JPH0627623A - 写真処理方法および自動現像機 - Google Patents

写真処理方法および自動現像機

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JPH0627623A
JPH0627623A JP28388292A JP28388292A JPH0627623A JP H0627623 A JPH0627623 A JP H0627623A JP 28388292 A JP28388292 A JP 28388292A JP 28388292 A JP28388292 A JP 28388292A JP H0627623 A JPH0627623 A JP H0627623A
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JP
Japan
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processing
liquid
solution
potential
silver
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Application number
JP28388292A
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English (en)
Inventor
Takashi Nakamura
敬 中村
Isao Tsuyuki
勇夫 露木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0627623A publication Critical patent/JPH0627623A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有害成分の発生を極力抑えつつ、使用済みの
定着能を有する処理液から効率的に除銀を行ない、これ
を再使用しても良好な処理とできる。 【構成】 槽21内に使用済みの定着液130を満た
し、陽極32および陰極31をそれぞれ浸漬し、上記陽
極32と陰極31に通電して、使用済みの定着液130
の除銀処理を行なう。この場合、処理量センサ34によ
る処理量信号S1のほか、電位検知器35により、上記
処理液におけるチオ硫酸銀イオンに由来する電位をAg
2 S電極35aと標準電極35bとの組合せにより検知
し、この電位信号S2の変化に応じて、印加電流量を変
えるように通電することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀感光材料
(以下、「感光材料」、「感材」と略す場合がある。)
を処理する写真処理方法および自動現像機に関する。
【0002】
【従来の技術】黒白感光材料は、露光後、黒白現像、定
着、水洗等の工程で処理され、カラー感光材料は、露光
後、発色現像、脱銀、水洗、安定化等の工程により処理
される。黒白現像には黒白現像液、定着には定着液、発
色現像には発色(カラー)現像液、脱銀処理には漂白
液、漂白定着液、定着液、水洗には水道水またはイオン
交換水、安定化処理には安定化液がそれぞれ使用され
る。各処理液は通常20〜50℃に温度調節され、感光
材料はこれらの処理液中に浸漬され処理される。
【0003】このような処理工程のなかで、黒白写真に
おける定着処理は、残存するハロゲン化銀を適当な溶解
剤で溶解除去して、現像された銀画像を固定するもので
ある。一方、カラー写真における定着処理は、漂白の工
程で、不要な銀画像を酸化して得られたハロゲン化銀を
溶解除去するものである。また、漂白定着処理は、漂白
と定着の両工程を漂白定着液を用いて同一浴で行なうも
のである。
【0004】従って、定着液や漂白定着液の定着能を有
する処理液には、ハロゲン化銀の溶解剤である定着剤が
含有されている。定着剤として、具体的には、チオ硫酸
ナトリウム(ハイポ)、チオ硫酸アンモニウム等のチオ
硫酸塩などが汎用されている。
【0005】このため、処理を続ける間に定着能を有す
る処理液中には銀錯塩が蓄積し、定着成分の活性度が低
下する。これを防止するために、処理の際に定着能を有
する処理槽に適量の補充液を加え、使用された液をオー
バーフロー液として処理槽から排出する方法が採用され
ている。しかし、排出液をそのまま廃棄するのは環境汚
染や経済的な面で好ましくない。
【0006】このようなことから銀を回収することが行
なわれており、一般には、電解槽に使用済みの定着液等
を流入して電解し、銀を除去する電解法が用いられてい
る。
【0007】このような銀回収方法については、例えば
次の文献に記載されている。 "Electrolytic silver recovery from spent fixing so
lutions - anelectroanalytical study" [Mina, R.; Ch
ang, J. C. Photogr. Sci. Eng., 26(5), 223-7] "Three-electrode control procedures for electrolyt
ic silver recovery"[Cooley, Austin C, J. Imaging T
echnol., 10(6), 233-8] "Application of porous electrodes for silver recov
ery fromphotographic fixing solution. Part III-Ra
dial field and multianodereactor" [Olive, H.; Laco
ste, G.; Kaufmann, R.; J. Photogr. Sci., 32(6),227
-33]
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法では、電解槽等の電解装置での除銀処理が進むにつれ
て、有害成分が発生し、沈殿したり、臭気を発したりす
るという欠点があった。例えば、通電が過剰であるとチ
オ硫酸イオンが分解して硫化銀の沈殿を生ずる。一方、
通電が不十分であるとこの除銀処理液で感材を処理する
と脱銀不良が発生する。特に、このような欠点は、カラ
ー感光材料において顕著である。例えば、定着液では漂
白液の持ち込みによって硫化銀の生成が促進されるから
である。また、電解装置に定電圧を印加して、除銀処理
を行なう場合には、除銀処理能力が徐々に低下してしま
うという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、上記したような有害成
分の発生を極力抑えることができ、適切な除銀処理を行
