JPH0553260A - ハロゲン化銀感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀感光材料の処理方法

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JPH0553260A
JPH0553260A JP23539391A JP23539391A JPH0553260A JP H0553260 A JPH0553260 A JP H0553260A JP 23539391 A JP23539391 A JP 23539391A JP 23539391 A JP23539391 A JP 23539391A JP H0553260 A JPH0553260 A JP H0553260A
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JP
Japan
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bleach
solution
processing
fixing
tank
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JP23539391A
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English (en)
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Takashi Nakamura
敬 中村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 漂白定着液の処理性能を容易に維持しながら
処理し、写真性能を良好にしたままで漂白定着液の使用
量を低減する。 【構成】 漂白定着液120と水溶液Wとが陰イオン交
換膜A1を介して接するように、各液を槽内に満たす。
漂白定着液120中には陽極32、水溶液W中には陰極
35がそれぞれ浸漬されており、この電極対を用いて感
材処理時に通電する。一方、感材未処理時には、漂白定
着液120中に浸漬された陰極33と水溶液W中に浸漬
された陽極36との組合せを用いて通電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀感光材料
(以下「感光材料」、「感材」と略す場合がある。)を
漂白定着処理するときの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー感光材料は、露光後、発色現像、
脱銀、水洗、安定化等の工程により処理される。発色現
像には発色(カラー)現像液、脱銀処理には漂白液、漂
白定着液、定着液、水洗には水道水またはイオン交換
水、安定化処理には安定液がそれぞれ使用される。各処
理液は通常20〜50℃の温度調節され、感光材料はこ
れらの処理液中に浸漬され処理される。
【0003】このようななかで基本となるのは、発色現
像と脱銀の処理工程である。発色現像工程では、写真乳
剤中の露光により感光したハロゲン化銀粒子に還元剤で
ある現像主薬が作用してAg+ をAgに還元するととも
に、発色現像主薬の酸化体がカプラーと反応して、銀画
像に対応した色素画像が形成される。そして、引き続く
脱銀工程では、現像により生成した銀が酸化剤である漂
白剤によって酸化されてハロゲン化銀に変わり、これが
ハロゲン化銀溶剤である定着剤によって溶解除去され色
素画像のみが形成される。
【0004】この脱銀工程は、漂白工程と定着工程とを
含み、これらの工程を同一浴で行なう方法や別浴で行な
う方法、あるいは漂白工程と漂白定着工程とを別浴で行
なう方法などがある。
【0005】したがって、漂白工程と定着工程とを同一
浴で行なう漂白定着工程は、カラー感光材料の処理工程
において種々の態様で用いられるものであり、特にカラ
ーペーパー等の比較的脱銀されやすい感材では、脱銀工
程として漂白定着工程のみとする方法が採用されること
が多い。また、脱銀工程を漂白定着工程のみとする処理
は、処理浴数を少なくでき、かつ補充液が1種のみです
むため補充量を少なくできるなどの利点がある。また、
この処理液をタンク中に収納する際に複数の処理液、例
えば漂白液と定着液を用いる場合に比べて、両液をとり
違えるという事故の発生もなく、未熟練者の処理にもよ
り適したものとなる。
【0006】このような漂白定着液に含有される漂白剤
としては、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン
酸あるいはそれらの塩などの第二鉄錯体が挙げられ、代
表的には、エチレンジアミン四酢酸第二鉄錯塩が汎用さ
れており、このほか高い酸化力を有するものとしては
1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄錯塩などが挙げ
