JP2565960B2 - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

エポキシ化合物の製造方法

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JP2565960B2 JP62328087A JP32808787A JP2565960B2 JP 2565960 B2 JP2565960 B2 JP 2565960B2 JP 62328087 A JP62328087 A JP 62328087A JP 32808787 A JP32808787 A JP 32808787A JP 2565960 B2 JP2565960 B2 JP 2565960B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はエポキシ化合物の製造方法の改良に関するも
のである。さらに詳しくいえば、本発明は、特に電気、
電子、光通信分野などにおける各部品材料として好適
な、加水分解性ハロゲン含有量が少なく、かつエポキシ
基数当りの粘度の低い多官能化フェノール系エポキシ化
合物を効率よく製造する方法に関するものである。
従来の技術 従来、エポキシ化合物は優れた特性を有することか
ら、多くの分野において幅広く用いられており、また、
近年電子分野や光通信分野の急速な発展に伴い、半導体
などの封止材や、積層板、導電性ペースト材、ICカー
ド、光コネクターなどの電子部品材料や光通信部品材料
などとしての需要が伸びてきている。
ところが、これらの分野においては、電子部品の集積
度の増大に伴い、材料として用いられるエポキシ化合物
に対しても、より高度の品質のものが要求されるように
なり、例えば、該エポキシ化合物に含まれる加水分解性
塩素が低いことや、耐熱性及び作業性の面から低粘度で
あることが望まれている。
従来、エポキシ化合物の製造方法としては、通常アル
カリ金属水酸化物の存在下、フェノール類とエピクロル
ヒドリンなどとを反応させる方法が用いられている。し
かしながら、この方法においては、フェノール類とエピ
クロルヒドリンとの反応により生成するエポキシ基が、
該フェノール類と付加反応する結果、生成するアルコー
ル性水酸基はグリシジル化せず、多官能化が起こりにく
い上、得られるエポキシ化合物中に加水分解性塩素が多
く含まれるため、精密電子部品や光通信部品などの材料
に適切なエポキシ化合物が得にくいという問題がある。
エポキシ化合物に耐熱性を付与するためには、該エポ
キシ化合物を多官能化する必要があることは知られてお
り、この多官能化する方法としては、例えばまずビスフ
ェノールAとエピクロルヒドリンとを、アルカリ金属水
酸化物の存在下に反応させて、アルコール性水酸基を有
する2官能エポキシ樹脂を生成したのち、過剰のエピク
ロルヒドリンの回収やアルカリ金属塩の除去処理を行っ
て、該アルコール性水酸基を有する2官能エポキシ樹脂
を得、次いでこのものを、第四級アンモニウム塩、アル
カリ金属水酸化物及びエピクロルヒドリンを用いて多官
能化するといった方法が提案されている[「ジャーナル
・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(J.Appl.P
olym.Sci.)」第19巻、第609〜617ページ(1975年)、
米国特許第4,623,701号明細書]。
しかしながら、この方法においては、2官能エポキシ
樹脂を得るのに、水洗や回収などの余分の中間プロセス
を必要とし工業上不利である上に、生成した多官能化エ
ポキシ樹脂は、加水分解性塩素を多く含有しているた
め、精密電子部品や光通信部品などの材料として適切で
ない、などの欠点がある。
一方、フェノール類をグリシジル化する際に、非プロ
トン性極性溶媒を用いることにより、得られるエポキシ
樹脂中の加水分解性塩素を低減しうることが報告されて
いる(東独特許第153,882号明細書、特開昭60−31517号
公報)。
しかしながら、この方法においては、多官能化につい
てはなんら言及されておらず、また、該方法をそのまま
