JP5771789B2 - 両親媒性粒子の油性分散体、この製造方法、分散安定剤、樹脂組成物及び顔料分散組成物 - Google Patents
両親媒性粒子の油性分散体、この製造方法、分散安定剤、樹脂組成物及び顔料分散組成物 Download PDFInfo
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Description
すなわち、本発明の目的は、分散安定剤に優れ、特に固体微粒子の分散性に優れた分散安定剤を提供することである。
両親媒性粒子(a)が、親水性無機微粒子を疎水化剤で表面処理した後、湿式粉砕して得られ、親水性表面と疎水性表面とが一つの無機微粒子の表面に局在化している無機微粒子であって、
親水性無機微粒子が二次凝集体であることを要旨とする。
親水性無機微粒子を油性成分(b)に分散して親水性無機微粒子油性成分分散体を得る分散工程;
親水性無機微粒子油性成分分散体中に分散された親水性無機微粒子を疎水化して疎水化無機微粒子油性成分分散体を得る疎水化工程;及び
疎水化無機微粒子油性成分分散体に含まれる疎水化無機微粒子を湿式破砕して両親媒性粒子(a)を得る破砕工程を含むことを要旨とする。
なお、分散安定性には乳化安定性を含み、分散安定剤には乳化安定剤を含む(以下同様)。
両親媒性粒子(a)は、水性表面と疎水性表面とを有する無機微粒子であるが、無機微粒子の表面が水性表面と疎水性表面とに分割されている。このような無機微粒子としては、親水性無機微粒子を疎水化剤で表面処理(疎水化処理)した後、破砕して得られる微粒子が含まれる。このように、親水性無機微粒子を疎水化剤で表面処理(疎水化処理)した後破砕した場合、親水性無機微粒子のもともとの表面(破砕面)は親水性表面であり、疎水化剤で疎水化された表面は疎水性表面となる。
<表面が分割されていることの確認方法>
イオン交換水5mLとn−ヘキサン5mLとを試験管に入れ、これにイソプロパノールに1重量%の濃度で測定試料(両親媒性粒子(a)等)を分散した分散液を0.02g加え、60分間静置する(各測定試薬の純度は99重量%以上のものを使用する)。
測定試料の表面が親水性表面と疎水性表面とに分割されている場合、水とn−ヘキサンとの界面に測定試料(両親媒性粒子(a))の均一な集合層を形成し、その上層と下層は測定試料(両親媒性粒子(a))を含まない清浄な層をなす。
一方、表面が親水性表面と疎水性表面とに分割されていない場合(親水性表面と疎水性表面とが粒子表面に均一に分散(散在)した粒子等の場合)、測定試料(粒子)は水相若しくはn−ヘキサン層に分散、又は水とn−ヘキサンとの界面に凝集塊を形成し、界面に均一な集合層を形成しない。
測定試料(両親媒性粒子(a)等)0.2gを容量250mLのビーカー中の50mLの水に添加し、続いてメタノールをビュレットから測定試料の全量が懸濁するまで滴下する。この際ビーカー内の溶液をマグネティックスターラーで常時撹拌し、測定試料の全量が溶液中に均一懸濁された時点を終点とし、終点におけるビーカーの液体混合物のメタノールの容量百分率がM値となる。
Nipsilシリーズ{東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社の登録商標である。}、Sipernatシリーズ{エボニック デグサ ジャパン株式会社、「Sipernat」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。}、Carplexシリーズ{DSL.ジャパン株式会社、「Carplex」はDSL.ジャパン株式会社の登録商標である。}、FINESILシリーズ{株式会社トクヤマ、「FINESIL」は株式会社トクヤマの登録商標である。}、TOKUSILシリーズ{株式会社トクヤマ、「TOKUSIL」は株式会社トクヤマの登録商標である。}、Zeosilシリーズ{ローディア社、「Zeosil」はロディア シミ の登録商標である。}、MIZUKASILシリーズ{水澤化学工業株式会社、「MIZUKASIL」は水沢化学工業株式会社の登録商標である。}等。
Carplexシリーズ、SYLYSIAシリーズ{富士シリシア株式会社、「SYLYSIA」は有限会社ワイ・ケイ・エフ の登録商標である。}、Nipgelシリーズ{東ソー・シリカ株式会社、「Nipgel」は東ソー・シリカ株式会社の登録商標である。}、MIZUKASILシリーズ{水澤化学工業株式会社、「MIZUKASIL」は水沢化学工業株式会社の登録商標である。}等。