られる。一方、定着剤としては、チオ硫酸塩などが挙げ
られる。
【0007】したがって、このような漂白定着液では、
感材の処理につれて、鉄(II)塩と銀錯イオンとが蓄積
して活性度が低下することになる。
【0008】また、漂白定着液中における定着剤や保恒
剤は、感光材料の未処理時、経時により空気酸化を受け
易くなり、酸化によりこれらの薬剤が分解して硫化が生
じ、感材表面を汚染するなどの硫化トラブルを引き起こ
す。
【0009】このような活性度の低下やトラブルを防止
するには、漂白定着液に対し、適量の補充液を加え、疲
弊した液をオーバーフロー等により排出するという方法
が採られている。しかし、補充量を増加させることは、
薬剤や水の使用量を増加させることになり、近年資源節
減や廃液量減量が環境保全等の立場から強く要望されて
いることもあって、好ましくない。また、コスト面でも
不利である。
【0010】また、漂白剤の酸化力を回復するために、
例えば、漂白定着液に空気ばっ気をを行なって液の酸化
還元電位を上昇させるという方法が採用されている。
【0011】しかしながら、このような方法を採用した
場合、液中に泡が発生し、漂白定着槽から液がこぼれて
まわりを汚染したり、発泡により生じた飛沫が前槽内に
入りこみ、前槽内の処理液を汚染してしまうという問題
がある。特に、前槽内の処理液は発色現像液であること
が多いため、発色現像液の劣化が生じ、現像力が低下す
るので問題は大きい。また、空気ばっ気により定着剤や
保恒剤が分解して定着力が低下するという問題もある。
【0012】一方、定着液の処理性能を回復する方法と
して、電解機の陰極上に銀を析出させる電解法が挙げら
れ、銀除去後の液に不足成分を補なうなどして再使用す
ることがなされている。しかし、この方法をそのまま漂
白定着液に適用すると、複雑な反応が起きてしまうな
ど、必ずしも再生がうまくいかない。
【0013】このようなことから、本出願人は陰イオン
交換膜を用いて通電することによって処理液の処理性能
を維持回復する方法を提案している(特願平2−334
916号等)。
【0014】しかし、漂白定着液は、酸化によって性能
が回復する成分である漂白剤と、還元状態において性能
が回復する成分である定着剤とを含有するものであるた
め、上記方法をそのまま適用することは問題があり、種
々の改善が望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、漂白
定着液の処理性能を容易に維持管理して処理することが
でき、この結果写真性能を良好にしたままで漂白定着液
の使用量を低減することが可能となるハロゲン化銀感光
材料の処理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(3)の構成により達成される。
【0017】(1)露光後のハロゲン化銀感光材料を発
色現像処理したのち、漂白定着液により漂白定着処理す
るハロゲン化銀感光材料の処理方法において、前記漂白
定着液と他の処理液、あるいは前記漂白定着液と水溶液
とが陰イオン交換膜を介して接するように、各液をそれ
ぞれ槽内に満たし、前記ハロゲン化銀感光材料の処理時
には、前記漂白定着液に陽極を、前記他の処理液もしく
は水溶液に陰極をそれぞれ浸漬し、前記陽極および陰極
に通電し、一方、未処理時には、前記漂白定着液に陰極
を、前記他の処理液もしくは水溶液に陽極をそれぞれ浸
漬し、前記陽極および陰極に通電することを特徴とする
ハロゲン化銀感光材料の処理方法。
【0018】(2)前記漂白定着液に浸漬される陽極と
前記他の処理液もしくは水溶液に浸漬される陰極との組
合せ、および前記漂白定着液に浸漬される陰極と前記他
の処理液もしくは水溶液に浸漬される陽極との組合せ
は、それぞれ別個のものである上記(1)に記載のハロ
ゲン化銀感光材料の処理方法。
【0019】(3)前記他の処理液は発色現像液または
そのオーバーフロー液である上記(1)または(2)に
記載のハロゲン化銀感光材料の処理方法。
【0020】なお、通電に際しては、漂白液と定着液と
他の処理液あるいは水溶液とを陰イオン交換膜で隔てる
ほか、塩橋で液絡することもできる。しかし、イオン交
換膜を用いない時には、塩橋では液間抵抗が大きく、消
費電力が大きくなり、通電装置の大きさにも対応でき
ず、さらにはコストアップを招き、また塩橋の寿命が短
く、その交換の手間等のメンテナンスにも苦労する。そ
して、塩橋では、漂白定着液におけるハロゲンイオン移
動の作用が発揮されないので、処理能力の再生や補充量
を減少させる効果が低い。
【0021】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0022】本発明における漂白定着処理では、陰イオ
ン交換膜を用いた通電によって漂白定着液の処理性能の
