JP2835531B2 - 耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
らに詳しくは、ポリアミド樹脂と特定のゴム強化スチレ
ン系グラフト共重合体とからなる樹脂混合物に、α,β
−不飽和カルボン酸単量体成分および/またはα,β−
不飽和ジカルボン酸無水物単量体成分を含有する特定の
共重合体を配合することにより、優れた耐衝撃性、中で
も特に低温において優れたノッチ付アイゾット衝撃強さ
をもつ成形品が得られる樹脂組成物に関するものであ
る。
機械的強度および耐薬品性等の性質が優れているため、
エンジニアリングプラスチックとして、成形品が各種の
機械部品に使用されている。このポリアミド樹脂は、吸
水率が大きく、耐衝撃性、特に低温におけるノッチ付ア
イゾット衝撃強さが小さい等の欠点がある。また、汎用
樹脂であるスチレン系重合体と比較して、高荷重下での
耐熱性や結晶性樹脂のため成形性が劣る等の欠点もあ
る。ポリアミド樹脂はこのような欠点をもつため、エン
ジニアリングプラスチックとしての用途が限定され、ポ
リアミド樹脂の優れた特性を生かすことができない場合
があった。
て、例えば、これとアクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン共重合体(ABS樹脂)とを混合してブレンド組成
物をつくることは知られている(例えば、特公昭38−23
476号公報参照)。しかし、ポリアミド樹脂とABS樹脂と
のブレンド組成物は相溶性が劣り、成形品とした場合、
混合不良に伴なう層状剥離現象が出たり、引張り強度等
の機械的強度が著しく低下する等の欠点が現われる。こ
のため、ポリアミド樹脂とABS樹脂等のスチレン系重合
体との相溶性を向上させる手法として、両樹脂のブレン
ド物に対し、α,β−不飽和カルボン酸無水物単量体成
分を含有するスチレン系重合体を、第3成分として配合
することが提案されている(例えば、特公昭60−47304
号公報参照)。この第3成分を配合すれば、確かにポリ
アミド樹脂とスチレン系重合体とが、物理的に微細に分
散した樹脂組成物が得られるようになるが、3成分より
なる樹脂組成物の耐衝撃性はほとんど向上しない。
重合体との樹脂組成物において、両者の優れた性質を合
わせもち、なおかつ、低温における耐衝撃性が優れた樹
脂材料は得られていないのが、現状である。
グラフト共重合体との樹脂組成物に、従来から存在して
いた上記諸欠点を解決することを目的として、鋭意研究
を重ねた結果、本発明に到達したものである。すなわ
ち、ポリアミド樹脂と特定のゴム強化スチレン系グラフ
ト共重合体からなる樹脂混合物に、α,β−不飽和カル
ボン酸単量体成分および/またはα,β−不飽和ジカル
ボン酸無水物単量体成分を含有する特定の共重合体を配
合することにより、耐熱性と耐衝撃性に優れ、中でも低
温におけるノッチ付アイゾット衝撃強さが顕著に改良さ
れた成形品が得られる樹脂組成物を提供しようとするも
のである。
20〜80重量%および 共役ジエン系ゴム40〜60重量部と、芳香族ビニル単量
体成分60〜80重量%およびシアン化ビニル単量体成分20
〜40重量%より構成される単量体成分40〜60重量部とよ
りなり、かつ、グラフトゴムの平均粒子径が0.2〜1.0μ
m、グラフト率が40〜80%、および上記単量体成分より
なる樹脂質成分の比粘度が0.05〜0.10、または上記樹脂
質成分の重量平均分子量が220,000〜450,000であるグラ
フト共重合体(B)20〜80重量%よりなる樹脂混合物10
0重量部、 芳香族ビニル単量体成分50〜80重量%、α,β−不飽
和カルボン酸単量体成分および/またはα,β−不飽和
ジカルボン酸無水物単量体成分0.01〜30重量%、シアン
化ビニル単量体成分5〜47重量%、およびメチルメタク
リレート成分0〜30重量%(ただし、単量体成分は合計
100重量%とする。)よりなる共重合体(C)0.01〜40
重量部、および、 芳香族ビニル単量体成分60〜90重量%、シアン化ビニ
ル単量体成分0〜40重量%およびメチルメタクリレート
成分0〜40重量%(ただし、単量体成分は合計100重量