Aerosilシリーズ{日本アエロジル株式会社及びエボニック デグサ社、「Aerosil」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。}、Reolosilシリーズ{株式会社トクヤマ、「Reorosil」は株式会社トクヤマの登録商標である。}、Cab−O−Silシリーズ{キャボット社、「Cab−O−Sil」はキャボットコーポレーションの登録商標である。}等。
Admafineシリーズ{アドマテックス社、「Admafine」はトヨタ自動車株式会社の登録商標である。}、Fuselexシリーズ{株式会社龍森}、デンカ溶融シリカシリーズ{電気化学工業株式会社}等。
CRYSTALITEシリーズ{株式会社龍森、「CRYSTALITE」は株式会社龍森の登録商標である。}、Imsilシリーズ{UNIMIN社、「Imsil」はユニミン スペシャルティ ミネラルズ インコーポレーテッドの登録商標である。 }等。
ミズカエースシリーズ{水沢化学工業株式会社}等。
Aeroxide Alシリーズ{日本アエロジル株式会社及びエボニック デグサ社、「Aeroxide」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。}、SpectrAlシリーズ{キャボット社}等。
高純度アルミナAKPシリーズ{住友化学株式会社}、アルミナAシリーズ{日本軽金属株式会社}等。
タイペークシリーズ{石原産業株式会社}、酸化チタンTAシリーズ及びTRシリーズ{富士チタン株式会社}、堺化学株式会社製酸化チタン等。
水酸化マグネシウムMGZシリーズ{堺化学株式会社}、水酸化マグネシウムUDシリーズ{宇部マテリアルズ株式会社}、宇部マテリアルズ株式会社製水酸化カルシウム等。
炭酸カルシウムCSシリーズ{宇部マテリアルズ株式会社}、炭酸カルシウムNSシリーズ及びNITOREXシリーズ{日東粉化工業株式会社}、炭酸カルシウムカルシーズシリーズ{神島化学工業株式会社}、炭酸カルシウムTPシリーズ{奥多摩工業株式会社}、炭酸カルシウムFMTシリーズ{株式会社ファイマテック}、新見化学工業株式会社製ラスカル、東洋電化工業株式会社製トヨライト、白石工業株式会社製炭酸カルシウム、神島化学工業株式会社製炭酸マグネシウム、協和化学工業株式会社製炭酸マグネシウム等。
竹原化学株式会社製、日本タルク株式会社製、コープケミカル株式会社製、クニミ化学株式会社製等。
HLBが未知のポリエーテル変性ポリシロキサンXとHLBが既知の乳化剤Aを異なった比率で混合し、HLBが既知の油剤の乳化を行う。乳化層の厚みが最大となったときの混合比率から下記式を用いてポリエーテル変性ポリシロキサンXのHLBを算出する。
油剤のHLB={(WA×HLBA)+(WX×HLBX)}÷(WA+WX)
親水性無機微粒子と疎水化剤との混合物を撹拌機で撹拌しながら疎水化して、疎水化された親水性無機微粒子(以下、疎水化無機微粒子という。)を得る疎水化方法(乾式法)。
親水性無機微粒子の入った撹拌機付き反応容器に、加熱、気化した疎水化剤を含む気体を導入して疎水化し、疎水化無機微粒子を得る疎水化方法(気相法)。
親水性無機微粒子を溶剤(s)に分散して親水性無機微粒子溶剤分散体を得てから、引き続き親水性無機微粒子溶剤分散体を撹拌しながら、疎水化剤を加えて疎水化無機微粒子溶剤分散体を得る疎水化方法(液中法1)。
親水性無機微粒子を油性成分(b)に分散して親水性無機微粒子油性成分分散体を得てから、引き続き親水性無機微粒子油性成分分散体を撹拌しながら、疎水化剤を加えて疎水化無機微粒子油性成分分散体を得る疎水化方法(液中法2)。
分散容器に親水性無機微粒子と溶剤(s)又は油性成分(b)とを同時に入れて均一分散する方法。
あらかじめ親水性無機微粒子の入った分散容器に、溶剤(s)又は油性成分(b)を加えて均一分散を行う方法。
あらかじめ溶剤(s)又は油性成分(b)の入った分散容器に、親水性無機微粒子を加えて均一分散する方法。
上記の分散機のうち、<疎水化方法1>及び<疎水化方法2>においては、遊星型混合分散機、垂直単軸型粉体撹拌機、水平単軸型撹拌機及び垂直単複軸撹拌機が好ましく、さらに好ましくは単軸型粉体撹拌機、水平単軸型撹拌機及び垂直単複軸撹拌機であり、<疎水化方法3>及び<疎水化方法4>においては、高速剪断式分散機、遊星型ミキサー及び3軸遊星型ミキサーが好ましい。
Nipsil SSシリーズ、Sipernat D及びCシリーズ、並びにSYLOPHOBICシリーズ{富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は富士シリシア化学株式会社の登録商標である。}等。
