JP2577011B2 - N,N−二置換β−アミノプロピオン酸の製造方法と、その乳化剤、湿潤剤、洗剤中の界面活性剤としての使用及び革及び毛皮の疎水化のための使用 - Google Patents

N,N−二置換β−アミノプロピオン酸の製造方法と、その乳化剤、湿潤剤、洗剤中の界面活性剤としての使用及び革及び毛皮の疎水化のための使用

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はN,N−二置換β−アミノプロピオン酸の製造
方法と、その乳化剤、湿潤剤、洗剤中の界面活性剤とし
ての使用及び革及び毛皮の疎水化のための使用に関し、
特にN−アルキル−N(2−カルボキシエチル)アミド
の製造方法及び新規なN−アルキル−N(2−カルボキ
シエチル)スルホアミドとN−アルキル−N(2−カル
ボキシエチル)尿素及びその使用に関する。
アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミノジプロ
ピオン酸及びアクリル化アルキルアミノプロピオン酸は
それ自体公知である。米国特許第2,468,012号にはN−
アルキルアミノプロピオン酸の製造と、その洗剤、乳化
剤及び気泡安定剤としての使用が記載されている。第一
アミンをアクリル酸エステルに付加し、生じたN−アル
キルアミノプロピオン酸エステルをケン化して適当な酸
又は塩とすることによって製造が行われる。
西独特許出願公開第2,054,649号では、アミンとアク
リル酸誘導体例えばアクリル酸エステル、アクリルニト
リル又はアクリルアミドとを反応させ、続いて無水物と
反応させることによってN−アシル−N−アクリルアミ
ノプロピオン酸を製造することが記述される。最後の合
成段階でエステル、ニトリル又はアミド官能基をアルカ
リで加水分解して酸を作る。製品は水溶液又は水・アル
コール溶液として得られる。
公知の製造方法には一連の欠点がある。
即ちアルカリ加水分解の段階が必ず必要であるため、
生成物は専ら溶解した形で得られ、別の工程なしに100
%物質として得られない。ゲル構造を形成するので、水
中でペースト状で粘稠な20ないし30%溶液しか得られな
い。不都合なアルコールの併用によって初めて濃度が約
50%に引き上げられる。アルカリによる加水分解は強ア
ルカリ性領域で行われるから、多くの用途、例えば繊維
分野で必要な5ないし8のpH値に調整すると、製品は多
くの場合望ましくない高い含量の塩を含む。
固体アルキルアミンを使用するときは高い温度(アル
キルアミンの融点を超える)でアクリル酸誘導体に付加
しなければならないから、反応性アクリル誘導体の場合
は二付加物を生じる望ましくない副反応が促進される。
この副反応では第二のアクリル誘導体分子が既に形成さ
れたN−アルキルアミノプロピオン酸誘導体に付加さ
れ、その際第三アミンが生じ、その後の合成段階でこの
アミンをもはやアシル化することができない。
最後に、製品中のアクリルエステル又はアクリロニト
リルの残留含量の臭気も不利である。0.1%のアクリル
エステルの残留含量が明瞭に感知されるのである。
本発明の目的は、上述の欠点がなく、特に望ましくな
い高い、余計な塩含量と望ましくない副生物の発生が実
質的にない工程産物の製造を可能にする方法を提供する
ことである。
本発明に基づき、式R1−NH2(ここにR1は炭素原子1
ないし22個、好ましくは12ないし18個を有する飽和又は
不飽和アルキル基又はアルコキシアルキル基を表す)の
アルキルアミンをアクリル酸又はメタクリル酸に付加
し、生じたN−アルキルアミノプロピオン酸を無水カル
ボン酸、カルボン酸クロライド、スルホン酸クロライ
ド、イソシアネート、ハロゲノカルボン酸、アクリル酸
又はメタクリル酸と反応させ、場合によっては続いて少
くとも部分的に中和することによって上記の目的が達成
される。
意外なことにアルキルアミンは40ないし130℃、好ま
しくは70ないし100℃でアクリル酸又はメタクリル酸に
付加されることが判明した。反応成分は混合の後に有機
塩として存在するが、付加は1ないし4時間後に終了
し、完全な反応に到達している。この反応条件で二付加
物の形成は観察されない。また溶剤の使用は不要であ
る。沸点がいわゆる反応温度より低いアミンの場合は圧
