JP2640177B2 - 写真処理方法および処理装置 - Google Patents

写真処理方法および処理装置

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JP2640177B2 JP33491690A JP33491690A JP2640177B2 JP 2640177 B2 JP2640177 B2 JP 2640177B2 JP 33491690 A JP33491690 A JP 33491690A JP 33491690 A JP33491690 A JP 33491690A JP 2640177 B2 JP2640177 B2 JP 2640177B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ハロゲン化銀感光材料(以下、「感光材
料」、「感材」と略す場合がある。)を処理する写真処
理方法および処理装置に関する。
〈従来の技術〉 黒白感光材料は、露光後、黒白現像、定着、水洗等の
工程で処理され、カラー感光材料は、露光後、発色現
像、脱銀、水洗、安定化等の工程により処理される。
黒白現像には黒白現像液、定着には定着液、発色現像
には発色(カラー)現像液、脱銀処理には漂白液、漂白
定着液、定着液、水洗には水道水またはイオン交換水、
安定化処理には安定液がそれぞれ使用される。
各処理液は通常20〜50℃に温度調節され、感光材料は
これらの処理液中に浸漬され処理される。
このような処理工程のなかで、現像処理工程は、写真
乳剤中の露光により感光したハロゲン化銀粒子に還元剤
である現像主薬が作用してAg+をAgに還元する工程であ
る。黒白写真では、このようにして銀画像が形成され、
カラー写真では、発色現像主薬の酸化体がカプラーと反
応して、銀画像に対応した色素画像が形成される。
この現像液は、未処理時などにおいて、空気酸化を受
けることによって劣化し、現像力が低下する。この現像
力の低下は主に保恒剤や現像主薬が酸化することによる
と考えられる。
このような現像液の液劣化に対しては、従来、現像液
の補充量を増加させるという方法によって対処してい
る。
しかし、補充量を増加させることは、薬剤や水の使用
量を増加させることになり、近年資源節減や廃液量減量
が環境保全等の立場から強く要望されていることもあっ
て、好ましくない。
また、特に、発色現像主薬は高価であり、その消費を
増すことは、コスト面でも不利となる。
さらに、カラー写真において発色現像処理工程に引き
続いて施される脱銀処理工程は、漂白工程と定着工程と
を同一浴で行う方法や別浴で行う方法、あるいは漂白工
程と漂白定着工程とを別浴で行う方法などがある。
このなかで、漂白工程と定着工程とを別浴で行う方法
は、安定した処理を行うことができるという利点があ
る。また、漂白工程と漂白定着工程とを組合わせ、それ
ぞれの工程を別浴で行う方法は、脱銀が促進される方法
として注目されている(特開昭61−75352号)。
これらのなかで漂白工程に使用される漂白液には、酸
化剤である漂白剤が含有される。
漂白剤としては、アミノポリカルボン酸、アミノポリ
ホスホン酸あるいはそれらの塩などの第二鉄錯体が挙げ
られ、代表的には、エチレンジアミン四酢酸第二鉄錯塩
が汎用されており、このほか高い酸化力を有するものと
しては1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄錯塩などが
挙げられる。
この漂白工程では、発色現像工程で生じた銀が上記の
ような漂白剤の作用により酸化される反応が起き、これ
に伴って酸化剤である漂白剤が還元されることとなる。
したがって、漂白液では感光材料が処理されるにつれ
て漂白力(酸化力)が低下することとなる。
この酸化力の低下は、特に、多量の感光材料が処理さ
れた場合に著しい。
この漂白剤の酸化力を回復するために、例えば、漂白
液に空気ばっ気を行って液の酸化還元電位を上昇させる
という方法が採用されている。
しかしながら、このような方法を採用した場合、液中
に泡が発生し、漂白槽から液がこぼれてまわりを汚染し
たり、発泡により生じた飛沫が前槽内に入りこみ、前槽
内の処理液を汚染してしまうという問題がある。
特に、前槽内の処理液は発色現像液であることが多い
ため、発色現像液の劣化が生じ、現像力が低下するので
問題は大きい。
一方、定着液には、漂白剤によって酸化された銀を溶
解する定着剤が含有されている。
この定着液は、感光材料の未処理時、経時により保恒
剤や定着剤が空気酸化を受けやすくなり、酸化によりこ
れらの薬剤が分解して硫化物が生じ、感材表面を汚染す
るなどの硫化トラブルを引き起こす。
さらには定着不良(脱銀不良)が生じる。
また、上記の酸化によるトラブルは、感光材料の持ち
込む漂白液の混入によって促進される。
上記の硫化トラブルや定着不良は、黒白写真用の定着
液でも同様に生じる問題である。
このような問題を解決するために、黒白写真ないしカ
ラー写真のいずれにおいても、従来、定着液の補充量を
増す方法が採られている。
しかし、補充量を増すことは、前記の通り、資源節減
や廃液処理等の点で好ましくない。
そして、上記の脱銀処理工程における問題は、漂白剤
ないし定着剤を含む処理液に共通の問題である。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明における主たる第1の目的は、処理液の処理性
能の維持管理が容易で、処理液の補充量を低減すること
ができ、しかも良好な写真性能の画像を得ることができ
る写真処理方法を提供することにある。
また、第2の目的は、上記目的に加えて、廃液負荷を
減少させることが可能な写真処理装置を提供することに
ある。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明によ
って達成される。
(1)露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽に満た
した現像液で現像処理したのち、漂白能を有する処理槽
に満たした漂白能を有する処理液で処理する写真処理方
法において、 前記現像槽内に陰極を、前記漂白能を有する処理槽内
に陽極をそれぞれ設置し、かつ前記現像液と前記漂白能
を有する処理液とが互いに混合しないようにして両液を
電気的に連結し、前記陽極と前記陰極に通電することを
特徴とする写真処理方法。
(2)前記ハロゲン化銀感光材料を、前記漂白能を有す
る処理液で処理したのち、さらに定着能を有する処理槽
内に満たした定着能を有する処理液で処理し、 前記漂白能を有する処理液と前記定着能を有する処理
液とが互いに混合しないようにして両液を電気的に連結
し、 前記漂白能を有する処理槽内に設置した陽極と、前記
定着能を有する処理槽内に設置した陰極とに通電する上
記(1)に記載の写真処理方法。
(3)露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽に満た
した現像液で現像処理したのち、漂白能を有する処理槽
に満たした漂白能を有する処理液で処理する写真処理方
法において、 前記現像槽および前記漂白能を有する処理槽を、前記
現像液と前記漂白能を有する処理液とが隔壁によって仕
切られるように並設し、この隔壁の少なくとも一部を陰
イオン交換膜で構成し、かつ前記現像槽内に陰極を、前
記漂白能を有する処理槽内に陽極を、それぞれ設置し、
前記陰極と前記陽極に通電することを特徴とする写真処
理方法。
(4)前記現像槽および前記漂白能を有する処理槽間
に、前記処理液とは異なる電解質溶液を満たした液槽を
介在させ、前記現像液と前記電解質溶液とを仕切る隔壁
の少なくとも一部、および前記漂白能を有する処理液と
前記電解室溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部を陰イ
オン交換膜で構成する上記(3)に記載の写真処理方
法。
(5)さらに、前記漂白能を有する処理槽の後方に、処
理槽を設置し、この処理槽内に隔壁を設け、この隔壁の
少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成し、この隔壁を
介して一方の側に定着能を有する処理液を満たしてかつ
陰極を設置し、もう一方の側に前記処理液とは異なる電
解質溶液を満たしてかつ陽極を設置し、前記陰極と前記
陽極とに通電する上記(3)または(4)に記載の写真
処理方法。
(6)露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽に満た
した現像液で現像処理したのち、漂白能を有する処理槽
に満たした漂白能を有する処理液および定着能を有する
処理槽に満たした定着能を有する処理液でそれぞれ処理
する写真処理方法において、 前記漂白能を有する処理槽および前記定着能を有する
処理槽を、前記漂白能を有する処理液と前記定着能を有
する処理液とが隔壁によって仕切られるように並設し、
この隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成し、
かつ前記漂白能を有する処理槽内に陽極を、前記定着能
を有する処理槽内に陰極を、それぞれ設置し、前記陰極
と前記陽極に通電することを特徴とする写真処理方法。
(7)前記漂白能を有する処理槽および前記定着能を有
する処理槽間に、前記処理液とは異なる電解質溶液を満
たした液槽を介在させ、前記漂白能を有する処理液と前
記電解質溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部、および
前記定着能を有する処理液と前記電解質溶液とを仕切る
隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成する上記
(6)に記載の写真処理方法。
(8)さらに、前記現像槽内に隔壁を設け、この隔壁の
少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成し、この隔壁を
介して一方の側に現像液を満たしてかつ陰極を設置し、
もう一方の側に前記処理液とは異なる電解質溶液を満た
してかつ陽極を設置し、前記陰極と前記陽極とに通電す
る上記(6)または(7)に記載の写真処理方法。
(9)露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽に満た
した現像液で現像処理したのち、漂白能を有する処理槽
に満たした漂白能を有する処理液で処理し、その後定着
能を有する処理槽に満たした定着能を有する処理液で処
理する写真処理方法において、 前記現像槽と前記漂白能を有する処理槽、および前記
漂白能を有する処理槽と前記定着能を有する処理槽を、
前記現像液と前記漂白能を有する処理液とが、および前
記漂白能を有する処理液と前記定着能を有する処理液と
が、隔壁によってそれぞれ仕切られるように並設し、こ
れらの隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成
し、かつ前記現像槽内に陰極を、前記漂白能を有する処
理槽内に陽極を、前記定着能を有する処理槽内に陰極を
それぞれ設置し、前記陰極と前記陽極に通電することを
特徴とする写真処理方法。
(10)前記現像槽と前記漂白能を有する処理槽間に、前
記処理液とは異なる電解質溶液を満たした液槽を介在さ
せ、前記現像液と前記電解室溶液とを仕切る隔壁の少な
くとも一部、および前記漂白能を有する処理液と前記電
解質溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部を陰イオン交
換膜で構成する上記(9)に記載の写真処理方法。
(11)前記漂白能を有する処理槽と前記定着能を有する
処理槽間に、前記処理液とは異なる電解質溶液を満たし
た液槽を介在させ、前記漂白能を有する処理液と前記電
解質溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部、前記定着能
を有する処理液と前記電解質溶液とを仕切る隔壁の少な
くとも一部を陰イオン交換膜で構成する上記(9)また
は(10)に記載の写真処理方法。
(12)露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽に満た
した現像液で現像処理したのち、定着能を有する処理槽
に満たした定着能を有する処理液で処理する写真処理方
法において、 前記現像槽と前記定着能を有する処理槽を並設し、さ
らに、両槽に接して、前記処理液とは異なる電解質溶液
を満たした液槽を、前記現像液と前記電解質溶液、およ
び前記定着能を有する処理液と前記電解質溶液とが隔壁
によって仕切られるように、少なくとも1個設置し、こ
の隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成し、か
つ前記現像槽内および前記定着能を有する処理槽内に陰
極をそれぞれ設置し、前記液槽内に陽極を設置し、前記
陰極と前記陽極とに通電することを特徴とする写真処理
方法。
(13)現像液を満たした現像槽および定着能を有する処
理液を満たした定着能を有する処理槽を有し、露光後の
ハロゲン化銀感光材料を処理するように構成した写真処
理装置において、 前記現像槽に接して設置された液槽および前記定着能
を有する処理槽に接して設置された液槽を有し、 前記現像槽から排出された現像液および前記定着能を
有する処理槽から排出された定着能を有する処理液が前
記液槽内に、それぞれ流入される構成とされており、 前記現像液と前記液槽内の電解質溶液とを仕切る隔
壁、および前記定着能を有する処理液と前記液槽内に電
解質溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部は陰イオン交
換膜を有し、 前記現像槽内および前記定着能を有する処理槽内にそ
れぞれ設置された陰極と前記各液槽内にそれぞれ設置さ
れた陽極とを有し、 前記陰極および陽極は通電可能な構成とされているこ
とを特徴とする写真処理装置。
〈作用〉 本発明では、例えば、ハロゲン化銀カラー感光材料の
処理において、これを発色現像処理したのち、漂白能を