利用し、仮に使用するエピクロルヒドリンの量を減らし
て多官能化しようとすると、反応液中のエポキシ樹脂濃
度が高くなって、エポキシ樹脂同士の分子間反応によ
り、生成するエポキシ樹脂は粘度が著しく増大したり、
ゲル化したりするため、このものを電子部品や光通信部
品などの材料として用いる場合、作業性の低下を免れな
いという問題が生じる。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、このような従来技術が有する欠点を克服
し、特に精密電子部品や光通信部品などの材料として好
適な、加水分解性ハロゲン含有量が少なく、かつエポキ
シ樹脂当りの粘度の低い多官能化フェノール系エポキシ
化合物を、簡単なプロセスで効率よく製造する方法を提
供することを目的としてなされたものである。
問題点を解決するための手段 本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を重
ねた結果、特定の溶媒を用い、かつ同一溶媒系での2段
反応プロセスを採用することにより、その目的を達成し
うることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
すなわち、本発明は、アルカリ金属水酸化物の存在
下、フェノール類と1−ハロ−2,3−エポキシアルカン
とを反応させてエポキシ化合物を製造するに当り、 (A)前記フェノール類と1−ハロ−2,3−エポキシア
ルカンとアルカリ金属水酸化物とを、1−ハロ−2,3−
エポキシアルカンがフェノール性水酸基1当量当り0.5
〜2当量、アルカリ金属水酸化物がフェノール性水酸基
1当量当り0.5〜0.9当量でかつ該1−ハロ−2,3−エポ
キシアルカン1当量当り1当量以下になるような割合で
用い、スルホキシド化合物を溶媒として前記アルカリ金
属水酸化物のすべてが実質上その塩に変換するまで反応
を行い、アルコール性水酸基を有するエポキシ化合物を
生成させる第一工程と、 (B)前記工程で得られたエポキシ化合物を、そのアル
コール性水酸基をグリシジル化するのに十分な量の1−
ハロ−2,3−エポキシアルカンを用い、アルカリ金属水
酸化物とスルホキシド化合物の存在下に多官能化する第
二工程とを包含することを特徴とするエポキシ化合物の
製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法において、(A)工程、すなわち第1段反
応工程で用いられるフェノール類としては、例えばビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、
ビスフェノールC、ビスフェノールAD、ビスフェノール
テトラブロモビスフェノールA、フェノールノボラッ
ク、クレゾールノボラック、フェノキシ樹脂、ビスチオ
フェノールA、カテコール、ヒドロキノン、(ヒドロキ
シメチル)ヒドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコー
ル、α−ナフトベンザインなどが挙げられる。
また、1−ハロ−2,3−エポキシアルカンとしては、
例えば、1−クロロ−2,3−エポキシプロパン、1−ブ
ロモ−2,3−エポキシプロパン、1−ヨード−2,3−エポ
キシプロパン、1−クロロ−2,3−エポキシブタン、1
−クロロ−2−メチル−2,3−エポキシプロパンなどが
挙げられ、アルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどが
挙げられる。
さらに、スルホキシド化合物としては、例えばジメチ
ルスルホキシド、ジエチルスルキシド、エチルメチルス
ルホキシドなどが挙げられるが、これらの中で特にジメ
チルスルホキシドが好適である。これらのスルホキシド
化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混
合して用いてもよい。
本発明方法における第一工程においては、前記のフェ
ノール類と1−ハロ−2,3−エポキシアルカンとを、前
記アルカリ金属水酸化物の存在下に、溶媒として前記ス