なうことができる結果、定着能を有する処理液の有効な
処理性能の回復を図ることができる写真処理方法および
自動現像機を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明によって達成される。 (1)陽極と陰極に通電して、使用済みの処理液の除銀
処理を行なう写真処理方法であって、前記処理液におけ
るチオ硫酸銀イオンに由来する電位の変化に応じて、印
加電流量を変えるように通電することを特徴とする写真
処理方法。 (2)槽内に、少なくとも陰イオン交換膜を介して電解
質を含有する液と接するように処理液を満たし、前記電
解質を含有する液に陽極を、前記処理液に陰極をそれぞ
れ浸漬し、前記陽極と前記陰極に通電して、使用済みの
処理液の除銀処理を行なうようにした上記(1)の写真
処理方法。 (3)前記処理液におけるチオ硫酸銀イオンに由来する
電位を検知し、この電位が、比較的低い値である第1の
所定値以下となったとき、通電を停止し、比較的高い値
である第2の所定値以上となったとき、通電を再開する
ようになっている上記(1)または(2)の写真処理方
法。 (4)使用済みの処理液を除銀処理する電解装置を備え
た自動現像機を用いた写真処理方法において、自動現像
機における感光材料の処理量に比例して、電解装置への
印加電流量を制御して除銀処理能力を自動的に設定する
とともに、電解装置における前記処理液のチオ硫酸銀イ
オンに由来する電位の変化に応じて、前記感光材料の処
理量の変化に基づく印加電流量の制御に優先して、印加
電流量を変えるように通電することを特徴とする写真処
理方法。 (5)使用済み処理液の除銀処理を行なう電解装置を備
えた自動現像機において、作動電流を制御することによ
り感光材料の処理能力を可変にする処理能力制御手段、
前記電解装置における前記処理液のチオ硫酸銀イオンに
由来する電位を検知する電位検知手段、およびこの電位
検知手段により、検知した前記電位が、比較的低い値で
ある第1の所定値以下となったとき、および比較的高い
値である第2の所定値以上となったときに、この検知し
た電位に応じて、前記電解装置への印加電流量を制御す
る印加電流量制御手段を備えていることを特徴とする自
動現像機。 (6)感光材料の処理量を把握し、この処理量に比例し
て、電解装置への電流量を制御して除銀処理能力を自動
的に設定する除銀処理能力設定手段を備えており、印加
電流量制御手段が、除銀処理能力設定手段に優先して、
電解装置への印加電流量を制御するようになっている上
記(5)の自動現像機。 (7)前記電位検知手段が、標準電極および硫化銀電極
を有し、両電極が前記処理液に接することにより電位を
検知する上記(5)または(6)の自動現像機。 (8)前記電解装置により除銀処理したのちの前記処理
液と接するように標準電極および硫化銀電極を配設し、
さらに、アース電極を前記処理液に接するように配設し
た上記(7)の自動現像機。 (9)前記電解装置により除銀処理したのちの前記処理
液を処理槽内に戻す流路途中に液溜タンクを設け、この
液溜タンクを介して前記処理液を処理槽内に戻す構成で
あり、前記液溜タンク内の前記処理液を流路途中から、
液絡の形成がないようにして貯留し、前記液溜タンク内
に標準電極および硫化銀電極を液溜タンク内の前記処理
液に接するように配設した上記(7)の自動現像機。 (10)前記電解装置における前記処理液は陰イオン交
換膜を介して電解質を含有する液と接するように槽内に
満たされており、前記処理液に陰極が、電解質を含有す
る液に陽極がそれぞれ浸漬されている上記(5)ないし
(9)のいずれかの自動現像機。
【0011】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0012】本発明の写真処理方法においては、処理液
を陽極と陰極が設置された電解槽へ導入通電するか、陰
イオン交換膜を介して電解質を含有する液と接するよう
にし、前記処理液に陰極を、前記電解質を含有する液に
陽極を、それぞれ浸漬し、両極に通電して処理液を処理
する。
【0013】この場合の処理液は、定着剤としてチオ硫
酸ナトリウム(ハイポ)、チオ硫酸アンモニウム等のチ
オ硫酸塩を含有するものであり、主として定着液であ
る。さらには漂白定着液であってもよい。
【0014】このような通電により、定着工程で生成
し、定着力低下の要因となる銀錯塩(チオ硫酸銀錯塩)
が陰極上で還元されて銀として析出する。これにより定
着能を有する処理液の定着力が回復し、同時に銀が回収
される。
【0015】このとき、正常状態においては、自動現像
機の感光材料の処理量に比例して、印加電流量を変える
ように通電を制御する。これにより、電解装置の処理能
力を自動現像機における感光材料の処理量に比例したも
のとすることができる。感光材料の処理量は、例えば、
シート状感光材料の場合には、自動現像機でのその通過
量、即ち感材の幅と長さから成る面積で知ることができ
る。長尺物では幅が一定である為に長さのみで面積を知
ることができる。
【0016】そして、本発明では、上記の感材の処理量
に基づく通電の制御のほか、処理液におけるチオ硫酸銀
イオンに由来する電位の変化に応じて、印加電流量を変
えるように通電するようにしたので、有害成分の発生を
防止しつつ、有効に除銀処理を行なうことができる。
【0017】例えば、チオ硫酸銀イオンの濃度条件より
高いレベルの電流量が印加されると、チオ硫酸塩まで分
解してしまい、定着力が低下するのみならず、分解によ
りイオウ系のガスが生成して不快臭が発生したり、硫化
銀のような不溶物が生成する。また低レベルの電流量で
は、銀の析出が十分でなく、定着力の回復を図ることが
できない。本発明ではこれが解決される。
【0018】この結果、除銀処理を行なった定着液等を
補充液等として使用しても定着性能上全く問題のない処
理を行なうことができる。このため、新たに調製した補
充液の使用量を減少させることができる。
【0019】また、陰イオン交換膜を使用する態様にお
いては、さらに、定着工程で感材の乳剤層から溶出する
ハロゲン化物イオンが陰イオン交換膜を介して電解質溶
液の方に移動するので、定着力を低下させるハロゲン化
物イオンが定着液等に蓄積するのを防止することがで
き、定着性能をさらに良好に回復することができる。
【0020】以下、添付図面を参照しつつ、本発明の自
動現像機を説明する。図1は、槽配列等を示す側面図で
ある。
【0021】図示のように、自動現像機(以下、自現機
ということがある)1は、発色現像液110を満たした
発色現像槽11、漂白液120を満たした漂白槽12、
定着液130を満たした定着槽13、リンス第1液R1
を満たしたリンス第1槽14、リンス第2液R2 を満た