力下で、例えばオートクレーブ内で反応を行うことが好
ましい。
アルキルアミンとアクリル酸又はメタクリル酸の反応
は等モル量で行うことが好ましい。
式R1−NH2のアルキルアミンとして例えば下記の第一
アミンが使用される。メチルアミン、プロピルアミン、
ブチルアミン、ヘキシルアミン、ノニルアミン、デシル
アミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、イソトリ
デシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミ
ン、プロポキシプロピルアミン、オクチルオキシプロピ
ルアミン、オレイルアミン、オレイルオキシプロピルア
ミン、ラウリルアミン、やし油アミン、ステアリルアミ
ン、獣脂アミン又は上記のアミンの混合物。ラウリルア
ミン、やし油アミン、獣脂アミン及びオレイルアミンが
好適なアミンである。
アシル化が問題であるならば、N−アルキル−N(2
−カルボキシエチル)−アミンのその後の反応は実質的
に無水物、イソシアネート、カルボン酸クロライド又は
スルホン酸クロライドで行われる。温度50ないし100℃
で等モル量ないし僅かな過量(約5%)のアシル化剤が
使用される。
酸無水物又はイソシアネートとの反応は1ないし2時
間で終了し、100%の形の所望のN−アルキル−N(2
−カルボキシエチル)アミドをもたらす。無水モノカル
ボン酸、例えば無水酢酸を使用するときは、当量で発生
するモノカルボン酸を蒸留又は水洗により分離する。
酸無水物として例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、
無水酪酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル
酸を挙げることができる。
イソシアンネートとしてイソシアン酸ブチル、イソシ
アン酸トルイル、イソシアン酸イソプロピルが考えられ
る。
第2段階即ちアシル化反応も等モル量の反応関与物質
で行うことが好ましい。
カルボン酸クロライド又はスルホン酸クロライドでア
シル化反応を行うときは、酸結合剤として粉末状ソーダ
又は第3アミンを使用する。反応中に発生した塩は濾別
し又は水で洗い流すことができる。
カルボン酸クロライドの一例として酢酸クロライド、
プロピオン酸クロライド、オレイン酸クロライド及び適
当なスルホン酸クロライド、例えばメタンスルホン酸ク
ロライド、エタンスルホン酸クロライド、p−トルエン
スルホン酸クロライドを挙げることができる。
生じたN−アルキルアミノプロピオン酸のその後の反
応をハロゲノカルボン酸、好ましくはクロロカルボン酸
(例えばクロロギ酸、クロロ酢酸、クロロプロピオン酸
及びクロロ酪酸)又はアクリル酸、メタクリル酸で行う
ことができる。
新規な方法によって本発明に基づくN,N−二基置換β
−アミノプロピオン酸誘導体をシングルポット法により
2つの合成段階で、副生物を作らずに製造することがで
きる。溶剤無しで100%の形で製造が得られる。
中和のためにN,N−二基置換β−アミノプロピオン酸
誘導体に水酸化アルカリ金属、水酸化アルカリ土類金属
又はアンモニアの水溶液を加える。濃度と中和剤に応じ
て強粘性ないしペースト状水溶液が得られる。
好適な実施態様においては、有機塩基で中和を行う。
有機塩基として特に第一、第二及び第三アミンが考えら
れる。その一例はアルキルアミンとアルカノールアミン
である。特に好適なのはエタノールアミンとイソプロパ
ノールアミンである。酸の量と同等及び過量の中和剤を
添加することができる。
N,N−二基置換β−アミノプロピオン酸誘導体及びそ
の塩は乳化剤及び湿潤剤として、又は洗剤中の肌をいた
わる界面活性剤として使用される。もう一つの使用分野
は革の疎水化のための配合物である。そこで本発明な本
発明に基づく化合物を単独で又は他の公知の疎水化剤と
混合して使用する、革又は毛皮の疎水化方法にも関す
る。
防水革の製造はおおむね次の2つの方法で行われる。
1.毛管状吸水性繊維間隙の水密物質による充填 その場合、水に不溶の物質例えば脂肪、パラフィン、
ろう又は特定のポリマーは、特に着心地にとって重要な
通気性及び水蒸気透過性に否定的に影響するような望ま
