JP2702515B2 - エポキシ樹脂の精製法 - Google Patents

エポキシ樹脂の精製法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はエポキシ樹脂の精製法に関するものである。
さらに詳しくいえば、本発明は、特に半導体素子などの
電子部品の封止用樹脂として好適なハロゲン不純物の少
ないエポキシ樹脂を簡単に、生産性よく得るためのエポ
キシ樹脂の工業的精製法に関するものである。
従来の技術 エポキシ樹脂は優れた特性を有することから、種々の
応用分野において利用されているが、近年、エレクトロ
ニクス分野の急速な発展に伴い、半導体素子などの電子
部品の封止材としても利用されるようになってきた。
ところがこの分野においては、半導体の集積回路の密
度が上がるに従って、封止材料に対してもより高度な品
質が要求されるようになってきた。
従来この目的に対してはビスフェノール型エポキシ樹
脂、あるいはノボラックエポキシ樹脂に各種無機フィラ
ーとフェノール樹脂などの硬化剤を混合した熱硬化性樹
脂組成物が用いられていた。
しかしながら、近年、不良発生の原因となる集積回路
の金属の腐食が封止材として用いられるエポキシ樹脂中
の塩素に起因することが明らかとなり、そのため、塩素
含有量の少ないエポキシ樹脂を得ようとする試みが種々
なされている。
通常エポキシ樹脂はフェノール性水酸基を有するビス
フェノールA又はノボラック樹脂などとエピクロルヒド
リンなどのエピハロヒドリンとを酸又は塩基性触媒の存
在下にて反応せしめ、生成したハロヒドリンエーテルを
さらに水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ金属を用
いて脱ハロゲン化水素を行うことにより製造されてい
る。
ところが、フェノール性水酸基とエピハロヒドリンと
の反応において好ましくない副反応を生じ、一部のハロ
ゲンは、水酸化アルカリによって比較的容易に脱ハロゲ
ン化しうるハロヒドリンエーテルとはならず、エポキシ
樹脂内に結合したハロゲン不純物として残留する。この
ハロゲンは、次の製造式に示すようにエポキシ樹脂内に
結合していることが知られている。
(ただしXはハロゲン原子である) このようなハロゲン不純物は、洗浄、吸着などの物理
的な処理方法によって除去することは不可能である。ま
た、水酸化アルカリなどを用いて過酷な条件下において
脱ハロゲン化水素を行うことも可能であるが、この場
合、エポキシ樹脂のグリシジル基にも作用し、開環重合
反応の結果、グル化や高分子化などを起こし、結果とし
てグリシジル基の多くを失うことになる。
したがって、エピクロロヒドリンを原料とする一般に
市販されているエポキシ樹脂は500〜2000ppmの結合した
塩素不純物を含んでおり、このようなエポキシ樹脂を原
料にして製造された封止材で封止された半導体集積回路
は、長期の使用において水分の侵入を受け、遊離した塩
素によって集積回路の金属が腐食を受けることになる。
一方、このようなハロゲン不純物をさらに低減するた
めに、フェノール類とエピクロルヒドリン及びアルカリ
金属水酸化物より多価フェノールのグリシジルエーテル
化合物を製造する方法において、アルコールを共存させ
る方法(特開昭54-90400号公報)、環状又は直鎖状のエ
ーテル化合物を共存させる方法(特開昭58-189223号公
報)、環状又は直鎖状エーテル化合物と非プロトン性極
性溶媒を併用する方法(特開昭60-31516号公報)などが
提案されている。しかしながら、これらの方法によって
得られるエポキシ樹脂には、不純物としてまだかなりの
量の有機塩素化合物が含まれており、必ずしも効果が十
分であるとはいえない。また、これらの溶媒の併用は、
過剰に存在するエピクロルヒドリンと共存しているた
め、回収されるエピクロルヒドリン中の有機塩素化合物
の加水分解副生物の分離が困難で、該エピクロルヒドリ
ンの純度が低下するのを免れない上、副生する反応生成
水中への溶媒の損失をもたらすなどの問題がある。
また、エポキシ樹脂にアルカリを加えて脱ハロゲン化
する反応において、非プロトン性極性溶媒を共存させる
方法が提案されている(特開昭62-187718号公報、特開
昭62-235314号公報)。しかしながら、これらの方法に
おいては、ハロゲン含有量は低減しうるが、多量の溶媒
を用いるために、エポキシ樹脂の回収率が低くなった
り、溶媒の回収のために長時間を要するなど、生産性が
低く、工業的に不利である。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような事情のもとで、エポキシ樹脂中
のハロゲン含有量を効率よく低減しうる、生産性に優れ
たエポキシ樹脂の工業的精製法を提供することを目的と
してなされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、エポキシ樹脂中のハロゲンを効率よく
低減させる方法について鋭意研究を重ねた結果、ハロゲ
ン不純物を含有するエポキシ樹脂の中から1分子当り所
定平均個数以下の高分子量化反応性水酸基をもつエポキ
シ樹脂を選択し、それにスルホキシド化合物溶媒を特定
の割合で添加したのち、この溶液に塩基を加えることに
より、前記目的を達成しうることを見い出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ハロゲン不純物を含有するエポ
キシ樹脂の中から1分子当り平均0.13個以下の高分子量
化反応性水酸基をもつエポキシ樹脂を選択し、それにそ
の100重量部当り10〜50重量部のスルホキシド化合物溶
媒を添加し、次いでこの溶液に塩基を加えて反応させ、
該エポキシ樹脂からハロゲン不純物を除去することを特
徴とするエポキシ樹脂の精製法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法においては、精製されるハロゲン不純物を
含有するエポキシ樹脂について、該樹脂の中から1分子
当りに含まれる高分子量化反応性水酸基の平均個数が0.
