JP2741549B2 - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JP2741549B2 JP2054641A JP5464190A JP2741549B2 JP 2741549 B2 JP2741549 B2 JP 2741549B2 JP 2054641 A JP2054641 A JP 2054641A JP 5464190 A JP5464190 A JP 5464190A JP 2741549 B2 JP2741549 B2 JP 2741549B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ハロゲン化銀感光材料を湿式処理する感光
材料処理装置に関する。
〈従来の技術〉 一般に、湿式処理において、露光後のハロゲン化銀感
光材料(以下、単に感光材料という)は、その処理工程
に従って、現像、定着(または漂白・定着)、水洗等の
処理が施されている。
このような処理は、通常、自動現像機等により、現像
液、定着液、洗浄水等を入れた各処理槽間を順次搬送す
ることによって行われている。
そして、このような処理に際しても、近年、環境保
全、資源節減が要望されてきており、処理液、特に現像
液の節減が課題となっている。
現像液を節減するには、現像効率を上げることが必要
であり、実際、所定量の現像液を入れた現像槽を複数用
いて処理すれば現像効率が上がることが知られている。
また、洗浄水を節減するには、水洗槽を複数用いて、
カウンターフローで水洗処理すればよいことも知られて
いる。
このようなことから、少量の処理液(現像液等)で処
理可能な方法として、いわゆるカスケード処理方式等が
採用されている。
このカスケード処理とは、同種の処理液を入れた複数
の処理槽(例えば、2〜9槽)を並設し、感光材料を各
処理槽間をクロスオーバさせて順次浸漬処理するもので
ある。この場合、処理液も隣接する処理槽間を順次流れ
るが、処理液の流れ方向は特に定められておらず、感光
材料の進行方向に対し処理液の流れ方向が同方向である
パラレルフローと、逆方向であるカウンターフローとの
両方がある。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、上記のような方法では、複数の処理槽を並設
するため、装置が大型化して広い設置スペースが必要と
なり、また、空気と接触する部分(クロスオーバー部)
が増え、そこでの酸化劣化分を補う必要があるため、現
像液の消費量(補充量)の低減化においても十分とはい
えない。
本発明は、このような従来技術の欠点に鑑みてなされ
たもので、その主たる目的は、第一に、装置の小型化お
よび処理液の補充量の低減を図ることができる感光材料
処理装置を提供することにある。
そして、第二に、上記目的に加えて、処理液の処理性
能を一定に保持することができる感光材料処理装置を提
供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、以下の構成(1)〜(5)の本発
明により達成される。
(1) 処理槽内に複数に区画された処理室を有し、こ
の処理室を連結してそれより狭幅の処理路で連続処理路
が形成され、この狭幅処理路には感光材料の非通過時に
狭幅処理路を遮蔽する遮蔽手段が設けられており、感光
材料が前記各処理室を順次通過する間に各処理室内に満
たされた処理液と接触して処理がなされるよう構成され
た感光材料処理装置であって、 前記連続処理路に連通して給液口を設け、感光材料が
最初に通過する処理室および最後に通過する処理室以外
の位置に、少なくとも1つの排液口を設けたことを特徴
とする感光材料処理装置。
(2) 機能の異なる2種以上の処理液を供給する2以
上の給液口を、各々異なる位置に設けた上記(1)に記
載の感光材料処理装置。
(3) 前記処理液が最初に供給される処理室を他の処
理室より小さな容積をもつものとした上記(1)または
(2)に記載の感光材料処理装置。
(4) 前記処理液の供給量の検出値に基づき、前記処
理液の供給量を制御するようにした上記(1)〜(3)
のいずれかに記載の感光材料処理装置。
(5) 前記処理液が脱銀能を有する処理液であって、
前記感光材料が最初に通過する処理室を前記処理液が最
初に供給される処理室とした上記(3)または(4)に
記載の感光材料処理装置。
また、上記構成(1)〜(5)において、感光材料が
大気と接触することなく各処理室を順次通過するよう構
成された感光材料処理装置であるのが好ましい。
なお、上記と同様の目的を達成すべく、本願出願人
は、特願平01-61707号および特願平1-90422号を特許出
願している。
これらの発明は、複数の区画された処理室を有する処
理槽の各処理室内に処理液を満たし、感光材料を大気と
接触することなく前記各処理室を順次通過させることを
特徴とするハロゲン化銀感光材料の処理方法であり、同
願明細書中には、この方法を実施するための感光材料処
理装置が開示されている。
これによれば、用いられる処理液は、1つの処理槽に
対し、現像液、漂白・定着液または洗浄水等のうちのい
ずれか1種類である。
そして、処理液の供給、排出は、主に感光材料が最初
に通過する処理室および最後に通過する処理室にて行わ
れ、処理液の流れは一方向、即ち感光材料の進行方向に
対し同方向(現像液、漂白・定着液)または逆方向(洗
浄水)となっている。
本発明は、これらの発明に改良を加えたものである。
即ち、感光材料が最初に通過する処理室および最後に
通過する処理室以外の位置に、少なくとも1つの排液口
を設けたことにより、各処理室内の処理液が排液口に向
って流れるが形成され、よって、複数の箇所からそれぞ
れ機能の異なる2種以上の処理液を供給することが可能
となる。
即ち、排液口を境に両側で機能の異なる処理を行うこ
とができる。また、後述するように、異種の処理液同士
が混合すると不都合を生じる場合には、両処理液の境界
