JPH09137018A - ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物

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JPH09137018A
JPH09137018A JP29577595A JP29577595A JPH09137018A JP H09137018 A JPH09137018 A JP H09137018A JP 29577595 A JP29577595 A JP 29577595A JP 29577595 A JP29577595 A JP 29577595A JP H09137018 A JPH09137018 A JP H09137018A
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copolymer
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styrene
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acrylonitrile
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JP29577595A
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Minoru Yasuda
稔 安田
Tousuke Hirata
東介 平田
Keiji Nakagawa
啓次 中川
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車、2輪車用大型中空樹脂部品用樹脂材料
として要求される耐衝撃性、耐熱性、溶融時の色調安定
性に優れかつ、成形収縮率が小さいブロー成形用熱可塑
性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】特定の構造を有するスチレン−アクリロニ
トリル共重合体、特定の構造を有するアルキル置換スチ
レン系共重合体、マレイミド系共重合体およびゴム含有
グラフト共重合体を特定量組み合わせ、かつ樹脂組成物
中のマレイミド含有率を特定量にすることにより耐衝撃
性、耐熱性、溶融時の色調安定性に優れかつ、成形収縮
率が小さいブロー成形用熱可塑性樹脂組成物が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、耐熱
性、溶融時の色調安定性に優れかつ、成形収縮率が小さ
いブロー成形用熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体樹脂(ABS樹脂)は耐衝撃性、成形加工性
のバランスに優れ、射出成形用樹脂として広く使われて
いる。近年、ブロー成形によって大型中空樹脂製品を得
る技術が注目されており、ABS樹脂においてもブロー
成形に適した樹脂組成物が開発されている。特にABS
樹脂の表面外観の良さ、耐塗装性向上を目的としてシア
ン化ビニル系単量体成分の含有割合を高める提案(特開
平3−243646号公報)がなされている。しかし、
耐塗装性は向上するものの、耐熱性が十分でなく、また
ブロー成形時の溶融高温のため、成形品の色調が悪化す
る問題がある。
【0003】また、耐熱性を向上させるべく、マレイミ
ド系共重合体を含有する耐熱性ブロー成形用熱可塑性樹
脂組成物が提案されている(特開平4−120157号
公報)がなされているが、耐熱性は向上するものの、ブ
ロー成形時の溶融高温のため、成形品の色調が悪化する
ばかりでなく、成形収縮率が大きいため、従来のABS
樹脂用の金型が使用できない場合がある。
【0004】本発明の目的はこのような耐衝撃性、耐熱
性、溶融時の色調安定性に優れかつ、成形収縮率が小さ
いブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の提供にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有
するスチレン−アクリロニトリル共重合体、特定の組成
を有するアルキル置換スチレン系共重合体、特定の分子
量分布を有するマレイミド系共重合体およびゴム含有グ
ラフト共重合体を特定量組み合わせ、かつ樹脂組成物中
のマレイミド含有率を特定量にすることにより耐衝撃
性、耐熱性、溶融時の色調安定性に優れかつ、成形収縮
率が小さいブロー成形用熱可塑性樹脂組成物を見出し、
本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の目的
は、ゴム質重合体(a)の存在下にシアン化ビニル系単
量体(b)、芳香族ビニル系単量体(c)およびこれら
と共重合可能な他のビニル系単量体(d)から選ばれる
少なくとも1種以上の単量体をグラフトしてなるゴム含
有グラフト共重合体(I)10〜50重量部、シアン化
ビニル系単量体(b)5〜45重量%およびアルキル置
換スチレン(e)95〜45重量%からなるアルキル置
換スチレン系共重合体(II)30〜60重量部、アク
リロニトリル25〜45重量%およびスチレン75〜5
5重量%からなり、アクリロニトリルの3連シーケンス
の割合が10重量%以下であり、還元粘度が0.40〜
1.50dl/gであるスチレン−アクリロニトリル共
重合体(III)0〜50重量部、シアン化ビニル系単
量体(b)5〜45重量%,芳香族ビニル系単量体
(c)40〜90重量%およびマレイミド系単量体
(f)25〜55重量%からなり、重量平均分子量/数
平均分子量の比が2.0〜3.0であるマレイミド系共
重合体(IV)0〜20重量部からなり、ゴム含有グラ
フト共重合体(I)、アルキル置換スチレン系共重合体
(II)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(II
I)およびマレイミド系共重合体(IV)の合計が10
0重量部であり、かつ樹脂組成物中のマレイミド含有率