ルホキシド化合物を用い、該アルカリ金属水酸化物のす
べてが実質上その塩に変換するまで反応させることによ
り、アルコール性水酸基を有するエポキシ化合物を生成
させる。この第1段反応においては、該1−ハロ−2,3
−エポキシアルカンは、該フェノール類のフェノール性
水酸基1当量当り、0.5〜2当量、好ましくは0.6〜2当
量の割合で用いられ、一方アルカリ金属水酸化物は、該
フェノール性水酸基1当量当り、0.5〜0.9当量、好まし
くは0.55〜0.8当量で、かつ該1−ハロ−2,3−エポキシ
アルカン1当量当り、1当量以下、好ましくは0.95当量
以下の割合で用いることが必要である。
また、前記アルカリ金属水酸化物は、均一に反応させ
るために、0.5〜5時間程度要して少量ずつ分割添加す
るか又は連続添加するのが有利であり、一度に投入する
と1−ハロ−2,3−エポキシアルカンの加水分解が促進
されるので好ましくない。
さらに、重合度を上げるために、1−ハロ−2,3−エ
ポキシアルカンの量を減らし、アルカリ金属水酸化物の
使用量を増やすことが望ましいが、1−ハロ−2,3−エ
ポキシアルカンの量を減らしすぎたり、アルカリ金属水
酸化物の量を増やしすぎると、第一工程でエポキシ化合
物同士の分子間反応により、第二工程後に得られるエポ
キシ化合物の粘度が高くなるおそれがあるし、1−ハロ
−2,3−エポキシアルカンの量を増やしすぎたり、アル
カリ金属水酸化物の使用量を減らしすぎると、第一工程
終了後、得られるエポキシ化合物中のフェノール性水酸
基が多量に残存し、そのまま第2段反応工程を行っても
多官能化は不十分なものとなるおそれがある。
この第一工程において、溶媒として用いられる前記ス
ルホキシド化合物の量は、該1−ハロ−2,3−エポキシ
アルカン1重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好まし
くは0.2〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜2重量部の
範囲で選ばれる。この使用量が0.1重量部未満では加水
分解性ハロゲン含量が多くなり、本発明の目的が十分に
達成されないし、10重量部を超えると第2段反応工程終
了後行われる回収処理に、長時間を要し、工業上不利と
なる。
この第一工程は、常圧下で行ってもよいし、減圧下で
行ってもよく、また、反応温度は通常10〜150℃、好ま
しくは40〜100℃の範囲で選ばれる。この温度が10℃未
満では反応に長時間を要して実用的でないし、150℃を
超えると1−ハロ−2,3−エポキシアルカンの加水分解
が促進されるおそれがあり、好ましくない。
この第一工程における反応の終点は、該アルカリ金属
水酸化物のすべてが、実質上その塩に変換される時点で
ある。この終点は、反応中、該アルカリ金属水酸化物が
アルコール性水酸基を有するエポキシ化合物生成のため
の脱塩酸反応により消費され、等当量の水を生成するの
で、その生成水量を測定することにより求めることが可
能である。また、アルカリ金属水酸化物水溶液を用いた
場合においては、反応終了時における水量から前記アル
カリ金属水酸化物水溶液の同伴水を差し引き生成水量を
求めることができる。本発明においては、第一工程の反
応の終点は、前記のようにアルカリ金属水酸化物のすべ
てが、実質上その塩に変換される時点であるが、その時
点は前記生成水量の増加率がほぼ飽和する点に云い、例
えば使用するアルカリ金属水酸化物の98%以上が反応し
た時点を第1反応の終点とする。このようにして、目的
のアルコール性水酸基を有するエポキシ化合物が得られ
る。
本発明方法における(B)工程、すなわち第二工程に
おいては、前記第一工程で得られたエポキシ化合物を、
そのアルコール性水酸基をグリシジル化するのに十分な
量の1−ハロ−2,3−エポキシアルカンを用い、アルカ
リ金属水酸化物とスルホキシド化合物の存在下に、多官
能化する。
前記1−ハロ−2,3−エポキシアルカンの添加量は、
通常第一工程で使用した量の1〜20倍、好ましくは2〜
10倍の範囲で選ばれる。この量が少なすぎるとエポキシ
化合物同士の分子間反応が増加し、得られるエポキシ化
