JPH11166091A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂組成物Info
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Abstract
ル化物の発生を大幅に減少させ、しかも透明性を低下さ
せず、加工性を大幅に改善した塩化ビニル系樹脂組成物
をうる。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部及び塩化
ビニル系樹脂用加工助剤0.1〜30重量部からなる組
成物であって、前記塩化ビニル系樹脂用加工助剤が、メ
タクリル酸メチル0〜50重量%とアクリル酸アルキル
50〜100重量%とこれらと共重合可能なビニル系単
量体0〜20重量%との混合物(A)3〜30重量部を
乳化重合してえられるラテックスの存在下で、メタクリ
ル酸メチル60〜100重量%とアクリル酸アルキルお
よびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸アルキルの
内の1種以上の単量体0〜40重量%とこれらと共重合
可能なビニル系単量体0〜10重量%との混合物(B)
70〜97重量部を重合してえられる重合体である。
Description
物理特性に優れた成形体を与える塩化ビニル系樹脂組成
物に関する。さらに詳しくは、塩化ビニル系樹脂と、メ
タクリル酸メチルと他のメタクリル酸アルキルおよびア
クリル酸アルキルとの重合体を主成分とする塩化ビニル
系樹脂用加工助剤とからなる塩化ビニル系樹脂組成物に
関する。
的性質に優れた成形体を与えるため、種々の分野で広く
利用されている。しかし、加工温度が熱分解温度に近い
ため成形可能な温度領域が狭く、しかも溶融状態になる
までの時間が長いなど、種々の加工上の問題がある。
る多くの技術が知られている。代表的な技術としては、
たとえば塩化ビニル樹脂に可塑剤を添加する、塩化ビニ
ルに他の単量体を共重合させた塩化ビニル系樹脂を使用
する、塩化ビニル樹脂に他の樹脂成分を混合するなどの
技術が知られている。
ニル樹脂固有の優れた物理的性質、化学的性質を保持し
たままで加工性を充分に向上させることはできない。た
とえば、塩化ビニル樹脂に可塑剤を添加したり、塩化ビ
ニルに他の単量体を共重合させた塩化ビニル系樹脂を使
用したばあいには、成形体の物理的性質が大きく変化す
る。また塩化ビニル樹脂に他の樹脂成分を混合するもの
の多くは、成形加工時の溶融粘度を低下させ、よって加
工温度を低下させようとするものである。これらの方法
は見かけ上は塩化ビニル樹脂の流動性を向上させるが、
実際には混練エネルギーが流動によって消費されてしま
うため、塩化ビニル樹脂のゲル化は不充分となる。した
がって見かけ上は透明になっていてもその物理的性質は
充分にゲル化された塩化ビニル樹脂に比べて劣ることに
なる。
昭40−5311号公報には、比較的高分子量のメタク
リル酸メチルを主成分とする共重合体を加工助剤として
配合する方法が提案されているが、添加された加工助剤
が未ゲル化物(一般にフィッシュアイとよばれる)とし
て残りやすく、そのため製品の外観を損いやすく、ま
た、製品光沢の向上、2次加工性の向上、発泡成形時の
比重低下など、その他の加工助剤の添加効果も充分に発
現されないという問題がある。
3−2898号公報に開示されているメタクリル酸メチ
ルの重合体またはメタクリル酸メチルを優位量含む共重
合体のラテックスの存在下に、優位量のアクリル酸エス
テルまたはメチルエステル以外のメタクリル酸エステル
を重合した2段重合体を加工助剤として配合する方法
は、前記未ゲル化物の発生の防止に一定の効果を示すも
のの充分ではなく、塩化ビニル系樹脂に添加したばあい
に成形体の透明性の低下、ゲル化度の低下、高温伸びな
どの2次加工性の低下など、加工助剤が充分に塩化ビニ
ル系樹脂中に分散していないことが原因と推定される現
象を生じることが多い。
化ビニル系樹脂に粘性や弾性などを付与する効果が高く
なるであろうことは容易に類推できる。
けのものは、前記のような分散低下現象が著しくなるこ
とがよく知られている。
生防止、透明性改良のためには特許2515014号公
報にメタクリル酸メチルを優位量含む成分に引き続い
て、アクリル酸アルキルを優位量含む成分を添加、重合
した2段重合体のラテックス粒子径を1000Å以下に
する方法が開示されている。
較的ガラス転移温度が低い成分を2段重合体の核に用い
る技術が仏国特許第2180595号明細書に開示され
ている。前記発明の目的は比較的低分子量の加工助剤を
用いることにより、加工時の金属面への粘着を防止した
り、塩化ビニル樹脂の粘度上昇およびバラス効果に代表
される溶融樹脂の弾性の発現を抑制しようとするもので
