JP2587154B2 - 感熱あるいは感圧記録システム - Google Patents

感熱あるいは感圧記録システム

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JP2587154B2
JP2587154B2 JP3201773A JP20177391A JP2587154B2 JP 2587154 B2 JP2587154 B2 JP 2587154B2 JP 3201773 A JP3201773 A JP 3201773A JP 20177391 A JP20177391 A JP 20177391A JP 2587154 B2 JP2587154 B2 JP 2587154B2
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浩彬 梅田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱あるいは感圧記録
システムに関するものである。さらに詳しくは、感圧記
録・感熱記録など複写材料として有用な電子供与性化
合物となる発色性化合物を用いた感熱あるいは感圧記録
システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無色ないし淡色の電子供与性化合
物(ロイコ染料)を用いる記録材料は古くから知られて
おり、近年感熱記録紙、感圧記録紙、通電記録紙などの
材料として広く使用されている。一般に実用化されてい
るロイコ染料としては例えば、トリフェニルメタン・フ
タリド系、フルオラン系、フェノチアジン系、スピロピ
ラン系などを挙げることができる。これらのロイコ染料
は、置換基の種類や位置を変えることにより容易にさま
ざまな色調をつくり出すことができることから幅広い分
野で広がりを見せるようになってきた。
【0003】近年、半導体レーザーが普及するにつれ、
OCR,バーコードなどの記録画像を半導体レーザーで
読み取ろうとすることが盛んになり、感熱記録紙、感圧
記録紙などでも近赤外領域に吸収をもつロイコ染料が要
求されるようになってきた。上記ロイコ染料は可視領域
に強い吸収は有するが、近赤外領域、即ち700nm〜1
500nmの範囲に吸収をもつ染料はほとんど見当たら
ず、また画像保存性が不十分なものであった。
【0004】ところが最近、近赤外領域に吸収を持つロ
イコ染料がいくつか提案されてきた。例えば、特開昭5
9−199757号及び特開昭60−226871号公
報記載のフルオレン系染料、特開昭62−196177
号公報記載のフルオラン系染料、特開昭58−1577
79号及び特開平1−1579745号公報記載のジビ
ニルフタリド系染料等である。これらの化合物は近赤外
領域に吸収は持つものの発色スピードが遅かったり、画
像保存性が不充分であり、コストが高く、吸収スペクト
ル特性に難があるなどの欠点を有している。
【0005】一方、上記とは異なる材料として、特開平
1−236279号公報、特開平1−237192号公
報、特開昭63−272581号公報、特開昭63−2
80682号公報、特開昭63−254165号公報、
特開平1−178555号公報に、いくつかのペンタジ
エン誘導体が提案されてきた。これらペンタジエン誘導
体は、コストが安く、近赤吸収能を有する利点はある
が、発色が悪かったり、画像保存性が低く、安定性が悪
いなどの欠点を有しているものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、発
色感度を大幅に向上せしめるとともに、画像安定性に優
れ、しかも発色画像が半導体レーザーの発光領域750
〜850nmに強い吸収を持つ感熱あるいは感圧記録シス
テムを提供することを課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、下記一
般式(1)で表されるペンタジエン誘導体を用いること
により、本発明を完成した。
【0008】本発明者らは、以上のような課題を解決す
べく、鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表さ
れるペンタジエン誘導体を用いることにより、本発明を
完成した。
【0009】本発明で用いたペンタジエン誘導体は、通
常白色またはわずかな薄緑色を呈した白色の安定な微粉
末であるが、活性白土や酸性白土などの無機酸や有機
酸、フェノール性化合物、フェノール樹脂などの電子受
容性化合物、即ち顕色剤と分子レベルで接触すると、−
OR5 基が素速く脱離し瞬時に深青色の染料を形成す
る。この発色した染料はいずれも紫外線、溶剤に対し秀
れた堅牢性を有しており、また、750〜850nmの近
赤外領域に強い吸収を有するものである。
【0010】[式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 は炭素数1
〜6の直鎖あるいは分岐アルキル基を表し、R5 は直鎖
あるいは分岐低級アルキル基、低級アルキル基あるいは
ハロゲン置換又は未置換のフェニル基、アラルキル基、
フェノキシアルキル基を表す。]
【0011】即ち、本発明で用いられる一般式(1)で
表されるペンタジエン誘導体は、通常白色またはわずか
な薄緑色を呈した白色の安定な微粉末であるが、活性白
土や酸性白土などの無機酸や有機酸、フェノール性化合
物、フェノール樹脂などの電子受容性化合物、即ち顕色
剤と分子レベルで接触すると、「−OR5 」基が素速く
脱離し瞬時に深青色の染料を形成する。この発色した染
料はいずれも紫外線、溶剤に対し秀れた堅牢性を有して
おり、又、800〜850nmの近赤外領域に強い吸収を
有するものである。
【0012】前記一般式(1)の具体的な化合物を例示
すると、以下のようなものが挙げられる。 1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−メトキシ−1,4ペンタジエン、1,
1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−エトキシ−1,4ペンタジエン、1,1,
5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−プロポキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,
5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−フェノキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,5−
テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−ブ
トキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,5−テトラ
キス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−iso−
プロポキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,5−テ
トラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−is