維持回復を図りながら感光材料を処理するものである。
この場合の通電は、感光材料の処理時および未処理時に
おいて、極をかえて行なうものであり、処理時には陽極
を浸漬して漂白定着液の酸化力を回復するようにし、未
処理時には陰極を浸漬して漂白定着液の還元力を回復す
るようにするものである。そして、処理時において漂白
定着液に浸漬される陰極と、これと対をなす陽極の組合
せ、また未処理時において漂白定着液に浸漬される陽極
と、これと対をなす陰極の組合せは、別個とすることが
好ましい。
【0023】本発明に用いられる処理装置として、図1
には、その一構成例が示されている。図1は、槽配列等
を示す平面図である。
【0024】図示のように、処理装置1は、発色現像液
110を満たした発色現像液槽11、漂白定着液120
を満たした漂白定着槽12、水洗水Wをそれぞれ満たし
た水洗第1槽13、水洗第2槽14、水洗第3槽15を
有し、例えばカラーペーパーなどの感光材料Sを各処理
槽間に搬送させて、発色現像→漂白定着→水洗→水洗→
水洗の各処理を施すものである。
【0025】発色現像槽11には隣接して水溶液210
を満たした槽21が設置されており、発色現像液110
と水溶液210とを仕切る隔壁は陰イオン交換膜A1で
構成されている。また、漂白定着槽12にも隣接して水
溶液Wを満たした槽22が設置されており、漂白定着液
120と水溶液Wとを仕切る隔壁は陰イオン交換膜A2
で構成されている。
【0026】発色現像槽11には陰極31が、槽21に
は陽極34がそれぞれ設置されており、これらの電極は
通電可能な構成となっている。
【0027】漂白定着槽12には陽極32が、槽22に
は陰極35がそれぞれ設置されており、これらの電極は
通電可能な構成となっている。さらに漂白定着槽12お
よび槽22には、これらの電極32、35とは別に、そ
れぞれ、陰極33および陽極36が設置されており、こ
れらの電極は通電可能な構成となっている。
【0028】なお、槽21に満たされる水溶液210
は、現像性能を維持する上で、電解質を含む新たな調製
液とすることが好ましいが、例えば発色現像液110の
オーバーフロー液を導入した液でもよい。また、槽22
に満たされる水溶液Wは、水洗第1槽13のオーバーフ
ロー等による排出液を導入するものとすればよい。
【0029】水洗第1槽13、水洗第2槽14、水洗第
3槽15においては、水洗効率を向上させるため、水洗
第3槽15から水洗水Wを補充し、順次前段の槽にオー
バーフローを流入する構成の、いわゆる多段向流方式が
採用されている。
【0030】このときの通電は、まず処理時において行
なう。この場合、漂白定着液120に浸漬された陽極3
2と水溶液Wに浸漬された陰極35との組合せを主に用
いて行ない、陰極33と陽極36との組合せには原則と
して通電しないようにする。すなわち、発色現像液11
0と漂白定着液120とに、感光材料Sの処理開始の信
号を受けとると同時に、あるいは所定の時間を経た後に
通電を行ない、処理の終了とともに発色現像液110に
対する通電を停止するようにする。また、漂白定着液1
20においては、陽極32と陰極35との組合せによる
通電は停止するが、未処理時であって、特に温調時に
は、今度は陰極33と陽極36との組合せで通電を行な
うようにする。
【0031】この場合の通電は、電流密度が0.5〜3
00mA/cm2(0.05〜30A/dm2)、好ましくは2〜
60mA/cm2(0.2〜6A/dm2 )となるように電圧を印
加すればよい。印加電圧は、使用する液、処理装置の形
態、電極間距離、隔膜の性質、種類により全く異なる
が、概念的には0.05〜100V、好ましくは0.1
〜10Vとなる。
【0032】上記のような通電により、感光材料の処理
時においては、発色現像液110の処理性能が回復し、
また漂白定着液120の漂白力が回復する。発色現像液
110では、感光材料Sから溶出したハロゲンイオンが
陰イオン交換膜A1を通して陽極34の方へ移動して除
去される。したがって発色現像液の補充量を著しく減少
させることができる。しかも、発色現像主薬の酸化体は
一部陰極で還元され、また電極反応で一部OH- が生成
するため感光材料Sから溶出される酸が中和される。
【0033】漂白定着液120では、処理時において、
漂白剤が還元されて酸化力が低下することが主に脱銀性
能低下の要因となるが、これを解決することができる。
【0034】なお、この場合、漂白定着液120の酸化
還元電位を随時測定し、所定の電位以下になったときに
電圧を印加するように通電のON/OFFを制御するこ
とが好ましい。このときの電位は、陽極電位を標準水素
電極等と比較して測定するか、酸化還元電位計により測
定して求めればよい。
【0035】この場合、上記の電位は酸化剤によって異
なるが、例えばエチレンジアミン四酢酸第二鉄錯塩で
は、0〜210mV程度、1,3−ジアミノプロパン四昨