%とする。)よりなる共重合体(D)0〜15重量部、 を含有してなることを特徴とする耐衝撃性熱可塑性樹脂
組成物に存する。
(A)とは、射出成形可能な公知のナイロン系熱可塑性
樹脂をいう。ポリアミド樹脂(A)の具体例としては、
ナイロン6、ナイロン66、共重合体ナイロン(カプロラ
クタムとアジピン酸ヘキサメチレンジアミン塩との共重
合体)、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイ
ロン12およびナイロンMXD6(メタキシリレンジアミンと
アジピン酸との縮重合体)等の一般名で呼称されている
ナイロン、またはこれらを主たる構成成分とする共重合
体およびこれらの混合物があげられる。これら例示され
た中では、ナイロン6、ナイロン66または共重合ナイロ
ンが特に好ましい。
(B)とは、共役ジエン系ゴム40〜60重量部(好ましく
は、45〜60重量部)と芳香族ビニル単量体成分60〜80重
量%およびシアン化ビニル単量体成分20〜40重量%より
構成される単量体成分40〜60重量部(好ましくは、40〜
55重量部)とよりなり、かつ、グラフト共重合体(B)
中のグラフトゴムの平均粒子径が0.2〜1.0μm、グラフ
ト率が40〜80%、および上記単量体成分中の末グラフト
部分の樹脂質成分の比粘度が0.05〜0.10、または重量平
均分子量が220,000〜450,000であるものをいう。このグ
ラフト共重合体(B)は、共役ジエン系ゴムの含有率、
グラフトゴムの平均粒子径、グラフト率、および樹脂質
成分の比粘度または重量平均分子量を適性化しているの
で、ポリアミド樹脂(A)と配合することにより、イン
パクトモディファイヤ(耐衝撃性付与剤)としての効果
がある。
(B)をインパクトモディファイヤとして、特に低温に
おいて効果的に機能させるためには、グラフト共重合体
(B)中のグラフトゴムの平均粒子径を0.2〜1.0μmの
範囲内で選び、グラフト率を40〜80%の範囲内で選び、
末グラフト部分の樹脂質成分の比粘度を0.05〜0.10の範
囲、または重量平均分子量を220,000〜450,000の範囲内
で選ばなければならない。好ましくは、上記樹脂質成分
の重量平均分子量は250,000〜400,000の範囲がよい。こ
の範囲を外れると、本発明に係る樹脂組成物の低温にお
ける耐衝撃性等の物性改良効果がなくなる。
エン系ゴムとは、ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン等の共役ジエン単量体成分を50重量%以上含む、ガラ
ス転移温度が0℃以下のゴム状重合体をいう。共役ジエ
ン系ゴムの具体例としては、ブタジエンラバー(BR)、
スチレンブタジエンラバー(SBR)、アクリロニトリル
ブタジエンラバー(NBR)、イソプレンラバー(IR)等
の公知の合成ゴムがあげられる。
ゴムとして供給され、グラフト共重合体(B)の製造方
法にしたがい、乳化状態または溶液状態として使用され
る。
ビニル単量体成分の具体例としては、スチレン、α−メ
チルスチレン等のα−アルキルスチレン、p−メチルス
チレン等の核置換アルキルスチレン、ビニルナフタリン
等があげられる。これらは、1種または2種以上の混合
物であってもよい。
は、60〜80重量%の範囲とする。この範囲を外れると、
グラフト共重合体(B)の耐衝撃性や他の樹脂への混和
性等の性質が変化し、物性の優れた樹脂組成物を製造す
ることができない。
化ビニル単量体成分の具体例としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル
等があげられる。これらは、1種または2種以上の混合
物であってもよい。
率は、20〜40重量%の範囲とする。この範囲を外れると
グラフト共重合体(B)の耐衝撃性や他の樹脂への混和
性等の性質が変化し、物性の優れた樹脂組成物を製造す
ることができない。
〜60重量部好ましくは45〜60重量部と、芳香族ビニル単
量体成分およびシアン化ビニル単量体成分より構成され
る単量体成分40〜60重量部好ましくは40〜55重量部との
成分割合から構成される。この割合を外れると、グラフ
