JP3419581B2 - ハロゲン化銀反転カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀反転カラー写真感光材料の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀反転カラ
ー写真感光材料の処理方法に関する。特に反転カラー現
像液の組成の改良ならびに該現像液の低補充処理方法に
関する。
【0002】
【従来技術】一般に、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
の処理の基本工程は、発色現像工程と脱銀工程である。
発色現像工程では発色現像主薬により露光されたハロゲ
ン化銀が還元されて銀が生ずるとともに、酸化されたカ
ラー発色現像主薬は発色剤(カプラー)と反応して色素
画像を与える。一般のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、像様露光後、発色現像工程が行われるが、ハロゲン
化銀カラー反転写真感光材料においては、像様露光後、
黒白現像及び反転工程を行った後に発色現像工程が行わ
れる。次の脱銀工程においては、漂白剤と通称される酸
化剤の作用により、発色現像工程で生じた銀が酸化さ
れ、しかるのち、定着剤と通称される銀イオンの錯イオ
ン形成剤によって溶解される。この脱銀工程を経ること
によって、カラー感光材料には色素画像のみができあが
る。脱銀工程は、このように一般に漂白工程と定着工程
とからなる。ここで漂白工程と定着工程が一浴で行われ
る漂白定着工程である場合、漂白工程の後に漂白定着工
程を行う場合や漂白工程と定着工程の間に漂白定着工程
を行う場合もある。
【0003】色素画像が形成された感光材料は、得られ
た色素画像の保存性のために、脱銀処理後に安定液で処
理が行われる。安定液での処理は水洗工程後に行われた
り、脱銀処理後に直接行われたりする。カラー反転感光
材料の処理においては、最終浴の安定液を用いる代わり
に調整液に画像安定化剤を含有させて、色素画像の安定
化を行う方法も知られている。
【0004】1996年より写真処理廃液が海洋投棄禁
止となることが決定されている。従って写真処理廃液の
減少が熱望されている。特に黒白現像処理液に比べカラ
ー現像処理では、処理工程が複雑なことから写真処理廃
液が集中処理されており、しかも多量に出る為にカラー
処理の写真処理廃液減が熱望されている。カラー処理の
中で比較的処理工程が簡単なカラーペーパーやカラーネ
ガの処理、さらには反転カラーペーパーの処理は浴数が
少ないことと処理の機能が簡単なため低補充化の技術が
開発され順次低補充化処方が提案されており、感材1m
2 処理当り総処理液廃液はカラーペーパーでは最近10
0mlまで低減され、反転カラーペーパーでは900m
lまで低減され、カラーネガでも3000ml近くまで
低減されている。
【0005】一方、処理工程が複雑で処理浴数の多い反
転カラーフィルムの現像は現在も約9 l/m2 近く補
充されており、この廃液量はカラーネガの3倍、反転カ
ラーペーパーの10倍、カラーペーパーの90倍であ
る。従って、反転カラーフィルムの現像における処理工
程の削減や各処理液の補充を少くすることが急務であ
る。
【0006】しかも、反転カラーフィルムの現像ではま
ず第1現像で感材に塗布された銀の80〜90%が平均
的に現像され、残りの10〜20%のハロゲン化銀を化
学的にカブラせて残存の銀をほとんどすべて現像させて
カラー現像するという特殊なカラー現像処理工程が含ま
れている。
【0007】従って、このカラー現像(反転カラー現像
という)は従来のカラー現像とは全く異なった機能を要
求されるし、また、単純な黒白現像とは全く異なる現像
である。
【0008】即ちこのカラー現像(反転カラー現像)液
には写真階調調節のために無呈色の競争カプラーが共存
されており、現像主薬がハロゲン化銀を還元する時に生
ずる現像主薬の酸化物が感材中のカプラーと反応する分
を一部競争して無呈色カプラーにうばわれてしまうこと
によりカラー写真の階調を整えるのである。しかもこの
カラー現像液中にはチオエーテル類のハロゲン化銀乳剤
のカブラセ剤が含有されている。このような複雑な機構
を有するために反転カラー現像は1976年市場導入さ
れて以来ずっと処方も補充量も変更されずに現在に至っ
ている。
【0009】このような複雑な反転カラー現像液はその
特殊な効果のためりん酸緩衝液から成っており、日本で
は特に閉鎖海域,湖域(例えば、瀬戸内海,霞ケ浦,ビ
ワ湖)では、富栄養化の観点でりん規制が厳しくなって
おり、これらの写真処理廃液を活性汚泥処理するときに
はりんが全部処理しきれず閉鎖海域,湖域に流れてしま
うという問題も発生している。
【0010】また、ハロゲン化銀写真感光材料(以下感
材と略す)においては、撮影時やプリント時に各種の情
報を入力したり出力したりすることは殆ど不可能であ
り、わずかに光学的に撮影日時を入力/出力できるのみ
であった。しかし、最近特開平4−68336号、特開
平4−73737号、或いは特開平5−88283号に
開示されているように、感材に透明磁気記録層を全面に
付与することにより、撮影の日時、天候、縮小/拡大比
などの撮影条件、再プリント枚数、ズームしたい箇所、
メッセージ、および、現像、プリント条件などを感材に
入力可能となった。またテレビ/ビデオなどの映像機器
への入力時においても、各種情報が提供できるようにな
り、将来有望な方法が要望されている。
【0011】また、こういった感材は各種の処理液に浸
漬して処理することにより、美しい画像を得ることがで
きる。しかしながら、人手のコストが高い折り、これら
の処理を自動的に行うことが好ましく、この際、自動現
像機(自現機ともいう)を用いることが多い。この場
合、特に、磁気読み取りの損失がない自現機が要求され
ている。しかしながら、磁気記録層を有する感材を高p
Hのカラー現像液で処理すると、このような感材の磁気
特性が劣化するという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は、このような複雑な機能を有する反転カラー現
像液の低補充化を行うことと併せてりん酸塩を除去する
手段を提供することにある。本発明の第2の目的は併せ
て磁気記録層を有する反転カラーフィルムの新写真シス
テムにおいて磁気劣化の少ない処理方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、反
転カラー現像液に下記式(1)で表される化合物を含ま
せ、かつヒドロキシルアミン又は該誘導体を含有させな
いことにより達成され、結果として除燐することができ
たこと、更には磁気記録層を有する新方式の反転カラー
フィルムの処理においても磁気特性の劣化が少ないこと
等を見い出したことによる。