Aerosil Rシリーズ{日本アエロジル株式会社及びエボニック デグサ社}、Reolosil MT及びDMシリーズ{株式会社トクヤマ}等。
Aerosil C805{日本アエロジル株式会社及びエボニック デグサ社}、SpectrAl TAシリーズ及びTGシリーズ{キャボット社}等。
破砕とは、1粒の疎水化無機微粒子を、すくなとも2つの微粒子に分割することを意味し、破砕によって、無機微粒子の表面が、親水性表面(破砕によって生じた新たな表面)と疎水性表面(疎水化処理によって疎水化された表面)とに分割されるものである。
これらの破砕方法のうち、破砕が均一に行われ、界面活性がさらに良好となる点で、湿式破砕による方法(2)が好ましい。
(分散体1)疎水化無機微粒子を、水、溶剤(s)又は油性成分(b)に分散した疎水化無機微粒子分散体。
(分散体2)<疎水化方法3>で得られた疎水化無機微粒子溶剤分散体。
(分散体3)<疎水化方法4>で得られた疎水化無機微粒子油性成分分散体。
(分散体1)において、界面活性の点から、疎水化無機微粒子を溶剤(s)又は油性成分(b)に分散した疎水化無機微粒子分散体が好ましく、さらに好ましくは疎水化無機微粒子を油性成分(b)に分散した疎水化無機微粒子油性成分分散体である。
また、破砕時間は、5分〜10時間が好ましく、さらに好ましくは10分〜5時間、特に好ましくは15分〜3時間である。
油性成分(b)としては、炭化水素油、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級アルコール、シリコーン及びポリオキシアルキレン化合物等が使用できる。
IPソルベント1016(0.5)、IPソルベント2028(2)及びIPソルベント2835(12)(出光興産株式会社);
コスモSC22(21)、コスモSP10(10)、コスモRCスピンドル油(10)、コスモRBスピンドル油(15)、コスモニュートラル150(32)、コスモピュアスピンG(21)、コスモピュアスピンE(5)、コスモホワイトP60(60)、コスモホワイトP120(120)、コスモホワイトP200(200)及びコスモホワイトP350P(250)(コスモ石油ルブリカンツ株式会社、「コスモ」は、コスモ石油株式会社の登録商標である。);
日石スーパーオイルC(93)、日石スーパーオイルD(141)、日石スーパーオイルB(54)、日石ポリブテンLV−7(12)、日石ポリブテンLV−50(110)、日石ポリブテンLV−100(200)及び日石ポリブテンLV−150(3500)(JX日鉱日石エネルギー株式会社);
スタノール43N(27)、スタノール52(56)、スタノール69(145)、スタノール35(9)及びスタノールLP35(11)(エッソ石油株式会社);
フッコールNT100(21)、フッコールNT150(28)、フッコールNT200(39)、フッコールNT60(10)及びフッコールSTマシン(9)(富士興産株式会社、「フッコール」は新日本石油株式会社の登録商標である。);
パールリーム4(3)、パールリームEX(10)及びパールリーム6(20)(日油株式会社製、「パールリーム」は日油株式会社の登録商標である。);
エクソールシリーズ及びアイソパーシリーズ(エクソン モービル ケミカル社);
シェルゾールシリーズ(シェル ケミカル社);並びに
ニッサンポリブテン及びNAソルベントシリーズ(日油株式会社製、「ニッサン」は日油株式会社の登録商標である。)等。
KF−96−10cs、KF−96−20cs、KF−96−30cs、KF−96−50cs、KF−96−100cs、KF−96−200cs、KF−96−300cs、KF−96−350cs、KF−96−500cs、KF−96−1、000cs、KF−96−3,000cs、KF−96−5,000cs、KF−96H−6,000cs、KF−96H−1万cs、KF−96H−12,500cs、KF−96H−3万cs、KF−96H−5万cs、KF−96H−6万cs及びKF−96H−10万cs{信越化学工業株式会社;商品名の終り(csの直前)に記載されている数字は動粘度を表し、例えば、「10」は10mm2/sである。};
SH200 C Fluid 10cs、SH200 C Fluid 20cs、SH200 C Fluid 50cs、SH200 C Fluid 100cs、SH200 C Fluid 200cs、SH200 C Fluid 350cs、SH200 C Fluid 500cs、SH200 C Fluid 1,000cs、SH200 C Fluid 3,000cs、SH200 C Fluid 5,000cs、SH200H C Fluid 1万cs、SH200H C Fluid 1.25万cs、SH200H C Fluid 3万cs、SH200H C Fluid 6万cs及びSH200H C Fluid 10万cs(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製;商品名の終り(csの直前)に記載されている数字は動粘度を表し、例えば、「10」は10mm2/sである。);並びに