酸第二鉄錯塩では20〜260mV程度である。
【0036】したがって、通電のON/OFFは、+8
0mVを基準として+80mV以上となったときに上記の通
電をOFFとする。そして、場合によっては、OFFと
するのみならず、未処理時の陰極33と陽極36との組
合せで通電してもよい。また、このような通電により漂
白定着液120の電位が−100mV以下となったときに
はこの通電を停止すればよい。そして、今度は、陽極3
2と陰極35との組合せて通電するようにし、電位をモ
ニターしながらこのような通電方式を繰り返してもよ
い。
【0037】電位が正側に行きすぎても、漂白剤の酸化
力回復の効果が飽和して意味がなくなり、むしろ保恒剤
や定着剤が分解することによる弊害が大きくなるが、上
記の通電方式により、これを防止することができる。ま
た、電位が負側に行きすぎて漂白力が低下しすぎる弊害
もなくすことができ、常に良好な処理性能を維持するこ
とができる。
【0038】一方、未処理時には、漂白定着液120に
陰極33と陽極36との組合わせで通電するが、このよ
うな通電は、処理時の通電を停止してから3時間程度後
に行なうようにすればよい。そしてこの場合も漂白定着
液120の電位をモニターしながら行なえばよく、−1
00mV以下のときには通電を停止すればよい。
【0039】このような通電を行なうことにより、未処
理時、特に温調時に、空気酸化によって保恒剤や定着剤
が分解するのを防止することができ、処理を再開したと
きに良好な処理性能が得られる。また、漂白定着液12
0中のハロゲンイオンを除去することができる。
【0040】本発明に用いる処理装置は図1に示すもの
に限定されるわけではなく、図2に示すように、発色現
像槽11および漂白定着槽12の部分を変更したもので
あってもよい。
【0041】図2に示すものは、図1の発色現像槽11
および漂白定着槽12の部分において、槽21内の水溶
液210と槽22内の水溶液Wとを仕切る隔壁を陰イオ
ン交換膜A3で構成したものである。
【0042】この場合にも、前記と同様の通電により同
様の効果が得られる。
【0043】また、発色現像槽11および漂白定着槽1
2の部分を図3に示すように変更したものであってもよ
い。
【0044】図3に示すものは、図1の発色現像槽11
および漂白定着槽12の部分において、陰イオン交換膜
A1およびA2を介して発色現像液110および漂白定
着液120にそれぞれ接する水溶液230を共通のもの
として同一槽23内に満たし、陰極33と対をなす陽極
34を、発色現像液110に浸漬された陰極31の対電
極(陽極34)と共通する点で異なるのみである。
【0045】このような構成においても、前記と同様の
効果が得られる。
【0046】さらには、発色現像槽11および漂白定着
槽12の部分を図4に示すように変更したものであって
もよい。
【0047】図4に示すものは、図3において、発色現
像液110に浸漬される陰極31の対電極を、漂白定着
液120に浸漬される陽極32とする点で異なるのみで
ある。
【0048】このような構成においても、前記と同様の
効果が得られる。また、処理時の陰極31と陽極32と
の組合せによる通電では、さらに発色現像液110中の
ハロゲンイオンが漂白定着液120に移動する効果も得
られ、再ハロゲン化剤を添加する必要がなくなる。
【0049】図3、図4において、槽23内に満たす水
溶液230は発色現像液110と、陰イオン交換膜A1
を介して接していることから、図1、図2の槽21内の
水溶液210と同様に水洗水Wを利用するものとするよ
りは、新たな調製液とする方が好ましい。また、発色現
像液110のオーバーフロー液を導入した液であっても
よい。
【0050】以上、図示例に従って説明してきたが、本
発明に用いる処理装置は図示例に限らず、種々のもので
あってよい。
【0051】本発明における通電により、漂白定着液の
補充量を減少することができる。例えば、従来の補充量
に比べて20〜80%、また漂白定着液に陰極または陽
極を浸漬して通電する場合に比べて10〜50%減少さ
せることができる。
【0052】本発明に用いる陰極は長時間の使用に耐え
うる電気伝導体または半導体であればいずれでもよい
が、特にステンレス鋼が好ましい。陽極は不溶性の材質
でかつ電気伝導体であればよく、具体的には炭素(黒
鉛)、二酸化鉛、白金、金、チタン鋼が挙げられ、場合
によってはステンレス鋼を用いてもよい。両極の形状
は、槽内に設置しやすい板状か網目入りの板状または突
起付きの板状が好ましい。大きさは、槽容量により適宜
選択すればよい。
【0053】本発明に用いる陰イオン交換膜は、陰イオ
ンを選択的に透過させるものであれば、いずれを用いて
もよく、市販のものをそのまま用いることができる。
【0054】このような陰イオン交換膜としては、Sele
mion AMV/AMR、Selemion ASV/ASR (旭硝子製)、Aciple