しくない付随現象を示す。吸水によって膨潤し、それに
よって革繊維の自己膨潤密封効果を助長する化合物の方
が有利である。この方法に従って使用される製品は油の
中に水が分散するW/O型乳化剤に属する。
2.疎水性物質による繊維束の包被 多価金属イオン(陽イオン)と共に錯体を形成する乳
化剤はしばしばクロム・コラーゲン錯体の中に入り込む
こともでき、そこに疎水性をもたらす。この種の乳化剤
はクロム又はアルミニウムなめし革繊維に化学的に結合
され、この疎水性包被によって湿潤性と吸水能を低下す
る。展延性の低下が球形の滴の形成となって現れる(揆
水効果)。
近時急激に高まった疎水化革の要求は、公知の疎水化
法ではほとんど達成されないか、又は他の同じ重要な性
質を阻害して達成するしかない。今日、実用滴な靴の上
皮は、数年前に公用革(軍用革)にしか課せられなかっ
た要求を満たさなければならず、しかも着心地、流行の
外観その他を放棄してはならない。
この理由から例えば2段階疎水化に切換えられた。
仕上乾燥又は仕上加工した革を、有機溶剤に溶解した
シリコーンで後処理するのである。この場合、架橋のた
めに必要な90℃ないし100℃の乾燥温度が大きな減寸を
もたらすことが欠点である。また高い割合の有機溶剤が
しばしば環境に放出されることが問題である。
後処理が望ましくない追加工程を伴なうことは、合理
的な製造のために特に望ましくない。
そこで本発明の目的は、一段式であって水性処理液及
び槽の中で実施することができ、同時に塗油と強力な疎
水化が得られる革及び毛皮の疎水化方法を提供すること
である。更に使用する助剤がなるべく簡単に製造でき、
安価であり、十分な塗油脂と疎水化が1回の処理段階で
得られるだけでなく、単一の製品によっても得られなけ
ればならない。
この目的は一般式Iの化合物を使用することによって
達成される。
本発明に基づく製品は少くとも部分的に中和した形で
あって若干の水を含み、たいていはペースト状の粘稠な
製品としてそのまま疎水化のために使用するか、又は中
和しない。たいていは粘稠なペースト状の製品を炭化水
素および/またはクロロ炭化水素、場合によっては溶剤
を用いて溶解し、続いて少くとも部分的に中和して使用
する。中和のために前述の塩基、特に有機第一、第二及
び第三アミンとアルカノールアミン及びアンモニアとア
ルカリ水酸化物の水溶液が適当である。中和した製品の
乳化作用は含水製品の製造も可能にする。
本発明に基づく製品は革の裏削り仕上重量又は毛皮の
湿潤重量基準で0.1ないし25重量%、好ましくは1ない
し15重量%の量で、pH値4ないし9で使用し、その上で
pH値を3.5ないし5.0に引下げ、場合によっては2価、3
価又は4価の金属塩で定着する。
本発明に基づき疎水化のために使用される製品は一般
式Iの本発明化合物5ないし80重量%、好ましくは10な
いし70重量%、炭化水素ないしはクロロ炭化水素と場合
によっては溶剤、例えばオキシ合成による高沸点製品20
ないし70重量%、好ましくは30ないし60重量%及び100
%に対する残量の水を含むことが好ましい。
本発明化合物だけで既に優れた塗油と疎水化が得られ
るが、本発明に基づく疎水化剤を公知の塗油剤および/
または疎水化剤、例えば中性燐酸エステル、シリコーン
油、オレイン酸ザルコシド及び/又はパラフィンないし
クロルパラフィンと共に使用することができる。
中性燐酸エステルを使用する場合は、連鎖の長さC4
いしC20、好ましくはC16ないしC18の、場合によっては
オキサルキル化したアルコールの中性エステルを0.5な
いし30重量%、好ましくは1ないし20重量%(疎水化剤
100gにつき)の量で使用することが好ましい。
本発明化合物と共に仕込み、希釈し、その上でこの化
合物と共に中和することによって、酸性燐酸エステルを
併用することもできる。既に中和した形の燐酸エステル
を使用することもできる。燐酸エステルの使用は例えば
抽出可能な脂肪含量を減少するのに有効である。このこ
とは特に衣服革の場合に耐薬品洗浄性が改善されるので
有利である。
本発明化合物に加えてシリコーン油を併用する場合
は、0.5ないし80重量%、好ましくは1ないし20重量%
(疎水化剤配合物100gにつき)の量のシリコーン油を使
用する。
シリコーン油として市販のポリシロキサン、例えばジ