o−プロポキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,5
−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
sec−ブトキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,
5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−tert−ブトキシ−1,4ペンタジエン、1,1,
5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−フェノキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,
5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−p−メチルフェノキシ−1,4ペンタジエン、1,
1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−o−メチルフェノキシ−1,4ペンタジエ
ン、1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−p−クロロフェノキシ−1,4ペン
タジエン、1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−3−o−クロロフェノキシ−1,
4ペンタジエン、1,1,5,5−テトラキス−(p−
ジメチルアミノフェニル)−3−フェニルメトキシ−
1,4ペンタジエン、1,1,5,5−テトラキス−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル
エトキシ)−1,4ペンタジエン、1,1,5,5−テ
トラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2
−フェノキシエトキシ)−1,4ペンタジエン。
【0013】上記ペンタジエン誘導体を用いて記録材料
を得るには、瞬時に発色させる種々の電子受容性化合
物、いわゆる顕色剤または酸化剤等が適用される。この
種の材料は従来公知であり、その具体例として以下に示
すものが挙げられる。
【0014】活性白土、酸性白土、アタパルジャイト、
ベントナイト、ゼオライト、モンモリロナイト、ハロイ
サイト、カオリナイト、無水珪酸、無水珪酸マグネシウ
ム、無水珪酸アルミニウムなどの無機酸、安息香酸、p
−ヒドロキシ安息香酸、クロル安息香酸、ブロム安息香
酸、ニトロ安息香酸、メトキシ安息香酸、エトキシ安息
香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、p−n−プロピル
安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、3−メチル−4
−ヒドロキシ安息香酸、3−エチル−4−ヒドロキシ安
息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、p−
tert−ブチル安息香酸、o−ベンゾイル安息香酸、
p−シクロヘキシル安息香酸、サリチル酸、3−メチル
−5−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−te
rt−ブチルサリチル酸、5−ノニルサリチル酸、5−
シクロヘキシルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチ
ル酸、クレソチン酸、3−クミルサリチル酸、3−フェ
ニルサリチル酸、3,5−ジ−sec−ブチルサリチル
酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロ
キシ安息香酸、没食子酸、ナフトエ酸、フタール酸モノ
ベンジル、フタール酸モノシクロヘキシル、サリチロサ
リチル酸、3−tert−ブチル−5−α−メチルベン
ジルサリチル酸3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリ
チル酸、フタール酸、テレフタール酸、イソフタール
酸、ジフェン酸、ナフタリンジカルボン酸、ナフタル酸
などの、芳香族カルボン酸及びその亜鉛、ニッケル、、
アルミニュウム、マグネシュウムなどの多価金属塩、
4,4´−イソプロピリデンジフェノール、1,7−ジ
(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘ
プタン、4,4´−シクロヘキシリデンジフェノール、
4,4´−(1−メチル−ノルマルヘキシリデン)ジフ
ェノール、)4,4´−イソプロピリデンビス(2−t
ert−ブチルフェノール)、4,4´−sec−ブチ
リデンジフェノール、2,2´−メチレンビス(4−ク
ロルフェノール)、4,4´−イソプロピリデンビス
(2−クロルフェノール)などのビスフェノール類、4
−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシフタル
酸ジメチル、フタル酸モノベンジルエステル、ビス−
(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−メチル
フェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ−2,
5−ジメチルフェニル)スルフィド、4−ヒドロキシ−
4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−4´−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シフェニルベンゼンスルホナート、4,4´−スルホニ
ルジフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p
−フェニルフェノールなどのフェノール類、p−フェニ
ルフェノール−ホルムアルデヒド重合体、p−オクチル
フェノール−ホルムアルデヒド重合体、p−クミルフェ
ノール−ホルムアルデヒド重合体、p−tert−ブチ
ルフェノール−ホルムアルデヒド重合体、p−ノニルフ
ェノール−ホルムアルデヒド重合体、p−シクロヘキシ
ルフェノール−ホルムアルデヒド重合体、p−エチルフ
ェノール−ホルムアルデヒド重合体、p−プロピルフェ
ノール−ホルムアルデヒド重合体、p−アミルフェノー
ル−ホルムアルデヒド重合体、p−ヘキシルフェノール
−ホルムアルデヒド重合体、p−ヘプチルフェノール−
ホルムアルデヒド重合体、p−デシルフェノール−ホル
ムアルデヒド重合体、p−ドデシルフェノール−ホルム
アルデヒド重合体、p−オクチルフェノール−アセトア
ルデヒド重合体、p−フェニルフェノール−アセトアル
デヒド重合体、p−tert−ブチルフェノール−アセ
トアルデヒド重合体などのフェノール−ホルマリンノボ
ラック樹脂及びそれらの亜鉛、ニッケル、アルミニュウ
ム、マグネシュウムなどの多価金属塩、カルボキシル化
テルペンフェノール樹脂の亜鉛、アルミニュム、マグネ
シウムなどの多価金属塩、シュウ酸、マレイン酸、コハ