あるが、これはその他の従来の技術とは異なった発想に
よるもので、この技術では、本発明でえられる加工性の
改良などの効果はえられない。
系樹脂に添加して使用するときの未ゲル化物の発生は、
加工助剤を添加した効果がえられないばかりでなく、塩
化ビニル系樹脂が本来もっている透明性を低下させ、ま
た優れた物理的、化学的性質を損うこともあり、望まし
くない。未ゲル化物の発生に代表される分散低下の問題
を解決すれば、従来のものと同量の添加でより高い添加
効果がえられ、また、同一の効果をうるための添加量を
少なくすることができる。さらに加工助剤の高分子量化
にともなう諸物性の低下を抑制することができるので、
さらなる加工助剤の高効率化を望むことができる。
みて、より少量の添加で塩化ビニル系樹脂のゲル化性を
改善し、未ゲル化物の発生を大幅に減少させ、しかも透
明性を低下させず、加工性を大幅に改善する加工助剤に
ついて鋭意検討を重ねた結果、アクリル酸アルキルを主
成分とする混合モノマーを乳化重合した共重合ラテック
スの存在下で、メタクリル酸メチルを主成分とする混合
モノマーを添加重合することによりえられる重合体で、
比較的高分子量のものを加工助剤として用いることで前
記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
0部(重量部、以下同様)および塩化ビニル系樹脂用加
工助剤0.1〜30部からなる組成物であって、前記塩
化ビニル系樹脂用加工助剤が、メタクリル酸メチル0〜
50%(重量%、以下同様)とアクリル酸アルキル50
〜100%とこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜
20%との混合物(A)3〜30部を乳化重合してえら
れるラテックスの存在下で、メタクリル酸メチル60〜
100%とアクリル酸アルキルおよびメタクリル酸メチ
ルを除くメタクリル酸アルキルの中から選ばれる少なく
とも1種の単量体0〜40%とこれらと共重合可能なビ
ニル系単量体0〜10%との混合物(B)70〜97部
を合計量が100部となるように添加、重合してえられ
る重合体で、該重合体0.4gを100mlのベンゼン
に溶解した溶液の30℃における比粘度が1以上である
ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物(請求項
1)、前記塩化ビニル系樹脂用加工助剤の重合体のラテ
ックスの粒子径が1000Å以下であることを特徴とす
る請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物(請求項2)
に関する。
きたメタクリル酸メチルを優位量含む単量体混合物を重
合してえられる共重合体を1段目の成分として乳化重合
し、続いてアクリル酸アルキルを優位量含む単量体混合
物を添加、重合してえられる2段重合体の加工助剤にか
えて、アクリル酸アルキルを優位量含む単量体混合物を
乳化重合して共重合体ラテックスをえ、続いてメタクリ
ル酸メチルを優位量含む単量体混合物を添加、重合して
えられる重合体からの加工助剤を用いることである。内
層のアクリル酸アルキルを優位量含む成分の存在によ
り、通常の塩化ビニル樹脂の加工助剤と類似の成分であ
る外層のメタクリル酸メチルを優位量含む成分の分散を
補助することができ、前記重合体の加工助剤を用いるこ
とにより、塩化ビニル系樹脂が本来有する優れた物理
的、化学的特性を損うことなく、ゲル化を促進し、ま
た、2次加工性を改良する、発泡成形時の比重を低下さ
せる、製品の光沢を向上させるなどの加工助剤の添加に
よって期待できる効果を少量の添加で顕著に発現させる
ことを見出した。
ニル系樹脂100部および塩化ビニル系樹脂用加工助剤
0.1〜30部からなる組成物である。
ル単位80〜100%、塩化ビニルと共重合可能なその
他の単量体からの単位0〜20%からなる重合体であ
る。
量体としては、たとえば酢酸ビニル、プロピレン、スチ
レン、アクリル酸エステルなどがあげられる。これらは
単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
は特別な限定はなく、従来から使用されている塩化ビニ
ル系樹脂であれば使用しうる。
ては、たとえばポリ塩化ビニル、80%以上の塩化ビニ
ル単量体とその他の共重合可能な単量体(たとえば酢酸
ビニル、プロピレン、スチレン、アクリル酸エステルな
ど)との共重合体、後塩素化ポリ塩化ビニルなどがあげ
られる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
物(A)を乳化重合してえられたラテックスの存在下で
混合物(B)を同一系内において添加、重合してえられ