有する処理液で処理する。
このとき、発色現像液中に陰極を、漂白能を有する処
理液中に陽極を、それぞれ浸漬し、かつ発色現像液と漂
白能を有する処理液とが混合しないようにして両液を電
気的に連結し、両極に通電する。
このため、発色現像液中では、処理の休止中などに空
気酸化を受けた発色現像主薬や保恒剤等が電極面で還元
される反応が起こり、現像力が回復する。
これにより、十分な画像濃度を得ることができ、感度
の低下および階調の軟調化を防止することができる。
一方、漂白能を有する処理液中では、カラー感光材料
の処理によって一旦還元状態にある漂白剤が再び酸化さ
れる反応が起こり、漂白力が回復する。
これによって、復色不良の発生や脱銀不良の発生が防
止される。
さらに、本発明では、漂白能を有する処理液で処理し
たのち、定着能を有する処理液で処理する。
そして、このとき、さらに、漂白能を有する処理液中
に陽極を、定着能を有する処理液中に陰極を、それぞれ
浸漬し、かつ漂白能を有する処理液と定着能を有する処
理液とが混合しないようにして両液を電気的に連結し、
両極に通電する。
このため、漂白能を有する処理液中では、前記同様、
漂白力が回復し、復色不良の発生や脱銀不良の発生が防
止される。
一方、定着能を有する処理液中では、処理の休止中な
どに空気酸化された定着剤や保恒剤等が電極面で還元さ
れる反応が起こり、定着力が回復する。
これによって、脱銀不良の発生が防止される。また、
硫化物の生成が防止される。
また、本発明においては、発色現像液と漂白能を有す
る処理液とを仕切る陰イオン交換膜を設置し、発色現像
液中に陰極を、漂白能を有する処理液中に陽極を、それ
ぞれ浸漬し、両極に通電して処理する。
このため、前記と同様に、発色現像液では現像力が回
復し、また漂白能を有する処理液では漂白力が回復す
る。さらに、現像処理によって、発色現像中に蓄積した
Br-等のハロゲン化物イオンが陰イオン交換膜を選択的
に通過して漂白能を有する処理液に含有されることにな
る。
このようなハロゲン化物イオンの移動により、発色現
像液では不要なハロゲン化物イオンの蓄積が防止され、
現像阻害の発生が防止される。これにより、Br-等をオ
ーバーフロー等によって除去する必要がなくなるので、
補充量を減少させることができる。このように補充量を
減少させても現像が阻害されることはない。また、漂白
能を有する処理液においては、再ハロゲン化剤や漂白促
進剤等のハロゲン化物の補充量を低下させることがで
き、場合によっては補充の必要さえなくなる。
さらに、発色現像液と漂白能を有する処理液との間
に、NaCl、NaBr、NaI等の電解質溶液を介在させ、各液
間を陰イオン交換膜で仕切るようにする。
このようにして、発色現像液と漂白能を有する処理液
とに通電しても、前記同様、両液の処理性能が回復され
る。また、前記同様、発色現像液中のBr-等のハロゲン
化物イオンの漂白能を有する処理液への移動が生じると
ともに、電解質溶液中のCl-、Br-、I-等の陰イオンの移
動も生じ、漂白能を有する処理液に対し、これらの成分
の補充量を低下させることができ、場合によっては補充
の必要さえなくなる。さらに、電解質溶液を介在させる
ことで、例えば低質の陰イオン交換膜や隔膜、通電ブリ
ッジでも使用が可能となる。
また、本発明において、漂白能を有する処理液と定着
能を有する処理液とを仕切る陰イオン交換膜を設置し、
漂白能を有する処理液に陽極を、定着能を有する処理液
に陰極をそれぞれ浸漬し、両極に通電して処理する。
このため、前記と同様に、漂白能を有する処理液では
漂白力が、また定着能を有する処理液では定着力がそれ
ぞれ回復する。さらに、定着能を有する処理液、特に定
着液中に定着処理によって蓄積したBr-等のハロゲン化
物イオンが陰イオン交換膜を選択的に通過して漂白能を
有する処理液に含有されることになる。このようなハロ
ゲン化物イオンの移動により、定着液では不要なハロゲ
ン化物イオンの蓄積が防止され、定着阻害の発生が防止
される。さらに、陰極では液中の銀が析出されるため定
着剤が再生される。これにより、定着液の補充量を減少
させることができ、このようにしても定着が阻害される
ことはない。また、漂白能を有する処理液では、前記同
様、ハロゲン化物の補充量を低下させることができ、場
合によっては補充の必要さえなくなる。このようにする
ことにより、前記同様、例えば、低質の陰イオン交換
膜、隔膜、通電ブリッジの使用が可能となる。また、前
記の場合も含め、同じ陰イオン交換膜では寿命がのび
る。
さらに、漂白能を有する処理液と定着能を有する処理
液との間に、NaCl等の電解質溶液を介在させ、各液間を
陰イオン交換膜で仕切るようにする。
このようにして、漂白能を有する処理液と定着能を有
する処理液とに通電しても、前記同様、両液の処理性能
が回復される。また、電解質溶液中のCl-等の陰イオン
の漂白能を有する処理液への移動も生じ、漂白能を有す
る処理液に対し、これらの成分の補充量を低下させるこ
とができ、場合によっては補充の必要さえなくなる。
本発明では、例えば黒白感光材料の処理において、こ
れを現像処理したのち、定着処理する。
このとき、例えば黒白現像液と定着液との間に、NaCl
等の電解質溶液を介在させ、黒白現像液と電解質溶液と
を仕切る隔壁の少なくとも一部、および定着液と電解質
溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部を、陰イオン交換
膜で構成し、黒白現像液中および定着液中に、それぞれ
陰極を浸漬し、電解質溶液中に陽極を浸漬し、これらの
電極に通電する。
このため、黒白現像液では、前記の発色現像液と同様
に、処理の休止中などに空気酸化を受けた現像主薬や保
恒剤等が電極面で還元される反応が起こり、現像力が回
復する。また、現像処理によって黒白現像液中に蓄積す
るBr-等のハロゲン化物イオンが陰イオン交換膜を選択
的に通過して電解質溶液に含有されることになる。この
ようなハロゲン化物イオンの移動により、黒白現像液で
は不要なハロゲン化物イオンの蓄積が防止され、現像阻
害の発生が防止される。
これにより、発色現像液と同様に補充量を減少させる
ことができる。
この場合、オーバーフロー等によって排出される現像
液を前記電解質溶液中に流入させるような構成とするこ
とが好ましい。これにより現像液の排液が陽極に接触す
ることになって、ハイドロキノン等の現像主薬が酸化分
解され、現像液の排液のCODが低下する。このような効
果は、発色現像液においても同様の構成を採ることによ
って得ることができる。
また、黒白現像液では、保恒剤として含有される亜硫
酸塩の存在量が多いことにも起因して特に銀汚れが生じ
やすいが、陰極が浸漬されるため、この陰極上に銀が析
出することになって現像槽における銀汚れが防止される
ことになる。
一方、定着液では、前記と同様にして、定着力が回復
し、処理によって蓄積するBr-等のハロゲン化物イオン
は陰イオン交換膜を通して電解質溶液に移動し、さらに
陰極に銀が析出することから定着剤が再生し、定着液の
補充を著しく少なくすることができる。
この場合、現像液同様、定着液の排液を、電解質溶液
中に流入させるような構成とすることが好ましく、チオ
硫酸塩等の定着剤が酸化分解され、定着液の排液のCOD
が低下する。このような効果は、カラー感材の処理にお
ける定着液でも得ることができる。
したがって、本発明では、上記した処理液における処
理性能の維持管理が容易となり、補充量を低減すること
ができる。
〈具体的構成〉 以下、本発明の具体的構成について、詳細に説明す
る。
本発明において、カラー感光材料を処理する場合に
は、露光後の感光材料を発色現像処理したのち、漂白能
を有する処理液を用いて脱銀処理する。
このとき、発色現像処理に用いる発色現像液を満たし
た現像槽内に陰極を設置し、また漂白能を有する処理液
を満たした漂白能を有する処理槽内に陽極を設置し、か
つ発色現像液および漂白能を有する処理液を両液が混合
しないようにして電気的に連結し、両極に通電する。
この場合の漂白能を有する処理液としては、漂白液、
漂白定着液が挙げられ、本発明における発色現像ないし
脱銀処理工程としては、以下のものが挙げられる。
(1)発色現像→漂白→定着 (2)発色現像→漂白→水洗→定着 (3)発色現像→漂白→漂白定着 (4)発色現像→漂白→漂白定着→定着 (5)発色現像→漂白定着→定着 (6)発色現像→漂白定着→漂白定着→定着 このようななかでも、発色現像→漂白の処理工程を含
む(1)、(2)、(3)、(4)の工程に適用するこ
とが好ましい。
なお、(3)、(4)の工程では、発色現像槽に陰極
を、漂白槽に陽極を設置することが好ましい。
また、(5)の工程では、漂白定着槽に陽極を設置
し、また、(6)の工程では、いずれの漂白定着槽に陽
極を設置してもよいが、前方に位置する漂白定着槽に陽
極を設置する方が好ましい。
以下、好ましいとされる発色現像→漂白の工程に本発
明を適用したものについて代表的に説明する。
本発明において、上記の工程を実施する処理装置の一
構成例が第1図に示される。
図示のように、処理装置1は、発色現像液110を満た
した発色現像槽11および漂白液120を満たした漂白槽12
を有し、感光材料Sを発色現像槽11、漂白槽12と順次搬
送して発色現像、漂白の各処理を施すものである。
発色現像槽11内には陰極31が、また漂白槽12内には陽
極32が、それぞれ設置されている。
また、発色現像槽11、漂白槽12間には、発色現像液11
0と漂白液120とが互いに混合しないようにして両液を電
気的に連結する塩橋35が設置されている。
さらに、処理装置1では、陰極31と陽極32に通電可能
な構成となっている。
第1図に示される構成において、感光材料Sの処理開
始の信号を受けとると同時に、あるいは所定の時間を経
た後、両極31、32に通電が開始される。
この場合の通電は、電流密度が0.05〜30mA/cm2、好ま
しくは0.2〜20mA/cm2となるように電圧を印加すればよ
い。発色現像では0.2〜10mA/cm2、定着では0.5〜15mA/c
m2、漂白定着では1〜20mA/cm2となるようにすればよ
い。印加電圧は、使用する液、処理装置の形態、電極間
距離、隔膜の性質、寒天橋の形態、種類により全く異な
るが、概念的には0.05〜100V、好ましくは0.1〜10Vとな
る。
本発明において、塩橋35を介して発色現像液110と漂
白液120とが導通されるため、上記のように通電するこ
とによって、発色現像液110では、処理の休止中などに
空気酸化された保恒剤や発色現像主薬が電極面で還元さ
れることになり、現像力の劣化が防止される。
一方、漂白液120では、感光材料Sの処理によって還
元状態にある漂白剤が、再び酸化されることになり、酸
化力が回復する。
本発明においては、処理を開始するにあたり、通電を
開始し、処理中にて通電を行うことが好ましい。
これは、発色現像剤、漂白液ともに、感光材料の処理
中における処理性能を一定に維持することが可能となる
からである。
発色現像液の酸化劣化は、感光材料の処理量が少ない
(1週間当たり処理する感光材料に対する補充量がタン
ク液量の0.3倍以下)、いわゆる閑散処理のとき顕著に
なるが、本発明では、処理直前ないし処理中に通電する
ことによって、処理中感光材料により巻き込まれて発色
現像液に含有される空気中の酸素を還元したり、処理中
ハロゲン化銀が還元(現像)された時に生成する発色現
像主薬酸化体のなかでカプラーと反応せずに発色現像液
中に溶出されてくるものを還元したりするので、発色現
像主薬の劣化が小さくなる。
漂白液における酸化力の低下は、感光材料の処理量が
多い(1週間当たり処理する感光材料に対する補充量が
タンク液量の2倍以上)とき顕著になるが、処理中にて
通電を行うことによって酸化力を一定に保持することが
可能となる。
一般に、感光材料の処理量が少ないときには、発色現
像液の液劣化の問題が大きくなり、一方処理量が多いと
きには漂白液での酸化力の低下の問題が大きくなるが、
本発明は、このような問題を是正する方向に働くので、
処理条件のいかんにかかわらず、常に適正な処理性能を
維持することが可能となる。
そして、本発明では、処理中にて、漂白液120の酸化
還元電位を随時測定し、所定の電位以下になったときに
電圧を印加するように通電のON/OFFを制御することが好
ましい。
なお、上記の電位は、陽極電位を水準水素電極等と比
較して測定するか、酸化還元電位計により測定して求め
ればよい。
この場合、上記の電位は酸化剤によって異なるが、例
えばエチレンジアミン四酢酸第二鉄錯塩では、0〜210m
V程度、1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄錯塩では20
〜260mV程度である。
そして、感光材料Sの処理終了の信号を受けると通電
は終了する。
上記のように、本発明においては、簡単な電気的手段
によって、発色現像液および漂白液の処理性能を維持管
理している。
したがって、従来、発色現像液においては、現像力の
劣化を補充量を増すという方法によって解決せざるを得
なかったが、本発明では、このような方法によらなくて
もよい。
また、漂白液においては、従来、漂白剤の漂白力(酸
化力)を回復するためにエアレーションする方法が採ら
れており、この方法では飛沫がとびカラー現像液を劣化
させたり、周辺機器等を汚染するという弊害等が生じて
いたが、本発明はこれを解決するものである。
そして、発色現像液および漂白液の処理性能を維持で
きる結果、本発明では、両液の補充量を低減できるとい
う効果が得られる。
特に、発色現像液では発色現像主薬の使用量を減ずる
ことができ、コスト面でも有利となる。
本発明は、前記に例示したように、発色現像処理の
後、直ちに脱銀処理するような工程に適用してその効果
が大きい。このような工程では、漂白液がエアレーショ
ンにより飛散して発色現像液を汚染して劣化させる問題
が大きくなるからである。
本発明に用いる陰極は長時間の使用に耐えうる電気伝
導体または半導体であればいずれでもよいが、特にステ
ンレスが好ましい。陽極は不溶性の材質でかつ電気伝導
体であればよく、具体的には炭素(黒鉛)、二酸化鉛、