TSF451−10、TSF451−20、TSF451−30、TSF451−50、TSF451−100、TSF451−200、TSF451−300、TSF451−350、TSF451−500、TSF451−1000、TSF451−1500、TSF451−2000、TSF451−3000、TSF451−5000、TSF451−6000、TSF451H−1M、TSF451H−12500、TSF451H−2M、TSF451H−3M、TSF451H−5M、TSF451H−6M及びTSF451H−10M(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製;商品名の終りに記載されている数字は動粘度を表し、例えば、「10」は10mm2/sである。なお、Mは万を表し、たとえば1Mは1万mm2/sである。)等。
両親媒性粒子(a)を油性成分(b)に分散する方法。
疎水化無機微粒子油性成分分散体を破砕して、両親媒性粒子(a)と油性成分(b)とを含む分散液を得た後、油性成分(b)を加えるか、又は濃縮することにより濃度調整する方法。
疎水化無機微粒子油性成分分散体を破砕して、両親媒性粒子(a)と油性成分(b)とを含む分散液を得た後、この分散液をそのまま使用する方法。
本発明の顔料分散組成物に含まれる顔料微粒子(c)としては、親水性顔料微粒子及び疎水性顔料微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種が含まれ、高分子微粒子、有機顔料微粒子、親水性無機顔料微粒子及び疎水性無機顔料微粒子が使用できる。
顔料微粒子(c)の大きさは、顔料分散組成物の用途に応じて適宜選択されるが、分散安定性の観点から、顔料微粒子(c)の体積平均粒子径(μm)が、0.01〜20が好ましい。
分散機に顔料微粒子(c)、希釈剤(d)及び必要に応じて他の添加剤を加えて混合分散した後、油性分散体を加えながらさらに混合分散する方法。
油性分散体、顔料微粒子(c)、希釈剤(d)及び必要に応じて他の添加剤を分散機で混合分散する方法。
油性分散体と顔料微粒子(c)を分散機で混合した後、希釈剤(d)及び必要に応じて他の添加剤添加剤を加え混合分散する方法。
本発明の樹脂組成物に含まれる顔料微粒子(c)としては、前記の顔料分散組成物に含まれる顔料微粒子(c)と同じものが使用できる。
他の添加剤を用いる場合、これらの添加量(重量%)は、油性分散体、顔料微粒子(c)及び熱可塑性樹脂(r)の合計重量に基づいて、それぞれ、1〜30が好ましい。
溶融混練する方法としては、以下の溶融混練方法等が使用できる。
顔料微粒子(c)及び熱可塑性樹脂(r)を粉体混合機で混合した後、油性分散体及び必要に応じて他の添加剤を加えながら混練機で溶融混練する方法。
分散機にて油性分散体に顔料微粒子(c)を分散した後、熱可塑性樹脂(r)及び必要に応じて他の添加剤を加えて混練機で溶融混練する方法。
実施例1〜11、比較例1及び2で使用した親水性無機微粒子の体積平均粒子径は以下の方法で測定した。
測定試料(親水性無機微粒子)を1重量%の濃度となるようにn−ヘキサンに超音波分散機(Hiel−scher GmbH製、ULTRASONIC PROCESSOR MODEL UP400S、以下同様。)を用いて出力60%にて1分間分散した後、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、Partica LA−950)にて測定した。
測定試料(実施例1〜11で得た両親媒性微粒子又は比較例1〜3の疎水化無機微粒子)0.2gを容量250mLのビーカー中の50mLのイオン交換水に添加して、ビーカー内の液体をマグネティックスターラーで常時撹拌しながら、この中にメタノール(関東化学株式会社、試薬特級、以下同様。)をビュレットからビーカーの壁を伝わせながら徐々に滴下し、測定試料の全量がイオン交換水に懸濁するまで、メタノールの滴下を続けた。測定試料の全量が懸濁された時点でのメタノールの滴下量(g)を記録し、下記式からM値を算出した。