る重合体であり、前記塩化ビニル系樹脂にその優れた透
明性などの性質を低下させることなしに、優れたゲル化
性、加工性などの特性を与えるものである。
0〜50%、アクリル酸アルキル50〜100%および
これらと共重合可能なビニル系単量体0〜20%からな
る混合物である。
能なビニル系単量体は、塩化ビニル系樹脂組成物の使用
目的に応じて使用される成分である。
を重合体の内層に配置することにより、前記加工助剤が
塩化ビニル系樹脂に添加されたとき、ゲル化を促進し、
未ゲル化物の発生を防ぐことができる。この結果、塩化
ビニル系樹脂により効率よく粘性や弾性を付与すること
ができる。
は、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが
あげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組
み合わせて用いてもよい。これらの中ではアクリル酸ブ
チルがガラス転移温度の低い重合体を与える点から好ま
しい。
の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチ
レンなどの芳香族ビニルやアクリロニトリルなどの不飽
和ニトリルなどがあげられる。これらは単独で用いても
よく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
クリル酸メチル0〜50%、好ましくは20〜50%、
さらに好ましくは30〜45%、アクリル酸アルキル5
0〜100%、好ましくは50〜80%、さらに好まし
くは55〜70%およびこれらと共重合可能なビニル系
単量体0〜20%、好ましくは0〜10%、さらに好ま
しくは0〜5%からなる混合物である。混合物(A)中
のメタクリル酸メチルの割合が50%をこえると良好な
ゲル化性が失われたり、未ゲル化物が発生することにな
る。またアクリル酸アルキルの割合が50%未満でも同
様である。さらに、前記これらと共重合可能なビニル系
単量体は本発明の特徴である良好なゲル化性のためには
用いない方が好ましいが、必要であれば20%をこえな
い範囲で用いることができる。
〜100%とアクリル酸アルキルおよびメタクリル酸メ
チルを除くメタクリル酸アルキルの中から選ばれる少な
くとも1種の単量体0〜40%、および要すれば使用さ
れるこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜10%と
の混合物である。この成分は従来の塩化ビニル用加工助
剤に用いられているゲル化性、加工性を改良する成分と
同等の作用をもつものである。
能なビニル系単量体は、塩化ビニル系樹脂組成物の使用
目的に応じて使用される成分である。
は、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが
あげられる。またメタクリル酸メチルを除くメタクリル
酸アルキルの具体例としては、たとえばメタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシルなどがあげられる。これらのアクリル酸アルキル
およびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸アルキル
は単独でまたは2種以上で使用してもよい。
の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチ
レンなどの芳香族ビニルやアクリロニトリルなどの不飽
和ニトリルなどがあげられる。これらは単独で用いても
よく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ル酸メチル60〜100%、好ましくは60〜90%、
さらには65〜85%、アクリル酸アルキルおよびメタ
クリル酸メチルを除くメタクリル酸アルキルの中から選
ばれた少なくとも1種の単量体0〜40%、好ましくは
0〜30%、さらには0〜20%、およびその他の共重
合可能なビニル系単量体0〜10%、好ましくは0〜5
%、さらには0〜3%である。
合が60%未満のばあい、透明性、加工性などが低下す
る。またアクリル酸アルキルおよびメタクリル酸メチル
を除くメタクリル酸アルキルの中から選ばれた少なくと
も1種の単量体が40%をこえると透明性、加工性など
が低下する。さらに前記その他の共重合可能なビニル系
単量体が10%をこえるとゲル化性、透明性が低下す
る。
(A)からの共重合体の含有量は3〜30部、好ましく
は5〜20部、さらには8〜15部である。該成分は重
合体の内層に3〜30部という少量存在することでゲル
化性、加工性を特異的に改善し、結果として前記加工助
剤の添加効果を飛躍的に高効率化させることができる。