ク酸、ステアリン酸、ナフトキノン、ベンゾキノン等。
これらを併用して使用することも可能である。
【0015】前記一般式(1)の具体的な化合物を例示
すると、以下のようなものが挙げられる。 1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−メトキシ−1,4ペンタジエン、1,
1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−エトキシ−1,4ペンタジエン、1,1,
5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−プロポキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,
5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−フェノキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,5−
テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−ブ
トキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,5−テトラ
キス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−iso−
プロポキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,5−テ
トラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−se
c−ブトキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,5−
テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−t
ert−ブトキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,
5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−p−トルオキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,
5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−o−トルオキシ−1,4ペンタジエン、1,1,5,
5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−p−クロロフェノキシ−1,4ペンタジエン、1,
1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−o−クロロフェノキシ−1,4ペンタジエ
ン、1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−ベンジルオキシ−1,4ペンタジエ
ン、1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2−フェニルエトキシ)−1,4
ペンタジエン、1,1,5,5−テトラキス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−フェノキシエトキ
シ)−1,4ペンタジエン。
【0016】本発明のペンタジエン誘導体を感熱あるい
は感圧記録材料として用いる場合、例えば有機合成化学
協会編のカラーケミカル事典(1988年 シーエムシ
ー社発行)や、特開平2−266981号公報等で容易
に参照できる一般的なロイコ染料、即ちフタリド系ロイ
コ染料、フルオラン系ロイコ染料、スピロジピラン系ロ
イコ染料、ピリジン系ロイコ染料と併用することも可能
である。以下にこれらのロイコ染料の具体例を示す。
【0017】3、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチ
ルアミノ−2−メチル)−3−(1−メチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチ
ルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ
−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−
メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3
−(4−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−2−
メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシ
ル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオ
ロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N
−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル
−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−
(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7
−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−クロルフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−シクロヘ
キシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−ベンゾ[a]−フルオラン、3−ジ−n−ブチル
アミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3
−ピペリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−
ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルア
ミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−
(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオランなど。
【0018】このほか必要に応じて慣用される補助添加
成分、例えば填料、固着剤、界面活性剤、熱可融性物
質、滑剤、圧力発色防止剤等を勿論併用することができ
る。
【0019】
【作用】本発明で使用したペンタジエン誘導体は、感
熱、感圧、熱転写などの各種記録材料の発色剤として有
用である。その理由は、先ず第一に、上記ペンタジエン
誘導体は3位に−OR5 基を有し、さらにR5 としてア
ルキル基、アリール基、アラルキル基を有することで油
溶性が向上する。そのため、例えば感圧記録紙用の発色
剤として用いた場合、マイクロカプセル製造時、あまり
