JP2699438B2 - アクチュエータ - Google Patents

アクチュエータ

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JP2699438B2
JP2699438B2 JP63211637A JP21163788A JP2699438B2 JP 2699438 B2 JP2699438 B2 JP 2699438B2 JP 63211637 A JP63211637 A JP 63211637A JP 21163788 A JP21163788 A JP 21163788A JP 2699438 B2 JP2699438 B2 JP 2699438B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁石可動型の2次元(軸の回り(θ)と軸方
向(z)、以下θ−zと記す。)アクチュエータに関す
る。
[従来の技術] 従来、例えば光メモリ装置における光学ヘッドの対物
レンズを駆動するθ−zのアクチュエータは、特開昭57
−210456号公報等に記載されているようにコイル可動型
であるものが多かった。また磁石可動型の対物レンズア
クチュエータとしては、特開昭63−37830号公報等があ
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし従来技術では、コイル可動型アクチュエータの
場合、可動コイルへの給電線の断線が起こり易い。ま
た、給電線の接続処理は複雑で手間のかかるもので、給
電方式によっては給電線そのものが可動部の高速での動
作に悪影響を及ぼすという問題点を有する。またコイル
形状のばらつきのため可動部質量のアンバランスが生じ
易く、それにより高次共振が発生するなど高速動作の妨
げになる。従って光メモリ装置の場合には、光ディスク
の回転数が上げられずデータの転送速度が制限されるこ
とになる。更にコイル仕様(巻数、線径等)の変更が可
動部の質量変化につながることから、コイルの最適仕様
を捜すためにアクチュエータの設計変更を伴うカットア
ンドトライの繰り返しが必要となる。
一方磁石可動型アクチュエータの場合には、二次元の
動作を実現するために磁石や磁気回路が複数個必要にな
るなど構造が複雑化する。そのため可動部の質量アンバ
ランスが生じ易く、それに加えて可動部の質量化が高速
応答性に悪影響を及ぼし、更にコストが高くなるといっ
た問題点を有する。
そこで本発明はこのような問題点を解決するためのも
ので、その目的とするところは、可動部の質量バランス
が良く、可動部へ給電する必要のない構造とすることに
より、高速動作性が優れたアクチュエータを提供すると
ころにある。このアクチュエータを例えば対物レンズア
クチュエータに応用することにより、信頼性が高く、デ
ータ転送速度の速い光メモリ装置の実現が可能となる。
[課題を解決するための手段] 本発明のアクチュエータは、 支持シャフトの回りに回動可能で前記支持シャフトの
軸方向に直動可能な可動部を有するアクチュエータにお
いて、 前記可動部の外周部は単一部材からなる円筒形磁石に
より構成され、 前記円筒形磁石はラジアル方向に多極着磁がほどこさ
れ、 前記円筒形磁石には、前記円筒形磁石の軸方向に主た
る境界を有する第1の着磁境界と前記円筒形磁石の周方
向に境界を有する第2の着磁境界とが前記周方向に沿っ
て交互に配置され、 前記円筒形磁石から離問し前記着磁境界に対向した位
置にヨークが配置され、回動動作用コイルを前記第1の
着磁境界に面して前記ヨークの上に配置し、直動動作用
コイルを前記第2の着磁境界に面して前記ヨークの上に
配置してなることを特徴とする。
本発明のアクチュエータはθ−zの高速動作性に優
れ、小型化・薄型化も容易であるため、光メモリ装置に
おいて、フォーカシング動作及びトラッキング動作を行
なう対物レンズアクチュエータに非常に適している。ま
た、半導体集積回路の製造における精密位置決め装置等
にも応用できる。
[作用] 本発明のアクチュエータは、ラジアル方向に多極着磁
を施した円筒形状の磁石とその周方向の着磁境界に対向
するヨークの面上に発生する磁極(以下、磁石の着磁境
界に対向するヨーク面上の磁極の発生する部分のことを
単に磁極と呼ぶことにする)との引力及び斥力により支
持シャフトの軸方向に磁石を直動させる。また、前記磁
石とその軸方向の着磁境界に対向するヨークの磁極との
引力及び斥力により支持シャフトの回りに磁石を回動さ
せる。このようにして、一個の磁石でθ−zの二次元に
駆動することができる。
[実施例] 以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
(実施例−1) 第1図(a)、(b)、(c)は本発明の一実施例に
よるアクチュエータを対物レンズアクチュエータとした
場合の概略構成図で、(a)は平面図、(b)は正面
図、(c)は断面図である。磁石1は円筒形状である。
磁石の寸法(内径、外径、高さ)については、後に述べ
る。磁石の内側には、プラスチック製のレンズフレーム
2が固定されていて、その中心が軸受け部になってい
る。尚、第2図に示すように別物品のプラスチックスリ
ーブ11を軸受けとすることも可能である。磁石1とレン
ズフレーム2の間には、第3図に示すように継鉄リング
12をバックヨークとして入れてもよい。対物レンズ3は
レンズフレーム2の対物レンズ取り付け部に固定され、
ベース4に立てられた支持シャフト5の回りに回動、支
持シャフト軸方向に連動してレーザービームの焦点が二
次元に移動することが可能となっている。第4図は、磁
石の着磁パタンを示す磁石の展開図である。着磁方法の
詳細については後で述べる。円筒ラジアル方向に多極着
磁が施され、磁石表面に第4図に示すようにN極、S極
が現れる。その面積比については、着磁の容易性などに
よりほぼ同比率となるようにしたが、これに限られるわ
けではなく、着磁境界にコイルが貼り付けられるべきヨ
ークの面が対向していればよい。図中の記号w、x、
y、zは第1図(a)の記号に対応しており、それぞれ
の磁極の対向位置を示している。磁極wと磁極yはヨー
ク6、磁極xと磁極zはヨーク7の終端になっている。
同一ヨークの2個の磁極に磁石1の同一極が対向しよう
とすると反発力が生じるために、着磁境界が磁極に対向
する位置が最も安定し、可動部の中立保持が可能で、中
立保持用のバネが不要になる。磁極の幅は、第1図
(a)に示すようにxとzが、wとyよりも狭くなって
いて、対物レンズ3を第1図のように磁極wまたはyに
対向する位置に設定すると、フォーカシング用磁極
(w、y)とトラッキング用磁極(x、z)の間にレー
ザビームの通過可能な空間が充分得られ、反射ミラー8
を第1図のように設置することにより、薄型の構造にな
る。コイル9、10は、第1図に示すようにそれぞれヨー
ク6、7に貼り付けられている。第1図(b)に示すよ
うに、ヨーク6に貼り付けられたコイル9はフォーカシ
ング制御用(トラッキング制御用のコイル10は図示せ
ず)、第1図(c)に示すように、ヨーク7に貼り付け
られたコイル10はトラッキング制御用で(フォーカシン
グ制御用のコイル9は図示せず)、同一ヨークの2個の
磁極に同極(N極とN極またはS極とS極)が発生する
ように制御電流を流すと、磁石が中立位置付近で微少に
変位する。
尚、本実施例における貼り付け用のコイルは、基板に
耐熱性のあるポリイミド樹脂、コイル材料にはメッキ法
によって形成した銅を用い、コイルパタンはホトリソグ
ラフィーの手法でパターニングした。この方法によりコ
イル幅およびコイルピッチを小さくできるので容易にタ
ーン数を稼げた。また設計に応じてコイルを多層化する
ことも容易にできる。また本実施例ではコイルの保護お
よび絶縁処理としてエポキシ系樹脂を塗布した。
このようにして得られたコイルはインダクタンスが小
さくなるために高周波側においても感度が減少しない。
従ってこのコイルを用いることにより高速アクチュエー
タが作製でき、例えば高速回転仕様の光メモリ用の光学
ヘッドにも充分使える。またこのコイルはその製法にホ
トリソグラフィーの手法を用いたため生産性が高く、品
質のばらつきも非常に小さく抑えることができる。尚、
この場合のコイル材料であるが銅の他にアルミニウム、
アルミニウム−銅合金等の材料も考えられ、その製造方
法も本実施例のメッキ法に限らず、スパッタ法などの乾
式の方法も可能である。
本実施例は、可動部の中立保持にバネなどの支持部材
を用いないため組立が容易で、また従来のアクチュエー
タで問題となっていた支持部材の高次共振が避けられ
る。更に可動部は、設計時に質量分布が正確に把握で
き、質量バランスの良い構造が実現され、安定した高速
動作が得られる。従来のコイル可動型アクチュエータで
は、コイル形状のばらつきが可動部の質量アンバランス
の原因となり、不要な寄生振動や軸受摺動面のスティッ
クスリップを起こしていたが、本実施例ではそれらの問
題点を回避している。
また、従来の磁石可動型アクチュエータは、複数の磁
石を組み合わせる必要があり、構造が複雑なため組立が
困難であったが、本実施例のアクチュエータは組立が容
易である。
本実施例で用いる磁石は、軽量で高性能なものが望ま
しく、適当な磁石に関して、その製法を含めて後に詳細
に記述する。
(実施例−2) 次に、別構造の実施例に関して説明する。
磁気回路の構造は、(実施例−1)に限らず様々な例が
考えられるが、各磁極毎に独立した磁気回路構成とした
場合の概略斜視図を第5図に示す。各磁気回路の構造
は、第6図(a)に示すように磁石1の内側と外側に磁
極を有しヨーク13が一体となっているもの、第6図
(b)に示すようにヨークが一体でなく分離しているも
の、第6図(c)に示すように外側のみに磁極があるも
のが考えられる。いずれの構成も可動部の中立保持のた
めの適当なバネ、ダンパ等(図示せず)を設けている。
尚、全ての磁気回路の磁極を、第6図(c)に示すよう
に、磁石の外側のみに設ける場合は、第3図に示すよう
に磁石の内側に継鉄リングを固定することで効率の向上
が図れる。磁石の着磁パタンは第4図に示した例の他に
第7図(a)、(b)に示すようなパタンも可能であ
る。
以上、実施例−1、2共に可動部への給電線が不要
で、断線の心配がなく、給電線の接続処理も不要なため
組立も容易である。
実施例−1、2に用いられた、多極着磁を施された円
筒形状の磁石の製造方法を以下に示す。尚、本実施例中
に示す希土類金属(R)の原料は、トータルのRが99.8
%以上、主とするRが99%以上の純度であるものを使用
した。
第8図は、Sm−Co系樹脂結合型磁石の製造工程図であ
る。圧縮成形法(a)、射出成形法(b)、押出成形法
(c)により円筒形状とした。本発明の構成要素である
円筒形状の磁石は、ラジアル方向に多極着磁を施すため
にラジアル異方性化させることが望ましい。従って、ラ
ジアル異方性磁石が生産性よく製造できるSm−Co系樹脂
結合型磁石が、非常に有利である。また、その高い磁気
性能から可動部の小型・軽量化が図られる。更に、高い
寸法精度が容易に出せるため磁石表面と磁極とのギャッ
プをつめることができる。まず、組成がSm(Co0.672Cu
0.08Fe0.22Zr0.0288.35となるように原料を誘導炉で
溶解し、そのインゴットをArガス雰囲気中で1120〜1180
℃で5時間溶体化処理を行ない、更に850℃で4時間時
効処理を行なった。このようにして得られた2−17系希
土類金属間合金を、平均粒径が20μm(フイッシャーサ
ブシーブサイダーによる)となるように粉砕し、この粉
末98重量%に熱硬化性である2液性エポキシ樹脂2重量
%を結合材として加え混合した磁石組成物を、粉末成形
磁場プレス装置で磁場中でラジアル配向させ円筒形状に
成形した後、キュア処理を行なった(第8図・(a)、
磁石A)。この圧縮成形磁石を用いることにより、高速
応答性に優れた対物レンズアクチュエータが容易にでき
る。また、上記と同様の方法により得られた2−17系希
土類金属間合金を平均粒径が20μmとなるように粉砕
し、この粉末60体積%に40体積%のナイロン−12を結合
材として加え混合した磁石組成物を、射出成形装置で磁