したリンス第2槽15、安定液160を満たした安定槽
16を有し、例えばカラーネガフィルムなどの感光材料
Sを各処理槽間に搬送させて、発色現像→漂白→定着→
リンス→リンス→安定化の各処理を施すものである。
【0022】自現機1は、電解装置Dが設置されてお
り、この電解装置Dは、槽21を有している。槽21に
は、定着槽13からオーバーフローにより、あるいはポ
ンプ等により強制的に取り出された定着液130が満た
されている。この定着液130には陰極31および陽極
32が浸漬されており、これらの電極31、32は、電
源装置33により通電可能とされている。
【0023】また、自現機1には、処理すべき、あるい
は処理をした感光材料Sの量を検知する処理量センサ3
4が設けられている。この処理量センサ34は、処理す
べき感光材料Sの量を検知し、それに応じた処理量信号
S1を発するようになっている。この処理量信号S1
は、上記電源装置33に供給され、電源装置33は、こ
の処理量信号S1に応じて、上記電解装置Dへの供給電
流量を制御し、この電解装置Dでの使用中の定着液13
0に対する除銀処理能力を適宜に設定する。
【0024】電解装置Dには、除銀処理をしている使用
中の定着液130のチオ硫酸銀イオンに由来する電位を
検出する電位検知器35を備えている。この電位検知器
35は、図示のように、先端部に、センサー部として例
えば硫化銀電極35aと塩化銀標準電極35bとを有す
る。上記電位検知器35は、両電極35a、35bが除
銀処理をしている使用中の定着液130に接することに
よって、上述したように、定着液130のチオ硫酸銀イ
オンに由来する電位を検知し、電位信号S2を発する。
この電位信号S2は、コントローラー36に伝達され、
このコントローラー36から上記電源装置33の電流量
を制御する。電源装置33は、この電位信号S2を受
け、その電位信号S2に基づき、S1の信号に優先し
て、電解装置Dを制御する。
【0025】この制御は、例えば、上記電位信号S2の
値が比較的高い第1所定値(V1)より大きくなったと
きに、電解装置Dの作動を強制開始させるものである。
そこで、比較的低い値である第2所定値を設定してお
き、電位信号S2がこの第2所定値(V2)より低くな
ったとき、電解装置Dの作動を停止する。
【0026】そして、このような制御のもとに除銀処理
された定着液130は再び定着槽13に戻され、補充液
として使用される。
【0027】上記の制御のように、S2≧V1となった
とき、電解装置Dの作動を強制開始し、またS2≦V2
となったとき作動を停止するものとするほか、以下のよ
うに制御してもよい。
【0028】感材の処理量信号S1に基づく印加電流量
をI0 、電位信号S1に基づき、S2≧V1のときの印
加電流量をI1 、S2≦V2のときの印加電流量をI2
と各々設定しておく。この場合I1 >I0 >I2 であ
り、I1 はI0 の1.1〜5倍程度、I2 はI0 の0.
9〜0.2倍程度とするのがよい。そして、コントロー
ラ36がS2信号を受けてS2≧V1と判断すると、S
2信号に基づきI1 の電流量が印加されるように電解装
置Dを作動する。一方、S2信号を受けて、S2≧V2
と判断すると、S2信号に基づきI2 の電流量が印加さ
れるように電解装置Dを作動する。そして、V2<S2
<V1のときは、S1信号に基づくI0 の電流量が印加
されるように電解装置Dを作動する。
【0029】上記において、S2がV1より少々小さい
値(V1−△V)、あるいはV2より少し大きい値(V
2+△V)になったときにブザーで知らせるようにして
おき、これとともにS2の電位信号を記録するものとし
てもよい。
【0030】また、S2=V1−△V(△VはV1の3
〜30%の値)のレベル、あるいはS2=V2+△V
(△VはV2の3〜30%の値)のレベルでS2信号を
優先させる制御をすることも好ましい。
【0031】上記の除銀処理は、感材の処理中にて行な
うことが好ましい。従って、感材の処理信号を受けとる
と同時あるいは一定時間を経過したのちに、電解装置D
を作動させることが好ましい。そして、処理の終了とと
もに作動を停止すればよい。感材の処理中にて除去処理
を行なうことによって、定着液130から銀を除去しつ
つ、再使用することが可能になる。
【0032】本発明における使用済みの処理液(定着液
等の定着能を有する処理液)とは、感材の処理に使用し
て銀錯塩が含有されるようになった処理液をいう。
【0033】なお、上記のように感材の処理中にて除銀
処理を行なう場合には、電解装置Dの槽21内にある程
度の量の液が満たされている必要があるので、予め槽2
1内に処理液の新液などを満たしておけばよい。
【0034】また、オーバーフロー等により槽21内に
液がある程度貯留した時点で除銀処理を開始するものと
してもよい。
【0035】図1における電解装置Dのかわりに、図2
に示すような電解装置D1を用いてもよい。
【0036】図2の電解装置D1は、図1のものにおい
て、槽21内に陰イオン交換膜A1を設け、陰イオン交
換膜A1を介して定着液130と電解質を含有する液2
10が接するように両液が満たされており、定着液13
0に陰極31が、電解質を含有する液210に陽極32
が浸漬されているものとするほかは、図1と同構成のも
のである。
【0037】図2の電解装置D1を用いることによっ
て、さらに、前述のように、定着液130から定着を阻
害するハロゲン化物イオンが電解質を含有する処理液に
移動して除去されるため、定着性能がさらに向上したも
のとなる。
【0038】この場合、電位検知器35は陰極31側に
設置することが好ましく、この場合は陰極をアースとし
た電圧の印加としてもよい。さらには定着槽13で再使
用するため戻す流路付近(槽21の液出口側)に設置す
ることが好ましい。より適切な感材の処理を行なう上
で、再使用に供する定着液130のチオ硫酸銀イオンに
由来する電位に基づく制御を行なう方が合理的であるか
らである。
【0039】また、電解装置は図3に示すものであって
もよい。図3の電解装置D2は、図2のものにおいて、
電位検知器35の標準電極をカロメル電極36とし、さ
らにアース電極37を配置したものとするほかは、図2
と同構成のものである。なお、槽21側のアースは通常
自現機に用いられるアースをまとめて示すものである。
【0040】図3に示すように、アース電極37を設置
することによって、電位検知器35によりチオ硫酸銀イ
オンに基づく電位を検知する際のノイズを防止すること
ができる。このため、電位の検知を精度よくかつ安定し
て行なうことができる。
【0041】図1〜図3においては、電解装置に設置す
る陰極および陽極は板状、棒状のものとしているが、図
4に示すような構成であってもよい。図4は、定着槽お
