JPH0580462A - 写真処理方法 - Google Patents

写真処理方法

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JPH0580462A
JPH0580462A JP26906691A JP26906691A JPH0580462A JP H0580462 A JPH0580462 A JP H0580462A JP 26906691 A JP26906691 A JP 26906691A JP 26906691 A JP26906691 A JP 26906691A JP H0580462 A JPH0580462 A JP H0580462A
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JP
Japan
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solution
anion exchange
exchange membrane
processing
amount
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Application number
JP26906691A
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English (en)
Inventor
Takashi Nakamura
敬 中村
Hirohisa Ogawa
裕久 小川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陰イオン交換膜を用いて通電することによっ
て処理液の処理性能を維持する方法において、効率よく
処理性能の維持回復ができ、電極効率の良い陰イオン交
換膜を用い、さらに簡易な通電処理装置で通電できる陰
イオン交換膜を用い、これによりコスト面でも有利なも
のとする。 【構成】 陰イオン交換膜の膜特性が、Br- のリーク
量をKBr換算でRl/dm2・h とし、通電時のBr- の陰
極側から陽極側への移動量をKBr換算でTg/dm2・h・A
としたとき、T/R≧1.0、T≧1g/dm2・h・A であ
り、かつ電気抵抗値が10Ω・cm2以下であるものを用い
て処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀感光材料
(以下、「感光材料」、「感材」と略す場合がある。)
を処理する写真処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】黒白感光材料は、露光後、黒白現像、定
着、水洗等の工程で処理され、カラー感光材料は、露光
後、発色現像、脱銀、水洗、安定化等の工程により処理
される。黒白現像には黒白現像液、定着には定着液、発
色現像には発色(カラー)現像液、脱銀処理には漂白
液、漂白定着液、定着液、水洗には水道水またはイオン
交換水、安定化処理には安定液がそれぞれ使用される。
各処理液は通常20〜50℃に温度調節され、感光材料
はこれらの処理液中に浸漬され処理される。
【0003】このような処理工程のなかで、現像処理工
程は、写真乳剤中の露光により感光したハロゲン化銀粒
子に還元剤である現像主薬が作用してAg+ をAgに還
元する工程である。黒白写真では、このようにして銀画
像が形成され、カラー写真では、発色現像主薬の酸化体
がカプラーと反応して、銀画像に対応した色素画像が形
成される。
【0004】この現像液は処理時においてはハロゲン化
銀の還元に対して使用される現像主薬の減少と感材の現
像時に感材から放出されるハロゲン元素やカブリ防止剤
の存在などにより現像力が低下する。
【0005】一方、未処理時には現像液が空気に触れる
ことによる空気酸化で主として保恒剤、現像主薬が酸化
劣化して現像力が低下する。
【0006】このような現像液の液劣化に対しては、従
来、劣化液をオーバーフローにより廃棄して、保恒剤と
現像主薬の量が多く、ハロゲン元素と抑制剤を含まない
か、その量が少ない補充液を増加させるという方法によ
って対処している。しかし、補充量を増加させること
は、薬剤や水の使用量を増加させることになり、近年資
源節減や廃液量減量が環境保全等の立場から強く要望さ
れていることもあって、好ましくない。また、特に、発
色現像主薬は高価であり、その消費を増すことは、コス
ト面でも不利となる。
【0007】さらに、カラー写真において発色現像処理
工程に引き続いて施される脱銀処理工程は、漂白工程と
定着工程とを同一浴で行なう方法や別浴で行なう方法、
あるいは漂白工程と漂白定着工程とを別浴で行なう方法
などがある。このなかで、漂白工程と定着工程とを別浴
で行なう方法は、安定した処理を行なうことができると
いう利点がある。また、漂白工程と漂白定着工程とを組
合わせ、それぞれの工程を別浴で行なう方法は、脱銀が
促進される方法として注目されている(特開昭61−7
5352号)。
【0008】これらのなかで漂白工程に使用される漂白
液には、酸化剤である漂白剤が含有される。漂白剤とし
ては、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸あ
るいはそれらの塩などの第二鉄錯体が挙げられ、代表的