部に水等を供給し、希釈した上で排液するといった対応
も可能である。
このようなことから、本発明では、1つの処理槽に2
以上の機能を持たせることができ、より一層装置の小型
化を図ることができるようになる。さらに、2種以上の
処理液が組み合されることにより、その組み合せに応じ
た処理効率の向上が図れ、処理液の補充量のさらなる低
減が可能となる。
上記の一連の処理装置において、処理効率が向上する
のは、複数の処理室に区画されているため、各処理室間
にて処理液の供給方向に従い、各処理室内の処理液の液
組成の濃度比が維持されることも一因である。このよう
な利点は、本発明の処理装置では同一機能を有する処理
液を満たした処理室間にて見出されることになる。
ところで、複数に区画された処理室を各処理室が狭幅
の通路で順次連結された構成とするとき、感光材料の通
過性をよくするため各処理室間の遮蔽度をある程度まで
小さくするが、このようにすると各処理室間の濃度比が
維持されにくくなる。これに伴なう弊害は、特に、休止
後処理を再開するに際して生じやすい。
本発明では、上記の処理装置において、処理液が最初
に供給される処理室を他の処理室に比べてその容積が小
さいものとなるようにしているので、休止後処理液の供
給を再々する場合、この小さい処理室内は即座に新鮮な
処理液に交換され、処理を再開したとき直ちに良好な処
理効率が得られる。
そして、本発明では、処理液の供給量の検出値に基づ
いて処理液供給の際の供給量を制御しているので、容積
の小さい処理室で生じやすい処理液の供給誤差、即ち補
充誤差を抑えることができ、精度のよい補充を行うこと
ができ、処理性能を一定に保持することができる。
さらに、本発明の処理装置を脱銀能を有する処理液を
満たして処理するものとしたとき、例えば、感光材料が
最初に通過する処理室から漂白液を供給し、最後に通過
する処理室から定着液を供給し、中間部に位置する処理
室に設けた排液口から排液する態様とすることができ
る。この態様にて、漂白→漂白定着→定着の工程を含む
脱銀処理を施すことが可能となる。
この場合感光材料が最初に通過する処理室の容積を小
さくし、この処理室に漂白液を供給する。そして、この
漂白液の供給に際し、漂白液の供給量の検出値に基づ
き、漂白液の供給量を制御しているので、例えば発色現
像液等の前槽からの処理液の持込みや漂白液の補充誤差
による漂白液の処理性能のバラツキを排除することがで
き、処理性能を一定に保持することができる。
〈実施例〉 以下、本発明の感光材料処理装置を添付図面に示す好
適実施例について詳細に説明する。
第1図は、本発明の感光材料処理装置の構成例を示す
断面側面図、第2図は、第1図中のII-II線での断面図
である。これら図に示すように、本発明の感光材料処理
装置1は、所定の容積を有する縦長の処理槽2を有す
る。この処理槽2内には、ラック3の側板31、32間に設
置されたブロック状の部材(以下、ブロック体という)
4および5がラック3ごとに挿入されている。
これらのブロック体4、5は、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド(PP
O)、ABS樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂等のプラスチック、アルミナ等のセラミ
ックスまたはステンレス、チタニウム等の各種金属等の
硬質材料で構成されている。特に、成形性に優れ、軽量
で、十分な強度を有するという点から、ポリプロピレ
ン、PPO、ABS樹脂等のプラスチックスで構成されている
のが好ましい。
また、図示の例ではブロック体4、5は中実部材とな
っているが、中空部材(例えばブロー成形により製造さ
れる)として構成してもよい。
ブロック体4は、ブロック体5の内側に挿入するよう
になっており、この挿入状態で、感光材料100を処理す
るための空間である5つの処理室6A、6B、6C、6Dおよび
6Eが形成される。また、隣接する処理室6Aと6B、6Bと6
C、6Cと6Dおよび6Dと6Eとの間には、両処理室を連結す
る狭幅の通路71、72、73および74が形成される。
また、処理室6Aおよび6Eの上部には、それぞれ感光材
料100を搬入および搬出するための同様の通路75および7
6が形成される。これらの通路71〜76の幅は、感光材料1
00の厚さの5〜40倍程度とするのが好ましい。
なお、後述する通路の遮蔽手段を設けない場合につい
ても、通路71〜76の幅は、前記と同様であるが、この場
合には、通路の長さを比較的長くすることが好ましい。
また、通路71〜74の内壁面には、撥水化処理または波
板状の表面処理を施しておくのが好ましい。これによ
り、感光材料の通過性の向上が図れるからである。
処理室6A、6B、6Dおよび6Eの中央部付近には、それぞ
れ1対の搬送ローラ8が設置され、処理室6Cには、3対
の搬送ローラ8が設置されている。また、通路75の感光
材料入口付近および通路76の感光材料出口付近にも、そ
れぞれ1対の搬送ローラ8が設置されている。
これらの各搬送ローラ8は、ブロック体4または5に
軸支されており、ローラ対のいずれか一方または双方が
駆動回転し、ローラ間に感光材料を挟持して感光材料10
0を搬送するようになっている。搬送ローラ8の駆動機
構は、第2図に示すように、図中垂直方向に軸支された
主軸82の所定箇所に固定されたベベルギア83と、各搬送
ローラ8の回転軸81の一端部に固定されたベベルギア84
とが噛合し、モータ等の駆動源(図示せず)の作動で主
軸82を所定方向に回転することにより、各搬送ローラ8
が回転するようになっている。
この場合、最上部にある搬送ローラ8の回転軸81aは
主軸82とずれた位置にあるので、主軸82に固定されたギ
ア85を含む歯車列を介して主軸82と平行に支持された従
動軸86を設け、該従動軸86に固定されたベベルギア83
と、回転軸81aの一端部に固定されたベベルギア84とを