ト共重合体(B)の共役ジエン系ゴム含有率、グラフト
率および比粘度または重量平均分子量を適性化できなく
なるので、インパクトモディファイヤとしての性質が低
下し、物性の優れた樹脂組成物とすることができない。
共役ジエン系ゴム含有率が、上記成分割合未満になる
と、組成物の低温における耐衝撃性が低下するので、特
に好ましくない。
ゴム平均粒子径とは、0.2〜約0.5μmの範囲について
は、米国コールター電子社(Coulter Electronics Lt
d.)製「ナノサイザー」(Coulter Nano−SizerTM)
により、グラフト重合前の原料ゴムのラテックスを23℃
の水中に分散した系で測定した重量平均粒子径をいう。
約0.5〜1.0μmの範囲については、同じく米国コールタ
ー電子社製「コールターカウンター・モデルTA II」を
用いて、ジメチルホルムアミドに少量のグラフト共重合
体(B)を溶解し、微量のチオシアン酸カリウムを加え
た溶液を、23℃で測定した重量平均粒子径をいう。
ように、グラフト共重合体(B)を23℃のアセトン中に
分散・溶解し、ついで遠心分離法によりアセトン不溶分
(グラフトゴム)とアセトン可溶分(樹脂質成分)とに
分離し、乾燥したアセトン不溶分の重量からグラフト共
重合体(B)中のゴム含有量を差引いたもののグラフト
共重合体(B)中のゴム含有量に対する比率(%)をい
う。
中に生成する、芳香族ビニル単量体成分およびシアン化
ビニル単量体成分より構成される単量体成分中の、末グ
ラフト部分の樹脂質成分の比粘度(ηsp)をいう。具体
的には、先ず、上記グラフト率の測定方法と同様の方法
および手順により、グラフト共重合体(B)から得られ
るアセトン可溶分を乾燥して、樹脂質成分を得る。つい
で、得られた樹脂質成分をメチルエチルケトン0.1%(g
/100ml)の溶液として、ウベローデ型粘度計を用いて25
℃で測定した比粘度(ηsp)である。
で、後記GPCによって測定した重量平均分子量(Mw)に
よる表示が、より好ましい。
合体(B)中に生成する末グラフト部分の上記樹脂質成
分をGPCにより測定して得られる重量平均分子量(Mw)
をいう。具体的には、グラフト共重合体(B)中のアセ
トン可溶分を乾燥して得られる上記樹脂質成分を、先ず
テトラヒドロフランに溶解調製する。ついで、得られた
テトラヒドロフラン溶液を、GPC(ゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフィー)にて測定し、ポリスチレン
換算の重量平均分子量(Mw)として得られるものであ
る。
法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等により、ゴ
ム存在下に芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単
量体を主成分とする単量体混合物を公知の手法によって
グラフト共重合することにより、製造することができ
る。
のグラフトゴムの平均粒子径、グラフト率、およびゴム
含有率等の制御が容易であるので、好ましい。
ミド樹脂(A)を20〜80重量%の範囲好ましくは30〜70
重量%の範囲と、上記グラフト共重合体(B)を20〜80
重量%の範囲好ましくは30〜70重量%の範囲で、配合さ
れてなるものをいう。上記樹脂混合物は、本発明組成物
のベース樹脂組成物であり、目的とする物性を得るため
には、上記範囲で配合されねばならない。しかし、配合
方法として、後記共重合体(C)または後記共重合体
(D)の配合に先だって、上記樹脂(A)および上記グ
ラフト共重合体(B)のみを予め配合混練する必要はな
く、本発明樹脂組成物中に、最終的に上記の範囲で含有
されていればよい。この配合比率が、上記の範囲を外れ
ると、得られる樹脂組成物の機械的強度、耐熱性または
加工成形性等の物性が低下する。
芳香族ビニル単量体成分50〜80重量%、α,β−不飽和
カルボン酸単量体成分および/またはα,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物単量体成分0.01〜30重量%、シアン化
