JP2595026B2 - 鮮明性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法 - Google Patents

鮮明性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法

Info

Publication number
JP2595026B2
JP2595026B2 JP63066166A JP6616688A JP2595026B2 JP 2595026 B2 JP2595026 B2 JP 2595026B2 JP 63066166 A JP63066166 A JP 63066166A JP 6616688 A JP6616688 A JP 6616688A JP 2595026 B2 JP2595026 B2 JP 2595026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
yarn
cross
fine particles
sectional shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63066166A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01239160A (ja
Inventor
浩幸 逢坂
賢一 中田
勝敏 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP63066166A priority Critical patent/JP2595026B2/ja
Publication of JPH01239160A publication Critical patent/JPH01239160A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2595026B2 publication Critical patent/JP2595026B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G1/00Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics
    • D02G1/02Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics by twisting, fixing the twist and backtwisting, i.e. by imparting false twist
    • D02G1/0286Producing crimped or curled fibres, filaments, yarns, or threads, giving them latent characteristics by twisting, fixing the twist and backtwisting, i.e. by imparting false twist characterised by the use of certain filaments, fibres or yarns

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鮮明性ポリエステル仮撚加工糸の製造法に関
し、更に詳細には、繊維表面にアルカリ減量処理に因る
多数の微細孔が形成されている鮮明性ポリエステル仮撚
加工糸の製造方法に関する。
(従来の技術) ポリエステルは多くの優れた特性を有するが故に合成
繊維とし広く使用されている。
しかし、ポリエステル繊維は羊毛や絹の如き天然繊
維、レーヨンやアセテートの如き繊維素系繊維、アクリ
ル系繊維等に比較して、着色した際に色の深みがないた
め発色性、鮮明性に劣る欠点を有している。
かかる欠点を解消すべく、特開昭59-130363号公報に
は、特定のリン化合物とアルカリ土類金属とを添加して
得られる内部折出系微細粒子を分散含有しているポリエ
ステル仮撚加工糸よりなる織編物をアルカリ減量するこ
とによって、繊維表面に多数の微細孔を形成する方法が
提案されている。また、特開昭58-149323号公報には、
特定のシリカ粒子を含有するポリエステルを5,000m/分
以上で紡糸した後、表面溶出処理を施して、発色性の良
好なポリエステル繊維を製造する方法が提案されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 確かに、この様にして得られる繊維は繊維表面に多数
の微細孔が形成されており、染色した際の色の深み(以
下、深色性と称する)が改善される。
しかしながら、これらの従来法では、未だ十分に満足
できる深色性は得られない。
本発明の目的は、深色性に優れ、くすみがなく、鮮明
性に優れたポリエステル仮撚加工糸を得ることのできる
製造法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成すべく検討した結果、
特定の化合物の反応により析出した内部折出系粒子を用
いると共に、特定の繊維構造とすることによって深色性