x A201、A172 (旭化成製)、Neosepta AM-1 〜3 、Neos
eptaAFN-7、Neosepta ACS (徳山曹達製)、Ionac MA-31
48 (Ionac Chemicals製)、Nepton AR103PZL(Ionics
製)などの商品名で市販されているものを用いることが
できる。
【0055】なお、本発明においては、上記の陰イオン
交換膜は、陰イオンを選択的に透過させる膜を総称する
ものとし、このような意味において、孔径0.2〜20
μmの多孔性セラミックスも包含するものとする。
【0056】新たに調製した水溶液に用いる電解質とし
ては、特に制限はないが、NaCl、KCl、LiC
l、NaBr、KBr、KI等のハロゲン化物、Na2
SO4、K2 SO4 等の硫酸塩、KNO3 、NaNO
3 、NH4 NO3 等の硝酸塩、Na2 CO3 、K2 CO
3 等の炭酸塩などを用いることが好ましい。
【0057】このときの水溶液における電解質の濃度
は、0.1〜30%、好ましくは0.5〜20%とすれ
ばよい。
【0058】以下に、本発明に用いる漂白定着液につい
て記す。漂白定着液に用いられる漂白剤としては、例え
ば鉄(III )、コバルト(III )、クロム(VI)、銅
(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニ
トロ化合物等が挙げられる。代表的な漂白剤としてはフ
ェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(III )もしくはコ
バルト(III )の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四
酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジ
アミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノ
プロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸な
どのアミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石
酸、リンゴ酸などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩;過マン
ガン酸塩;ニトロベンゼン類などを用いることができ
る。これらのうちエチレンジアミン四酢酸鉄(III )錯
塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩お
よび過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好ま
しい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III )錯塩は特
に有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III
)錯塩を用いた漂白定着液のpHは通常5.5〜8であ
るが、処理の迅速化のために、さらに低いpHで処理する
こともできる。
【0059】また、必要に応じて漂白促進剤を使用する
ことができる。有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細
書に記載されている;米国特許第3893858号、西
独特許第1290812号、特開昭53−95630
号、リサーチ・ディスクロージャーNo. 17129号
(1978年7月)などに記載のメルカプト基またはジ
スフィド結合を有する化合物;特開昭50−14012
9号に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3706
561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58−162
35号に記載の沃化物塩;西独特許第2748430号
に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45−8
836号に記載のポリアミン化合物;臭化物イオン等が
使用できる。なかでもメルカプト基またはジスルフィド
結合を有する化合物が促進効果が大きい観点で好まし
く、特に米国特許第3893858号、西独特許第12
90812号、特開昭53−95630号に記載の化合
物が好ましい。さらに、米国特許第4552834号に
記載の化合物も好ましい。
【0060】漂白定着液に使用される定着剤としてはチ
オ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チ
オ尿素類、多量の沃化物塩等を挙げることができるが、
チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸アンモ
ニウムが最も広範に使用できる。また、保恒剤として
は、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スルフィン酸類あるいはカ
ルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
【0061】本発明に用いられる感光材料は、カラー感
光材料であり、このようなものとしては、前記のものも
含め、例えばカラーペーパー、カラーネガフィルム、カ
ラー反転フィルム、カラーポジフィルム、カラー反転印
画紙、製版用写真感光材料等が挙げられる。
【0062】そして、このような感光材料を用いて、漂
白定着処理するような工程を施す場合のいずれにおいて
も本発明を適用することができる。
【0063】カラー感光材料の処理には、漂白定着液と
組合せて発色現像液が用いられ、このほか処理工程に応
じて漂白液、定着液、さらには水洗水や安定液等の各種
処理液が用いられる。これら処理液の詳細、処理条件等
については、特開昭63−70857号、特開平1−1
90889号等の記載を参照することができる。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0065】実施例1 特開昭63−70857号公報の実施例1の試料P1の
カラーペーパー(塗布銀量:0.72g/m2)を用いて、
これを露光した後、富士写真フイルム(株)製の処理機
PP600の改造機を用いて、表1に示す処理工程に従
い、1日当たりの処理量を50m2とし、また、1日当た
りの温調時間を15時間、1日当たりの処理時間を10
時間として1週間、次に1日当たりの処理量を0.5m2
とし、1日当たりの温調時間を15時間、1日当たりの
処理時間を30分として1週間、これを交互に繰り返
し、3ケ月間ランニング処理した。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示す処理工程に用いた発色現像液は
表2に示すもの、漂白定着液は表3に示すものをそれぞ
れ用いた。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】また、水洗水は以下に示すものを用いた。
【0071】水洗水(母液、補充液共通) 表4に示す水質の井水をH型強酸性カチオン交換樹脂
(三菱化成(株)製、ダイヤイオンSA−1B)とOH
型強塩基性アニオン交換樹脂(三菱化成(株)製、ダイ
ヤイオンSA−10A)充填したカラムに通水して軟水
化処理したものを用いた。
【0072】
【表4】
【0073】なお、発色現像液の感材による漂白定着槽
への持ち込み量は、感材1m2当り32mlであった。
【0074】このような処理を処理1Aとする。
【0075】処理1Aにおいて、処理機を、図1にて漂
白定着槽12部分での電極33、36を除去したほかは
同構成の処理装置にかえて、そのほかは同様に処理し
た。すなわち、漂白定着液に陽極のみを浸漬するものと
した。このとき、発色現像槽11、槽22に設置する陰
極としては、モリブデン含有ステンレス鋼(SUS31
6相当)シート[日本金属工業(株)製NTK316:
大きさ15cm×100cm(肉厚1mm巾)]を、漂白定着
槽12、槽21に設置する陽極としては、カーボンシー
ト[呉羽化学工業(株)製のクレシート:大きさ15cm
×100cm(肉厚1mm巾)]を、それぞれ用いた。
【0076】また、陰イオン交換膜は、Neosepta AM -
3 (徳山曹達製)を用い、槽21内にはKCl3%溶液
を満たして使用した。槽22内には水洗第1槽13のオ
ーバーフローを流入するようにし、最初に満たす液は漂
白定着液の3%溶液とした。
【0077】通電条件は、3Vの電圧を印加し、1.0
Aの電流が流れるようにした(電流密度0.3A/dm
2 )。
【0078】なお、電圧の印加は、感光材料の処理信号
を受けて1分後に行ない、感光材料の処理信号を20分
間受けないときは印加を停止するようにした。
【0079】これを処理1Bとする。
【0080】また、処理1Bにおいて、漂白定着槽12
部分で、電極32、35を設置するかわりに電極33、
36を設置するものとするほかは同構成の処理装置にか
えて、そのほかは同様に処理した。すなわち、漂白定着
液に陰極のみを浸漬するものとした。このときの電極等
や通電条件は処理1Bにおけるものと同様とした。
【0081】これを処理1Cとする。
【0082】また、処理1Cにおいて、同構成の処理装
置を用い、未処理時の温調時間が2時間以上続くときは
通電を20分間、さらに2時間以上続くときは20分間
というように未処理時のみに上記の条件で通電を行なう
ものとするほかは、同様に処理した。
【0083】これを処理1Dとする。
【0084】処理1Aにおいて、図1に示すような処理
