JP2700720B2 - 現像処理装置 - Google Patents

現像処理装置

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JP2700720B2
JP2700720B2 JP3061056A JP6105691A JP2700720B2 JP 2700720 B2 JP2700720 B2 JP 2700720B2 JP 3061056 A JP3061056 A JP 3061056A JP 6105691 A JP6105691 A JP 6105691A JP 2700720 B2 JP2700720 B2 JP 2700720B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影用ハロゲン化銀感
光材料特にカラー感光材料の画像形成のための現像処理
に使用する処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー感光材料(以下単に
感光材料とする)の画像形成のための現像処理において
は、従来露光後の感光材料は、先ず発色現像処理した
後、漂白能を有する処理液を用いて脱銀処理をする。こ
の場合の漂白能を有する処理液としては、漂白液、漂白
定着液が挙げられ、感光材料の画像形成のための現像処
理はしたがって脱銀処理工程の仕方によって以下のよう
な種々の工程が行われている。 発色現像→漂白→定着→水洗→(安定) 発色現像→漂白→漂白定着→定着→水洗→(安定) 発色現像→漂白→漂白定着→水洗→(安定) 発色現像→漂白定着→水洗→(安定) このような中でも、発色現像→漂白の処理工程を含む
、、の工程が通常一般に行われている。以下に最も
一般に行われるの工程に従って発色現像処理における
主要な処理剤についてその作用と処理剤の消費を補充す
る従来の方法についてその主要部分の概略を説明する。
【0003】感光材料の発色現像は、現像主薬、保恒剤
及びpH緩衝剤等を主として含む発色現像液を用いて行
われ、その作用は、露光されて生じたハロゲン化銀結晶
の有する潜像に現像主薬が作用して、ハロゲン化銀を銀
に還元し、ハロゲンイオンを放出し、現像主薬は酸化さ
れ、この酸化体が感光材料中のカプラーとカップリング
して色素画像を形成する。
【0004】漂白工程における漂白能を有する処理剤の
作用は、感光材料中に現像工程において生じた還元銀
を、漂白能を有する処理剤を含む処理液によって酸化し
て、無色な銀塩に漂白し、漂白処理剤は酸化される。こ
の時ハロゲンイオンが共存すると酸化漂白の作用を促進
する。次に行われる定着工程における定着能を有する処
理剤の作用は、感光材料中に漂白工程において生じた無
色な銀塩を、定着能を有する処理剤を含む処理液によっ
て溶解除去する作用である。最後に水洗が、そして要す
れば安定化処理が行われる。
【0005】従来の感光材料の発色現像処理において
は、各工程において消費される処理剤の消費を補充する
方法は、例えば発色現像工程では新鮮な発色現像液をタ
ンクから発色現像処理槽に補充し、疲労した処理液はオ
ーバーフローにより排出することにより、感材から溶出
されるハロゲンイオンを一定に維持して写真処理が行わ
れている。このため通常は多くの補充液を必要としてき
た。また、漂白工程では感材が持ち込む発色現像液と感
材中の現像銀を漂白するために漂白剤が減少するため新
鮮な漂白液を補充タンクから漂白処理槽に補充し、疲労
した処理液をオーバーフロー排出させることにより、漂
白剤の量を維持して写真処理が行われている。この場合
オーバーフローされた漂白液は一時貯蔵し、場合によっ
てはエアレーションしたのちに漂白再生剤を加えて再利
用することにより結果として系外への排出を少なくする
ことができる。定着工程(場合によっては漂白定着で
も)では、感材を処理すると感材よりハロゲンの溶出と
銀の溶出が起こり処理能力が低下するために定着補充液
を処理槽に補充し疲労した処理液をオーバーフローさせ
て処理能力を維持して写真処理が行われる。この場合オ
ーバーフローした液を一時貯蔵し電解装置にて除銀を行
った後、消費された薬品を補う意味で定着再生剤を加え
て補充液として再利用すると結果として系外への排出を
少なくすることができる。しかし、この方法では、ハロ
ゲンが除去できないため一定量以上の系外排出が必須で
ある。
【0006】しかしながら、従来のような、処理液の補
充と余剰液の排出による各処理工程処理能力の維持方法
では、能力の維持のために補充液が多量必要である。廃
液の排出量を少なくするためには以上述べた設備(オー
バーフロー液の貯蔵槽)、装置(電解装置)を必要と
し、かつ再生のための管理に多大の労力を要する。その
上排出される各種の処理液の廃液処理のためにも高いコ
ストがかかる。
【0007】カラー現像液の能力維持のための方法とし
て特開昭53−20927号公報には、TVフイルムR
−100を400カラー現像液で処理する場合につい
て、その発色現像処理において、発色現像処理槽の外部
にハロゲンイオン透析器を設置し、現像処理槽と透析器
との間にカラー現像液を循環させて、カラー現像液中の
ブロムイオンを自動分析器でイオン濃度を測定しなが
ら、そのイオン濃度の値によって透析条件を制御してカ
ラー現像液の疲労を緩和して、補充液量を低減する方法
が記載されている。しかしながら、この方法では、ブロ
ムイオンの自動分析器の維持管理に多大の労力を要する
ばかりでなく、ハロゲンイオンの積極的な利用には結び
つかず、従って経済的にも、労力的にも効果のある改良
方法とはいえない。
【0008】最近、上記の発色現像処理における各処理
工程における処理剤の消費を補充する量を低減するため
に、各処理工程における処理剤の消費量を、感光材料の
撮影条件から割り出して、それに見合う補充量だけ補充
しようとする試みがなされている。すなわち、使用する
感光材料にその撮影条件を記録し、記録された撮影条件
を何らかの方法で、発色現像処理の各処理工程における
処理剤の消費を補充する量に換算して、換算補充量を補
充手段にフィードバックして補充する量を低減しようと
する試みである。
【0009】しかしながら、この方法によってだけで
は、発色現像処理における各処理工程における処理剤の
再生や自然経時による処理剤の劣化を抑制する等の積極
的な消費量の低減レベルが小さく、効果が少ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ハロ
ゲン化銀カラー感光材料の画像形成のための自動現像処
理において、発色現像処理に使用する各種処理液を、画
像の品質を維持向上しながら、消費量を低減できる処理
装置を開発することにある。本発明の目的は、発色現像
の工程の諸段階において、処理液中に通電して、現像処
理の諸段階で使用する処理剤の消費量を、処理剤の再生
や自然経時による処理剤の劣化を抑制する等の積極的な
手段によって消費量を低減できる現像処理装置を開発す
ることにある。更に本発明の目的は、使用する感光材料
に記録された撮影条件を現像処理の際の通電処理の制御
にフィードバックして通電処理方法に使用する電気量を
低減することにある。
【0011】本発明の上記課題は、撮影用ハロゲン化銀
感光材料自体又はその収納容器に撮影時の露光条件に関
する情報を担持した撮影用ハロゲン化銀感光材料を搬送
し、処理槽内の処理液に浸漬して処理する少なくとも発
色現像層及び漂白能を有する処理槽を有する感光材料処
理装置において、前記情報を読み取る読取手段と、前記
発色現像槽内に陰極を、漂白能を有する処理槽内に陽極
を設置し、かつ両槽間に陰イオン交換膜を設け、前記読