には、エチレンジアミン四酢酸第二鉄錯塩が汎用されて
おり、このほか高い酸化力を有するものとしては1,3
−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄錯塩などが挙げられ
る。
【0009】この漂白工程では、発色現像工程で生じた
銀が上記のような漂白剤の作用により酸化される反応が
起き、これに伴って酸化剤である漂白剤が還元されるこ
とになる。したがって、漂白液では感光材料が処理され
るにつれて漂白力(酸化力)が低下することになる。こ
の酸化力の低下は、特に、多量の感光材料が処理された
場合に著しい。
【0010】この漂白剤の酸化力を回復するために、例
えば、漂白液に空気ばっ気を行なって液の酸化還元電位
を上昇させるという方法が採用されている(特開昭62
−251747号等)。
【0011】しかしながら、このような方法を採用した
場合、液中に泡が発生し、漂白槽から液がこぼれてまわ
りを汚染したり、発泡により生じた飛沫が前槽内に入り
こみ、前槽内の処理液を汚染してしまうという問題があ
る。特に、前槽内の処理液は発色現像液であることが多
いため、発色現像液の劣化が生じ、現像力が低下するの
で問題は大きい。
【0012】一方、定着液には、漂白剤によって酸化さ
れた銀を溶解する定着剤が含有されている。この定着液
は、感光材料の未処理時、経時により保恒剤や定着剤が
空気酸化を受けやすくなり、酸化によりこれらの薬剤が
分解して硫化物が生じ、感材表面を汚染するなどの硫化
トラブルを引き起こす。さらには、定着剤としてハイポ
を用いたときを例にすれば、処理の最中に液中にハイポ
銀が蓄積し、一定量以上の補充を行ない、液中のハイポ
銀濃度を低く抑えないと、定着不良(脱銀不良)が生じ
る。また、上記の酸化によるトラブルは、感光材料の持
ち込む漂白液の混入によって促進される。上記の硫化ト
ラブルや定着不良は、黒白写真用の定着液でも同様に生
じる問題である。
【0013】このような問題を解決するために、黒白写
真ないしカラー写真のいずれにおいても、従来、定着液
の補充量を増す方法が採られている。しかし、補充量を
増すことは、前記の通り、資源節減や廃液処理等の点で
好ましくない。
【0014】漂白液と定着液が混合された漂白定着液で
はこれら両方の問題が生じるため使用可能領域が狭くな
り、これらの欠点を補うために補充量を多くして劣化液
を廃棄しなければならない。すなわち、大量処理時には
エアレーションが必要であり、泡発生のトラブルや適切
な泡発泡などに対し種々の工夫がなされてきている(特
公平1−47780号、特公昭63−60900号、特
公平2−37576号)。また少量処理では定着液より
もさらに硫化が起き易い。従ってこれらを未然に防ぐた
めある一定以上の補充が必要となる。
【0015】そして、上記の脱銀処理工程における問題
は、漂白剤ないし定着剤を含む処理液に共通の問題であ
る。
【0016】このような問題に対処するため、本出願人
は、先に、処理液の処理性能を回復し維持する方法とし
て、処理液に通電しながら処理する方法を提案している
(特願平2−5756号、同2−12860号、同2−
97242号、同2−334916号)。
【0017】この方法は、還元によって処理性能が回復
する第1の処理液と酸化によって処理性能が回復する第
2の処理液とを組合せ、両液間に塩橋等を設置して液絡
するか、これらの処理液が隣接する槽内に満たされると
きには、両液が陰イオン交換膜を介して接するようにす
るかし、第1の処理液に陰極を、また第2の処理液に陽
極を、それぞれ設置し、両極に通電して処理するもので
ある。
【0018】このときの第1の処理液となりうる処理液
は、現像液、定着液、漂白定着液、水洗液などであり、
第2の処理液となりうる処理液は、漂白液、漂白定着
液、水洗液などであり、適宜、組合わせを選択して採用
することができる。
【0019】なかでも、陰イオン交換膜を用いる方法
は、効果的であり、この方法では、処理によって蓄積す
るBr- 等のハロゲンイオンが、現像液や定着液から移
動して除去され、現像阻害や定着阻害の発生を防止する
効果も得られる。また、この方法では、処理液の使用の
みならず、別途調製した電解質溶液を使用し、この電解
質溶液が陰イオン交換膜を介して処理液に接するように
し、電解質溶液に電極を浸漬し通電することもできる。
【0020】このように陰イオン交換膜を用いて通電を
行なう方法では、通常、市販の陰イオン交換膜を使用す
るが、用いる陰イオン交換膜によって電流効率や膜寿命
等が異なり、処理液の性能回復にも大きく影響すること
や膜抵抗が高く指定量の通電(電流)を行なうためには
装置が複雑(高電圧装置、高電圧による不要な電流モレ
防止など)になることがわかった。
【0021】従って、このような通電による方法では、
陰イオン交換膜の選択は重要であり、膜特性について種
々検討する必要がある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、陰イ
オン交換膜を用いて通電することによって処理液の処理
性能を維持する方法において、電流効率が良好で、簡易
な通電処理装置で通電できるような陰イオン交換膜を用
い、処理性能を効率よく維持回復できる結果、補充液を
少なくでき、しいては処理排液を少なくでき、かつコス
