JP6733713B2 - 熱可塑性樹脂組成物、成形体及び住宅設備 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、成形体及び住宅設備 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、成形体及び住宅設備に関する。
アクリル樹脂は、その優れた外観、耐傷付性、耐薬品性から、洗面化粧台、浴槽、水洗
便器等の住宅設備向け材料;建築材料;車両等の内外装材料等、広く用いられている。
アクリル樹脂は、住宅設備向け材料、建築材料、車両等の内外装材料等に用いる場合、
人や物との接触により製品に傷が付くことがあるため、より優れた耐傷付性が求められて
いる。
また、アクリル樹脂は、住宅設備向け材料、建築材料、車両等の内外装材料等に用いる
場合、強力な洗浄剤や薬剤との接触により製品が劣化したり破損したりする可能性がある
ため、より優れた耐薬品性が求められている。
これらの課題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、シリコーンオイルを配
合したアクリル樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2には、シリコーンゴムを
配合したアクリル樹脂組成物が提案されている。
特開平11−35778号公報 特開2008−266426号公報
しかしながら、特許文献1で提案されているアクリル樹脂組成物は、シリコーンオイル
がブリードアウトするため、外観に劣るという課題を有する。また、特許文献2で提案さ
れているアクリル樹脂組成物は、粉末のシリコーンゴムが脱落しやすく、耐傷付性に劣る
という課題を有する。
そこで、本発明の目的は、成形体の外観、耐傷付性、耐薬品性に優れる熱可塑性樹脂組
成物を提供することにある。
本発明は、アクリル樹脂及びシリカを配合したシリコーン樹脂を含む熱可塑性樹脂組成
物であって、前記アクリル樹脂が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量
%以上含む樹脂であり、前記シリコーン樹脂の25℃における動粘度が、1.0×10
mm/秒以上であり、
前記熱可塑性樹脂組成物が、更に炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し
単位を20質量%以上含む耐衝撃性改良剤を含む、
ことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記熱可塑性樹脂組成物を成形して得られた成形体に関する。
更に、本発明は、前記成形体を含む住宅設備に関する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形体の外観、耐傷付性、耐薬品性に優れる。
また、本発明の成形体は、外観、耐傷付性、耐薬品性に優れる。
更に、本発明の住宅設備は、外観、耐傷付性、耐薬品性に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂を含む。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂は、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂
を含む。
(メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂)
メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂としては、例えば
、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体
等が挙げられる。これらのメチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含
む樹脂の中でも、成形体の外観、耐熱性、引張強さに優れることから、メチルメタクリレ
ートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を70質量%以上含む共重
合体が好ましく、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り
返し単位を90質量%以上含む共重合体がより好ましい。
他の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n
−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)
アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ
ート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2
−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル
−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメ
チル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等のメチルメタクリレート以
外の(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;(
メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合
物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;
酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、
イソブテン等のオレフィン化合物等が挙げられる。これらの他の単量体は、1種を単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの他の単量体の中でも、成形体の外観
、熱安定性に優れることから、メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物
が好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートがより
好ましい。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又
はその両方をいう。
他の単量体の含有率は、アクリル樹脂本来の性能を損なわないことから、全単量体10
0質量%中、50質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより
好ましい。
メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂の製造方法として
は、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げられる。これら
の重合方法の中でも、生産性に優れることから、塊状重合法、懸濁重合法が好ましい。
メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂の質量平均分子量
は、20000〜200000が好ましく、50000〜150000がより好ましい。
メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂の質量平均分子量が
20000以上であると、耐薬品性に優れる。また、メチルメタクリレート由来の繰り返
し単位を50質量%以上含む樹脂の質量平均分子量が200000以下であると、溶融成
形時の流動性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均分子量は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値とする。
(炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝
撃性改良剤)
アクリル樹脂は、更に炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20
質量%以上含む耐衝撃性改良剤を含む樹脂組成物であってもよい。
炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝撃
性改良剤としては、例えば、公知の耐衝撃性改良剤が挙げられる。これらの炭素数2〜8
のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝撃性改良剤は、1