油性成分(b1){40℃での動粘度1mm2/sのイソパラフィン(出光興産株式会社製、商品名 IPソルベント1620)}100部と親水性無機微粒子(p1){熱分解法シリカ、商品名 Aerosil 130(一次粒子径16nm、二次凝集粒子径0.5μm、BET法による比表面積130m2/g)}5部を減圧装置及び加熱装置付き3軸プラネタリミキサ(浅田鉄工株式会社製プラネタリディスパ)に入れ、減圧下(およそ5kPa)で60分間、撹拌・分散(低速撹拌羽根;50rpm、高速撹拌羽根;3000rpm)して、親水性無機微粒子油性成分分散体(hd1)を得た。
両親媒性粒子(a1)のM値は13、体積平均粒子径は0.2μmであった。
「油性成分(b1)」を「油性成分(b2){40℃での動粘度10mm2/sの水添ポリブテン(日油株式会社製、商品名 パールリームEX)}」に変更したこと、「親水性無機微粒子(p1)5部」を「親水性無機微粒子(p2){熱分解法シリカ、商品名 Aerosil 50(一次粒子径30nm、二次凝集粒子径0.4μm、BET法による比表面積50m2/g)}8部」に変更したこと、「疎水化剤(m1)0.15部」を「疎水化剤(m2){メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名 KBM−13)}0.4部(親水性無機微粒子の重量に対し5重量%)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の油性分散体(q2)及び両親媒性粒子(a2)を得た。
両親媒性粒子(a2)のM値は15、体積平均粒子径は0.1μmであった。
「油性成分(b1)」を「油性成分(b3){40℃での動粘度20mm2/sの流動パラフィン(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、商品名 コスモホワイトP120)}」に変更したこと、「親水性無機微粒子(p1)5部」を「親水性無機微粒子(p3){熱分解法シリカ、商品名 Aerosil 300(一次粒子径7nm、二次凝集粒子径0.7μm、BET法による比表面積300m2/g)}1部」に変更したこと、「疎水化剤(m1)0.15部」を「疎水化剤(m1)0.01部(親水性無機微粒子の重量に対し1重量%)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の油性分散体(q3)及び両親媒性粒子(a3)を得た。両親媒性粒子(a3)のM値は5、体積平均粒子径は0.3μmであった。
「油性成分(b1)」を「油性成分(b4){40℃での動粘度141m2/sの鉱物油(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名 日石スーパーオイルD)}」に変更したこと、「親水性無機微粒子(p1)5部」を「親水性無機微粒子(p4){熱分解法シリカ、商品名 HDK T40(一次粒子径5nm、二次凝集粒子径0.9nm、BET法による比表面積400m2/g)}7部」に変更したこと、「疎水化剤(m1)0.15部」を「疎水化剤(m3){デシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名 KBM−3103C}0.5部(親水性無機微粒子の重量に対し7重量%)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の油性分散体(q4)及び両親媒性粒子(a4)を得た。両親媒性粒子(a4)のM値は20、体積平均粒子径は0.05μmであった。
「油性成分(b1)」を「油性成分(b5){40℃での動粘度9mm2/sの流動パラフィン(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、商品名 コスモホワイトP60)}」に変更したこと、「親水性無機微粒子(p1)5部」を「親水性無機微粒子(p5){熱分解法シリカ、商品名 HDK T125(一次粒子径15nm、二次凝集粒子径0.6nm、BET法による比表面積125m2/g)5部」に変更したこと、「疎水化剤(m1)0.15部」を「疎水化剤(m1)0.1部(親水性無機微粒子の重量に対し2重量%)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の油性分散体(q5)及び両親媒性粒子(a5)を得た。両親媒性粒子(a5)のM値は7、体積平均粒子径は0.2μmであった。