合物の粘度が増大するおそれがあるし、また多すぎると
その回収処理に長時間を要し、工業上不利となる。
この第二工程におけるスルホキシド化合物の量は、第
一工程で得られる混合溶液中に存在する1−ハロ−2,3
−エポキシアルカンと第二工程で追加添加される1−ハ
ロ−2,3−エポキシアルカンとの合計量1重量部に対
し、通常0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さ
らに好ましくは0.5〜2重量部の範囲で選ばれる。この
量が0.2重量部未満では加水分解性ハロゲン含量が多く
なったり、該エポキシ化合物のアルコール性水酸基のグ
リシジル化が十分でなくなる傾向があるし、また、10重
量部を超えると回収時間が長くなり、工業上不利とな
る。
また、この第二工程の反応で用いるアルカリ金属水酸
化物の量は、第一工程で使用するフェノール類の水酸基
1当量に対し、第一工程で使用したアルカリ金属化合物
と第二工程で使用するアルカリ金属水酸化物との合計量
が、通常1当量以上、好ましくは1.02〜1.3当量、より
好ましくは1.05〜1.2当量になるように選ばれる。
この量が少なすぎると、第一工程で得られるエポキシ
化合物のグリシジル化反応による多官能化が不十分であ
ったり、加水分解性ハロゲンの含有量が多くなったりす
るし、また多すぎると生成したエポキシ環が開裂し、該
エポキシ化合物同士の分子間反応により、得られる樹脂
は極めて粘度の高いものとなるおそれがある。
次に、本発明の反応を、ビスフェノールAとエピクロ
ルヒドリンとの反応を例に挙げ、反応式で示すと、次の
ように表わすことができる。
第一工程においては、前記反応式(I)で示される反
応が優先して起こり、アルコール性水酸基を有するエポ
キシ化合物[M1]が生成し、第二工程においては、前記
反応式(II)で示される反応が優先して起こり、多官能
化エポキシ化合物[M2]が生成する。また、全反応工程
で必要なアルカリ金属水酸化物の量は、該フェノール類
の水酸基1当量に対して、理論上1当量である。
第二工程における該アルカリ金属水酸化物は、均一に
反応させるために、0.5〜5時間程度を要して少量ずつ
分割添加するか、又は連続添加することが望ましく、一
度に投入すると局部的に反応が進み、1−ハロ−2,3−
エポキシアルカンの加水分解が促進されるおそれがあ
り、好ましくない。
この第二工程は常圧下で行ってもよいし、減圧下で行
ってもよく、また反応温度は、通常10〜150℃、好まし
くは40〜100℃の範囲で選ばれる。この反応温度が10℃
未満では反応に長時間を要し、実用的でないし、また15
0℃を超えると1−ハロ−2,3−エポキシアルカンの加水
分解が促進されやすくなり、好ましくない。
本発明方法においては、このように反応は2段に分け
て行われるが、必要に応じ前記第一工程や第二工程を、
さらに分けて3段以上の反応を行わせることができる。
次に、本発明の好適な実施態様の1例について、説明
すると、まずフェノール類、スルホキシド化合物及び1
−ハロ−2,3−エポキシアルカンを、それぞれ所定の割
合で混合したのち、かきまぜながら、これに所定量のア
ルカリ金属水酸化物を段階的又は連続的に加え、大気圧
又は減圧下で通常10〜150℃、好ましくは40〜100℃の範
囲の温度において反応を行う。この際、反応を促進する
ために、反応生成水を該1−ハロ−2,3−エポキシアル
カンと共沸させることにより、系外へ除去することが好
ましい。反応生成水量を測定し、理論値に対して98%以
上の反応生成水が生成した時点で第一工程を終了する。
次に、この反応液に、所要量の1−ハロ−2,3−エポ
キシアルカン及びスルホキシド化合物を添加したのち、
所要量のアルカリ金属水酸化物を少量ずつ分割添加する
か又は連続的に添加し、大気圧下又は減圧下において、
20〜140℃、好ましくは40〜120℃の範囲の温度で反応を
行う。この際、反応を促進するために、反応生成水を、
1−ハロ−2,3−エポキシアルカンと共沸させ、系外へ
除去することが好ましい。
このようにして、第二工程の反応を終了後、目的生成
