JP2582883B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感光性樹脂組成物に関し、更に詳しくは樹脂
皮膜形成後、紫外線露光および希アルカリ水溶液による
現像で画像形成可能な紫外線硬化性、はんだ耐熱性にす
ぐれた液状フォトソルダーレジストとして有用な感光性
樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
電子部品をコンパクトに組み込むためにプリント配線
板を使用することが一般的によく行なわれている。この
プリント配線板は、積層板に張り合わせた銅箔を回路配
線に従ってエッチングしたもので、電子部品が所定の場
所に配置されてはんだ付けが行なわれる。
ソルダーレジストは、このようなプリント配線板に電
子部品をはんだ付けする前工程で使用されるもので、回
路導体のはんだ付けする部分を除いた全面に皮膜形成さ
れるものである。このような皮膜は、はんだ付けの際に
はんだが不必要な部分に付着するのを防止する絶縁膜と
して機能するとともに、回路導体が空気に直接曝されて
酸化や湿分により腐食されるのを防止する保護膜として
も機能するもので、なくてはならないものである。
従来、このようなソルダーレジストは基板上にスクリ
ーン印刷し、紫外線または熱により硬化させることで形
成されてきた。しかし、プリント基板は高密度化実現の
ため微細化(ファイン化)、多量化及びワンボード化の
一途をたどっており、目ざましいテンポで高度化される
と共に実装方式も表面実装技術(SMT)へと一段と推移
してきた。ソルダーレジストもファイン化SMTに伴い高
解像性、高精度、高信頼性の要求が高まり、民生用基
板、産業用基板を問わずスクリーン印刷法から位置精
度、導体エッジ部の被覆性に優れる液状フォトレジスト
法が提案されている。例えば特開昭50−144431号、特公
昭51−40451号にはビスフェノール型エポキシアクリレ
ート、増感剤、エポキシ化合物、エポキシ硬化剤などか
らなるソルダーレジスト組成物が示されている。しかし
ながらこれらのソルダーレジストは未露光部分を有機溶
剤を用いて除去し現像していた。しかしこの有機溶剤に
よる未露光部分の除去(現像)は、有機溶剤を多量に使
用するため環境汚染や火災等の危険性もあり問題があ
る。特に環境汚染の問題は人体に与える影響が最近大き
くクローズアップされその対策に苦慮しているのが現実
である。
この問題を解決するため希アルカリ水溶液で現像可能
なアルカリ現像型フォトソルダーレジストが提案されて
いる。
アルカリ現像可能な紫外線硬化材料として特公昭56−
40329号、特公昭57−45785号にエポキシ樹脂に不飽和モ
ノカルボン酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を付加
させた反応生成物をベースポリマーとする材料が示され
ている。また特開昭61−243869号にはノボラック型エポ
キシ樹脂を使用した耐熱性、耐薬品性が良好な希アルカ
リ水溶液で現像可能な液状ソルダーレジスト組成物が示
されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、以上のようなビスフェノール型やノ
ボラック型のエポキシ樹脂ではない新しい多官能エポキ
シ樹脂を使用して、光硬化性、耐熱性、耐薬品性、可と
う性、電気特性に優れた希アルカリ水溶液で現像可能な
液状フォトレジストとして有用な感光性樹脂組成物を提
供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は下記の式〔I〕で示されるエポキシ樹脂と、
下記の式〔II〕で示されるエポキシ樹脂との混合物に該
混合物の1エポキシ当量当り0.8〜1.2モルの重合性不飽
和カルボン酸を反応させた後、更に1エポキシ当量当り
0.2〜1.0モルの多塩基酸無水物とを反応させて得られる
反応生成物、(b)希釈剤、(c)増感剤、(d)エポ
キシ樹脂、(e)エポキシ樹脂硬化剤を含むことを特徴
とする希アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物
であり、 前記式〔I〕のエポキシ樹脂と、前記式〔II〕のエポ
キシ樹脂の混合割合は重量比で80:20〜60:40であること
および、前記組成物の配合割合は、前記(a)40〜60重
量部、(b)5〜50重量部、(c)3〜10重量部、
(d)10〜20重量部、(e)0.5〜3重量部であること
が好ましい。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する重合性不飽和カルボン酸と反応させ
るためのエポキシ樹脂は式〔I〕 で表わされるエポキシ樹脂の混合物で、〔I〕のエポキ
シ樹脂と〔II〕のエポキシ樹脂の割合が重量比で80:20
〜60:40であるのが好ましい。
〔I〕のエポキシ樹脂が多くなりすぎると希アルカリ
水溶液による除去性が若干悪く現像不良となりやすい。
また〔II〕のエポキシ樹脂が多くなりすぎると組成物を
塗布し乾燥した後にタックがあるため露光の際ネガフィ
ルムに組成物が付着したり、硬化した組成物表面に光沢
ムラが生じてしまうほか耐熱性も少し劣ってくる。
重合性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ
るが、とくにアクリル酸が好ましい。
エポキシ基と重合性不飽和カルボン酸との反応は、お
そらく、下記の反応によりエステル化がおこるものと推
定される。したがって、エポキシ基の数と重合性不飽和
基の数はほぼ対応したものとすることになる。
本発明で使用する多塩基酸無水物は、現像性、熱硬化
成分であるエポキシ樹脂との反応性からヘキサヒドロフ