このような少量成分が特異的な効果をもつことは従来知
られていなかった。混合物(A)の量が30部をこえる
と塩化ビニル系樹脂のゲル化性、透明性を損い、3部未
満では加工助剤の塩化ビニル樹脂への分散性が損われ、
未ゲル化物が発生するようになる。
物(B)からの共重合体の含有量は70〜97部、好ま
しくは80〜95部、さらには85〜92部である。該
成分が97部をこえると、加工助剤の塩化ビニル樹脂へ
の分散性が損われ、未ゲル化物が発生するようになる。
また70部未満では本発明の目的とするゲル化性が充分
改良されなくなる。
することができる。
重合開始剤および連鎖移動剤などの存在下で乳化重合さ
せ、混合物(A)の重合体ラテックスをうる。ついで混
合物(A)の重合体ラテックスに混合物(B)を順次添
加して重合を行なう。このように各々の混合物を逐次重
合させることにより、混合物(A)の重合体が内層とな
り、混合物(B)の重合体が外層をなす重合体を形成す
る。
である。
用され、たとえば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステ
ル塩、スルホコハク酸ジエステル塩などのアニオン系界
面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活
性剤などがあげられる。
重合開始剤、熱分解型やレドックス型の重合開始剤など
が使用され、たとえば通常の過硫酸塩などの無機開始
剤、あるいは有機過酸化物、アゾ化合物などを単独で用
いるか、前記化合物と亜硫酸塩、亜硫酸水素、チオ硫酸
塩、第一金属塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレートなどを組み合わせ、レドックス系で用いてもよ
い。重合開始剤として好ましい過硫酸塩としてはたとえ
ば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウムなどがあげられ、好ましい有機過酸化物としては、
たとえばt−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイルなどがあげられる。
く、使用目的に応じて所望の比粘度、粒子径になるよう
に適宜調整すればよい。
合体のラテックスは、平均粒子径が100〜3000
Å、さらには100〜1000Åが好ましい。平均粒子
径が100Å未満のラテックスをうるのは困難であり、
3000Åをこえるばあいには分散性が低下し、さらに
1000Å以下のばあいにはきびしい加工条件でも成形
できる傾向にある。
(ロール温度など)や安定剤、滑剤などの配合物の種類
などにおいて、通常の条件下(たとえば通常のスズ配合
コンパウンドを用いたばあいの8インチテストロールに
よる加工でロール温度は160〜180℃程度)で良好
な加工性を示す。しかし、本発明の範囲内であっても、
条件により、たとえばロール温度が低いばあい(たとえ
ばロール温度が140〜160℃のばあい)や配合され
た滑剤の量が多いばあいなどには、分散性能が低下し、
ゲル化が進みにくくなり、透明性、加工性が低下するこ
とがある。このようなばあいには、加工助剤のラテック
スの平均粒子径を前記の範囲にかえて1000Å以下、
好ましくは800Å以下で好ましくは100Å以上にす
ることで前記の問題を改良することができる。
の条件でもとくに問題なく使用しうる。
重合体ラテックスは、通常の電解質の添加による塩析、
凝析や、熱風中に噴霧、乾燥することにより、ラテック
スから分離して用いられる。
の方法により洗浄、脱水、乾燥などの処理が行なわれう
る。
30〜300μmの白色の粉末状であるのが好ましい。
ン100ml中に0.4gを溶解させ、30℃で測定し
た比粘度は1以上であり、好ましくは1.2以上、さら
に好ましくは1.5以上で、7以下、さらには5以下、
とくには3以下であるのが好ましい。1未満のばあいに
は充分な加工性がえられなくなる。また、7をこえると
透明性が低下する傾向にある。
を溶解させ、30℃で測定した比粘度が1以上になる
と、従来の加工助剤では、塩化ビニル系樹脂に添加した
ばあいに塩化ビニル系樹脂のゲル化性が低下したり、高
温伸び、発泡成型時の比重低下などの加工性が低下する
などの問題があった。しかし、本発明で使用される前記
加工助剤は前記比粘度が1以上であるような高い分子量
であっても充分なゲル化性、加工性がえられ、高分子量
の加工助剤が本来もっている高い能力を充分に発現させ
ることができる。
化ビニル系樹脂に前記加工助剤を通常の方法にしたがっ
て混合することによりうることができる。
樹脂用加工助剤との混合割合は前記塩化ビニル系樹脂1
00部に対して前記塩化ビニル系樹脂用加工助剤0.1
〜30部、好ましくは0.3〜10部、さらに好ましく