場中でラジアル配向させ円筒形状に成形した後、アニー
ル処理を行なった(第8図・(b)、磁石B)。また、
上記と同様の方法により得られた2−17系希土類金属間
合金を平均粒径が20μmとなるように粉砕し、この磁性
粉末92重量%とナイロン−12が8重量%からなる磁石組
成物を、200℃にて混練した後、外径が3〜6mmに造粒さ
れた原料コンパウンドを、押出成形装置を用いて磁場中
でラジアル配向させ円筒形状に成形した(第8図・
(c)、磁石C)。この射出成形磁石、押出成形磁石
は、圧縮成形磁石に比べ磁気性能は多少低いが生産性が
高い。特に押出成形磁石は、極めて薄肉の円筒形状が非
常に容易に得られる。この射出成形磁石、押出成形磁石
を用いた対物レンズアクチュエータは、読み出し専用や
光ディスク回転数が低い光メモリ装置などに充分応用で
きる。
Nd・Ce置換Sm−Co系樹脂結合型磁石を第8図の圧縮成
形と同様の方法で成形した。組成が、Sm0.5Nd0.4Ce0.1
(Co0.672Cu0.08Fe0.22Zr0.0288.35である2−17系希
土類金属間合金を平均粒径が80μmとなるように粉砕し
た。この粉末98重量%に熱硬化性である2液性エポキシ
樹脂2重量%を結合材として加え混合した。この磁石組
成物を粉末成形磁場プレス装置で、磁場中でラジアル配
向させ円筒形状に成形した後、キュア処理を行なった
(磁石D)。このNd・Ce置換Sm−Co系樹脂結合型磁石
は、Nd、Ceで置換しないものに比べ磁気性能は多少低い
が、原料供給面・価格面が有利である。また、PrでSmの
一部を置換した場合(磁石E)にも充分な磁気特性が得
られ、これもまた原料供給面・価格面で有利となる。こ
の磁石(D、E)を用いた場合にも充分な高速動作が確
認できた。
第9図は、Nd−Fe−B系樹脂結合型磁石の製造工程図
である。Nd13Fe82.74.3の組成の合金をメルトスパン
法を用い、結晶とアモルファスの混合状態のリボンを作
成し、これを粉砕して得られた磁性粉末をエポキシ樹脂
と混合・混練したものを、円筒形状に加圧成形した後キ
ュア処理を行なった(磁石F)。このNd−Fe−B系樹脂
結合型磁石は加工性良く製造できるため、これを本発明
のアクチュエータに用いることは価格面・原料供給面で
有利となる。
第10図は、Nd−Fe−B系磁石の製造工程図である。Nd
13Fe82.74.3の組成の合金をメルトスパン法を用い、
結晶とアモルファスの混合状態のリボンを作成し、これ
を粉砕して得られた磁性粉末を円筒状金型に入れ熱間圧
密処理を行なった(第10図・(a)、磁石G)。この磁
石は、上記のNd−Fe−B系樹脂結合型磁石に比べ磁性粉
末の充填密度が高いため優れた磁気性能が得られる。更
に、(a)の工程の後に加熱しながら円筒ラジアル方向
に加圧し成形する(第10図・(b)、磁石H)ことによ
りラジアル異方性磁石が得られ、Nd−Fe−B系の磁石が
持つ本来の高い磁気特性を充分に引き出すことができ
る。このようにして得られたNd−Fe−B系磁石(G、
H)を用いることにより、高速応答性に優れたアクチュ
エータができる。
第11図は、R、Fe、B、Zrを基本組成とした焼結磁石
の製造工程図である。Zr2.5(Ce0.2Pr0.2Nd0.612.5Fe
69Co9B7となる磁石原料を高周波溶解炉を用いArガス雰
囲気下で溶解・鋳造し、スタンプミル・ボールミルで平
均粒径が3〜5μmとなるように粉砕して得た粉末を、
円筒状金型に充填し、15kOeの磁場でラジアル配向さ
せ、15〜20kg/mm2の成形圧で加圧成形を行ない、その後
Arガス雰囲気中で1000〜1250℃の最適温度で焼結し、必
要に応じて400〜1250℃の最適温度で熱処理を行なって
焼結磁石を成形した(磁石I)。このようにして得られ
たラジアル異方性焼結磁石は、高い磁気性能を示す。更
に価格面・原料供給面からも有利であるため、高速応答
性に優れた対物レンズアクチュエータが経済性良くでき
る。
最後にR−M−X系鋳造磁石の製造方法を詳細に説明
する。第12図は、R−M−X系鋳造磁石の製造工程図で