ビニル単量体成分5〜47重量%、およびメチルメタクリ
レート成分0〜30重量%(ただし、単量体成分は合計10
0重量%とする。以下同じ。)よりなるものをいう。共
重合体(C)は、熱可塑性の硬質樹脂である。また、共
重合体(C)は、ポリアミド樹脂(A)とグラフト共重
合体(B)との混合時に添加して、両者の分散性および
混和性を改良することにより、低温における耐衝撃性お
よび機械的強度等の性質を向上させる。
量体成分、シアン化ビニル単量体成分とは、前記グラフ
ト共重合体(B)の成分として例示した中の各々のビニ
ル単量体成分と同様である。
比率は、50〜80重量%の範囲とする。この範囲を外れる
と、共重合体(C)の耐熱性や他の樹脂への混和性等の
性質が変化し、物性の優れた樹脂組成物を製造すること
ができない。
和カルボン酸単量体成分としては、アクリル酸、メタク
リル酸があげられる。また、α,β−不飽和ジカルボン
酸無水物単量体成分としては、無水マレイン酸等があげ
られる。これらのうち、α,β−不飽和ジカルボン酸無
水物単量体成分である無水マレイン酸が、特に好まし
い。α,β−不飽和カルボン酸単量体成分および/また
はα,β−不飽和ジカルボン酸無水物単量体成分の共重
合体(C)中に占める比率は、0.01〜30重量%の範囲で
ある。好ましくは、この比率は、0.1〜10重量部の範囲
がよい。この範囲内にα,β−不飽和カルボン酸単量体
成分および/またはα,β−不飽和ジカルボン酸無水物
単量体成分を含む共重合体(C)は、ポリアミド樹脂
(A)およびグラフト共重合体(B)を、混和性よく分
散させ、極めて大きな低温における耐衝撃性を与える樹
脂組成物を製造することができる。
る比率は、5〜47重量%の範囲とする。好ましくは、10
〜35重量%の範囲がよい。この範囲を外れると、得られ
る樹脂組成物の耐熱性や樹脂相互間の混和性が低下する
ので、好ましくない。
(C)に占める比率は、0〜30重量%の範囲とするが、
好ましくは0〜10重量%の範囲がよい。30重量%を超え
ると得られる共重合体の物性が変化し、目的とする樹脂
組成物を得ることができない。
(C)の構成成分を、そのまま重合原料として、芳香族
ビニル単量体50〜80重量%、α,β−不飽和カルボン酸
単量体および/またはα,β−不飽和ジカルボン酸無水
物単量体0.01〜30重量%、シアン化ビニル単量体5〜47
重量%、およびメチルメタクリレート0〜30重量%より
なる単量体混合物を共重合することにより、目的の組成
の共重合体(C)を製造することができる。
濁重合法、および/または乳化重合法等の方法によるこ
とができ、回分方式または連続方式のいずれの方式であ
ってもよい。前記重合法と方式とを適宜組み合わせるこ
とができる。また、共重合操作を終了した後の処理方法
としては、公知の抽出、析出、蒸留、凝集、別、洗
浄、乾燥およびペレット化等の諸単位操作を、適宜組み
合わせ採用することができる。このような後処理により
共重合体(C)を得ることができる。
族ビニル単量体成分60〜90重量%、シアン化ビニル単量
体成分0〜40重量%およびメチルメタクリレート成分0
〜40重量%よりなる熱可塑性樹脂である。
単量体、シアン化ビニル単量体とは、前記グラフト共重
合体(B)の成分として例示した中の各々のビニル単量
体と同義である。共重合体(D)を構成する成分割合は
上記のとおりであり、この範囲を外れると共重合した樹
脂の特性が変化し、混合する他の樹脂との混和性が不良
となり、目的とする樹脂組成物の耐熱性または低温にお
ける耐衝撃性を低下させるので好ましくない。
公知のアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)
の製造技術に準じて、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重
合法、塊状重合法等の方法を、回分または連続方式か
ら、適宜選択することができる。
(B)および/または共重合体(C)の重合操作におい
て、同時に同一の重合系内で製造することもできるし、
別途重合方法および重合条件を設定して製造することも
できる。
アミド樹脂(A)およびグラフト共重合体(B)よりな