ト面でも有利な写真処理方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)の本発明により達成される。
【0024】(1)陰イオン交換膜を介して処理液同
士、あるいは処理液と水溶液とが接するように槽内に処
理液を満たし、処理液に陰極または陽極を浸漬し、これ
とは異なる処理液または水溶液にこの対電極を浸漬し、
両極に通電して、露光後のハロゲン化銀感光材料を処理
する写真処理方法であって、前記陰イオン交換膜は、陰
イオン交換膜を通してのBr- リーク量を、KBr換算
でRリットル/dm2・hとし、通電時のBr- の陰極側から陽極
側への移動量を、KBr換算でTg/dm2・h・A としたと
き、T/Rが1.0以上で、かつ前記通電時のBr-
陰極側から陽極側への移動量がKBr換算で1g/dm2・h・
A 以上であり、しかも電気抵抗値が10Ω・cm2以下であ
ることを特徴とする写真処理方法。
【0025】(2)前記T/Rが1.2以上で、かつ前
記通電時のBr- の陰極側から陽極側への移動量がKB
r換算で1.5g/dm2・h・A 以上である上記(1)に記載
の写真処理方法。
【0026】(3)前記陰極が浸漬される処理液は現像
液および/または定着液であり、前記陽極が浸漬される
処理液は漂白液である上記(1)または(2)に記載の
写真処理方法。
【0027】(4)前記ハロゲン化銀感光材料の処理中
に通電する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の
写真処理方法。
【0028】なお、通電に際しては、処理液同士あるい
は処理液と水溶液とを陰イオン交換膜で隔てるほか、塩
橋で液絡することもできる。しかし、陰イオン交換膜を
用いない時には、塩橋では液抵抗が大きく、消費電力が
大きくなり、通電装置の大きさにも対応できず、さらに
はコストアップを招き、また塩橋の寿命が短く、その交
換の手間等のメンテナンスにも苦労する。そして、塩橋
では、現像液や定着液からのハロゲンイオン除去の作用
が発揮されないので、処理能力の再生や補充量を減少さ
せる効果が低い。
【0029】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0030】本発明の写真処理方法は、陰イオン交換膜
を用いて通電することによって処理液の処理性能を維持
回復する。
【0031】具体的には、処理液同士あるいは処理液と
水溶液とが陰イオン交換膜を介して接するように処理液
を槽内に満たし、処理液、水溶液を適宜組み合わせて陰
極、陽極を浸漬して通電するものである。
【0032】この場合、陰極を浸漬する処理液は、現像
液、定着液であり、陽極を浸漬する処理液は漂白液であ
る。また、漂白定着液、水洗液、安定液に対しては、適
宜、陰極、陽極のいずれかを浸漬すればよく、目的等に
応じて選択すればよい。
【0033】したがって、陰イオン交換膜を介して接触
させる処理液の組合せとしては発色現像液と漂白液、漂
白液と定着液、などが挙げられる。
【0034】また、処理液と水溶液とを組み合わせると
きの水溶液は電解質を含むものであれば特に制限はない
が、電極等を浸漬する目的のみならず、感材を接触させ
るものとするときは、処理後の水洗液や定着液を導入し
て用いるのがよい。これにより処理液や水の使用量を節
減することができる。
【0035】一方、電極等の浸漬のみを目的とするとき
の水溶液に用いる電解質としては、特に制限はないが、
NaCl、KCl、LiCl、NaBr、KBr、KI
等のハロゲン化物、Na2 SO4 、K2 SO4 等の硫酸
塩、KNO3 、NaNO3 、NH4 NO3 等の硝酸塩、
Na2 CO3 、K2 CO3 等の炭酸塩などを用いること
が好ましい。
【0036】このときの水溶液における電解質の濃度
は、0.1〜30%、好ましくは0.5〜20%とすれ
ばよい。
【0037】本発明に用いる処理装置として、図1に
は、その一構成例が示されている。図1は、槽配列等を
示す平面図である。
【0038】図示のように、処理装置1は、発色現像液
110を満たした発色現像槽11、漂白液120を満た
した漂白槽12、定着液130を満たした定着槽13、
水洗水Wをそれぞれ満たした第1水洗槽14、第2水洗
槽15、安定液160を満たした安定槽16を有し、例
えば、カラーネガフィルムなどの感光材料Sを各処理槽
間に搬送させて、発色現像→漂白→定着→水洗→水洗→
安定化の各処理を施すものである。この場合、第1水洗
槽14および第2水洗槽15においては、水洗効果を向
上する目的で、第2水洗槽15から水洗水Wを補充して
第2水洗槽15のオーバーフローが排出される構成の、
いわゆる多段向流方式が採用されている。
【0039】発色現像槽11には電解質を含有する調製
液である水洗液210を満たした槽21が隣接して設置
されており、発色現像液110と水溶液210とを仕切
る隔壁は陰イオン交換膜A1で構成されている。また、
漂白液120と定着液130とを仕切る隔壁は陰イオン
交換膜A2で構成されている。
【0040】発色現像槽11には陰極31が、槽21に
は陽極34がそれぞれ設置されており、通電可能な構成
とされている。また、漂白槽12には陽極32が、定着
槽13には陰極33がそれぞれ設置されており、通電可
能な構成とされている。
【0041】また、本発明に用いる処理装置は、図2に
示すものであってもよい。図2は、槽配列等を示す平面