種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの炭素数2〜8のアルキル
アクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝撃性改良剤の中でも、メチル
メタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂との相溶性に優れ、成形体
の耐衝撃性に優れることから、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位
を含むゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子が好ましい。
内層は、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層で
あることが好ましい。
ゴム弾性層に用いる炭素数2〜8のアルキルアクリレートの単独重合体のガラス転移温
度は、−80℃〜25℃が好ましく、−60℃〜10℃がより好ましい。ゴム弾性層に用
いる炭素数2〜8のアルキルアクリレートの単独重合体のガラス転移温度が−80℃以上
であると、生産性に優れる。また、ゴム弾性層に用いる炭素数2〜8のアルキルアクリレ
ートの単独重合体のガラス転移温度が25℃以下であると、成形体の低温での耐衝撃性に
優れる。
尚、本明細書において、ガラス転移温度は、ISO 3146に準拠し、熱流束示差走
査熱量測定で測定した値とする。
内層を構成するための単量体の組成比は、成形体の耐衝撃性に優れることから、全単量
体100質量%中、炭素数2〜8のアルキルアクリレート40質量%〜88.9質量%、
炭素数2〜8のアルキルアクリレート以外の非架橋性単量体10質量%〜58.9質量%
、架橋性単量体0質量%〜10質量%、グラフト交叉剤0.1質量%〜10質量%が好ま
しく、炭素数2〜8のアルキルアクリレート60質量%〜84.8質量%、炭素数2〜8
のアルキルアクリレート以外の非架橋性単量体15質量%〜38.8質量%、架橋性単量
体0質量%〜5質量%、グラフト交叉剤0.2質量%〜5質量%がより好ましい。
炭素数2〜8のアルキルアクリレートとしては、例えば、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso
−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、
n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらの炭素数2〜8のアルキルアク
リレートの中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、エチルアクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレートが好ましく、n−ブチルアクリレートがより好ましい。
炭素数2〜8のアルキルアクリレート以外の非架橋性単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−
プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、
sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ
)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ
)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキ
シブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アク
リレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、4−
(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、
4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキ
ソラン等の炭素数2〜8のアルキルアクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物;(
メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)ア
クリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ
)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(
メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ
)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、2−ヒドロキシ
エチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン
酸ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン等のオレフィン化合物等が
挙げられる。これらの他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。これらの他の単量体の中でも、成形体の外観に優れることから、炭素数2〜8のア
ルキルアクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物、芳香族ビニル化合物が好ましく
、メチルメタクリレート、スチレンがより好ましい。
架橋性単量体は、反応性が同じである複数の重合性二重結合を有する単量体であり、例
えば、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。これらの架橋性単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらの架橋性単量体の中でも、炭素数2〜8のアルキルアクリ
レートとの共重合性に優れることから、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく、1,3−ブチレンジ(メタ)ア
クリレートがより好ましい。
グラフト交叉剤は、反応性が異なる複数の重合性二重結合を有する単量体であり、例え
ば、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのグラフト交叉剤は、1種を単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのグラフト交叉剤の中でも、炭素
数2〜8のアルキルアクリレートとの共重合性に優れることから、アリル(メタ)アクリ
レートが好ましく、アリルメタクリレートがより好ましい。
内層は、単層であっても、多層であってもよいが、生産性に優れることから、1〜3層
が好ましく、1〜2層がより好ましい。
外層は、硬質層であることが好ましい。
硬質層のガラス転移温度は、50℃〜200℃が好ましく、60℃〜150℃がより好
ましい。硬質層のガラス転移温度が50℃以上であると、成形体の外観に優れる。また、
硬質層のガラス転移温度が200℃以下であると、成形体の耐衝撃性に優れる。
外層を構成するための単量体の組成比は、成形体の外観に優れることから、全単量体1
00質量%中、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート50質量%〜100質量
%、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体0質量%〜50質量%
が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート70質量%〜100質量%
、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体0質量%〜30質量%が
より好ましい。
炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso
−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(
メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)
アクリレート等が挙げられる。これらの炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート
の中でも、成形体の外観に優れることから、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ
)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレ
ートがより好ましい。
炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の単量体としては、例えば、n−
ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(
メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アク
リレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシ
エチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メト
キシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメ
チル−2−メチルビシクロヘプタン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチ
ル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−
メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等の炭素数が1〜4のアルキル(メタ)
アクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリ
ロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アク
リルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル化合物;エチレン、プロピ
レン、ブテン、イソブテン等のオレフィン化合物等が挙げられる。これらの他の単量体は
、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの他の単量体の中でも
、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレートとの共重合性に優れることから、炭素
数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物が好まし
く、炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレー
ト化合物がより好ましい。
外層は、単層であっても、多層であってもよいが、生産性に優れることから、1〜3層
が好ましく、1〜2層がより好ましい。
内層と外層の質量比は、内層と外層の全量100質量%中、内層20質量%〜80質量
%、外層20質量%〜80質量%が好ましく、内層50質量%〜70質量%、外層30質
量%〜50質量%がより好ましい。内層20質量%以上、外層80質量%以下であると、
成形体の耐衝撃性に優れる。また、内層80質量%以下、外層20質量%以上であると、
メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂との相溶性に優れる
ゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の製造方法としては、例えば
、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。これらの炭素数2〜8のアルキルアクリレー
ト由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の
製造方法の中でも、生産性に優れることから、乳化重合法が好ましい。
乳化重合における単量体等の添加方法としては、例えば、一括添加法、分割添加法、連
続添加法等が挙げられる。これらの添加方法は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。これらの添加方法の中でも、耐衝撃性改良剤の品質に優れることから、
分割添加法が好ましい。
ゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の質量平均粒子径は、10n
m〜1000nmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。炭素数2〜8のア
ルキルアクリレート由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層である内層と硬質層である外層
とを含む微粒子の質量平均粒子径が10nm以上であると、成形体の耐衝撃性に優れる。
また、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を含むゴム弾性層である
内層と硬質層である外層とを含む微粒子の質量平均粒子径が1000nm以下であると、
成形体の耐薬品性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均粒子径は、キャピラリー・ハイドロ・ダイナミック・
フロー・フラクショネーションで測定した値とする。
乳化重合で得られたゴム弾性層である内層と硬質層である外層とを含む微粒子の紛体化
方法としては、例えば、凝固法、噴霧乾燥法等が挙げられる。これらの紛体化方法の中で
も、耐衝撃性改良剤の品質に優れることから、凝固法が好ましい。
メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂と炭素数2〜8の
アルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝撃性改良剤とを含む
樹脂組成物の組成比は、樹脂組成物全量100質量%中、メチルメタクリレート由来の繰
り返し単位を50質量%以上含む樹脂20質量%〜99質量%、炭素数2〜8のアルキル
アクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝撃性改良剤1質量%〜80質
量%が好ましく、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂5
5質量%〜80質量%、炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20
質量%以上含む耐衝撃性改良剤20質量%〜45質量%がより好ましい。メチルメタクリ
レート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂20質量%以上、炭素数2〜8のア
ルキルアクリレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝撃性改良剤80質量%
以下であると、アクリル樹脂本来の性能を損なわない。また、メチルメタクリレート由来
の繰り返し単位を50質量%以上含む樹脂99質量%以下、炭素数2〜8のアルキルアク
リレート由来の繰り返し単位を20質量%以上含む耐衝撃性改良剤1質量%以上であると
、成形体の耐衝撃性に優れる。
(シリコーン樹脂)
シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主鎖とする樹脂である。
シリコーン樹脂中のT単位の含有率は、成形体の耐傷付性に優れることから、0質量%
〜2質量%が好ましく、0質量%〜1質量%がより好ましく、0質量%が更に好ましい。
T単位は、ケイ素原子に有機置換基が1個付いたものであり、分岐構造や架橋構造を形
成する。即ち、本発明の熱可塑性樹脂組成物中のシリコーン樹脂は、非架橋であることが
好ましい。
シリコーン樹脂中のD単位の含有率は、成形体の耐傷付性に優れることから、98質量
%〜100質量%が好ましく、99質量%〜100質量%がより好ましい。
D単位は、ケイ素原子に有機置換基が2個付いたものである。
D単位の有機置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso
−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル
基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;フェニル基、ビフェニ
ル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等アリール基;アルキルアリール基
;アルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシク
ロヘキシル基等シクロアルキル基等が挙げられる。これらのD単位の有機置換基は、1種
を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのD単位の有機置換基の中で