が大幅に向上することを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記一般式 で表わされるリン化合物とアルカリ土類金属化合物と
を、その合計量がポリエステルに対して0.1〜0.4重量%
となるように添加して得られる内部折出系微細粒子を含
有するポリエステルを4,000m/分以上の引取速度で溶融
紡糸して下記の特性及び断面形状を有する高配向未延伸
糸を得、次いで仮撚加工した後、アルカリ減量処理して
表面に多数の微細孔を形成させることを特徴とする鮮明
性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法である。
(i) (100)面の結晶サイズ(X):40Å≦X (ii) 非晶部配向度(Δna):0.03≦Δna≦0.09 (iii) 横断面形状(SN):5≦SN≦8 (iv) 異形度(DM):1.2≦DM 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる
酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、好ましくは
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルを主たる対象とする。
また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボ
ン酸成分で置換えたポリエステルであってもよく、及び
/又はグリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコ
ール若しくは他のジオール成分で置換えたポリエステル
であってもよい。
ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボ
ン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカル
ボン酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフェノキシエタン
ジカルボン酸,β−ヒドロキシエトキシ安息香酸,p−オ
キシ安息香酸,5−ナトリウムスルホイソフタル酸,アジ
ピン酸,セバシン酸,1.4−シクロヘキサンジカルボン酸
の如き芳香族,脂肪族,脂環族の二官能性カルボン酸を
あげることができる。また、上記グリコール以外のジオ
ール化合物としては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメ
タノール,ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA,
ビスフェノールSの如き脂肪族、芳香族のジオール化合
物及びポリオキシアルキレングリコール等をあげること
ができる。
かかるポリエステルは任意の方法によって合成したも
のでよい。例えばポリエチレンテレフタレートについて
説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコール
とを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメル
チの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレフ
タル酸とエチレンオキサイドを反応させるかしてテレフ
タル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を
生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を
減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させ
る第2段階の反応によって製造される。
本発明において上記したポリエステルに含有せしめる
微細粒子は下記一般式 で表わされるリン化合物とアルカリ土類金属化合物との
反応により折出した内部折出系の微細粒子である。ここ
で内部折出系とは、上記リン化合物とアルカリ土類金属
とを予め反応させることなくポリエステル反応系に添加
し、該ポリエステル反応系内部で両者を反応させて、ポ
リエステルに実質的に不溶性の微細粒子を均一に折出せ
しめる系をいい、予め外部で所望の粒径に粒度調整し
た、ポリエステルに実質的に不溶性の微細粒子を、好ま
しくはグリコール,アルコール又は水等に分散させて、
ポリエステル反応系に添加する外部添加系と区別され
る。
リン化合物を示す上記式中R1およびR2は1価の有機基
である。この1価の有機基は具体的にアルキル基,アリ
ール基、アラルキル基又は、〔(CH2)lO〕KR3(但し、R3
は水素原子,アルキル基,アリール基又はアラルキル
基,lは2以上の整数、kは1以上の整数)等が好まし
く、R1とR2とは同一でも異なっていてもよい。Xは1価
の有機基又は金属であり、1価の有機基としては上記
R1,R2における有機基の定義と同様であって、R1,R2
同一でも異なっていてもよく、また金属としては特にア
ルカリ金属,アルカリ土類金属が好ましく、なかでもL
i,Na,K,Mg1/2,Ca1/2,Sr1/2,Ba1/2がより好ましく、その