取手段からの情報に基づいて陽極・陰極間を通電する手
段を有することを特徴とする現像処理装置を開発するこ
とによって達成される。上記撮影用ハロゲン化銀感光材
料が、一方又は両方の側端部にパーフォレーションが形
成されており、このパーフォレーションの形成密度が一
画面当たり4ケ以内である撮影用感光材料であることに
よってよりよく達成される。また、特に上記撮影用ハロ
ゲン化銀感光材料(以下には単に感光材料と略記する)
に磁性材料が塗布されているか或いは感光材料がIC基
板付のパトローネに収められていることによって、撮影
時の露光条件に関する情報を感光材料自体又はその収納
容器に担持させることができるので好ましい。
【0012】感光材料を現像処理する場合には、露光後
の感光材料を発色現像処理した後、漂白能を有する処理
液を用いて脱銀処理する。脱銀処理された感光材料は、
次に定着能を有する処理液によって処理され、水洗工程
を経て、要すれば安定化処理が行われる。ここで、定着
能を有する処理液は、定着液と漂白定着液である。この
時、発色現像処理に用いる発色現像液を満たした現像槽
内に陰極を設置し、また漂白能を有する処理液を満たし
た漂白能を有する処理槽内に陽極を設置し、かつ発色現
像液及び漂白能を有する処理液を両液が混合しないよう
にして電気的に連結し、両極に通電する。また、定着能
を有する処理液を満たした定着能を有する処理槽内に陰
極を設置し前記漂白能を有する処理液を満たした漂白能
を有する処理槽内に設置した陽極とをやはり両液が混合
しないようにして電気的に連結し、両極に通電する。
【0013】この場合の漂白能を有する処理液として
は、漂白液、漂白定着液が挙げられ、感光材料の画像形
成のための現像処理はしたがって脱銀処理工程の仕方に
よって既に上記した〜の工程が適用可能であるが、
このようななかでもの工程に適用することが好まし
い。なお、及びの工程では、発色現像槽内に陰極
を、陽極は漂白槽か漂白定着槽の何れの槽に設置しても
よいが、漂白槽に設置することが好ましい。の工程で
は、発色現像槽内に陰極を、陽極は漂白定着槽に設置す
ることで行うことができる。また、やの工程では、
定着槽や漂白定着槽に陰極を設置し、陽極はそれ等の槽
に隣接して置いた電解質槽中に設置して、隣接する槽内
の液が混合しないようにして電気的に連結し、両極に通
電する方法も行うことができる。
【0014】上記通電処理設備を有する感光材料の発色
現像処理設備内に下記のような撮影時の露光条件に関す
る情報を担持した感光材料を搬送し、処理層内の処理液
に浸漬して処理する。即ち、感光材料に磁性材料が塗布
されているか、IC基板付のパトローネに納められた感
光材料を用いて、その感光材料の磁気記録トラック、或
いはパトローネに取りつけたIC基板に、撮影時にカメ
ラからその露光条件に関する情報を担持させ、その情報
が発色現像処理設備の感材供給部の近傍に設けた情報の
読み取り手段によって読み取られ、記録される。露光条
件に関する情報としては、シャッタースピード、絞り、
LV値(ストロボを使用していない時の撮影光量値)、
逆光か否か、使用ストロボの光量、ストロボと被写体と
の距離等のような各画像毎に異なる撮影情報とフイルム
メーカー、フイルム種、フイルム製造年月日のようなフ
イルム情報等が挙げられる。
【0015】読み取り手段25により読み取られた情報
は、電気信号に変換して取り出され、例えばマイクロコ
ンピュータで構成される制御手段に入力され、制御手段
において入力された情報から必要なものを抽出し、その
情報に基づいて所定の演算を行い、演算結果に基づいて
通電するべき電気量を決定して、陰極が設置してある現
像槽内と、陽極が設置してある漂白処理槽内との間に両
電極を通して通電する。また、同時に陰極が設置してあ
る定着槽内と、陽極が設置してある漂白槽内との間にも
両電極を通して通電する。この場合現像槽内と漂白処理
槽内との間の通電のタイミング及び通電量は、定着槽内
と漂白処理槽内との間、或いは定着槽内(または漂白定
着槽内)と外部電解質槽との間の通電のタイミング及び
通電量と同じであっても異なっていてもよい。
【0016】上記通電によって、発色現像液では処理の
休止中等に空気酸化された保恒剤や発色現像主薬が電極
面で還元されることになり、現像力の劣化が防止され
る。一方漂白能を有する処理槽内では漂白剤が電極面で
再び酸化され酸化力が回復する。さらに、現像液中に蓄
積されたハロゲンは、陰イオン交換膜を通して漂白液中
に移動するため現像液の補充を著しく低減できる。一方
漂白液にはハロゲンを加える必要がなく、補充を著しく
低減できる。しかも通電時の陽極反応により漂白剤が再
生されるためエアレーションの必要もなく、管理労力が
著しく低減する。また、現像槽と漂白能を有する処理
槽、及び定着能を有する処理槽と漂白能を有する処理槽
とはお互いにアニオン通過性の陰イオン交換膜(場合に
よっては多孔性隔膜;例えば、塩橋、素焼き、多孔性セ
ラミックス)で電気的に連結されているので、発色現像
液中及び定着能を有する処理液中のハロゲンイオンが漂
白能を有する処理液中に移行しこのハロゲンイオンが漂
白を促進する役割を演ずる他、発色現像液のハロゲンイ
オンの増加による劣化を防ぎ、さらに、定着液中のハロ
ゲンが系外へ除去されると同時に陰極に銀が析出し、チ
オ硫酸塩が再生されるので、銀塩の溶解を促進するし、
かつ補充量も下げることができる。
【0017】後に更に補足説明を行うが、発色現像処理
槽内に、カメラから得た撮影時の露光条件に関する情報
を担持した感光材料を搬送し、処理液に浸漬して処理す
る際に、その情報に基づいて処理液に通電することによ
って、処理剤の再生や自然経時による処理剤の劣化を抑
制する等の積極的な効果が生じて、現像処理の諸段階で
使用する処理剤の消費量を低減することができる。
【0018】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について上記
の現像処理工程に基づき図1を用いて詳細に説明す
る。図1は本発明の処理装置1を模式的に示した側面全
体図である。また、図2は処理装置1の処理部3を俯瞰
して、模式的に示した平面図である。説明に使用する感
光材料は撮影用写真フイルムであり、以下には単にフイ
ルムという。
【0019】処理装置1は、フイルムFが搬入される搬
入部2と、フイルムFを処理する処理部3と、処理され
たフイルムFを乾燥する乾燥部4と、フイルムFを搬出
する搬出部5とから構成され、搬入部2、処理部3、乾
燥部4は遮光性を有し、かつ光密を維持し得るケーシン
グ100内に収納されている。
【0020】搬入部2には、フイルムFの収納ケースを
ストックしておく感材供給部21が設けられ、該感材供
給部21の底部には、パトローネPのスプール(芯材)
を回転してフイルムFのベロ出しを行うベロ出し装置
(図示せず)が設けられている。該感材供給部21のフ
イルム引き出し口には、カッター231が設けられ、パ
トローネPからフイルムFの略全部が引き出されると、
カッター231の作動により、フイルムFが切断される
構造となっている。感材供給部21の底部には排出シャ
ッター212が設けられ、フイルムFを出し切ったケー
スが排出シャッター212より排出される。感材供給部
21の下方には空のケースが溜められるパトローネ集積
部22があり、溜められたケースは下部に設けられてい
るシャッター221を介して、外部に廃棄される。
【0021】また、感材供給部21の近傍には本処理装
置の操作パネル23が配置されている。一方、前記カッ
ター231を介して、読み取り手段25が、感材供給部