タル酸無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水
物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、3−エチ
ルテトラヒドロフタル酸無水物、4−エチルヘキサヒド
ロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、3−
メチルテトラヒドロフタル酸無水物、4−メチルテトラ
ヒドロフタル酸無水物、3−エチルテトラヒドロフタル
酸無水物、4−エチルテトラヒドロフタル酸無水物など
が好ましい。
希釈剤(b)としては、エチレン結合を少なくとも2
個有する不飽和化合物と有機溶剤などを挙げることがで
きるが、とくにこの両者を組み合わせて用いるのが好ま
しい。前記不飽和化合物としては、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
ト、1,3−プロピレンジ(メタ)アクリレート、1,2,4−
ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−ベ
ンゼンオールジ(メタ)アクリレート、分子量200〜500
を有するポリエチレングリコールのビス(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
トなどや、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエ
チレントリアミントリ(メタ)アクリルアミドビス(メ
タクリルアミドプロポキシ)エタン、ビスメタクリルア
ミドエチルメタクリラートN−〔(β−ヒドロキシエチ
ルオキシ)エチル〕アクリルアミド、ジビニルフタレー
ト、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3
−ジスルホナート、ジビニルブタン−1,4−ジスルホナ
ート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メタ)アク
リルイソシアヌレート、キシリレンビス(ジアリルイソ
シアヌレート)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イ
ソシアヌレート、トリス(3−メルカプトプロピル)イ
ソシアヌレートなどがあり、有機溶剤としては、エチレ
ングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリ
コールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジ
アルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキル
エーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル
アセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエー
テルアセテート類、その他シクロヘキサノン、テトラヒ
ドロナフタリン、石油ナフサなどが用いられ、塗布しや
すい状態に希釈する目的で使用される。
本発明で使用する増感剤にとくに制限はないが、なか
でも2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2
−モルフォリノ−1−プロパノンを主成分とし、その他
の増感剤の1種類あるいは2種類を組み合わせて使用す
ることでとくに優れた紫外線硬化性が得られる。前記組
み合わせに用いる増感剤としては、p−フェニルベンゾ
フェノン、ベンジルジメチルケタール、2,4−ジメチル
チオキサントン、2,4−ジエチルオキサントン、2−イ
ソプロピルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノ
ン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが
あげられる。
また、本発明で使用するエポキシ樹脂(d)にとくに
制限はないが、少なくとも2個のエポキシ基を有する化
合物、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスグリシジル
イソシアヌル酸などが好ましく、特にトリスグリシジル
イソシアヌル酸が好ましい。このトリスグリシジルイソ
シアヌル酸は他のエポキシ樹脂に比較し、有機溶剤にほ
とんど溶解しないため低温での安定性が良く、高温での
反応性は高い。さらにトリアジン骨格を有するため耐熱
性、電気特性に優れるという特徴をもっている。
本発明で使用するエポキシ樹脂硬化剤(e)について
も格別の制限はないが、とくにS−トリアジン化合物が
好ましい。例えばメラミン、グアナミン、アセトグアナ
ミン、ベンゾクアナミン、エチルジアミノ−S−トリア
ジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6−トリル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−
キシリル−S−トリアジンおよびそれらの類似品が好ま
しい。このS−トリアジン化合物はエポキシ樹脂の潜在
性硬化剤となるばかりでなく、レジストと基板の接着力
を向上させると共に電食や銅の変色を防止する効果もあ
る。
本発明の感光性樹脂組成物は(a)(b)(c)
(d)(e)成分からなり、その配合割合は(a)の反
応生成物40〜60重量部、(b)の希釈剤5〜50重量部、
(c)の増感剤3〜10重量部、(d)のエポキシ樹脂10
〜20重量部、(e)のエポキシ樹脂硬化剤0.5〜3重量
部となるようにするが好ましく、さらに必要に応じて種