装置を用いて、そのほかは同様に処理した。電極等は処
理1Bと同様のものを用いた。発色現像槽11における
電圧の印加は、処理1Bと同様とした。また、漂白定着
槽12では、電圧の印加は、感光材料の処理信号を受け
て1分後に行ない、処理時には液の電位をモニターしな
がら電極32、35の組合せで通電した。このとき、電
位が+80mV以上となると、この通電を停止した。ま
た、感光材料の処理信号を20分間受けないときは印加
を停止するようにし、この印加の停止から3時間経過し
たときには電極33、36の組合せで通電した。このと
き、電位が−100mV以下となると、この通電を停止し
た。
【0085】これを処理1Eとする。
【0086】処理1A、1B、1C、1D、1Eについ
て、脱銀不良および復色不良の発生を調べた。脱銀不良
は、蛍光X線による銀分析により、残留銀量5μg/cm2
以上を脱銀不良発生と評価した。復色不良は、センシト
メトリー露光した処理済み感材を赤色光で濃度測定し、
次に漂白定着液から再度処理して再度濃度測定し、赤色
の透過濃度が1.2の時の再処理による濃度上昇で評価
した。このとき、濃度上昇が0.1以上あると復色不良
発生と評価した。
【0087】処理1Aでは、漂白定着液の補充量を前記
の13mlよりも少ない量とすると脱銀不良および復色不
良が発生してしまい、これよりも減少させることはでき
なかった。
【0088】また、処理1Bでは感材8.25mm巾1m
長さ当りの補充量で6mlとして、処理1Cでは10mlと
して、処理1Dでは4mlとして、良好な写真性能を得る
ことができた。これに対し、処理1Eでは3mlとしても
良好な写真性能を得ることができた。
【0089】なお、処理1Eにおいて、処理装置の発色
現像槽11と漂白定着槽12の部分の構成を図2、図
3、図4に示すものに各々かえて、そのほかは同様に処
理したところ、処理1Eと同等の良好な結果が得られ
た。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、漂白定着液の処理性能
を容易に維持管理しながら処理することができる。この
結果、脱銀不良および復色不良を発生させることなく漂
白定着液の使用量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる処理装置の槽配列を模式的に示
す平面図である。
【図2】本発明に用いる処理装置の発色現像槽および漂
白定着槽部分の槽配列を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明に用いる処理装置の発色現像槽および漂
白定着槽部分の槽配列を模式的に示す平面図である。
【図4】本発明に用いる処理装置の発色現像槽および漂
白定着槽部分の槽配列を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 処理装置 11 発色現像槽 12 漂白定着槽 13〜15 水洗槽 21〜23 槽 110 発色現像液 120 漂白定着液 W 水洗水、水溶液 210、230 水溶液 31、33、35 陰極 32、34、36 陽極 A1〜A3 陰イオン交換膜 S 感光材料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光後のハロゲン化銀感光材料を発色現
    像処理したのち、漂白定着液により漂白定着処理するハ
    ロゲン化銀感光材料の処理方法において、 前記漂白定着液と他の処理液、あるいは前記漂白定着液
    と水溶液とが陰イオン交換膜を介して接するように、各
    液をそれぞれ槽内に満たし、 前記ハロゲン化銀感光材料の処理時には、前記漂白定着
    液に陽極を、前記他の処理液もしくは水溶液に陰極をそ
    れぞれ浸漬し、前記陽極および陰極に通電し、一方、未
    処理時には、前記漂白定着液に陰極を、前記他の処理液
    もしくは水溶液に陽極をそれぞれ浸漬し、前記陽極およ
    び陰極に通電することを特徴とするハロゲン化銀感光材
    料の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記漂白定着液に浸漬される陽極と前記
    他の処理液もしくは水溶液に浸漬される陰極との組合
    せ、および前記漂白定着液に浸漬される陰極と前記他の
    処理液もしくは水溶液に浸漬される陽極との組合せは、
    それぞれ別個のものである請求項1に記載のハロゲン化
    銀感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記他の処理液は発色現像液またはその
    オーバーフロー液である請求項1または2に記載のハロ
    ゲン化銀感光材料の処理方法。
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