「油性成分(b1)」を「油性成分(b6){25℃での動粘度50mm2/sのジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名 KF−96−50cs)}」に変更したこと、「親水性無機微粒子(p1)5部」を「親水性無機微粒子(p2)10部」に変更したこと、「疎水化剤(m1)0.15部」を「疎水化剤(m3)0.07部(親水性無機微粒子の重量に対し0.7重量%)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の油性分散体(q6)及び両親媒性粒子(a6)を得た。両親媒性粒子(a6)のM値は1、体積平均粒子径は0.5μmであった。
油性成分(b7){40℃での動粘度50mm2/sの流動パラフィン(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製、商品名 コスモホワイトP260)}100部と親水性無機微粒子(p6){燃焼法シリカ、商品名 Aerosil 200(一次粒子径12nm、二次凝集粒子径0.6μm、BET法による比表面積200m2/g)}0.5部を加熱装置付きステンレス製混合容器に入れ、直径約4cmののこぎり歯状ディスクインペラーを装着した高速回転遠心放射型撹拌機(プライミクス株式会社製、T.K.ホモミクサー)を用いて常圧(およそ101kPa)にて4000rpmで60分間、撹拌・分散して分散工程を行った。続いて撹拌を継続しながら、疎水化剤(m1)0.05部(親水性無機微粒子の重量に対して10重量%)を添加し、続いて撹拌を60分間継続した後、撹拌下で100℃まで加熱し、その温度で撹拌を60分間維持して疎水化工程を行い、撹拌を継続したまま室温まで冷却することにより、本発明の油性分散体(q7)を得た。
「油性分散体(q1)5g」を「油性分散体(q7)5g」に変更したこと以外、実施例1と同様にして得た両親媒性粒子(a7)のM値は20、体積平均粒子径は0.1μmであった。
「油性成分(b7)」を「油性成分(b8){25℃での動粘度2mm2/sのジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名 KF−96L−2cs)}」に変更したこと、「親水性無機微粒子(p6)0.5部」を「親水性無機微粒子(p2)10部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の油性分散体(q8)及び両親媒性粒子(p8)を得た。両親媒性粒子(p8)のM値は1、体積平均粒子径は1μmであった
「油性成分(b7)」を「油性成分(b4)」に変更したこと、「親水性無機微粒子(p6)0.5部」を「親水性無機微粒子(p5)7部」に変更したこと、「疎水化剤(m1)0.05部」を「疎水化剤(m1)0.1部(親水性無機微粒子の重量に対して1.4重量%)」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の油性分散体(q9)及び両親媒性粒子(p9)を得た。両親媒性粒子(p9)のM値は20、体積平均粒子径は0.05μmであった
「油性成分(b1)」を「油性成分(b4)」に変更したこと、「親水性無機微粒子(p1)5部」を「親水性無機微粒子(p7){沈降法シリカNipsil AY−200(一次粒子径 10nm、二次凝集体の粒子径 2μm、BET法による比表面積 300m2/g)}10部」に変更したこと、「疎水化剤(m1)0.15部」を「疎水化剤(m2){メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名 KBM−13)}2部(親水性無機微粒子の重量に対し20重量%)」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、疎水化無機微粒子油性成分分散体(pd10)を得た。
両親媒性粒子(a6)のM値は35、体積平均粒子径は0.5μmであった。
親水性無機微粒子(p8){沈降法シリカNipsil ER(一次粒子径 30nm、二次凝集体の粒子径 11μm、BET法による比表面積 100m2/g)}15部をヒーター付きヘンシェルミキサー(株式会社三井三池製作所製、以下同様。)に入れ、低速撹拌(750rpm)しながら、疎水化剤(m4){25℃での動粘度20mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名 KF−99)}0.08部(親水性無機微粒子の重量に対して0.5重量%)を噴霧した。次いでヘンシェルミキサーを常温(約25℃、以下同じ)にて高速回転(2000rpm)を15分間行い、均一に混合した。次いで高速回転を維持したままヒーターでヘンシェルミキサーを加熱し、200℃にて3時間加熱乾燥処理を行い、疎水化無機微粒子(mp11)を得た。