は0.5〜5部である。前記塩化ビニル系樹脂用加工助
剤の量が0.1部未満になると加工助剤を添加する効果
が充分えられなくなり、30部をこえると塩化ビニル系
樹脂の優れた機械的特性が損われる。
ル系樹脂組成物には、必要に応じて安定剤、滑剤、耐衝
撃強化剤、可塑剤、着色剤、充填剤、発泡剤などを配合
して使用してもよい。
性に優れ、ブロー成形、インジェクション成形、カレン
ダー成形、押出成形などの方法で成形することができ
る。えられる成形体は透明性、光沢、表面の平滑性など
の外観や、2次加工性に優れ、発泡成形に用いるばあい
には低比重の成形体がえられるなど優れた特性を有する
ため、塩化ビニル系樹脂の加工を要するすべての分野た
とえばシート、パイプ、異形成形体、発泡成形体などに
好ましく使用されうる。
らに詳細に説明する。
た溶液の比粘度(ηsp)の測定:重合体試料0.4gを
100mlのベンゼンに溶解させ、30℃の水浴中で一
定温度に保ったユーベロード型粘度形を用いて測定し
た。
た。
0部にえられた重合体試料3部、オクチルスズメルカプ
タイド系安定剤1.5部、大豆油のエポキシ化物1.5
部、ステアリン酸ブチル1.0部および脂肪酸のポリグ
リコールエステル0.5部を配合したものを以下の方法
で評価した。
試験機(ブラベンダー社製プラスチコーダー、PLE−
331)を用いて、150℃の温度で混練し、混練時間
対トルクの曲線で、最低のトルクと最大のトルクの点を
結んだ直線の傾きからゲル化性を評価した。この傾きが
大きいほどゲル化性がよいと判断した。
℃×5分間の混練後、170℃×15分間プレスし、厚
さ5mmのプレス板を作成した。えられたプレス板の、
全光線透過率および曇価をJIS−6714に準じて測
定した。全光線透過率は数字が大きいほど透明性がよい
ことを示す。また、曇価は数字が小さいほどよい。
℃×5分間の混練後、170℃×15分間プレスし、厚
さ1mmのプレス板を作成した。前記プレス板の伸びを
JIS K 7113に準じて伸びを測定した。ダンベ
ルはJIS 2号を用い、測定温度は100℃、引張速
度は200mm/分とした。伸びが大きいほど加工助剤
がすぐれていることを示す。
ンアミド0.6部を配合し、東洋精機(株)製小型押出
機(2D20C)で170℃で成形し、えられた矩形成
型体の比重を評価した。成型体の比重が低いものほど発
泡性がよいといえる。
チルスルホコハク酸ソーダ0.8部および過硫酸カリウ
ム0.05部を入れ、さらに水を加えて水の全量を20
0部とした。前記反応器内にチッ素を流通させることに
より空間部および水中の酸素を除去したのち、撹拌しな
がら内容物を70℃に昇温した。つぎに前記反応器にメ
タクリル酸メチル(MMA)3部、アクリル酸ブチル
(BA)7部よりなる単量体混合物(混合物(A))を
1時間あたり20部程度の速度で滴下した。滴下終了
後、1時間撹拌を続け、重合を実質的に完結させた。そ
ののち、MMA72部およびメタクリル酸ブチル(BM
A)18部からなる単量体混合物(混合物(B))を1
時間あたり20部程度の速度で滴下した。滴下終了後、
内容物を90分間、70℃に保ち、そののち冷却して、
ラテックスをえた。重合転化率は99.5%であった。
また濁度法により求めたラテックス中の重合体粒子の粒
子径は1200Åであった。えられたラテックスを塩化
カルシウム水溶液で塩析凝固させ、90℃まで昇温熱処
理したのちに、遠心脱水機を用いて濾過し、えられた樹
脂の脱水ケーキを樹脂の重量と同量程度の水で水洗し、
並行流乾燥機で50℃×15時間で乾燥させて白色粉末
状の重合体試料(1)をえた。
判断した。
BAはアクリル酸ブチル、EAはアクリル酸エチル、B
MAはメタクリル酸ブチル、ANはアクリロニトリルを
示す。
て重合体試料(2)〜(4)、(6)および(7)をえ
た。なお、重合体試料(5)は混合物(A)の重合を行
なわない1段重合体であるが、実質的には前記と同様に
してえた。えられたラテックスの粒子径は全て1100
〜1300Åの範囲のものであった。
で評価した。
む単量体混合物を乳化重合してえられた共重合体ラテッ
クスに、メタクリル酸メチルを優位量含む単量体混合物
を添加、重合してえられる重合体試料(1)〜(4)を
用いると1段重合体である重合体試料(5)に比べて塩
化ビニル樹脂組成物のゲル化性、加工性が優れているこ
とがわかる。また、重合体試料(6)のように、混合物
(A)の量が本発明の範囲より少量であるばあいにはゲ
ル化性が充分でない。一方、重合体試料(7)のように
混合物(A)の量が本発明の範囲をこえて多くなったば
あいにはゲル化性はかわらないものの加工性、透明性は
低下する。
て重合体試料(8)〜(16)をえた。えられたラテッ
クス中の重合体粒子の粒子径は全て1000〜1300