図である。
【0042】図2に示す処理装置2では、発色現像槽1
1、漂白槽12、定着槽13が、感材処理用のメインタ
ンク11A、12A、13Aと液が流通する形式で設置
されるサブタンク11B、12B、13Bとを有してお
り、サブタンク11B〜13B内に電極等が設置される
構成となっている。図示のように、サブタンク11Bで
は、陰イオン交換膜A3を介して発色現像液110と水
溶液210とが接しており、発色現像液210に陰極3
1が、水溶液210に陽極34が通電可能な構成でそれ
ぞれ浸漬されている。またサブタンク12Bでは、陰イ
オン交換膜A4を介して漂白液120と水Wとが接して
おり、漂白液120に陽極32が、水Wに陰極32が通
電可能な構成でそれぞれ浸漬されている。サブタンク1
3Bでは、陰イオン交換膜A5を介して定着液130と
水Wが接しており、定着液130に陰極33が、水Wに
陽極36が通電可能な構成で浸漬されている。なお、水
溶液210は図1におけるものと同様に電解質を含む調
製液であり、水Wは第1水洗槽14のオーバーフローを
順次導入したものである。また、その他の構成は図1の
ものとかわるところはない。
【0043】図示例に限らず、本発明に用いられる処理
装置は、種々のものであってよい。
【0044】本発明に用いる陰極は長時間の使用に耐え
うる電気伝導体または半導体であればいずれでもよい
が、ステンレス鋼、白金、チタン、金、鉛、ハステロイ
Cなどが好ましく、特にステンレス鋼が好ましい。陽極
は不溶性の材質でかつ電気伝導体であればよく、具体的
には炭素(黒鉛)、二酸化鉛、白金、金、チタン鋼が挙
げられ、場合によってはステンレス鋼を用いてもよい。
両極の形状は、槽内に設置しやすい板状か網目入りの板
状または突起付きの板状が好ましい。大きさは、槽容量
により適宜選択すればよい。
【0045】また、本発明における通電は、処理中にお
いて行なうことが好ましい。すなわち、感光材料の処理
開始の信号を受けとると同時に、あるいは所定の時間を
経た後とすればよく、処理の終了とともに通電を停止す
るようにすればよい。
【0046】この場合の通電は、電流密度が0.005
〜3A/dm2、好ましくは0.02〜2A/dm2 となるよう
に電圧を印加すればよい。印加電圧は、使用する液、処
理装置の形態、電極間距離、隔膜の性質、種類により全
く異なるが、概念的には0.05〜100V 、好ましく
は0.1〜10V となる。
【0047】このような通電を行なうことにより、現像
液、漂白液、定着液等の各処理液で処理性能が回復する
効果が得られる。例えば、発色現像液では、感光材料か
ら溶出したハロゲンイオンが陰イオン交換膜を通して陽
極の方へ移動して除去される。したがって発色現像液の
補充量を著しく減少させることができる。しかも、発色
現像主薬の酸化体は一部陰極で還元され、また電極反応
で一部OH- が生成するため感光材料から溶出される酸
が中和される。
【0048】定着液では、銀およびハロゲンイオンが除
去され定着力が回復する。さらには未処理時に通電を行
なえば空気酸化による保恒剤の減少、さらには定着剤の
分解などの劣化も防止できる。
【0049】漂白液では、漂白剤の酸化力が回復する。
また、漂白液に発色現像液および/または定着液と組み
合わせて電極等を浸漬する構成を採るときは、発色現像
液および/または定着液中のハロゲンイオンが漂白液に
移動する効果も得られ、再ハロゲン化剤を添加する必要
がなくなる。
【0050】本発明に用いる陰イオン交換膜は、陰イオ
ン交換膜を通してのBr- リーク量をKBr換算でRリッ
トル/dm2・hとし、Br- の通過時の陰極側から陽極側への
移動量をKBr換算でTg/dm2・h・A としたとき、(T/
R)が1.0以上、好ましくは1.2以上であり、かつ
前記Tが1g/dm2・h・A 以上、好ましくは1.5g/dm2・h・
A 以上のものである。(T/R)およびTの各値は大き
いほど好ましいが、通常上限は、(T/R)が4000
程度、Tが106 〜108 g/dm2・h・A 程度である。ま
た、膜の電気抵抗値は10Ω・cm2以下、好ましくは0.
2〜6Ω・cm2である。
【0051】このような陰イオン交換膜を用いることに
より、ハロゲンイオン移動の効率(電流効率)が向上
し、特に、現像液、定着液では通電量を少なくして、す
なわち簡便な通電装置でハロゲンイオン除去の効果が十
分に得られる。また、通電時の電気抵抗は所要電力量お
よび直流電源の大きさとも直接関係するので実用上重要
であり、コスト的にも有利となる。さらには電源も小さ
くてすむ。
【0052】(T/R)、Tおよび電気抵抗値は、相関
関係を示すものでもあり、これらの値が本発明の範囲外
となると、本発明の効果は臨界的に低下する。
【0053】なお、上記におけるリーク量および移動量
は以下のようにして求めたものである。
【0054】内部を陰イオン交換膜で2つの空間に仕切
った容器を用意し、容器内の一方の側にKBr含有水溶
液を、他方にKBrを含有しない水溶液を各々満たす。
このときのKBr濃度は、移動量が明確に判るように1
0g/l 程度とする。
【0055】そして、一方の側のKBr含有水溶液に陰
極を、他方のKBrを含有しない水溶液に陽極をそれぞ
れ浸漬し、両極に通電する。なお、浸漬する極に応じて
陰極室、陽極室という。このときの通電は電流密度0.