【0014】すなわち、本発明の上記目的は、下記
(1)〜(5)の手段を用いることにより達成された。 (1)支持体上に少くとも一層のネガ型ハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀反転カラー写真感光材料を像
様露光後、第1白黒現像、カブラセ処理、反転カラー現
像、脱銀処理して反転カラー画像を作成する方法におい
て、反転カラー現像液として、(a)無呈色競争カプラ
ー、(b)ハロゲン化銀のカブラセ剤、及び(c)下記
式(1)で表される化合物を含有し、かつ(d)ヒドロ
キシルアミン又は該誘導体を含有しない組成の反転カラ
ー現像液を用いて反転カラー現像を行うハロゲン化銀反
転カラー写真感光材料の処理方法。 式(1)
【0015】
【化2】
【0016】式中、Rは−OH,−NO2 ,X,H,−
COOH,−SO3 M,低級アルキル基(C1 〜C
4 ),置換低級アルキル基(C1 〜C4 ;−OH,−C
OOH)を表し、MはLi,Na,Kを表し、Xはハロ
ゲンを表す。
【0017】(2)該無呈色競争カプラーとしてシトラ
ジン酸を、および該ハロゲン化銀のカブラセ剤として
3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオールをそれぞれ
用いる上記(1)記載の処理方法。
【0018】(3)反転カラー現像液補充量1100
ml/m下で補充しつつ連続的に処理する上記
(1)または(2)記載の方法。
【0019】(4)反転カラー現像液からハロゲンを除
去しつつ補充量を40〜500ml/m2 で補充しつつ
処理する上記(1)〜(3)のいずれか1記載の方法。 (5)該感光材料の支持体が、熱処理されたポリエチレ
ンナフタレートであって、その厚みが85〜105μm
であり、乳剤層と反対側に強磁性微粉体から成る磁気記
録層を有するものである上記(1)〜(4)のいずれか
1記載の方法。
【0020】上記式(1)で表される化合物を含む現像
液は以下に述べるように一部知られている。(イ)特開
昭59−180558号には式(1)で表される化合物
を一部含むサリチル酸誘導体をカラー現像液に添加
(0.1〜10g/l)することにより高pH(pH9
〜12、好ましくはpH9〜11)でのカラー現像液の
安定性が増すこと、特に鉄が入った時に液安定性が優れ
たことが示されている。
【0021】また、(ロ)特開昭60−93433号に
は式(1)で表される化合物を一部含む化合物(酸解離
定数=1×10-11 〜3×10-13 )を0.1モル/l
以上加えるとpH=10.5〜12.3の黒白現像液を
作ることができ黒白現像液の網点品質の仕上りが安定す
るという事が記載されている。
【0022】その後、上記(イ)、(ロ)に記載された
発明にヒントを受けて、(ハ)特開昭62−23416
1号にはカラーペーパーの安定化処理時に、サリチル酸
誘導体をカラー現像液中に添加するとステインの発生が
ないという技術が開発され、また(ニ)特開昭62−2
34162号にはヒドロキシルアミンを含有するカラー
現像液にサルチル酸誘導体を12g/l以上含有させる
と高pHでpHが安定でしかも沈澱の発生のない液が作
成できること、さらには経時後の液の写真性変化が小さ
いことが示されている。
【0023】さらに、上記(イ)、(ロ)に記載された
発明にヒントを得て、(ホ)特開昭62−242938
号に記載の技術が開発されており、ここではヒドロキシ
ルアミン誘導体とR1 ・SO3 X(一部式(1)で表さ
れる化合物が含まれる)を共存させたpH≧10のカラ
ー現像液で処理する方法が述べられている。このカラー
現像液においてはpHを高くして迅速現像してもタール
の発生がないとされている。
【0024】カラー現像にかかわる上記(イ)、
(ハ)、(ニ)、(ホ)に開示される技術はいづれもカ
ラーペーパー処理に主眼をおいたものであり、カラーリ
バーサルの複雑な反転カラー現像に用いるということを
示唆するものではない。上記(ロ)に開示される黒白現
像液はヒドラジン存在下での黒白現像で網点品質の安定
性が良化するということなので、これを反転カラー現像
に転用するということは当該技術分野の研究者であって
も容易に考えつかないことである。
【0025】本発明でいうヒドロキシルアミン又は該誘
導体を非含有とは、下記式(2)の一般式で示されるヒ
ドロキシルアミン又は該誘導体を含まないことをいう。 式(2) R12 N−OH 式中、R12 はH,アルキル基(C1 〜C3 )、置換
アルキル基(C1 〜C3 ,−OH−,−SO3 H,−C
OOH)、アルコキシ基(C1 〜C3 )を表す。また閉
環していてもよい。
【0026】本発明の反転カラー現像液中にこのような
式(2)で表される化合物が含まれると、シトラジン酸
のような無呈色競争カプラーの役割を変えてしまい望む
ような写真性が得られない。一つには使用するpHが高
いことにより式(2)で表される化合物がハロゲン化銀
の黒白現像を起こすためと考えられる。更にはシトラジ
ン酸はカラー現像された時に生ずるカラー現像主薬の酸
化物と反応して、感材中のカプラーとカラー現像主薬と
酸化物が反応して生成される色像を抑えることにより階
調を整えるのであるが、式(2)で表される化合物がカ
ラー現像主薬より残留ハロゲン銀を先に黒白現像させて
しまいカラー現像が実質上起りにくくなり結果として望
ましくない階調、写真特性を示すと考えられる。従っ
て、反転カラー現像液中には式(2)で表される化合物
非含有は必須要件である。
【0027】以下、本発明に好ましく用いられる感材お
よび反転カラーフィルムの現像についてのべる。本発明
の像様露光されたハロゲン化銀カラー写真感光材料は、
発色現像後、脱銀処理される。脱銀処理は発色現像後他
の処理工程を経ることなく、直ちに行われてもよいし、
不用な後現像、空気カブリを防止し、脱銀工程への発色
現像液の持ち込みを低減するために、また写真感光材料
中に含まれる増感色素、染料などの感光材料部分及び写
真感光材料に含浸された発色現像主薬の洗い出し、無害
化を行うために、発色現像処理後、停止、調整、水洗な
どの処理工程を経た後に脱銀処理されていてもよい。
【0028】脱銀処理は、基本的には漂白能を有する処
理液で漂白処理した後、定着能を有する処理液で定着処
理される。このように漂白処理と定着処理は個別に行わ
れてもよいし、漂白能と定着能を兼ね備えた漂白定着液
で同時に行われてもよい(漂白定着処理)。これらの漂
白処理、定着処理及び漂白定着処理は、それぞれ、1槽
でもよいし、2槽以上であってもよい。
【0029】本発明における、漂白能を有する処理液と
は、脱銀工程に用いられる処理液のうち、漂白剤を含有
する処理液のことを意味し、具体的には、漂白液と漂白
定着液をいう。また、定着能を有する処理液とは、脱銀
工程に用いられる処理液のうち、定着剤を含有する処理
液のことを意味し、具体的には、定着液と漂白定着液を