よび電解装置の槽配列等を示す平面図である。
【0042】図4における電解装置D3は、槽21の中
心部に円筒形の陰極31が設置されている。この陰極3
1は回転可能であり、除銀処理中にて回転する。これに
より、陰極31上への銀の析出が効率的に行なわれる。
【0043】また、陰極31と対をなす陽極32は槽2
1の3つの側面に接して3個設置されている。
【0044】さらに、槽21内には、3個の陽極32が
設置されている側面と対向し、かつ陰極31を囲むよう
に、陰イオン交換膜A1が設置されている。そして、陰
イオン交換膜A1を介して、陰極31側には、図示のよ
うに、定着槽13から導入した定着液130が満たされ
ており、陽極32側には電解質を含有する液210が満
たされている。
【0045】図4において、その他の構成は図2と同様
であり、図2の電解装置と同様の効果が得られる。
【0046】なお、電位検知器35は、槽21において
定着槽13への液出口側に設置することが好ましい。
【0047】また、電解装置は図5に示すものであって
もよい。
【0048】図5に示す電解装置D4は、図4のものに
おいて、4個の陽極32を槽21の4つの側面に接して
設置するものとし、このうち1個の陽極32のみを陰イ
オン交換膜A1で仕切るようにするものとしたほかは図
4のものと同様の構成のものである。
【0049】図5のものでも図4のものと同様の効果が
得られる。ただし、ハロゲン化物イオンの除去という点
では、図4のものの方が好ましい。しかし、除銀処理液
量の点では図5のものの方が優る。
【0050】図5においても、電位検知器35は、図示
のように、槽21において定着槽への液出口側に設置す
ることが好ましい。
【0051】図4、図5において、電位検知器35によ
る検知能力を安定化させるために、必要に応じ、図3と
同様に、アース電極を配置してもよい。
【0052】また、アース電極を配置するものとするか
わりに、図6に示す構成としてもよい。図6は定着槽1
3および電解装置D5の構配列等を示す側面図である。
【0053】図6に示すように、電解装置D5は、槽2
1を有する。槽21には、定着槽13のオーバーフロー
口13aから排出され、槽21の液入口21aから導入
された定着液130のオーバーフロー液が満たされてい
る。また、回転可能な陰極31およびこれと対をなし、
この円周4面を覆うように、2〜8個の陽極32が設置
されている。槽21内の除銀処理された定着液130は
液出口21bからポンプ24を介して取り出され、定着
槽13の上部に位置する液入口13bから液絡の形成が
ないように滴下するなどして定着槽13に戻されるよう
になっている。そして、この液流路の途中には液溜タン
ク22が設置されている。
【0054】この液溜タンク22内の定着液130は、
流路途中の管23から液絡の形成がないように滴下する
などして満たされたものである。そして、液溜タンク2
2内の定着液130に電位検知用電極(例えば硫化銀電
極35aと標準電極であるカロメル電極36の組合せ)
が接するように電位検知器35を設置する。
【0055】なお、図中の3ケ所のアースは、通常の電
解装置を備えた自現機において用いられるものである。
【0056】図6における他の構成は、図1のものと同
様とすればよい。さらに槽21内には図4、図5に準じ
て、陰イオン交換膜を設置することもできる。
【0057】図6の構成においても、電位検知の際のノ
イズが防止される。例えば、定着槽13の加温装置で
0.1mAの漏電電流が流れたときでも、図6の構成では
ノイズは生じることがなくノイズ防止という点でも優れ
る。ただし、電位検知器部分が処理液から隔離された図
6の構成に比べ、ノイズ防止の点では少し劣るものとな
るが、場合によっては定着槽13における液入口13b
を定着槽13内の液と液絡するように定着槽13の中間
部などに設けてもよい。
【0058】本発明におけるチオ硫酸銀イオンに由来す
る電位を検知する電極の組合せは、前述のような塩化銀
電極やカロメル電極等の標準電極と硫化銀電極との組合
せとすることが好ましい。硫化銀電極は、少なくとも表
面が硫化物である硫化銀であるため、定着液中において
極めて安定であり、溶解する懸念がないからである。こ
の硫化銀(Ag2 S)電極は、チオ硫酸塩、亜硫酸塩等
の含イオウ化合物を含有する水溶液中に銀棒を浸漬し、
この銀棒に強く通電することによってAg2 S被膜を形
成し、その後、この被膜を有する銀棒を空中で100〜
500℃で加熱してAg2 S被膜を固着して作製したも
のなどとすればよい。
【0059】Ag2 S電極のほか、Ag電極も使用する
ことができるが、この場合はAg線をKCl溶液などの
第1の電解質溶液内に入れ、さらにこのものをKNO3
溶液などの第2の電解質溶液内に入れたダブルジャンク
ション型の電極とする必要がある。
【0060】本発明に用いられる感光材料は、カラーお
よび黒白感光材料のいずれであってもよい。このような
ものとしては、例えばカラーペーパー、カラーネガフィ
ルム、カラー反転フィルム、カラーポジフィルム、カラ
ー反転印画紙、製版用写真感光材料、X線写真感光材
料、黒白ネガフィルム、黒白印画紙、マイクロ用感光材
料等が挙げられる。なかでも、カラー感光材料の処理に
適用することが好ましい。
【0061】本発明において、感材の処理量に比例した
電流量とは、カラー感材の場合、感材種を選別する機構
を有する自現機であれば各感材に対して一定比率の割合
とした通電量をいう。例えば、銀塗布量が1.08g/m2
の感材では感材1/100m2毎に10クローン通電し、
銀塗布量がこの1/2〜10倍であれば5〜100クロ
ーン通電する。また、感材種を選別する機構のない自現
機であれば、感材種と塗布銀量の加重平均を求め、その
平均塗布銀量に対応した通電量とする。
【0062】一方、黒白感材の場合、仕上りの平均現像
銀量が測定できる機構を有する自現機であれば、(塗布
銀量−平均現像銀量)の差に対応する銀量に対する通電
量とする。また、仕上りの平均現像銀が測定できない自
現機であれば予想平均現像銀量を加味した通電量とす
る。黒白感材のなかで異なる感材種があればカラー感材
の場合と同様に感材別にコントロールした通電量として
もよい。
【0063】通常の感材処理においては、処理される感
材のなかで塗布銀量が平均値となるような感材の処理量
が最大となり、平均値より大きいもの、小さいもののそ
れぞれの処理量が同程度の処理量分布を示し、この場合
には最大処理量の感材に合わせて感材の処理量に比例し
た通電量をセットしておくのみですむことが多い。
【0064】しかし、例えば、オリンピックや、夏、冬
などの特殊な場合には、上記の処理量分布からははずれ
るため、感材の処理量に比例した通電量のみでは適切な
