JPWO2016158564A1 - 熱可塑性樹脂組成物、成形体、成形体の製造方法及び車両外装材料 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、成形体、成形体の製造方法及び車両外装材料 Download PDF

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Abstract

成形体の外観、耐傷付性、耐候性、耐熱性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供する。アクリル樹脂(A)及び傷付防止剤(B)を含む、熱可塑性樹脂組成物であって、前記アクリル樹脂(A)が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)を含み、前記傷付防止剤(B)が、成分(B2)エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体で、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム以外の共重合体、及び成分(B3)高級脂肪酸アミドを含み、更に、成分(B1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム、及び成分(B4)グラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物。

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、成形体及び車両外装材料に関する。
本願は、2015年4月2日に、日本に出願された特願2015−075526号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
アクリル樹脂は、その優れた外観、耐傷付性、耐薬品性から、洗面化粧台、浴槽、水洗便器等の住宅設備向け材料;建築材料;車両等の内外装材料等、広く用いられている。
アクリル樹脂は、住宅設備向け材料、建築材料、車両等の内外装材料等に用いる場合、人や物との接触により製品に傷が付くことがあるため、より優れた耐傷付性が求められている。
これらの課題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、表面を塗装したアクリル樹脂成形体が提案されている。また、特許文献2には、シリコーンオイルを配合したアクリル樹脂成形体が提案されている。
国際公開2010/067742号パンフレット 特開平11−35778号公報
しかしながら、特許文献1で提案されているアクリル樹脂成形体は、有機溶剤を用いるため環境負荷が高く、塗装の工程を有するため生産性に劣る。また、特許文献2で提案されているアクリル樹脂成形体は、配合したシリコーンオイルにより、成形体の演色性や耐候性に劣り、成形時に成形不良を起こしやすい。
そこで、本発明の目的は、成形体の外観、耐傷付性、耐候性、耐熱性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]アクリル樹脂(A)及び傷付防止剤(B)を含む、熱可塑性樹脂組成物であって、
前記アクリル樹脂(A)が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)を含み、
前記傷付防止剤(B)が、下記に示す成分(B2)及び成分(B3)を含む、熱可塑性樹脂組成物。
成分(B2)エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体で、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム以外の共重合体
成分(B3)高級脂肪酸アミド
[2]前記傷付防止剤(B)が、更に下記に示す成分(B1)を含む、[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
成分(B1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム
[3]前記傷付防止剤(B)が、更に下記に示す成分(B4)を含む、[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
成分(B4)グラフト共重合体
[4]前記傷付防止剤(B)の含有量が、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位及びメチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6]メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)の質量平均分子量が、20000以上200000以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[7]前記アクリル樹脂(A)が、更に、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上有する耐衝撃性改良剤(a)を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形体。
[9]耐傷付性試験前後のΔE*abが、3以下である、[8]に記載の成形体。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含む車両外装材料。
[11][8]又は[9]に記載の成形体を含む車両外装材料。
[12]アクリル樹脂(A)及び傷付防止剤(B)を含む、成形体であって、
耐候性試験前後のΔEabが、3未満であり、
前記アクリル樹脂(A)が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)を含み、
前記傷付防止剤(B)が、下記に示す成分(B2)及び成分(B3)を含む、成形体。
成分(B2)エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体で、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム以外の共重合体
成分(B3)高級脂肪酸アミド
[13]前記傷付防止剤(B)が、更に下記に示す成分(B1)を含む、[12]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
成分(B1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム
[14]前記アクリル樹脂(A)が、更に、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上有する耐衝撃性改良剤(a)を含む、[12]に記載の成形体。
[15]耐傷付性試験前後のΔE*abが、3以下である、[12]〜[14]のいずれか一項に記載の成形体。
[16][12]〜[15]のいずれか一項に記載の成形体を含む車両外装材料。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形体の外観、耐傷付性、耐候性、耐熱性に優れる。
また、本発明の成形体は、外観、耐傷付性、耐候性、耐熱性に優れる。
また、本発明の成形体の製造方法は、生産性に優れ、得られる成形体の外観、耐傷付性、耐候性、耐熱性に優れる。
更に、本発明の車両外装材料は、外観、耐傷付性、耐候性、耐熱性に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、アクリル樹脂(A)及び傷付防止剤(B)を含む。
(アクリル樹脂(A))
アクリル樹脂(A)は、成形体の外観、耐熱性、機械特性に優れることから、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)と炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上有する耐衝撃性改良剤(a)とを含む樹脂組成物(A2)が好ましい。
(樹脂(A1))
メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)(以下、「樹脂(A1)」と略す場合がある。)としては、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体等が挙げられる。これらの樹脂(A1)の中でも、成形体の外観、耐熱性、引張強さに優れることから、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上100質量%以下含む共重合体が好ましく、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を85質量%以上99.5質量%以下含む共重合体がより好ましく、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を90質量%以上99質量%以下含む共重合体が更に好ましい。
他の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等のメチルメタクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン等のオレフィン化合物等が挙げられる。これらの他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの他の単量体の中でも、成形体の外観、熱安定性に優れることから、メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートがより好ましい。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又はその両方をいう。
他の単量体の含有率は、アクリル樹脂本来の性能を損なわないことから、全単量体100質量%中、20質量%以下であり、0質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が更に好ましい。
樹脂(A1)の製造方法としては、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げられる。これらの樹脂(A1)の重合方法の中でも、生産性に優れることから、塊状重合法、懸濁重合法が好ましく、塊状重合法がより好ましく、異物の混入を抑制することができることから、連続塊状重合法が更に好ましい。
樹脂(A1)の質量平均分子量は、20000以上200000以下が好ましく、50000以上150000以下がより好ましい。樹脂(A1)の質量平均分子量が20000以上であると、耐薬品性に優れる。また、樹脂(A1)の質量平均分子量が200000以下であると、溶融成形時の流動性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均分子量は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値とする。
(耐衝撃性改良剤(a))
炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝撃性改良剤(a)(以下、「耐衝撃性改良剤(a)」と略す場合がある。)は、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含み、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上80質量%以下含むことが好ましく、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を25質量%以上70質量%以下含むことがより好ましく、30質量%以上60質量%以下含むことが更に好ましい。
耐衝撃性改良剤(a)としては、例えば、公知の耐衝撃性改良剤が挙げられる。これらの耐衝撃性改良剤(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの耐衝撃性改良剤(a)の中でも、樹脂(A1)との相溶性に優れ、成形体の耐衝撃性に優れることから、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子が好ましい。
内層は、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層であることが好ましい。
ゴム弾性層に用いる炭素数2〜8のアルキルアクリレートの単独重合体のガラス転移温度は、−80℃以上25℃以下が好ましく、−60℃以上10℃以下がより好ましい。ゴム弾性層に用いる炭素数2〜8のアルキルアクリレートの単独重合体のガラス転移温度が−80℃以上であると、生産性に優れる。また、ゴム弾性層に用いる炭素数2〜8のアルキルアクリレートの単独重合体のガラス転移温度が25℃以下であると、成形体の低温での耐衝撃性に優れる。
尚、本明細書において、ガラス転移温度は、ISO 3146に準拠し、熱流束示差走査熱量測定で測定した値とする。