いう。
【0030】本発明においては、漂白能を有する処理液
が漂白液であり、定着能を有する処理液が定着液である
ことが好ましい。本発明の反転カラー現像液は、芳香族
第一級アミンカラー現像主薬を含有する。これらのカラ
ー現像主薬の使用量は、カラー現像液1リットル当り、
好ましくは1g〜20g、さらに好ましくは2g〜8g
である。
【0031】これらのカラー現像主薬は、単独で使用し
てもよいし、2種類以上併用してもよい。以下に具体的
な化合物を記載するがこれらに限定はされない。 D−1 N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン D−2 2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン D−3 2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリル
アミノ)トルエン D−4 4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチ
ル)アミノ]アニリン D−5 2−メチル−4−[N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシエチル)アミノ] アニリン D−6 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
[β−(メタンスルホンアミド)エチル]−アニリン D−7 N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニ
ルエチル)メタンスルホンアミド D−8 N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン D−9 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メ
トキシエチルアニリン D−10 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−β
−エトキシエチルアニリン D−11 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−β
−ブトキシエチルアニリン 本発明において好ましいカラー現像主薬はD−4、D−
5、D−6である。
【0032】本発明の反転カラー現像液には、保恒剤と
して、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナ
トリウム、重亜硫酸カリウム、メタ亜硫酸ナトリウムお
よびメタ亜硫酸カリウム等亜硫酸塩や、カルボニル化合
物亜硫酸付加物を必要に応じて添加することができる。
好ましい添加量は、カラー現像液1リットル当り20g
以下、更に好ましくは10g以下であり、特に好ましく
は0.05〜5gである。
【0033】本発明においては、反転カラー画像の階調
を整えるために以下に示す無呈色競争カプラーを含有さ
せる必要がある。無呈色競争カプラーとしては米国特許
第2,742,832号、同第3,520,690号、
同第3,645,737号、特公昭44−9504号、
同44−9506号、同44−9507号に記載されて
いるが、特に好ましく使用される化合物としてはシトラ
ジン酸、J酸、H酸、レゾルシンなどが挙げられる。こ
れらの中ではシトラジン酸が特に好ましい。
【0034】本発明においては、保恒剤として、ヒドロ
キシルアミンや特開平2−64632号記載のヒドロキ
シルアミン類を使用することは好ましくない。その理由
は、前述したように反転カラー現像液との相性が悪く、
望ましい写真性(階調)が得られないからである。それ
以外の有効な現像液保恒剤としてはスルフィン酸類など
や特開昭63−44656号記載のα−ヒドロキシケト
ン類やα−アミノケトン類、および/または、同63−
36244号記載の各種糖類などが挙げられる。また、
更に、上記化合物と併用して、特開昭63−4235
号、同63−24254号、同63−21647号、同
63−146040号、同63−27841号、および
同63−25654号等の各々に記載のモノアミン類、
特開昭63−30845号、同63−146040号、
同63−43439号等の各々に記載のジアミン類、特
開昭63−21647号および同63−26655号の
各々に記載のポリアミン類、特開昭63−44655号
に記載のポリアミン類、特開昭63−53551号に記
載のニトロキシラジカル類、特開昭63−43140
号、および同63−53549号の各々に記載のアルコ
ール類、特開昭63−56654号に記載のオキシム
類、および特開昭63−239447号に記載の三級ア
ミン類を使用してもよい。
【0035】その他の保恒剤として、特開昭57−44
148号および同57−53749号の各々に記載の各
種金属類、特開昭59−180588号記載のサリチル
酸類、特開昭54−3532号記載のアルカノールアミ
ン類、特開昭56−94349号記載のポリエチレンイ
ミン類、米国特許第3,746,544号に記載の芳香
族ポリヒドロキシ化合物類等を必要に応じて含有しても
良い。
【0036】本発明に使用される反転カラー現像液は、
好ましくはpH11〜13.5、より好ましくは11.
7〜13であり、その反転カラー現像液には、その他の
既知の現像液成分の化合物を含ませることができる。
【0037】上記pHを維持するためには少なくとも上
記式(1)で表される化合物を用いることが必要であ
る。ここで用いられる式(1)で表される化合物の具体
例としては、(1)3−カルボキシ・ベンゼンスルホン
酸、(2)3−ヒドロキシ−4−カルボキシ−ベンゼン
スルホン酸、(3)3,4−カルボキシ・ベンゼンスル
ホン酸、(4)3−クロル−4−カルボキシ−ベンゼン
スルホン酸、(5)4−メチル−3−カルボキシベンゼ
ンスルホン酸、(6)4−ヒドロキシメチル−3−カル
ボキシベンゼンスルホン酸、(7)4−カルボキシメチ
ル−3−カルボキシベンゼンスルホン酸、(8)4−ニ
トロ−3−カルボキシベンゼンスルホン酸、(9)4−
ヒドロキシ−3−カルボキシベンゼンスルホン酸(スル
ホサリチル酸)、(10)3−カルボキシ−4−ヒドロ
キシ−5−スルホン酸・ベンゼンスルホン酸などが挙げ
られる。
【0038】式(1)で表される化合物は、これらのL
i,Na,K置換の化合物であってもよい。これら化合
物の添加量は0.04〜0.4モル/l、好ましくは
0.05〜0.2モル/lである。
【0039】これらの化合物と併用する形でりん酸塩、
ホウ酸塩を用いることができる。例えばりん酸三ナトリ
ウム、リン酸二カリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナ
トリウムなどがある。これらは溶解性、高pH=11.