白金、金、チタン鋼が挙げられ、場合によってはステン
レス鋼を用いてもよい。両極の形状は、槽内に設置しや
すい板状か網目入りの板状または突起付きの板状が好ま
しい。
大きさは、槽容量により適宜選択すればよい。
本発明に用いる塩橋としては、電解質溶液を寒天でゲ
ル化した寒天橋と称されるものを用いることができる。
この場合、寒天橋の容器としては、図示のように、通
常汎用されている逆U字形のガラス管(管径3〜10mm程
度)を用いればよい。あるいは、抵抗を下げるため、矩
形断面を有する逆U字形のプラスチック帯状管を用いて
もよい。
また、電解質溶液に用いる電解質としては、発色現像
ないし漂白液に接触して反応しないものがよく、NaCl、
KCl、LiCL、KNO3等を挙げることができる。
このとき、液間電位差をできるだけ小さくするために
陰陽イオンの移動度がほぼ等しいものがよく、KCl、KNO
3等を用いることが好ましい。
また、上記において、寒天の代りに、硬膜したゼラチ
ンや、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロ
ース、澱粉などの多糖類やキサンチン質等の天然ポリマ
ー、あるいは保水性の高い保水性ポリマーや多孔性ポリ
マーの合成ポリマーを用いてもよい。
保水性ポリマーとしては、具体的には、アクリル酸−
ビニルアルコール共重合体[商品名S−50、S−110、
S−550、SP−510、SP−520、L−5(以上住友化学工
業(株)製)]、 アクリル酸ナトリウム重合体[商品名N−100、N−1
00P、N−100SH、NP−1010(以上住友化学工業(株)
製)]、 ポリエチレンオキサイド変性物[商品名R−30G、R
−30F、R−20F(以上、住友化学工業(株)製)]など
が挙げられる。
その他、日本触媒化学(株)、三洋化成(株)、荒川
化学(株)、花王(株)などから市販されている上記と
同等のものであってもよい。
また、多孔性ポリマーとしては、具体的には、キサン
トンの多孔性フィルムもしくは繊維、多孔性吸水ポリエ
ステル繊維[商品名「ウェルキィ」(帝人(株)
製)]、 ウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種発
泡材料などが挙げられる。
このような天然ないし合成ポリマーを用いて塩橋を作
製するには、前記した容器内にこれらのポリマーを詰め
て、電解質溶液を含浸させるなどすればよい。
本発明において、上記のような塩橋を用いる代わり
に、導電製高分子や固体電解質を用いてもよい。
導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリパラフ
ェニレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェ
ン、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリエチニレン等
を挙げることができ、これらには公知の各種ドーパント
を添加して使用できる。
また、固体電解質としては、ZrO2、AgI、β−アルミ
ナ、Rb4Cu16I7Cl15、ZrO2-Y2O3、Ag6I4WO4、RbAg4I5、R
b4Cu16I7Cl13などが挙げられ、その詳細については、檜
垣寅雄著「ファインエレクトロニクスと高機能材料」p1
25〜132((株)CMC社刊、1983年)の記載およびそれに
引用された文献の記載を参照することができる。
上記の固体電解質を用いる場合は、二槽間の隔壁を固
体電解質の焼結体で構成するか、ホースの両端または片
端または中間部にこの焼結体を詰め、その間にKNO3溶液
や発色現像液または漂白液を満たして電気的に両液を連
結してもよい。
なお、本発明において、発色現像槽や漂白槽の槽材
は、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ABS樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリスチレン等の非導電性の樹脂材料とすればよ
い。
第1図では、発色現像→漂白の工程を実施するものを
とりあげているが、前記した他の工程とする場合も、こ
れに準じた方法を採ればよい。
本発明において、前記のようにして、発色現像処理お
び漂白能を有する処理液による処理を施された感光材料
は、その後、前記した処理工程に示されるように、定着
能を有する処理液によって処理される。
ここで、定着能を有する処理液は、定着液、漂白定着
液である。
そして、本発明では、漂白能を有する処理液による処
理および定着能を有する処理液による処理においても、
漂白能を有する処理液を満たした漂白能を有する処理槽
内に陽極を、また定着能を有する処理液を満たした定着
能を有する処理槽内に陰極を、それぞれ、さらに設置
し、かつ漂白能を有する処理液および定着能を有する処
理液を両液が混合しないようにして電気的に連結し、両
極に通電する。
漂白能を有する処理液による処理および定着能を有す
る処理液による処理を包含する脱銀処理工程としては、
前記した種々のものが挙げられるが、これらの工程のな
かでも、本発明は、(1)または(2)の脱銀処理工程
に適用することが好ましい。
なお、(4)の工程では、漂白槽と漂白定着槽との
間、あるいは漂白定着槽と定着槽との間、あるいは漂白
槽と定着槽との間で、各槽内の処理液を電気的に連結
し、各槽内に電極を設置すればよい。
また、(5)の工程では、前方に位置する槽内に陽極
を設置すればよく、(6)の工程でも漂白定着槽間では
(5)の工程と同様とし、3槽間のうちの2槽を選択し
て適宜本発明の範囲内で電極を設置するようにすればよ
い。
本発明において、発色現像および脱銀処理工程を含め
て好ましい処理工程は、前記(1)または(2)の工程
である。
以下、前記(2)の工程について代表的に説明する。
第2図には、この工程を実施する処理装置の一構成例
が示されている。
図示のように、処理装置2は、第1図の処理装置にお
いて、漂白槽12の後方に、水洗水130を満たした水洗槽1
3および定着液140を満たした定着槽14を有し、漂白後の
感光材料Sにさらに、水洗、定着の各処理を施すもので
ある。
そして、第1図の装置の構成に加えて、さらに、漂白
槽12内には陽極42が設置されており、また定着槽14内に
は陰極41が設置されている。そして、陰極41と陽極42に
通電可能な構成となっている。
また、漂白槽12と定着槽14との間には、漂白液120と
定着液140とが互いに混合しないようにして両液を電気
的に連結する塩橋45が設置されている。
なお、漂白槽12内の陽極32,42は別個のものとせず、
単一の陽極であってもよい。
第2図に示される構成において、感光材料Sの処理開
始の信号を受けると同時に、あるいは所定の時間を経た
後、陰極31、陽極32間および陰極41、陽極42間に、それ
ぞれ通電が開始される。
この場合の通電の条件等は、前記と同様にすればよ
い。
上記構成では、前記の第1に示される処理装置と同様
の動作により同様の効果が得られるほか、さらに、塩橋
45を介して漂白液120と定着液140とが導通されるため、
上記のように通電することによって、漂白液120では感
光材料Sの処理によって還元状態にある漂白剤が、再び
酸化されることになり、一段と酸化力が回復する。
一方、定着液140では、処理の休止中などに空気酸化
された保恒剤や定着剤が還元されることになり、定着力
の劣化が防止される。この定着剤等の酸化は、感光材料
Sが持ち込む漂白液によって促進されるが、この方法に
より有効に防止される。
また、定着剤や保恒剤の酸化分解を防止することがで
き、硫化物の生成が抑制される。
この場合においても、第1図に示される処理装置同
様、処理を開始するにあたり通電を開始し、処理中にて
通電を行うことが好ましく、さらに定着液も加えた各処
理液にて、感光材料の処理中における処理性能を一定に
維持することが可能となる。
定着液の酸化劣化は、感光材料の処理量が少ない(1
週間当たり処理する感光材料に対する補充量がタンク液
量の0.3倍以下)、いわゆる閑散処理のとき著しい。こ
れは、処理中に持ち込まれた漂白液が経時中に空気中の
酸素を取り込み、定着液の酸化を促進するからである
が、上記のように処理直前ないし処理中に通電すること
によって還元的雰囲気となって液が回復し処理時の漂白
液の持ち込みに対する耐性ができてくる。
したがって、定着液の酸化劣化は、特に閑散処理で懸
念されるが、本発明を適用することによって、処理条件
のいかんにかかわらず、各処理液において欠点を是正す
る方向に働くことになり適正な処理性能を維持すること
が可能となる。
このように、簡易な電気的手段によって、さらに、定
着液の処理性能を維持管理することができる。
定着液においては、従来、定着力の劣化を補充量を増
すという方法によって解決せざるを得なかったが、この
ような方法によらなくともよく、本発明においては、各
処理液の補充量を低減できるという効果が得られる。
なお、第2図に示される処理装置において、電極、塩
橋等の材質や構成、各処理槽の材質などは第1図に示さ
れる処理装置と同様にすればよい。
第2図では、脱銀処理工程を漂白→水洗→定着するも
のをとりあげているが、前記した他の工程とする場合
も、これに準じた方法を採ればよい。
また、第1図および第2図では、従来の処理槽を用い
る構成としているが、特開昭63−131138号公報等に開示
された断面スリット状の処理路を有する処理槽や本出願
人によく特開平2−205846号、特願平1−25132号等に
示された複数の処理室が狭幅の通路で連結された処理槽
を用いる構成としてもよく、これらにおいても本発明を
適用することができる。
本発明では、発色現像液、漂白液および定着液に、前
記のように通電することによって、これら各処理液の処
理性能を維持管理している。
従来、発色現像液の現像力を通電によって回復する方
法の提示は皆無に等しい。
また、漂白定着液あるいは定着液中から銀を電解によ
り陰極上に析出させて回収するに際して銀の回収率を向
上させ、処理液の酸化分解を防止するために、陰極と陽
極との中間部に隔膜を設置する方法が開示されているも
のの(特開昭55−73388号、同56−69626号公報)、本発
明のように、発色現像液および漂白液、さらには漂白液
および定着液と、異なる種類の処理液に前記のように通
電して各処理液の処理性能を維持管理する技術は知られ
ていない。
以上においては、別槽に収納した各処理液を両液が混
合しないようにして電気的に連結する構成としている
が、本発明では、陰イオン交換膜を介して通電するよう
な方法を採用してもよい。
このようなものとしては、発色現像→漂白の工程を実
施する処理装置として、例えば第3図に示す構成のもの
が挙げられる。
第3図に示すように、処理装置3は、発色現像液110
を満たした発色現像槽11および漂白液120を満たした漂
白槽12を有し、第1図に示すものと同様に、感光材料S
を発色現像槽11、漂白槽12と順次搬送して発色現像、漂
白の各処理を施すものである。
発色現像槽11内には陰極31が、また漂白槽12内には陽
極32が、それぞれ設置されている。
また、図示のように、発色現像槽11と漂白槽12の境界
部分、すなわち発色現像液110と漂白液120とを仕切る隔
壁は、陰イオン交換膜A1で構成されている。
さらに、処理装置3では、陰極31と陽極32に通電可能
な構成となっている。
第3図に示される構成において、感光材料Sの処理開
始の信号を受けると同時に、あるいは所定の時間を経た
後、両極31、32に通電が開始される。
この場合の通電は、前記と同様とすればよい。
このような通電を行なうことにより、第1図の構成の
ものと同様に、現像力および漂白力(酸化力)が回復す
る。これに加えて、陰イオン交換膜A1を通して、発色現
像液110中に処理によって蓄積するBr-等のハロゲン化物
イオンが漂白液120中に移動することによる効果が得ら
れる。すなわち、発色現像液110では、ハロゲン化物イ
オンの蓄積が防止されるため、このものが過度に蓄積す
ることによって引き起こされる現像阻害を防止すること
ができる。一方、漂白液120では、必要とされるハロゲ
ン化物イオンが補充されることになり、その補充量を減
少させたり、ひいては補充の必要さえなくすことができ
る。
また、本発明においては、発色現像→漂白→定着の工
程を実施する処理装置として、例えば第4図に示す構成
のものが挙げられる。
第4図に示すように、処理装置4は、発色現像液110
を満たした発色現像槽11、漂白液120を満たした漂白槽1
2、および定着液140を満たした定着槽14を有する。ま
た、発色現像槽11と漂白槽12との間には、電解質溶液21
0を満たした液槽21が、漂白槽12と定着槽との間には、
電解質溶液220を満たした液槽22が、それぞれ設置され
ている。この場合、発色現像液110と電解質溶液210とを
仕切る隔壁、電解質溶液210と漂白液120とを仕切る隔
壁、漂白液120と電解質溶液220とを仕切る隔壁、および
電解質溶液220と定着液130とを仕切る隔壁は、それぞ
れ、陰イオン交換膜A2、A3、A4、A5から構成されてい
る。
また、発色現像槽11には陰極31が、漂白槽12には陽極
32、42が、定着槽13には陰極41がそれぞれ設置されてい
る。そして、これらの電極31、32、41、42は、通電可能
な構成されされている。なお、図示例では、漂白槽12に
陽極32、42を別個に設置する構成としているが、単一の
ものとしてもよい。
第4図に示す構成において、感光材料Sの処理開始の
信号を受けると同時に、あるいは所定の時間を経た後、
陰極31、陽極32間および陰極41、陽極42間に、それぞれ
通電が開始される。
この場合の通電は、前記と同様とすればよい。
このような構成においても、前記の第2図に示される
処理装置と同様に、現像力、漂白力および定着力が回復
される。さらに、発現現像液110、漂白液120間では、2
枚の陰イオン交換膜A2、A3を通して、第3図に示すもの
と同様に、Br-等のハロゲン化物イオンの移動による効
果が得られる。
さらには、電解質溶液210内の陰イオンが陰イオン交