13以下、好ましくは0.10以下、より好ましくは0.08以下
のものを選択することが必要である。ここでいう高分子
量化反応性水酸基とは、該エポキシ樹脂中に含まれるす
べての水酸基から、式 で示される塩基によって容易に脱ハロゲン化反応を起こ
すハロヒドリン構造に含まれる水酸基を差し引いたもの
を意味する。
また、本発明で用いるエポキシ樹脂中のハロゲンの含
有量については特に制限はないが、ハロゲンの含有量が
少なければ少ないほど良い結果が得られる。なお、一般
に市販されているフェノール類とエピクロルヒドリンと
の反応によって得られたエポキシ樹脂は、塩素含有量が
通常0.1〜2重量%程度であるが、もちろんこのような
ものも本発明により精製することができる。
本発明方法により精製されるエポキシ樹脂としては、
例えばフェノール類とエピハロヒドリンとの反応によっ
て得られるフェノル型エポキシ樹脂、アルコール類とエ
ピハロヒドリンとの反応によって得られるアルコール型
エポキシ樹脂、カルボン酸とエピハロヒドリンとの反応
によって得られるエステル型エポキシ樹脂、アミン化合
物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるアミン
型エポキシ樹脂、イミド化合物とエピハロヒドリンとの
反応によって得られるイミド型エポキシ樹脂などが挙げ
られる。
該フェノール型エポキシ樹脂としては、例えばフェノ
ール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾ
ール、ジフェノールメタン(ビスフェノールF)、ジフ
ェノールプロパン(ビスフェノールA)、テトラブロム
ビスフェノールA、ジヒドロキシナフタレン化合物、フ
ェノールノボラック、臭素化フェノールノボラック、ク
レゾールノボラック、臭素化クレゾールノボラックなど
のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂が挙げられ
る。アルコール型エポキシ樹脂としては、例えばメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノ
ニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコー
ル、エテニルアルコール、プロペニルアルコール、ブテ
ニルアルコール、ペンテニルアルコール、ヘキセニルア
ルコール、ヘプテニルアルコール、オクテニルアルコー
ル、ノネニルアルコール、デセニルアルコール、エチニ
ルアルコール、プロピニルアルコール、ブチニルアルコ
ール、ペンチニルアルコール、ヘイシニルアルコール、
オクチニルアルコール、ノニニルアルコール、デシニル
アルコール、シクロプロピルアルコール、シクロペンチ
ルアルコール、シクロヘキシルアルコール、アリルアル
コール、ベンジルアルコール、置換ベンジルアルコー
ル、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、ブタンジオ
ール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール水添ビス
フェノールA、水添ビスフェノールFなどのアルコール
類から誘導されるエポキシ樹脂が挙げられる。
エステル型エポキシ樹脂としては、例えばギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナン
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデ
シル酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノ
レン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、アレイン酸、フマル酸、ダイマー酸、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシ
ル酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、
ドデカンジカルボン酸などのカルボン酸から誘導される
エポキシ樹脂が挙げられる。アミノ型エポキシ樹脂とし
ては、例えばジアミノジフェニルメタン、p−アミノフ
ェノール、m−アミノフェノール、アニリン、トルイジ
ン、m−キシリレンジアミン、トリプロモアニリン、ビ
スアミノメチルシクロヘキサンなどのアミン類から誘導
されるエポキシ樹脂が挙げられ、イミド型エポキシ樹脂
としては、例えばマレイミド、フタルイミド、ピロメリ
ットイミドなどのイミド類から誘導されるエポキシ樹脂
が挙げられる。
前記エポキシ樹脂以外に、例えばジャーナル・オブ・
アプライド・ポリマー・サイエンス、第19巻、第609〜6
17ページ(1975年発行)に記載されているようなエポキ
シ樹脂中のアルコール性水酸基をさらにグリシジル化し
た多官能エポキシ樹脂なども用いることができる。
本発明方法において用いられるスルホキシド化合物溶
媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチル
スルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジブチルスル
ホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルホ
キシド、メチルエチルスルホキシド、メチルプロピルス
ルホキシド、ジ−p−クロロフェニルスルホキシド、ジ
−トリルスルホキシド、エチルベンジルスルホキシドが
挙げられる。
本発明における前記エポキシ樹脂とスルホキシド化合
物溶媒との使用割合については、エポキシ樹脂100重量
部に対し、スルホキシド化合物溶媒を10〜50重量部、好
ましくは20〜50重量部の割合で用いることが必要であ
る。スルホキシド化合物溶媒の使用量が10重量部未満で
は脱ハロゲン化が十分でないし、また50重量部を超える
とエポキシ樹脂の回収に時間を要したり、生産性が低下
するなど工業的に不利となる。
本発明方法において用いられる塩基としては、例えば
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物、水酸化バリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属
水酸化物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テ
トラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピル
アンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウム
ヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウムヒドロ
キシド類、テトラメチルホスホニウムヒドロキシド、テ
トラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラプロピル
ホスホニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウム
ヒドロキシドなどのテトラアルキルホスホニウムヒドロ
キシド類、テトラメチルアルセニウムヒドロキシド、テ
トラエチルアルセニウムヒドロキシド、テトラプロピル
アルセニウムヒドロキシド、テトラブチルアルセニウム
ヒドロキシドなどのテトラアルキルアルセニウムヒドロ
キシド類、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポ
キシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシ
ド、リチウムブトキシド、ナトリウムブトキシド、カリ
ウムブトキシドなどのアルコキシ異性体を含む、アルカ
リ金属アルコキシド類などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
これらの塩基の使用量は、エポキシ樹脂に含有される
ハロゲンに対し、通常0.5〜20当量の範囲で選ばれる
が、塩基を多量に用いるとグリシジル基がそこなわれや
すくなるので、好ましくは含有されるハロゲンに対し、
0.5〜10当量、特に好ましくは0.5〜2当量の範囲で選ば
れる。
前記スルホキシド化合物溶媒は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また他種溶
媒と混合して用いてもよい。他種溶媒としては、例え
ば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケチンなど
のケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジオキサンなどのエーテル類、メチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ールなどのアルコール類などが挙げられ、これらは1種
用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの他種溶媒の使用量が重量基準でスルホキシド
化合物溶媒量に対し5倍以下であれば、本発明の効果が
そこなわれることはない。
反応温度は通常10〜180℃の範囲で選ばれるが、温度
が高すぎるとグリシジル基がそこなわれやすくなるの
で、好ましくは10〜120℃の範囲で選ばれる。
反応液からエポキシ樹脂を回収分離する方法として
は、反応液にベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を加
え、ろ過又は水洗あるいはその両方により不純物を除去
したのち、減圧やスチームストリッピングなどによりエ
ポキシ樹脂を回収する方法、あるいは反応液を減圧下で
加熱して、スルホキシド化合物溶媒や他種溶媒を除去し
たのち、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサンなどの溶
剤に溶かし、次いで生成した塩をろ過したのち、減圧や
スチームストリッピングなどによりエポキシ樹脂を回収
する方法などが挙げられる。
発明の効果 本発明方法によると、エポキシ樹脂中のグリシジル基
をそこなうことなく、ハロゲン含有量を低減することが
できるとともに、スルホキシド化合物溶媒の使用量が少
ないために、生産性が向上し、工業的に極めて有利であ
る。
また本発明で得られたエポキシ樹脂は、ハロゲン含量
が低いので例えばエレクトロニクス分野における半導体
素子などの封止材、導電性ペースト材や発光ダイオード
接着剤などの電子部品材料などの原料として好適に用い
られる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定するものではな
い。
なお、例中の各特性は次の測定法に従って求めた。
(1) エポキシ価 エポキシ価はエポキシ樹脂100g中に含まれるエポキシ
基の当量数で定義され、JIS K−7236に準拠して求め
た。
(2) 易加水分解性塩素量 試料1gを50mlのトルエンに溶解し、これに0.1N KOH−
メタノール溶液20mlを加えて15分間煮沸したのち、硝酸
銀で滴定した。
(3) 全塩素量 試料1gを25mlのエチレングリコールモノブチルエーテ
ルに溶解し、これに1N KOH−プロピレングリコール溶液
25mlを加えて20分間煮沸したのち、硝酸銀で滴定した。
(4) 結合塩素量 全塩素量から易加水分解性塩素量を差し引いた値で表
わされる。
(5) 高分子量化反応性水酸基価 樹脂100g中に含まれる、すべての水酸基の当量数か
ら、ハロヒドリン構造由来の水酸基の当量数を差し引い
た数で定義され、次式により計算により求めた。
該式中の塩化アセチル反応当量価は、樹脂100gと反応
する塩化アセチルの当量数で定義され、次のようにして
測定した。
樹脂を秤量してフラスコに入れ、ジオキサンで溶解さ
せ、これに、1.5N塩化アセチル−トルエン溶液を加え、
0℃に冷却したのち、ピリジンを加え60℃で1時間反応
させる。反応完結後、フラスコを氷水で冷却し、蒸留水
を加え過剰の塩化アセチルを分解したのち、冷アセトン
を加え、クレゾールレッド指示薬を滴下し、0.5NのNaOH
/エタノール溶液で滴定を行う。同時に、ブランクテス
トを行い、塩化アセチル反応当量価(eg/100g)を求め
た。
(6) 1分子に含まれる高分子量化反応性水酸基の平
均個数 次式に従い、計算により求めた。
ただし、数平均分子量(Mn)は、式 により求めた値である。
(7) 粘度 キャノンフェンスケ粘度管を使用し、JIS K−7233に
準拠して求めた。
また、第1表に使用したエポキシ樹脂のエポキシ価、
結合塩素量、易加水分解性塩素量、1分子に含まれる高
分子量化反応性水酸基の平均個数及び粘度を示した。
実施例1〜16 反応はすべて同一の反応装置を使用した。すなわち、
温度計、かくはん翼、反応系中から蒸発する蒸気を冷却
液化するための還流冷却器及び塩基を投入するために除
去のできるガラス栓を有する容量1のバッフル付セパ
ラブルフラスコを用い、第1表、第2表に示す種類と量
のエポキシ樹脂と溶媒とを混合したのち、第2表に示す
反応の温度に調節した。次にこの溶液に、第2表に示す
種類と量の塩を加え、該表に示す時間反応させたのち、
得られた反応溶液をトルエンに溶解し、副生塩とスルホ
キシド化合物を水洗により、除去後、トルエンを蒸留に
より除去した。
このようにして回収されたエポキシ樹脂のエポキシ
価、易加水分解性塩素量、結合塩素量及び粘度を求め
た。その結果を第3表に示す。
比較例1〜6 反応装置は、実施例1と同一のものを用いた。第1
表、第2表に示す種類と量のエポキシ樹脂、溶媒、塩基
を使用し、第2表に示す反応条件で実施した以外は、実
施例1と全く同じ操作を行った。結果を第3表に示す。
これらの結果から明らかなように、比較例1ではエポ
キシ樹脂と溶媒の混合比率を重量基準で7:3としたとこ
ろ、回収されたエポキシ樹脂の粘度が32000センチポイ
ズにまで異常上昇し、液状樹脂としての特徴が著しくそ
こなわれてしまった。また比較例2では結合塩素量、粘
度がそれぞれ182ppm、15000センチポイズと共に低いエ
ポキシ樹脂を回収することができたものの、多量の溶媒
を必要とした。これに対し、実施例1では、エポキシ樹
脂と溶媒の混合比率を重量基準で8:2まで、溶媒使用量
を低減してもなお、結合塩素量、粘度がそれぞれ、250p
pm、10700センチポイズと共に低いエポキシ樹脂を回収
することができた。
さらに、実施例14と比較例4では同一の反応条件であ
るが、原料エポキシ樹脂粘度は実施例14よりも比較例4
の方が低いにもかかわらず、反応、回収後のエポキシ樹
脂粘度は、実施例の方が低い。
以上から本発明方法の効果は明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン不純物を含有するエポキシ樹脂の
    中から1分子当り平均0.13個以下の高分子量化反応性水
    酸基をもつエポキシ樹脂を選択し、それにその100重量
    部当り10〜50重量部のスルホキシド化合物溶媒を添加
    し、次いでこの溶液に塩基を加えて反応させ、該エポキ
    シ樹脂からハロゲン不純物を除去することを特徴とする
    エポキシ樹脂の精製法。
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