噛合させて回転軸81aを回転させる。さらに、回転軸81a
には、ベベルギア84の内側にギア87が固定され、該ギア
87と他方の搬送ローラの回転軸81bの一端部に固定され
たギア88とを噛合させることにより両搬送ローラ8が同
時に駆動回転する。
各処理室内の搬送ローラ8では、一方のローラを駆動
回転させ、両ローラの周面同士が接触することによって
他方のローラを従動回転させる構成となっている。な
お、両ローラをギアで連結し、双方のローラを駆動回転
する構成としてもよい。
このような各搬送ローラ8の構成材料は、耐久性、処
理液Qに対する耐薬品性を有するものであるのが好まし
く、例えば、ネオプレン、E.PTゴム等の各種ゴム、サン
プレーン、サーモラン、ハイトレル等のエラストマー、
硬質塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS
樹脂、PPO、ナイロン、POM、フェノール樹脂、シリコー
ン樹脂、テフロン等の各種樹脂、アルミナ等のセラミッ
クス、ステンレス、チタン、ハステロイ等の耐食性を有
する金属類、またはこれらを組み合わせたものを挙げる
ことができる。
処理室6A、6B、6Dおよび6Eの搬送ローラ8の上下近傍
には、感光材料100を案内するための対をなすガイド9
が設置されている。また、処理室6Cの搬送ローラ8間に
は、円弧状に湾曲し、この湾曲部に沿って感光材料100
の方向を転換する反転ガイド10が設置されている。
これらのガイド9および10は、例えば成型プラスチッ
クや金属の板で構成され、ガイドを貫通する開口90がほ
ぼ均一に形成されている。この開口90の存在により処理
液Qの流通が可能となり、循環が促進されるため、処理
効率が高まる。
このようなガイド9、10、前記搬送ローラ8およびそ
の駆動系により感光材料100を所定の経路で搬送する搬
送手段が構成される。
各処理室6A〜6Eおよび通路71〜74内は、処理液Qで満
たされており、感光材料100の処理時には、新鮮な処理
液(補充液)が供給される。即ち、図示の例では、処理
液の給液管の一端部である給液口11が処理室6E内に設置
され、この給液口11から処理室6E内に処理液が注入され
る。
また、感光材料100が最初に通過する処理室6Aおよび
最後に通過する処理室6E以外の位置(図示の例では処理
室6B)から処理液が排出される。即ち、排液管12の一端
部である排液口120が処理室6B内に設置され、排液管12
の他端部121が処理液Qの液面付近に設置され、処理室6
B内の処理液が排液管12を通じてオーバーフローにより
排出される。
なお、給液口11および排液口120の設置位置、設置数
等は図示の例に限定されない。また給液口11および排液
口120は、通路71〜74の途中に設けられていてもよい。
また、排液管12による排液は、オーバーフローによる
ものに限らず、ポンプ等の吸引により強制的に排液する
ような構成としてもよい。
このように、複数の処理室に区画されているため、各
処理室6A〜6E内の処理液の濃度または組成に勾配が形成
され、よって処理効率が向上する。
特に、図示の感光材料処理装置1では、各通路71〜74
が狭幅であるため、隣接する処理室間において、必要以
上の処理液Qの流通が生じず、よって上記液組成勾配が
十分に保たれる。
また、感光材料100は、各処理室6A〜6Eを通過する間
に大気との接触がなく、即ち、前述した従来のカスケー
ド処理のように、大気中でのクロスオーバーがないた
め、クロスオーバー時間の節減や処理液補充量の低減が
図れ、写真性も向上する。
各処理室6A〜6Eの通路71〜76との接続部分には、感光
材料100の非通過時にこの部分を遮蔽(封止)しうる遮
蔽手段としての弁13aおよび13bが設置されている。この
弁13a、13bは、第2図に示すように、いずれも両端が縮
径(円錐状)したローラ状をなしているが、その構成は
弁13aと13bとで異なっている。
弁13aは、その比重が処理液Qよりも小さく、よって
浮力により浮上し、各処理室6A〜6Eの上部を遮蔽するも
のである。これに対し、弁13bは、その比重が処理液Q
よりも大きく、よって沈降し、各処理室6A、6B、6D、6E
の下部を遮蔽するものである。
弁13aおよび13bの比重の調整は、それらの構成材料の
選択により行うことができる。例えば、弁13aおよび13b
を中実ローラとする場合、弁13aの構成材料として、発
泡ポリプロピレン、発泡PPO、発泡ABS等を、弁13bの構
成材料として、硬質塩化ビニル、ABS樹脂、PPO等を用い
ればよい。
また、弁13aが、処理液Qより比重が大なる材料で構
成されていたとしても、図示のごとく弁13aを中空ロー
ラとすることにより浮力を与えることができる。
また、弁13bについても、必要により金属等の芯材を
入れる(図示せず)ことにより、弁13b全体の比重を増
大させることができる。
なお、通路71〜76の遮蔽性を向上するという観点から
は、弁13aおよび13bを、シリコーンゴムやその他の各種
エラストマー等の弾性体で構成し、またはこれらの材料
で弁13a、13bのローラ周面を被覆しておくのが好まし
い。
このような弁13a、13bは、感光材料100の非通過時に
は通路71〜76の出入口を遮蔽しているが、感光材料100
が通過する際には、感光材料100に押圧されてブロック
体4、5に形成された傾斜面14a、14bに沿って転動し、
感光材料100の通過が可能となる。そして、感光材料100
が通過した後は、弁13a、13bが元にもどり、再び通路71
〜76の出入口を遮断する。
なお、遮蔽手段としては上記弁によるものに限定され
ず、例えば特願昭63-142464号に記載されている流体
(パラフィン、液晶、オイル等)による流体シャッタ
ー、磁性流体によるシャッター、特願昭63-94756号に記
載されているローラタイプの遮蔽部材、特願昭63-94756
号に記載されているスキージータイプの遮蔽部材、特願