換膜A3を通して漂白液120中に移動する効果が得られ
る。すなわち、電解質溶液210に含有される電解質の陰
イオンを漂白液120に対して補充の必要性の高いものと
すれば、その補充量を減少させることができる。
一方、漂白液120、定着液140間では、2枚の陰イオン
交換膜A4、A5を通して、処理によって定着液140中に蓄
積するBr-等のハロゲン化物イオンが漂白液120中に移動
する効果が得られる。すなわち、定着液140では、ハロ
ゲン化物イオンの蓄積が防止されるため、このものが過
度に蓄積することによって引き起こされる定着阻害を防
止することができる。また、陰極では定着剤が再生され
る。一方、定着液140では、必要とされるハロゲン化物
イオンが補充されることになり、新たに補充する必要さ
えなくなる。また、発色現像液110、漂白液120間と同様
に、漂白液120と定着液140との間に介在する電解質溶液
220に由来する陰イオンが漂白液120に移動する効果が得
られる。
本発明に用いる陰イオン交換膜は、陰イオンを選択的
に透過させるものであれば、いずれを用いてもよく、市
販のものをそのまま用いることができる。
この場合、陰イオン交換膜を通して移動が好ましい陰
イオンの価数に応じて、用いる陰イオン交換膜を選択す
ることができる。例えば、発色現像液や定着液に蓄積す
るBr-等のハロゲン化物イオンを透過させる目的では、
1価の陰イオンのみを選択的に透過する陰イオン交換膜
を用いるなどすればよい。
このように陰イオン交換膜として、陰イオン一般につ
いては、Selemion AMV/AMR(旭硝子製)、Aciplex A20
1、A172(旭化成製)、Neosepta AM−1〜3(徳山曹達
製)、Ionac MA−3148(Ionac Chemicals製)、Nepton
AR103PZL(Ionics製)などの商品名で市販されているも
のが挙げられる。また、1価の陰イオンを選択的に透過
させるものとしては、Selmion ASV/ASR(旭硝子製)、N
eosepta AFN−7、Neosepta ACS(徳山曹達製)などの
商品名で市販されているものが挙げられる。
なお、本発明においては、上記の陰イオン交換膜は、
陰イオンを選択的に透過させる膜を総称するものとし、
このような意味において、孔径0.2〜20μmの多孔性セ
ラミックスも包含するものとする。
また、本発明において、漂白液等の漂白能を有する処
理液を仕切る陰イオン交換膜は、2枚以上用いるか、あ
るいは漂白剤として使用されるEDTA・Fe(III)を透過
しない膜、例えば、上述した1価の陰イオンを選択的に
透過させる陰イオン交換膜等を併用してもよい。これに
より、EDTA・Fe(III)等の漂白能を有する処理液にお
いて好ましい成分の移動を阻止することができる。
また、陰イオン交換膜間に満たされる電解質溶液には
制限はなく、前記の塩橋に用いた電解質溶液と同じもの
を使用してもよい。このようななかでも、電解質として
は、NaCl、KCl、LiCl、NaBr、KBr、KI等のハロゲン化
物、Na2SO4、K2SO4等の硫酸塩、KNO3、NaNO3、NH4NO3
の硝酸塩、Na2CO3、K2CO3等の炭酸塩などを用いること
が好ましい。
ハロゲン化物を用いることによっては、漂白液に対し
て漂白促進剤や再ハロゲン化剤の補充を減少させたり、
場合によってはなくすことも可能となる。
硝酸塩を用いることによっては、硝酸イオンの補充が
なされるため、腐蝕防止剤や漂白促進剤の補充を減少さ
せたり、場合によってはなくすことができる。
硫酸塩を用いることによっては、硫酸イオンの補充が
なされるため、pH低下のための酸の補充を減少させた
り、場合によってはなくすことができる。
炭酸塩を用いることによっては、炭酸イオンの補充が
なされるため、pH緩衝剤や酸の補充を減少させたり、場
合によってはなくすことができる。
このときの電解質溶液における電解質の濃度は、0.1
〜30%、好ましくは0.5〜20%とすればよい。
そして、電解質溶液に応じて陰イオン交換膜を適宜選
択すればよい。
陰イオン交換膜を適用した構成においても、塩橋を用
いた構成と同様に、処理中に通電を行ない、処理の終了
とともに通電を終了させることが好ましい。また、同様
に漂白能を有する処理液の酸化還元電位を測定しながら
通電を行なうことも好ましい。さらには、感光材料の処
理量に応じて通電量を制御してもよく、予め処理量を予
測して通電量を設定しておいてもよい。
また、前記の塩橋等を用いる構成と同様に、図示例に
限らず、陰イオン交換膜で仕切る処理液の組み合せを種
々変更することかできる。
なお、第3図および第4図においては、いずれもメイ
ンタンクに陰イオン交換膜を設置するものとしたが、メ
インタンクと処理液が連通する構成のサブタンク内に処
理液を仕切るように陰イオン交換膜を設置してもよい。
また、メインタンクとサブタンクの両方に陰イオン交換
膜を設置してもよく、サブタンク同士において、同様の
構成を採用してもよい。
なお、従来、陰イオン交換膜を用いて、漂白液と定着
液を同時再生する方法が知られており、例えば、このよ
うなものとして、反転フィルムに適用した廃液の処理装
置が挙げられる[古川広著、「英語テレビ技術協会誌」
No.254、p34(1973)]。
これらの方法は、いずれも、処理槽とは別に用意した
再生専用の装置を用いて行なうものであり、漂白液と定
着液との組み合せにおいても処理槽に陰イオン交換膜を
直接適用する本発明とは、その構成において、明らかに
異なるものである。
また、本発明のように、発色現像液と漂白液との間に
陰イオン交換膜を適用することや、電解質溶液を介在さ
せるような構成は知られていない。
本発明においては、特に、黒白感光材料を処理する場
合、各処理液の処理性能を維持管理するものとして、第
5図に示す構成のものを用いることができる。
第5図は、処理槽の槽配列を示す平面図である。
第5図に示すように、処理装置5は、黒白現像液510
を満たした現像槽51、定着液520を満たした定着槽52、
および水洗水W1、W2をそれぞれ満たした水洗槽53、54を
有し、黒白感光材料Sに対し、黒白現像→定着→水洗→
水洗の各工程を施すものである。
また、処理装置5には、現像槽51および定着槽52に接
して、電解質溶液610を満たした液槽61が設置されてお
り、黒白現像液510もしくは定着液520と電解質溶液610
とを仕切る隔壁は、陰イオン交換膜A6で構成されてい
る。
さらに、現像槽51および定着槽52には、それぞれ、陰
極71、73が設置されており、液槽61には、陽極72が設置
されている。そして、これらの電極71〜73は通電可能な
構成となっている。
第5図に示すような構成においても、前記同様、感光
材料Sの処理開始の信号を受けると同時に、あるいは所
定の時間を経た後、各電極71〜73に通電が開始される。
この場合の通電は、前記と同様とすればよい。
このような通電を行なうことにより、前記したカラー
感光材料と同様の作用によって、現像液と定着液におけ
る現像力および定着力が、それぞれ回復される。
また、陰イオン交換膜A6を通して、現像処理あるいは
定着処理によって形成されたBr-等のハロゲン化物イオ
ンが電解質溶液610中に移動することによる効果が得ら
れる。すなわち、現像液または定着液中にこれらのイオ
ンが蓄積することを防止することができ、これらのイオ
ンにより現像阻害あるいは定着阻害が生じるのを防止す
ることができる。したがって、これらの処理液の補充量
を低下することができる。
さらに、黒白現像液では、亜硫酸塩保恒剤が比較的多
く含有されることに起因して、特に銀汚れが生じやすく
なるが、陰極上に銀が析出するため、銀汚れの発生が防
止される。一方、定着液中でも陰極への銀の析出がおこ
り、銀の回収が可能となる。
また、第6図に示す処理装置6のように、第5図に示
す構成において、現像槽51および定着槽52に、それぞ
れ、液槽611および615を、それぞれ設置するものとして
もよい。そして、黒白現像液510と電解質溶液621とを仕
切る陰イオン交換膜A61および定着液520と電解質溶液62
5とを仕切る陰イオン交換膜A65を設置し、各液槽611お
よび615に、それぞれ陽極721、725を設置し、かつ陰極7
1、73および陽極721、725に通電するものとしてもよ
い。
さらに、このとき、黒白現像槽51の液面レベルを液槽
611の液面レベルより高くして、黒白現像槽51のオーバ
ーフローが液槽611に流入するような構成とする方が好
ましい。また、定着槽52と液槽615との間でも同様の構
成とする方が好ましい。このような構成とすることによ
って液槽611に黒白現像液510のオーバーフローが流入
し、そこで、ハイドロキノン等の現像主薬は、ギ酸や酢
酸等に酸化分解されるため、CODが低下し、廃液の処理
負荷が低下する。一方、定着液520のオーバーフローが
液槽615に流入し、そこで、チオ硫酸塩等の定着剤は酸
化分解されるため、CODが低下し、廃液の処理負荷が低
下する。
さらに、第7図に示すような処理装置7であってもよ
い。
第7図に示すものは、第5図に示す構成において、現
像槽51と定着槽52との間に液槽62を介在させる構成のも
のである。そして、黒白現像液510と電解質溶液620とを
仕切る陰イオン交換膜A7および定着液520と電解質溶液6
20とを仕切る陰イオン交換膜A8が設置されている。ま
た、液槽62内には、陽極74が設置されており、陰極71、
73とともに通電可能な構成とされている。この場合も、
黒白現像槽51のオーバーフローが液槽62に流入するよう
な構成とすることが好ましく、これにより第6図に示す
ものと同様に、廃液負荷を低下させる効果が得られる。
なお、第7図に示す構成では、感光材料Sは液槽62内
の電解質溶液620中に浸漬されないような搬送経路をと
る。
また、第8図に示すような処理装置8であってもよ
い。
このものでは、第7図に示す構成において、現像槽51
と定着槽52との間、および定着槽52と水洗槽53との間
に、それぞれ液槽63および64を介在させたものである。
そして、黒白現像液510と電解質溶液630とを仕切る陰イ
オン交換膜A9および定着液520と電解質溶液640とを仕切
る陰イオン交換膜A10が設置され、それぞれの液槽63お
よび64には、陽極74、76が設置される。
このような構成においても、感光材料Sは、液槽63、
64内の電解質溶液630、640中に浸漬されないような搬送
経路をとる。
そして、この場合も、前記同様、現像槽51のオーバー
フローが液槽63内に、定着槽52のオーバーフローが液槽
64内に流入するような構成とすることが好ましく、黒白
現像液510および定着液520の廃液負荷が減少する。
以上においては、電解質溶液を新たに調製して使用す
るものとしたが、水洗水を電解質溶液として利用するも
のとしてもよい。
このようなものとしては、第9a図および第9b図に示す
構成の処理装置9が挙げられる。
第9a図は、槽配列を模式的に示す平面図であり、第9b
図は、その断面側面図である。
これらの図に示すように、処理装置9は、黒白現像液
510を満たした現像槽51、水洗水W3を満たした水洗槽6
5、水洗水W4を満たした水洗槽66、定着液520を満たした
定着槽52および水洗水W1を満たした水洗槽53を有し、感
光材料Sに現像→水洗→定着→水洗の処理を施すもので
ある。
そして、現像槽51には陰極71が、定着槽52には陰極73
が、水洗槽66には陽極78が、それぞれ設置されており、
これらの電極は通電可能な構成とされている。
また、黒白現像液510と水洗水W3とを仕切る隔壁、水
洗水W3と水洗水W4とを仕切る隔壁、および水洗水W4と定
着液520とを仕切る隔壁は、それぞれ、陰イオン交換膜A
11、A12およびA13で構成されている。
陽極78が設置されている水洗槽66は、感光材料Sを浸
漬処理するものではなく、第9b図に示すように、水洗槽
65と水洗槽66とが陰イオン交換膜A12を介して一部積み
重ねられるような形で設置されている。
このとき、水洗槽53に満たされた水洗水W1のオーバー
フローは、水洗槽66に流入される構成となっており、水
洗槽66からオーバーフローされるようになっている。
また、水洗槽65のオーバーフローは、現像槽51に流入
されるような構成とされている。
第9a図および第9b図に示す構成においても、前記と同
様の通電が行なわれる。
このように通電することにより、前記と同様に、現像
液における現像力および定着液における定着力が回復す
る。また、水洗水W4は前記電解質溶液と同様の働きを示
し、黒白現像液510および定着液520中に処理によって蓄
積する不要なハロゲン化物イオンが、陰イオン交換膜A1
1およびA13を通して水洗水W4に移動して、この水洗槽66
からオーバーフローされることから、ハロゲン化物イオ
ンの蓄積がなく、これによっても良好な処理性能が得ら
れる。
また、感光材料Sによって持ち込まれて水洗槽65内の
水洗水W3に混入するハロゲン化物イオンは、陰イオン交
換膜A12を通して水洗槽66内の水洗水W4に移動すること
から、定着液520中に持ち込まれるハロゲン化物イオン
も減少する。さらには、水洗槽65のオーバーフローが現
像槽51に流入されても、ハロゲン化物イオンは陰イオン
交換膜A11、A12を通して移動することから全く支障は生
じない。
したがって、このような構成では、各処理液において
補充量を低下することかでき、廃液負荷が減少する。
この場合、水洗水W1、W4においては、通常の水洗水を
用いて十分であり、好ましくは、防菌、防ばい剤、色素
溶出剤、脱色剤等を添加したものであればよい。
水洗水を電解質溶液として用いるものとしては、第10
図に示す構成の処理装置10であってもよい。
第10図は、槽配列を示す平面図である。
図示のように、処理装置10は、黒白現像液510を満た
した現像槽51、電解質溶液としての水洗水W5を満たした
水洗槽67、定着液520を満たした定着槽52、電解質溶液
としての水洗水W6を満たした水洗槽68および水洗水W1を
満たした水洗槽53を有し、感光材料Sに現像→定着→水
洗の各工程を施すものである。
また、黒白現像液510と水洗水W5とを仕切る陰イオン
交換膜A14、および定着液520と水洗水W6とを仕切る陰イ