内層を構成するための単量体の組成比は、成形体の耐衝撃性に優れることから、全単量体100質量%中、炭素数2〜8のアルキルアクリレート40質量%以上88.9質量%以下、炭素数2〜8のアルキルアクリレート以外の非架橋性単量体10質量%以上58.9質量%以下、架橋性単量体0質量%以上10質量%以下、グラフト交叉剤0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、炭素数2〜8のアルキルアクリレート60質量%以上84.8質量%以下、炭素数2〜8のアルキルアクリレート以外の非架橋性単量体15質量%以上38.8質量%以下、架橋性単量体0質量%以上5質量%以下、グラフト交叉剤0.2質量%以上5質量%以下がより好ましい。
炭素数2〜8のアルキルアクリレートとしては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらの炭素数2〜8のアルキルアクリレートの中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましく、n−ブチルアクリレートがより好ましい。
炭素数2〜8のアルキルアクリレート以外の非架橋性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等の炭素数2〜8のアルキルアクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン等のオレフィン化合物等が挙げられる。これらの他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの他の単量体の中でも、成形体の外観に優れることから、炭素数2〜8のアルキルアクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物、芳香族ビニル化合物が好ましく、メチルメタクリレート、スチレンがより好ましい。
架橋性単量体は、反応性が同じである複数の重合性二重結合を有する単量体であり、例えば、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの架橋性単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの架橋性単量体の中でも、炭素数2〜8のアルキルアクリレートとの共重合性に優れることから、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
グラフト交叉剤は、反応性が異なる複数の重合性二重結合を有する単量体であり、例えば、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのグラフト交叉剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのグラフト交叉剤の中でも、炭素数2〜8のアルキルアクリレートとの共重合性に優れることから、アリル(メタ)アクリレートが好ましく、アリルメタクリレートがより好ましい。
内層は、単層であっても、多層であってもよいが、生産性に優れることから、1〜3層が好ましく、1〜2層がより好ましい。
外層は、硬質層であることが好ましい。
硬質層のガラス転移温度は、50℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃がより好ましい。硬質層のガラス転移温度が50℃以上であると、成形体の外観に優れる。また、硬質層のガラス転移温度が200℃以下であると、成形体の耐衝撃性に優れる。
外層を構成するための単量体の組成比は、成形体の外観に優れることから、全単量体100質量%中、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート50質量%以上100質量%以下、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体0質量%以上50質量%以下が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート70質量%以上100質量%以下、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体0質量%以上30質量%以下がより好ましい。
炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレートの中でも、成形体の外観に優れることから、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体としては、例えば、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等の炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン等のオレフィン化合物等が挙げられる。これらの他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの他の単量体の中でも、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレートとの共重合性に優れることから、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
外層は、単層であっても、多層であってもよいが、生産性に優れることから、1〜3層が好ましく、1〜2層がより好ましい。
内層と外層の質量比は、内層と外層の全量100質量%中、内層20質量%以上80質量%以下、外層20質量%以上80質量%以下が好ましく、内層50質量%以上70質量%以下、外層30質量%以上50質量%以下がより好ましい。内層20質量%以上、外層80質量%以下であると、成形体の耐衝撃性に優れる。また、内層80質量%以下、外層20質量%以上であると、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上含む樹脂との相溶性に優れる。
ゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の製造方法としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。これらの炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の製造方法の中でも、生産性に優れることから、乳化重合法が好ましい。
乳化重合における単量体等の添加方法としては、例えば、一括添加法、分割添加法、連続添加法等が挙げられる。これらの添加方法は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの添加方法の中でも、耐衝撃性改良剤(a)の品質に優れることから、分割添加法が好ましい。
ゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の質量平均粒子径は、10nm以上1000nm以下が好ましく、50nm以上500nm以下がより好ましい。炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の質量平均粒子径が10nm以上であると、成形体の耐衝撃性に優れる。また、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の質量平均粒子径が1000nm以下であると、成形体の耐薬品性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均粒子径は、キャピラリー・ハイドロ・ダイナミック・フロー・フラクショネーションで測定した値とする。
乳化重合で得られたゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の紛体化方法としては、例えば、凝固法、噴霧乾燥法等が挙げられる。これらの紛体化方法の中でも、耐衝撃性改良剤(a)の品質に優れることから、凝固法が好ましい。
(樹脂組成物(A2))
樹脂組成物(A2)は、樹脂(A1)と耐衝撃性改良剤(a)とを含む。
樹脂組成物(A2)中の樹脂(A1)と耐衝撃性改良剤(a)との組成比は、樹脂組成物(A2)100質量%中、樹脂(A1)20質量%以上99質量%以下、耐衝撃性改良剤(a)1質量%以上80質量%以下が好ましく、樹脂(A1)55質量%以上80質量%以下、耐衝撃性改良剤(a)20質量%以上45質量%以下がより好ましい。樹脂(A1)20質量%以上、耐衝撃性改良剤(a)80質量%以下であると、アクリル樹脂本来の性能を損なわない。また、樹脂(A1)99質量%以下、耐衝撃性改良剤(a)1質量%以上であると、成形体の耐衝撃性に優れる。
(傷付防止剤(B))
傷付防止剤(B)は、成形体の耐傷付性に優れることから、下記に示す成分(B2)及び成分(B3)を含み、更に、成形体の耐傷付性に更に優れることから、下記に示す成分(B1)及び成分(B4)を含むことが好ましい。
成分(B1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム
成分(B2)エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体で、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム以外の共重合体
成分(B3)高級脂肪酸アミド
成分(B4)グラフト共重合体
(成分(B1))
成分(B1)は、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムである。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、1種を用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのα−オレフィンの中でも、成分(B3)との親和性に優れ、成形体の耐傷付性に優れることから、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンが好ましく、プロピレン、1−オクテンがより好ましい。
非共役ジエンとしては、例えば、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン等が挙げられる。これらの非共役ジエンは、1種を用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらの非共役ジエンの中でも、成分(B3)との親和性に優れ、成形体の耐傷付性に優れることから、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンが好ましく、エチリデンノルボルネンがより好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・1−ヘキセン共重合ゴム、エチレン・1−オクテン共重合ゴム等が挙げられる。これらのエチレン・α−オレフィン共重合ゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのエチレン・α−オレフィン共重合ゴムの中でも、成分(B3)との親和性に優れ、成形体の耐傷付性に優れることから、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・1−オクテン共重合ゴムが好ましく、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・1−オクテン共重合ゴムがより好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムとしては、例えば、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴム;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合ゴム等のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム等が挙げられる。これらのエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムの中でも、成分(B3)との親和性に優れ、成形体の耐傷付性に優れることから、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合ゴムが好ましく、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合ゴムがより好ましい。
成分(B1)中のエチレン由来の繰り返し単位の含有率は、成分(B1)100質量%中、25質量%以上85質量%以下が好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましい。エチレン由来の繰り返し単位の含有率が25質量%以上であると、成分(B3)との親和性に優れる。また、エチレン由来の繰り返し単位の含有率が85質量%以下であると、成形体の耐傷付性に優れる。
(成分(B2))
成分(B2)は、エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体で、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム以外の共重合体である。
ビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリル酸;マレイン酸;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル化合物等が挙げられる。これらのビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのビニル単量体の中でも、極性を変化させることができ、成分(B3)との反親和性に優れることから、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
成分(B2)の融点は、70℃以上130℃以下が好ましく、80℃以上110℃以下がより好ましい。成分(B2)の融点が70℃以上であると、成形体の耐熱性に優れる。また、成分(B2)の融点が130℃以下であると、アクリル樹脂(A)と傷付防止剤(B)とを混練しやすい。
尚、本明細書において、融点は、示差走査熱量計を用い、示差走査熱量測定で得られた加熱時の曲線で観察される融解曲線の主融解ピークの頂点温度とする。
成分(B1)や成分(B2)は、酸等で変性してもよい。
(成分(B3))
成分(B3)は、高級脂肪酸アミドである。
高級脂肪酸アミドとしては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミド等挙げられる。これらの高級脂肪酸アミドは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高級脂肪酸アミドの炭素数は、10〜25が好ましく、12〜22がより好ましい。高級脂肪酸アミドの炭素数が10以上であると、成分(B1)との相溶性に優れ、成形体の耐傷付性に優れる。また、高級脂肪酸アミドの炭素数が25以下であると、製造が容易である。
飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド等が挙げられる。
不飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン酸アミド、エライジン酸アミド等が挙げられる。
ビス脂肪酸アミドとしては、例えば、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪酸アミド;ステアリルエルカ酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド等が挙げられる。
これらの飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミドは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミドの中でも、成形体の耐傷付性に優れることから、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドが好ましく、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドがより好ましい。
高級脂肪酸アミドの融点は、40℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上95℃以下がより好ましい。高級脂肪酸アミドの融点が40℃以上であると、成形体の耐熱性に優れる。また、高級脂肪酸アミドの融点が110℃以下であると、成形体中への分散性に優れる。
(成分(B4))
成分(B4)は、グラフト共重合体である。
グラフト共重合体は、主鎖(B4−1)と側鎖(B4−2)とを有するグラフト共重合体が好ましい。
主鎖(B4−1)は、成分(B2)との相溶性に優れるセグメントが好ましく、エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体が好ましい。
ビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリル酸;マレイン酸;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル化合物等が挙げられる。これらのビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのビニル単量体の中でも、成分(B2)との相溶性に優れることから、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
側鎖(B4−2)は、成分(B1)と成分(B2)の両者との相溶性に優れるセグメントが好ましい。
側鎖(B4−2)のセグメントを構成するための単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有化合物;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン等のオレフィン化合物等が挙げられる。これらの単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体の中でも、成分(B1)と成分(B2)の両者との相溶性に優れることから、アルキル(メタ)アクリレート化合物、水酸基含有化合物、芳香族ビニル化合物を併用することが好ましく、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレンを併用することがより好ましい。
側鎖(B4−2)は、アルキル(メタ)アクリレート化合物、水酸基含有化合物及び芳香族ビニル化合物のように、それぞれ極性の異なる単量体によりセグメントを構成することで、成分(B1)と成分(B2)の両者との相溶性に優れる。
グラフト共重合体(B4)中の主鎖(B4−1)と側鎖(B4−2)の組成比は、成分(B1)や成分(B2)との相溶性に優れ、成形体の耐傷付性に優れることから、グラフト共重合体(B4)100質量%中、主鎖(B4−1)40質量%以上90質量%以下、側鎖(B4−2)10質量%以上60質量%以下が好ましく、主鎖(B4−1)50質量%以上80質量%以下、側鎖(B4−2)20質量%以上50質量%以下がより好ましい。
グラフト共重合体(B4)の製造方法は、公知のグラフト化する方法を用いればよく、例えば、主鎖(B4−1)の存在下で側鎖(B4−2)を構成するための単量体を重合する方法等が挙げられる。
(傷付防止剤(B)組成)