中でもCa1/2が特に好ましい。nは1又は0である。
かかるリン化合物としては、例えばリン酸トリメチ
ル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリ
フェニル等の如きリン酸トリエステル、亜リン酸トリメ
チル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル、亜リ
ン酸トリフェニル等の如きリン酸トリエステル、上記リ
ン化合物及び/又はリン酸ジメチル、リン酸ジエチル、
リン酸ジブチル、リン酸ジフェニル等の如きリン酸ジエ
ステル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン
酸ジブチル、亜リン酸ジフェニル等の如き亜リン酸ジエ
ステルを所定量のLi,Na,K等の如きアルカリ金属の化合
物又はMg,Ca,Sr,Ba等の如きアルカリ土類金属の化合物
と反応することにより得られるリン化合物等から選ばれ
た1種以上のリン化合物を用いることができる。
上記リン化合物と併用するアルカリ土類金属化合物と
しては、上記リン化合物と反応してポリエステルに不溶
性の塩を形成するものであれば特に制限はなく、アルカ
リ土類金属の酢酸塩,しゅう酸塩、安息香酸塩,フタル
酸塩,ステアリン酸塩の如き有機カルボン酸塩,硼酸
塩、珪酸塩、硫酸塩、炭酸塩,重炭酸塩の如き無機酸
塩、塩化物のようなハロゲン化物、エチレンジアミン4
酢酸塩等の如きキレート化合物、水酸化物,酸化物,メ
チラート,エチラート,グリコレート等のアルコラート
類,フェノラート等をあげることができる。特にエチレ
ングリコールに可溶性である有機カルボン酸塩,ハロゲ
ン化物,キレート化物,アルコラートが好ましく、なか
でも有機カルボン酸塩が特に好ましい。アルカリ土類金
属としてはCaがなかでも特に好ましい。上記のアルカリ
土類金属化合物は1種のみ単独で使用しても、また2種
以上併用してもよい。
上記リン化合物とアルカリ土類金属化合物とよりなる
内部折出系微細粒子を均一に分散含有するポリエステル
を製造するには、例えば前記したポリエステルの合成が
完了するまでの任意の段階で(a)上記リン化合物およ
び(b)上記アルカリ土類金属化合物を(a)と(b)
とを予め反応させることなく且つ(a)と(b)との金
属の当量数の合計が(a)のリン化合物のモル数に対し
て2.0〜3.2倍となるように添加し、しかる後ポリエステ
ルの合成を完了する方法を好ましくあげることができ
る。
上記したリン化合物とアルカリ土類金属化合物との反
応により折出せしめる内部折出系微細粒子のポリエステ
ル中における含有量は、ポリエステルに対して0.1重量
%以上0.4重量%以下の範囲とすべきである。0.1重量%
より少ない量では最終的に得られる加工糸織編物のテカ
リ防止効果が不充分であり、この量を多くするに従って
テカリ防止効果および着色した際の色の深み、鮮明性は
増加するが、0.4重量%を越える量ではもはやテカリ防
止効果や色の深みは著しい向上を示さず、かえって耐摩
擦耐久性が悪化するようになる。
ここで、ポリエステル中の内部析出系微細粒子の含有
量は、該ポリエステル繊維をo−クロロフェノール溶液
となし、ガラスフィルターで濾別後、該濾液を超遠心分
離機を用いて遠心分離して得られる分離粒子をo−クロ
ロフェノールでポリエステルが認められなくなるまで繰
り返し洗浄した後秤量することによって求められる。
かくして得られる上記内部折出系微細粒子の特定量を
均一に分散、含有させたポリエステルを、4,000m/分以
上の引取速度で溶融紡糸して、高配向未延伸糸とする。
本発明におけるポリエステル高配向未延伸糸は(10
0)面の結晶サイズ(X)が40Å以上、非晶部配向度
(Δna)が0.03以上、0.09以下であることが必要であ
る。通常のポリエステル繊維に比較して、結晶サイズが
大きく非晶部の配向が低いことによって、仮撚加工後で
も高い染料吸着性を保持することが可能となり、優れた
発色性、鮮明性を呈することができる。非晶部配向度
(Δna)が0.09を越えると、非晶部の配向が進みすぎる
ため、仮撚加工後の染料吸着性が不充分となり、発色
性、鮮明性が劣ったものになる。一方、非晶部配向度
(Δna)が0.03未満になると、製糸工程の巻取中あるい
は織編工程で変形を受け易くなるため、最終的に得られ
る織編物の品位が受け易くなるため、最終的に得られる
織編物の品位が低下する。
更に、本発明で用いる高配向未延伸糸は、横断面形状
(SN)が5以上、8以下、即ち5〜8角形であること及
び異形度(DM)が1.2以上であることが必要である。横
断面形状(SN)が5〜8の範囲外、即ち3角形あるいは
丸に近くなると仮撚加工後の繊維横断面形状が三角形に
なり易く、着用中にテカリが発生し、このテカリ部分が
白く光って、染色後、特に黒色に染色した後の深色性を
阻害し、フォーマルウェア、学生服に用いた場合、低級
感を与える結果となる。また、異形度(DM)が1.2未満
でも仮撚加工後の繊維横断面形状が三角形になり易く、
着用中にテカリが発生するので不適当である。
本発明で用いるポリエステル高配向未延伸糸は、摩擦
等により変色、耐フィブリル性を改善するうえで、固有