メチル又はメチルフェニルポリシロキサンを使用するこ
とができる。100ないし500mPa・sの粘度範囲が好適で
ある。その場合シリコーン油と本発明化合物を場合によ
っては炭化水素ないしはクロロ炭化水素又は溶剤と共に
仕込む。シリコーンの使用は特定の望ましい、表面効
果、例えば傷あとのなめらかさを得るのに好適である。
柔軟性を一層改善し、ねっとりした手ざわりを得るた
めに、一般に中性燐酸エステル、シリコーン油、オレイ
ン酸ザルコシドと本発明化合物の任意の組合せを使用す
ることができる。
本発明化合物に加えて0.5ないし50重量%、好ましく
は2ないし20重量%(使用する配合物100gにつき)の量
のオレイン酸ザルコシドを使用することができる。
以下の実施例により本発明を説明する。
実施例1 ミキサー、温度計及び冷却器を備えたフラスコに534g
(2モル)のオレイルアミンを仕込み、60℃に熱する。
30分以内に144g(2モル)のアクリル酸を滴下する。そ
の際温度が約90℃に上昇する。続いて次の2時間半にわ
たって90℃で撹拌する。第一塩基を定量することによ
り、完全な反応が確認される。反応生成物を70℃に冷却
し、196g(2モル)の無水マレイン酸を少量ずつ混入す
る。反応を完成するために70ないし80℃で2時間引続き
撹拌する。淡褐色のペースト状のN−オレイル−N(2
−カルボキシエチル)マレイン酸モノアミドが得られ
る。
酸価 250 mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量 0.2mmol/g 中和のために80℃で撹拌しながら122g(2モル)のモ
ノエタノールアミンを滴下した。
実施例2 実施例1に従って269g(1モル)のステアリルアミン
を72g(1モル)のアクリル酸に付加し、反応生成物を9
8g(1モル)の無水マレイン酸と反応させる。N−ステ
アリル−N(2−カルボキシエチル)マレイン酸モノア
ミドは室温で凝固して淡褐色のペーストとなる。
酸価 251 mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量 0.32mmol/g 100℃で37.5g(0.5モル)のイソプロパノールアミン
で中和した。
実施例3 実施例1に従って486g(2.0モル)のラウリルオキシ
プロピルアミンを144g(2.0モル)のアクリル酸に付加
し、反応生成物を196g(2.0モル)の無水マレイン酸と
反応させる。N−ラウリルオキシプロピル−N(2−カ
ルボキシエチル)マレイン酸モノアミドは室温で凝固し
て暗褐色の僅かに混濁したペーストとなる。
酸価 265 mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量 0.3mmol/g 実施例4 実施例1に従って785g(3.72モル)のやし油アミン
(塩基性窒素含量:4.74mmol/g)を268g(3.72モル)の
アクリル酸に付加し、反応生成物を364.8g(3.72モル)
の無水マレイン酸と反応させる。赤褐色の強粘性油が得
られる。
酸価 290 mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量 0.25mmol/g 中和のために80℃で撹拌しながら554g(3.72モル)の
トリエタノールアミンを滴下した。
実施例5 実施例1に従って101g(1.0モル)のヘキシルアミン
を72g(1.0モル)のアクリル酸に付加して、反応生成物
を98g(1.0モル)の無水マレイン酸と反応させる。淡褐
色の油状のN−ヘキシル−N(2−カルボキシエチル)
マレイン酸モノアミドが得られる。
酸価 418 mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量 0.15mmol/g 実施例6 ミキサー、温度計及び冷却器を装備したフラスコの中
で534g(2モル)のオレイルアミンを60℃に熱する。30
分以内に172g(2モル)のメタクリル酸を滴下する。そ
の際温度が約85℃に上昇する。完全な反応のために混合
物を100℃で3時間撹拌する。第一塩基の定量により、
完全な反応が確認される。次に70℃に冷却し、70ないし
80℃で204g(2モル)の無水酢酸を滴下する。更に2時