ある。磁石組成のうち希土類金属(R)としては、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
d、Luが候補として挙げられ、これらのうち1種類、あ
るいは2種類以上を組み合わせて用いることが可能であ
る。最も高い磁気特性は、Prで得られる。遷移金属
(M)としてはFe、Ni、Cu等が候補として挙げられ、こ
れらのうち1種類、あるいは2種類以上を組み合わせて
用いることが可能である。III b族元素としては、B、A
l、Ga等が候補として挙げられ、これらのうち1種類、
あるいは2種類以上を組み合わせて用いることが可能で
ある。また、小量の添加元素、例えば重希土類のDy、Tb
等や、Si、Co、Mo等は保磁力の向上に有効である。ま
ず、Pr17Fe76Cu2B5の組成となるように原料を秤量し、
誘導炉で溶解鋳造し、円筒形状の鋳造インゴットを得
た。その際、一方向凝固法による円筒形状の軸方向の柱
状晶を発達させた。次に、第13図に示すように鋳造イン
ゴット14を軟鋼製のカプセル15に入れ、脱気し、密封し
た。このカプセルは、鋳造インゴットに適合する形状で
あり、中央にマンドレルホール16を有している。次に第
14図に示すように鋳造インゴットを入れたカプセルを85
0℃で熱間押出した。17はコンテナ、18は押盤、19はマ
ンドレル、20はダイスである。マンドレルはカプセルの
マンドレルホールに挿入されている。第15図に示すよう
に、押出時に鋳造インゴットはマンドレルとダイスによ
りラジアル方向に加圧されラジアル方向に配向する。カ
プセルを除去した後に1000℃×24hの熱処理を施して円
筒形状の磁石を得た(磁石J)。また、組成がPr17Fe75
Ga2Al1B5となる磁石も同様の方法で製造した(磁石
K)。このようにして得られた磁石(J、K)は、鋳
造、熱間加工により製造され、粉砕工程を経ないので磁
石中の酸素濃度が極めて低く耐環境性に優れ、また高い
磁気性能を示し、更に機械的強度も高く、製造コストも
低いため高性能でかつ安価なアクチュエータを実現で
き、様々な形態の光ディスクメモリに応用が可能であ
る。
第1表に、各々の磁石の組成と製造工程図の番号をま
とめた。また、第2表に各々の磁石の磁気特性((BH)
max)、コスト(原料及び製造コスト)、薄肉化の容易
性をまとめた。表中コストの項の△○◎の記号は、その
順番にコストが安価になることを示し、薄肉化の項の◎
印は薄肉化が極めて容易である。○印は薄肉化が容易で
ある、△印は薄肉化が可能であることを示している。
次に、磁石の着磁について述べる。第16図に示すよう
に円筒形の着磁ヨーク21と、コンデンサ充電式のパルス
電源22を用いた。このとき、印加磁場は磁石の保磁力の
2.5〜3倍となるようにした。第17図(a)(b)は着
磁ヨークの内側を表わした展開図で、(a)に示すよう
に溝23が設けられている。尚、材質は純鉄を用いてい
る。この溝には、電線14が実線、破線で示すように巻か
れていて、図中矢印で示すように電流を流した。この例
のようにすると、着磁ヨークのアキシャル方向の磁場が
キャンセルされるため、着磁のバランスが良い。
第3−1・2表に、実施例−1の対物レンズアクチュ
エータの磁石に上記の方法で着磁された第2表の磁石A
〜Kを用い、その寸法(内径、外径)を変えた場合のア
クチュエータの高速応答性をまとめた。対物レンズアク
チュエータの場合、フォーカシング方向(軸方向)の駆
動可能範囲は±1mmあれば充分であるため円筒形状の磁
石の高さはそれを考慮して5mmとした。他の応用で駆動
可能範囲が異なる場合には、それに合わせて高さを変更
すればよい。表中◎印は高速応答性が極めて良い、○印
は良い、△印は高速動作が可能であることを示してい
る。また、−印は円筒形状の磁石の製造が困難であるこ
とを示す。
(実施例−3) 第18図は、本発明によるアクチュエータを光学ヘッド
に応用した実施例を示す図であり、読み出し専用の光メ
モリおよび相変化型の書換え可能な光メモリに適用でき
る。ヘッド全体がモータ(図には示してない)の動きと
呼応して第18図の27の支持部に支えられて動くが、この
動作が粗アクセスになる。フォーカシングは支持シャフ
ト5の長さ方向の動きによって、トラッキングは支持シ
ャフト5を回転中心にして回転することによって行な
う。いま、第18図に示した例はいわゆるステップモータ
によって駆動されるものであるが、これをリニアモータ
方式に書き換えることによってさらに高速のアクセスに
対応できる。
また、光磁気型の書換え可能な光メモリに応用するに
は第18図の光学系の部分を例えば第19図の様に変更する
ことによって対応することができる。
以上、本実施例に示した機構と、その可動磁石として
高性能希土類磁石(但し上記実施例の磁石原料組成、製
造条件、磁石寸法はこれに制限されるものではない。)
を用いることによりアクチュエータの高性能化または小
型化・低コスト化が可能となり、これを対物レンズアク
チュエータとすることにより様々な光メモリ装置に応用
できる。
また、貼り付けるコイルをホトリソグラフィーの手法
を用いて製造したことによって以下のような利点を生じ
る。
(1)コイル重量、抵抗等の性能のばらつきが非常に小
さく、生産性が高くなる。
(2)インダクタンスが小さいため高周波側での感度が
減少せず、高速アクチュエータに適している。
(3)コイル厚さが精度良く作れるので、磁石とのギャ
ップ管理が比較的容易にできる。
[発明の効果] 以上示したように本発明によれば、ラジアル方向に多
極着磁を施した円筒形状の磁石を可動部に用いたことに
より以下のような利点を生ずる。
(1)給電線の断線が無い。(2)給電線の接続処理が
無いので組立が容易である。(3)可動部の質量バラン
スが良い。(4)磁気回路ギャップの寸法管理が容易で
ある。(5)回動動作と直動動作を効率的に行える。
(6)コイルを固定部の外周部に一括して配置するとと
もにヨークの上に配置するので、固定部の組立性に非常
に優れている。
以上のような理由から高性能で信頼性が高い安価なア
クチュエータが得られるようになる。特に、実施例−1
に示す構造とした場合には支持バネが無いため高次共振
が起こらず高速応答性に優れたアクチュエータが得ら
れ、更に組立が容易になる。
本発明のアクチュエータは、対物レンズアクチュエー
タとすることによりコンピュータメモリ、光ディスクフ
ァイル、CD、CD−ROM、LVDなどの光メモリ装置に応用す
ることが可能で、装置の高性能化や低コスト化などの多
大な効果を有するものである。また、半導体集積回路の
製造における精密位置決め装置等にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による対物レンズアクチュエータの一
実施例を示す構成概略図で、(a)図は平面図、(b)
図は正面図、(c)図は断面図。 第2図は、軸受け説明図。 第3図は、継鉄リング説明図。 第4図は、磁石の着磁パタンの展開図。 第5図は、本発明による一実施例を示す別構造の対物レ
ンズアクチュエータの概略斜視図。 第6図(a)(b)(c)は、磁気回路の構造を示す
図。 第7図(a)(b)は、磁石の着磁パタンの展開図。 第8図は、Sm−Co系樹脂結合型磁石の製造工程図。 第9図は、Nd−Fe−B系樹脂結合型磁石の製造工程図。 第10図(a)(b)は、Nd−Fe−B系磁石の製造工程
図。 第11図は、R、Fe、B、Zrを基本組成とした焼結磁石の
製造工程図。 第12図は、R−M−X系鋳造磁石の製造工程図。 第13図は、鋳造インゴットとカプセルの説明図。 第14図は、鋳造インゴットの熱間押出加工の説明図。 第15図は、熱間押出加工の加圧部の説明図。 第16図は、着磁方法の説明図。 第17図(a)(b)は、着磁ヨークの説明図。 第18図は、本発明によるアクチュエータを利用した光学
ヘッドを用いた光メモリ装置の機構図。 第19図は、光磁気メモリ装置用の光学ヘッドの光学系構
成図。 1……磁石 2……レンズフレーム 3……対物レンズ 4……ベース 5……支持シャフト 6……フォーカシング用ヨーク 7……トラッキング用ヨーク 8……反射ミラー 9……フォーカシング用コイル 10……トラッキング用コイル 11……プラスチックスリーブ 12……継鉄リング(バックヨーク) 13……ヨーク 14……鋳造インゴット 15……カプセル 16……マンドレルホール 17……コンテナ 18……押盤 19……マンドレル 20……ダイス 21……着磁ヨーク 22……パルス電源 23……溝 24……電線 25……ディスク 26……ピット 27……支持部 28……スピンドルモータ 29……1/4波長板 30……偏光ビームスプリッタ 31……ホトダイオード 32……コリメータレンズ 33……半導体レーザ 34……ビームスプリッタ 35……プリズム 36……シリンドリカルレンズ 37……フォーカシング用ホトダイオード 38……トラッキング用ホトダイオード 39……1/2波長板 40……レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願昭62−222604 (32)優先日 昭62(1987)9月4日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−222605 (32)優先日 昭62(1987)9月4日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−222606 (32)優先日 昭62(1987)9月4日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−222608 (32)優先日 昭62(1987)9月4日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−222609 (32)優先日 昭62(1987)9月4日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−223630 (32)優先日 昭62(1987)9月7日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−223631 (32)優先日 昭62(1987)9月7日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−223632 (32)優先日 昭62(1987)9月7日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−232777 (32)優先日 昭62(1987)9月17日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 柳澤 道雄 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 下田 達也 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−218051(JP,A) 特開 平1−8518(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持シャフトの回りに回動可能で前記支持
    シャフトの軸方向に直動可能な可動部を有するアクチュ
    エータにおいて、 前記可動部の外周部は単一部材からなる円筒形磁石によ
    り構成され、 前記円筒形磁石はラジアル方向に多極着磁がほどこさ
    れ、 前記円筒形磁石には、前記円筒形磁石の軸方向に主たる
    境界を有する第1の着磁境界と前記円筒形磁石の周方向
    に境界を有する第2の着磁境界とが前記周方向に沿って
    交互に配置され、 前記円筒形磁石から離間し前記着磁境界に対向した位置
    にヨークが配置され、回動動作用コイルを前記第1の着
    磁境界に面して前記ヨークの上に配置し、直動動作用コ
    イルを前記第2の着磁境界に面して前記ヨークの上に配
    置してなることを特徴とするアクチュエータ。
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