粘度(〔η〕F)が0.64〜0.80であることが望ましい。
また、結晶サイズを大きくし、仮撚加工後に染色した際
の深色性を高め、仮撚加工時の毛羽発生を抑制するうえ
で、高配向未延伸糸の複屈折率(Δn)は0.06以上であ
ることが好ましい。
更に、仮撚加工後の、織編物にした場合のソフト感を
向上させるうえで、高配向未延伸糸の熱応力ピーク温度
(ST)が100℃以上、沸水収縮率(BWS)が10%以下であ
ることが望ましい。
このような高配向未延伸糸を得るには、前述した内部
折出系微細粒子を含有するポリエステル、即ち特定のリ
ン化合物とアルカリ土類金属とを、その合計量がポリエ
ステルに対して0.1〜0.4重量%となるように添加して得
られる内部折出系微細粒子を均一に含有するポリエステ
ルを、第1図、第2図に示すような装置で紡糸速度4000
m/分以上、好ましくは4,500m/分以上で溶融紡糸し、巻
取ることによって得ることができる。
第1図は、本発明において用いる繊維の製造装置を示
す概略図である。
第1図において、内部折出系微細粒子を含有するポリ
エステルを口金吐出面が0.8〜4.0Sの梨地状の紡糸口金
(1)から溶融吐出して糸条(2)とし、冷却装置
(3)から吹き出す冷却風によって冷却固化せしめた
後、オイリングローラ(4)で給油してから第1ゴデッ
トローラ(5)に引き取り、引き続きゴデットローラ
(6)を通過させてからワインダー(7)に巻取る。な
お、必要に応じて、油剤付与装置(4)と第1ゴデット
ローラ(5)との間にインターレース装置を設けてもよ
い。更に、本発明においては、紡糸糸条(2)の断面形
状が異形であるため、丸断面の糸条の場合よりも高ドラ
フトとなり、紡糸調子不調の原因となる。この問題を解
決するために、第2図に示すようにオイリングローラ
(4)にかえて、口金(1)下1m付近にメタリングオイ
ル装置8を設けてもよい。
このようにして得た高配向未延伸糸を、仮撚加工機に
より1.05〜1.3倍の延伸倍率で仮撚加工する。かくし
て、得られる該内部折出系微細粒子を含有するポリエス
テル仮撚加工糸から、その一部を除去して繊維表面に微
細な凹凸を形成せしめるには、加工糸のまま、あるいは
該加工糸を織編成後、アルカリ化合物の水溶液中で加熱
するか又はアルカリ化合物の水溶液をパッド/スチーム
処理することにより容易に行うことができる。
ここで使用するアルカリ化合物としては、水酸化ナト
リウム,水酸化カリウム,テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等を
あげることができる。なかでも水酸化ナトリウム,水酸
化カリウムが特に好ましい。
また、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラ
ウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の如
きアルカリ減量促進剤を適宜使用することができる。
このアルカリ化合物の水溶液の処理によって溶出除去
する量は、繊維重量に対して3重量%以上の範囲にすべ
きであり、3重量%未満の減量率では満足すべき表面凹
凸が形成されず充分なテカリ防止効果が得られない。
このようにアルカリ化合物の水溶液で処理することに
よって、繊維軸方向に配向し、度数分布の最大値が繊維
軸直角方向の幅が0.1〜0.3μの範囲であって、繊維軸方
向の長さが0.1〜5μの範囲になる大きさを有する極微
細孔を繊維表面の全面に形成せしめることができ、仮撚
加工時の繊維断面変形によって生じる繊維平坦面での鏡
面反射を防止できるため、特に染色された織編物のテカ
リが激減、ないしは消去されたものになるばかりではな
く優れた色の深みを呈するようになる。
(実施例) 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中の部及
び%は重量部及び重量%を示し、高配向未延伸糸に於け
る結晶サイズ(X)、非晶部配向度(Δna)、複屈折率
(Δn)、異型度(DM)更には、加工糸織編物を染色し
た際のテカリ性、深色性、耐摩耗変色性は以下の方法で
測定した。
〈結晶サイズ(X)〉 X線広角回析法によって測定した強度分布曲線におい
て、(010)(100)の半価巾を求め、シェラーの式を用
いて結晶サイズを算出した。
〈非晶部配向度(Δna)〉 非晶部配向度(Δna)は下記の式から求めた。
ここで、Δn:複屈折率 Xv:結晶化度(密度法) fc:結晶部配向度(X線屈折法) Δnc0:固有極限値0.212(ポリエステル) 〈複屈折率(Δn)〉 異形断面のため、偏光顕微鏡による複屈折率は測定出
来ないので、東洋ボールドウィン社のレオバイブロン
(DDV-5B)を使用し、ソニックベロシティを測定し、丸
断面での複屈折率とソニックベロシティとの値との対応
から異形断面糸の複屈折率を算出した。
算出式は でEをバイブロンで測定し、丸断面との比で複屈折率を
算出した。
〈異形度(DM〉 断面形状を写真撮影し、断面の内接円と外接円の直径
の比で異型度を算出した。
〈テカリ性〉 深色性を直射日光の下で視感判定し、テカリの評価を
行った。評価の級の数字が大きい程テカリ性が大きいこ
とを示す。実用的な級は1あたりは2である。