間の後に、生じた酢酸を20mbarの真空下で留出する。褐
色の透明な油状のN−オレイル−N(2−カルボキシ−
2−メチルエチル)アセトアミドが得られる。
酸価 139 mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量 0.1mmol/g 2492gの水に溶解したKOH112.2g(2モル)により80℃
で中和した。固形物分25%の水溶液が得られる。
実施例7 実施例1と同様に267g(1.0モル)のオレイルアミン
を72g(1.0モル)のアクリル酸に付加する。次に90℃で
148g(1.0モル)の無水フタル酸を少量ずつ入れ、100℃
で3時間撹拌する。N−オレイル−N(2−カルボキシ
エチル)フタル酸モノアミドは黄褐色のペーストであ
る。
酸価 225 mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量 0.5mmol/g 実施例8 実施例1と同様に267gのオレイルアミンを72gのアク
リル酸に付加する。付加生成物に55gの無水炭酸ナトリ
ウムを混合し、100℃で301g(1.0モル)のオレイン酸ク
ロライドを約2時間で滴下する。更に2時間の後にアシ
ル化が終了している。生じた食塩は水で洗い流す。
酸価 94 mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量 0.1mmol/g 大施例9 実施例6と同様に267g(1.0モル)のオレイルアミン
を86g(1.0モル)のメタクリル酸に付加する。
付加の後に反応混合物に101g(1.0モル)のトリエチ
ルアミンを加え、70ないし90℃で190.5g(1.0モル)の
p−トルエンスルホン酸クロライドを少量ずつ加える。
発熱反応が消失した後、90℃で2時間撹拌し、続いて塩
を水で洗い流す。暗褐色の粘性油状のN−オレイル−N
(2−カルボキシ2−メチルエチル)p−トルオールス
ルホン酸アミドが得られる。
酸価: 99mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量: 0mmol/g IR:C= O 1720cm-1 C=O 1620cm-1(芳香族) SO2−N 1330cm-1及び 1170cm-1 H−NMR:δ.7−8ppm芳香族プロトン 中和のために90℃で撹拌しながら105g(1.0モル)の
ジエタノールアミンを加える。
実施例10 実施例1と同様に267g(1.0モル)のオレイルアミン
を72g(1.0モル)のアクリル酸に加える。
付加の後、53g(0.5モル)の粉末状炭酸ナトリウムを
加え、110℃で114.5g(1.0モル)のメタンスルホン酸ク
ロライドを滴下する。再反応のために110℃で更に2時
間撹拌する。生じた塩を水で洗い流す。暗褐色のペース
ト状のN−オレイル−N(2−カルボキシエチル)メタ
ンスルホン酸アミドが得られる。
酸価: 129mg KOH/g 塩基性窒素の残留含量: 0mmol/g IR :C=O 1730cm-1 SO2−N 1320cm-1及び 1160cm-1 実施例11 実施例1と同様に267g(1.0モル)のオレイルアミン
を72g(1.0モル)のアクリル酸に付加する。
付加の後、115g(1.0モル)のN−エチルモルホリン
を加え、40ないし50℃で133g(1.0モル)のイソシアン
酸トルイルを滴下する。1時間再反応させ、褐色の油状
のN−オレイル−N(2−カルボキシエチル)−N′−
トルイル尿素を得る。
酸価: 89mg KOH/g I R: C=O(酸) 1720cm-1 N−C=O 1660cm-1及び 1560cm-1 C=C(芳香族) 1590cm-1及び 1610cm-1 実施例12 実施例1と同様に267g(1.0モル)のオレイルアミン
を72g(1.0モル)のアクリル酸に付加する。
付加の後、115g(1.0モル)N−エチルモルホリンを
加え、40ないし50℃で99g(1.0モル)のイソシアン酸n
−ブチルを滴下する。1時間再反応させ、淡褐色の油状
のN−オレイル−N(2−カルボキシエチル)−N′−
ブチル尿素を得る。
酸価: 96.4mg KOH/g IR : C=O(酸) 1720 cm-1 N−C=O 1620 cm-1及び 1540 cm-1 実施例13 実施例1と同様に204g(0.6モル)のオレイルアミノ