ものとはならず、本発明の適用の効果が発揮される。
【0065】本発明に用いる陰極は長時間の使用に耐え
うる電気伝導体または半導体であればいずれでもよい
が、特にステンレスが好ましい。陽極は不溶性の材質で
かつ電気伝導体であればよく、具体的には炭素(黒
鉛)、二酸化鉛、白金、金、チタン鋼が挙げられ、場合
によってはステンレス鋼を用いてもよい。両極の形状
は、槽内に設置しやすい板状か網目入りの板状または突
起付きの板状が好ましい。大きさは、槽容量により適宜
選択すればよい。
【0066】本発明における通電は、通常0.3〜10
0V 、好ましくは、0.6〜60Vの電圧をかけ、電流
密度が10μA/cm2 〜1A/cm2 、好ましくは1mA/cm2
〜20mA/cm2となるように行なえばよい。
【0067】本発明に用いる陰イオン交換膜は、陰イオ
ンを選択的に透過させるものであれば、いずれを用いて
もよく、市販のものをそのまま用いることができる。
【0068】このように陰イオン交換膜としては、Sele
mion AMV/AMR(旭硝子製)、Aciplex A201、A172 (旭化
成製)、Neosepta AM-1 〜3 (徳山曹達製)、Ionac MA
-3148 (Ionac Chemicals製)、Nepton AR103PZL(Ionics
製)なども用いることもできるが、特に、本発明ではB
- 等のハロゲン化物イオンの透過を目的とするため、
1価の陰イオンを選択的に透過させるSelmion ASV/ASR
(旭硝子製)、Neosepta AFN-7、Neosepta ACS (徳山曹
達製)などの商品名で市販されているものを用いること
が好ましい。
【0069】なお、本発明においては、上記の陰イオン
交換膜は、陰イオンを選択的に透過させる膜を総称する
ものとし、このような意味において、孔径0.2〜20
μmの多孔性セラミックスも包含するものとする。
【0070】本発明における電解質を含有する液は、現
像液や漂白液のオーバーフロー等による排出液、あるい
はこの希釈液であってもよく、またリンス液や水洗水等
の排出液であってもよい。このような処理液の利用のほ
か、別途調製した水溶液であってもよい。別途調製する
場合に用いる電解質としては、特に制限はないが、Na
Cl、KCl、LiCl、NaBr、KBr、KI等の
ハロゲン化物、Na2SO4 、K2 SO4 等の硫酸塩、
KNO3 、NaNO3 、NH4 NO3 等の硝酸塩、Na
2 CO3 、K2 CO3 等の炭酸塩などを用いることが好
ましい。
【0071】このときの電解質溶液における電解質の濃
度は、0.1〜30%、好ましくは0.5〜20%とす
ればよい。
【0072】本発明における定着能を有する処理液は、
カラー感材においては、定着液、漂白定着液である。
【0073】漂白定着液や定着液に使用される定着剤
は、前述のように、チオ硫酸塩であり、このほかチオシ
アン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、沃化物
塩等を併用することができる。また、保恒剤としては、
亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スルフィン酸類あるいはカルボ
ニル重亜硫酸付加物が好ましい。
【0074】漂白定着液に用いられる漂白剤としては、
例えば鉄(III) 、コバルト(III) 、クロム(VI)、銅(II)
などの多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化
合物等が用いられる。代表的な漂白剤としてはフェリシ
アン化物;重クロム酸塩;鉄(III) もしくはコバルト(I
II) の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四
酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸などのアミノ
ポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸
などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニ
トロベンゼン類などを用いることができる。これらのう
ちエチレンジアミン四酢酸鉄(III) 錯塩を始めとするア
ミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩および過硫酸塩は迅速
処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらにアミノ
ポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は特に有用である。これら
のアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩を用いた漂白定着
液のpHは通常5.5〜8であるが、処理の迅速化のた
めに、さらに低いpHで処理することもできる。
【0075】漂白定着液には、必要に応じて漂白促進剤
を使用することができる。
【0076】有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書
に記載されている;米国特許第3,893,858号、
西独特許第1,290,812号、特開昭53−956
30号、リサーチ・ディスクロージャーNo. 17,12
9号(1978年7月)などに記載のメルカプト基また
はジスフィド結合を有する化合物;特開昭50−140
129号に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,
706,561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58
−16235号に記載の沃化物塩;西独特許第2,74
8,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特
公昭45−8836号に記載のポリアミン化合物;臭化
物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基または
ジスルフィド結合を有する化合物が促進効果が大きい観
点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、
西独特許第1,290,812号、特開昭53−956
30号に記載の化合物が好ましい。さらに、米国特許第
4,552,834号に記載の化合物も好ましい。
【0077】また、黒白感材の処理における定着能を有
する処理液は定着液であり、用いる定着液は、pH3.