Åの範囲に含まれるものであった。
により評価した。
3)を用いると良好なゲル化性、透明性、加工性を有し
た組成物がえられるが、メタクリル酸メチル以外のメタ
クリル酸エステルやアクリル酸エステルの共重合比を本
発明の範囲をこえて高くした混合物(B)相当物を用い
た重合体試料(14)、(15)を用いたばあいには透
明性、加工性が低下することがわかる。また重合体試料
(13)のようにメタクリル酸エステル、アクリル酸エ
ステル以外の単量体(アクリロニトリル)を少量、共重
合したばあいには物性低下の原因となることはないが、
重合体試料(16)のようにメタクリル酸エステル、ア
クリル酸エステル以外の単量体(アクリロニトリル)の
組成比を本発明の範囲をこえて混合物(B)相当物の1
0%以上にするとゲル化性が低下し、その他の物性も低
下することがわかる。
(22)は開始剤(過流酸カリウム)の量と乳化剤(ジ
オクチルスルフォコハク酸ソーダ)の量を調整してηsp
とラテックスの重合体粒子の粒子径を調製したほかは実
施例1と同様にしてえた。
し、透明性と加工性を評価した。
料(19)、(20)、(21)を用いたばあいには充
分な加工性がえられないため、ηspは1.0以上でなけ
ればならないことがわかる。
いればηspを高くしても透明性は、ほとんど低下せず加
工性はむしろ向上しているが、混合物(A)相当物が存
在しない重合体試料(5)、(22)を用いたばあいは
ηspを高くすると透明性が著しく低下し、また、加工性
も充分でないことがわかる。
ム)の量と乳化剤(ジオクチルスルホコハク酸ソーダ)
の量を調整してηspとラテックス中の重合体粒子の粒子
径を調整した以外は実施例1と同様にしてえた。
たが、前記評価方法において、透明性および加工性の評
価における8インチロールの温度を150℃に、プレス
の温度を160℃に、また、発泡性評価の小型押出機の
温度を160℃にかえて行なった。
と同じ重合体試料で、それぞれ加工条件をかえたもので
ある。参考例1、2の評価項目において加工条件を10
℃低くすることで透明性、加工性などが高ηspのものの
方が低下しているのがわかる。一方、ラテックス粒子径
を1000Å以下にした重合体試料(23)(24)を
用いた実施例13、14は高ηspにしても透明性が低下
せず、加工性はむしろ向上しており、ラテックス粒子径
を1000Å以下にすることによる効果がわかる。
数を変えたばあいの効果について評価するために、前記
評価方法の重合体試料3部にかえて、表5に記載の配合
部数にし、そのほかは、前記評価方法と同様にして評価
した。
試料(1)を配合した組成物は、良好なゲル化性、透明
性、加工性を有しているが、比較例11のように本発明
の範囲をこえて配合部数を減らしたばあいには充分なゲ
ル化性、加工性がえられない。また比較例12のように
本発明の配合部数の範囲をこえて使用したばあいには不
均一性がまして、透明性、加工性を評価するのに適した
成形体をうることができなかった。
のに加えて、透明性および加工性が良好である。このよ
うな好ましい特徴を有する組成物が塩化ビニル系樹脂1
00部に対して0.1〜30部という少量の加工助剤の
添加で製造される。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部および塩
化ビニル系樹脂用加工助剤0.1〜30重量部からなる
組成物であって、前記塩化ビニル系樹脂用加工助剤が、
メタクリル酸メチル0〜50重量%とアクリル酸アルキ
ル50〜100重量%とこれらと共重合可能なビニル系
単量体0〜20重量%との混合物(A)3〜30重量部
を乳化重合してえられるラテックスの存在下で、メタク
リル酸メチル60〜100重量%とアクリル酸アルキル
およびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸アルキル
の中から選ばれる少なくとも1種の単量体0〜40重量
%とこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜10重量
%との混合物(B)70〜97重量部を合計量が100
重量部となるように添加、重合してえられる重合体で、
該重合体0.4gを100mlのベンゼンに溶解した溶
液の30℃における比粘度が1以上であることを特徴と
する塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記塩化ビニル系樹脂用加工助剤の重合
体のラテックスの粒子径が1000Å以下であることを
特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
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