傷付防止剤(B)中の成分(B1)、成分(B2)、成分(B3)、成分(B4)の組成比は、成形体の耐傷付性に優れることから、傷付防止剤(B)100質量%中、成分(B1)10質量%以上40質量%以下、成分(B2)35質量%以上70質量%以下、成分(B3)10質量%以上30質量%以下、成分(B4)5質量%以上40質量%以下が好ましく、成分(B1)15質量%以上35質量%以下、成分(B2)40質量%以上60質量%以下、成分(B3)15質量%以上25質量%以下、成分(B4)10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
(熱可塑性樹脂組成物)
熱可塑性樹脂組成物中の傷付防止剤(B)の含有量は、アクリル樹脂(A)100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下が好ましく、3質量部以上12質量部以下がより好ましい。傷付防止剤(B)の含有量が2質量部以上であると、成形体の耐傷付性に優れる。また、傷付防止剤(B)の含有量が20質量部以下であると、成形体の耐熱性、表面硬度に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、アクリル樹脂(A)や傷付防止剤(B)以外にも、他の添加剤を含んでもよい。
他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料等の着色剤等が挙げられる。これらの他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂組成物中の他の添加剤の含有量は、アクリル樹脂本来の性能を損なわないことから、アクリル樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、0質量部以上20質量部以下がより好ましく、0.01質量部以上10質量部以下が更に好ましい。
(成形体)
本発明の成形体は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる。
成形体を得るための成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、加圧成形等が挙げられる。また、得られた成形体を、更に圧空成形や真空成形等の二次成形してもよい。
成形温度、成形圧力等の成形条件は、適宜設定すればよい。
成形体の耐傷付性試験前後のΔEabは、成形体の耐傷付性に優れることから、4未満が好ましく、0以上4未満がより好ましく、0以上3以下が更に好ましく、0以上2未満が特に好ましい。
尚、本明細書において、成形体の耐傷付性試験前後のΔEabは、色彩計を用い、入射光束を直径15mmの条件で測定した値とする。
また、本明細書において、耐傷付性試験は、学振型摩擦試験機を用い、摩擦子としてガーゼを用い、荷重500gの条件で距離100mmを200往復させる試験とする。
成形体の耐候性試験前後のΔEabは、成形体の耐候性に優れることから、5未満が好ましく、0以上5未満がより好ましく、0以上4以下が更に好ましく、0以上3未満が特に好ましい。
尚、本明細書において、成形体の耐候性試験前後のΔEabは、色彩計を用い、入射光束を直径15mmの条件で測定した値とする。
また、本明細書において、耐候性試験は、サンシャインウェザーメーターを用い、温度63℃、試験時間2000時間、12分間の純水スプレーを102分ごとのサイクルとする降雨条件とする。
本発明の成形体は、外観、耐傷付性、耐候性及び耐熱性に優れることから、例えば、洗面化粧台、浴槽、水洗便器等の住宅設備向け材料;建築材料;車両等の内外装材料等に用いられ、特に、車両外装材料に好適である。
車両外装材料としては、例えば、メーターカバー、ドアミラーハウジング、ピラーカバー(サッシュカバー)、ライセンスガーニッシュ、フロントグリル、フォグガーニッシュ、エンブレム等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(外観評価)
実施例・比較例で得られた成形体(幅140mm、長さ140mm、厚さ3mm)について、傷付防止剤に起因するシルバーストリーク欠陥(銀条と呼ばれる液体が流れたような跡)が成形体表面に発生しているか目視で確認し、以下のように評価した。
A:シルバーストリーク欠陥が確認されなかった
C:シルバーストリーク欠陥が確認された
(耐傷付性試験)
実施例・比較例で得られた成形体(幅140mm、長さ140mm、厚さ3mm)を平台に設置し、学振型摩擦試験機(染色物摩擦堅牢度試験機、機種名「RT−200」、(株)大栄科学精器製作所製)を用い、摩擦子としてカネクラガーゼ(商品名、ケアライフ・メディカルサプライ(株)製)を5枚重ねたものを用い、荷重500gの条件で距離100mmを200往復させ、耐傷付性試験を行った。耐傷付性試験前後の成形体について、往復させる又は往復させた方向に対して平行な方向に光線を入射させ、ΔEab(L表色系における色差)とΔG60(60°光沢値)を測定した。
ΔEabについては、色彩計(機種名「カラーコンピュータSM−T」、スガ試験機(株)製)を用い、入射光束を直径15mmの条件で測定し、以下のように評価した。
A:2未満
B:2以上4未満
C:4以上
ΔG60については、光沢計(機種名「True Gloss GM−26PRO」、(株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定し、以下のように評価した。
A:2未満
B:2以上4未満
C:4以上
(耐候性試験)
実施例・比較例で得られた成形体(幅140mm、長さ140mm、厚さ3mm)について、サンシャインウェザーメーター(機種名「WEL−SUN−HCH」、スガ試験機(株)製)を用い、ブラックパネル温度63℃、試験時間2000時間、12分間の純水スプレーを102分ごとのサイクルとする降雨条件とし、耐候性試験を行った。耐候性試験前後の成形体について、ΔEab(L表色系における色差)を測定した。
ΔEabについては、色彩計(機種名「カラーコンピュータSM−T」、スガ試験機(株)製)を用い、入射光束を直径15mmの条件で測定し、以下のように評価した。
A:3未満
B:3以上5未満
C:5以上
(耐熱性試験)
実施例・比較例で得られた成形体について、ISO306に準拠し、荷重50N、昇温速度50℃/時間の条件で、ビカット軟化温度(℃)を測定し、以下のように評価した。
A:100℃以上
B:90℃以上100℃未満
C:90℃未満
(材料)
アクリル樹脂(A−1):アクリペット VH PTN0020(商品名、三菱レイヨン(株)製、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位98質量%程度含むアクリル樹脂)