8以上、好ましくは4.2〜7.0を有する。定着剤と
しては、前記のとおりチオ硫酸塩であるが、定着速度の
点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましく用いられ
る。
【0078】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなどがあ
る。また、定着液には、酒石酸、クエン酸、グルコン酸
あるいはそれらの誘導体を単独で、あるいは2種以上、
用いることができる。さらに、定着液には所望により保
恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤
(例えば、酢酸、硼酸)、pH調整剤(例えば、硫
酸)、硬水軟化能のあるキレート剤や特開昭62−78
551号記載の化合物を含むことができる。
【0079】本発明における感光材料の処理には、前記
処理液のほか、種々の処理液が用いられる。前記処理液
も含めて、処理液の詳細、処理条件等については、特開
昭63−70857号、特開平1−190889号、特
開平2−103035号、特開平2−103037号、
特開平2−71260号、特開昭61−267559号
等の記載を参照することができる。
【0080】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0081】実施例1 特開平1−259359号公報の実施例2の試料201
のカラーネガフィルム(塗布銀量:7.2g/m2)を用い
て、これを露光した後、シネ式自動現像機を用いて、表
1に示す処理工程に従い発色現像液で80ラウンドまで
約4ヶ月間かかってランニングした。
【0082】
【表1】
【0083】表1に示す処理工程に用いた発色現像液
は、表2に示すもの、漂白液は表3に示すもの、定着液
は表4に示すもの、安定液は表5に示すものをそれぞれ
用いた。
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】また、リンス液は以下のものを用いた。
【0089】リンス液(母液、補充液共通) 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR120B)とOH型アニオ
ン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填し
た混床式カラムに通水してカルシウムおよびマグネシウ
ムイオン濃度を3mg/l以下に処理し、続いて二塩化イソ
シアヌール酸ナトリウム20mg/lと硫酸ナトリウム1.
5g/l を添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範
囲にあった。これを処理1Aとする。
【0090】処理1Aにおいて定着の補充量を15mlか
ら3mlに変えて1Aと同様にランニングした(処理1
B)。
【0091】次に処理1Bにおいて、自動現像機を、電
位検知器35を設置しないほかは、図1に示すような構
成に準じた改造機に替えて、そのほかは同様に処理した
(処理1C)。
【0092】定着液の電解は感材135サイズ24枚撮
り1本当り1.1V 、5.7A (電流密度0.4A/dm2)
で52秒間通電した。この場合、感材の処理量に比例し
た通電量の制御(S1の情報による制御)のみを行なう
ものとした。
【0093】定着槽に設置する陰極としては、モリブデ
ン含有ステンレス鋼(SUS316相当)シート[日本
金属工業(株)製NTK316:大きさ15cm×100
cm(肉厚1mm巾)]を、陽極としてカーボンシート[呉
羽化学工業(株)製のクレシート:大きさ15cm×10
0cm(肉厚1mm巾)]を、それぞれ用いた。
【0094】更に処理1Cにおいて、自現機に電位検知
器35を設置した図1の構成に準ずるものを用い、電位
信号S2の情報も合わせてランニングを同様に行なった
(処理1D)。電位検知器35における電極はAg2
電極とAgCl標準電極の組合せとした。
【0095】即ちS1の情報に優先させてS2の情報を
以下のように制御してランニングさせた。 S2≧ −330mVのとき 2.2V 11.4A (電流密度0.8A/dm2) S2≦ −420mVのとき 0.55V 2.9A (電流密度0.2A/dm2) S2が−330mV未満−420mV超のときは処理1Cと
同じ通電の制御となる。処理1A〜1Dまでを脱銀性と
いう観点と処理の安定性という観点で評価した。
【0096】脱銀不良は、蛍光X線による銀分析によ
り、残留銀量5μg/cm2 以上を脱銀不良発生と評価し
た。
【0097】処理の安定性は定着液が分解した頻度で表
示した。結果を表6に示す。
【0098】
【表6】
【0099】処理1Aに比べ、処理1Bは定着の補充量
が1/5と少なくなり環境上好ましいが、脱銀不良が発
生して使用できない。処理1Cになると2%の脱銀トラ
ブルはあるが、なんとか使用可能である。しかし脱銀ト
ラブルは皆無ではなく、定着液の分解が発生するので手
間どる。
【0100】処理1Dにすると脱銀不良トラブル、析出
トラブルもなく、しかも環境上好ましい処理システムと
なった。
【0101】処理1Dにおいて図7に示すように電位の
上限(CU)、下限(CL)を−350mV、−400mV
でコントロールしても処理1Dと同様の問題ない処理が
できた。図7には、処理1Dの電位の上限(AU)、下
限(AL)も同時に示している。
【0102】なお、図中の△は、電位の上限、下限をそ
れぞれCU、CLと設定したときのS2情報に基づく通
電が優先するレベル、×は、CU、CLの組合せにおけ
るほか、AU、ALの組合せに設定したときのS2情報
に基づく通電が優先するレベル、○は、AU、ALの組
合せ、CU、CLの組合せのいずれにおいても、S1の
情報のみに基づく通電となるレベルを示す。
【0103】実施例2 実施例1の処理1Dにおいて、電解装置Dを図3の電解
装置D2にかえて、そのほかは同様に処理した(処理2
D)。すなわち、電位検知器35において、標準電極に
カロメル電極を用い、さらにAgアース電極を設置する
ものとした。ただし、陰イオン交換膜は設置しないもの