温度を上げずに溶剤に安全に溶解でき、工程が容易にな
るとともに、染料の分解を防ぐことができる。さらに、
水に対する溶解度がきわめて小さいため、安定で精度の
良い粒度コントロールができる。また、上記顕色剤や酸
化剤との親和性がよいことから、感熱などの熱エネルギ
ーで双方が分子レベルですばやく反応し、発色感度も極
めて良くなる。
【0020】第二に、アルコキシ基、フェノキシ基は優
れた脱離基であことから、上述の顕色剤や酸化剤で瞬時
に発色体を形成し、記録材料に求められている発色スピ
ードを充分満足するとともに、一端離れた−OR5 基は
再び元に戻ることが無いため、従来のロイコ染料、例え
ばフタリド系、フルオラン系染料を用いた感熱記録紙や
感圧記録紙における耐光性や可塑剤性などの欠点を解決
することができると考えられる。さらに、これらのペン
タジエン誘導体と上記顕色剤や酸化剤との反応で得られ
た発色体は、ペンタジエンの共役結合と4個の芳香環に
より深色効果が向上し、750〜850nmの近赤外吸収
領域に強い吸収を持ち、さらに極大吸収が800nm付近
にあるので、最近特にコスト、ハンドリングに有利な有
機半導体レーザー装置によりその発色画像を感度よく読
み取ることができる。
【0021】
【実施例】下記の実施例は、上記ペンタジエン誘導体の
製造ならびにこの製造に適した出発物質の合成の例示で
ある。反応物質およびその他の使用成分は代表例として
呈示したのであり、本発明の範囲内で以上に説明したよ
うに各種の変更が可能である。
【0022】<出発物質の合成> [出発物質の合成例1] 1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−1,4−ペンタジエン−3−イリウムパーク
ロレートの合成 トリス−{1,1 −ビス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)エテニル}メタン58gの酢酸120ml溶液に、6
0%過塩素酸水溶液29gの酢酸350ml溶液を加え
た。50℃で2時間攪拌したのち、室温まで冷却し、析
出した結晶を濾別した。これを塩化メチレン溶液とし、
水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、析出した結晶を酢
酸エチル/塩化メチレンから再結晶して生成物43g
(収率85%)を得た。
【0023】[出発物質の合成例2] 1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−1,4−ペンタジエン−3−イリウムクロラ
イドの合成 トリス−{1,1 −ビス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)エテニル}メタン58gの酢酸120ml溶液に、濃
塩酸50gの酢酸350ml溶液を加えた。50℃で3時
間攪拌したのち合成例1と同様な処理を行い、生成物4
2g(収率83%)を得た。
【0024】[出発物質の合成例3] 1,1,5,5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−1,4−ペンタジエン−3−イリウムメタン
スルホナートの合成 トリス−{1,1 −ビス−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)エテニル}メタン58gの酢酸120ml溶液に、メ
タンスルホン酸40gの酢酸350ml溶液を加えた。5
0℃で5時間攪拌したのち合成例1と同様な処理を行
い、生成物41g(収率81%)を得た。
【0025】<ペンタジエン誘導体の合成>合成例1] 1,1,5,5−テトラキス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−メトキシ−1,4−ペン
タジエンの合成 塩化カルシウム管を取り付けたフラスコに無水メタノー
ル100mlを入れ、ナトリウム3.13gを加えた。1,
1,5,5 −テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)
−1,4 −ペンタジエン−3 −イリウムパークロレート4
1.2gの無水メタノール700ml溶液を加え、2時間
加熱還流した。析出した結晶を濾別し、アセトンでよく
洗浄して薄緑白色固体の生成物33.6g(収率91
%)を得た。融点は158〜161℃であった。 <IRスペクトル(KBr錠剤法)> 1607.2cm-1,1519.3cm-1,1352.8cm-1, 818.0cm-11 H−NMRスペクトル> (300MHz,δppm) 2.92(s,12H, N-Me2 ) 2.93(s,12H,N-Me2 ) 3.14(s,3H,oMe) 4.56(t,1H,C-H ) 5.87(d,2H,=C-H) 6.49(d,4H,Arom) 6.62(d,4H,Arom) 6.91(d,4H,Arom) 7.18(d,4H,Arom)
【0026】[合成例2] 1,1,5,5−テトラキ
ス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−エトキシ−
1,4−ペンタジエンの合成 塩化カルシウム管を取り付けたフラスコに無水エタノー
ル3mlを入れ、水酸化カリウム200mgを加えた。1,1,
5,5 −テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−
1,4 −ペンタジエン−3 −イリウムパークロレート1g
の無水テトラヒドロフラン10ml溶液を加え、3時間加
熱還流した。実施例1と同様な処理を行い、薄肌色固体
の生成物780mg(収率85%)を得た。融点は15
1.7〜152.4℃であった。 <IRスペクトル(KBr錠剤法)> 1608.1cm-1,1520.1cm-1,1353.1cm-1, 819.0cm-11 H−NMRスペクトル> (300MHz, δppm) 1.11(t,3H,-Me ) 2.92(s,12H,N-Me2 ) 2.93(s,12H,N-Me2 ) 3.31(q,2H,-OCH2 ) 4.68(t,1H,C-H ) 5.90(d,2H,=C-H) 6.49(d,4H,Arom) 6.62(d,4H,Arom) 6.92(d,4H,Arom) 7.18(d,4H,Arom)
【0027】[合成例3] 1,1,5,5−テトラキ
ス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−イソプロポ
キシ−1,4−ペンタジエンの合成 塩化カルシウム管を取り付けたフラスコに、イソプロパ
ノール30mlとジオキサン10mlを入れ、水酸化カリウ
ム200mgを加えた。1,1,5,5 −テトラキス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−1,4 −ペタジエン−3 −イリ
ウムクロライド1.8gのジオキサン50ml溶液を加え
て3時間加熱還流した。反応混合物を氷水に投入し、エ
ーテルで抽出したのち硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を留去し、析出した結晶をアセトンで洗浄して薄緑白
色固体467mg(収率50%)を得た。融点は127.