る樹脂混合物100重量部を基準として、共重合体(C)
0.01〜40重量部好ましくは1〜20重量部、および共重合
体(D)0〜15重量部好ましくは0〜10重量部の範囲で
秤量し、混合する。混合配合物は、ドライブレンドのま
までもよいが、さらに溶融混練工程に付し溶融混合する
のがより好ましい。各々の樹脂の配合量が、上の範囲を
外れると、目的とする耐熱性および低温における耐衝撃
性等の物性が得られず、また加工性の良好な熱可塑性樹
脂組成物とすることができない。
するには、公知の混合、混練方法をとればよい。
ったこれら樹脂および共重合体の1種または2種以上の
混合物を、一軸押出機、二軸押出機等の押出機、また
は、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二本ロール等
の混練機等により、樹脂組成物とすることができる。ま
た、場合によっては、重合を終えたこれらの共重合体の
1種または2種以上のものを未乾燥状態のまま混合し、
析出し、洗浄し、乾燥して、混練する方法を採ることも
できる。
種類の成分の樹脂または共重合体を混合混練してもよ
く、また、まず最初に成分の樹脂または共重合体の1種
または2種以上を混合混練し、別途1種または2種以上
を混練したものをあとから合わせ混練して、目的の樹脂
組成物としてもよい。
性等の物性が低下することがあるので、押出機を用いて
混合混練する際には、強制的に脱揮しつつ混練操作を行
うのがよい。このようにして得られた樹脂組成物は、そ
のまま、もしくは乾燥して成形加工等に用いられる。
い種類および量の滑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、
難燃化剤、紫外線吸収剤、耐光性安定剤、耐熱性安定
剤、充填剤、核剤等の各種樹脂添加剤を、適宜組み合わ
せて添加することができる。充填材としては、ガラス繊
維、金属繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカー
等の繊維状強化剤、タルク、クレー、炭酸カルシウム、
マイカ、ガラスフレーク、ミルドファイバー、金属フレ
ーク、金属粉等をあげることができ、これらは単独で
も、2種以上を組み合わせて配合することもできる。
法、圧縮成形法等の各種加工方法によって、自動車部
分、電気部品、工業部品、スポーツ用具等の成形品と
し、優れた耐熱性および低温における耐衝撃性が要求さ
れる用途に使用することができる。
別に顕著な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて
大である。
(A)および耐衝撃性付与剤としての特定のグラフト共
重合体(B)に、α,β−不飽和カルボン酸単量体成分
および/またはα,β−不飽和ジカルボン酸無水物単量
体成分を含む特定の共重合体(C)を配合することによ
り、驚くべきことには、これ迄予想もできなかったよう
な極めて大きな耐衝撃性すなわち23℃において測定した
ノッチ付アイゾット衝撃強さが70kg・cm/cm以上、中で
も低温において優れたノッチ付アイゾット衝撃強さすな
わち−20℃において測定した値が40kg・cm/cm以上をも
つ熱可塑性樹脂材料として利用することができる。
ルボン酸単量体成分および/またはα,β−不飽和ジカ
ルボン酸無水物単量体成分を含む共重合体(C)を配合
しているので、良好な混和性および加工性を示すととも
に優れた耐熱性と機械的強度をもつ成形品が得られる。
それぞれ最適化して配合しているので、各々の構成成分
の特徴を兼ね備えた、低い吸湿性と優れた耐薬品性をも
つ成形品が得られる。
それぞれ最適化して配合しているので、優れた樹脂成形
加工性をもつ。
混和性を有するので、例えばガラス繊維等と混合混練し
て複合化させることにより、耐熱性および剛性等の優れ
たガラス繊維強化樹脂組成物とすることができる。
的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、
以下の例に限定されるものではない。
わす。
ロニトリル(以下ANと略記する。)30部よりなる単量体
混合物(I)を調製した。