プロピオン酸、70g(0.6モル)のクロロ酢酸(ナトリウ
ム塩)、54gの水及び108gのイソプロパノールを仕込
み、80℃に熱すると、透明な溶液が現れる。この溶液に
106.6g(1.2モル)の45%カ性ソーダ溶液を45分以内に
滴下する。その際反応混合物の粘度が上昇する。82℃で
4時間撹拌してから濃塩酸で中和し、過量の水に注ぐと
生成物が沈殿する。生成物(N−オレイル−N−カルボ
キシメチル−アミノプロピオン酸)を分離して乾燥す
る。
酸価:245mg KOH/g 出発生成物として使用した付加生成物は、実施例1と
同様に等モル量のオレイルアミンとアクリル酸を反応さ
せて得たものである。
実施例14 267.5g(1.0モル)のオレイルアミンと0.2gのHQME
(ヒドロキノンモノエチルエーテル)を仕込む。これに
144g(2.0モル)のアクリル酸を最高70℃の温度まで冷
却しながら滴下し、続いて140℃に熱する。80℃から反
応が発熱性となって進行し、粘度が急激に上昇する。12
0℃で約10分後に混合物はペースト状になる。次に140℃
で更に3時間撹拌する。生成物(N−オレイル−N(2
−カルボキシエチル)アミノスルホン酸)は253mg KOH/
gの酸価を有する。
実施例15 a) 撹拌槽に水13.6g及び45%カ性ソーダ溶液22.7gを
仕込み、約50℃に熱する。撹拌しながら次に実施例1の
N−オレイル−N(2−カルボキシエチル)マレイン酸
モノアミド63.7gを加えた後、均質に掻き混ぜる。
b) 防水革の製造のための下記の処方にa)の生成物
を使用し、防水効果を調べた。
牛革:種類 防水性 材料:牛革、ウェット・ブルー、裏削り仕上 厚さ2.0mm %表示は裏削り仕上重量を基準とする。
洗浄:300%水,35℃ + 0.5%酢酸,1:5*),15分 *) 濃酢酸1容積部と水5容積部 洗液を排出する。
洗浄:300%水,35℃,10分 洗液を排出する。
中和/着色/再なめし: 150%水,35℃ 2%ギ酸ナトリウム,不溶,90分 + 2% 着色料,不溶,15分 + 4% タニガン(Tanigan)QF**), 不溶,30分 + 12% カスタニー(Kastanie)N, 不溶,60分,8回転毎分で一晩中 + 250%水,60℃,10分 処理液を排出する。
洗浄:300%水,60℃,10分 洗液を排出する。
疎水化:100%水,60℃ + 0.5%アンモニア,1:5*),2分 *) 濃アンモニア1容積部と水5容積部 + 6.3% 実施例15aによる本発明疎水化剤, 1:5*),60分 *) 製品1容積部と水5容積部 + 0.5%ギ酸,1:5,15分 pH:3.6−4.0 処理液を排出する。
2×洗浄:300%水,40℃,各々10分 洗液を排出する。
定着:150%水 3%バイクロム(Baychrom)A**), 不溶,60分 pH:4.2−4.8 処理液を排出する。
3×洗浄:300%水,20℃,各々10分 洗液を排出する。
革を一晩中、台に掛けて水切りし、伸延、真空乾燥
(80℃/2分)、曝気、調湿、革もみ、アイロン掛け(80
℃/0.5分)する。
**)バイエル(BAYER)社(レファークーゼン)の製
品。
ベリー(Bolly)浸透計:(10%圧縮) 水透過時間:>7/>7時間 吸水率、%:7時間後,9.9/10.4 Maeser折り曲げ:21924/19207 吸水率、%:折り曲げ後 8.0/7.1 実施例16 実施例1により製造したアミドを使用した。撹拌層に
水30gとジイソプロパノールアミン7gを仕込んだ上で、
本発明アミド14g、燐酸エステルアミン塩(Alfol16−1
8、即ちツィーグラー合成による脂肪族アルコール混合
物とP2O5を反応させて製造、モル比3:1、中和のための
ジイソプロパノールアミン)3.5g、連鎖塩素40%のクロ
ルパラフィン45.5gを加え、均質に掻き混ぜた。
この配合物を軍用革の製造のための下記の処方に使用
した。
牛革:種類 軍用革 材料:牛皮、スェット・ブルー、裏削り仕上 厚さ2.0mm %表示は裏削り仕上重量を基準とする。
洗浄:300%水,35℃ 0.5%ギ酸,1:5*),15分 *) 濃ギ酸1容積部と水5容積部 洗液を排出する。