1〜152.4℃であった。 <IRスペクトル(KBr錠剤法)> 1607.2cm-1,1518.9cm-1,1351.6cm-1, 817.8cm-11 H−NMRスペクトル> (300MHz, δppm) 0.97(d,6H,-Me ) 2.92(s,12H,N-Me2 ) 2.93(s,12H,N-Me2 ) 3.62(h,1H,C-H) 4.81(t,1H,C-H ) 5.89(d,2H,=C-H) 6.49(d,4H,Arom) 6.62(d,4H,Arom) 6.92(d,4H,Arom) 7.28(d,4H,Arom)
【0028】[合成例4] 1,1,5,5−テトラキ
ス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−ベンジルオ
キシ−1,4−ペンタジエンの合成 塩化カルシウム管を取り付けたフラスコにベンジルアル
コール1.8mlと無水ジオキサン10mlを入れ、カリウ
ム80mgを加えた。1,1,5,5 −テトラキス−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−1,4 −ペンタジエン−3 −イリ
ウムクロライド900mgを加えて30分加熱還流し、室温
で2時間攪拌した。実施例3と同様な処理を行い、薄黄
色固体の生成物0.46g(収率45%)を得た。融点
は169.6〜170.6℃であった。 <IRスペクトル(KBr錠剤法)> 1606.1cm-1,1520.1cm-1,1355.1cm-1, 819.1cm-11 H−NMRスペクトル> (300MHz, δppm) 2.92(s,12H,N-Me 2 ) 2.93(s,12H,N-Me2 ) 4.30(s,2H,OCH2 ) 4.81(t,1H,C-H ) 5.92(d,2H,=C-H) 6.41(d,4H,Arom) 6.63(d,4H,Arom) 6.83(d,4H,Arom) 7.09〜7.22(m,9H,Arom,Ph)
【0029】[合成例5] 1,1,5,5−テトラキ
ス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−フェノキシ
エトキシ−1,4−ペンタジエンの合成 塩化カルシウム管を取り付けたフラスコにフェノキシエ
タノール1.94mlと無水ジオキサン10mlを入れ、カ
リウム54mgを加えた。1,1,5,5 −テトラキス−(p−
ジメチルアミノフェニル)−1,4 −ペンタジエン−3 −
イリウムメタンスルホナート993mgを加えて30分加熱
還流し、室温で2時間攪拌した。実施例3と同様な処理
を行い、薄緑色固体の生成物0.50g(収率47%)
を得た。融点は132.8〜133.4℃であった。 <IRスペクトル(KBr錠剤法)> 1605.6cm-1,1520.3cm-1,1355.9cm-1, 818.3cm-11 H−NMRスペクトル> (300MHz, δppm) 2.88(s,12H, N-Me2 ) 2.94(s,12H,N-Me2 ) 3.70(t,4H,OCH2 ) 4.84(t,1H,C-H ) 5.92(d,2H,=C-H) 6.37(d,4H,Arom) 6.63(d,4H,Arom) 6.79〜7.30(m,13H,Arom,OPh)
【0030】[合成例6] 1,1,5,5−テトラキ
ス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−フェノキシ
−1,4−ペンタジエンの合成 フラスコにフェノール13mlとジオキサン10mlを入
れ、カリウム80mgを加えた。1,1,5,5 −テトラキス−
(p−ジメチルアミノフェニル)−1,4 −ペンタジエン
−3 −イリウムメタンスルホナート1.98gを加えて
30分加熱還流し、室温で2時間攪拌した。実施例3と
同様な処理を行い、白色固体の生成物1.94g(収率
98%)を得た。融点は164.5〜165.0℃であ
った。 <IRスペクトル(KBr錠剤法)> 1608.1cm-1,1517.2cm-1,1356.1cm-1, 820.1cm-11 H−NMRスペクトル> (300MHz, δppm) 2.89(s,12H, N-Me2 ) 2.92(s,12H,N-Me2 ) 4.62(t,1H,C-H) 5.94(d,2H,=C-H) 6.46(d,4H,Arom) 6.64(d,4H,Arom) 6.89(d,4H,Arom) 6.70〜7.19(m,9H,Arom,Ph)
【0031】[合成例7] 1,1,5,5−テトラキ
ス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−p−トルオ
キシ−1,4−ペンタジエンの合成 フラスコにp−クレゾール15mlとジオキサン10mlを
入れ、カリウム80mgを加えた。1,1,5,5 −テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,4 −ペンタジエ
ン−3 −イリウムメタンスルホナート1.98gを加え
て30分加熱還流し、室温で2時間攪拌した。実施例3
と同様な処理を行い、白色固体の生成物1.21g(収
率60%)を得た。融点は143.9〜147.6℃で
あった。 <IRスペクトル(KBr錠剤法)> 1609.1cm-1,1517.1cm-1,1355.1cm-1, 820.1cm-11 H−NMRスペクトル> (300MHz,δppm) 2.35(s,3H,N-Me2 ) 2.89(s,12H, N-Me2 ) 2.93(s,12H,N-Me2 ) 4.62(t,1H,C-H ) 5.94(d,2H,=C-H) 6.46(d,4H,Arom) 6.64(d,4H,Arom) 6.89(d,4H,Arom) 6.70〜7.20(m,9H,Arom,Ph)