21のフイルム引き出し口に近接して配設されている。
読み取り手段25は、後述するフイルムFに担持されて
いる撮影情報を読み取るもので、撮影情報をフイルムF
に担持させる仕方には感光材料に磁性材料が塗布してそ
の磁性材料に記録するか、或いは感光材料をIC基板付
のパトローネに納めてそのIC基板に記録するかである
が、図1には磁性材料に記録した情報を読み取る磁気ヘ
ッドを有する磁気読み取り装置の場合を示している。
【0022】さらに、読み取り手段25に対してフイル
ムFの搬出側には、引き出されてくるフイルムFの先端
と、処理部3へ既に搬出されたフイルムFの終端とを突
き合わせて連結接続する接合装置24が設けられてい
る。この接合は、例えば、両フイルムFの端部同士を接
着または融着すること等により行われる。接合装置24
の具体例としては、粘着テープ、貼着装置、ヒートシー
ラー、高周波融着装置、ステープラ等が挙げられる。な
お、フイルムFの搬送形態に応じ、この接合装置24は
省略されてもよい。この接合装置24によって、処理さ
れるフイルムFは、前後端が連結されたまま連続的に処
理部3内で処理される。
【0023】フイルムFの搬送路に沿って、前記接合装
置24と読み取り手段25が配置されているが、後述す
る処理部3と接合装置24との間にはリザーバー26が
設けられている。図1に示されているように、リザーバ
ー26は現像槽31の搬入口に設けられ常時転動してい
る一対の搬送ローラー262と、前記接合装置24側に
設けられ、接合装置24のフイルム連結動作に応動する
連動ローラー261を有している。図示されているよう
に、搬送されたフイルムFは、搬送ローラー262と連
動ローラー261との間に垂れ下がって搬送されるよう
に構成されている。このリザーバー26は、パトローネ
Pから引き出されるフイルムFの速度と処理部3におけ
るフイルムFの搬送速度との差を調整する役割(緩衝作
用)を有する。また、一本のフイルムFの担持する情報
を読み取り手段25で読み取り、発色現像槽と漂白槽と
の間(及び/或いは定着槽と電解質槽との間)の通電条
件を制御する場合、該フイルムFが発色現像槽で処理さ
れる時期と制御された該通電条件で通電される時期との
タイミングを調節する役割を行わせることができる。
【0024】上記の現像処理工程に基づくフイルムの
処理の場合には、露光後のフイルムFは、先ず発色現像
処理した後、漂白能を有する処理液を用いて脱銀処理を
する。即ち、 処理部3の各処理槽は搬入部2側から、
現像槽31、漂白槽32、定着槽33、水洗槽34、安
定槽35の順に隣接して配置されており、これらの処理
槽には各種処理液が満たされている。また、定着槽33
と隣接して電解質槽36が配置されており、電解質液が
満たされている。
【0025】この時、発色現像処理に用いる発色現像液
を満たした現像処理槽31内に陰極51を設置し、また
漂白能を有する処理液を満たした漂白能を有する処理槽
32内に陽極52を設置し、かつ発色現像液及び漂白能
を有する処理液を両液が混合しないように2枚のイオン
交換膜150で作られた塩橋400で遮断し、電気的に
連結されている。この塩橋400の内部には、3%の塩
化カリウム溶液が満たされている。そして、この塩橋4
00の部分にはフイルムFは通らない。
【0026】また、定着能を有する処理液を満たした定
着能を有する処理槽33内に陰極53を設置し、隣接し
て設置されている電解質液満たした電解質槽36内に陽
極52を設置し、かつ定着液及び電解質液を両液が混合
しないようにイオン交換膜150で遮断し、電気的に連
結されている。通電する時の通電量は、概念的には、感
材種が異なれば感材の塗布銀量にほぼ対応して全体の通
電量が決定される。現像処理及び漂白処理の段階では、
フイルムが露光された露光量に対応して通電量が決定さ
れる。これに対して定着処理の段階では、感材種の塗布
銀量によってその通電量が決定される。(これら諸条件
と通電量の具体的な関係については、表1及び表2に示
される。)
【0027】各処理槽内及び処理槽間には、ローラやガ
イド等で構成されるフイルムFの搬送手段が設置されて
いる。フイルムFは、図1中に2点鎖線で示されている
ような経路で搬送され、現像槽31、漂白槽32、定着
槽33、水洗槽34、安定槽35内の処理液中に順次浸
漬され、処理がなされる。なお、処理部3における処理
槽の配置パターンや構成は図示のものに限定されない。
【0028】各処理槽内には、必要に応じて現像槽31
にはハロゲンイオンの自動分析器(図示せず)、漂白槽
32や定着槽34に酸化還元電位計(図示せず)を置い
て制御手段6からの情報による通電制御とは別個に、処
理液が疲労した場合には各処理槽毎に設けられている補
充装置7によって新鮮な補充液が適時補充され、疲労し
た処理液がオーバーフローにより排出され、これにより
処理槽内の処理液組成を適性に保ように構成されること
もできる。
【0029】乾燥部4は、処理部3にて処理された湿潤
状態のフイルムFに、例えば30〜70℃の温風を吹き
つけて乾燥するものであり、フイルムFに向けて温風を
送る送風機81とヒータ82とで構成されている。
【0030】次に、本発明の感光材料処理装置において
処理されるフイルムFについて説明する。フイルムFは
撮影時の露光条件に関する情報を、例えば磁気的、光学
的、に記録することができる構成のものである。このよ
うなフイルムFの構成例を図3に示す。
【0031】図3に示すように、フイルムFは帯状をな
す長尺物であり、撮影(露光)によって形成される画面
(画像部)90と、この画面90のフイルム幅方向両側
端部にそれぞれ形成されるフレーム部91及び92とで
構成されている。フレーム部91は、主に、情報記録部
として機能するもので、ここには、磁性層よりなる磁気
記録部が形成される。即ち、フレーム部91には図示の
ごとくフイルムFの表面(乳剤層側)または裏面に、フ
イルムFの長手方向に沿って磁気記録トラック93(第
2図中斜線を施して示す)が形成されている。そして、
この磁気記録トラック93には、例えばカメラ内におい
て、撮影時の露光条件に関する情報(以下に単に情報と
いう)が好ましくは一画像毎に磁気記録される。
【0032】この磁気記録トラック93に記録された情
報を読み取る際には、フイルムFを長手方向に搬送する
とともに、前記読み取り手段25の全部または一部を構
成する磁気ヘッド251を磁気記録トラック93に接触
させ、電気信号として情報を取り出す。
【0033】一方、フレーム部92には、カメラ内等で
のフイルムの送りや位置合わせを行うためのパーフォレ
ーション(孔)94が形成されている。この場合、パー
フォレーション94の形成密度は、1画面当たり4ケ以
内であるのが好ましく、より好ましくは2ケ以内、さら
に好ましくは1ケまたは0.5ケ(画面がハーフサイズ
の場合)である。
【0034】このように、パーフォレーション94の形
成密度を1画面当たり4ケ以内とすること、特に、パー
フォレーション94を一方のフレーム部92にのみ形成
することにより、磁気記録トラック93のような情報記
録部の設置位置や設置面積を充分に確保することができ
る。磁気記録トラック93に記録される情報としては、
撮影された画面90の露光不足の程度、特に、そのフイ
ルムFに固有の感度に対する露光量の過不足を知るのに
必要な情報である。具体的には、フイルム感度、フイル
ムの種類(アマ用、プロ用、製造メーカー等)等のよう
な一本のフイルム毎に定められている一定のフイルム情
報と、ストロボ発光の有無、シャッタースピード、絞
り、LV値(ストロボを使用していない時の撮影光量