とした。処理2Dでは、処理1Dと同等の効果が得られ
るほか、処理1Dに比べ、電位信号S1の検知の際のノ
イズが著しく減少し、安定した検知を行なうことができ
た。
【0104】実施例3 実施例1の処理1Dにおいて、電解装置Dの代りに図5
の電解装置D4を用いた。
【0105】この電解装置D4においては、図示のよう
に陰極と一部の陽極の間に陰イオン交換膜を設置した。
陰イオン交換膜を介して陰極側に定着液を陽極側に漂白
液のオーバフロー液を導入した。陰イオン交換膜はNeos
epta AFN-7(徳山曹達製)を用いた。
【0106】通電条件等は実施例1の処理1Dと同じで
ある。これを処理3Dとする。
【0107】処理3Dでは、定着液の補充量が0.5ml
/35mm巾1m長さ当りでも特にトラブルなく処理でき
た。
【0108】こうなると補充量が1/30になり環境上
より良好となった。
【0109】実施例4 実施例3の処理3Dにおいて、電解装置D4のかわりに
図6の構成に準じた電解装置D5を用いるほかは同様に
処理した(処理4D)。すなわち、電位検知器35の標
準電極はカロメル電極とした。ただし、槽21内の陽極
は電解装置D4と同じ配置とし、陰イオン交換膜も同様
に設置した。
【0110】処理4Dでは処理3Dと同等の効果が得ら
れるほか、電位検知の際のノイズが処理3Dに比べて著
しく減少し、安定した検知を行なうことができた。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、定着能を有する処理液
から、有害成分の発生を極力抑えた状態で、効率良く除
銀現像処理を行なうことができるとともに、この除銀処
理後の処理液を用いても良好な写真性能を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動現像機の槽配列等を模式的に示す
側面図である。
【図2】本発明の自動現像機の電解装置を模式的に示す
側面図である。
【図3】本発明の自動現像機の電解装置を模式的に示す
側面図である。
【図4】本発明の自動現像機の電解装置を模式的に示す
平面図である。
【図5】本発明の自動現像機の電解装置を模式的に示す
平面図である。
【図6】本発明の自動現像機の電解装置を模式的に示す
側面図である。
【図7】上記実施例における電解装置における電位の変
化を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1 自動現像機 11 発色現像槽 12 漂白槽 13 定着槽 21 槽 110 発色現像液 120 漂白液 130 定着液 210 電解質を含有する液 A1 陰イオン交換膜 31 陰極 32 陽極 R1 、R2 リンス液 D、D1〜D5 電解装置 34 処理量センサ 35 電位検知器 35a 硫化銀電極 35b、36 標準電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】この制御は、例えば、上記電位信号S2の
値が比較的高い第1所定値(V1)より大きくなったと
きに、電解装置Dの作動を強制開始させるものである。
そこで、比較的低い値である第2所定値を設定してお
き、電位信号S2がこの第2所定値(V2)より低くな
ったとき、電解装置Dの作動を停止する。そして、この
ような制御のもとに除銀処理された定着液130は再び
定着槽13に戻され、補充液として使用される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】上記の電位信号S2には、定着液130の
チオ硫酸銀イオンに由来する電位のほか、チオ硫酸塩に
由来する電位を加味することができる。定着液130の
電位は、液のチオ硫酸銀イオンの濃度とチオ硫酸塩の濃
度に左右され、他の定着液成分にはほとんど左右されな
い。一方、本発明のように、通電による除銀処理を行う
際で、しかも処理が閑散の場合、補充量が相対的に少な
くなり、定着槽13内の定着液130の補充液による交
換頻度が少なくなることから定着液130の定着槽13
内における滞留時間が長くなり、その結果として定着槽
13や電解装置D上面からの水の蒸発などで定着液13
0中のチオ硫酸塩の濃度は高くなりがちである。ただ
し、補充液のかわりに水を加えるような場合にはチオ硫
酸塩の濃度は低くなる。また、チオ硫酸銀イオンが銀に
還元されている間は、チオ硫酸塩は還元分解しないが、
チオ硫酸銀イオンが少なくなると還元分解しやすくな
る。以上のことを考慮するとチオ硫酸銀イオンの濃度お
よびチオ硫酸塩の濃度と、脱銀不良の発生およびチオ硫
酸塩の還元分解の発生との関係は以下のようになる。 (1)チオ硫酸銀イオンの濃度およびチオ硫酸塩の濃度
がともに低い条件では脱銀不良がほとんど発生しない
が、チオ硫酸塩の還元分解が生じやすくなる。 (2)チオ硫酸銀イオンの濃度が高く、チオ硫酸塩の濃
度が低い条件では脱銀不良が発生するが、チオ硫酸塩の
還元分解は発生しない。 (3)チオ硫酸銀イオンの濃度が低く、チオ硫酸塩の濃
度が高い条件では脱銀不良の発生はないが、チオ硫酸塩
の還元分解が生じやすくなる。 (4)チオ硫酸銀イオンの濃度およびチオ硫酸塩の濃度
がともに高い条件では脱銀不良の発生もチオ硫酸塩の還
元分解もほとんど生じない。 すなわち、脱銀性という観点では(2)の条件の時に最
悪であり、他の(1)、(3)、(4)の時は発生しな
い。電解時のチオ硫酸塩が分解するという観点では
(1)、(3)の時に発生する可能性がある。しかし、
(1)の時はチオ硫酸銀イオンもチオ硫酸塩も少ない時
であり、水蒸発が起こる時には発生確率はほとんどゼロ
に近い。前記したが、可能性として起こりうるのは水で
定着液130をうすめてしまう時である。従って、問題
と考えられるケースは(2)と(3)である。(2)の
ケースはチオ硫酸銀イオンが多く、チオ硫酸塩が少ない
時でこのときはバルク電位(銀とチオ硫酸塩との混成電
位)が著しく高くなるので比較的高い値である電気信号
S2の第1所定値(V1)を設定し、電位がV1より大
きくなったときに電解装置Dの作動を開始する。また、
(3)のケースはチオ硫酸銀イオンが少なく、チオ硫酸
塩が多い時でこのときバルク電位が著しく低くなるの
で、比較的低い値である電位信号S2の第2所定値(V
2)を設定しておき電位がV2をより低くなったときに
電解装置Dの作動を停止すればよい。上記におけるV1
およびV2は、定着液130の組成等によって多少異な
るが、通常、V1は−385〜−325mV程度、V2
は−425〜−395mV程度とすればよく、この範囲
内でV1とV2とを組み合わせればよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正内容】
【0101】処理1Dにおいて図7に示すように電位の
上限(CU)、下限(CL)を−350mV、−400
mVでコントロールしても処理1Dと同様の問題ない処
理ができた。図7には、処理1Dの電位の上限(A
U)、下限(AL)も同時に示している。なお、図中の
△は、電位の上限、下限をそれぞれCU、CLと設定し
たときのS2情報に基づく通電が優先するレベル、×
は、CU、CLの組合せにおけるほか、AU、ALの組
合せに設定したときのS2情報に基づく通電が優先する
レベル、○は、AU、ALの組合せ、CU、CLの組合
せのいずれにおいても、S1の情報のみに基づく通電と
なるレベルを示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】さらに、処理1Dにおいて、電位の上限を
−380mV、下限を−410mVとし、−380mV
以上となったとき通電を強制開始し、−410mV以下
となったとき通電を停止するような制御を行ったが、処
理1Dと同様に問題のない処理を行うことができた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極に通電して、使用済みの処理
    液の除銀処理を行なう写真処理方法であって、 前記処理液におけるチオ硫酸銀イオンに由来する電位の
    変化に応じて、印加電流量を変えるように通電すること
    を特徴とする写真処理方法。
  2. 【請求項2】 槽内に、少なくとも陰イオン交換膜を介
    して電解質を含有する液と接するように処理液を満た
    し、前記電解質を含有する液に陽極を、前記処理液に陰
    極をそれぞれ浸漬し、前記陽極と前記陰極に通電して、
    使用済みの処理液の除銀処理を行なうようにした請求項
    1の写真処理方法。
  3. 【請求項3】 前記処理液におけるチオ硫酸銀イオンに
    由来する電位を検知し、この電位が、比較的低い値であ
    る第1の所定値以下となったとき、通電を停止し、比較
    的高い値である第2の所定値以上となったとき、通電を
    再開するようになっている請求項1または2の写真処理
    方法。
  4. 【請求項4】 使用済みの処理液を除銀処理する電解装
    置を備えた自動現像機を用いた写真処理方法において、
    自動現像機における感光材料の処理量に比例して、電解
    装置への印加電流量を制御して除銀処理能力を自動的に
    設定するとともに、電解装置における前記処理液のチオ
    硫酸銀イオンに由来する電位の変化に応じて、前記感光
    材料の処理量の変化に基づく印加電流量の制御に優先し
    て、印加電流量を変えるように通電することを特徴とす
    る写真処理方法。
  5. 【請求項5】 使用済み処理液の除銀処理を行なう電解
    装置を備えた自動現像機において、作動電流を制御する
    ことにより感光材料の処理能力を可変にする処理能力制
    御手段、前記電解装置における前記処理液のチオ硫酸銀
    イオンに由来する電位を検知する電位検知手段、および
    この電位検知手段により、検知した前記電位が、比較的
    低い値である第1の所定値以下となったとき、および比
    較的高い値である第2の所定値以上となったときに、こ
    の検知した電位に応じて、前記電解装置への印加電流量
    を制御する印加電流量制御手段を備えていることを特徴
    とする自動現像機。
  6. 【請求項6】 感光材料の処理量を把握し、この処理量
    に比例して、電解装置への電流量を制御して除銀処理能
    力を自動的に設定する除銀処理能力設定手段を備えてお
    り、印加電流量制御手段が、除銀処理能力設定手段に優
    先して、電解装置への印加電流量を制御するようになっ
    ている請求項5の自動現像機。
  7. 【請求項7】 前記電位検知手段が、標準電極および硫
    化銀電極を有し、両電極が前記処理液に接することによ
    り電位を検知する請求項5または6の自動現像機。
  8. 【請求項8】 前記電解装置により除銀処理したのちの
    前記処理液と接するように標準電極および硫化銀電極を
    配設し、さらに、アース電極を前記処理液に接するよう
    に配設した請求項7の自動現像機。
  9. 【請求項9】 前記電解装置により除銀処理したのちの
    前記処理液を処理槽内に戻す流路途中に液溜タンクを設
    け、この液溜タンクを介して前記処理液を処理槽内に戻
    す構成であり、前記液溜タンク内の前記処理液を流路途
    中から、液絡の形成がないようにして貯留し、前記液溜
    タンク内に標準電極および硫化銀電極を液溜タンク内の
    前記処理液に接するように配設した請求項7の自動現像
    機。
  10. 【請求項10】 前記電解装置における前記処理液は陰
    イオン交換膜を介して電解質を含有する液と接するよう
    に槽内に満たされており、前記処理液に陰極が、電解質
    を含有する液に陽極がそれぞれ浸漬されている請求項5
    ないし9のいずれかの自動現像機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0777150A1 (en) 1995-11-29 1997-06-04 Konica Corporation Developing composition for silver halide photographic light sensitive material

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