1.5dl/gであるシアン化ビニ
    ル系共重合体(II)10〜80重量部、シアン化ビニル
    系単量体(b)5〜50重量%、芳香族ビニル系単量体
    (c)10〜90重量%およびエチレン性不飽和カルボ
    ン酸(e)1〜10重量%からなるカルボキシル基含有
    共重合体(III)1〜15重量部、式1で表わされる化
    合物(IV)0.01〜10重量部、ゴム質凝集体(V)
    0〜30重量部およびシアン化ビニル系単量体(b)5
    〜30重量%,芳香族ビニル系単量体(c)75〜45
    重量%およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体
    (f)0〜60重量%からなるビニル系共重合体(VI)
    0〜50重量部からなり、ゴム含有グラフト共重合体
    (I)、シアン化ビニル系共重合体(II)、カルボキシ
    ル基含有共重合体(III)、化合物(IV)、ゴム質凝集
    体(V)およびビニル系共重合体(VI)の合計が100
    重量部であることを特徴とするブロー成形用熱可塑性樹
    脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】前記シアン化ビニル系共重合体(II)がシ
    アン化ビニル系単量体(b)20〜45重量%および芳
    香族ビニル系単量体(c)80〜55重量%であり、還
    元粘度が0.6〜1.2dl/gである請求項1記載の
    ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】カルボキシル基含有共重合体(III)がア
    クリロニトリル20〜35 重量%、スチレン60〜8
    0重量%およびメタクリル酸2〜8重量%であることを
    特徴とする請求項1〜2記載のブロー成形用熱可塑性樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】化合物(IV)がN、N−ジヒドロキシルエ
    チルステアリルアミン、N、N−ジ(2−ヒドロキシプ
    ロピル)ドデカンアミドのいずれかであることを特徴と
    する請求項1〜3記載のブロー成形用熱可塑性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】ゴム質凝集体(V)がポリ(ブタジエン−
    アクリロニトリル)またはポリブタジエンであることを
    特徴とする請求項1〜4記載のブロー成形用熱可塑性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物100
    重量部に対して、メタクリル酸メチルの含有率が30%
    重量以上でありかつ重量平均分子量が50万以上である
    メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体
    0.1〜5重量部を添加してなるブロー成形用熱可塑性
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】自動車、2輪用大型中空樹脂部品、住宅用
    大型中空樹脂部品および家庭用電気機器用大型中空樹脂
    部品に適した請求項1〜6のいずれかに記載のブロー成
    形用熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記請求項1〜7のいずれかに記載のブロ
    ー成形用熱可塑性樹脂組成物からなるブロー成形品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4809841A (en) * 1985-04-26 1989-03-07 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Apparatus for driving a passenger conveyor
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