値)、逆光か否か、使用ストロボの光量、ストロボと被
写体との距離等のような各画像90毎に異なる撮影情報
とが挙げられ、これらのうちから必要なものを利用す
る。
【0035】また、磁気記録トラック93には、上記情
報の他に、色温度、撮影距離、レンズの焦点距離、被写
体コントラスト、撮影年月日及び時刻、撮影場所のよう
な撮影情報、フイルムメーカー、フイルム製造年月日の
ようなフイルム情報、現像条件のようなラボ情報等が記
録されていてもよい。
【0036】フイルム情報は、一本のフイルムの例えば
一ケ所に記録されていてよく、記録箇所は、フイルムの
先端部または終端部等にあってもよい。なお、フイルム
Fの構成は、図3に示すものに限定されないことは言う
までもない。例えば、磁気記録部として、前記磁気記録
トラック93に代わり、フイルムFの裏面に透明な磁性
層を形成し、ここに前記情報を記録してもよい。
【0037】また、本発明では、このような情報をフイ
ルムF自体に記録する場合に限らず、フイルムFの収納
容器であるパトローネPに磁気的または電気的に記録
(記憶)させてもよい。即ち、パトローネPに前記と同
様の磁気記録トラックやICメモリー(何れも図示せ
ず)を設置し、これらに前記と同様の情報を記録(記
憶)させてもよい。なお、このようにパトローネPに情
報を担持させた場合には、図1の構成と異なり、読み取
り手段25は、感材供給部21に設置される。
【0038】図4に示すように、読み取り手段25によ
り読み取られた情報は、例えばマイクロコンピュータで
構成される制御手段6に入力される。制御手段6は、例
えば、操作パネル23内に収納されている。また、フイ
ルムFに形成されたバーコードやパトローネPに形成さ
れたDXコード(何れも図示せず)による情報も、必要
に応じ制御手段6に入力してもよい。
【0039】制御手段6においては、入力された情報か
ら必要なものを抽出し、その情報に基づいて所定の演算
を行い、現像槽31と漂白槽32との間及び定着槽33
と電解質槽36との間に通電する電気時間を決定する。
以下、制御手段6における作動順序について説明する。
【0040】図5は、前記制御手段6の作動フローチャ
ートである。フイルムFの搬送とともに、ステップ10
1においてフイルムFの先端部に記録されているフイル
ム情報を読み込む。次のステップ102において、露光
画面90の数を入力するnのメモリーを初期化する(0
を入力する)。ステップ103においては、搬送されて
くるフイルムFの磁気トラック93に記録された画面9
0毎の撮影情報の有無を判断する。撮影情報がある場合
には、ステップ104で画面の撮影情報を読み取る。次
のステップ103に戻る。
【0041】このようにして、ステップ103〜105
によって各画面90毎の撮影情報を読み込む。ステップ
103で、次画面90の入力情報がなしと判断した場合
には、読み込んだ情報の内容の内必要なものを抽出し、
その情報に基づいて所定の後述する補正係数gの演算処
理をステップ106で行う。この演算処理については後
に詳述する。
【0042】ステップ107では、前記演算結果に基づ
いて現像槽31と漂白槽32及び定着槽33と電解質槽
36(或いは漂白槽32)の通電時間を決定する。そし
て、ステップ108において、通電装置71及び通電装
置72(これ等通電装置中には図1及び図2に示されて
いる電源57及び58を有している)を制御し、前記決
定した通電時間だけ通電されるように現像槽31と漂白
槽32及び定着槽33と電解質槽36(或いは漂白槽3
2)の通電が制御される。このような制御動作が各フイ
ルムF毎に行われ、処理するフイルムF毎に最も適切な
通電時間の間通電される。もっとも、ステップ106で
行う演算処理によるステップ107での通電時間の決定
は、フイルムF一本毎に行われなければならないことは
なく、何本かの平均値を用いて通電処理が行われても構
わない。なお、ICメモリーに、前記各情報を記憶させ
ている場合には、情報の読み取りが瞬時に行えるので、
ステップ102〜105は不要となり、処理速度が向上
する。
【0043】次に、ステップ106における、演算方法
を詳述する。該演算においては、フイルム情報の内のフ
イルム感度、フイルムの許容露光画面数(例えば、24
駒、36駒等)、露光画面数(駒数)、撮影情報の内
の、ストロボ発光の有無、シャッタースピード、絞り、
LV値(ストロボを使用していない時の撮影光量値)、
逆光か否か、使用ストロボの光量、ストロボと被写体と
の距離等の情報が適宜利用される。
【0044】この場合の演算方法は、欠駒がなく、すべ
ての露光画面90が、フイルム感度に対して適正な露光
量で露光され、ストロボは使用されず、逆光でない撮影
条件で撮影されているフイルムを想定し、このフイルム
を処理する場合の通電時間を標準通電時間T0 として定
める。そして、この標準通電時間T0 を1とした場合の
補正係数を予め設定しておき、これ等の係数を各画面毎
に掛け合わせた値の平均値を、その処理するフイルムの
補正係数gとして、処理するフイルムの通電時間T′を
T′=T0 ×g で決定する。ここでgは、下記式1で
得られる。
【0045】
【数1】
【0046】ただし、 a:欠駒補正係数 a=n/N (nは露光されている画面数、Nは処理する1つのフイ
ルムに露光可能な総画面数)
【0047】b:露光量補正係数 フイルムに対して適正な露光量となるシャッタースピー
ド及び絞りは、フイルム感度と、該フイルムに適したL
V値より設定することができる。その適性値に比較して
露光量がオーバーまたはアンダーである場合、露光量補
正係数bは、露光係数mに応じ、例えば下記の表1のよ
うに設定されている。なお、露光係数mは、 m=(logE/S)/log2 で定義される。この場合、 Sはフイルム感度〔ASA〕 Eは露光画面の露光量〔lux・秒〕 である。
【0048】c:ストロボ補正係数 ストロボを使用した時には、一般的傾向として、E≧S
の時は、前面の人物の露光量が多くなることが多いた
め、約10%現像される銀の量が増え、E≦Sの時は、
前面の人物の露光量は画面全体の平均値と比べて多めと
なるが、周囲はあまり露光されていないので、10〜2
0%現像される銀の量が減る。このため、ストロボ使用
の有無も補正係数としている。ここでは、表2のように
設定されている。
【0049】d:逆光補正係数 逆光で撮影した場合には、一般的傾向として、ストロボ
補正係数cと逆の傾向がみられるため、逆光であるか否
かの情報も補正係数とし、ストロボ補正係数cと逆の傾
向で係数が定められている。(表2参照)。
【0050】
【表1】
【0051】以上説明した演算式により、通電時間T′
が決定され、該値に基づき適切な通電時間T′で通電さ
れる。なお、露光補正係数bは、露光係数mをパラメー
タとして設定されたいるが、フイルム感度が一定であれ
ば、露光量Eをパラメータとしてもよく、この場合、さ
らに絞り値とシャッタースピードの内の一方を一定とし
た場合の他方をパラメータとして設定することも可能で
ある。
【0052】以上の例では、欠駒補正係数a、露光量補
正係数b、ストロボ補正係数c、逆光補正係数dをすべ
て考慮して演算しているが、これらのうち1ないし3つ
の補正係数のみを考慮して演算してもよい。すなわち、
上記式1で、aと、すべてのbj 、cj 、dj との4つ
の補正係数のうちのいずれか1つないし3つを1とお
き、これらの1つないし3つの値のみを演算してgを求
めてもよい。ただし、これらの2つないし4つの値を用
い、1とするものはなくすか、1つないし2つとして、
これらの2つ以上を考慮して演算することが好ましい。