オン交換膜A15が設置されている。
現像槽51には陰極71が、定着槽52には陰極73が、水洗
槽67には陽極80が、水洗槽68には陽極82が、それぞれ設
置されており、これらの電極は通電可能な構成とされて
いる。
また、現像槽51のオーバーフローは水洗槽67に流入さ
れ、水洗槽67からオーバーフローされるような構成とな
っており、一方、定着槽52のオーバーフローは水洗槽68
に流入され、水洗槽68からオーバーフローされるような
構成となっている。また、水洗槽53のオーバーフロー
は、前方に位置する水洗槽68に流入される。
第10図に示す構成においても、前記と同様の通電が行
なわれる。
このように通電することにより、前記と同様に、現像
液における現像力および定着液における定着力が回復す
る。また、水洗水W5、W6は、前記電解質溶液と同様の働
きを示し、水洗水W5には、黒白現像液510中に処理によ
って蓄積するハロゲン化物イオンが、陰イオン交換膜A1
4を通して移動することになり、水洗水W5には、定着液5
20中に処理によって蓄積するハロゲン化物イオンが、陰
イオン交換膜A15を通して移動することになり、ハロゲ
ン化物イオンによって引きおこされる現像阻害あるいは
定着阻害を防止することができる。
また、黒白現像液510のオーバーフローおよび定着液5
20のオーバーフローは、それぞれ陰極80、82によって酸
化されて排出されるため、廃液負荷が減少する。
さらに、水洗水W1のオーバーフローは、水洗槽68に流
入されて使用されるため、これによっても廃液負荷が減
少する。
この場合の水洗水W1、W5、W6は、第9a図および第9b図
におけるものと同様とすればよい。
以上のような方法により、黒白現像液や定着液のCOD
を低下させ、廃液負荷を減少させることは、図示のよう
な黒白感光材料の処理のみならず、カラー感光材料の処
理にも適用することができる。
なお、各処理液中には導電性物質が含有されているこ
とが多く、さらに処理される感光材料そのものも導電性
を有するが、本発明では電極部材としてこれら以外のも
のを新たに設置するものである。
本発明における感光材料は種々のカラーおよび黒白感
光材料のいずれであってもよい。例えば、カラーネガフ
ィルム、カラー反転フィルム、カラー印画紙、カラーポ
ジフィルム、カラー反転印画紙、製版用写真感光材料、
X線写真感光材料、黒白ネガフィルム、黒白印画紙、マ
イクロ用感光材料等が挙げられる。
このような感光材料のなかで、カラーネガフィルム、
黒白ネガフィルム等の撮影用写真フィルムであって、フ
ィルム自体またはその収納容器に撮影情報を担持したも
のを用いることもでき、このような撮影用写真フィルム
において、露光情報に基づいて前記の通電量を決定する
こともできる。
次に、本発明に用いる処理液およびその処理条件等に
ついて記す。まず、カラー感材の処理について述べる。
本発明に用いる発色(カハー)現像液は、好ましくは
芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアル
カリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、アミ
ノフェノール系化合物も有用であるが、p−フェニレン
ジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例とし
て、3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリ
ン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒ
ドロキシルエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−
メトキシエチルアニリンおよびこれらの硫酸塩、塩酸
塩、リン酸塩もしくは、p−トルエンスルホン酸塩、テ
トラフェニルホウ酸塩、p−(t−オクチル)ベンジル
スルホン酸塩などが挙げられる。これらは目的に応じ2
種以上併用することもできる。
上記発色現像主薬は、処理の休止中などにおいて、空
気酸化を受けて、この結果、発色現像液の現像力が低下
するが、本発明はこれを防止する。
したがって、感度低下や階調の軟調化を防止すること
ができる。
カラー現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩も
しくはリン酸塩のようなpH緩衝剤;臭化物、沃化物、ベ
ンゾイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメル
カプト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤;
ヒドロキシルアミン、トリエタノールアミン、西独特許
出願(OLS)第2,622,950号に記載の化合物、亜硫酸塩ま
たは重亜硫酸塩のような保恒剤;ジエチレングリコール
のような有機溶剤;ベンジルアルコール、ポリエチレン
グリコール、四級アンモニウム塩、アミン類、チオシア
ン酸塩、3,6−チアオクタン−1,8−ジオールのような現
像促進剤;色素形成カプラー;競争カプラー;ナトリウ
ムボロンハイドライドのような造核剤;1−フェニル−3
−ピラゾリドンのような補助現像薬;粘性付与剤;4,4′
−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系化合物のよ
うな蛍光増白剤;エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、
N−ヒドロキシメチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸
および特開昭58−195845号記載の化合物などに代表され
るアミノポリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1′−ジホスホン酸、リサーチ・ディスクロージャー1
8170(1979年5月)記載の有機ホスホン酸、アミノトリ
ス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミン−N,N,
N′,N′−テトラメチレンスルホン酸などのアミノホス
ホン酸、特開昭52−102726号、同53−42730号、同54−1
21127号、同55−4024号、同55−4025号、同55−126241
号、同55−65955号、同55−65956号、およびリサーチ・
ディスクロージャー18710号(1979年5月)記載のホス
ホノカルボン酸などのキレート剤を含有することができ
る。
これらの添加剤のなかで、本発明により保恒剤の酸化
分解が防止され、現像力の低下を防止することができ
る。
発色現像主薬は、一般にカラー現像液1リットル当り
約0.1g〜約20gの濃度、さらに好ましくは、カラー現像
液1リットル当り約0.5g〜約10gの濃度で使用する。
本発明におけるカラー現像液のpHは、通常7以上であ
り、一般的には、約9〜約13で用いられ、より好ましく
は9〜11である。
本発明において反転処理する場合に用いられる第1黒
白現像液には、黒白ハロゲン化銀感光材料を処理する後
述の黒白現像液に添加使用されている各種の添加剤を含
有させることができる。
本発明において、脱銀処理に用いられる漂白能を有す
る処理液ないし定着能を有する処理液となりうる漂白
液、漂白定着液、定着液について説明する。
漂白液または漂白定着液において用いられる漂白剤と
しては、第二鉄イオン錯体または第二鉄イオンとアミノ
ポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸あるいはそれら
の塩などのキレート剤との錯体である。
これらのアミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン
酸あるいはそれらの塩などのキレート剤の代表例として
は、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテ
トラ酢酸ジナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸
ジアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラ
(トリメチルアンモニウム)塩、エチレンジアミンテト
ラ酢酸テトラカリウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸
テトラナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸トリ
ナトリウム塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸ペンタナトリウム塩、エチ
レンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′
−トリ酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチ
ル)−N,N′,N′−トリ酢酸トリナトリウム塩、エチレ
ンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′−
トリ酢酸トリアンモニウム塩、1,2−ジアミノプロパン
テトラ酢酸、1,2−ジアミノプロパンテトラ酢酸ジナト
リウム塩、1,3−ジアミノプロパンテトラ酢酸、1,3−ジ
アミノプロパンテトラ酢酸ジアンモニウム塩、ニトリロ
トリ酢酸、ニトリロトリ酢酸トリナトリウム塩、シクロ
ヘキサンジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサンジアミン
テトラ酢酸ジナトリウム塩、イミノジ酢酸、ジヒドロキ
シエチルグリシン、エチルエーテルジアミンテトラ酢
酸、グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸、エチレン
ジアミンテトラプロピオン酸、フェニレンジアミンテト
ラ酢酸、1,3−ジアミノプロパノール−N,N,N′,N′−テ
トラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,
N′−テトラメチレンホスホン酸、1,3−プロピレンジア
ミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などを
挙げることができるが、もちろんこれらの例示化合物に
限定されない。
鉄イオン錯塩は錯塩の形で使用してもよいし、第二鉄
塩、例えば硫酸第二鉄塩、塩化第二鉄塩、硝酸第二鉄
塩、硫酸第二鉄アンモニウム、燐酸第二鉄などとアミノ
ポリカルボン酸、ホスホノカルボン酸などのキレート剤
とを用いて溶液中で第二鉄イオン錯塩を形成させてもよ
い。錯塩の形で使用する場合は、1種類の錯塩を用いて
もよいし、2種類以上の錯塩を用いてもよい。一方、第
二鉄塩とキレート剤を用いて溶液中で錯塩を形成する場
合は第二鉄塩を1種類または2種類以上使用してもよ
い。また、いずれの場合にも、キレート剤を第二鉄イオ
ン錯塩を形成する以上に過剰に用いてもよい。鉄錯体の
中でもアミノポリカルボン酸鉄錯体が好ましく、その添
加量は、カラーネガフィルムのような撮影用カラー感光
材料の漂白液においては、0.1〜1モル/リットル、好
ましくは、0.2〜0.4モル/リットルであり、またその漂
白定着液においては、0.05〜0.5モル/リットル、好ま
しくは、0.1〜0.3モル/リットルである。また、カラー
ペーパーのようなプリント用カラー感光材料の漂白液ま
たは漂白定着液においては、0.03〜0.3モル/リット
ル、好ましくは、0.05〜0.2モル/リットルである。
上記の鉄錯体では、感光材料が処理されるにつれて鉄
(III)錯体が鉄(II)錯体に還元されて本発明におけ
る漂白能を有する処理液としての上記処理液の酸化力が
低下するが、本発明によって酸化力が回復する。
したがって、脱銀不良や復色不良の発生が防止され
る。
また、漂白液または漂白定着液には、必要に応じて漂
白促進剤を使用することができる。なかでもメルカプト
基またはジスルフィド基を有する化合物が、促進効果が
大きい点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西
独特許第1,290,812号、特開昭53−95630号に記載の化合
物が好ましい。
その他、本発明における漂白液または漂白定着液は、
臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化
アンモニウム)または塩化物(例えば塩化カリウム、塩
化ナトリウム、塩化アンモニウム)または沃化物(例え
ば沃化アンモニウム)の再ハロゲン化剤を含むことがで
きる。必要に応じ、硼酸、硼砂、メタ硼酸ナトリウム、
酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン酸、クエン
酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能を有する1種類以
上の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属または
アンモニウム塩または、硝酸アンモニウム、グアニジン
などの腐食防止剤などを添加することができる。
本発明における漂白定着液または定着液に使用される
定着剤は、公知の定着剤、すなわちチオ硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;エチ
レンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタ
ンジオール等のチオエーテル化合物およびチオ尿素類な
どの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種
あるいは2種以上混合して使用することができる。ま
た、特開昭51−155354号に記載された定着剤と多量の沃
化カリウムのようなハロゲン化物などの組合せからなる