5A/dm2 で、60分行なう。これによりKBr含有水溶
液中のBr- は陰イオン交換膜を通して陽極室側に移動
する。
【0056】このときの陰イオン交換膜を通してBr-
の移動量は、通電による移動量と通電とは関係なく生じ
るリーク量との合計量となり、陰極室側の通電前と通電
後におけるBr- 濃度を測定するか、あるいは陽極室側
の水溶液の通電後のBr- 濃度を測定することによって
求めることができる。この値がT0 値(見掛けのT)と
なる。
【0057】これとは別に上記と同様に液を満たし通電
しないで60分間放置する。これにより陰イオン交換膜
を通してBr- が移動する。この量は、上記同様、放置
前後におけるBr- 濃度を測定することによって求める
ことができ、これがリーク値(R)である。
【0058】この場合のBr- 濃度は、一般的な分析手
段で知られている銀電極を用いた電量分析で求めること
ができる。
【0059】このようにして求めた見掛け上のTである
0 は、真の移動量Tとリーク量Rとの和となるから真
の移動量TはT=T0 −Rとして計算することができ
る。
【0060】この真の移動量Tは上記の方法の通電方向
を逆(電極を入れ替える)にして、両者の移動量の平均
値から求めてもよい。
【0061】すなわち、先程の見掛け上の移動量をT0
とし、電極を逆にしたときの移動量をT0 ′とすると、 T=(T0 +T0 ′)/2 として求めることができる。
【0062】さらに、リーク量RはKBrの濃度差(1
0−0)g/l 、1dm2 の膜の時に、1時間経過した時の
KBrの移動量(実際はBrの移動量であるがとりあえ
ずKBr換算として表現する)であり、KBrg/dm2/h・
10g/l 、すなわち10×KBrリットル/dm2・hと表現でき
る。一般的にはKBrリットル/dm2・hと表現してよい。
【0063】また、陰イオン交換膜の電気抵抗の測定法
は、「イオン交換膜実験法、膜学実験法、喜多見書房:
191,1984.」に詳しく記載されている。
【0064】具体的には次のようにして上記各陰イオン
交換膜の電気抵抗(Ω・dm2) を求めることができる。2
時間程度0.5N NaCl中に浸漬した陰イオン交換
膜を電気抵抗測定セル(有効膜面積1cm2 、白金黒電極
を使用)にはさむ。両室に0.5N NaClを満た
し、25℃の恒温水槽中に置いて平衡させ、交流ブリッ
ジ(周波数1000Hz)により両極間の電気抵抗を測定
する(r1 )。次に膜を取り除き、0.5N NaCl
のみとして両極間の電気抵抗を測定する(r2 )、膜の
電気抵抗(Ω)をr1 −r2 として求める。さらに、陰
イオン交換膜の厚さd(cm)をマイクロメータにより測
定する。以上の測定値をr=ρd/Sに代入して実効抵
抗R(=ρd)を算出する。ここで、S=膜面積、ρ=
比抵抗である。
【0065】このようにして求めることができるが、膜
の電気抵抗は使用する実用系で求める方が好ましく、本
発明でいう膜の電気抵抗は次のようにして、実際の実験
系で求めた値とする。
【0066】通電は0.6A(0.3A /dm2)で60分
とした。なお印加電圧はそれぞれの陰イオン交換膜によ
り異なる。従って60分間の平均電圧(V)から次式に従
い、膜の電気抵抗(R)を求めるものとした。 電気抵抗(R)=V/AΩ・dm2(またはΩ・cm2
【0067】このような陰イオン交換膜は、市販品の中
から選択して用いることができる。例えば、Neosepta
AFN−7、AM−2、AM−3、AMX、ACS、A
M−1、AFS−4T、AMH、ACLE−5P(徳山
曹達製)、Selemion AMV、ASV、AMR、ASR
(旭硝子製)、Aciplex CA−2、A−101(旭化
成製)、AR103PZL386、AR103PZL3
89、AR204SXZL389、AR103QZL3
86(Ionics Inc. 製)、XYA−51(三菱油化製)
などが挙げられ、なかでもAM−2、AM−3、AM−
X、ACLE−5P、ACS、AMX、AFNが好まし
い。
【0068】本発明に用いられる感光材料は、カラーお
よび黒白感光材料のいずれであってもよい。このような
ものとしては、前記のものも含め、例えばカラーペーパ
ー、カラーネガフィルム、カラー反転フィルム、カラー
ポジフィルム、カラー反転印画紙、製版用写真感光材
料、X線写真感光材料、黒白ネガフィルム、黒白印画
紙、マイクロ用感光材料等が挙げられる。なかでも、カ
ラー感光材料の処理に適用することが好ましい。
【0069】本発明において、カラー感材の現像処理に
用いる発色現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系
発色現像主薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。
この発色現像主薬としては、アミノフェノール系化合物
も有用であるが、p−フェニレンジアミン系化合物が好
ましく使用され、その代表例として、3−メチル−4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−N−ρ−ヒドロキシルエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−ρ−
メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4
−アミノ−N−エチル−N−ρ−メトキシエチルアニリ
ンおよびこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエン
スルホン酸塩が挙げられる。これらの化合物は目的に応
じ2種以上併用することもできる。
【0070】発色現像液は、アルカリ金属炭酸塩、ホウ
酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物塩、
沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類
もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤またはカ
ブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要に応
じてヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミ
ン、亜硫酸塩、ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド
類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン酸類、
トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2,
2,2]オクタン)類のような各種保恒剤、エチレング
リコール、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベ
ンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四級アン
モニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カ
プラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイドライド
のようなカブラセ剤、1−フェニル−3−ピラゾリドン
のような補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボ
ン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホ
スホノカルボン酸に代表されるような各種キレート剤、
例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジ
エチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四
酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシ
エチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,
N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−
N,N,N’,N’−テトラメチレンホスホン酸、エチ
レンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)およ
びそれらの塩を代表例として挙げることができる。
【0071】カラー感材の反転処理や黒白感材の現像処
理に用いる黒白現像液には、ハイドロキノンなどのジヒ
ドロキシベンゼン類、1−フェニル−3−ピラゾリドン
などの3−ピラゾリドン類またはN−メチル−p−アミ
ノフェノールなどのアミノフェノール類など公知の黒白
現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いることがで
きる。これらの発色現像液および黒白現像液のpHは9
〜12であることが一般的である。
【0072】カラー感材の処理において、発色現像処理
後、漂白処理や漂白定着処理がなされる。これらの処理
における漂白液または漂白定着液に用いられる漂白剤と
しては、例えば鉄(III) 、コバルト(III) 、クロム(V
I)、銅(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キノン
類、ニトロ化合物等が用いられる。代表的な漂白剤とし
てはフェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(III) もしく
はコバルト(III) の有機錯塩、例えばエチレンジアミン
四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサン
ジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミ
ノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸
などのアミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石
酸、リンゴ酸などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩;過マン
ガン酸塩;ニトロベンゼン類などを用いることができ
る。これらのうちエチレンジアミン四酢酸鉄(III) 錯塩
を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩および
過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好まし
い。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は漂白液
においても、漂白定着液においても特に有用である。こ
れらのアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩を用いた漂白
液または漂白定着液のpHは通常5.5〜8であるが、
処理の迅速化のために、さらに低いpHで処理すること
もできる。
【0073】漂白液、漂白定着液には、必要に応じて漂
白促進剤を使用することができる。
【0074】有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書
に記載されている;米国特許第3,893,858号、
西独特許第1,290,812号、特開昭53−956
30号、リサーチ・ディスクロージャーNo. 17,12
9号(1978年7月)などに記載のメルカプト基また
はジスフィド結合を有する化合物;特開昭50−140
129号に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,
706,561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58
−16235号に記載の沃化物塩;西独特許第2,74
8,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特
公昭45−8836号に記載のポリアミン化合物;臭化
物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基または
ジスルフィド結合を有する化合物が促進効果が大きい観
点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、
西独特許第1,290,812号、特開昭53−956
30号に記載の化合物が好ましい。さらに、米国特許第
4,552,834号に記載の化合物も好ましい。
【0075】漂白定着液や定着液に使用される定着剤と
してはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化
合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげることがで
きるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫
酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、保恒剤
としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スルフィン酸類ある
いはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
【0076】また、黒白感材の処理に用いる定着液は、
pH3.8以上、好ましくは4.2〜7.0を有する。
定着剤としては、定着速度の点からチオ硫酸アンモニウ
ムが特に好ましく用いられる。
【0077】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなどがあ
る。また、定着液には、酒石酸、クエン酸、グルコン酸
あるいはそれらの誘導体を単独で、あるいは2種以上、
用いることができる。さらに、定着液には所望により保
恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤
(例えば、酢酸、硼酸)、pH調整剤(例えば、硫
酸)、硬水軟化能のあるキレート剤や特開昭62−78
551号記載の化合物を含むことができる。
【0078】これらの処理液のほか、感光材料の処理に
は、水洗液、安定液等が用いられる。
【0079】これらの処理液も含めて、処理液の詳細、
処理条件等については、特開昭63−70857号、特
開平1−190889号、特開平2−103035号、
特開平2−103037号、特開平2−71260号、
特開昭61−267559号等の記載を参照することが
できる。
【0080】
【実験例および実施例】以下、本発明を実験例および実
施例によって具体的に説明する。
【0081】実験例1 (1)液容量0.75リットル×2のアクリル製二室式
セルを用い、陰イオン交換膜を介して仕切り、一方の陰
極室に10g/l のKBr含有水溶液を満たし、陽極室に
はKBrを含まない水溶液を満たした。
【0082】陰イオン交換膜は、Neosepta ACM、A
MX、AFN−7、AM−3、ACS、AMH、ACL
E−5P、AM−2(徳山曹達製)を有効膜面積0.5
4dm 2 (13.4cm×13.4cm)ずつそれぞれ用い
た。陰極としては、モリブデン含有ステンレス鋼(SU
S316相当)板[日本金属工業(株)製NTK31
6:大きさは膜と同じ(肉厚1mm)]を、陽極としては
カーボン板[呉羽化学工業(株)製のクレシート:大き
さは膜と同じ(肉厚3mm)]を、それぞれ用いた。
【0083】通電は0.54A (0.3A /dm2)で60
分とした。なお、印加電圧はそれぞれの陰イオン交換膜
により電気抵抗が異なるため違っている。
【0084】通電前後の陰極室内のKBr濃度を電量分
析により測定し、最初からの減少濃度を求め、各陰イオ
ン交換膜のT値を求めた。
【0085】これとは別に、上記同様に液を両室に満た
し通電しないで60分間放置した。この放置前後の陰極
室内のKBr濃度を電量分析により測定し、最初からの
減少濃度を求め、陰イオン交換膜のR値を求めた。
【0086】そして、上記よりT/Rを求めた。この操
作を各陰イオン交換膜について行なった。
【0087】なお、電気抵抗値は本文記載の方法で求め
たものである。
【0088】これらの結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】表1により、本発明の条件を満たすもの
は、NeoseptaAM−2、AM−3、AMX、AFN−
7、ACLE−5P、AMH、ACSであり、電源を小
さくできるためのコスト面およびハロゲン除去効率が高
いことがわかる。
【0091】実施例1 特開平2−250052号公報記載の多層カラー感光材
料(実施例1の試料)を35mm巾に裁断した後、屋外に
て標準的な被写体の撮影を行ない、自動現像機を用いて
表2に示す処理工程に従い、24枚撮り360本を、発
色現像液、漂白液、定着液の補充なしで処理した。
【0092】
【表2】
【0093】表2に示す処理工程に用いた発色現像液
は、表3に示すもの、漂白液は表4に示すもの、定着液
は表5に示すもの、安定液は表6に示すものをそれぞれ
用いた。水洗水は以下に示すものを用いた。
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】水洗水(母液、補充液共通) 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR120B)とOH型アニオ
ン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填し
た混床式カラムに通水してカルシウムおよびマグネシウ
ムイオン濃度を3mg/l以下に処理し、続いて二塩化イソ
シアヌール酸ナトリウム20mg/lと硫酸ナトリウム1.
5g/l を添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範
囲にあった。
【0099】これを処理1Aとする。
【0100】処理1Aの発色現像液を陰イオン交換膜の
特性を試験したのと同じ方法を用いて、通電処理を行な
った。すなわち、液容量0.75リットル×2のアクリ
ル製の二室式セルを用いて、陰イオン交換膜を介して仕
切り、一方の陰極室に上記発色現像液を満たし、陽極室
にはpHを硫酸で10.05に合わせた炭酸カリウムの3
%溶液を満たした。
【0101】このとき用いた陰イオン交換膜は、表7に
示すものとし、この陰イオン交換膜に応じて処理1B〜
1Iとする。また、電極、膜の液中有効面積を1.8dm
2 (13.4cm×13.4cm)にした以外は実験例1と
同じものを用いた。
【0102】これら処理1B〜1Iにおいて、Regulate
d DC Power Supply (Metronix Corp. 製:Model −52
5、0〜18V/4A MAX)を用いて、0.54A の
電流が流れる(電流密度0.3A/dm2 )ようにした。但
し、0.54A の電流が得られない場合は、最大18V
の電圧を印加するようにし、30分間通電した。このよ
うにして処理1Aと同様にして処理した。
【0103】処理1A〜1Iについて、写真性能、主要
液組成を調べた。これらの性能は、無補充処理前の液を
用いたときの処理を処理1とし、このときの写真性能を
100としたときの相対値で表示した。
【0104】結果を表7に示す。
【0105】
【表7】
【0106】処理1Aで大巾に低下した写真性能は処理
1C〜1Iにおける通電により回復が見られる。また液
組成からハロゲン除去、pH、電位が回復し通電による効
果は明確である。
【0107】次に、処理1Aの漂白液についても発色現
像液と同じ装置を用いて、通電処理を行なった。但し漂
白液は陽極室に満たし、陰極室には定着液の5%溶液と
した。漂白液においても用いた陰イオン交換膜に応じ、
処理2B〜2Iとする。
【0108】通電は、0.54A の電流が流れる(電流
密度0.3A/dm2 )ようにした。但し0.54A の電流
が得られない場合には、最大の18V の電圧を印加する
ようにし、45分間通電した。このようにして処理1A
と同様に処理した。
【0109】処理1Aと処理2B〜2Iおよび処理1に
ついて、脱銀不良および復色不良を調べた。脱銀不良
は、蛍光X線による銀分析により調べた。残留銀量5μ
g/cm2以上を脱銀不良発生(×)、3.5μg/cm2 超〜
5μg/cm2 未満を脱銀不良やや発生(△)、3.5μg/
cm2 以下を脱銀不良発生なし(○)と評価した。復色不
良は、CN−16コントロールストップスを処理1Aと
処理2B〜2Iおよび処理1それぞれについて発色現像
工程から処理し、処理済み感材を赤色光で測定し、次に
漂白工程から再度処理して再度濃度測定し、赤色の透過
濃度の変化で評価した。このとき、再処理による濃度上
昇が10%以上あると復色不良発生(×)、4%超〜1
0%未満を復色不良やや発生(△)、4%以下を復色不
良発生なし(○)と評価した。
【0110】結果を表8に示す。
【0111】
【表8】
【0112】処理1Aは脱銀不良が発生し復色不良も発
生しているが、通電処理した処理2C〜2Iおよび処理
1はいずれも良好であった。また通電により電位が回復
しているのがわかる。また処理2Bではいずれも不十分
である。
【0113】次に、処理1Aの定着液についても発色現
像液と同じ装置を用いて、通電処理を行なった。但し定
着液は陰極室に満たし、陽極室には定着液の5%溶液と
した。定着液においても用いた陰イオン交換膜に応じ、
処理3B〜3Iとする。
【0114】通電は0.72A の電流が流れる(電流密
度0.4A /dm2) ようにした。但し0.72A の電流が
得られない場合は、最大の18V の電圧を印加するよう
にし、90分間通電した。
【0115】処理1Aと処理3B〜3Iおよび処理1に
ついて定着不良および除銀量の指標である液中銀量を調
べた。定着不良はCN−16コントロールストリップス
を処理1Aと3B〜3Iおよび処理1それぞれについて
発色現像工程から処理し処理済感材のDmin.部分を
蛍光X線による銀分析により測定し、漂白液の場合と同
じ基準で残留銀量から定着不良発生の有無を評価した。
液中銀量は、蛍光X線による銀分析により求めた。
【0116】結果を表9に示す。
【0117】
【表9】
【0118】脱銀不良は、処理1A、3Bでやや発生し
たが、処理3C〜3Iでは発生せず、かつ通電により銀
が定着液より除去され、チオ硫酸塩量が回復しているの
がわかる。
【0119】以上表1と表7〜表9までの結果からイオ
ン交換膜AM−2、AM−3、AMX、AFN−7、A
CLE−5P、AMH、ACSは使用することができ、
さらにAM−2、AM−3、AMX、AMHが好まし
い。
【0120】実施例2 実施例1の処理1Aと同じ感光材料および自動現像機を
用い、表2に示す処理工程に従い、24枚撮りのものを