そして、特に欠駒補正係数aを必ず考慮するのが最も好
ましい。欠駒の数が最も処理液の疲労に影響するからで
ある。
【0053】また、カラーフイルムを処理する場合、現
像される銀を適切に漂白するために、現像液、漂白液、
漂白定着液の通電処理を制御対象とすることが有効であ
る。
【0054】現像槽31に代表される各処理槽は、狭幅
処理路を有する構成(特開昭62−89052号公報、
同63−1331138号公報、同63−216059
号公報、同64−26855号公報、特開平1−130
548号公報等)のものでもよく、この場合には、処理
効率の向上、処理装置の小型化等が図れるという利点が
あるとともに、特に各処理槽の処理液量が少ないため、
本発明による通電処理による効果がより顕著に現れる。
【0055】図1に示される構成において、感光材料の
処理開始剤の信号を受け取ると同時に、或いは所定の時
間を経た後、両極に通電が開始される。この場合通電
は、電気密度が0.05〜30mA/cm2 、好ましく
は0.2〜2mA/cm2 となるように電圧を印加すれ
ばよい。印加電圧は、使用する液、処理装置の形態、電
極間距離、隔膜の性質、寒天橋の形態、種類により全く
異なるが、概念てきには0.05〜100V、好ましく
は0.1〜10Vとなる。本発明において、アニオン透
過性多孔膜、例えばアニオン交換膜を隔壁として、この
隔壁を介して発色現像液と漂白液とが導通されるため、
上記のように通電することによって、発色現像液では、
処理の休止中などに空気酸化された保恒剤や発色現像主
薬が電極面で還元されることになり、現像力の劣化が防
止される。
【0056】一方、漂白液では、感光材料の処理によっ
て還元状態にある漂白剤が、再び酸化されることにな
り、酸化力が回復する。本発明においては、処理を開始
するにあたって通電を開始し、処理中にて通電を行うこ
とが好ましい。これは、発色現像液、漂白液ともに、感
光材料の処理中における処理性能を一定に維持すること
が可能となるからである。
【0057】発色現像液の酸化劣化は、感光材料の処理
量が少ない(1週間当たり処理する感光材料に対する補
充量がタンク液量の0.3倍以下)、いわゆる閑散処理
のとき顕著になるが、本発明では、処理直前ないし処理
中に通電することによって、処理中感光材料により巻き
込まれて発色現像液に含有される空気中の酸素を還元し
たり、処理中ハロゲン化銀が還元(現像)ときに生成す
る発色現像主薬酸化体のなかでカプラーと反応せずに発
色現像液中に溶出されてくるものを還元したりするの
で、発色現像主薬の劣化が小さくなる。
【0058】漂白液における酸化力の低下は、感光材料
の処理量が多い(1週間当たり処理する感光材料に対す
る補充量がタンク液量の2倍以上)とき顕著になるが、
処理中にて通電を行うことによって酸化力を一定に保持
することが可能となる。
【0059】一般に、感光材料の処理量が少ない時に
は、発色現像液の液劣化の問題が大きくなり、一方処理
量が多い時には漂白液での酸化力の低下の問題が大きく
なるが、本発明は、このような問題を是正する方向に働
くので、処理条件のいかんにかかわらず、常に適正な処
理性能を維持することが可能となる。
【0060】そして、本発明では、処理中にて、漂白液
の酸化還元電位を随時測定し、所定の電位以下になって
ときに電圧を印加するように通電のON/OFFを制御
することが好ましい。
【0061】なお、上記の電位は、陽極電位を標準水素
電極等と比較して測定するか、酸化還元電位計により測
定して求めればよい。この場合、上記電位は酸化剤によ
って異なるが、例えば、エチレンジアミン四酢酸第二鉄
錯塩では、0〜210mV程度、1,3−ジアミノプロ
パン四酢酸第二鉄錯塩では20〜260mV程度であ
る。そして、感光材料の処理終了の信号を受けると通電
は終了する。
【0062】上記のように、本発明においては、簡易な
電気的手段によって、発色現像液及び漂白液の処理性能
を維持管理している。従って、従来、発色現像液におい
ては、現像力の劣化を補充液の添加量を増すという方法
によって解決せざるを得なかったが、本発明では、この
ような方法によらなくてもよい。
【0063】また、漂白液においては、従来、漂白剤の
漂白力(酸化力)を回復するためにエアレーションする
方法が採られており、この方法では飛沫が飛びカラー現
像液を劣化させたり、周辺機器等を汚染するという弊害
等が生じていたが、本発明はこれを解決するものであ
る。そして、発色現像液及び漂白液の処理性能を維持で
きる結果、本発明では、両液の補充量を低減できるとい
う効果が得られる。特に、発色現像液では発色現像主薬
の使用量を減ずることができ、コスト面でも有利とな
る。
【0064】本発明は、前記に例示したように、発色現
像処理の後、直ちに脱銀処理するような工程に適用して
その効果が大きい。このような工程では、漂白液がエア
レーションにより飛散して発色現像液を汚染して劣化さ
せる問題が大きくなるからである。
【0065】発色現像処理及び漂白能を有する処理液に
よる処理を施された感光材料は、次にその後、前記した
処理工程に示されるように、定着能を有する処理液によ
って処理される。
【0066】本工程では、定着能を有する処理液を満た
した定着能を有する処理槽33内に陰極53を設置し、
隣接して設置されている電解質水溶液を満たした電解質
槽36内に陽極56を設置し、かつ定着液及び電解質液
を両液が混合しないようにイオン交換膜150で遮断
し、電気的に連結されて、両極に通電する。
【0067】感光材料の処理開始の信号を受けると同時
に、或いは所定の時間を経た後、陰極53、陽極56間
に、それぞれ通電が開始される。この場合の通電の条件
は、陰極51、陽極52間の通電の場合と同様の制御様
式でよい。また、通電は制御手段6からの陰極51、陽
極52間の通電を制御する信号で制御を受けてもよい
が、別個に制御されるようになっていてもよい。
【0068】定着の場合においても、処理中にて通電を
行うことが好ましく、それによって感光材料の処理中に
おける処理性能を一定に維持することが可能となる。定
着液では、処理の休止中などに空気酸化された保恒剤や
定着剤が還元されることになり、定着力の劣化が防止さ
れる。この定着剤等の酸化は、感光材料が持ち込む漂白
液によって促進されるが、この方法により有効に防止さ
れる。また、定着剤や保恒剤の酸化分解を防止すること
ができ、硫化物の生成が抑制される。
【0069】定着液の酸化劣化は、感光材料の処理量が
少ない(1週間当たり処理する感光材料に対する補充量
がタンク液量の0.3倍以下)、いわゆる閑散処理の時
著しい。これは、処理中に持ち込まれた漂白液が経時中
に空気中の酸素を取り込み、定着液の酸化を促進するか
らであるが、上記のように処理直前ないし処理中に通電
することによって還元的雰囲気となって液が回復し処理
時の漂白液の持込みに対する耐性ができてくる。したが
って、定着液の酸化劣化は、特に閑散処理で懸念される
が、本発明を適用することによって、処理条件のいかん
にかかわらず、各処理液において欠点を是正する方向に
働くことになり適正な処理性能を維持することが可能と
なる。このように、簡易な電気的手段によって、さら
に、定着液の処理性能を維持管理することができる。
【0070】定着液においては、従来、定着力の劣化を
補充量を増すという方法によって解決せざるを得なかっ
たが、このような方法によらなくともよく、本発明にお
いては、各処理液の補充量を低減できるという効果が得
られる。
【0071】なお、本工程において、定着槽53に隣接