中和:100%水,35℃ 3%ギ酸ナトリウム,不溶,15分 pH:4.4 + 0.5%重炭酸ソーダ、1:10 90分,pH:4.8 処理液を排出する。
洗浄:300%水,30℃,10分 洗液を排出する。
再なめし:200%水,30℃ 1%着色料、1:20,20分 + 4% タニガンQF**),不溶,30分 + 12% ケブラチョ,不溶,60分 一晩中、自動装置、静止/回転 15分/1分 + 200%水,60℃,20分 処理液を排出する。
洗浄:300%水,60℃,10分 洗液を排出する。
疎水化:200%水,60℃ 10%実施例16による疎水化剤、1:5(Vol/Vol)の割合
の水で希釈、60分 + 1%ギ酸,1:5*),15分 *) 濃ギ酸1容積部と水5容積部 + 3%バイクロムF**),不溶,60分 pH:3.6−3.7 処理液を排出する。
3×洗浄:300%水,25℃,各々10分 洗液を排出する。
すすぎ洗い:水,20℃,10分 革を一晩中、台を掛けて水切りし、伸延、真空乾燥
(80℃/3分)、曝気、革もみ、アイロン掛け(80℃/0.5
分)する。
**)バイエル社(レファークーゼン)の製品。
ベリー浸透計:(10%圧縮) 水透過時間:>420/>420分 吸水率、%:7時間後,12/14 Maeser折り曲げ:29785/25971 吸水率、%:折り曲げの後 10/12 実施例17 a) 水30.5gと45%カ性ソーダ溶液5.5gを撹拌槽に約5
0℃で仕込む。実施例1のアミド18g、高沸点鉱油40g、
粘度350mPa・sのジメチルポリシロキサン6gから成る有
機相を撹拌しつつ徐々に入れ、次に掻き混ぜて均質にす
る。
b) 実施例16の処方にa)の配合物を使用し、次の結
果を得た。
Bally浸透計:(10%圧縮) 水透過時間:>420/>420分 吸水率、%:7時間後 7/8 Maeser折り曲げ:48123/48316 吸水率、%:折り曲げの後 9/8 実施例18 実施例1の本発明に基づくアミドを使用した。
撹拌槽に水39gと45%カ性ソーダ溶液3gを約50℃で仕
込む。次に実施例のアミド6g、オレイン酸ザルコシド6
g、高沸点鉱油40g、粘度350mPa・sのジメチルポリシロ
キサン5gから成る有機層を撹拌しながら徐々に加え、均
質化する。
こうして得た生成物を実施例16b)による防水用処方
に使用して、次の結果を得た。
Bally浸透計:(10%圧縮) 水透過時間:>420/>420分 吸水率、%:7時間後 9/10 Maeser折り曲げ:29885/30147 吸水率、%:折り曲げの後 14/11.6 実施例19 a) 撹拌槽に水39gと45%カ性ソーダ溶液4gを約50℃
で仕込む。実施例4によるアミド12g、高沸点炭化水素3
5g、粘度100mPa・sのジメチルポリシロキサン5g、中性
燐酸エステル(Alfol12−18とP2O5を反応、モル比3:1)
5gから成る有機相を、撹拌しながら加え、均質な掻き混
ぜる。
b) 実施例16による処方に使用したころ、次の値を得
た。
Bally浸透計:(10%圧縮) 水透過時間:>7/>7時間 吸水率、%:7時間後 13.3/12.0 Maeser折り曲げ:15849/16717 吸水率、%:折り曲げの後 12/8 実施例20 実施例13で述べた生成物を使用した。このためにこの
物質20gを連鎖塩素40%のクロルパラフィン68.4gと共に
撹拌槽に仕込み、100ないし105℃で均質に掻き混ぜた。
約70℃に冷却した後、中和のためにジイソプロパノール
アミン11.6gを混合物に加えた。
この混合物を防水革の製造のための下記の処方に使用
し、その結果を調べた。
材料:牛革、ウェット・ブルー、裏削り仕上 厚さ約2.0mm %表示は裏削り仕上重量を基準とする。
洗浄:300%水,35℃ 0.5%酢酸,1:5,15分 洗液を排出する。
中和 :100%水,35℃ 2%ギ酸ナトリウム,不溶,15分 + 0.5%重炭酸ソーダ、1:10,90分 洗液のpH:5.3 ブロム・クレゾールグリーンに対して革の断面はブル
ー。
処理液を排出する。
洗浄:300%水,30℃,10分 洗液を排出する。
着色/再なめし: 100%水,30℃ 1%クロム革ファストブラック TU141%,1:20,20分 + 4%タニガンQF**),不溶,30分 + 12%ケブラチョ,不溶 6回転毎分で一晩中 なめしを完了した後、 + 200%水,60℃,20分 処理液を排出する。