7〜13での使用において特に有効であるが環境対応の
観点から併用はできるだけ少ない方がよい。その他アル
カリ剤としてKOH,NaOHなどを併用する。
【0040】併用するリン酸、ホウ酸のカラー現像液へ
の添加量は、0.01モル/リットル以上であることが
好ましく、0.01モル/リットル〜0.1モル/リッ
トルであることが特に好ましい。
【0041】その他、反転カラー現像液中にはカルシウ
ムやマグネシウムの沈澱防止剤として、あるいはカラー
現像液の安定性向上のために、各種キレート剤を用いる
ことができる。キレート剤としては有機酸化合物が好ま
しく、例えばアミノポリカルボン酸類、有機ホスホン酸
類、ホスホノカルボン酸類を挙げることができる。具体
例としてはニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N−N−トリメチレ
ンスルホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′
−テトラメチレンホスホン酸、トランスシクロヘキサン
ジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ヒ
ドロキシエチルイミノジ酢酸、グリコールエーテルジア
ミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニ
ル酢酸、1−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボ
ン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレ
ンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシ
オキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸などが挙げられ
る。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用し
ても良い。
【0042】キレート剤の好ましい添加量は反転カラー
現像液1リットル当たり0.01〜20g以下であり、
特に好ましくは0.1g/10gである。反転カラー現
像液には必要により任意の現像促進剤を添加することが
できる。特に前浴である反転カブラセ浴の効果を最大に
引き出すためにチオエーテル系のカブラセ促進剤を加え
ることが必須である。これらのカブラセ剤はpH=1
1.7〜13で最も促進されるのでこのpHの範囲で用
いることが好ましい。
【0043】チオエーテル系のカブラセ剤としては、特
公昭37−16088号、同37−5987号、同38
−7826号、同44−12380号、同45−901
9号および米国特許第3,813,247号等の各々に
記載されるチオエーテル系化合物を使用する。その他、
エチレンジアミンのようなアミン化合物を使用すること
ができる。
【0044】これら化合物の中ではチオエーテル系化合
物が好ましく、この中では3,6−ジチアオクタン−
1,8−ジオールが好ましい。反転カラー現像液中には
少なくともカラー現像主薬を5〜40mmol;無呈色
競争カプラー1〜10mmol;カブラセ剤を1〜20
mmol;式(1)で表される化合物を10〜200m
molづつ含有させることが好ましい。
【0045】本発明における反転カラー現像液の補充量
は、40〜4000ml/m2 で処理できるが、できる
だけ補充量を少なくすることにより廃液を少なくするこ
とができるので、少ないほうが好ましい。しかし、スル
ホサリチル酸を使用すると、1100ml/m2 以下の
処理が可能で、かつ電解透析を行うと空気酸化を防止す
ることができ、しかもハロゲンを除去することができる
ために400ml/m2 まで補充量を低下させることが
できる。従って、好ましい補充量は40〜1100ml
/m2 、より好ましくは400〜1100ml/m2
ある。スキージーの良い時が、すなわち液持ち出し量が
最少値の場合が、40ml/m2 なので、これよりも少
ない量の低補充はできず、また1100ml/m2 以上
になると現像かぶりが生じる傾向がある。
【0046】本発明においては、支持体としてポリエチ
レンナフタレートを使用する場合には、その厚みは85
〜105μmのものを使用することが好ましい。その理
由はポリエチレンナフタレート支持体の厚みが105μ
mを越えると、自現機のローラーをうまく通過すること
ができず搬送不良率が急増する。また逆に85μm未満
ではあまり薄くなり過ぎやはりうまく通過できず搬送不
良率が急増するからである。従って、ポリエチレンナフ
タレートを使用する時には、85〜105μmの厚みの
ものが最適である。
【0047】本発明において、カラー反転写真感光材料
を処理する場合、発色現像処理に先立って、黒白現像処
理を行う。本発明に用いられる黒白現像液には、公知の
現像主薬を用いることができる。現像主薬としては、ジ
ヒドロキシベンゼン類(例えば、ハイドロキノン)、3
−ピラゾリドン類(例えば、1−フェニル−3−ピラゾ
リドン)、アミノフェノール類(例えば、N−メチル−
p−アミノフェノール)、1−フェニル−3−ピラゾリ
ン類、アスコルビン酸および米国特許第4,067,8
72号に記載の1,2,3,4−テトラヒドロキノリン
環とインドレン環とが縮合したような複素環化合物など
を、単独もしくは組み合わせて用いることができる。
【0048】本発明に用いる黒白現像液には、その他必
要により保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩な
ど)、緩衝剤(例えば、炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカ
ノールアミン)、アルカリ剤(例えば、水酸化物、炭酸
塩)、溶解錠剤(例えば、ポリエチレングリコール類、
これらのエステル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き
有機酸)、増感剤(例えば、四級アンモニウム塩)、現
像促進剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤、粘性付与剤な
どを含有させることができる。
【0049】本発明に用いる黒白現像液にはハロゲン化
銀溶剤として作用する化合物を含ませる必要があるが、
通常は上記の保恒剤として添加される亜硫酸塩がその役
目を果す。この亜硫酸塩及び他の使用しうるハロゲン化
銀溶剤としては、具体的にはKSCN、NaSCN、K
2 SO3 、Na2 SO3 、K225 、Na225
、K223 、Na223 などを挙げることが
できる。
【0050】このようにして調整された現像液のpH値
は所望の濃度とコントラストを与える十分な程度に選択
されるが、約8.5〜約11.5の範囲にある。かかる
黒白現像液を用いて増感処理を行うには通常、標準処理
の最大3倍程度迄の時間延長を行えばよい。このとき処
理温度を上げれば、増感処理のための延長時間を短縮す
ることができる。
【0051】また黒白現像液の補充量は、処理するカラ
ー写真感光材料にもよるが、一般に感材1平方メートル
当たり3リットル以下であり、補充液中の臭化物イオン
濃度を低減させておくことにより1000ml以下にす
ることもできる。補充量を低減する場合には処理槽及び
補充液槽の空気との接触面積を小さくすることによって
液の蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。
【0052】処理槽及び補充液槽での写真処理液と空気
との接触面積は、以下に定義する開口率で表わすことが
できる。即ち、 開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2 )]÷[処
理液の容量(cm3 )] 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001〜0.05である。このように
開口率を低減させる方法としては、処理槽及び補充液槽
の写真処理液面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特
開平1−82033号に記載された可動蓋を用いる方
法、特開昭63−216050号に記載されたスリット
現像処理方法を挙げることができる。開口率を低減させ
ることは、発色現像及び黒白現像の両工程のみならず、
後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、
安定化などの全ての工程において適用することが好まし
い。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段
を用いることにより補充量を低減することもできる。
【0053】黒白現像後に用いられる反転浴には公知の
カブラセ剤を含むことができる。すなわち第1スズイオ
ン−有機リン酸錯塩(米国特許第3,617,282
号)、第1スズイオン有機ホスホノカルボン酸錯塩(特
公昭56−32616号)、第1スズイオン−アミノポ
リカルボン酸錯塩(米国特許第1,209,050号)
などの第1スズイオン錯塩、水素化ホウ素化合物(米国
特許第2,984,567号)、複素環アミンボラン化
合物(英国特許第1,011,000号)などのホウ素
化合物、などである。このカブラセ浴(反転浴)のpH
は、酸性側からアルカリ性側まで広い範囲に亘ってお
り、pH2〜12、好ましくは2.5〜10、特に好ま
しくは3〜9の範囲である。反転浴のかわりに再露光に
よる光反転処理を行なってもよく、又上記カブラセ剤を
発色現像液に添加することにより、反転工程を省略する
こともできる。
【0054】本発明の漂白能を有する処理液に用いられ
る漂白剤としては、例えば鉄(III)などの多価金属の化
合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられ
る。代表的な漂白剤としては鉄(III)の有機錯塩、例え
ばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢
酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、特開平4−1
21739号、第4ページ右下欄から第5ページ左上欄
の1,3−プロピレンジアミン四酢酸鉄錯塩をはじめと
する漂白剤、特開平4−73647号に記載のカルバモ
イル系の漂白剤、特開平4−174432号に記載の複
素環を有する漂白剤、N−(2−カルボキシフェニル)
イミノ二酢酸第二鉄錯塩をはじめとする欧州特許公開第
520457号に記載の漂白剤、エチレンジアミン−N
−2−カボキシフェニル−N,N′,N′−三酢酸第二
鉄酢酸をはじめとする欧州特許公開第530828A1
号記載の漂白剤、欧州特許公開第501479号に記載
の漂白剤、特開平4−127145号に記載の表剤、特
開平5−303186号、特開平3−144446号の
(11)ページに記載のアミノポリカルボン酸第二鉄塩
又はその塩が好ましく用いられる。
【0055】有機アミノカルボン酸鉄(III)錯塩は漂白
液においても、漂白定着液においても特に有用である。
これらの有機アミノカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂
白液又は漂白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、
処理の迅速化のためにさらに低いpHで処理することも
できる。
【0056】本発明において漂白能を有する処理浴には
漂白剤の他に前述の特開平3−144446号の(1
2)ページに記載の再ハロゲン化剤、pH緩衝剤及び公
知の添加剤、アミノポリカルボン酸類、有機ホスホン酸
類等が使用できる。
【0057】また、本発明において、漂白液またはその
前浴には、各種漂白促進剤を添加することができる。こ
のような漂白促進剤については、例えば、米国特許第
3,893,858号、ドイツ特許第1,290,82
1号、英国特許第1,138,842号、特開昭53−
95630号、リサーチ・ディスクロージャー第171
29号(1978年7月)に記載のメルカプト基または
ジスフィド基を有する化合物、特開昭50−14012
9号に記載のチアゾリジン誘導体、米国特許第3,70
6,561号に記載のチオ尿素誘導体、特開昭58−1
6235号に記載の沃化物、ドイツ特許第2,748,
430号に記載のポリエチレンオキサイド類、特公昭4
5−8836号に記載のポリアミン化合物などを用いる
ことができる。更に、米国特許第4,552,834号
に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感光
材料中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂
白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に有効であ
る。好ましくは英国特許第1,138,842号、特開
平2−190856号に記載のようなメルカプト化合物
が好ましい。
【0058】漂白能を有する処理液(漂白液や漂白定着
液)には上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する
目的で有機酸を含有させることが好ましい。特に好まし
い有機酸は、酸解離定数(pKa)が2〜5である化合
物で、具体的には酢酸、乳酸、マロン酸、グルタル酸、
コハク酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸などが好まし
い。
【0059】これらの有機酸は、漂白能を有する処理液
1リットル当たり0.005〜3モル含有させることが
好ましい。漂白処理は発色現像後に直ちに行なうことが
好ましいが、反転処理の場合には調整浴(漂白促進浴で
あってもよい。)等を介して行なうことが一般である。
【0060】調整液としては、エチレンジアミン四酢
酸、ジエチルントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプ
ロパン四酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸のような
アミノポリカルボン酸キレート剤;亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸アンモニウムのような亜硫酸塩及びチオグリセリ
ン、アミノエタンチオール、スルホエタンチオールなど
後述する各種漂白促進剤を含有させるることができる。
またスカム防止の目的で、米国特許4,839,262
号に記載のエチレンオキシドで置換された脂肪酸のソル
ビタンエステル類、米国特許4,059,446号及び
リサーチ・ディスクロージャー誌191巻、19104
(1980)に記載されたポリオキシエチレン化合物等
を含有させることが好ましい。これらの化合物は、長生
液1リットル当たり0.1g〜20gの範囲で使用する
ことができるが、好ましくは1g〜5gの範囲である。
【0061】調整浴中には後述する画像安定化剤を含有
させることもできる。調整浴のpHは、通常3〜11の
範囲で用いられるが、好ましくは4〜9、更に好ましく
は4.5〜7である。調整浴での処理時間は、20秒〜
5分であることが好ましい。より好ましくは20秒〜1
00秒であり、最も好ましくは20秒〜60秒である。
また、調整浴の補充量は、感材1m2 当たり30ml〜
3000mlが好ましいが、特に50ml〜1500m
lであることが好ましい。調整浴の処理温度は20℃〜
50℃が好ましいが、特に30℃〜40℃であることが
好ましい。
【0062】本発明においては、脱銀処理後、水洗処理
を経てから安定浴で処理を行なってよいし、水洗処理を
行なうことなく直接に安定液で処理を行なってもよい。
水洗工程での水洗水量は、感材の特性(例えばカプラー
等使用素材による)、用途、更には水洗水温、水洗タン
クの数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々
の条件によって広範囲に設定し得る。このうち、多段向
流方式における水洗タンク数と水量の関係は、Jour
nal of the Society ofMoti
on Picture and Television
Engineers 第64巻、P.248〜253
(1955年5月号)に記載の方法で、求めることがで
きる。前記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水
量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時
間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物
が感材に付着する等の問題が生じる。本発明の処理にお
いて、このような問題の解決策として、特開昭62−2
88838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウム
イオンを低減させる方法を極めて有効に用いることがで
きる。また、特開昭57−8542号に記載のイソチア
ゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシア
ヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾト
リアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(198
6年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、
防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学
会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤
を用いることが好ましい。
【0063】本発明の安定液としては、ホルムアルデヒ
ドを含有する安定液が一般的であるが、その他米国特許
第4,786,583号、同第4,859,574号、
特開平3−33847号、同4−270344号、同4
−313753号、同4−359249号、同5−34
889号、同5−165178号、特開昭57−854
3号、同58−14834号、同60−220345号
等に記載の公知安定液及び処理方法が適用できる。
【0064】本発明の安定液には色素画像を安定化させ
る化合物(以下、画像安定化剤という)が含有される
が、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズアルデ
ヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重亜硫
酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘電体、
ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロール
尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロール
化合物等があげられる。本発明においては、液中の遊離
ホルムアルデヒド濃度が0〜0.01%の場合、更には
0〜0.005%の場合に効果が大きく好ましい。この
ような遊離ホルムアルデヒド濃度にする画像安定化剤と
しては、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、ヘキサメチ
レンテトラミン、N−メチロールピラゾールなどの特開
平4−270344号記載のN−メチロールアゾール
類、N,N′−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−
イルメチル)ピペラジン等の特開平4−313753号
記載のアゾリルメチルアミン類が好ましい。
【0065】これらの画像安定化剤の含有量としては、
安定液1リットルあたり0.001〜0.1モルが好ま
しく、0.001〜0.05モルが更に好ましい。本発