たガラス製フラスコに、スチレン・ブタジエン・ゴムラ
テックス(ゴム中のSt成分含有量10重量%、ゴム固形分
濃度37重量%、ゴム平均粒子径0.38μm)330部(水を
含む。)、および脱イオン水100部を仕込み、窒素気流
下、撹拌しながら、内温を68℃に昇温した。少量の脱イ
オン水に溶解した硫酸第1鉄0.01部、デキストロース0.
25部、ピロリン酸ナトリウム1部を重合系に添加した。
(以下CHPOと略記する。)水分散液25部(0.5部のCHPO
を含む。)を120分間にわたって、単量体混合物(I)
全量を90分間にわたって、連続的に添加を始め、同温度
で重合反応を開始した。重合反応を開始してから90分後
に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を重
合系に添加した。重合を開始してから、150分間同温度
でグラフト共重合反応を続けた。
を、95℃に加温した4%硫酸マグネシウム水溶液へ滴下
して塩析し、脱水、乾燥して粉末状のグラフト共重合体
(B)−Iを得た。
結果、グラフト率は60%、樹脂質成分の比粘度は0.07
3、およびGPCによる重量平均分子量(Mw)は320,000で
あった。
りなる単量体混合物(II)を調製した。
たガラス製フラスコに、スチレン・ブタジエン・ゴムラ
テックス(St含有量10重量%、ゴム固形分濃度37重量
%、ゴム平均粒子径0.30μm)270部(水を含む。)、
および脱イオン水100部を仕込み、窒素気流下、撹拌し
ながら、内温を70℃に昇温した。少量の脱イオン水に溶
解した硫酸第一鉄0.01部、デキストロース0.8部、ピロ
リン酸ナトリウム1部を重合系に添加した。
HPOを含む。)を180分間にわたって、単量体混合物(I
I)全量を140分間にわてって、連続的に添加を始め、同
温度で重合反応を開始した。重合反応を開始してから12
0分後に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部
を重合系に添加した。重合を開始してから、210分間同
温度でグラフト重合反応を続けた。
℃に加温した4%硫酸マグネシウム水溶液へ滴下して塩
析し、脱水、乾燥して粉末状のグラフト共重合体(B)
−IIを得た。
40%、および比粘度は0.035、重量平均分子量は90,000
であった。
ゴムラテックスのゴム平均粒子径およびグラフト共重合
体(B)中のゴム含有率がそれぞれ第1表に示す組成と
なるように、グラフト共重合体(B)の製造条件を変更
して、グラフト共重合体(B)−III〜VIIを得た。得ら
れたグラフト共重合体(B)−III〜VIIを分析測定し
た。
部、AN29部、メチルエチルケトン200部を仕込み、窒素
ガスを吹込みながら77℃まで昇温した。
ン酸0.5部およびアゾビスイソブチロニトリル0.5部を溶
かした溶液を調製した(以下、溶液Aと略記する。)。
そして、この溶液Aを5等分した。
分割部分を添加し重合を開始した。77℃に系を保ちなが
ら、重合開始0.5、1.0、2.0、3.0時間後毎に、溶液Aの
5等分した各1分割部分をそれぞれ添加した。重合開始
5時間後に重合を終了し冷却した。冷却後、反応混合物
を大量のメタノールで再沈、乾燥した共重合体(C)−
Iを得た。重合転化率は60%であった。
果、重量平均分子量はポリスチレン換算で7万であっ
た。また、液体クロマトグラフィーの分析結果よりアク
リロニトリルは30重量%であった。無水マレイン酸の含
有率は、重合転化率から算出し、0.33重量%であった。
部、AN29部、メチルエチルケトン200部を仕込み、窒素
ガスを吹込みながら77℃まで昇温した。
ン酸0.5部およびアゾビスイソブチロニトリル0.3部を溶
かした溶液を調製した(以下、溶液Bと略記する。)。
そしてこの溶液Bを6等分した。
分割部分を転化し重合を開始した。72℃に系を保ちなが
ら、重合開始1.0、2.0、3.0、4.0、5.0時間後毎に、溶
液Bの6等分した各1分割部分をそれぞれ添加した。重
合開始8時間後に重合を終了し冷却した。冷却後、反応
混合物を大量のメタノールで再沈、乾燥し共重合体
(C)−IIを得た。重合転化率は53%であった。