する電解質槽36を設置せず、漂白槽32内にいま1本
陽極56を設置し、漂白槽32と定着槽53とを電気的
に塩橋等で連結する方法によっても本発明を適用するこ
とが可能である。さらにこの場合において、漂白槽32
内の2ケの陽極(52、56)は別個のものとせず、単
一の陽極としてもよい。
【0072】既に上記した通り本発明はの工程に適用
することが最も好ましい。しかしながら、の工程には
含まれない、漂白定着液を含めた前記種々の工程におい
て本発明の方法を適用することは可能である。すなわ
ち、の工程では、漂白槽と漂白定着槽との間、或いは
漂白定着槽と定着槽との間、或いは漂白槽と定着槽との
間で、各槽内に電極を設置し、各槽内の処理液を電気的
に連結することが可能である。の工程では、漂白槽と
漂白定着槽との間で槽内に電極を設置し、槽内の処理液
を電気的に連結することが可能である。また、の工程
では、発色現像槽に隣接して電解質液満たした電解質槽
を設置して、電解質槽内に陽極を設置し、かつ両液が混
合しないようにイオン交換膜で遮断し、電気的に連結す
ればよい。
【0073】本発明に用いる陰極は長時間の使用に耐え
うる電気伝導体または半導体であれば何れでもよいが、
特にステンレスが好ましい。陽極は不溶性の材質でかつ
電気伝導体であればよく、具体的には炭素(黒鉛)、二
酸化鉛、白金、金、チタン等が挙げられ、場合によって
はステンレス鋼を用いてもよい。両電極の形状は槽内に
設置し易い板状か網目入りの板状または突起付の板状が
好ましい。大きさは、槽容量により適宜選択すればよ
い。
【0074】本発明に用いる、お互いに液が混合せず
(ハロゲンイオンは移動可能)かつ電気的に連結し得る
隔壁や隔膜としては、陰イオン交換膜が最も好ましく、
そのほか多孔性隔膜、塩橋等が挙げられる。陰イオン交
換膜としては、例えば 旭硝子(株) 製 AMV/AMR,ASV/ASR等 旭化成(株) 製 A−101 等 三菱油化(株)製 XYA 等 徳山曹達(株)製 ACH−45T,ACS,AFN等 Ionics Inc. 製 AR103PZL−386,AK1
03QZL−386 AR103PZL−389,AR204SXZL−38
9等がある。 多孔性隔膜としては、各種気泡材、無機や有機の多孔性
材が挙げられ、例えば、京セラ製多孔性セラミックスヒ
ルターの FA−1,FA−2,FA−3,FA−4,FA−5,
FA−6,FA−7,FA−8,FA−9,FA−1
0,FA−11,FA−12 等 本発明に用いる塩橋としては、電解質溶液を寒天ゲル化
した寒天橋と称されるものを用いることができる。本発
明に用いるお互いに液が混合せずこの場合、寒天橋の容
器としては、通常汎用されている逆U字形のガラス管
(管径3〜10mm程度)を用いればよい。或いは、抵
抗を下げるため、矩形断面を有する逆U字形のプラスチ
ック帯状管を用いてもよい。
【0075】また、電解質溶液に用いる電解質として
は、発色現像ないし漂白液に接触して反応しないものが
よく、NaCl,KCl,LiCl,KNO3等を挙げ
ることができる。さらに場合によっては各処理液の希釈
水液または各液が少しでも混入した水溶液を用いてもよ
い。
【0076】なお、本発明において、発色現像槽や漂白
槽の材質は、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン等の非導電性の樹脂材
料とすればよい。図1では、発色現像→漂白の工程を実
施するものをとりあげているが、前記した他の工程とす
る場合も、これに準じた方法を採ればよい。
【0077】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。こ
の実施例は本発明の理解を深めるためのものであり、制
限するものでないことはいうまでもない。
【0078】
【実施例1】特開昭63−70857号公報の実施例5
に記載の試料N1の如くして、撮影用ハロゲン化銀多層
カラー感光材料である試料を作成した。ここでは、作成
したハロゲン化銀多層カラー感光材料を試料Sと呼ぶこ
とにする。なお、この作成した多層カラーフイルム(試
料S)を35m/m巾に裁断した後、フイルムについて
図3に示したようにそのバックに磁性材料を塗布し、そ
の一方の側端部にパーフォレーションを形成した。この
フイルムを屋外にて標準的な被写体の撮影を行った。そ
の際にフイルムのバックに磁性材料にフイルム情報及び
撮影情報が記録された。
【0079】(フイルムの現像処理)このフイルムを本
発明の方法を用いて現像処理するに際して、フイルムの
バックに記録されたフイルム情報及び撮影情報を読み取
るために図1に示したような情報の読み取りと、その情
報により通電時間の制御が行える装置を備えた富士写真
フイルム株式会社製のカラーネガ用自動現像機FNCP
−40Bの改造品により、下記表3の処理工程に従い、
表4〜表8の処理液を用いて、
【0080】〔処理1A〕では通電処理することなし
に、 〔処理1B〕では以下の電極を用いて、以下の通電条件
で、現像処理を行った。なお、この実施例1の場合電解
質槽36中の液は電解質液である。 (電極) 陽極 :東海カーボン黒鉛 5mm厚×200mm×2
00mm 陰極 :ステンレスSUS316 1mm厚×200m
m×200mm (隔膜) 徳山曹達(株) 陰イオン交換膜 NeoseptaA
FN−7 (通電条件) 発色現像槽/漂白槽の間の通電:2.5V 0.5A×
2分/135サイズ1本処理当たり(24exp) 定着槽/電解質槽(電解質液またはリンス1からのオー
バーフロー液)の間の通電:2V 1.2A×4分/1
35サイズ1本処理当たり(24exp)
【0081】(処理の結果) 〔処理1A〕通電処理することなしに、1日80本づつ
1ヶ月ランニングしたところ、得られた画像の写真性能
は、低感かつ軟調なものであった。 (ΔlogE=0.15,ΔG=0.13) しかも、漂白不良、定着不良も発生しており、きれいな
プリントが得られなかった。
【0082】〔処理1B〕感材1本当り、上記通電条件
で通電処理したところ、1ヶ月ランニングでも得られた
画像の写真性能はその間変化は誤差範囲内であった。 (ΔlogE=0.05,ΔG=0.03) しかも、漂白不良、定着不良も発生せず、きれいなプリ
ントが得られた。
【0083】
【実施例2】各処理槽間の電気的連結を、発色現像槽と
漂白槽との側面の一部をアニオン交換膜を隔壁とする壁
で置き換えて、このアニオン交換膜を隔壁とする電解質
槽を設置してこの槽によって、発色現像槽と漂白槽とを
電気的に連絡する方法とする、処理槽の仕立てにした以
外は、全く実施例1に同様の条件で、〔処理2A〕及び
〔処理2B〕の処理を実施した結果、実施例1と略同じ
結果が得られた。なお、図2の電解質槽36には実施例
2の場合、電解質液の代わりにR1からのリンス液のオ
ーバーフローを用いている。
【0084】 表3 処理工程 温度 時間 タンク容量 補充量 リットル ミリリットル 発色現像(N1) 38℃ 3分15秒 8 30 漂 白(N2) 38℃ 1分00秒 4 5 定 着(N3) 38℃ 1分00秒 4 10 リンス1 35℃ 40秒 4 リンス2 35℃ 1分00秒 4 30 安 定(N4) 38℃ 1分05秒 4 20 補充量は、35mm巾フイルム 1m当たりのミリリッ
トル リンスはリンス2槽からリンス1槽への向流