アクリル樹脂(A−2):アクリペット IR K304 PTN0020(商品名、三菱レイヨン(株)製、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位98質量%程度含む樹脂とブチルアクリレート単位40質量%程度含む耐衝撃性改良剤との混合物)
傷付防止剤(B−1):ノフアロイ KA832(商品名、日油(株)製、成分(B1)エチレン・1−オクテン共重合ゴム、成分(B2)エチレン・エチルアクリレート共重合体、成分(B3)エルカ酸アミド、成分(B4)主鎖エチレン・エチルアクリレート共重合体で側鎖n−ブチルアクリレート・2−ヒドロキシプロピルアクリレート・スチレン共重合体のグラフト共重合体、成分(B1):成分(B2):成分(B3):成分(B4)=約20:約40:約20:約20(質量比))
傷付防止剤(B’−1):SH−200(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製、シリコーンオイル)
アクリル樹脂(A−1)100質量部及び傷付防止剤(B−1)5質量部を二軸押出機(機種名「PCM45」、(株)池貝製)に供給し、250℃で混練し、ペレットを得た。
得られたペレットを射出成形機(機種名「FAS−T100D」、ファナック(株)製)に供給し、成形温度を250℃とし、各種成形体を得た。
得られた成形体の評価結果を、表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1〜4]
表1に示す配合とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、各種成形体を得た。
得られた成形体の評価結果を、表1に示す。
Figure 2016158564
実施例1〜4で得られた成形体は、耐候性や耐熱性を維持しつつ、外観、耐傷付性に優れた。
一方、比較例1で得られた成形体は、実施例(特に、実施例1〜3)と比較して、耐傷付性に劣った。また、比較例2〜3で得られた成形体は、傷付防止剤としてシリコーンオイルを用いたため、外観、耐候性に劣った。更に、比較例4で得られた成形体は、実施例(特に、実施例4)と比較して、耐傷付性に劣った。
本発明の成形体は、外観、耐傷付性、耐候性及び耐熱性に優れることから、例えば、洗面化粧台、浴槽、水洗便器等の住宅設備向け材料;建築材料;車両等の内外装材料等に用いられ、特に、車両外装材料に好適である。

Claims (16)

  1. アクリル樹脂(A)及び傷付防止剤(B)を含む、熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記アクリル樹脂(A)が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)を含み、
    前記傷付防止剤(B)が、下記に示す成分(B2)及び成分(B3)を含む、熱可塑性樹脂組成物。
    成分(B2)エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体で、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム以外の共重合体
    成分(B3)高級脂肪酸アミド
  2. 前記傷付防止剤(B)が、更に下記に示す成分(B1)を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    成分(B1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム
  3. 前記傷付防止剤(B)が、更に下記に示す成分(B4)を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    成分(B4)グラフト共重合体
  4. 前記傷付防止剤(B)の含有量が、前記アクリル樹脂(A)100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位及びメチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)の質量平均分子量が、20000以上200000以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記アクリル樹脂(A)が、更に、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上有する耐衝撃性改良剤(a)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形体。
  9. 耐傷付性試験前後のΔE*abが、3以下である、請求項8に記載の成形体。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む車両外装材料。
  11. 請求項8又は9に記載の成形体を含む車両外装材料。
  12. アクリル樹脂(A)及び傷付防止剤(B)を含む、成形体であって、
    耐候性試験前後のΔEabが、3未満であり、
    前記アクリル樹脂(A)が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を80質量%以上有する樹脂(A1)を含み、
    前記傷付防止剤(B)が、下記に示す成分(B2)及び成分(B3)を含む、成形体。
    成分(B2)エチレンと少なくとも1種のビニル単量体との共重合体で、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム以外の共重合体
    成分(B3)高級脂肪酸アミド
  13. 前記傷付防止剤(B)が、更に下記に示す成分(B1)を含む、請求項12に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    成分(B1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム又はエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム
  14. 前記アクリル樹脂(A)が、更に、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上有する耐衝撃性改良剤(a)を含む、請求項12に記載の成形体。
  15. 耐傷付性試験前後のΔE*abが、3以下である、請求項12〜14のいずれか一項に記載の成形体。
  16. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の成形体を含む車両外装材料。
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