平01-27034号の第2図に示されているクランク機構によ
り移動する遮蔽板、またはその他のパッキン、ガスケッ
ト、ラビリンス等を用いてもよい。
また、本発明では、必ずしも遮蔽手段を設けなくても
よい。
以上、本発明の感光材料処理装置の構成を第1図およ
び第2図に基づいて説明したが、本発明はこれに限定さ
れず、例えば特願平01-61707号に記載されている処理路
が幅狭のスリット状になっているものや、処理槽内をロ
ーラおよび区画部材等で仕切ったもの等、複数の処理室
を有するものであればいかなるものでもよい。
次に、本発明における処理液の給液口および排液口の
設置パターンのバリエーションを第3図〜第12図に基づ
いて説明する。
なお、第3図〜第12図は、処理室および通路等の輪郭
のみを模式的に示すもので、処理槽、ブロック体、搬送
ローラ、ガイド等の記載は省略されている。
また、各図中の記号Dは現像液、FDは第1現像液、CD
は第2現像液、AはH2SO4、HCl、CH3COOH等の酸、 NはNaOH、KOH、Na2CO3、Na3PO4、各種アミン化合物
(例えばトリエタノールアミン)等のアルカリ、Wは
水、Blは漂白液、Fは定着液、SBは安定液、Rは反転液
を示し、これらの処理液の供給位置(給液口の設置位置
を)を、白ぬきの矢印で示す。
また、各図中において、処理室は、感光材料100の入
側から数えてn番目(n=1、2、3、…)のものを第
n処理室という。
第3図に示すように、第1処理室から現像液Dを、
第2処理室からアルカリNを、第5処理室から酸Aをそ
れぞれ供給し、第4処理室から排液する。
この場合、第2処理室から供給されるアルカリ(特に
NaOH)により現像液の再生が得られる。
即ち、感材溶出物により現像活性が低下するが、アル
カリの添加により、処理液のpHが上昇し、現像主薬の活
性がより高くなり、これらが合まって現像補充液の追加
添加なしで現像活性が維持され、結果として見かけ上現
像液の再生が図られる。
また、第4および第5処理室において感光材料100の
乳剤層中に含まれる現像液成分が酸によって除去される
ため、処理後のサーモステインや次工程でのブリーチカ
ブリの発生が抑制される。
特に、カラー現像主薬は、感材中のオイル中に取り込
まれており、その除去が困難であるが、酸には易溶性の
ため、容易に感材中から処理液中に溶け出す。
また、酸の中に溶け出した現像主薬は第4処理室に逆
戻りするため、この現像主薬も有効に再利用できるので
現像液の補充量を低減でき、特に、現像の途中でアルカ
リ(NaOH)を加えることにより、その補充量を一層低減
することができる。
第4図に示すように、第1処理室から現像液Dを第
5処理室から水Wをそれぞれ供給し、第4処理室から排
液する。
この場合、第5処理室から供給される水により、第4
および第5処理室において感光材料100の乳剤層中に含
まれる現像液成分が除去(希釈)されるため、処理後の
サーモステインや次工程でのブリーチカブリの発生が抑
制される。
しかも水洗中での後現像カブリは、水洗水が空気に触
れないため著しく抑えられる。
第5図に示すように、第1処理室から漂白液Blを、
第5処理室から水Wをそれぞれ供給し、第4処理室から
排液する。
この場合、第5処理室から供給される水により、第4
および第5処理室において漂白液が希釈されるため、次
工程の定着性への漂白液成分の持込みが抑制され、よっ
て、定着液での銀の回収(脱銀)工程が容易となる。
さらに、次工程の定着液の酸分解を考慮しなくて済
み、その結果、使用する漂白液のpHをより低いものとす
ることができ、少ない酸化剤でも漂白力を向上すること
ができる。
第6図に示すように、第1処理室から定着液Fを、
第5処理室から水Wをそれぞれ供給し、第2処理室から
排液する。
この場合、主に第1および第2処理室にて定着処理が
なされた後、第3処理室以後にて水洗が行われる。即
ち、1つの処理槽で、定着と水洗の2つの機能を有して
いる。これにより、水洗槽の設置が不要なため、処理槽
の全体の設置スペースが小さくなる。
なお、感光材料100が次工程の乾燥へ移行した際、乳
剤層中の定着液成分の残存量が少ないため、処理後の保
存性が良く、サーモステインの発生が抑制され、また、
カラーの場合、シアン色素の退色が抑制される。
第7図に示すように、第1処理室から第1現像液FD
を、第5処理室から水Wを、第9処理室から第2現像液
CDをそれぞれ供給し、第4処理室と第5処理室との間の
通路および第5処理室と第6処理室との間の通路から排
液する。
この場合、第1〜第4処理室において第1現像がなさ
れ(パラレルフロー)、第5〜第9処理室において第2
現像がなされる(カウンターフロー)。そして、第1現
像液FDが第2現像液CD中に混入すると写真性能が低下す
るため、第5処理室に水Wを加え、かつその両側に排液
口120を設けることにより両現像液を分断し、良好な写
真性を得ている。
第8図に示すように、第1処理室から現像液Dを、
第5処理室から水Wを、第9処理室から漂白液Blをそれ
ぞれ供給し、第4処理室と第5処理室との間の通路およ
び第5処理室と第6処理室との間の通路から排液する。
この場合、第1〜第4処理室において現像がなされ
(パラレルフロー)、第5〜第9処理室において漂白が
なされる(カウンターフロー)。そして、現像液Dが漂
白液Bl中に混入すると写真性能が低下するため、第5処
理室に水Wを加え、かつその両側に排液口120を設ける
ことにより現像液と漂白液とを分断し、良好な写真性を
得ている。
なお、独立した2本の排液管12により、排液口120を
第4処理室と第5処理室との間および第5処理室と第6
処理室との間にそれぞれ設置した場合には、漂白液の再
生がし易くなるという利点が生じる。
第9図に示すように、第1処理室から漂白液Blを、
第2および第6処理室から定着液Fを、第8処理室から
水Wを、第9処理室から安定液SBをそれぞれ供給し、第
4処理室と第5処理室との間の通路から排液する。
この場合、漂白(第1処理室)、漂白・定着(第2〜