【0032】<感圧記録紙の製造> [実施例1] アクリル酸−スチレンスルホン酸−アクリル酸エチル共
重合体(モノマー比85:8:7分子量約24万)の5%水溶液
180部に、尿素10部、レゾルシン12部を溶解した
後、20%苛性ソーダでPH3.4とし、親水性液体と
した。ついで感圧染料として合成例1で得た1、1、
5、5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−メトキシ−1、4−ペンタジエン4部を117部
のハイゾールSAS−295(日本石油化学(株)製疎
水性液体)に溶解した疎水性液体125部を、先に調製
して得た親水性液体中に激しく攪拌しながら添加し、平
均粒径5.0μの乳化液を得た。次いで37%ホルマリ
ン液27部をこの乳化液に加え、攪拌を続けながら55
℃に昇温し、この温度で3時間カプセル化反応をさせた
後、系の温度を40℃に下げ、28%アンモニア水溶液
でPH7.5に調整し、カプセル化を完了した。このマ
イクロカプセル分散液150部に、澱粉粒子20部と1
0%ポリビニルアルコール水溶液25部を添加し、濃度
が12%になるように水を加えて染料とし、40g/m
2 の原紙に#14メイヤーバーにて固形分4.0g/m
2 塗布し、乾燥して感圧記録紙を作成した。
【0033】<感熱記録紙の製造> [実施例2] 下記組成物の各液を、それぞれサンドグラインダーで平
均粒子径1ミクロンまで磨砕した。 A液(顕色剤分散液) ビスフェノールA 6.0部 10%ポリビニールアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 B液(染料分散液) 1、1、5、5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−メト キシ−1、4−ペンタジエン 2.0部 10%ポリビニールアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 A液 36.0部 B液 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記塗液を50g/m2 の原紙の片面に塗布量6.0g
/m2 になるように塗布乾燥し、このシートをスーパー
カレンダーで平滑度が500〜600秒になるように処
理し、感熱記録紙を作成した。
【0034】[比較例1] 感圧染料としてクリスタルバイオレットラクトンを用い
た以外は実施例1と同様な方法で感圧記録紙を作成し
た。 [比較例2] 感熱染料としてクリスタルバイオレットラクトンを用い
た以外は実施例2と同様な方法で感熱記録紙を作成し
た。
【0035】上記の実施例1、2および比較例1、2で
製造した感圧記録紙および感熱記録紙について、表1、
2に示すような品質試験を行った。発色成分としてペン
タジエン誘導体を使用した場合には、比較例に提示した
クリスタルバイオレットラクトンを使用した場合と較べ
て記録画像の耐油性、耐光性、耐水性、耐溶剤性および
白色部の耐光性、耐溶剤性が格段に優れ、しかもその記
録画像をバーコードリーダー(波長820nm)で読み
取ることが可能であった。
【0036】
【表1】
【0037】[実施例6] 感熱染料としてクリスタルバイオレットラクトンのかわ
りに3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−アザフタリドを用いた以外は、実施例5と
同様な方法で感熱記録紙を作成した。
【0038】
【表2】
【0039】[実施例8] 感熱染料としてクリスタルバイオレットラクトンのかわ
りに3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオランを用いた以外は、実施例
5と同様な方法で感熱記録紙を作成した。
【0040】
【発明の効果】一般式(1)で表されるペンタジエン誘
導体を、電子受容性物質との接触により発色する記録材
料として使用したことにより、発色感度や画像保存性に
優れた高品質の感熱あるいは感圧記録システムを提供す
ることができた。更に、これらペンタジエン誘導体は
色時に近赤外領域に強い吸収をもつことから、有機半導
体レーザーを使用したPOSやOCR読取り用記録材料
などへの幅広い応用が期待される。
【0041】[実施例10] 感熱染料として3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキ
シフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)−4−アザフタリドのかわりに、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを
用いた以外は、実施例9と同様な方法で感熱記録紙を作
成した。
【0042】[実施例11] 感熱染料として3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキ
シフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)−4−アザフタリドのかわりに、3−N
−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオランを用いた以外は、実施例9と同様な
方法で感熱記録紙を作成した。
【0043】[比較例1] 感熱染料として1、1、5、5−テトラキス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−メトキシ−1、4−ペン
タジエンのかわりに、クリスタルバイオレットラクトン
を用い、実施例1と同様な方法で感熱記録紙を作成し
た。