【0085】 (各処理槽の処理液組成: 表4〜表8) 表4 発色現像液の組成 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン5酢酸 1.0g 1.1g 1−ヒドロキシエチリデン−1, 2.0g 2.2g 1−ジホスホン酸 亜硫酸ナトリウム 4.0g 4.4g 炭酸カリウム 30.0g 32.0g 臭化カリウム 1.4g 0.7g 沃化カリウム 1.3mg − ヒドロキシアミン 2.4g 2.5g 4−(N−エチル−N−β− 4.5g 5.0g ヒドロキシエチル−2−メ チルアニリン硫酸塩 水を加えて 1 リットル 1 リットル pH(25℃) 10.05 10.05
【0086】 表5 漂 白 液 母液、補充液共量(g) 臭化アンモニウム 100 エチレンジアミン四酢酸 120 第二鉄アンモニウム塩 エチレンジアミン四酢酸 10.0 二ナトリウム塩 硝酸アンモニウム 10.0 下記の漂白促進剤 2.0 (H3 C)2 N(CH2 2 S(CH2 2 N(H3 C)2 アンモニア水 17.0ミリリットル 水を加えて 1 リットル pH 6.5
【0087】 表6 定着液 母液(g) 補充液(g) 亜硫酸ナトリウム 4.0g 4.4g チオ硫酸アンモニウム 240ミリ 400ミリ 水溶液(70%) リットル リットル アンモニア水 10.0ミリリットル 水を加えて 1 リットル 1 リットル pH(25℃) 7.5 8.0
【0088】 表7 安定液 母液(g) 補充液(g) ホルマリン 2.0ミリ 3.0ミリ (37%w/v) リットル リットル ポリオキシエチレン 0.3 0.45 −p−モノノニルフェ ニルエーテル(平均重合度10) 水を加えて 1 リットル
【0089】表8 リンス イオン交換水
【0090】
【実施例3】特開平1−259359号公報の実施例2
の試料201のカラーネガフイルムを用いて、このフイ
ルムを35m/m巾に裁断した後、フイルムについて図
3に示したようにそのバックに磁性材料を塗布し、その
一方の側端部にパーフォレーションを形成した。このフ
イルムを屋外にて標準的な被写体の撮影を行い、情報の
読み取りと、その情報により通電時間の制御が行える装
置を備えたシネ式自動現像機において発色現像槽と漂白
槽とを図1に示した2枚のアニオン交換膜を用いた隔壁
の代わりに1枚として、各々の槽に電極を設置したもの
にし、下記表9の処理工程に従い、表10〜表13の処
理液を用い、1日当たりの温調時間を10時間とし、1
35サイズ24枚撮りのものを1日1本ずつの割合で4
ヶ月間ランニング処理(いわゆる閑散処理)を行った。
【0091】現像処理は、 〔処理3A〕では通電処理することなしに、 〔処理3B〕では以下の電極を用いて、後に述べる通電
条件で、行った。
【0092】(電極) 陽極 :カーボンシート〔呉羽化学工業(株)製クレシ
ート〕 1mm厚×150mm×1000mm 陰極 :モリブデン含有ステンレス鋼(SUS316相
当)シート 1mm厚×150mm×1000mm
【0093】 表9 処理工程 工程 時間 温度 補充量 タンク容量 ミリリットル リットル 発色現像 3分15秒 37.8℃ 16 10 漂 白 30秒 38.0℃ 5 5 定 着 1分00秒 38.0℃ 15 10 水洗(1) 20秒 38.0℃ − 5 水洗(2) 20秒 38.0℃ 20 5 安 定 20秒 38.0℃ 20 5 乾 燥 1分00秒 55.0 補充量は、35mm巾フイルム 1m当たりのミリリッ
トルリンスはリンス2槽からリンス1槽への向流
【0094】 (各処理槽の処理液組成: 表10〜表13) 表10 発色現像液の組成 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン5酢酸 1.0g 1.1g 1−ヒドロキシエチリデン−1, 3.0g 3.2g 1−ジホスホン酸 亜硫酸ナトリウム 4.0g 4.9g 炭酸カリウム 30.0g 30.0g 臭化カリウム 1.4g − 沃化カリウム 1.3mg − ヒドロキシアミン硫酸塩 2.4g 3.6g 4−(N−エチル−N−β− 4.5g 7.2g ヒドロキシエチルアミノ)− 2−メチルアニリン硫酸塩 水を加えて 1 リットル 1 リットル pH(25℃) 10.05 10.10
【0095】 表11 漂 白 液 母液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパ 144.0 206.0 ン四酢酸だい二鉄アンモ ニウム一水塩 1,3−ジアミノプロパ 2.8 4.0 ン四酢酸 臭化アンモニウム 84.0 120.0 硝酸アンモニウム 30 30 アンモニア水(27%) 10.0 1.8 酢酸(98%) 51.1 73.0 水を加えて 1 リットル 1 リットル pH 4.3 3.4
【0096】 表12 定着液 母液、補充液共通(g) エチレンジアミン四酢酸 1.7 二ナトリウム塩 亜硫酸ナトリウム 14.0 重亜硫酸ナトリウム 10.0 チオ硫酸アンモニウム水溶 320.0 液(70%重量/容量) 水を加えて 1 リットル pH 7.2
【0097】水洗液 : 母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR120B)とOH型アニオ
ン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填し
た混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウム
イオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて二
塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと
硫酸ナトリウム1.5g/リットルを添加した。この液
のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0098】 表13 安定液 母液、補充液共通(g) 界面活性剤 0.5
【0099】
【化1】
【0100】 界面活性剤 0.4
【0101】
【化2】
【0102】 トリエタノールアミン 2.0 1,2−ベンツイソチア 0.01 ゾリン−3−オン メタノール 0.3 ホルマリン(37%) 1.5 水を加えて 1 リットル pH 6.5
【0103】処理3Aにおいて、自動現像機の発色現像
槽と漂白槽とをアニオン交換膜1枚の隔壁でへだてて、
その両側に電極を設置したものに変えた。陰イオン交換
膜は、Neosepta AFN−7(徳山曹達製)を
用いた。 (通電条件) 発色現像槽/漂白槽の間の通電:10Vの電圧を印加
し、1.5Aの電流が流れるようにした(電流密度
0.7mA/cm2 ) 電圧の印加は、感光材料の処理信号を受けて1分後に行
い、感光材料の処理信号を20分間受けない時は印加を
停止するようにした。
【0104】評価の方法の方法を次に示す。 (評価の方法)写真性能は、緑感層の感度及び階調、脱
銀不良、復色不良を調べて評価した。また、上記の感度
及び階調については、4ヶ月後の時点での劣化率も求め
た。なお、感度は2ラウンド時点を100とした時の相
対感度で表示し、一定濃度を得るのに必要な露光量の逆
数を求めて評価した。また、階調は特性曲線(D−lo
gE曲線)の平均勾配を求めて評価した。脱銀不良は蛍
光X線による銀分析によって評価した。復色不良はセン
シトメトリー露光した処理済み感材を赤色光で濃度測定
し、次に漂白液から再度処理をして再度濃度測定し、赤
色の透過濃度が1.2の時の再処理による濃度上昇で評
価した。この時、濃度上昇が0.1以上あると復色不良
発生と評価した。さらに、4ヶ月ランニング処理後の発
色現像液中の亜硫酸ナトリウム(保恒剤)の含有量を求