第4処理室)、定着(第5および第6処理室)、水洗
(第7および第8処理室)および安定(第9処理室)の
5種の処理が1つの処理槽内にて順次行われる。
このように1つの処理槽での多機能化により、各処理
液の補充量の低減とともに、隣接処理槽間の空気中での
クロスオーバーの時間が省略され、処理時間の短縮が図
られる。
なお、第9図に示す処理系では、供給された定着液F
により乳剤層中の現像主薬や酸化材の洗出し効果が大と
なり、処理後のサーモステインの発生が抑制される。
第10図に示すように、第1処理室から第1現像液FD
を、第8処理室から水Wを、第10処理室から反転液R
を、第16処理室から第2現像液CDをそれぞれ供給し、第
7および第9処理室ならびに第10処理室と第11処理室と
の間の通路から排液する。
この場合、1つの処理槽で、第1現像、反転、第2現
像が順次行われる。なお、第8処理室に供給される水W
により、第1現像液FDと反転液Rとが分断され、何ら問
題なく良好な写真性能が得られる。
また、従来では4機能の処理のため少なくとも4つの
処理槽が必要であったが、第10図では1槽で4機能の処
理ができる。
第11図に示すように、第1処理室から第1現像液FD
を、第4および第11処理室から水Wを、第7処理室から
第2現像液CDを、第14処理室から漂白・定着液Bl+Fを
それぞれ供給し、第4および第11処理室の前後の通路4
箇所から排液する。
この場合、1つの処理槽で、第1現像、第2現像、漂
白・定着が順次行われる。なお、第4および第11処理室
に供給される水Wにより、第1現像液FDと第2現像液お
よび第2現像液と漂白・定着液とがそれぞれ分断され、
1つの処理槽で5機能の処理を行うことができ、少スペ
ース化に有効である。
第12図に示すように、第1処理室から現像液Dを、
第5処理室から酸Aを、第6処理室から漂白液Blを、第
8処理室から定着液Fを、第15処理室から水Wを、第16
処理室から安定液SBをそれぞれ供給し、第4処理室と第
5処理室との間の通路および第10処理室と第11処理室と
の間の通路から排液する。
この場合、1つの処理槽で、現像、停止、漂白・定
着、定着、水洗、安定が順次行われる。
なお、第5処理室から酸Aを注入することにより、漂
白液の活性が保たれ、また、漂白処理前に感材が酸によ
り現像停止されるため、ブリーチステインの発生もな
い。
以上、数種のバリエーションについて説明したが、こ
れらに限定されないことは言うまでもない。
以上においては、各処理室の容積をほぼ同じとする構
成の処理槽について説明してきたが、本発明の感光材料
処理装置は、第13図に示すように、最前段に位置する処
理室の容積を他の処理室に比べて小さいものにしてもよ
い。
第13図に示す感光材料処理装置(以下、装置)は、第
1図および第2図で示すものと処理室の大きさなどの点
を除けば同じであり、第3図〜第12図と同様に処理室お
よび通路等の輪郭のみを模式的に示すものである。
第13図に示す装置は、処理室60A、60B、60C、60D、60
Eの5つの処理室を有するもので、第1処理室60Aから漂
白液Blを、第5処理室60Eから定着液Fを、それぞれ供
給し、第3処理室60Cから排液する構成のものである。
このとき、感光材料100が最初に通過し、かつ漂白液B
lが最初に供給される第1処理室60Aは、他の処理室60B
〜60Eに比べてその容積が小さいものとなっている。
具体的には、第1処理室60Aの容積をv、処理槽全体
の容積をV、処理室数をn(図示例では5)とした場
合、下記の関係式で表わされるものとすることが好まし
い。
ここで、0<k<1であり、0.1〜0.8、好ましくは0.
2〜0.5とするのがよい。
このような関係を満足する処理室の構成とすることに
より、休止後処理を再開したとき、小さな処理室内の液
は新鮮な漂白液Blに即座に交換されることになり、処理
効率が向上する。
図示例では、全容積Vは2〜20l、好ましくは3〜10
l、第1処理室6Aの容積vは0.2〜2l、好ましくは0.1〜
1とするのがよい。
そして、一般に、本発明においては、全容積Vは処理
室数nによるが、通常、処理室数nは3〜10、好ましく
は5〜7、全容積Vは2〜20l、好ましくは3〜10l、漂
白液が最初に供給される処理室の体積は0.2〜2l、好ま
しくは0.2〜1とするのがよい。
このような構成の装置では、第1図および第2図に示
すような遮蔽手段を設置しないものとすることがしばし
ばあるが、このような場合の各処理室間の通路の長さは
1〜200mm、好ましくは20〜60mmとするのがよい。
第13図に示す装置には、漂白液Blを第1処理室60Aに
補充液として供給(補充)するためのタンクと、定着液
Fを第5処理室60Eに補充液として供給するためのタン
ク65とが設置されている。
タンク61内の漂白液Blは、フィルタ62を介して配置さ
れたポンプ63により、タンク65内の定着液Fは、フィル
タ66を介して配置されたポンプ67により、各々補充され
る。
また、図示の装置には、タンク61から第1処理室60A
への漂白液Blの供給量を検出する供給量検出手段64が設
置されている。この供給量検出手段64は例えば流量セン
サであり、補充液を供給する供給口に設ければよい。
第1処理室60Aへの漂白液Blの供給は、供給量検出手
段64の検出値に基づいて、制御される。
このような補充液の供給を実施する補充部としては第
14図に示すものが挙げられる。
第14図には、補充部のブロック構成図が示されてい
る。
補充部は、第1処理室60Aに供給された漂白液Blの補
充液としての供給量を検出する供給量検出手段64と、供
給量検出手段による検出値に対応して一定間隔で順次パ
ルスを発生し、また算出して補充量をパルスに変換して
パルスを発生するパルス発生手段92と、発生したパルス
数に基づいてポンプ63の作動停止時期を制御する制御手
段94と、所定時間内に発生したパルス数を計測する計測
手段96と、パルス発生手段92で発生したパルス数とポン
プ63の制御に関与したパルス数との差を一時記憶する記
憶手段98と、記憶したパルス数と次回の算出補充量に対
応するパルス数とを加算する演算手段97とからなる。
供給量検出手段64はパルス発生手段92に接続され、検
出信号をパルス発生手段92に供給する。
制御手段94は、例えばCPUであり、補充液の補充量を
算出し、算出した補充量をパルス発生手段92に供給す
る。
パルス発生手段92は、補充液の検出量および算出量に
対応したパルスを発生し、発生したパルスは制御手段94
および計測手段96に供給される。
制御手段94は、記憶手段98、演算手段97および計測手
段96に接続されている。そして、制御手段94は、補充量
に対応したパルス数、供給量に対応したパルス数、所定
時間内に発生したパルス数、供給量に対応したパルス数
とポンプの制御に関与したパルス数との差と次回の算出
補充量に対応したパルス数との和に基づいて補充した量
をフィードバックしながらポンプ63の作動を制御する。
次に、第15図を参照して制御手段94における補充制御
を説明する。第15図は補充制御のフローチャートであ
る。
ステップS1において補充量制御ルーチンにより補充量
が算出されると、ステップS2において補充量Reが読み込
まれる。
記憶手段98には、前回の補充時に、算出補充量とポン
プ63の容量との関係で補充しきれなかった未補充量が記
憶されている。また、記憶手段98には、前回の未補充量
に対応したパルス数とポンプの制御に関与したパルス数
との差が記憶されている。そこで、ステップS3におい
て、読み込まれた補充量に、前回の未補充量に対応した
パルス数とポンプの制御に関与したパルス数との差が、
演算手段97により加算され、今回の補充量に対応したパ
ルス数が演算される。
ステップS4においては、今回補充量を補充したときに
費やすと予想される補充時間Tpを演算(算出)し、ステ
ップS5においてタイマーがONとなり、時間Tp経過後、第
16図に示す割り込みタイマールーチンが作動する。な
お、Tpは少なくとも予想される補充時間であり、最大次
の感材処理開始までの時間に設定され、記憶手段98に記
憶される。
ステップS5においてタイマーがONとなると、次いでス
テップS6においてポンプ63が駆動される。
次いで、ステップS7において流量センサにより検出さ
れた供給量に対応したパルスを読み込み、ステップS8に
おいてこのパルス数Cpも計測する。
次いで、ステップS9において算出補充量Reと実際に供
給した既補充量Cp×α(αはパルス数を補充量に変換す
るための補正係数)とを比較判断する。そして、既補充
量Cp×αがまだ算出補充量Reに達していないときは補充
を続け、ステップS7に戻り補充量に対応したパルスを更
に読み込む。また、既補充量Cp×αが算出補充量Re以上
になったら、ステップS10においてポンプ63の作動を停
止し補充量を終了する。
なお、時間Tp経過前に補充が終了した場合は、割り込
みタイマールーチンを起動させなくてもよい。
次に、第16図を参照して割り込みタイマールーチンに
ついて説明する。第16図は割り込みタイマールーチンの
フローチャートである。
ポンプ63の作動と同時にタイマーはONになり、タイマ
ーONから時間Tp経過後に、ステップS11において割り込
みタイマールーチンが起動すると、ステップS12におい
て、算出補充量Reと実際に供給した既補充量Cp×αとを
比較判断する。既補充量Cp×αが算出補充量Re以上であ
れば、すでに算出補充量が補充量された後なので、ステ
ップS13において第15図に示す制御に戻り、ステップS10
においてポンプ63の作動を停止し補充を終了する。
ステップS12において既補充量Cp×αが算出補充量Re
より少なければ、ステップS14において、算出補充量を
再度補充し直すトリライ処理を行うとともに、リトライ
数を計数する。
次いで、ステップS15において計数したリトライ数
と、あらかじめ設定してあったリトライ数Nとを比較判
断し、計数したリトライ数が設定したリトライ数以上に
なったときは、ステップS16においてエラー処理ルーチ
ンに移行し、補充装置の故障と判断する。
ステップS15においてリトライ数が設定数Nより小で
あれば、ステップS17からステップS21において、第15図
に示すステップS6からステップS10と同様の処理を行い
補充を終了する。
第17図を参照してさらに割り込みタイマールーチンに
ついて説明する。第17図は割り込みタイマールーチン起
動のタイミングチャートであり、実線は起動時、点線は
非起動時を表す。
点線で示すように、算出補充量Reに相当するパルスが
例えば6パルスであった場合、供給量検出手段64が供給
量を検出し、パルス発生手段92が6パルスを発生する
と、制御装置94はポンプ63の作動を停止して補充を終了
する。
ところが、実線で示すように、供給量に対応して発生
したパルスが4パルスしかないと、補充が完了しないま
まポンプ駆動開始から時間Tpが経過し、割り込みタイマ
ールーチンが起動する。割り込みタイマールーチンが起
動すると、制御装置94はポンプ作動信号が再度ポンプ63
に供給し、ポンプ63を引き続き作動させる。そして、割
り込みタイマールーチン起動後に、新たに2パルス分に
相当する供給量が供給されたことを検出したところで、
割り込みタイマールーチンが終了し、補充が完了する。
ここで、割り込みタイマールーチンを起動させる時間Tp
は、ポンプ作動開始から予想される補充完了時と次の感
材処理開始時までの範囲で設定する。
上記の補充方法によれば、算出した補充量の供給量を
検出し、検出した供給量を一定間隔のパルスに変換し、
パルス数が所定値になったところで補充液供給手段の作
動を停止することにより、算出した補充量を正確に補充
することができる。
また、補充液供給手段の定格に起因する補充量の誤差
をパルス数に変化して記憶しておき、次回の補充時に、
算出補充量のパルス数に誤差分のパルス数を加算して処
理液供給手段の作動を制御することにより、補充を繰り
返すうちに誤差が補償される。
また、補充液の供給量に対応したパルス数または所定
時間内のパルス数に基づき補充液供給手段の作動停止時
期を制御することにより、故障等によりパルス数が大き
く変動した場合に、補充液供給装置が作動し続けること
はなく、過補充を防止することができる。
前述のように、第1処理室60Aは容積が小さいため、
補充誤差や発色現像液等、感材が前槽から持込む処理液
に起因する処理性能のバラツキが出やすくなるが、上記
のような補充方法を採用することにより、これらの問題
が解消する。
このような補充方法は、第13図の装置にて、定着液の
補充に採用してもよく、また、この場合定着液が最初に
供給される第5処理室60Eの容積を第1処理室60A同様小
さいものとしてもよい。
なお、第13図に示す装置では、前記した構造上の特徴
に基づく、各処理室には以下のように脱銀能を有する処
理液が満たされることになる。
処理室60A……漂白液 処理室60B……漂白成分の多い漂白定着液 処理室60C……漂白定着液 処理室60D……定着成分の多い漂白定着液 処理室60E……定着液 上記において、液の供給方向に従い、漂白液の流れは
感材の搬送方向と同方向(パラレルフロー)、定着液の
流れは反対方向(カウンターフロー)である。
このように、漂白液の流れをパラレルフローとするこ
とに漂白効率は向上する。
また定着液の流れをカウンターフローとしているが、
漂白定着処理では、未露光未現像部分にて定着のみ進行
し、現像部分にてはまず漂白が進行した後定着が進行す
るという過程を経るため、第1処理室60Aで実質的な漂
白処理を行い、第5処理室60Eで実質的な定着処理を行
うことは処理効率の上から好ましく、むしろ、処理効率
は向上する。
このように、第13図の装置では、少なくとも、漂白→
漂白定着→定着の工程を含む脱銀処理を施すことができ
る。
従来、このような処理を施すには、少なくとも3浴を
必要とするが、本発明においては、一槽のみの処理槽で
効率よく行うことができる。
以上においては、処理液が最初に供給される処理室の
容積を他の処理室に比べて小さいものにする装置とし
て、脱銀処理を施すための装置について述べてきたが、
このものに限定されるわけではなく、第3図〜第12図に
示されるいずれのものに適用することができる。また、
図示例に限定されるものではない。
ただし、特に、水洗水(洗浄水)や安定液を満たして
処理するものとするときは、感光材料が最後に通過する
処理室の容積を他の処理室に比べて小さいものとし、こ
の処理室から水洗水等を供給することが処理効率を向上
させる上で好ましい。そして、いずれにおいても小さな
容積の処理室に処理液を供給するとき、供給量の検出値
に基づく制御を行うことは効果的である。
本発明における機能の異なる処理液は、現像機能を有
する処理液、脱銀機能を有する処理液、水洗機能を有す
る処理液、安定化機能を有する処理液などに大別され
る。
具体的には、現像機能を有する処理液としては黒白現
像液、発色現像液等、脱銀機能を有する処理液としては
さらに漂白機能を有する処理液と定着機能を有する処理
液に分けられ、これらのものとしては漂白液、漂白定着
液、定着液等、水洗機能を有する処理液としては水洗
水、リンス液等、安定化機能を有する処理液としては安
定液等である。
本発明において、処理対象される感光材料の種類は特
に限定されず、例えば、カラーネガフィルム、カラー反
転フィルム、カラー印画紙、カラーポジフィルム、カラ
ー反転印画紙、製版用写真感光材料、X線写真感光材
料、黒白ネガフィルム、黒白印画紙、マイクロ用感光材
料等、各種感光材料が挙げられる。
また、本発明は、例えば、湿式の複写機、自動現像
機、プリンタープロセッサ、ビデオプリンタープロセッ
サー、写真プリント作成コインマシーン、検版用カラー
ペーパー処理機等の各種感光材料処理装置に適用するこ
とができる。
〈発明の効果〉 本発明の感光材料処理装置によれば、装置の小型化お
よび処理液の補充量の低減を図ることができる。
特に、複数の箇所からそれぞれ機能の異なる2種以上
の処理液を供給することが可能となり、処理槽の多機能
化による装置のより一層の小型化や処理時間の短縮が図
れるとともに、供給する処理液種類の組み合せ、供給位
置等を適宜選定することにより、これに応じた処理効率
の向上や写真性の向上等が可能となる。
そして、処理液が最初に供給される処理室の容積を他
の処理室に比べて小さくすることによって、休止後の処
理再開時には上記処理室内の処理液が新鮮な処理液と直
ちに交換され、処理効果を良好なものとすることができ
る。
また、上記のような小さい容積の処理室を有する装置
では、この処理室における処理液の補充に際し、処理液
の供給量の検出値に基づいて処理液を供給すると、精度
よく補充でき、処理性能を一定に保持でき、常に良好な
写真性能の画像が得られる。
そして、このような効果は、前浴からの持込みが問題
となる脱銀能を有する処理液を満たした装置としたとき
に大きくなる。
本発明者は、上記効果を確認するため、種々の実験を
行った。以下に一例を示す。
実験例1 特開平1-259359号公報の実施例2に記載された試料20
1のカラーネガフィルムを用い、富士写真フイルム
(株)製のカラーネガ用自現機FP230Bの改造機を使用し
て以下の処理工程に従って発色現像液の累積補充量が80
lとなるまで1ケ月ランニング処理した。
以下に処理液の組成を示す。
(漂白定着液母液) 漂白液母液と定着液とを容積で1:9の割合で混合して
使用した。
(水洗水)母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンド
ハース社製アンバーライトIR-120B)とOH型アニオン交
換樹脂(同アンバーライトIR-400)を充填した混床式カ
ラムに通水してカルシウムおよびマグネシウムイオン濃
度を3mg/l以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/lと硫酸ナトリウム0.15g/lを添加し
た。
この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
このように処理したものを処理1Aとする。
処理1Aにおいて、漂白槽、漂白定着槽および定着槽の
かわりに以下のような装置を用いて同様に処理した。
用いた処理に応じて処理1B〜1Cとする。
処理1B: 第13図に示す装置にて各処理室の容積をすべて同じの
800mlとし、第1処理室から漂白液、第5処理室から定
着液を供給して処理した。補充は、ポンプによる通常の
補充を行い、漂白液の補充量は5ml、定着液の補充量は4
8ml(いずれも感材35mm×1m当たり)とした。
処理1C: 第13図に示す装置を用い、補充は処理1Bと同様に行っ
た。容積の小さい第1処理室の容積は150mlとした。
処理1D: 第13図に示す装置を用い、補充は第14図に示す補充部
の構成に従い、処理液供給量の検出値に基づく制御を行
うものとした。
以上の処理1A〜1Dにおいて、少量処理、大量処理と感
材の処理量をかえて1週間毎繰返して1ケ月間ランニン
グし、ランニング開始時からランニング終了時に至るま
での間ランダムに20回サンプリングして写真性能を調べ
た。
写真性能は復色不良および脱銀に基づく写真性能のバ
ラツキについて以下のように評価した。
(復色不良) センシトメトリー露光した処理済み感材を赤色光で濃
度測定し、次に漂白液から再度処理をして再度濃度測定
し、赤色の透過濃度が1.2の時の再処理による濃度上昇
で評価した。このとき、濃度上昇が0.1以上あると復色
不良発生と評価した。表中には、全く問題のないものを
○、ほとんど問題のないものを△、問題があるものを×
として示す。
(写真性能のバラツキ) 処理済み感材を緑色光で透過測定し、特に脱銀不良が
発生すると濃度上昇と共に脱銀レベルにより濃度2.3レ
ベルの濃度が変動するので、この変動巾(20ケ所の濃度
を測定し、その標準偏差を求めた)で評価した。
結果を処理槽数とともに表1に示す。
表1から明らかなように、本発明を適用した処理1B、
1C、1Dでは処理の要する処理槽数を減少させることがで
き、装置の小型化が図れる。
また、漂白液が最初に供給される処理室を小さな容積
としたものでは、処理液供給量の検出値に基づく補充方
法とした場合、特に写真性能のバラツキを小さくするこ
とができ、かつ復色不良の発生もない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における処理装置の構成例を示す断面
側面図である。 第2図は、第1図中のII-II線での断面図である。 第3図〜第12図は、それぞれ、本発明の感光材料処理装
置における給液および排液のパターンを示す模式図であ
る。 第13図は、本発明の感光材料処理装置を示す概略構成図
である。 第14図は、補充部のブロック図である。 第15図および第16図は、補充制御のフローチャートであ
る。 第17図は、補充制御のタイミングチャートである。 符号の説明 1……感光材料処理装置 2……処理槽 3……ラック 31、32……側板 4、5……ブロック体 6A〜6E、60A〜60E……処理室 61、65……タンク 62、66……フィルタ 63、67……ポンプ、 64……流量センサ(供給量検出手段) 71〜76……通路 8……搬送ローラ 81……回転軸 82……主軸 83、84……ベベルギア 85、87、88……ギア 86……従動軸 9……ガイド 90……開口 92……パルス発生手段 94……制御手段 96……計測手段 97……演算手段 98……記憶手段 10……反転ガイド 11……給液口 12……排液管 120……排液口 121……他端部 13a、13b……弁 14a、14b……傾斜面 100……感光材料 Q……処理液 D……現像液 FD……第1現像液 CD……第2現像液 A……酸 N……アルカリ W……水 Bl……漂白液 F……定着液 SB……安定液 R……反転液

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理槽内に複数に区画された処理室を有
    し、この処理室を連結してそれより狭幅の処理路で連続
    処理路が形成され、この狭幅処理路には感光材料の非通
    過時に狭幅処理路を遮蔽する遮蔽手段が設けられてお
    り、感光材料が前記各処理室を順次通過する間に各処理
    室内に満たされた処理液と接触して処理がなされるよう
    構成された感光材料処理装置であって、 前記連続処理路に連通して給液口を設け、感光材料が最
    初に通過する処理室および最後に通過する処理室以外の
    位置に、少なくとも1つの排液口を設けたことを特徴と
    する感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】機能の異なる2種以上の処理液を供給する
    2以上の給液口を、各々異なる位置に設けた請求項1に
    記載の感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】前記処理液が最初に供給される処理室を他
    の処理室より小さな容積をもつものとした請求項1また
    は2に記載の感光材料処理装置。
  4. 【請求項4】前記処理液の供給量の検出値に基づき、前
    記処理液の供給量を制御するようにした請求項1〜3の
    いずれかに記載の感光材料処理装置。
  5. 【請求項5】前記処理液が脱銀能を有する処理液であっ
    て、前記感光材料が最初に通過する処理室を前記処理液
    が最初に供給される処理室とした請求項3または4に記
    載の感光材料処理装置。
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