々の添加剤、例えばシリカ、タルク、アルミナ、炭酸カ
ルシウム、クレー、アエロジルなどの体質顔料、クロム
フタロイエロー、シアニングリーンなどの着色顔料、シ
リコーンおよびフッ素系の消泡剤、レベリング剤、酸化
防止剤などを添加することができる。
以上述べた本発明の感光性樹脂組成物は基板に所望の
厚さで塗布した後、60〜80℃で15〜60分間加熱して有機
溶剤を揮散させた後、像部分が透明な所望のパターンを
コンタクト(接触)の状態にして基板の塗膜上に置き、
紫外線を照射して所望のパターンを選択的に露光する。
これにより塗膜の露光領域の組成物は交差結合を生じて
不溶性となる。次に非露光領域を希アルカリ水溶液で除
去することにより塗膜が現像される。ここで用いられる
希アルカリ水溶液としては0.5〜5重量%の炭酸ナトリ
ウム水溶液が一般的である、勿論他のアルカリも使用可
能である。このようにして得られたパターンは後に耐熱
性を向上させるために紫外線または100〜200℃の熱また
は遠赤外線を加えて反応(二次硬化)させることが望ま
しい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
<合成例1> 〔I〕のエポキシ樹脂の1エポキシ当量に対してアク
リル酸1モルをブチルセロソルブアセテート30重量%を
溶媒として反応させたエポキシアクリレートを得た。こ
のエポキシアクリレートの1水酸基当量にテトラヒドロ
フタル酸無水物0.5モルを酸価が理論値になるまで反応
させた。この反応生成物を〔a−1〕とする。
<合成例2> 合成例1における式〔I〕のエポキシ樹脂のかわりに
構造式〔II〕のエポキシ樹脂を用いる以外は合成例1と
同様にして反応生成物〔a−2〕を得た。
実施例1〜2、比較例1〜4 下記表−1に示す成分を配合しロールミルで混練して
感光性組成物とした。
実施例1〜2、比較例1〜4の感光性組成物を面処理
済のパターン形成してある銅張積層板全面にスクリーン
印刷により20〜30μmの厚さに塗布した。その後、80℃
の熱風循環式乾燥機で30分間乾燥させ所望のパターンの
ネガフィルムを密着させ波長365nmでの強度が25mW/cm2
の紫外線を20秒間照射露光し、1%の炭酸ナトリウム水
溶液で60秒間現像し、次いで150℃の熱風循環式乾燥機
で30分加熱硬化させた。得られたサンプルについて乾燥
後のタック、現像性、密着性、塗膜硬度、耐溶剤性、耐
酸性、耐熱性を評価した。その結果を表−2に示した。
上記特性評価は下記の条件にて行なった。
乾燥後のタック 乾燥終了後、指触による塗膜のタックを調べ次の基準
で評価した。
○:全くタックのないもの △:わずかにタックのあるもの ×:顕著にタックのあるもの 現像性 1%炭酸ナトリウム水溶液(液温30℃)を60秒間0.7k
g/cm2のスプレー圧で現像を行ない次の基準で評価し
た。
○:完全に現像されたもの △:わずかに残渣のあるもの ×:ほとんど現像されないもの 密着性 JIS D 0202に準じ1mmのごばん目100個(10×10)を作
り、セロテープによるピーリング試験を行ない、ごばん
目の剥離状態を次の基準で評価した。
○:100/100 △:50/100〜90/100 ×:0/100〜50/100 塗膜硬度 JIS D 0202に準じで評価を行なった。
耐溶剤性 塩化メチレンに室温で60分浸漬後セロテープによるピ
ーリング試験を行ない次の基準で評価した。
○:塗膜に異常のないもの ×:塗膜にフクレ、剥離のあるもの 耐酸性 10%塩酸に室温で30分浸漬後セロテープによるピーリ
ング試験を行ない次の基準で評価した。
○:塗膜に異常のないもの ×:塗膜にフクレ、剥離のあるもの 耐熱性 260℃のはんだ槽に30秒間浸漬後セロテープによるピ
ーリング試験を行なう。これを1サイクルとし1サイク
ル、3サイクルでの評価を次の基準で行なった。
○:塗膜に異常のないもの △:塗膜がわずかに剥離したもの ×:塗膜にフクレ、剥離のあるもの 〔効果〕 以上の結果より本発明の感光性樹脂組成物はソルダー
レジストの特性を十分満足することがわかった。また本
発明の感光性樹脂組成物は耐熱性、耐薬品性、密着性に
優れており、ソルダーレジストとして使用できるばかり
でなく、塗料、感光性接着剤、プラスチックレリーフ材
料、印刷板用材料等の幅広い用途に使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/06 H05K 3/06 H

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式〔I〕で示されるエポキシ樹脂
    と、下記の式〔II〕で示されるエポキシ樹脂との混合物
    に該混合物の1エポキシ当量当り0.8〜1.2モルの重合性
    不飽和カルボン酸を反応させた後、更に1エポキシ当量
    当り0.2〜1.0モルの多塩基酸無水物とを反応させて得ら
    れる反応生成物、(b)希釈剤、(c)増感剤、(d)
    エポキシ樹脂、(e)エポキシ樹脂硬化剤を含むことを
    特徴とする希アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】前記式〔I〕のエポキシ樹脂と、前記式
    〔II〕のエポキシ樹脂の混合割合が重量比で80:20〜60:
    40であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】前記(a)40〜60重量部、(b)5〜50重
    量部、(c)3〜10重量部、(d)10〜20重量部、
    (e)0.5〜3重量部を含むことを特徴とする請求項1
    または2記載の感光性樹脂組成物。
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