め、2ラウンド時点に対する4ヶ月後の減少率(SS減
少率)を求めた。保恒剤の含有量はヨードメトリーによ
り分析して求めた。
【0105】(現像処理の結果)処理3A、処理3Bに
おいて、それぞれ、2ラウンド時点の写真性能と4ヶ月
後の時点の写真性能等を評価し結果を表14及び表15
に示した。
【0106】
【表2】
【0107】処理3Bでは、発色現像液の還元や漂白液
に対するBr- 等のハロゲンイオンの移動が生ずる等通
電処理の効果により、液を補充する必要がなかった。
【0108】
【実施例4】実施例3の処理3Bにおいて、発色現像液
と漂白液との間に、2枚の陰イオン交換膜を設置し、1
%の食塩水を介在させるものとした。このようにして
も、実施例3の処理3Bと同等の効果が得られるほか、
上記の電解質溶液を介在させることによって、さらに、
陰イオン交換膜の耐久性が向上(約3倍)したため、膜
の交換頻度が少なくなった。また、もっと低品位の陰イ
オン交換膜も使用できるようになった。
【0109】
【実施例5】実施例3の処理3Aにおいて、2ラウンド
ランニング処理後、1日当たりの温調時間を10時間と
し、かつカラーネガフイルムの処理量を1日300本の
割合で2週間ランニング処理する他は同様に処理した。
これを処理5Aとする。
【0110】また、処理5Aにおいて、自動現像機の発
色現像槽と漂白槽とを図1に示したように2枚のアニオ
ン交換膜で隔離するだけでなく、漂白槽と定着槽とも2
枚のアニオン交換膜で隔離して、その両側に電極等を設
置したものに変えて、その他は同様の処理をしたものを
処理5Bとする。処理5Bにおいても、電極及び陰イオ
ン交換膜は、原則として実施例3の処理3Bと同じもの
を用い、通電条件も同様とした。
【0111】また、処理5Aにおいて、自動現像機の漂
白槽及び定着槽を、漂白液及び定着液との間に陰イオン
交換膜を設置したものに変え、漂白液に陽極、定着液に
陰極をそれぞれ浸漬する構成とする他は、同様に処理し
た。これを処理5Cとする。電極及び陰イオン交換膜
は、上記と同様のものを用い、通電も同様とした。
【0112】さらに、処理5Aにおいて、自動現像機の
発色現像槽、漂白槽及び定着槽を、電解質溶液を介在さ
せることなく、発色現像液、漂白液及び定着液の各処理
液間にそれぞれ1枚の陰イオン交換膜を設置した構成に
変えて、その他は、同様に処理した。これを処理5Dと
する。
【0113】電極及び陰イオン交換膜は、上記と同様の
ものを用いた。ただし、電極の大きさは、陰極15cm
×100cm、陽極15cm×100cmとし、通電条
件は、印加電圧1.2Vとし、1.35Aの電流とした
(電流密度0.9mA/cm2 )とした。これらの処理
5A,5B,5C,5Dにおいて、それぞれ、2.5ラ
ウンド時点の写真性能と2週間後時点の写真性能とを比
較した。写真性能は、実施例3と同様にして、緑感層の
感度及び階調、脱銀不良、復色不良を調べて評価した。
ただし、脱銀不良については、遠赤外線インスペクター
により現像された色素部分を観察することによっても行
った。結果を表16及び表17に示した。さらに、処理
5A,5B,5C,5Dにおいて、2週間処理後、引き
続き4ヶ月間1日1本の割合でランニング処理し、この
4ヶ月後の時点の緑感層の感度及び階調を調べた。ま
た、これらの各処理において、2週間処理後の定着液を
未処理のまま4ヶ月放置し、沈澱物の発生状況について
調べた。これらの結果も併せて表16及び表17に示し
た。
【0114】
【表3】
【0115】表16及び表17の結果より、従来の処理
5Aでは、十分な写真性能のものが得られないのに対
し、本発明の処理5B,5C,5Dではいずれも写真性
能が良好なものが得られることがわかる。脱銀不良、復
色不良のいずれも本発明の処理5B,5C,5Dでは改
善されることがわかる。処理5Bでは、発色現像液の還
元や漂白液に対するBr- 等のハロゲンイオンの移動が
生ずる等通電処理の効果により、液を補充する必要がな
かった。また、処理5Cでは、定着液から漂白液に対す
るBr- 等のハロゲンイオンの移動が生ずる通電処理の
効果により、漂白液に液を補充する必要がなかった。さ
らに、処理5Dでは、発色現像液と定着液の両者から漂
白液に対するBr- 等のハロゲンイオンの移動が生ずる
通電処理の効果により、漂白液に液を補充する必要がな
かった。
【0116】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の装置を使用
してハロゲン化銀感光材料を現像処理することによっ
て、現像処理各工程の処理液の消費及び廃液が少なく
て、均一で写真特性に優れた画像を得ることが可能にな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の露光条件に関する情報の読み取
り手段、及び発色現像槽と漂白槽の間と定着槽と電解質
槽との間に陰イオン交換膜を設置して通電処理を行う処
理装置を示す模式図である。
【図2】図2は図1の処理装置の処理部示す平面図であ
る。
【図3】図3は処理されるフイルムの構造を示す部分平
面図である。
【図4】図4はフイルムと読み取り手段の位置関係を示
す平面図と、読み取り手段と制御手段等を含む制御系を
示すブロック図を組み合わせた模式図である。
【図5】図5は通電時間決定ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 処理装置 2 搬入部 21 感材供給部 212 排出シャッター 214 ローラ 22 パトローネ集積部 221 シャッター 23 操作パネル 231 カッター 24 接合装置 25 読み取り手段 251 磁気ヘッド 26 リザーバー 261 連動ローラー 262 搬送ローラー 3 処理部 31 現像槽 32 漂白槽 33 定着槽 34 水洗槽 35 安定槽 36 電解質槽 4 乾燥部 5 搬出部 51 陰極1 52 陽極1 53 陰極2 56 陽極2 57 電源1 58 電源2 6 制御手段 71 通電装置1 72 通電装置2 81 送風機 82 ヒータ 90 画面 91 フレーム部 92 フレーム部 93 磁気記録トラック 94 パーフォレーション(孔) 100 ケーシング 101 ステップ 102 ステップ 103 ステップ 104 ステップ 105 ステップ 106 ステップ 107 ステップ 108 ステップ 150 イオン交換膜 400 塩橋 F フイルム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影用ハロゲン化銀感光材料自体又はそ
    の収納容器に撮影時の露光条件に関する情報を担持した
    撮影用ハロゲン化銀感光材料を搬送し、処理槽内の処理
    液に浸漬して処理する少なくとも発色現像層及び漂白能
    を有する処理槽を有する感光材料処理装置において、前
    記情報を読み取る読取手段と、前記発色現像槽内に陰極
    を、漂白能を有する処理槽内に陽極を設置し、かつ両槽
    間に陰イオン交換膜を設け、前記読取手段からの情報に
    基づいて陽極・陰極間を通電する手段を有することを特
    徴とする現像処理装置。
  2. 【請求項2】 上記撮影用ハロゲン化銀感光材料には、
    一方又は両方の側端部にパーフォレーションが形成され
    ており、このパーフォレーションの形成密度が一画面当
    たり4ケ以内の撮影用ハロゲン化銀感光材料であること
    を特徴とする請求項1に記載の現像処理装置。
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