両親媒性粒子(a7)のM値は3、体積平均粒子径は1μmであった。
親水性無機微粒子(p7)100部をヒーター付きヘンシェルミキサーに入れ、低速撹拌(750rpm)しながら、疎水化剤(m4)8部を噴霧した。次いでヘンシェルミキサーを20〜25℃の常温にて高速回転(2000rpm)を15分間行い、均一に混合した。次いでヒーターでヘンシェルミキサーを加熱し、230℃にて3時間加熱処理を行ない、疎水化無機微粒子(hp1)を得た。続いて、疎水化無機微粒子(hp1)15部と油性成分(b2)100部を櫂型羽型撹拌機(ヤマト科学株式会社製、スリーワンモータBL1200、以下、同様)にて25±3℃にて15分間撹拌して、比較用の分散体(hq1)を得た。
なお、疎水化無機微粒子(hp1)のM値は50、体積平均粒子径は11μmであった。
実施例4で得た疎水化無機微粒子油性成分分散体(pd4)を櫂型羽型撹拌機にて25±3℃にて15分間撹拌して、比較用の分散体(hq2)を得た。
比較用の分散体(hq4)を実施例1と同様に遠心分離、乾燥して得られた比較用の疎水化無機微粒子(hp2)のM値は50、体積平均粒子径は1μmであった。
疎水化無機微粒子(hp3){疎水化熱分解法シリカ、商品名 AerosilR976}10部とエタノール90部を櫂型羽型撹拌機にて25±3℃にて15分間撹拌して、比較用の分散体(hq3)を得た。
なお、疎水化無機微粒子(hp3)のM値は40、体積平均粒子径は0.3μmであった。
「エタノール90部」を「油性成分(b5)90部」に変更したこと以外、比較例3と同様にして、比較用の分散体(hq4)を得た。
<実施例12〜24、比較例5〜8>
表1又は表2に記載した各成分を一括で内径40mm、容量170mLのガラス容器に入れ、のこぎり歯状ディスクインペラーを装着したホモジナイザー(ハイフレックスディスパーサーHG−92G タイテック(株)製、以下、同様)にて4000rpmにて25±3℃にて15分間撹拌して、本発明の顔料分散組成物(cd1〜cd14)及び比較用の顔料分散組成物(hcd1〜hcd4)を調製した。
実施例12〜24、比較例5〜8で得た顔料分散組成物について、静置後1時間及び静置後12時間での顔料分散状態(顔料微粒子の凝集の程度)を光学顕微鏡(400倍)を用いて目視観察した。静置後1時間における顔料分散状態を初期分散性とし、また、静置後12時間における顔料分散状態を分散安定性とし、それぞれを次の基準で判別し、結果を表1及び表2に記載した。
凝集がない ; ◎
凝集がわずかにある ; ○
凝集が非常に多くある; ×
<実施例25〜37、比較例9〜12>
表3又は表4に記載した各成分を一括でラボプラストミルR250ミキサー(東洋精機社製)に入れ、230℃、30rpm、10分の条件で溶融混練して本発明の樹脂組成物(cr1〜cr13)及び比較用の樹脂組成物(hcr1〜hcr4)を調製した。
実施例25〜37、比較例9〜12で得た樹脂組成物を回転式ミクロトームを用いて厚さ10μmにスライスし、得られた切片の断面を光学顕微鏡(400倍)で目視観察し、顔料微粒子の分散性を顔料微粒子の凝集の程度を次の基準で判別し、表3及び表4に記載した。
凝集がない ; ◎
凝集がわずかにある ; ○
凝集が非常に多くある; ×
Claims (5)
- 両親媒性粒子(a)と油性成分(b)とを含む油性分散体であって、
両親媒性粒子(a)が、親水性無機微粒子を疎水化剤で表面処理した後、湿式粉砕して得られ、親水性表面と疎水性表面とが一つの無機微粒子の表面に局在化している無機微粒子であって、
親水性無機微粒子が二次凝集体であることを特徴とする油性分散体。 - 請求項1に記載された油性分散体を製造する方法であって、
親水性無機微粒子を油性成分(b)に分散して親水性無機微粒子油性成分分散体を得る分散工程;
親水性無機微粒子油性成分分散体中に分散された親水性無機微粒子を疎水化して疎水化無機微粒子油性成分分散体を得る疎水化工程;及び
疎水化無機微粒子油性成分分散体に含まれる疎水化無機微粒子を湿式破砕して両親媒性粒子(a)を得る破砕工程を含むことを特徴とする製造方法。 - 請求項1に記載された油性分散体を含んでなることを特徴とする分散安定剤。
- 請求項1に記載された油性分散体と、顔料微粒子(c)と、希釈剤(d)とを含むことを特徴とする顔料分散組成物。
- 請求項1に記載の油性分散体と、顔料微粒子(c)と、熱可塑性樹脂(r)とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
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