果、重量平均分子量がポリスチレン換算で11万であっ
た。また、液体クロマトグラフィーの分析結果よりアク
リロニトリルは30重量%であった。無水マレイン酸の含
有率は、重合転化率から算出し、0.94重量%であった。
り、比粘度が0.11のものを使用した。
010、三菱化成(株)製)、および上記製造例に記載さ
れた方法でえられたグラフト共重合体(B)、共重合体
(C)および共重合体(D)を、第2表に記載した配合
割合(部)で構成成分を秤量し、タンブラーで混合し、
得られた混合物をベント付2軸押出機を用いて揮発分を
除去しながら混練して、樹脂組成物のペレットを作成し
た。
物性測定用の試験片を成形した。成形試験片について、
第1表に記載した方法により、絶乾状態で、引張り強
度、アイゾット衝撃強さ(ノッチ付<23℃および−20℃
にて測定>)およびメルトフローレートをそれぞれ測定
した。結果を第2表に示す。
よび−20℃で測定したもの。
に準拠して測定したもの。
共重合体(B)の組成を最適化しているので、低温(−
20℃)において優れたノッチ付アイゾット衝撃強さ(40
kg・cm/cm以上)をもつ(第2表実施例1〜5参照)。
合した樹脂組成物の低温(−20℃)におけるノッチ付ア
イゾット衝撃強さは低い(第2表比較例1〜8参照)。
共重合体(C)を適量含有しているので、室温および低
温(−20℃)においてこれ迄予想もできなかったような
極めて高いノッチ付アイゾット衝撃強さをもつ(実施例
1〜5参照)。
参照)は、ノッチ付アイゾット衝撃強さが低い。
樹脂を配合しているので、引張り強さ、23℃および−20
℃でのアイゾット衝撃強さおよびメルトフローレートに
示される機械的強度、耐熱性および成形加工性のバラン
スが優れている(実施例1〜5参照)。
らの間のバランスが悪く、少なくともどれか1つの物性
が悪いという欠点をもつ(比較例1〜8参照)。
Claims (3)
- 【請求項1】ポリアミド樹脂(A)20〜80重量%および 共役ジエン系ゴム40〜60重量部と、芳香族ビニル単量体
成分60〜80重量%およびシアン化ビニル単量体成分20〜
40重量%より構成される単量体成分40〜60重量部とより
なり、かつ、グラフトゴムの平均粒子径が0.2〜1.0μ
m、グラフト率が40〜80%、および上記単量体成分より
なる樹脂質成分の比粘度が0.05〜0.10であるグラフト共
重合体(B)20〜80重量%よりなる樹脂混合物100重量
部、 芳香族ビニル単量体成分50〜80重量%、α,β−不飽和
カルボン酸単量体成分および/またはα,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物単量体成分0.01〜30重量%、シアン化
ビニル単量体成分5〜47重量%、およびメチルメタクリ
レート成分0〜30重量%(ただし、単量体成分は合計10
0重量%とする。)よりなる共重合体(C)0.01〜40重
量部および、 芳香族ビニル単量体成分60〜90重量%、シアン化ビニル
単量体成分0〜40重量%、およびメチルメタクリレート
成分0〜40重量%(ただし、単量体成分は合計100重量
%とする。)よりなる共重合体(D)0〜15重量部、 を含有してなることを特徴とする耐衝撃性熱可塑性樹脂
組成物。 - 【請求項2】ポリアミド樹脂(A)20〜80重量%および 共役ジエン系ゴム45〜60重量部と、芳香族ビニル単量体
成分60〜80重量%およびシアン化ビニル単量体成分20〜
40重量%より構成される単量体成分40〜55重量部とより
なり、かつ、グラフトゴムの平均粒子径が0.2〜1.0μ
m、グラフト率が40〜80%、および上記単量体成分より
なる樹脂質成分の重量平均分子量が220,000〜450,000で
あるグラフト共重合体(B)20〜80重量%よりなる樹脂
混合物100重量部、 芳香族ビニル単量体成分50〜80重量%、α,β−不飽和
カルボン酸単量体成分および/またはα,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物単量体成分0.01〜30重量%、シアン化
ビニル単量体成分5〜47重量%、およびメチルメタクリ
レート成分0〜30重量%(ただし、単量体成分は合計10
0重量%とする。)よりなる共重合体(C)0.01〜40重
量部および、 芳香族ビニル単量体成分60〜90重量%、シアン化ビニル
単量体成分0〜40重量%、およびメチルメタクリレート
成分0〜40重量%(ただし、単量体成分は合計100重量
%とする。)よりなる共重合体(D)0〜15重量部、 を含有してなることを特徴とする耐衝撃性熱可塑性樹脂
組成物。 - 【請求項3】JIS K7110(硬質プラスチックのアイゾッ
ト衝撃試験方法)に準拠して、23℃において測定したノ
ッチ付アイゾット衝撃強さが70kg・cm/cm以上であり、
かつ−20℃において測定したノッチ付アイゾット衝撃強
さが40kg・cm/cm以上であることを特徴とする請求項
(1)または請求項(2)記載の耐衝撃性熱可塑性樹脂
組成物。
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JP32554189A JP2835531B2 (ja) | 1989-08-09 | 1989-12-15 | 耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物 |
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---|---|---|---|
JP20638689 | 1989-08-09 | ||
JP1-206386 | 1989-08-09 | ||
JP32554189A JP2835531B2 (ja) | 1989-08-09 | 1989-12-15 | 耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH03163163A JPH03163163A (ja) | 1991-07-15 |
JP2835531B2 true JP2835531B2 (ja) | 1998-12-14 |
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ID=26515626
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32554189A Expired - Fee Related JP2835531B2 (ja) | 1989-08-09 | 1989-12-15 | 耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2835531B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004041678A1 (ja) * | 2002-11-06 | 2004-05-21 | Fuji Bakelite Co., Ltd. | クリーンルーム用容器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006233132A (ja) * | 2005-02-28 | 2006-09-07 | Toray Ind Inc | 熱可塑性樹脂組成物 |
-
1989
- 1989-12-15 JP JP32554189A patent/JP2835531B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2004041678A1 (ja) * | 2002-11-06 | 2004-05-21 | Fuji Bakelite Co., Ltd. | クリーンルーム用容器 |
JPWO2004041678A1 (ja) * | 2002-11-06 | 2006-03-09 | 冨士ベークライト株式会社 | クリーンルーム用容器 |
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---|---|
JPH03163163A (ja) | 1991-07-15 |
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