【0044】[比較例2] 感熱染料として1、1、5、5−テトラキス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−メトキシ−1、4−ペン
タジエンのかわりに3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオランを用い、実施例1と同様な方法
で感熱記録紙を作成した。
【0045】<感圧記録紙の製造> [実施例12] アクリル酸−スチレンスルホン酸−アクリル酸エチル共
重合体(モノマー比85:8:7分子量約24万)の5%水溶液
180部に、尿素10部、レゾルシン12部を溶解した
後、20%苛性ソーダでPH3.4とし、親水性液体と
した。ついで感圧染料として実施例1で得た1、1、
5、5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−メトキシ−1、4−ペンタジエン4部を117部
のハイゾールSAS−295(日本石油化学(株)製疎
水性液体)に溶解した疎水性液体125部を、先に調製
して得た親水性液体中に激しく攪拌しながら添加し、平
均粒径5.0μの乳化液を得た。次いで37%ホルマリ
ン液27部をこの乳化液に加え、攪拌を続けながら55
℃に昇温し、この温度で3時間カプセル化反応をさせた
後、系の温度を40℃に下げ、28%アンモニア水溶液
でPH7.5に調整し、カプセル化を完了した。このマ
イクロカプセル分散液150部に、澱粉粒子20部と1
0%ポリビニルアルコール水溶液25部を添加し、濃度
が12%になるように水を加えて染料とし、40g/m
2 の原紙に#14メイヤーバーにて固形分4.0g/m
2 塗布し、乾燥して感圧記録紙を作成した。
【0046】[実施例13] 感圧染料として1、1、5、5−テトラキス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−メトキシ−1、4−ペン
タジエンのかわりに、合成例3で得た1、1、5、5−
テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−イ
ソプロポキシ−1、4−ペンタジエンを用い、実施例1
2と同様な方法で感圧記録紙を作成した。
【0047】[実施例14] 感圧染料として1、1、5、5−テトラキス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−メトキシ−1、4−ペン
タジエンのかわりに、合成例4で得た1、1、5、5−
テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−ベ
ンジルオキシ−1、4−ペンタジエンを用い、実施例1
2と同様な方法で感圧記録紙を作成した。
【0048】[実施例15] 感圧染料として1、1、5、5−テトラキス−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−メトキシ−1、4−ペン
タジエンのかわりに、合成例6で得た1、1、5、5−
テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−フ
ェノキシ−1、4−ペンタジエンを用い、実施例12と
同様な方法で感圧記録紙を作成した。
【0049】[実施例16] アクリル酸−スチレンスルホン酸−アクリル酸エチル共
重合体(モノマー比85:8:7分子量約24万)の5%水溶液
180部に、尿素10部、レゾルシン12部を溶解した
後、20%苛性ソーダでPH3.4とし、親水性液体と
した。ついで感圧染料として合成例1で得た1、1、
5、5−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−メトキシ−1、4−ペンタジエン1部と、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
−アザフタリド3部を117部のハイゾールSAS−2
95(日本石油化学(株)製疎水性液体)に溶解した疎
水性液体125部を、先に調製して得た親水性液体中に
激しく攪拌しながら添加し、平均粒径5.0μの乳化液
を得た。次いで37%ホルマリン液27部をこの乳化液
に加え、攪拌を続けながら55℃に昇温し、この温度で
3時間カプセル化反応をさせた後、系の温度を40℃に
下げ、28%アンモニア水溶液でPH7.5に調整し、
カプセル化を完了した。このマイクロカプセル分散液1
50部に、澱粉粒子20部と10%ポリビニルアルコー
ル水溶液25部を添加し、濃度が12%になるように水
を加えて染料とし、40g/m2 の原紙に#14メイヤ
ーバーにて固形分4.0g/m2 塗布し、乾燥して感圧
記録紙を作成した。
【0050】[実施例17] 感圧染料として合成例4で得た1、1、5、5−テトラ
キス−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−ベンジル
オキシ−1、4−ペンタジエン1部と、3−N−エチル
−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン3部を用いた以外は、実施例16と同様な方
法で感圧記録紙を作成した。
【0051】[比較例3] 感圧染料としてクリスタルバイオレットラクトンを用い
た以外は、実施例12と同様な方法で感圧記録紙を作成
した。
【0052】[比較例4] 感圧染料として3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオランを用いた以外は、実施例12と同様
な方法で感圧記録紙を作成した。
【0053】上記の実施例1〜17および比較例1〜4
で製造した感熱記録紙あるいは感圧記録紙について、表
1、2に示すような品質試験を行った。発色成分として
ペンタジエン誘導体を使用した場合には、比較例に提示