特殊な漂白定着液等も用いることができる。
本発明においては、チオ硫酸塩、特にチオ硫酸アンモ
ニウム塩の使用が好ましい。1リットル当りの定着剤の
量は0.3〜2モルが好ましく、特に撮影用カラー感光材
料の処理においては0.8〜1.5モル、プリント用カラー感
光材料においては、0.5〜1モルの範囲である。
上記定着剤は、処理の休止中などにおいて、空気酸化
を受けて、この結果、本発明における定着能を有する処
理液として用いた場合の上記処理液の定着力が低下する
が、本発明はこれを防止する。
したがって、脱銀不良や硫化の発生が防止される。
本発明における漂白液、漂白定着液または定着液のpH
領域は、3〜10が好ましく、さらには5〜9が特に好ま
しい。pHがこれより低いと脱銀性は向上するが、液の疲
労およびシアン色素のロイコ化が促進される。逆にpHが
これより高いと脱銀が遅れかつステインが発生し易くな
る。pHを調節するためには、必要に応じて塩酸、硫酸、
硝酸、酢酸、重炭酸塩、アンモニア、苛性カリ、苛性ソ
ーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を添加すること
ができる。
また、漂白定着液には、その他各種の蛍光増白剤や消
泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタ
ノール等の有機溶媒を含有することができる。
本発明における漂白定着液や定着液は、保恒剤として
亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸アモニウムなど)、重亜硫酸塩(例えば、重
亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモ
ニウムなど)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸
ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸アン
モニウムなど)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有す
る。これらの化合物は亜硫酸イオンに換算して、約0.02
〜0.50モル/リットル含有させることが好ましく、さら
に好ましくは、0.04〜0.40モル/リットルである。保恒
剤としては、亜硫酸塩の添加が一般的であるが、その他
アスコルビン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、あるいは
カルボニル化合物等を添加してもよい。
本発明により、定着能を有する処理液として用いた場
合上記処理液中でこれら保恒剤の酸化分解が防止され、
脱銀不良や硫化の発生を防止することができる。
さらに、漂白定着液や定着液には緩衝剤、蛍光増白
剤、キレート剤、防カビ剤等を必要に応じて添加しても
よい。
本発明に使用できる漂白定着液として、漂白液と定着
液を混合して調製した液でもよい。
本発明において、脱銀処理の後に、水洗処理および/
または安定化処理が施される。
水洗処理には水道水のほか、イオン変換水等を用いる
ことができる。
また、これらに硬水軟化剤、殺菌剤ないし防ばい剤、
界面活性剤等を添加したものであってもよい。
水洗水量は、感光材料の特性(例えば、カプラー等の
使用素材による)や水洗水温、その他種々の条件によっ
て広範囲に設定できる。水洗水のpHは、4〜9であり、
好ましくは5〜8である。
また、安定化処理に用いる安定液には、画像安定化機
能を有する化合物が添加される。例えば、ホルマリンに
代表されるアルデヒド化合物や、色素安定化に適した膜
pHに調節するための緩衝剤や、アンモニウム化合物が挙
げられる。さらに、各種の殺菌剤、防カビ剤、界面活性
剤、蛍光増白剤、硬膜剤、キレート剤、マグネシウムや
ビスマス化合物等を加えることもできる。
なお、これらカラー感材の処理の詳細については、特
開昭63−70857号、特開平1−190889号、特開平1−198
754号、特開平1−106050号等の記載を参照することが
できる。
次に、黒白感材の処理について記す。
本発明において、黒白現像液に用いる現像主薬は、ハ
イドロキノン等のハイドロキノン類を主体とするが、良
好な性能を得やすい点で、ハイドロキノン類と1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン類の組合せ、またはハイドロキ
ノン類とp−アミノフェノール類との組合せがよい。
ハイドロキノン系現像主薬は通常0.01モル/l〜1.5モ
ル/l、好ましくは0.05モル/l〜1.2モル/lの量で用いら
れる。
これに加えて、p−アミノフェノール系現像主薬また
は3−ピラゾリドン系顕像主薬は通常0.0005モル/l〜0.
2モル/l、好ましくは0.001モル/l〜0.1モル/lの量で用
いられる。
本発明における黒白現像液に用いる亜硫酸塩の保恒剤
としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リ
チウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メ
タ重亜硫酸カリウムなどがある。亜硫酸塩は0.2モル/l
以上特に0.4モル/l以上が好ましい。また、上限は2.5モ
ル/lまでとするのが好ましい。
本発明において、黒白現像液のpHは8.5から13までの
範囲のものが好ましい。さらに好ましくはpH9から12ま
での範囲である。
上記の現像主薬や保恒剤は、処理の休止中などにおい
て、空気酸化を受けて、酸化分解され、現像力が低下す
るが、本発明においてはこれを防止することができる。
したがって、感度低下を防止することができる。
本発明において、上記の現像処理後の定着処理に用い
る定着液は定着剤を含む水溶液であり、pH3.8以上、好
ましくは4.2〜7.0を有する。
定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモ
ニウムなどがあるが、定着速度の点からチオ硫酸アンモ
ニウムが特に好ましい。定着剤の使用量は適宜変えるこ
とができ、一般には約0.1〜約3モル/lである。
定着液には硬膜剤として作用する水溶性アルミニウム
塩を含んでもよく、それらには、例えば塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなどがある。
定着液には、酒石酸、クエン酸、グルコン酸あるいは
それらの誘導体を単独で、あるいは2種以上、用いるこ
とができる。これらの化合物は定着液1につき0.005
モル以上含むものが有効で、特に0.01モル/l〜0.03モル
/lが特に有効である。
定着液には所望により保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重
亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硼酸)、pH調整
剤(例えば、硫酸)、硬水軟化能のあるキレート剤や特
開昭62−78551号記載の化合物を含むことができる。
上記碇着剤や保恒剤は、処理の休止中などにおいて、
空気酸化を受けて酸化分解するが、本発明により、これ
を防止することができる。したがって、定着不良や硫化
の発生が防止される。
この定着処理の後には、カラー感材の処理と同様に、
水洗処理および/または安定化処理が施される。
このとき、ハロゲン化銀感光材料1m2当り、3l以下の
補充量(0も含む、すなわちため水水洗)の水洗水また
は安定化液で処理することもできる。
上記の節水処理または無配管処理には、水洗水または
安定化液に防黴手段を施すことが好ましい。
防黴手段としては、特開昭60−263939号に記された紫
外線照射法、同60−263940号に記された磁場を用いる方
法、同61−131632号に記されたイオン交換樹脂を用いて
純水にする方法、オゾンを吹き込む方法、特開昭62−11
5154号、同62−153952号、特願昭61−63030号、同61−5
1396号、特開平1−91533号に記載の防菌剤を用いる方
法を用いることができる。
さらには、L.F.West.“Water Quality Criteria"Phot
o.Sci,& Eng.Vol.9 No.6(1965)、M.W.Beach,“Micro
biological Growths in Motion−picture Processing"S
MPTE Journal Vol.85,(1976)、R.O.Deegan,“Photo
Processing Wash Water Biocides“J.Imaging Tech 10,
No.6(1984)および特開昭57−8542号、同57−58143
号、同58−105145号、同57−132146号、同58−18631
号、同57−97530号、同57−157244号などに記載されて
いる防菌剤、防黴剤、界面活性剤などを併用することも
できる。
さらに、水洗浴または安定浴には、R.T.Kreiman著、
J.Image.Tech 10,(6)242頁(1984)に記載されたイ
ソチアゾリン系化合物、Research Disclosure第205巻、
No.20526(1981年、5月号)に記載されたイソチアゾリ
ン系化合物、同第228巻、No.22845(1983年、4月号)
に記載されたイソチアゾリン系化合物、特願昭61−5139
6号に記載された化合物などを防菌剤(Microbiocide)
として併用することもできる。
その他、「防菌防黴の化学」堀口博著、三共出版(昭
和57)、「防菌防黴技術ハンドブック」日本防菌防黴学
会・博報堂(昭和61)に記載されているような化合物を
含んでもよい。
なお、黒白感材の処理の詳細については、特開平1−
93737号、特開平1−250947号、特開平2−103035号、
特開平2−103037号、特開平2−71260号、特開昭61−2
67559号等の記載を参照することができる。
また、本発明におけるカラーないし黒白感光材料の詳
細については、特開平1−259359号をはじめとし、上記
特許文献等に開示されている。
〈実施例〉 以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 特開昭63−235940号公報の実施例2の試料101(カラ
ーネガフィルム)を用い、これを露光した後、富士写真
フイルム(株)製のカラーネガ用自動現像機FNCP−40B
を使用し、以下の処理工程に従い発色現像液で2ラウン
ドまでランニングした。その後、1日当たりの温調時間
を10時間とし、135サイズ24枚撮りのものを1日1本ず
つの割合で4ケ月間ランニング処理(いわゆる閑散処
理)を行なった。
補充量は35mm巾1m長さ当り。
次に、処理液の組成を記す。
(漂白液)母液、補充液共通(単位g) エチレンジアミン四酢酸第二 鉄アンモニウム二水塩 12.0 エチレンジアミン四酢酸二ナ トリウム塩 10.0 臭化アンモニウム 100.0 硝酸アンモニウム 10.0 漂白促進剤 0.005モル アンモニア水(27%) 15.0ml 水を加えて 1.0 l pH 6.3 (碇着液)母液、補充液共通(単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナ トリウム塩 5.0 亜硫酸ナトリウム 12.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液 (70%) 280ml アンモニア水(27%) 6.0ml 水を加えて 1.0 l pH 6.7 (水洗液)母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンド
ハース社製アンバーライトIR120B)とOH型アニオン交換
樹脂(堂アンバーライトIR−400)を充填した混床式カ
ラムに通水してカルシウムおよびマグネシウムイオン濃
度を3mg/l以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/lと硫酸ナトリウム0.15g/lを添加し
た。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
(安定液)母液、補充液共通(単位g) ホルマリン(37%) 2.0ml ポリオキシエチレン−p−モノ ノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3 エチレンジアミン四酢酸二ナト リウム塩 0.05 水を加えて 1.0l pH 5.0〜8.0 このような処理を処理1Aとする。
処理1Aにおいて、自現機の発色現像槽と漂白槽とを第
1図に示すように電極等を設置したものにかえて、その
ほかは同様に処理した。これを処理1Bとする。
この場合、発色現像槽には、陰極としてモリブデン含
有ステンレス鋼(SUS316相当)シート[日本金属工業
(株)製NTK316:大きさ15cm×100cm(肉厚1mm巾)]
を、 漂白槽には、陽極としてカーボンシート[呉羽化学工
業(株)製のクレシート:大きさ15cm×100cm(肉厚1mm
巾)]を、それぞれ設置した。
発色現像槽、漂白槽間に設置する塩橋は寒天橋とし、
電解質溶液には30%KNO3溶液を用いた。また、塩橋の容
器としては、断面積5mm×10mmの矩形断面を有する逆U
字形のプラスチック帯状管を用いた。
通電条件は、1.2Vの電圧を印加し、1.35Aの電流が流
れるようにした(電流密度0.9mA/cm2)。
電圧の印加は、感光材料の処理信号を受けて1分後に
行い、感光材料の処理信号を20分間受けないときは印加
を停止するようにした。
処理1A、1Bにおいて、それぞれ、2ラウンド時点の写
真性能と4ケ月後の時点の写真性能とを比較した。
写真性能は、緑感層の感度および階調、脱銀不良、復
色不良を調べて評価した。また、上記の感度および階調
については、4ケ月後の時点での劣化率も求めた。
なお、感度は2ラウンド時点を100としたときの相対
感度で表示し、一定濃度を得るのに必要な露光量の逆数
を求めて評価した。
また、階調は特性曲線(D−logE曲線)の平均勾配を
求めて評価した。
脱銀不良は、蛍光X線による銀分析によって評価し
た。
復色不良は、センシトメトリー露光した処理済み感材
を赤色光で濃度測定し、次に漂白液から再度処理をして
再度濃度測定し、赤色の透過濃度が1.2の時の再処理に
よる濃度上昇で評価した。このとき、濃度上昇が0.1以
上あると復色不良発生と評価した。
さらに、4ケ月ランニング処理後の発色現像液中の亜
硫酸ナトリウム(保恒剤)の含有量を求め、2ラウンド
時点に対する4ケ月後の減少率(SS減少率)を求めた。
保恒剤の含有量は、ヨードメトリーにより分析して求
めた。
これらの結果を表1にまとめて示す。
表1より、従来の処理1Aでは、閑散処理の結果、感度
の低下や階調の軟調化が生じることがわかる。これに対
して、本発明の処理1Bでは、感度、階調とも変動がほと
んどないことがわかる。
実施例2 実施例1の処理1Aにおいて、2ラウンドランニング処
理後、1日当たりの温調時間を10時間とし、かつカラー
ネガフィルムの処理量を1日300本の割合で2週間ラン
ニング処理するほかは同様に処理した。
これを処理2Aとする。
また、処理2Aにおいて、自現機の発色現像槽と漂白槽
とを第1図に示すように電極等を設置したものにかえ
て、そのほかは同様に処理した。
電極、塩橋は、原則として実施例1の処理1Bと同じも
のを用いた。
ただし、電極の大きさは、同様に、陰極15cm×100c
m、陽極15cm×100cmとし、通電条件は印加電圧1.2Vと
し、1.35Aの電流とした(電流密度0.9mA/cm2)。
これを処理2Bとする。
さらに、処理2Aにおいて、自現機の発色現像槽、漂白
槽および定着槽を第2図に示すように電極等を設置した
ものにかえて、そのほかは同様に処理した。これを処理
2Cとする。
電極、塩橋は、原則として実施例1の処理1Bと同じも
のを用いた。
ただし、電極の大きさ、通電条件は以下のようにし
た。
発色現像槽、漂白槽間 陰極の大きさ 15cm×60cm 陰極の大きさ 15cm×60cm 通電条件 印加電圧0.9V、電流1.08A(電流密度1.2mA/cm2) 漂白槽、定着槽間 陽極の大きさ 15cm×60cm 陰極の大きさ 15cm×60cm 通電条件 印加電圧0.9V、電流1.08A(電流密度1.2mA/cm2) 処理2A、2B、2Cにおいて、それぞれ、2ラウンド時点
の写真性能と2週間後時点の写真性能とを比較した。
写真性能は、実施例1と同様にして、緑感層の感度お
よび階調、脱銀不良、復色不良を調べて評価した。
ただし、脱銀不良については、遠赤外線インスペクタ
ーにより現像された色素部分を観察することによっても
行った。
結果を表2に示す。
さらに、処理2A、2B、2Cにおいて、2週間処理後、引
き続き4ケ月間1日1本の割合でランニング処理し、こ
の4ケ月後時点の緑感層の感度および階調を調べた、ま
た、これらの各処理において、2週間処理後の定着液を
未処理のまま4ケ月放置し、沈殿物の発生状況について
調べた。これらの結果も併せて表2に示す。
表2より、従来の処理2Aでは、十分な写真性能のもの
が得られないのに対し、本発明の処理2B、2Cではいずれ
も写真性能が良好なものが得られることがわかる。
また、処理2Cでは、処理2Bに比べて、脱銀不良および
復色不良の点でさらに改善されることが確認された。
なお、処理2Aにおいて、漂白槽にエアレーションする
構成のものを採用して同様に処理したところ、脱銀不
良、復色不良のいずれについても良化したが、それでも
なおわずかに発生がみられた。また、エアレーションに
より、漂白液が飛散し、自現機やその周辺が汚染された
り、発色現像液に混入する問題が生じた。
実施例3 実施例2の処理2B、2Cのそれぞれにおいて、漂白工程
と定着工程との間の水洗工程を省略してそのほかは同様
に処理したところ、写真性能上、特に問題はなかった。
また、処理2Cでは、処理2Bに比べて、さらに、脱銀不
良と復色不良の点で改善されることが確認された。
したがって、本発明では処理時間を10%程度短縮でき
る。
実施例4 特開平1−259359号公報の実施例2の試料201のカラ
ーネガフィルムを用いて、これを露光した後、シネ式自
動現像機を用いて、実施例1と同条件で、ランニング処
理した。
以下に処理液の組成を示す。
(定着液) 母液、補充液共通(g) エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム塩 1.7 亜硫酸ナトリウム 14.0 重亜硫酸ナトリウム 10.0 チオ硫酸アンモニウム水 溶液(70%重量/容量) 320.0 水を加えて 1.0l pH 7.2 (水洗液)母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンド
ハース社製アンバーライトIR120B)とOH型アニオン交換
樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カ
ラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度
を3mg/l以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸
ナトリウム30mg/lと硫酸ナトリウム1.5g/lを添加した。
この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
(安定液) 界面活性剤 0.4 [C10H21-0CH2CH2O10H] トリエタノールアミン 2.0 1,2−ベンツイソチア 0.01 ゾリン−3−オン メタノール 0.3 ホルマリン(37%) 1.5 水を加えて 1 pH 6.5 これを処理4Aとする。
処理4Aにおいて、自現機の発色現像槽と漂白槽とを第
3図に示すように電極等を設置したものにかえて、その
ほかは同様に処理した。これを処理4Bとする。
この場合、発色現像槽および漂白槽に各々設置する陰
極および陽極は、実施例1の処理1Bにおけるものと同じ
ものを用いた。
また、陰イオン交換膜は、Neosepta AFN−7)徳山曹
達製)を用いた。
通電条件は、10Vの電圧を印加し、1.5Aの電流が流れ
るようにした(電流密度0.7mA/cm2)。
電圧の印加は、感光材料の処理信号を受けて1分後に
行ない、感光材料の処理信号を20分間受けないときは印
加を停止するようにした。
処理4A、4Bにおいて、それぞれ、2ラウンド時点の写
真性能と4ケ月後の時点の写真性能等を実施例1と同様
にして評価し、比較した。
結果を表3に示す。
表3の結果より、実施例1と同様の効果が得られると
ともに、処理4Bでは、漂白液に対するBr-等のハロゲン
化物イオンの移動が生じるので、臭化アンモニウムの補
充液中における添加量を60g/lまで減少させることがで
きた。
実施例5 実施例4の処理4Bにおいて、発色現像液と漂白液との
間に、2枚の陰イオン交換膜を設置し、1%の食塩水を
介在させるものとした。
このようにしても、実施例4の処理4Bと同等の効果が
得られるほか、上記の電解質溶液を介在させることによ
って、さらに、陰イオン交換膜の耐久性が向上(約3
倍)したため、膜の交換頻度が少なくなった。また、も
っと低品位の陰イオン交換膜も使用できるようになっ
た。
実施例6 実施例4の処理4Aにおいて、2ラウンドランニング処
理後、実施例2と同条件で、1日当たりの温調時間を10
時間とし、かつカラーネガフィルムの処理量を1日300
本の割合で2週間ランニング処理するほかは同様に処理
した。これを処理6Aとする。
また、処理6Aにおいて、自現機の発色現像槽と漂白槽
とを第3図に示すように電極等を設置したものにかえ
て、そのほかは同様に処理した。電極、陰イオン交換膜
は、原則として実施例4の処理4Bと同じものを用い、通
電条件も同様とした。これを処理6Bとする。
また、処理6Aにおいて、自現機の漂白槽および定着槽
を、漂白液と定着液との間に陰イオン交換膜を設置した
ものにかえ、漂白液に陽極、定着液に陰極をそれぞれ浸
漬する構成とするほかは、同様に処理した。これを処理
6Cとする。
電極、陰イオン交換膜は、上記と同様のものを用い、
通電条件も同様とした。
さらに、処理6Aにおいて、自現機の発色現像槽、漂白
槽および定着槽を、第4図に示すものにおいて、電解質
溶液を介在させることなく、発色現像液、漂白液および
定着液の各処理液間にそれぞれ陰イオン交換膜を設置し
た構成にかえて、そのほかは同様に処理した。これを処
理6Dとする。
電極、陰イオン交換膜は、上記と同じものを用いた。
ただし、電極の大きさ、通電条件は、実施例2と同じ
ものとした。
これらの処理6A、6B、6C、6Dにおいて、実施例2と同
様にして、写真性能等を調べ、比較した。
結果を表4に示す。
表4の結果より、実施例2と同様の効果が得られると
ともに、処理6Bでは、漂白液に対するBr-等のハロゲン
化物イオンの移動が生じるので、臭化アンモニウムの漂
白補充液中における添加量を60g/lまで減少させること
ができた。また、処理6Cでは、定着液から上記の移動が
生じるので、臭化アンモニウムの漂白補充液中における
添加量を90g/lまで減少させることができた。さらに、
処理6Dでは、発色現像液および定着液の両液から上記の
移動が生じるので、臭化アンモニウムの漂白補充液中に
おける添加量を20g/lまで減少させることができた。
実施例7 実施例6の処理6Dにおいて、発色現像槽、漂白槽およ
び定着槽を、第5図に示すものにかえて処理した。すな
わち、処理6Cにおいて、各処理液間に、2枚の陰イオン
交換膜を設置し、臭化カリウムの2%溶液をそれぞれ介
在させるものとした。
このようにしても、実施例6の処理6Dと同等の効果が
得られるほか、各処理液間に上記の電解質溶液を介在さ
せることによって、さらに、実施例5と同様の効果が得
られる。
実施例8 沃臭化銀平板粒子の調製 水1中にゼラチン30g、臭化カリウム6g加え60℃に
保った容器中に攪拌しながら硝酸銀水溶液(硝酸銀とし
て5g)と沃化カリウム0.15gを含む臭化カリウム水溶液
を1分間かけてダブルジェット法で添加した。さらに硝
酸銀水溶液(硝酸銀として145g)と沃化カリウム4.2gを
含む臭化カリウム水溶液をダブルジェット法で添加し
た。この時の添加流速は、添加終了時の流速が、添加開
始時の5倍となるように流量加速を行なった。添加終了
後、沈降法により35℃にて可溶性塩類を除去したのち40
℃に昇温してゼラチン75gを追添し、pHを6.7に調製し
た。得られた乳剤は投影面積直径が0.98μm、平均厚み
0.138μmの平板状粒子で、沃化銀含量は3モル%であ
った。この乳剤に、金、イオウ増感を併用して化学増感
を施した。
表面保護槽として、ゼラチンの他に平均分子量8000の
ポリアクリルアミド、ポリエチレンスルホン酸ソーダ、
ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ3.0
μm)、ポリエチレンオキサイド、および硬膜剤などを
含有したゼラチン水溶液を用いた。乳剤に下記の割合で
増感色素と沃化カリウムを添加した。さらに安定剤とし
て4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイ
ンデンと2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチ
ルアミノ−1,3,5−トリアジンおよびニトロン、乾燥カ
ブリ防止剤としてトリメチロールプロパン、塗布助剤、
硬膜剤を添加して塗布液として、ポリエチレンテレフタ
レート支持体の両側に各々表面保護層と同時に塗布乾燥
して感光材料を作製した[塗布銀量(片面あたり)2.0g
/m2]。
増感色素 アンヒドロ−5,5′−ジ−クロロ−9−エチル−3,3′
−ジ(3−スルフォプロピル)オキサカルボシアニンハ
イドロオキサイドナトリウム塩 500mg/1モルAg 沃化カリ 200mg/1モルAg 処理は以下のように行なった。
〈現像液処方〉 38l用Part A 水酸化カリウム 1107g 亜硫酸カリウム 1680g 炭酸水素ナトリウム 285g ホウ酸 38g ジエチレングリコール 456g エチレンジアミン四酢酸 63.5g 5−メチルベンゾトリアゾール 2.28g ヒドロキノン 1140g 水を加えて 9.50lPart B 氷酢酸 416g ジエチレングリコール 644.5g 5−ニトロインダゾール 9.5g 1−フェニル−3−ピラリドン 57g Part C グルタールアルデヒド 187.3g メタ重亜硫酸ナトリウム 478.8g 水を加えて 950ml スターター 酢酸 270g 臭化カリウム 300g 水を加えて 1.5l 〈現像液調製法〉 約50lの補充液ストックタンクに水20lを入れ、次いで
上記PartA、PartB、PartCを順次攪拌しながら添加溶解
して最後に水で38lとし、現像液補充液とした(pH10.3
0)。
この現像液補充液1に対して上記スターター20mlの
割合で添加した現像液を最初に自動現像機の現像処理タ
ンクに満たした(pH10.15)。以後、感光材料処理され
た毎に現像補充液を45ml/四切1枚(10inch×12inch)
補充した。
〈定着液処方〉 (38l用の処方)Part A チオ硫酸アンモニウム 70wt/vol% 7.6g エチレンジアミン四酢酸二 ナトリウム二水塩 0.76g 亜硫酸ナトリウム 570g ホウ酸 380g 水酸化ナトリウム 254.6g 酢酸 570g 水を加えて 9.5lPart B 硫酸アルミニウム 380g 硫酸(36N) 148.2g 水を加えて1.9g 〈定着液調製法〉 約50lの補充液ストックタンクに水20lを入れ、次いで
上記PartA、PartB、PartCを順次攪拌しながら添加、溶
解して最後に水で38lとし、定着液補充液とした。
この定着液補充液と同じものを最初に自動現像機の定
着処理タンクに満たした(pH4.25)。
以後、感光材料が処理される毎に上記定着補充液を30
ml/四切1枚(10inch×12inch)補充した。
〈水洗水〉 水道水を用いた。
この水洗水を最初に自動現像機の水洗処理タンクに満
たした。
補充量は、45ml/四切1枚(10inch×12inch)とし
た。
なお、Dry to Dryの処理時間は96秒であった。
このようにして、四切サイズの感光材料を1日2枚の
割合で2ケ月間ランニング処理を行なった。
これを処理8Aとする。
処理8Aに用いた自現機を、第5図に示すものにかえ
て、現像液および定着液と電解質溶液との間に陰イオン
交換膜を設置し、電極等を配設したものにかえて処理し
た。これを処理8Bとする。
ただし、槽構成は処理工程に応じて変更するものと
し、電極、陰イオン交換膜は、実施例4と同じものを用
いた。また、電解質溶液は、K2SO4の2%溶液を使用し
た。
また、通電条件は、0.8Vの電圧を印加し、1.1Aの電流
が流れるようにした(電流密度0.5mA/cm2)。
電圧の印加は、感光材料の処理信号を受けて1分後に
行ない、感光材料の処理信号を20分間受けないときは印
加を停止するようにした。
処理8A、8Bにおいて、それぞれ、ランニング開始時と
2ケ月ランニング処理後とにおける感度、階調を調べ
た。さらに、ランニングを続行し、5ケ月後の定着不良
を調べた。
階調は、写真特性曲線の直線部分の傾きとし、定着不
良は、蛍光X線分析法により銀量を測定して、5μg/cm
2以上を定着不良発生と判断した。
また、実施例1と同様にして、黒白現像液および定着
下液中の亜硫酸塩(保恒剤)の減少率を求めた。さら
に、1週間ランニング処理後の定着液を5ケ月間放置し
たものについて、沈殿物の発生状況を調べた。
結果を表5に示す。
表5に示す結果から、本発明の処理8Bでは、感度、階
調とも変動がなく、定着不良の発生もないことがわか
る。また、処理8Aでは、現像槽、定着槽において、銀汚
れが発生したにもかかわらず、処理8Bではほとんど発生
しなかった。
実施例9 実施例8の処理8Bにおいて、現像槽および定着槽部分
を第6図に示すものにかえて、同様に処理した。このと
き、現像槽のオーバーフローおよび定着槽のオーバーフ
ローは、隣接するそれぞれの液槽に流入するようにし
た。通常条件等は、実施例8と同様とした。これを処理
9Bとする。
この処理9Bにおいても、実施例8の処理8Bと同様の効
果が得られるとともに、現像槽のオーバーフロー、定着
槽のオーバーフローをそのまま廃液とする場合に比べ
て、廃液負荷が低下した。
実際、実施例8の処理8Aでは、現像液の廃液のCODは1
7,000ppm、定着液の廃液のCODは5,000ppmであるのに対
し、処理9Bでは、現像液の場合9,000ppm、定着液の場合
3,000ppmであった。
実施例10 実施例9の処理9Bにおいて、現像槽と定着槽の部分
を、第8図に示すような構成にかえて、オーバーフロー
の流出入方向も同様にして処理したところ、処理9Bと同
等の効果が得られた。
〈発明の効果〉 本発明によれば、カラー感光材料の処理において、現
像液および漂白能を有する処理液の処理性能の維持管理
を容易に行なうことができる。
また、さらには定着能を有する処理液においても同様
の効果を得ることができる。
さらには、必要な成分を補うこともできる。
この結果、得られる画像の写真性能を長期にわたる連
続処理においても良好なままとすることができ、これら
の処理液の補充量を低減することが可能となる。
また、処理時間を短縮することができる。
このような効果は、黒白感光材料の処理においても同
様に得ることができ、現像液および定着液の維持管理を
容易に行なうことができる。
さらには、現像液や定着能を有する処理液において、
廃液負荷を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図および第4図は、それぞれ、本
発明に適用される処理装置の構成例を示す概略断面側面
図である。 第5図、第6図、第7図および第8図は、それぞれ、本
発明に適用される処理装置の槽構成を模式的に示す平面
図である。 第9a図は、本発明に適用される処理装置の槽構成を模式
的に示す平面図であり、第9b図は、その断面側面図であ
る。 第10図は、本発明に適用される処理装置の槽構成を模式
的に示す平面図である。 符号の説明 1〜10……処理装置 11……発色現像槽 12……漂白槽 14……定着槽 21、22……液槽 31、41……陰極 32、42……陽極 35、45……塩橋 A1〜A4……陰イオン交換膜 51……現像槽 52……定着槽 61、611、615、62〜68……液槽 71、73……陰極 72、721、725、74、76、78、80、82、84……陽極 A5〜A15……陰イオン交換膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−209471(JP,A) 特開 平3−293661(JP,A) 特開 昭49−66343(JP,A) 特開 昭51−84636(JP,A) 特開 平4−147139(JP,A) 特開 平1−200355(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽
    に満たした現像液で現像処理したのち、漂白能を有する
    処理槽に満たした漂白能を有する処理液で処理する写真
    処理方法において、 前記現像槽内に陰極を、前記漂白能を有する処理槽内に
    陽極をそれぞれ設置し、かつ前記現像液と前記漂白能を
    有する処理液とが互いに混合しないようにして両液を電
    気的に連結し、前記陽極と前記陰極に通電することを特
    徴とする写真処理方法。
  2. 【請求項2】前記ハロゲン化銀感光材料を、前記漂白能
    を有する処理液で処理したのち、さらに定着能を有する
    処理槽内に満たした定着能を有する処理液で処理し、 前記漂白能を有する処理液と前記定着能を有する処理液
    とが互いに混合しないようにして両液を電気的に連結
    し、 前記漂白能を有する処理槽内に設置した陽極と、前記定
    着能を有する処理槽内に設置した陰極とに通電する請求
    項1に記載の写真処理方法。
  3. 【請求項3】露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽
    に満たした現像液で現像処理したのち、漂白能を有する
    処理槽に満たした漂白能を有する処理液で処理する写真
    処理方法において、 前記現像槽および前記漂白能を有する処理槽を、前記現
    像液と前記漂白能を有する処理液とが隔壁によって仕切
    られるように並設し、この隔壁の少なくとも一部を陰イ
    オン交換膜で構成し、かつ前記現像槽内に陰極を、前記
    漂白能を有する処理槽内に陽極を、それぞれ設置し、前
    記陰極と前記陽極に通電することを特徴とする写真処理
    方法。
  4. 【請求項4】前記現像槽および前記漂白能を有する処理
    槽間に、前記処理液とは異なる電解質溶液を満たした液
    槽を介在させ、前記現像液と前記電解質溶液とを仕切る
    隔壁の少なくとも一部、および前記漂白能を有する処理
    液と前記電解質溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部を
    陰イオン交換膜で構成する請求項3に記載の写真処理方
    法。
  5. 【請求項5】さらに、前記漂白能を有する処理槽の後方
    に、処理槽を設置し、この処理槽内に隔壁を設け、この
    隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成し、この
    隔壁を介して一方の側に定着能を有する処理液を満たし
    てかつ陰極を設置し、もう一方の側に前記処理液とは異
    なる電解質溶液を満たしてかつ陽極を設置し、前記陰極
    と前記陽極とに通電する請求項3または4に記載の写真
    処理方法。
  6. 【請求項6】露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽
    に満たした現像液で現像処理したのち、漂白能を有する
    処理槽に満たした漂白能を有する処理液および定着能を
    有する処理槽に満たした定着能を有する処理液でそれぞ
    れ処理する写真処理方法において、 前記漂白能を有する処理槽および前記定着能を有する処
    理槽を、前記漂白能を有する処理液と前記定着能を有す
    る処理液とが隔壁によって仕切られるように並設し、こ
    の隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成し、か
    つ前記漂白能を有する処理槽内に陽極を、前記定着能を
    有する処理槽内に陰極を、それぞれ設置し、前記陰極と
    前記陽極に通電することを特徴とする写真処理方法。
  7. 【請求項7】前記漂白能を有する処理槽および前記定着
    能を有する処理槽間に、前記処理液とは異なる電解質溶
    液を満たした液槽を介在させ、前記漂白能を有する処理
    液と前記電解質溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部、
    および前記定着能を有する処理液と前記電解質溶液とを
    仕切る隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成す
    る請求項6に記載の写真処理方法。
  8. 【請求項8】さらに、前記現像槽内に隔壁を設け、この
    隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成し、この
    隔壁を介して一方の側に現像液を満たしてかつ陰極を設
    置し、もう一方の側に前記処理液とは異なる電解質溶液
    を満たしてかつ陽極を設置し、前記陰極と前記陽極とに
    通電する請求項6または7に記載の写真処理方法。
  9. 【請求項9】露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像槽
    に満たした現像液で現像処理したのち、漂白能を有する
    処理槽に満たした漂白能を有する処理液で処理し、その
    後定着能を有する処理槽に満たした定着能を有する処理
    液で処理する写真処理方法において、 前記現像槽と前記漂白能を有する処理槽、および前記漂
    白能を有する処理槽と前記定着能を有する処理槽を、前
    記現像液と前記漂白能を有する処理液とが、および前記
    漂白能を有する処理液と前記定着能を有する処理液と
    が、隔壁によってそれぞれ仕切られるように並設し、こ
    れらの隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成
    し、かつ前記現像槽内に陰極を、前記漂白能を有する処
    理槽内に陽極を、前記定着能を有する処理槽内に陰極を
    それぞれ設置し、前記陰極と前記陽極に通電することを
    特徴とする写真処理方法。
  10. 【請求項10】前記現像槽と前記漂白能を有する処理槽
    間に、前記処理液とは異なる電解質溶液を満たした液槽
    を介在させ、前記現像液と前記電解質溶液とを仕切る隔
    壁の少なくとも一部、および前記漂白能を有する処理液
    と前記電解質溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部を陰
    イオン交換膜で構成する請求項9に記載の写真処理方
    法。
  11. 【請求項11】前記漂白能を有する処理槽と前記定着能
    を有する処理槽間に、前記処理液とは異なる電解質溶液
    を満たした液槽を介在させ、前記漂白能を有する処理液
    と前記電解質溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部、前
    記定着能を有する処理液と前記電解質溶液とを仕切る隔
    壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成する請求項
    9または10に記載の写真処理方法。
  12. 【請求項12】露光後のハロゲン化銀感光材料を、現像
    槽に満たした現像液で現像処理したのち、定着能を有す
    る処理槽に満たした定着能を有する処理液で処理する写
    真処理方法において、 前記現像槽と前記定着能を有する処理槽を並設し、さら
    に、両槽に接して、前記処理液とは異なる電解質溶液を
    満たした液槽を、前記現像液と前記電解質溶液、および
    前記定着能を有する処理液と前記電解質溶液とが隔壁に
    よって仕切られるように、少なくとも1個設置し、この
    隔壁の少なくとも一部を陰イオン交換膜で構成し、かつ
    前記現像槽内および前記定着能を有する処理槽内に陰極
    をそれぞれ設置し、前記液槽内に陽極を設置し、前記陰
    極と前記陽極とに通電することを特徴とする写真処理方
    法。
  13. 【請求項13】現像液を満たした現像槽および定着能を
    有する処理液を満たした定着能を有する処理槽を有し、
    露光後のハロゲン化銀感光材料を処理するように構成し
    た写真処理装置において、 前記現像槽に接して設置された液槽および前記定着能を
    有する処理槽に接して設置された液槽を有し、 前記現像槽から排出された現像液および前記定着能を有
    する処理槽から排出された定着能を有する処理液が前記
    液槽内に、それぞれ流入される構成とされており、 前記現像液と前記液槽内の電解質溶液とを仕切る隔壁、
    および前記定着能を有する処理液と前記液槽内に電解質
    溶液とを仕切る隔壁の少なくとも一部は陰イオン交換膜
    を有し、 前記現像槽内および前記定着能を有する処理槽内にそれ
    ぞれ設置された陰極と前記各液槽内にそれぞれ設置され
    た陽極とを有し、 前記陰極および陽極は通電可能な構成とされていること
    を特徴とする写真処理装置。
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