明の安定液は、処理後の感材の乾燥時の水滴ムラを防止
するため、種々の界面活性剤を含有することが好まし
い。このような界面活性剤としては、ポリエチレングリ
コール型非イオン性界面活性剤、多価アルコール型非イ
オン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩型ア
ニオン性界面活性剤、高級アルコール硫酸エステル塩型
アニオン性界面活性剤、アルキルナフタレンスルホン酸
塩型アニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩型カチ
オン性界面活性剤、アミン塩型カチオン性界面活性剤、
アミノ塩型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤
が挙げられる、ノニオン性界面活性剤を用いるのが好ま
しく、特にアルキルフェノキシポリエチレンオキサイド
類やアルキルフェノキシポリヒドロキシプロピレンオキ
サイド類のノニオン性界面活性剤が好ましい。
【0066】本発明の安定液には、各種キレート剤を含
有させることが、安定液の安定性を向上し、汚れの発生
を低減するうえで好ましい。本発明の安定液は、菌の黴
の発生を防止する目的で、防菌・防黴剤を添加すること
が好ましく、これらは市販のものを使用できる。
【0067】本発明の安定液及び水洗水のpHは、4〜
9であり、好ましくは5〜8である。処理温度、処理時
間も、感材の特性、用途等で種々設定し得るが、一般に
は、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜
40℃で30秒〜2分である。更に、本発明の安定液
は、水洗を行なうことなく、脱銀処理に引き続き直接安
定液で処理する場合、汚れの防止効果が顕著に現れる。
【0068】本発明の安定液の補充量は感材1m2 当た
り200〜2000mlが好ましい。上記水洗及び/又
は安定液の補充に伴うオーバーフロー液は脱銀工程等他
の工程において再利用することもできる。
【0069】水洗水の使用量を低減するために、イオン
交換、あるいは限外濾過を用いてもよく、とくに限外濾
過を用いるのが好ましい。本発明における各種処理液は
10℃〜50℃において使用される。通常は33℃〜3
8℃の温度が標準的であるが、より高温にして処理を促
進し処理時間を短縮したり、逆により低温にして画質の
向上や処理液の安定性の改良を達成することができる。
【0070】本発明のハロゲン化銀写真乳剤、およびそ
れを用いたハロゲン化銀写真感光材料に用いることので
きる種々の技術や無機・有機の素材については一般には
リサーチ・ディスクージャーNo.308119(19
89年)に記載されたものを用いることができる。
【0071】これに加えて、より具体的には、例えば、
本発明のハロゲン化銀写真乳剤が適用できるカラー写真
感光材料に用いることができる技術およひび無機・有機
素材については、欧州特許第436,938A2号の下
記の箇所及び下記に引用の特許に記載されている。
【0072】 項 目 該 当 箇 所 1)層構成 第146頁34行目〜第147頁25行目 2)ハロゲン化銀乳剤 第147頁26行目〜第148頁12行目 3)イエローカプラー 第137頁35行目〜第146頁33行目、第149頁 21行目〜23行目 4)マゼンタカプラー 第149頁24行目〜第28行目;欧州特許第421, 453A1号の第3頁5行目〜第25頁55行目 5)シアンカプラー 第149頁29行目〜33行目;欧州特許第432,8 04A2号の第3頁28行目〜第40頁2行目 6)ポリマーカプラー 第149頁34行目〜38行目;欧州特許第435,3 34A2号の第113頁39行目〜第123頁37行目 7)カラードカプラー 第53頁42行目〜第137頁34行目、第149頁3 9行目〜45行目 8)その他の機能性カ 第7頁1行目〜第53頁41行目、第149頁46行目 プラー 〜第150頁3行目;欧州特許第435,334A2号 の第3頁1行目〜第29頁50行目 9)防腐・防黴剤 第150頁25行目〜28行目 10)ホルマリンスカベ 第149頁15行目〜17行目 ンジャー 11)その他の添加剤 第153頁38行目〜47行目;欧州特許第421,4 53A1号の第75頁21行目〜第84頁56行目、第 27頁40行目〜第37頁40行目 12)分散方法 第150頁4行目〜24行目 13)支持体 第150頁32行目〜34行目 14)膜厚・膜物性 第150頁35行目〜49行目 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
【実施例】
実施例1 (1)特開平5−297543号記載の実施例試料10
2を用いて1/100秒の露光時間、20CMSの露光
量でグレーウェッジを通して白色露光した後、下記処理
工程の処理によりセンシトメトリーを行った。
【0074】 処理工程 時間 温度 補充量(m2 ) 第一現像 6分 38℃ 2150 ml/m2 水 洗 2分 38℃ 21 l/分/m2 反 転 2分 38℃ 1100 ml/m2 発色現像 6分 38℃ 2150 ml/m2 調 整 2分 38℃ 1100 ml/m2 漂 白 6分 38℃ 215 ml/m2 定 着 4分 38℃ 1100 ml/m2 水 洗 4分 38℃ 21 l/分/m2 安 定 1分 25℃ 1100 ml/m2 各処理液の組成は以下の通りであった。 [第一現像液] 母 液 補充液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・ 1.5 g 1.5 g 5ナトリウム塩 ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 2.0 g 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 30 g 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 20 g 炭酸カリウム 15 g 19 g 重炭酸ナトリウム 12 g 12 g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル −3−ピラゾリドン 1.5 g 1.5 g 臭化カリウム 2.5 g 1.4 g チオシアン酸カリウム 1.2 g 1.2 g ヨウ化カリウム 2.0 mg 1.6 mg ジエチレングリコール 13 g 13 g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH 9.60 9.72 pHは塩酸又は水酸化カリウムで調整した。 [反転カブラセ液] 母液、補充液共通 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・ 3.0 g 5ナトリウム塩 塩化第一スズ・2水塩 1.0 g p−アミノフェノール 0.1 g 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15 ml 水を加えて 1000 ml pH 6.00 pHは塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 [発色現像液] 母 液 補充液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・ 5ナトリウム塩 2.0 g 2 g 亜硫酸ナトリウム 7.0 g 7 g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 36 g 臭化カリウム 1.0 g 0 g ヨウ化カリウム 90 mg 0 mg 水酸化ナトリウム 8 g 12 g シトラジン酸 1.5 g 1.5 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチ 11 g 11 g ル)−3−メチル−4−アミノアニリン・3/2 硫酸・1水塩 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1.0 g 1 g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH 11.90 12.0 pHは塩酸又は水酸化カリウムで調整した。 [調整液] 母液、補充液共通 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 8.0 g 亜硫酸ナトリウム 12 g 1−チオグリセロール 0.4 g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30 g 水を加えて 1000 ml pH 6.20 pHは塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 [漂白液] 母液、補充液共通 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0 g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III)・アンモニウ 120 g ム・2水塩 臭化カリウム 100 g 硝酸アンモニウム 10 g 水を加えて 1000 ml pH 5.70 pHは塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 [定着液] 母液、補充液共通 チオ硫酸アンモニウム 80 g 亜硫酸ナトリウム 5.0 g 重亜硫酸ナトリウム 5.0 g 水を加えて 1000 ml pH 6.60 pHは塩酸又はアンモニア水で調整した。 [安定液] 母液、補充液共通 ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02g ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.3 g (平均重合度10) 水を加えて 1000 ml pH 7.0 こうして得られた写真センシトメトリーは平均階調1.
8の正しいセンシトメトリーカーブが得られた(処理
A)。感度はISO 95〜106を示した。
【0075】しかし、カラー現像液は感材1m2 当たり
2.15 lも排出され、しかもこの廃液中にはりんと
して3000ppmも存在することになる。従って閉鎖
海域ではこの廃液を活性汚泥処理しても下水に流すこと
はできない。
【0076】一方、りん酸3ナトリウム・12H2
36g/lの代りにスルホサリチル酸化合物(9)を1
9.8g/lを入れて同様に処理したところ略同等の写
真性能を示し、感度もISO 95〜106を示した
(処理B)。従って13≧pH≧11の所にスルホサリ
チル酸を代用できることがわかった。
【0077】スルホサリチル酸を23.7g/lで代替
するとわずかDmax が低下(ΔD=0.02)するが略
写真性は同等であった(処理C)。次に、反転カラー現
像液をビーカーに室温放置して写真性の変化を調べた。
一般に経時による劣化は競争カプラーの減少をひきおこ
し、これにより反転カラー現像は促進される。また一般
にpHが高い方が反転カラー現像液のカブラセ剤の作用
を強くし、pHが低くなるとカブラセ作用も弱くなり反
転カラー現像は抑制される。従って、経時劣化はこれら
の複合効果が最適になるかどうかが有効に分かると考え
られる。
【0078】 ――――――――――――――――――――――――― RLのシャドー階調* ―――――――――――――――― 経時 なし 1週間 2週間 ――――――――――――――――――――――――― 従来例 処理A 0.72 0.57 0.43 本発明 処理B 0.72 0.66 0.62 本発明 処理C 0.72 0.68 0.67 ――――――――――――――――――――――――― * シャドー階調とはDmax −0.4とDmax が特性曲線
と交わるΔlogE値を示す(図3参照)。図3はDと
logE値との関係を示す図である。
【0079】平均階調とはDmax −0.4とDmin
0.1が特性曲線と交わる点の平均勾配をいう。
【0080】上表から明らかに処理B、Cは処理Aに比
べて写真性能変化が小さい事がわかる。 (2)次に(1)でビーカー経時を行った1週間目、2
週間目の液に経時なしの新しい液を以下の割合で混ぜて
同時にセンシトメトリー処理を行った。その時のRLの
シャドー階調を調べた。
【0081】 ―――――――――――――――――――――――――――――― RLのシャドー階調 GSRL ―――――――――――――――――――― 新液/経時液 1/1 2/1 4/1 ―――――――――――――――――――――――――――――― 処理A 1週間経時液 0.65 0.67 0.70 2週間経時液 0.55 0.61 0.66 ―――――――――――――――――――――――――――――― 処理B 1週間経時液 0.68 0.70 0.71 2週間経時液 0.66 0.69 0.70 ―――――――――――――――――――――――――――――― 上表の結果からわかるように処理Bは処理Aに比べ、新
液を加える率が少なくても新液の性能が得られている。
【0082】即ち処理Bでは処理Aよりも補充量を1/
2に減らしても性能が変化しないことが予想される。そ
こでノーリツ製品現機H3R−60Sを用いて処理Aの
通常ランニング(反転カラー現像(CD)液の液交換率
20%/日)を行ったところ、RLシャドー階調変化は
ΔGSRL=0.04以内に収まった。ところが処理Aで
CDの補充量を1075ml/m2 に下げてランニング
したところ(CD液交換率10%/日)を行ったところ
ΔGSRL=0.07になってしまった。
【0083】一方、処理BでCDの補充量を1075m
l/m2 に下げてランニングしたところ(CD液交換率
10%/日)ΔGSRL=0.03であった。即ちりん酸
を使用せずにスルホサリチル酸を使用すると理由は不明
であるがシャドーの階調変化が少ないことがわかった。 実施例2 実施例1において、処理B中に更にヒドロキシルアミン
硫酸塩3g/lを加えたもの(処理D)と、ヒドロキシ
ルアミン硫酸塩の代りに特開昭62−242938号記
載の例示化合物(3)3g/lを加えたもの(処理E)
を用意して実施例1と同様にビーカー室温放置したのち
にセンシトメトリーを行ってGSRLを調べた。
【0084】 ―――――――――――――――――――――――――― なし 1週間 2週間 ―――――――――――――――――――――――――― 処理A 0.72 1.57 0.43 処理B 0.72 0.66 0.62 処理D 1.05 0.23 0.15 ―――――――――――――――――――――――――― 上表から反転カラー現像液にヒドロキシルアミンやヒド
ロキシルアミン誘導体を加えると全く使用できないこと
がわかった。
【0085】即ち、通常のカラーで使用できても複雑な
反転カラー現像には簡単に適用できないことがわかっ
た。 実施例3 発明協会公開技報94−19243(1994.10.
17発行)の81R06−10実施例2に記載の感材
(特開平4−34548号実施例の1の試料101)を
用いて、カラー現像液の中にハロゲン除去機構(図2参
照)を設けて81R06−10の実施例2と同様に処理
した。図2は図1における反転カラー現像槽部分の構成
例を示す概略構成図である。
【0086】処理機は富士写真フイルム(株)製FNC
P−900の改造機(図1参照:感材溶出物除去手段な
し)を用いた。図1は本発明方法に用いられる処理装置
の槽構成を示す概略構成図である。1日当たりの処理量
を3500本(1本の大きさ:35mm巾1m長さ)と
し、2週間処理した。これを処理2Aとする。処理2A
では反転カラー現像液の補充量を2.2 l/m2 とし
て良好な写真性能が得られた。すなわち、コントロール
ストリップスによる写真管理は管理内で安定であった。
【0087】処理2Aにおいて、カラー現像液の補充量
を600ml/m2 に減少させて処理したところ(処理
2B)、処理開始から10日の時点で最低濃度が上昇し
ハイライトがスソ引きとなり、良好な写真性能が得られ
なかった。
【0088】処理2Bにおいて、カラー現像槽を図2の
構成のものにかえるほかは同様に処理した。陰極はモリ
ブデン含有ステンレス鋼(SUS316相当)シート
[日本金属工業(株)NTK316:大きさ63cm×
100cm(肉厚1mm巾)]を、陽極はカーボンシー
ト[呉羽化学工業(株)製のクレシート:大きさ63c
m×100cm(肉厚1mm巾)]を、それぞれ用い
た。また、陰イオン交換膜は、Neosepta AM
−3(徳山曹達製)[Br- リーク量:0.07(KB
r)g/Δ1gKBr・1時間:大きさ63cm×10
0cm]を用いた。また、電解質液は反転カラー現像液
のオーバーフロー液の10%希釈液を用いた。
【0089】通電は、感材通過時に0.32A/sec
ずつの通電量で行うものとした(電流密度0.3A/d
2 ;電圧3.6V)。その結果、良好な写真性能が得
られた。すなわちコントロールストリップによる写真管
理は管理内で安定であった。また、第1黒白現像液の補
充量を400ml/m2 としても良好な写真性能が得ら
れた。
【0090】 処理工程 時間 温度 タンク容量 補充量 黒白現像 6分 38℃ 12 l 2.2 l/m2 第一水洗 2分 38℃ 4 l 7.5 l/m 反 転 2分 38℃ 4 l 1.1 l/m2 発色現像 6分 38℃ 12 l 2.0 l/m2 調 整 2分 38℃ 4 l 1.1 l/m2 漂白定着 6分 38℃ 12 l 1.3 l/m2 第二水洗(1) 2分 38℃ 4 l −l/m2 第二水洗(2) 2分 38℃ 4 l 7.5 l/m2 安 定 2分 38℃ 4 l 1.1 l/m 2 第二水洗(2)のオーバーフロー液を第二水洗(1)に導いた。黒白現像液 母 液 補充液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・ 2.0 g 2.5 g 5ナトリウム塩 ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 3.0 g 3.75g 亜硫酸ナトリウム 30.0 g 50.0 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20.0 g 45.0 g 炭酸カリウム 33.0 g 0 g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル −3−ピラゾリドン 2.0 g 2.6 g 臭化カリウム 2.5 g 0 g チオシアン酸カリウム 1.2 g 1.5 g 沃化カリウム 2.0 mg 0 mg 水を加えて 1.0 l 1.0 l pH(25℃) 9.60 9.60 <pHは塩酸又は水酸化カリウムで調整した。> これで分るようにカラー現像液の補充からりんが除去さ
れた以外に廃液量(オーバーフロー量も)1/5に減っ
た。スルホサリチル酸を使った緩衝液はこのようなハロ
ゲン除去系において有効に補充量を低下させることがで
きる。 実施例4 発明協会公開技報94−6023に記載された95μm
厚のアニール済みPEN支持体上に特公昭46−434
80号記載のグロー放電等の表面処理を行い、米国特許
第5,326,689号記載の下塗を行った後、特開平
6−59357号記載の強磁性体粒子をバック側に塗布
した。この支持体の表面に特開平4−34548号に記
載の実施例1の試料101を塗布して感材を作成した。
【0091】特開平4−125560号記載の方法に従
って、従来の135サイズよりも細幅のフィルムにカッ
トし、従来よりも小さい小フォーマット画面にマッチす
るようにパーフォレーションを小フォーマット面当たり
片側2穴せん孔する。
【0092】こうして出来たフィルムは米国特許第5,
226,613号記載のカートリッジに入れ、特開平5
−150577号記載の小型カメラに装填して撮影し
た。この様にして撮影されたフィルムは特開平6−22
2514号に記載の自現機をカラーリバーサル用に改造
して処理し、処理の前または最中または後で特開平6−
95265号に記載のフィルム上の磁気記録の利用法を
用いて、特開平5−19364記載のアスペクト比選択
機能を利用してプリントを作成した。この時に従来のり
ん酸のCDと実施例2のスルホサリチル酸のCDとで処
理を行った。磁気の読取りエラー率を比較したところ、
以下のようであった。
【0093】 ――――――――――――――――――――― CDの緩衝剤 エラー率 ――――――――――――――――――――― り ん 酸 2.7×10-3 スルホサリチル酸 0.3×10-3 ――――――――――――――――――――― しかもスルホサリチル酸は補充量を1/2にできて有効
なことがわかった。
【0094】さらに、りん酸の代りに実施例3の処理を
行ったところ不思議なことに磁気読取りエラー率は更に
良くなった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― CDの緩衝剤 補充量 エラー率 ――――――――――――――――――――――――――――――――― り ん 酸 2 l/m2 2.9×10-3 スルホサリチル酸(実施例3) 0.4 l/m2 0.1×10-3 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 理由は不明であるが除ハロゲン機構が設けられることに
より磁気の読取りエラー率が少くなったと考えられる。 実施例5 図1の処理機に以下の感材支持体種を変えたフィルムを
通した時の搬送不良率を調べた。搬送不良率は感材を1
0000本処理した時、折れや通過不良を起こした率を
示し折れが1本あれば0.1%、1本でも通過不良が発
生した場合は0.2%としてカウントした。
【0095】
【表1】 上表の結果から、磁性バックを有する支持体では熱処理
されたポリエチレンナフタレートで、かつ85〜105
μm厚みの支持体が搬送性で最も良いことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる処理装置の槽構成を示
す概略構成図である。
【図2】図1における反転カラー現像槽部分の構成例を
示す概略構成図である。
【図3】DとlogE値との関係図である。
【符号の説明】
図1;FD 11…第1白黒現像槽、W1 12…第1
水洗槽、Rev 13…反転カブラセ槽、CD 14…
反転カラー現像槽、Con 15…調整液槽、BF 1
6…漂白定着液槽、W21 17…第2水洗の第1タンク
槽、W22 18…第2水洗の第2タンク槽、SB 19
…安定液槽、図2;CD 14…反転カラー現像槽、5
5…感材溶出物除去手段、P 41,42…循環ポン
プ、F 61,62…フィルター、H 71,72…ヒ
ーター、51…臭素イオンセンサー、− 31…陰極、
+ 32…陽極、21…ハロゲン除去装置(電解透析
槽)、21b…電解質室、A…陰イオン交換膜、CD
21a…反転カラー現像槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 1/795 G03C 1/795 5/50 5/50 7/00 530 7/00 530 7/44 7/44 (56)参考文献 特開 平3−71130(JP,A) 特開 昭59−180558(JP,A) 特開 平7−5651(JP,A) 特開 平3−146948(JP,A) 特開 平6−347962(JP,A) 特開 平6−317875(JP,A) 特開 平2−64632(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/407 - 7/413 G03C 1/00 G03C 1/795

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少くとも一層のネガ型ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀反転カラー写真感光
    材料を像様露光後、第1白黒現像、カブラセ処理、反転
    カラー現像、脱銀処理して反転カラー画像を作成する方
    法において、反転カラー現像液として、(a)無呈色競
    争カプラー、(b)ハロゲン化銀のカブラセ剤、及び
    (c)下記式(1)で表される化合物を含有し、かつ
    (d)ヒドロキシルアミン又は該誘導体を含有しない組
    成の反転カラー現像液を用いて反転カラー現像を行うハ
    ロゲン化銀反転カラー写真感光材料の処理方法。式
    (1) 【化1】 式中、Rは−OH,−NO2 ,X,H,−COOH,−
    SO3 M,低級アルキル基(C1 〜C4 ),置換低級ア
    ルキル基(C1 〜C4 ;−OH,−COOH)を表し、
    MはLi,Na,Kを表し、Xはハロゲンを表す。
  2. 【請求項2】 該無呈色競争カプラーとしてシトラジン
    を、および該ハロゲン化銀のカブラセ剤として3,6
    −ジチアオクタン−1,8−ジオールをそれぞれ用いる
    請求項1に記載の処理方法。
  3. 【請求項3】 反転カラー現像液補充量1100ml
    /m下で補充しつつ連続的に処理する請求項1また
    は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 反転カラー現像液からハロゲンを除去し
    つつ補充量を40〜500ml/m2 で補充しつつ処理
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該感光材料の支持体が、熱処理されたポ
    リエチレンナフタレートであって、その厚みが85〜1
    05μmであり、乳剤層と反対側に強磁性微粉体から成
    る磁気記録層を有するものである請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の方法。
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