したクリスタルバイオレットラクトンやフルオランを単
独で使用した場合と較べて記録画像の耐油性、耐光性、
耐水性、耐溶剤性および白色部の耐光性、耐溶剤性が格
段に優れ、しかもその記録画像をバーコードリーダーで
読み取ることが可能であった。
【0054】
【表1】
【0055】 *発色部の評価(耐油性、耐光性、耐水性) ○ ほとんど消色しない △ 少し消色する × 消色する *バーコード読み取り性 ○ 読み取り可能 × 読み取り不可 *白色部の評価(耐溶剤性) ○ ほとんど発色しない × 発色する *感熱記録紙の試験方法 発色方法および色調:150℃のステップウェッジテス
ターで加熱発色させ、発色色調を肉眼で観察した。 耐油性:発色紙をサラダオイルに24時間浸し、色調の
変化を肉眼で観察した。 耐光性:発色紙をフェードメーターで6時間光照射し、
色調の変化を肉眼で観察した。 耐水性:発色紙を水道水に24時間浸し、色調の変化を
肉眼で観察した。 耐溶剤性:白紙を95%エタノールに30分間浸し、発
色の様子を肉眼で観察した。 バーコード読み取り性:試験紙をバーコードプリンター
で発色させ、バーコードリーダー(LED、830n
m)で読み取りを行った。
【0056】
【表2】
【0057】 *発色部の評価(耐油性、耐溶剤性、耐光性) ○ ほとんど消色しない △ 少し消色する × 消色する *バーコード読み取り性 ○ 読み取り可能 × 読み取り不可 *白色部の評価(黄変性) ○ ほとんど黄変しない × 黄変する *感圧記録紙の試験方法 発色方法および色調:試験紙のカプセル面と、顕色シー
ト(十條製紙(株)製NW40B)を重ね合わせ、筆圧
で加圧して発色色調を観察した。 耐油性:発色紙を可塑剤を含有する塩化ビニールにはさ
み、60℃、湿度90%で24時間処理し、色調の変化
を肉眼で観察した。 耐溶剤性:発色紙をエタノールに浸し、色調の変化を肉
眼で観察した。 耐光性:発色紙をフェードメーターで6時間光照射し、
色調の変化を肉眼で観察した。 黄変性:白紙を直射日光に8時間暴露し、黄変の度合を
肉眼で観察した。 バーコード読み取り性:試験紙を顕色剤シート(十条製
紙(株)製NW40B)と組み合わせてバーコードプリ
ンターで発色させ、バーコードリーダー(LED、83
0nm)で読み取りを行った。
【0058】
【発明の効果】ペンタジエン誘導体を電子受容性物質と
の接触により発色する記録材料として使用したことによ
り、発色感度や画像保存性に優れた高品質の感熱、感圧
記録材料を提供することができた。さらに、その発色画
像は近赤外領域に強い吸収をもつことから、発振主波長
が近赤外領域にある半導体レーザー等を使用したPOS
やOCR読み取り用記録材料などへの幅広い応用が期待
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1の化合物のIRスペクトル
【図2】 合成例1の化合物の 1H−NMRスペクトル
【図3】 合成例1および比較例1の化合物を酢酸で発
色させたときの吸収スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 23/00 (72)発明者 中野 朋之 東京都北区王子5丁目21番1号 十條製 紙株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−282283(JP,A) 特開 平4−282284(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無色あるいは淡色の電子供与性化合物を
    発色材料の一成分とする感熱記録システムにおいて、該
    電子供与性化合物として、下記一般式(1)で表される
    ペンタジエン誘導体を用いたことを特徴とする感熱記録
    システム。 【化1】 [式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 は炭素数1〜6の直鎖あ
    るいは分岐アルキル基を表し、R5 は直鎖あるいは分岐
    低級アルキル基、低級アルキル基あるいはハロゲン置換
    又は未置換のフェニル基、アラルキル基、フェノキシア
    ルキル基を表す。]
  2. 【請求項2】 無色あるいは淡色の電子供与性化合物を
    発色材料の一成分とする感熱記録システムにおいて、該
    電子供与性化合物として、請求項1記載の一般式(1)
    で表されるペンタジエン誘導体を用いた波長領域750
    〜850nmの近赤外光による画像読み取り用感熱記録シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 無色あるいは淡色の電子供与性化合物を
    発色材料の一成分とする感圧記録システムにおいて、該
    電子供与性化合物として、請求項1記載の一般式(1)
    で表されるペンタジエン誘導体を用いた波長領域750
    〜850nmの近赤外光による画像読み取り用感圧記録シ
    ステム。
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JPH04282283A (ja) * 1991-03-08 1992-10-07 Fuji Photo Film Co Ltd 感圧記録シート
JPH04282284A (ja) * 1991-03-08 1992-10-07 Fuji Photo Film Co Ltd 感圧記録シート

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JPH0543523A (ja) 1993-02-23

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