物をそのまま蒸留により回収してもよいし、あるいは反
応終了液にメチルイソブチルケトンなどのケトン類やト
ルエンなどの芳香族炭化水素溶媒を加えたのち、アルカ
リ金属塩をろ別し、さらに水洗によりスルホキシド化合
物を除去するか、又は水洗によりアルカリ金属塩とスル
ホキシド化合物を除去し、次いで蒸留することにより、
目的生成物を回収してもよい。
発明の効果 本発明方法によると、加水分解性ハロゲン含有量が少
なく、かつエポキシ基数当りの粘度の低い多官能化フェ
ノール系エポキシ化合物を、簡単なプロセスで効率よく
製造することができる。
本発明方法で得られる多官能化エポキシ化合物は、特
に電気、電子、光通信分野などにおける各部品の材料な
どとして好適に用いられる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定するものではな
い。
なお、例中の各特性は次の測定法に従って求めた。
(1)加水分解性塩素量 エポキシ化合物をジオキサンに溶解し、1規定の水酸
化カリウムのエタノール溶液を加え、30分間煮沸した際
に脱離する塩素イオンを硝酸銀で滴定し、該エポキシ化
合物中の塩素原子量を重量分率で表わした。
(2)エポキシ価 エポキシ化合物100g中のエポキシ基の当量数で定義さ
れ、JIS K−7236に準拠して測定した。
(3)数平均分子量 液体クロマトグラフィーにより求めた。
(4)平均1分子当りのエポキシ数 前記の(2)及び(3)の結果を用いて計算により求
めた。
(5)溶液粘度 エポキシ化合物をブチルカルビトールに溶解して40重
量%溶液とし、比重を測定したのち、オストワルド粘度
管を用いて25℃で測定し、計算により求めた。
(6)反応生成水の生成率 ガスクロマトグラフィーにより、反応前後の生成水の
当量数を求め、反応に使用した水酸化ナトリウムの当量
数で割り、百分率で表わした。
(7)アルコール性水酸基価 樹脂100g中のアルコール性水酸基の当量数で定義され
る。
樹脂を秤量してフラスコに入れ、ジオキサンで溶解さ
せ、これに、1.5N塩化アセチル−トルエン溶液を加え、
0℃に冷却したのち、ピリジンを加え60℃で1時間反応
させる。反応完結後、フラスコを氷水で冷却し、蒸留水
を加え過剰の塩化アセチルを分解したのち、冷アセトン
を加え、クレゾールレッド指示薬を滴下し、0.5NのNaOH
/エタノール溶液で滴定を行う。同時に、ブランクテス
トを行い、塩化アセチル反応当量価(eq/100g)を求
め、この値からエポキシ価を差しひいた値で表わされ
る。
実施例1〜5 温度計、アルカリ金属水酸化物を連続添加するための
滴下ロート、かくはん翼及び反応系中から蒸発する水分
及び1−クロロ−2,3−エポキシプロパンを冷却液化
し、有機層と水層をその比重差で分離して有機層は反応
系内にもどし、水層は除去する冷却管付分離管を有する
容量2のバッフル付セパラブルフラスコを用い、第一
工程として、第1表に示す種類と量のフェノール類、1
−クロロ−2,3−エポキシプロパン、及びスルホキシド
化合物を混ぜ、第1表に示す量の水酸化ナトリウムを2
時間連続滴下し、この間反応温度を70℃に保った。反応
中は、内容液を共沸させ、揮発分を凝縮させて凝縮液を
油−水分離し油分は反応系に戻した。滴下終了後、1時
間かけて同条件で反応を行った。
反応案内及び反応系外の水量をガスクロマトグラフィ
ーにより測定し、第1反応工程前後の反応生成量を求め
ると、第1反応工程で使用した水酸化ナトリウムの当量
に対し、生成水の当量数の割合は、いずれも98%以上で
あった。
続いて、第二工程として、第1表に示す種類と量の1
−クロロ−2,3−エポキシアルカン及び、スルホキシド
化合物を添加し、第1表に示す量の水酸化ナトリウムを
用いて、第一工程と同条件で反応を行った。
反応終了後、未反応の1−クロロ−2,3−エポキシプ
ロパンを減圧蒸留により除去し、この際得られた副生塩
とスルホキシド化合物を含む目的生成物であるエポキシ
化合物をトルエンに溶解して、副生塩とスルホキシド化
合物を水洗により、除去したのち、トルエンを蒸留によ
り除去した。
このようにして得られたエポキシ化合物のエポキシ
価、平均1分子当りのエポキシ基当量数、数平均分子
量、溶液粘度及び加水分解塩素含量を第3表に示す。ま
た、各実施例における溶液粘度と平均1分子当りのエポ
キシ数との関係を示すグラフを比較例1〜4添付図面に
実線で示す。
水酸化ナトリウムの量を第1表に示すように変更した
他は、実施例1の第一工程と同様の反応を行ったのち、
得られた生成物を実施例1と同様の回収操作で分離回
収、各物性を求めた。その結果を第3表に示す。
また、各比較例における溶液粘度と平均1分子当りの
エポキシ数との関係を示すグラフを添付図面に一点鎖線
で示す。
比較例5〜7 第1表に示す量のビスフェノールA、1−クロロ−2,
3−エポキシアルカン及び水酸化ナトリウムを用い、か
つ、スルホキシド化合物を使用しなかった以外は、実施
例1の第一工程と同じ方法で行い、反応終了後、未反応
の1−クロロ−2,3−エポキシアルカンを蒸留し、次い
で、ろ過したのち、第2表に示すビスフェノールAのジ
グリシジルエーテル(DGEBA)を得た。
このDGEBA100gを使用し、第1表に示す種類と量の、
1−クロロ−2,3−エポキシアルカン、四級アンモニウ
ム塩及び水酸化ナトリウムを用い、かつスルホキシド化
合物を使用しなかった以外は、実施例1の第2反応工程
と同じ方法で行い、反応終了後は、実施例の第二工程後
と同じ方法を採用した。
得られた結果を第2表及び第3表に示した。
また、この比較例におけるエポキシ化合物の溶液粘度
と平均1分子当りのエポキシ数との関係を示すグラフを
添付図面に破線で示す。
以上の結果をまとめると、比較例1〜3では、生成す
るエポキシ化合物の加水分解性塩素量は実施例1〜5と
同じ低い量となっているが、図面から明らかなように、
比較例では、エポキシ樹脂同士の分子間反応が増大して
いるために、エポキシ基が損われ、さらに、実施例に比
べ、数平均分子量は大きくなり、平均1分子当りのエポ
キシ基当量数に対する溶液粘度は高いものとなってい
る。また、比較例4ではゲル化を起こしている。
一方、比較例5〜7によって得られるエポキシ化合物
の平均1分子当りのエポキシ当量数に対する溶液粘度
は、実施例とほぼ同じ関係となっているが、加水分解性
塩素量は、実施例の約200ppmに比べ、比較例は1000ppm
以上と高くなっている。さらに、この方法では、第一工
程を第2段反応工程の間に、回収工程の中間工程を有
し、工業上不利である。
したがって、本発明によれば、従来の方法に比べ、加
水分解性塩素の低減、及び、1分子当りのエポキシ基当
量数に対しての低粘度化が同時に達成できる。
【図面の簡単な説明】
図は実施例及び比較例におけるエポキシ化合物の溶液粘
度と平均1分子当りのエポキシ基数との関係を示すグラ
フである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属水酸化物の存在下、フェノー
    ル類と1−ハロ−2,3−エポキシアルカンとを反応させ
    てエポキシ化合物を製造するに当り、 (A)前記フェノール類と1−ハロ−2,3−エポキシア
    ルカンとアルカリ金属水酸化物とを、1−ハロ−2,3−
    エポキシアルカンがフェノール性水酸基1当量当り0.5
    〜2当量、アルカリ金属水酸化物がフェノール性水酸基
    1当量当り0.5〜0.9当量でかつ該1−ハロ−2,3−エポ
    キシアルカン1当量当り1当量以下になるような割合で
    用い、スルホキシド化合物を溶媒として前記アルカリ金
    属水酸化物のすべてが実質上その塩に変換するまで反応
    を行い、アルコール性水酸基を有するエポキシ化合物を
    生成させる第一工程と、 (B)前記工程で得られたエポキシ化合物を、そのアル
    コール性水酸基をグリシジル化するのに十分な量の1−
    ハロ−2,3−エポキシアルカンを用い、アルカリ金属水
    酸化物とスルホキシド化合物の存在下に多官能化する第
    二工程とを包含することを特徴とするエポキシ化合物の
    製造方法。
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