洗浄:300%水,60℃,10分 洗液を排出する。
疎水化、定着: 100%水,60℃ 8%疎水化剤,1:4,60分 + 1%ギ酸,1:5,15分 + 3%バイクロムF,60分 処理液のpH:3.6−3.7 処理液を排出する。
3×洗浄:300%水,25℃,各々10分 洗液を排出する。
革を一晩中、台に掛けて水切りし、伸延、真空乾燥
(80−85℃,2分)、曝気、与湿、革もみ、真空アイロン
掛け(80−85℃,30秒)する。湿式作業の間に異常な観
察は行われなかった。
Bally浸透計:(10%圧縮) 水透過時間:>7/>7時間 吸水率、%:7時間後 13.1/8.2 Maeser折り曲げ:15407/14320 吸水率、%:折り曲げの後 7.7/5.0

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I (ここにR1は炭素原子1ないし22個、好ましくは12ない
    し18個を有する飽和又は不飽和アルキル基又はアルコキ
    シアルキル基、R2は炭素原子1ないし18個を有するアル
    キル基、炭素原子3ないし4個を有する飽和又は不飽和
    カルボキシアルキル基又はカルボキシフェニル基又はカ
    ルボキシル基(−COOH)、R3は水素又はCH3、Xは水
    素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、
    アルキルアンモニウム又はアルカノールアンモニウムを
    表し、 Aは>C=O、>SO2又は炭素原子0ないし3個のアルキレン基である)を革
    の裏割り仕上重量又は毛皮の湿潤重量基準で0.1ないし2
    5重量%、好ましくは1ないし15重量%の量で、またpH
    値4ないし9で、再なめしの間又は後に被処理革又は毛
    皮に作用させ、次に3.5ないし5.0の範囲のpH値に調整
    し、処理の後に場合によっては2価、3価又は4価の金
    属塩、好ましくはその水溶液で定着することを特徴とす
    る、革及び毛皮の疎水化方法。
  2. 【請求項2】好ましくは少くとも部分的に中和した形の
    一般式Iの化合物を5ないし80重量%、好ましくは10な
    いし70重量%と、場合によっては炭化水素を20ないし70
    重量%、好ましくは30ないし60重量%と、場合によって
    は溶剤と、100%に対する残量の水とを含む製品を疎水
    化のために使用することを特徴とする、特許請求の範囲
    第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】使用される疎水化剤が、連鎖の長さC4ない
    しC20、好ましくはC16ないしC18で場合によってはオキ
    シアルキル化されたアルコールの部分的燐酸エステル
    を、使用される疎水化剤100gにつき0.5ないし30重量
    %、好ましくは1ないし20重量%の量で含むことを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】疎水化剤が、使用される疎水化剤100gにつ
    き0.5ないし80重量%、好ましくは1ないし10重量%の
    量のシリコーン油、好ましくはジメチル又はメチルフェ
    ニルポリシロキサンを含むことを特徴とする、特許請求
    の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】疎水化剤が疎水化剤100gにつき0.5ないし5
    0重量%、好ましくは2ないし20重量%のオレイン酸ザ
    ルコシド(Olsure sarkosid)を含むことを特徴とす
    る、特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】疎水化剤がパラフィンないしはクロルパラ
    フィンを含むことを特徴とする、特許請求の範囲第1項
    ないし第5項のいずれか1項に記載の方法。
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