が5重量%未満であることを特徴とするブロー成形用熱
可塑性樹脂組成物によって達成できる。
【0007】
【発明の実態の形態】本発明におけるゴム含有グラフト
共重合体(I)に用いるゴム質重合体(a)としては,
ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴムなどで
あり、具体例としては、ポリブタジエン、ポリ(ブタジ
エン−スチレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリ
ル)、ポリイソプレン、ポリ(ブタジエン−アクリル酸
ブチル)、ポリ(ブタジエン−アクリル酸メチル)、ポ
リ(ブタジエン−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリ
ル酸ブチル−メタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエン
−アクリル酸エチル)、エチレン−プロピレンラバー、
エチレン−プロピレン−ジエンラバー、ポリ(エチレン
−イソブチレン)、ポリ(エチレン−アクリル酸メチ
ル)などが挙げられる。これらのゴム質重合体は、1種
または2種以上の混合物で使用される。これらのゴム質
重合体のうち、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン−ス
チレン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、エ
チレン−プロピレンラバーが耐衝撃性の点で特に好まし
く用いられる。
【0008】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)、アルキル置換スチレン系共重合体(II)およ
びマレイミド系共重合体(IV)に用いるシアン化ビニ
ル系単量体(b)の具体例としてはアクリロニトリルお
よびメタクリロニトリルなどが挙げられ、1種または2
種以上用いることができる。中でもアクリロニトリルが
耐衝撃性の点で特に好ましい。
【0009】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)およびマレイミド系共重合体(IV)に用いる芳
香族ビニル系単量体(c)の具体例としては、スチレ
ン,α−メチルスチレン,オルソメチルスチレン,パラ
メチルスチレン,パラ−t−ブチルスチレンおよびハロ
ゲン化スチレンなどが挙げられ、1種または2種以上用
いることができる。スチレンが成形加工性の面で特に好
ましい。
【0010】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)に用いる共重合可能な他のビニル系単量体(d)
の具体例としては、アクリル酸,メタクリル酸などの不
飽和カルボン酸;アクリル酸メチル,メタクリル酸メチ
ル,アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステ
ル類;アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチル
アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、マレ
イミド,N−メチルマレイミド,などのマレイミド類お
よび無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水アコニッ
ト酸などの不飽和カルボン酸無水物などを挙げることが
でき、なかでもメタクリル酸メチル、N−フェニルマレ
イミドが成形加工性の面で好ましい。
【0011】本発明におけるアルキル置換スチレン系共
重合体(II)に用いるアルキル置換スチレン(e)の
具体例としては、アルファメチルスチレン,オルソメチ
ルスチレン,パラメチルスチレン,パラ−t−ブチルス
チレンなどが挙げられ、1種または2種以上用いること
ができる。なかでもアルファメチルスチレンが成形加工
性の面で特に好ましい。
【0012】本発明におけるマレイミド系共重合体(I
V)に用いるマレイミド系単量体(f)の具体例として
は、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、N−メチルマレイミド、マレイミドなどがあ
り、中でもN−フェニルマレイミドが成形加工性の面で
特に好ましく用いられる。
【0013】本発明におけるゴム含有グラフト共重合体
(I)におけるゴム質重合体(a)の含有率は特に制限
はないが、10〜80重量%が耐衝撃性の点で好まし
く、さらには40〜70重量%が好ましい。ゴム含有グ
ラフト共重合体(I)におけるシアン化ビニル系単量体
(b)の割合は特に制限はないが、5〜70重量%が成
形加工性の点で好ましく、さらには10〜60重量%が
好ましい。また、ゴム含有グラフト共重合体(I)にお
ける芳香族ビニル系単量体(c)含有率は特に制限はな
いが、10〜80重量%が成形加工性の点で好ましく、
さらには20〜70重量%が好ましい。またグラフト
率、グラフト成分の共重合体の還元粘度は特に制限はな
いが、グラフト率は10〜80%が、グラフト成分の共
重合体の還元粘度は0.2〜1.0dl/gが耐衝撃性
の点で好ましい。
【0014】本発明におけるアルキル置換スチレン系共
重合体(II)は、シアン化ビニル系単量体(b)5〜
45重量%およびアルキル置換スチレン(e)95〜4
5重量%が必要である。シアン化ビニル系単量体が5重
量%未満であると、得られる共重合体を用いたブロー成
形用熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が十分でなく、45
重量%を越えると、得られる共重合体を用いたブロー成
形用熱可塑性樹脂組成物の成形性が劣るため、好ましく
ない。またアルキル置換スチレンが45重量%未満であ
ると、得られる共重合体を用いたブロー成形用熱可塑性
樹脂組成物の耐熱性が劣るため、好ましくなく、95重
量%を越えると、成形性が劣るため好ましくない。
【0015】本発明におけるスチレン−アクリロニトリ
ル共重合体(III)はアクリロニトリル25〜45重
量%およびスチレン75〜55重量%であることが必要
である。アクリロニトリルが25重量%未満であると、
得られる共重合体を用いたブロー成形用熱可塑性樹脂組
成物の耐熱性が劣るため好ましくなく、45重量%を越
えると、得られる共重合体を用いたブロー成形用熱可塑
性樹脂組成物の色調が悪くなるため好ましくない。
【0016】また、本発明におけるスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体(III)中のアクリロニトリルの3
連シーケンスとは、(式1)に表される当該共重合体中
のセグメントである。スチレン−アクリロニトリル共重
合体が高温にさらされる状態では、(式2)に示す分子
内環化反応が進むため、着色にいたると推定されてい
る。
【0017】
【化1】
【化2】 本発明におけるスチレン−アクリロニトリル共重合体
(III)に関し、アクリロニトリルの3連シーケンス
の割合が10重量%を越えるとブロー成形用熱可塑性樹
脂組成物の溶融時の色調安定性が悪くなり、好ましくな
い。より好ましくは8重量%以下である。このようなア
クリロニトリルの3連シーケンスの割合が10重量%以
下に制御されたスチレン−アクリロニトリル共重合体
(III)は、残存単量体混合物中のアクリロニトリル
の割合を制御して重合を行うことにより製造することが
できる。
【0018】また、本発明におけるスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体(III)の還元粘度(ηsp/c)は、
得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形
性をより向上させるために、0.40〜1.50dl/
gであることが必要であり、好ましくは0.50〜1.
20dl/gである。0.40dl/g未満では、得ら
れるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロー成形性が
劣るため好ましくない。また、1.50dl/gを越え
ると、得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物のブロ
ー成形性が劣るため好ましくない。
【0019】本発明におけるマレイミド系共重合体(I
V)は、シアン化ビニル系単量体(b)5〜45重量
%,芳香族ビニル系単量体(c)40〜90重量%およ
びマレイミド系単量体(f)25〜55重量%である。
シアン化ビニル系単量体(b)5〜40重量%、芳香族
ビニル系単量体(c)45〜80重量%、マレイミド系
単量体(f)30〜50重量%の範囲のものが成形加工
性の点で好ましい。シアン化ビニル系単量体が5重量%
未満であると、得られる共重合体を用いたブロー成形用
熱可塑性樹脂組成物の成形性が劣り、45重量%を越え
ると、得られる共重合体を用いたブロー成形用熱可塑性
樹脂組成物の溶融時の色調安定性が著しく低下するため
好ましくない。また、芳香族ビニル系単量体(c)が4
0重量%未満であると、得られる共重合体を用いたブロ
ー成形用熱可塑性樹脂組成物の溶融時の色調安定性が著
しく低下し、90重量%を越えると、得られる共重合体
を用いたブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が劣
るため好ましくない。またマレイミド系単量体(f)が
25重量%未満であると、得られる共重合体を用いたブ
ロー成形用熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が十分でなく、
55重量%を越えると、得られる共重合体を用いたブロ
ー成形用熱可塑性樹脂組成物の成形性が劣るため好まし
くない。
【0020】また本発明におけるマレイミド系共重合体
(IV)の重量平均分子量/数平均分子量の比は2.0
〜3.0である必要があり、好ましくは2.1〜2.9
である。重量平均分子量/数平均分子量の比が2.0未
満であると、得られる共重合体を用いたブロー成形用熱
可塑性樹脂組成物の成形性が劣るため、好ましくない。
また、3.0を越えると、得られる共重合体を用いたブ
ロー成形用熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が劣るため好ま
しくない。
【0021】本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
において、ゴム含有グラフト共重合体(I)、アルキル
置換スチレン系共重合体(II)、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体(III)およびマレイミド系共重合
体(IV)の配合割合は、ゴム含有グラフト共重合体
(I)10〜50重量部、アルキル置換スチレン系共重
合体(II)30〜60重量部、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体(III)0〜50重量部およびマレイ
ミド系共重合体(IV)0〜20重量部であり、合計が
100重量部でありかつブロー成形用熱可塑性樹脂組成
物中のマレイミド含有率が5重量%未満であることこと
が必要である。ゴム含有グラフト共重合体(I)が10
重量部未満だと得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成
物の衝撃強度が十分ではなく、50重量部を越えると成
形加工性が劣るため好ましくない。アルキル置換スチレ
ン系共重合体(II)が30重量部未満だと得られるブ
ロー成形用熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が十分ではなく
60重量部を越えると成形加工性が劣るため好ましくな
い。また、スチレン−アクリロニトリル共重合体(II
I)が50重量部を越えると、得られるブロー成形用熱
可塑性樹脂組成物の耐熱性が十分ではなく好ましくな
い。また、マレイミド系共重合体(IV)が5重量部未
満だと得られるブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の耐熱
性が十分ではなく、50重量部を越えると成形加工性が
劣るため好ましくない。また、ブロー成形用熱可塑性樹
脂組成物中のマレイミド含有率が5重量%以上だと成形
収縮率が大きくなり、既存のABS樹脂・変性PPO樹
脂用の金型が使えない場合がある。
【0022】本発明の自動車、2輪車用塗装大型中空樹
脂部品の具体例としてバンパー、エアースポイラー、ラ
ジエターグリル、スクーターハウジングなどがあり、本
発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物が好適である。
【0023】本発明においては、さらに必要に応じて
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4、
4´−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)などのフェノール系酸化防止剤、トリス
(ミックスド、モノおよびジノニルフェニル)ホスファ
イト、ジフェニル・イソデシルホスファイトなどのリン
系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピネート、ジミリ
スチルチオジプロピネートジアステリアルチオジプロピ
ネートなどのイオウ系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4
−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外線
吸収剤、ビス(2、2、6、6、−テトラメチル−4−
ピペリジニル)などの光安定剤、ヒドロキシルアルキル
アミン、スルホン酸塩などの帯電防止剤、エチレンビス
ステアリルアミド、金属石鹸などの滑剤、ガラス繊維、
カーボン繊維などの無機充填材、テトラブロモビスフェ
ノールA、デカブロモジフェニールオキサイド、TBA
エポキシオリゴマー、TBAポリカーボネートオリゴマ
ー、三酸化アンチモンなどの難燃剤、着色剤なども添加
することも可能である。
【0024】本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
は耐衝撃性、耐熱性、溶融時の色調安定性に優れかつ、
成形収縮率が小さく既存のABS樹脂・変性PPO樹脂
用の金型に適しており、塗装、真空蒸着、メッキ等にも
好適であるが、耐熱性、および溶融時の色調安定性の両
者に優れているため、自動車、2輪車用塗装大型中空樹
脂部品に適している。
【0025】以下、本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂
組成物の製造方法例について述べる。本発明におけるゴ
ム含有グラフト共重合体(I)の製造方法については特
に制限はなく乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶
液重合法ならびにそれらの組み合わせによる重合法によ
り製造することができるが、乳化重合法が好ましい。
【0026】本発明におけるアルキル置換スチレン系共
重合体(II)の製造方法については特に制限はなく、
乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法なら
びにそれらの組み合わせによる重合法により製造するこ
とができる。
【0027】本発明におけるスチレン−アクリロニトリ
ル共重合体(III)の重合方法としては残存単量体混
合物中のアクリロニトリルの割合の制御、オリゴマーの
低減および乳化剤、溶媒などの副原料による溶融時の熱
着色安定性の阻害といった観点から水系懸濁重合が好ま
しい。
【0028】前記重合に用いられる懸濁安定剤として
は、粘土、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム等の無機
系懸濁安定剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリアクリルアミド、メタクリル酸メチ
ル/アクリルアミド共重合体等の有機系懸濁安定剤など
が挙げられ、中でも有機系懸濁安定剤が溶融時の熱着色
安定性の面で好ましく、より好ましくはメタクリル酸メ
チル/アクリルアミド共重合体がよい。
【0029】前記重合に用いられる、仕込みモノマー総
量100重量部に対する分散媒体としての水の仕込み総
量は、モノマの良好な水中分散性の維持および水中への
シアン化ビニル系単量体の多量の溶解移行防止といった
観点から80〜350重量部の範囲から選ぶのが好まし
く、より好ましくは100〜200重量部がよい。
【0030】前記重合に使用される重合開始剤としては
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル),2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルバ
レロニトリル)などのアゾニトリル化合物およびt−ブ
チルパーオキサイド,t−ブチルパーオキシネオデカネ
ート,t−ブチルパーオキシネオセキサノエート,t−
ブチルパ−オキシピバレートなどの有機過酸化物が挙げ
られ、これらは1種または2種以上を併用することがで
きるが、中でもアゾニトリル化合物が特に好ましい。
【0031】前記重合に使用される連鎖移動剤について
はn−オクチルメルカプタン,t−ドデシルメルカプタ
ン,n−ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプ
タン類などが挙げられる。これらの連鎖移動剤は1種ま
たは2種以上を併用することができる。使用方法として
は一括添加、分割添加、または連続添加のいずれの方法
でも差支えない。
【0032】また、本発明におけるスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体(III)を得るためには、アクリロ
ニトリルの3連シーケンスの割合の制御上、重合開始〜
重合終了までの重合系内の残存単量体中のアクリロニト
リルの割合を95%以下に制御し、かつ重合開始から重
合率10%経過時点までの残存単量体混合物中のアクリ
ロニトリルの割合を70重量%以上95重量%以下にす
るのが好ましい。残存単量体混合物中のアクリロニトリ
ルの割合は、重合開始剤の量、重合禁止剤の添加、スト
リッピングによるアクリロニトリルの重合系内からの除
去もしくはスチレンを重合中の重合系内への添加にて、
制御することができる。
【0033】本発明におけるマレイミド系共重合体(I
V)の製造方法については特に制限はなく、乳化重合
法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法ならびにそれ
らの組み合わせによる重合法により製造することができ
る。
【0034】本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
に関し、ゴム含有グラフト共重合体(I)、アルキル置
換スチレン系共重合体(II)、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体(III)およびマレイミド系共重合体
(IV)の配合・溶融押出しについては特に制限はな
く、通常公知の方法を採用することができる。ゴム含有
グラフト共重合体(I)、アルキル置換スチレン系共重
合体(II)、スチレン−アクリロニトリル共重合体
(III)およびマレイミド系共重合体(IV)の配合
の際には、例えばリボンブレンダー、V型ブレンダー、
ヘンシェルミキサー等を用いることができる。そして単
軸押出機、2軸押出機などの押出機、バンバリーミキサ
ー、混合ロール、加圧ニーダー等を使用した混練処理に
より、ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物を得ることがで
きる。
【0035】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例および比較例を挙げて説明するが、これら実
施例は本発明を限定するものではない。参考例、実施
例、比較例中の部、%はそれぞれ重量部、重量%を表
す。なお、得られたゴム含有グラフト共重合体(I)、
アルキル置換スチレン系共重合体(II)、スチレン−
アクリロニトリル共重合体(III)、マレイミド系共
重合体(IV)およびブロー成形用熱可塑性樹脂組成物
の各物性値は、下記の試験法により求めた。
【0036】還元粘度(ηsp/c)はウベローデ粘度計
を使用し、測定温度30℃、試料濃度0.4g/dlの
メチルエチルケトン溶液より測定した。
【0037】アルキル置換スチレン系共重合体(I
I)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(III)
およびマレイミド系共重合体(IV)のシアン化ビニル
系単量体、芳香族ビニル系単量体、アルキル置換スチレ
ン系単量体およびマレイミド系単量体の含有率は30μ
m程度のフィルム状の試料をFT−IR分析により求め
た。
【0038】マレイミド系共重合体(IV)の重量平均
分子量/数平均分子量の比は、ゲル浸透クロマトグラフ
法により、下記のような条件で重量平均分子量と数平均
分子量を測定し求めた。 装置 :WATERS社製GPC−244 カラム :TSKゲル 流量 :THF溶媒 0.1%溶液 1.0ml/min 温度 :23℃ 検出器 :示差屈折率検出器 分子量校正 :ポリスチレン スチレン−アクリロニトリル共重合体(III)中のア
クリロニトリルの3連シーケンスの割合は、13C−NM
Rに現れるアクリロニトリルのα−炭素のシグナルシフ
トが隣接モノマ種の違いで若干異なる事を利用し、3連
シーケンスの割合をそのシグナル積分値から定量した。
測定条件は以下の通りである。 装置 :JEOL JNM−GSX400型 観測周波数 :100.5MHz 溶媒 :DMSO−d6 濃度 :445mg/2.5mL 化学シフト基準:Me4 Si 温度 :110℃ 観測幅 :20000Hz データ点 :32K flip angle :90°(21μs) pulsedelaytime:5.0s 積算回数 :7400または8400 デカップリング:gated decoupling(without NOE) 1/2インチ、ノッチ付きアイゾット衝撃強度は、ブロ
ー成形用熱可塑性樹脂組成物の射出成形品について、A
STM D256に準じて測定した。
【0039】1/4インチ荷重撓み温度(DTL)は、
ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の射出成形品につい
て、ASTM D648(18.6kg/cm2 )に準
じて測定した。
【0040】黄変度(YI)は、ブロー成形用熱可塑性
樹脂組成物の射出成形品(角板:120×100×3m
m)について、JIS K7103に準じ、日本電色工
業(株)製、測色色差計(ND−100型)を用いて3
刺激値X,Y,Zを測定し、算出した。
【0041】成形収縮率は、120mm×80mm×3
mmの角板を230℃で成形したときの、実寸法を測定
して、計算した。
【0042】以下、実施例および比較例を示す。 参考例1 ゴム含有グラフト共重合体(I)の製造 窒素置換した反応器に純水120部、ブドウ糖0.5
部、ピロリン酸ナトリウム0.5部、硫酸第一鉄0.0
05部およびポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径
0.3μm,ゲル含有率85%)50部(固形分換算)
を仕込み、撹拌しながら反応器内の温度を65℃に昇温
した。内温が65℃に達した時点を重合開始としてモノ
マ(スチレン35部,アクリロニトリル15部)および
t−ドデシルメルカプタン0.3部からなる混合物を5
時間かけて連続滴下した。同時に並行してクメンハイド
ロパーオキサイド0.25部,オレイン酸カリウム2.
5部および純水25部からなる水溶液を7時間かけて連
続滴下し、反応を完結させた。得られたグラフト共重合
体ラテックスを硫酸で凝固し、苛性ソ−ダで中和後、洗
浄、濾過、乾燥してゴム含有グラフト共重合体(I)を
得た。このグラフト共重合体(I)のグラフト率は45
%、樹脂成分のηsp/cは0.68dl/gであった。
【0043】参考例2 アルキル置換スチレン系共重合
体(II)の製造 窒素置換した反応器に純水120部、ブドウ糖0.5
部、ピロリン酸ナトリウム0.5部、硫酸第一鉄0.0
05部およびラウリル硫酸ナトリウム3部を仕込み、撹
拌しながら反応器内の温度を70℃に昇温した。内温が
70℃に到達した時点を重合開始としてアルファメチル
スチレン79部、アクリロニトリル8部およびt−ドデ
シルメルカプタン0.1部からなる混合物を8時間かけ
て連続滴下した。その後、アクリロニトリル13部を4
時間かけて連続滴下した。同時に並行してクメンハイド
ロパーオキサイド0.5部およびラウリル硫酸ナトリウ
ム2部からなる水溶液を14時間かけて連続滴下した。
重合温度条件は重合開始から12時間までは70℃、次
いで90℃に昇温して2時間保持し、反応を完結させ
た。得られたアルキル置換スチレン系共重合体ラテック
スを硫酸マグネシウムで凝固し洗浄、濾過、乾燥してア
ルキル置換スチレン系共重合体(II)を得た。このア
ルキル置換スチレン系共重合体(II)のアクリロニト
リル含有率は、23%であり、ηsp/cは0.52dl/gで
あった。
【0044】参考例3 スチレン−アクリロニトリル共
重合体(III)aの製造 容量が20Lで、バッフルおよびファウドラ型攪拌翼を
備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メ
チル/アクリルアミド共重合体(特公昭45−2415
1号公報記載)0.05部をイオン交換水165部に溶
解した溶液を400rpmで攪拌し、系内を窒素ガスで
置換した。次にアクリロニトリル42部、スチレン4.
O部、t−ドデシルメルカプタン0.46部、2,2’
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3
9部,2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.05
部の混合溶液を反応系を攪拌しながら添加し、58℃に
昇温し重合を開始した。重合開始から15分が経過した
後オートクレーブ上部に備え付けた供給ポンプからのス
チレン54部を110分かけて添加した。この間、反応
温度を65℃まで昇温した。スチレンの反応系への添加
終了後、50分かけて100℃まで昇温した。以降は、
通常の方法に従って、反応系の冷却、ポリマーの分離、
洗浄、乾燥を行ない、表1記載のスチレン−アクリロニ
トリル共重合体(III)aを得た。
【0045】参考例4 スチレン−アクリロニトリル共
重合体(III)bの製造 参考例3の条件のうち、t−ドデシルメルカプタンを
0.6部にした以外は、参考例3と同様に同様の方法で
重合を行い、表1記載のスチレン−アクリロニトリル共
重合体(III)bを得た。
【0046】参考例5 スチレン−アクリロニトリル共
重合体(III)cの製造 参考例3の条件のうち、t−ドデシルメルカプタンを0
部にした以外は、参考例3と同様に同様の方法で重合を
行い、表1記載のスチレン−アクリロニトリル共重合体
(III)cを得た。
【0047】参考例6 スチレン−アクリロニトリル共
重合体(III)dの製造 参考例3の条件のうち、 混合溶液:アクリロニトリル 42部 スチレン 58部 スチレンの追添加: 0部 とし、あとは参考例3と同様の方法で重合を行い、表1
記載のスチレン−アクリロニトリル共重合体(III)
dを得た。
【0048】参考例7 スチレン−アクリロニトリル共
重合体(III)eの製造 参考例3の条件のうち、 混合溶液:アクリロニトリル 70部 スチレン 30部 スチレンの追添加: 0部 とし、あとは参考例3と同様の方法で重合を行い、表1
記載のスチレン−アクリロニトリル共重合体(III)
eを得た。
【0049】参考例8 マレイミド系共重合体(IV)
Aの製造 容量が20Lで、バッフルおよびファウドラ型攪拌翼を
備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリル酸メ
チル/アクリルアミド共重合体(特公昭45−2415
1号公報記載)0.05部をイオン交換水165部に溶
解した溶液を400rpmで攪拌し、系内を窒素ガスで
置換した。次にアクリロニトリル10部スチレン50
部、N−フェニルマレイミド40部、t−ドデシルメル
カプタン0.46部、および2,2’−アゾビスイソブ
チルニトリル0.15部の混合溶液を反応系を攪拌しな
がら添加し、60℃に昇温し110分重合を行った。こ
の後、100℃まで50分かけて昇温し重合を完結させ
た。その後、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾
燥を行ない、表2記載のマレイミド系共重合体(IV)
Aを得た。このマレイミド系共重合体(IV)Aの重量
平均分子量/数平均分子量の比は表2記載のとおりであ
った。
【0050】参考例9 マレイミド系共重合体(IV)
Bの製造 参考例8の条件のうち、アクリロニトリルを20部に、
スチレンを50部に、N−フェニルマレイミドを30部
とし、あとは参考例2と同様の方法で重合を行い、表1
記載のマレイミド系共重合体(IV)Bを得た。マレイ
ミド系共重合体(IV)Bの重量平均分子量/数平均分
子量の比は表2記載のとおりであった。 参考例10 マレイミド系共重合体(IV)Cの製造 参考例8の条件のうち、アクリロニトリルを50部に、
スチレンを30部に、N−フェニルマレイミドを20部
とし、あとは参考例8と同様の方法で重合を行い、表1
記載のマレイミド系共重合体(IV)Cを得た。マレイ
ミド系共重合体(IV)Cの重量平均分子量/数平均分
子量の比は表2記載のとおりであった。参考例11 マ
レイミド系共重合体(IV)Dの製造 参考例2の条件のうち、アクリロニトリルを22部に、
スチレンを68部に、N−フェニルマレイミドを10部
とし、あとは参考例2と同様の方法で重合を行い、表1
記載のマレイミド系共重合体(IV)Dを得た。マレイ
ミド系共重合体(II)Dの重量平均分子量/数平均分
子量の比は表2記載のとおりであった。 実施例 1〜4 ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物の製
造 参考例1にて製造されたゴム含有グラフト共重合体
(I)、参考例2にて製造されたアルキル置換スチレン
系共重合体(II)、参考例3〜4にてスチレン−アク
リロニトリル共重合体(III)a〜b、および参考例
8〜9にて製造されたマレイミド系共重合体(IV)A
〜Bを表3に示す配合割合にてヘンシェルミキサーで混
練後、40mmφ押出機により押出しブロー成形用熱可
塑性樹脂組成物を得た。得られたブロー成形用熱可塑性
樹脂組成物を射出成形により試験片を作成し、1/2イ
ンチアイゾット衝撃強度、黄変度(YI)、1/4イン
チ荷重撓み温度(DTL)および成形収縮率を測定し、
その測定値を表3に示した。
【0051】比較例 1〜9 ブロー成形用熱可塑性樹
脂組成物の製造 参考例1にて製造されたゴム含有グラフト共重合体
(I)、参考例2にて製造されたアルキル置換スチレン
系共重合体(II)、参考例3〜7にてスチレン−アク
リロニトリル共重合体(III)a〜eおよび参考例8
〜11にて製造されたマレイミド系共重合体(IV)A
〜Dを表3に示す配合割合にてヘンシェルミキサーで混
練後、40mmφ押出機により押出しブロー成形用熱可
塑性樹脂組成物を得た。得られたブロー成形用熱可塑性
樹脂組成物を射出成形により試験片を作成し、1/2イ
ンチアイゾット衝撃強度、黄変度(YI)、1/4イン
チ荷重撓み温度(DTL)および成形収縮率を測定し、
その測定値を表3に示した。
【0052】実施例1〜4より、本発明の請求項記載の
配合割合のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物が、耐衝撃
性、耐熱性、溶融時の色調安定性に優れ、成形収縮率が
小さいることが判る。しかし、比較例1、2はゴム含有
グラフト共重合体(I)の配合割合が本発明の請求項記
載範囲外であるため、比較例1は耐衝撃性が低く、比較
例2は耐熱性が低い。また比較例3は樹脂組成物中のマ
レイミド含有率が本発明の請求項記載範囲外であるため
成形収縮率が大きい。また、比較例4、5、6はスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体(III)が本発明の請
求項記載範囲外であるため、比較例4は成形収縮率が大
きく、比較例5、6は溶融時の色調安定性が劣る。比較
例7〜9は、マレイミド系共重合体(IV)が本発明の
請求項記載範囲外であるため、比較例7は溶融時の色調
安定性が劣り、比較例8・9は耐衝撃性が低い。
【0053】実施例および比較例より、本発明のブロー
成形用熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、耐熱性、溶融
時の色調安定性に優れかつ、成形収縮率が小さい。これ
は、特定の構造を有するスチレン−アクリロニトリル共
重合体、特定の構造を有するアルキル置換スチレン系共
重合体、マレイミド系共重合体およびゴム含有グラフト
共重合体を特定量組み合わせ、かつ樹脂組成物中のマレ
イミド含有率を特定量にすることにより初めて実現され
るものである。
【0054】
【表1】
【表2】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成
物は、特定の構造を有するスチレン−アクリロニトリル
共重合体、特定の構造を有するアルキル置換スチレン系
共重合体、マレイミド系共重合体およびゴム含有グラフ
ト共重合体を特定量組み合わせ、かつ樹脂組成物中のマ
レイミド含有率を特定量にすることにより耐衝撃性、耐
熱性、溶融時の色調安定性に優れかつ、成形収縮率が小
さいブロー成形用熱可塑性樹脂組成物が得られる。ブロ
ー成形用本発明の熱可塑性樹脂組成物は、これらの特徴
をいかしてブロー成形加工用途に供されるが、特に自動
車、2輪車用大型中空樹脂部品用樹脂材料として好適で
ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム質重合体(a)の存在下にシアン化ビ
    ニル系単量体(b)、芳香族ビニル系単量体(c)およ
    びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体(d)から
    選ばれる少なくとも1種以上の単量体をグラフトしてな
    るゴム含有グラフト共重合体(I)10〜50重量部、 シアン化ビニル系単量体(b)5〜45重量%およびア
    ルキル置換スチレン(e)95〜45重量%からなるア
    ルキル置換スチレン系共重合体(II)30〜60重量
    部、 アクリロニトリル25〜45重量%およびスチレン75
    〜55重量%からなり、アクリロニトリルの3連シーケ
    ンスの割合が10重量%以下であり、還元粘度が0.4
    0〜1.50dl/gであるスチレン−アクリロニトリ
    ル共重合体(III)50重量部、 シアン化ビニル系単量体(b)5〜45重量%,芳香族
    ビニル系単量体(c)40〜90重量%およびマレイミ
    ド系単量体(f)25〜55重量%からなり、重量平均
    分子量/数平均分子量の比が2.0〜3.0であるマレ
    イミド系共重合体(IV)0〜20重量部からなり、 ゴム含有グラフト共重合体(I)、アルキル置換スチレ
    ン系共重合体(II)、スチレン−アクリロニトリル共
    重合体(III)およびマレイミド系共重合体(IV)
    の合計が100重量部であり、かつ樹脂組成物中のマレ
    イミド含有率が5重量%未満であることを特徴とするブ
    ロー成形用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】アルキル置換スチレン系共重合体(II)
    におけるアルキル置換スチレン(e)がアルファメチル
    スチレンである請求項1記載のブロー成形用熱可塑性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】スチレン−アクリロニトリル共重合体(I
    II)におけるアクリロニトリルの3連シーケンスの割
    合が8重量%以下である請求項1記載のブロー成形用熱
    可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】スチレン−アクリロニトリル共重合体(I
    II)の還元粘度が0.50〜1.20dl/gである
    ことを特徴とする請求項1記載のブロー成形用熱可塑性
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】マレイミド系共重合体(IV)におけるマ
    レイミド系単量体(f)がN−フェニルマレイミドであ
    る請求項1記載のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】自動車、2輪車用大型中空樹脂部品に適し
    た請求項1ないし5のいずれか1項に記載のブロー成形
    用熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001218151A (ja) * 2000-01-31 2001-08-10 Sony Corp 編集装置及びその方法
JP2012036384A (ja) * 2010-07-15 2012-02-23 Toray Ind Inc 耐熱・耐塗装性熱可塑性樹脂組成物
JP2019119888A (ja) * 2017-12-29 2019-07-22 ロッテ アドバンスト マテリアルズ カンパニー リミテッド ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およびこれから成形される成形品

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