〈深色性〉 深色性を示す尺度としては、深色度(K/S)を用い
た。この値はサンプル布の分光反射率(R)を島津RC-3
30型自記分光光度計にて測定し、次に示すクベルカーム
ンク(Kubelka-Munk)の式から求めた。この値が大きい
ほとど深色効果が大きいことを示す。
なお、Kは吸収係数、Sは散乱係数を示す。
〈耐摩擦変色性〉 摩擦堅牢度試験用の学振型平面摩擦機を使用して、摩
擦布としてポリエチレンテレフタレート100%よりなる
ジョーゼットを用い、試験布を500gの荷重下で所定回数
平面摩耗して、変色の発生の程度を変褐色用グレースケ
ールで判定した。耐摩耗性が極めて低い場合を1級と
し、極めて高い場合を5級とした。実用上4級以上が必
要である。
実施例1〜6、比較例1〜5 テレフタル酸ジメチル100部,エチレングリコール60
部,酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して0.066モル%)をエステル交換缶に仕込み、
窒素ガス雰囲気下4時間10分かけて140℃から230℃まで
昇温して生成するメタノールを系外に留去しながらエス
テル交換反応を行った。続いて得られた反応生成物に、
0.2部のリン酸トリメチル(テレフタル酸ジメチルに対
して0.25モル%)と0.35部の酢酸カルシウム1水塩(リ
ン酸トリメチルに対して1/2倍モル)とを6.8部のエチレ
ングリコール中で120℃の温度において全還流下60分間
反応せしめて調整したリン酸ジエステルカルシウム塩の
透明溶液に室温下0.06部の酢酸カルシウム1水塩(リン
酸トリメチルに対して0.9倍モル)を溶解せしめて得た
リン酸ジエステルカルシウム塩と酢酸カルシウムとの混
合透明溶液を添加し、次いで三酸化アンチモン0.04部を
添加して重合缶に移した。次いで1時間かけて760mmHg
から1mmHg間で減圧し、同時に1時間25分かけて230℃か
ら285℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度28
5℃で更に3時間5分、合計4時間30分間重合して固有
粘度0.7、軟化点260℃のポリマーを得た。反応終了後ポ
リマーを常法に従いチップ化した。尚、この際に混合透
明液の添加量を、リン酸ジエステルカルシウム塩と酢酸
カルシウムとの合計量がポリエステルに対して第1表に
示す値となるように調整した。
得られたチップを常法により乾燥し、第2図に示した
装置で口金吐出面を2Sの梨地面とした口金より、紡糸温
度290℃にて溶融吐出し、引続いて横吹きの冷却風によ
り冷却固化し油剤付与を行って、第1表に示す引取速度
で100デニール24フィラメントの高配向未延伸糸として
巻取った。次いで、熱セット温度200℃及び第1表に示
す延伸倍率で延伸仮撚後、経緯生機密度50WPIの織物を
作成した。この織物を常法によりヒートセット後、3.5
%の水酸化ナトリウム水溶液で沸騰温度にて処理し、減
量率10%の布帛を得た。このアルカリ減量処理後の布帛
をDianix Black(BG-FS(三菱化成工業製品)15%owfで
130℃で60分間染色後、水酸化ナトリウム1g/l及びハイ
ドロサルファイド1g/lを含む水溶液にて70℃で20分間還
元洗浄して黒色布を得た。この黒色布のテカリ性、深色
性、摩耗200回後の耐摩擦変色性を第1表に示した。
比較例6 実施例2において、微細孔形成剤として、リン酸ジエ
ステルCa塩と酢酸Caのかわりに、コロイダルシリカを使
用した他は、実施例2と同じテストを繰り返した。結果
を第1表に併せて示す。
実施例7〜9、比較例7〜9 実施例2において、紡糸口金のノズル形状を変更する
ことにより、高配未延伸糸の横断面形状及び異形度を種
々変更し、その他の条件は実施例2と同じにしてテスト
を行った。結果は第2表に示す通りであった。
(発明の効果) 本発明は、特定の内部折出系微細粒子を均一に分散さ
せたポリエステルを用いるために、従来の外部添加系微
細粒子を用いる場合に比較して著しく微細な粒子分散性
が得られ、更に、結晶サイズが大きく、非晶部配向が小
さくて、しかも高配向の繊維構造であること、また異形
度の高い特定の異型断面形状を有するため仮撚加工後の
テカリが少ないということから、従来のポリエステルで
達成し得なかった深みのある、くすみやテカリの少ない
鮮明性を付与しえたもので、更に固有粘度を高くすれば
摩擦等の外力による変色も小さく耐フィブリル性も大き
くする事が出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明で用いる高配向未延伸糸の
製造装置の例を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 1/02 D02G 1/02 A

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 で表わされるリン化合物とアルカリ土類金属化合物と
    を、その合計量がポリエステルに対して0.1〜0.4重量%
    となるように添加して得られる内部折出系微細粒子を含
    有するポリエステルを4,000m/分以上の引取速度で溶融
    紡糸して下記の特性及び断面形状を有する高配向未延伸