も、生産性に優れることから、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
D単位の有機置換基は、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、ヘテロ原子等で中断
されていてもよい。
シリコーン樹脂の25℃における動粘度は、1.0×10mm/秒以上が好ましく
、1.0×10mm/秒〜1.0×10mm/秒がより好ましく、1.0×10
mm/秒〜1.0×10mm/秒が更に好ましい。シリコーン樹脂の25℃にお
ける動粘度が1.0×10mm/秒以上であると、ブリードアウトを抑制することが
でき、成形体の外観に優れる。また、シリコーン樹脂の25℃における動粘度が1.0×
10mm/秒以下であると、アクリル樹脂中の分散性に優れる。
尚、本明細書において、シリコーン樹脂の動粘度は、パラレルプレート型レオメーター
で、25℃の条件で測定し、周波数が1Hzのときの数値とする。
熱可塑性樹脂組成物中のシリコーン樹脂の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対し
て、0.1質量〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜8質量部がより好ましい。シリ
コーン樹脂の含有量が0.1質量部以上であると、耐傷付性、耐薬品性に優れる。また、
シリコーン樹脂の含有量が10質量部以下であると、引張強さ、耐熱性に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、アクリル樹脂やシリコーン樹脂以外にも、他の添加剤
を含んでもよい。
他の添加剤としては、例えば、シリカ、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料等の着色剤等
が挙げられる。これらの他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。シリコーン樹脂にシリカを配合することで、シリコーン樹脂をペレット化でき、
アクリル樹脂と混合しやすくなるため、好ましい。
本発明の成形体は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる。
成形体を得るための成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、加圧成形等が挙
げられる。また、得られた成形体を、更に圧空成形や真空成形等の二次成形してもよい。
成形温度、成形圧力等の成形条件は、適宜設定すればよい。
成形体のシャルピー衝撃強度は、耐衝撃性に優れることから、2kJ/m以上が好ま
しく、2.5kJ/m以上がより好ましい。
尚、本明細書において、シャルピー衝撃強度は、ISO 179に準拠し、ノッチ付き
の成形体を測定した値とする。
本発明の成形体は、外観、耐傷付性、耐薬品性に優れることから、例えば、洗面化粧台
、浴槽、水洗便器等の住宅設備向け材料;建築材料;車両等の内外装材料等に用いられ、
特に、住宅設備に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
(外観評価)
得られた成形体(幅140mm、長さ140mm、厚さ3mm)について、目視で外観
を評価した。シリコーン樹脂がブリードアウトしていないものを「A」、シリコーン樹脂
がブリードアウトしたものを「B」と評価した。
(耐傷付性試験)
得られた成形体(幅140mm、長さ140mm、厚さ3mm)を平台に設置し、学振
型摩擦試験機を用い、摩擦子ガーゼ、荷重500gの条件で、距離100mmを200往
復させた。往復させた方向に対して90°の方向について、ISO 4287に準拠し、
算術平均粗さRa(μm)を測定した。
(耐薬品性試験)
得られた成形体(幅25mm、長さ180mm、厚さ2mm)について、ECE 43
の11.2.4を参考に、一方の片端を上から固定し、そこから60mm離れた試験部を
下から固定し、他方の片端に荷重をかけた。試験部の応力が24.5MPaとなるように
荷重を設定し、イソプロピルアルコールを含浸させた幅10mmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムを試験部の上に乗せ、サンプルが破断するまでの時間(秒)を測定した。
(耐衝撃性試験)
得られた成形体(ダンベル形引張試験片)を、ISO 179に準拠し、ノッチ付きシ
ャルピー衝撃強さ(kJ/m)を測定した。
(材料)
アクリル樹脂(A−1):アクリペット VH 001(商品名、三菱レイヨン(株)
製、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位95質量%以上含むアクリル樹脂)
アクリル樹脂(A−2):アクリペット IR H30 001(商品名、三菱レイヨ
ン(株)製、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位95質量%以上含むアクリル樹脂
とブチルアクリレート由来の繰り返し単位40質量%程度含む耐衝撃性改良剤との混合物

シリコーン樹脂(B−1):GENIOPLAST PELLET S(商品名、旭化
成ワッカーシリコーン(株)製、25℃における動粘度約1.0×10mm/秒のシ
リコーン樹脂にシリカが配合されたペレット)
シリコーン樹脂(B’−1):SH−200(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製
、25℃における動粘度100mm/sのシリコーンオイル)
[参考例1]
アクリル樹脂(A−1)100質量部及びシリコーン樹脂(B−1)1質量部を二軸押
出機(機種名「PCM45」、(株)池貝製)に供給し、250℃で混練し、ペレットを
得た。
得られたペレットを射出成形機(機種名「FAS−T100D」、ファナック(株)製
)に供給し、成形温度を250℃とし、各種成形体を得た。
得られた成形体の評価結果を、表1に示す。
参考例2〜3、実施例1〜2、比較例1〜3]
表1に示す配合とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、各種成形体を得た。
得られた成形体の評価結果を、表1に示す。
Figure 0006733713
参考例1〜3及び実施例1〜2で得られた成形体は、外観、耐傷付性、耐薬品性に優れ
た。特に、実施例1〜2で得られた成形体は、耐衝撃性にも優れた。
一方、比較例1、3で得られた成形体は、耐傷付性、耐薬品性に劣った。また、比較例
2で得られた成形体は、外観に劣った。

Claims (8)

  1. アクリル樹脂及びシリカを配合したシリコーン樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物であって

    前記アクリル樹脂が、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を70質量%以上含む
    樹脂を含み、
    前記シリコーン樹脂の25℃における動粘度が、1.0×10mm/秒以上であり

    前記熱可塑性樹脂組成物が、更に炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し
    単位を20質量%以上、及びスチレン由来の繰り返し単位を含む耐衝撃性改良剤を含む、
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記シリコーン樹脂の25℃における動粘度が、1.0×10mm/秒〜1.0×
    10mm/秒である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記シリコーン樹脂が、非架橋の樹脂である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  4. 前記シリコーン樹脂の含有量が、前記アクリル樹脂100質量部に対し、0.1質量部
    〜10質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記炭素数2〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位が、n−ブチルアクリレ
    ートである、請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られた成形体。
  7. シャルピー衝撃強度が、2kJ/m以上である、請求項6に記載の成形体。
  8. 請求項6又は7に記載の成形体を含む住宅設備。
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