1日平均40本の処理を3カ月間行なった。
【0121】これを処理4Aとする。
【0122】この処理4Aでの母液、補充液、補充量は
発色現像液は表3、漂白液は表4、定着液は表5、それ
以外は処理1Aと同様に行なった。
【0123】この処理4Aの写真性能は良好な結果が得
られた。
【0124】これに対し、処理4Aにおける自動現像機
の発色現像槽、漂白槽、および定着槽を次のように変え
た処理機を用い、次の点を除いて同様の処理を行なっ
た。すなわち、メインタンクと液流通があるサブタンク
内を二室式にし、陰イオン交換膜を介して仕切り、処理
液はメインタンクと液流通があるサブタンク側とし、一
方電解質溶液(水溶液)は陰イオン交換膜を介して処理
液と接するようにサブタンク内に満たした。そしてサブ
タンク内の発色現像液および定着液側に陰極を、水溶液
側に陽極を浸漬した。このときの水溶液は、発色現像液
の場合、pHを硫酸にて10.05に合わせた炭酸カリウ
ムの3%溶液とし、定着液と組合せては最初に満たす液
は、5%の定着液とし、処理を開始してからは第1水洗
槽のオーバーフローを導入するようにした。また、漂白
液の場合は、漂白液側に陽極を、水溶液側に陰極を浸漬
した。そして、漂白液中の電極と対極をなす電極が設置
される水溶液は、定着液に設置される電極の対極が設置
される水溶液が満たされる槽からのオーバーフローを導
入するようにし、最初に満たす液は定着液の5%溶液と
した。
【0125】これを処理4Bとする。
【0126】なお、処理4Bで用いた陰イオン交換膜は
実施例1における結果から、好ましかったAM−3を用
いた。
【0127】処理4Bでの母液は処理4Aと同様である
が、発色現像液の補充液の組成は表10に示すものを用
い、補充量は35mm巾1m当り3mlとした。漂白液は表
4の組成で補充量を3ml、定着液は表5の組成で補充量
は5mlとした。
【0128】
【表10】
【0129】この場合の通電条件は、処理1Aと同様と
した。また電圧の印加は、感光材料の補充信号と同調さ
せ、感光材料35mm巾1m当り発色現像液は25秒、漂
白液は40秒、定着液は120秒とした。
【0130】この処理4Bの写真性能は処理4Aと同等
であった。
【0131】また、処理4Bでは表11に示すように各
処理液の補充量が著しく低減でき、発色現像液、漂白
液、定着液の合計補充量は表11に示すように、処理4
Aの20%以下であった。
【0132】
【表11】
【0133】
【発明の効果】本発明によれば、ランニングによる写真
性能および各処理液の性能を維持することができ、しか
も大巾に補充量を削減でき、コストおよび環境上からも
好ましくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる処理装置の槽配列を模式的に示
す平面図である。
【図2】本発明に用いる処理装置の槽配列を模式的に示
す平面図である。
【符号の説明】
1、2 処理装置 11 発色現像槽 12 漂白槽 13 定着槽 110 発色現像液 120 漂白液 130 定着液 210 水溶液 W 水、水洗水 A1〜A5 陰イオン交換膜 31、33、35 陰極 32、34、36 陽極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰イオン交換膜を介して処理液同士、あ
    るいは処理液と水溶液とが接するように槽内に処理液を
    満たし、 処理液に陰極または陽極を浸漬し、これとは異なる処理
    液または水溶液にこの対電極を浸漬し、両極に通電し
    て、露光後のハロゲン化銀感光材料を処理する写真処理
    方法であって、 前記陰イオン交換膜は、陰イオン交換膜を通してのBr
    - リーク量を、KBr換算でRリットル/dm2・hとし、通電時
    のBr- の陰極側から陽極側への移動量を、KBr換算
    でTg/dm2・h・A としたとき、T/Rが1.0以上で、か
    つ前記通電時のBr- の陰極側から陽極側への移動量が
    KBr換算で1g/dm2・h・A 以上であり、しかも電気抵抗
    値が10Ω・cm2以下であることを特徴とする写真処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記T/Rが1.2以上で、かつ前記通
    電時のBr- の陰極側から陽極側への移動量がKBr換
    算で1.5g/dm2・h・A 以上である請求項1に記載の写真
    処理方法。
  3. 【請求項3】 前記陰極が浸漬される処理液は現像液お
    よび/または定着液であり、前記陽極が浸漬される処理
    液は漂白液である請求項1または2に記載の写真処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン化銀感光材料の処理中に通
    電する請求項1ないし3のいずれかに記載の写真処理方
    法。
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