    糸を得、次いで仮撚加工した後、アルカリ減量処理して
    表面に多数の微細孔を形成させることを特徴とする鮮明
    性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法。 (i) (100)面の結晶サイズ(X):40Å≦X (ii) 非晶部配向度(Δna):0.03≦Δna≦0.09 (iii) 横断面形状(SN):5≦SN≦8 (iv) 異形度(DM):1.2≦DM
JP63066166A 1988-03-18 1988-03-18 鮮明性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法 Expired - Fee Related JP2595026B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63066166A JP2595026B2 (ja) 1988-03-18 1988-03-18 鮮明性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63066166A JP2595026B2 (ja) 1988-03-18 1988-03-18 鮮明性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01239160A JPH01239160A (ja) 1989-09-25
JP2595026B2 true JP2595026B2 (ja) 1997-03-26

Family

ID=13307993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63066166A Expired - Fee Related JP2595026B2 (ja) 1988-03-18 1988-03-18 鮮明性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2595026B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5161851B2 (ja) * 2009-09-15 2013-03-13 帝人ファイバー株式会社 鮮明性ポリエステル繊維
JP5161850B2 (ja) * 2009-09-15 2013-03-13 帝人ファイバー株式会社 鮮明性ポリエステル繊維
CN107075740B (zh) * 2014-10-28 2020-05-22 东丽株式会社 多孔纤维、吸附材料及净化柱

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59130363A (ja) * 1983-01-17 1984-07-26 帝人株式会社 ノングリツタ−織編物の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01239160A (ja) 1989-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS61275422A (ja) ポリエステル繊維
US4468434A (en) Dyed polyester fiber composite structure
JP2595026B2 (ja) 鮮明性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法
JPS59137565A (ja) ドレ−プ性及び発色性に優れたポリエステル布帛
JP2726201B2 (ja) 強撚用鮮明性ポリエステル繊維の製造方法
JP2771248B2 (ja) 鮮明性を呈する超ソフト特殊混繊糸の製造方法
JPS641583B2 (ja)
JPH0222766B2 (ja)
JPS641584B2 (ja)
JPS6244064B2 (ja)
JPH073003B2 (ja) 鮮明性ポリエステル繊維の製造法
JPH05132855A (ja) 鮮明性ポリエステル繊維
JP3069426B2 (ja) カチオン染料可染性ポリエステル仮撚加工糸の製造方法
JPS6347805B2 (ja)
JPS59130362A (ja) ノングリツタ−織編物の製造方法
JPS6132434B2 (ja)
KR0141853B1 (ko) 심색성 폴리에스터사의 제조방법
JPS58132114A (ja) 合成繊維の製造法
JPS59130363A (ja) ノングリツタ−織編物の製造法
JPS5813719A (ja) 合成繊維の製造法
JPS61275434A (ja) ポリエステル複合糸
JP2001164461A (ja) ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル繊維の製造方法
JP2001316941A (ja) ポリエステルマルチフィラメント糸及びその製造方法並びにその織編物
JPS59216976A (ja) ポリエステル混繊織編物の製造方法
JPS61245386A (ja) ポリエステル染色布帛

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees