JP2570269Y2 - 二成分混合容器 - Google Patents

二成分混合容器

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JP2570269Y2 JP6654092U JP6654092U JP2570269Y2 JP 2570269 Y2 JP2570269 Y2 JP 2570269Y2 JP 6654092 U JP6654092 U JP 6654092U JP 6654092 U JP6654092 U JP 6654092U JP 2570269 Y2 JP2570269 Y2 JP 2570269Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、2種類の成分を、隔
離状態で収容し、使用時等に混合することのできる二成
分混合容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から化粧料,整髪料等は様々なもの
が開発されて市場に出回っているが、そのなかで、2種
類の異なる液体を混合して使用するものがある。このよ
うな化粧料等は、上記2種類の液体を1個の容器に収容
し、容器が静止状態に保持されているときには、比重の
違いから上下二層に分離するため、使用時に容器を振っ
て充分に撹拌することが行われている。ところが、この
ような化粧料等には、予め2種類の液体を混合した状態
にしておくと化学変化等によりその効力が失われるもの
がある。そのため、未使用時には2種類の液体が別々の
容器に隔離した状態に収容され、使用の際に、二液を混
合して使用するようになっている。また、化粧料のなか
には、液状の化粧料と粉末状の化粧料を混合して使用す
るものがあるが、このようなものも、上記と同様、予め
混合しておくと効力が失われるという難点や、予め混合
したものは泥状等の外観を呈し美観や使用感が悪いとい
う難点がある。そのため、上記のように2種類の成分が
別々の容器に収容され、使用の際に、二成分を混合して
使用するようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に、2種類の成分が別々の容器に収容されていると、使
用の際に、それぞれの容器の成分を他の容器に移すか、
または一方の容器内に他方の容器内の成分を移す等しな
ければならないため、動作が煩雑になり使い勝手が悪
い。また、上記のように二成分を移して混合する際に、
粉末または液体等の成分が飛び散る等の不都合が生じ、
場合によっては手指を汚してしまう。さらに、2個の容
器に二成分が収容されているため、携帯に不便であると
いう欠点を有している。
【0004】そこで、1個の容器内に異なる二成分を隔
離した状態で収容することができるものとして、実公昭
57−52020号公報に開示されたものがある。この
ものは、図9に示すように、容器本体30の首部30a
の内周面に、下端開口をアルミニウムフィルム32で閉
塞した内容器31を取り付け、これにより、上記内容器
31内に液34を収容し、容器本体30の胴部30b内
に異種の液35を収容できるようにしたものである。そ
して、使用時には、図10に示すように、キャップ33
を首部30aから取り外しこのキャップ33の先端33
aで上記内容器31のアルミニウムフィルム32を破
り、これにより、内容器31内の液34を落下させて液
35と混合させ、ついで、図11に示すように、上記キ
ャップ33を容器本体30の首部30aに取り付けたの
ち、キャップ33の先端33aを切断してこの切断口か
ら混合液を取り出すことが行われている。しかしなが
ら、このものでは、容器に衝撃等が加わると、内容器3
1のアルミニウムフィルム32が破れてしまい、このた
め、内容器31内の液34が落下して液35と混合し、
使用前に効力が失われてしまうという難点がある。
【0005】この考案は、このような事情に鑑みなされ
たもので、1個の容器内に異なる二成分を隔離した状態
で収容することができるとともに、使用時まで二成分が
混合することのない二成分混合容器の提供をその目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この考案の二成分混合容器は、上部周壁に係合部が
形成された有底筒状の容器本体と、上端開口にノズル体
が連設され下部周壁に上記係合部に係合しうる被係合部
が形成された本キャップと、下部周壁に上記係合部と着
脱自在に係合しうる被係合部が形成された有天筒状の仮
キャップとを備え、上記容器本体の内周面から連結片部
を延ばしこの連結片部の先端を有天筒状の栓部の下部周
壁に一体化し、上記仮キャップの下端部から、この仮キ
ャップの被係合部を容器本体の係合部に係合させた際に
上記栓部を液密状に外嵌する筒状部を下方に延ばし、使
用時に上記仮キャップに代えて本キャップの被係合部を
容器本体の係合部に係合させるようにしたという構成を
とる。
【0007】
【作用】すなわち、この考案の二成分混合容器は、有底
筒状の容器本体と、上端開口にノズル体が連設された本
キャップと、有天筒状の仮キャップとを備え、上記容器
本体の内周面から連結片部を延ばしこの連結片部の先端
を有天筒状の栓部の下部周壁に一体化し、上記仮キャッ
プの下端部から、この仮キャップの被係合部を容器本体
の係合部に係合させた際に上記栓部を液密状に外嵌する
筒状部を下方に延ばしている。したがって、上記仮キャ
ップの被係合部を容器本体の係合部に係合させた状態で
は、上記栓部を液密状に外嵌する筒状部で容器内が上下
空間(仮キャップの内部空間と容器本体の内部空間)に
仕切られ、これら両空間にそれぞれ異なった成分を収容
することにより、1個の容器内に異なる二成分を隔離し
た状態で収容することができるようになる。そして、使
用時には、上記仮キャップを取り外す。これにより、上
記筒状部が栓部の外周部から離され、上記連結片部と容
器本体の内周面と栓部の外周面との間に形成される流通
用空間を介して、上下空間が連通するようになる。その
結果、上部空間に収容されている一成分が上記流通用空
間を通って落下し、下部空間に収容されている他成分と
混合するようになる。そののち、本キャップの被係合部
を容器本体の係合部に係合させて、使用する。
【0008】つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳
しく説明する。
【0009】
【実施例】図1および図2はこの考案の二成分混合容器
の一実施例を示している。すなわち、この二成分混合容
器は、容器本体1と、プラスチック製の仮キャップ4
と、上端開口にノズル体9が連設されたプラスチック製
の本キャップ5とで構成されている。また、上記容器本
体1の内周面から延びる連結片部6に栓部7を一体的に
連結し、上記仮キャップ4の下端部から、閉蓋時に上記
栓部7を液密状に外嵌する下部周壁8を延設している。
そして、不使用時には、図1に示すように、上記仮キャ
ップ4の内部空間に液状化粧料Aを収容し、容器本体1
の内部空間に錠剤状化粧料Bを収容することで、1個の
容器内に異なる二成分(液状化粧料Aと錠剤状化粧料
B)を隔離した状態で収容することができるようにして
いる。また、使用時には、図2に示すように、上記仮キ
ャップ4を取り外し、これにより、上記栓部7の外周面
から仮キャップ4の下部周壁8を離し、仮キャップ4の
内部空間と容器本体1の内部空間とが、容器本体1の内
周面と栓部7の外周面と連結片部6との間に形成される
液流通路を介して、連通するようにしている。
【0010】より詳しく説明すると、上記容器本体1
は、図3に示すように、プラスチック製の上側筒状体2
と、可撓性を有する有底筒状のプラスチック製の下側筒
状体3とからなり、上記上側筒状体2には、上部周壁の
内周面にねじ部2aが形成されているとともに、下端面
に凹部2bが形成され、この凹部2bの下端部内周面に
凹溝2cが形成されている。また、図4に示すように、
上記上側筒状体2の下端部内周面から8本の連結片部6
(図には4本の連結片部6しか見えない)が垂下し、そ
の下端部が中央側に折れ曲がり、この折れ曲がり部6a
の先端が、上側筒状体2に同心状に配置された有天筒状
の栓部7の下端部外周面に一体的に連結している。上記
下側筒状体3には、その上部周壁の外周面に、上記上部
筒状体2の凹部2bに抜け止め状に嵌合しうる凹凸部3
aが形成されているとともに、その下側に上記凹部2b
内に形成された凹溝2cに係合しうる凸条3bが形成さ
れている。
【0011】上記仮キャップ4は有天筒状に形成されて
おり、その内径は上記栓部7の外径と略同じに、すなわ
ち、図5に示すように、下部周壁8の内周面8aが栓部
7の外周面7aと液密状に密着しうるように形成されて
いる。また、上記仮キャップ4には、その周側壁の外周
面にストッパー4aが突設されているとともに、このス
トッパー4aのすぐ下側に上記上側筒状体2のねじ部2
aにら合しうるねじ部4bが形成されており、閉蓋時に
(上記ストッパー4aが上側筒状体2の上端面に当たる
まで、上記両ねじ部2a,4bをら合させた時に)、下
部周壁8の下端面が上記連結片部6の折れ曲がり部6a
の上面に略接当するようにしている。
【0012】また、上記本キャップ5には、その周側壁
の上端部に形成された上壁5aの中央部に開口部が形成
されており、この開口部の周縁から上方にノズル体9が
一体的に立設されている。また、上記周側壁の外周面に
はストッパー5bが突設されているとともに、このスト
ッパー5bのすぐ下側に上記上側筒状体2のねじ部2a
にら合しうるねじ部5cが形成されている。図2におい
て、10は上記ノズル体9の先端にあけたノズル口9a
を蓋するキャップである。
【0013】上記のように構成された二成分混合容器
に、液状化粧料Aと錠剤状化粧料Bと2種類の化粧料を
隔離した状態で収容する場合(このとき、上記錠剤状化
粧料Bの大きさは、上側筒状体2の連結片部6間に形成
される液流通路を通過しない大きさとする)には、図3
に示すように、まず、下側筒状体3の上端開口から錠剤
状化粧料Bを収容する。ついで、上側筒状体2の凹部2
bを下側筒状体3の凹凸部3aの上方に位置決めし、そ
の状態で、上側筒状体2を押し込んで、上側筒状体2の
凹部2bに下側筒状体3の凹凸部3aを係合させるとと
もに、上記凹部2bの下端部の凹溝2cに下側筒状体3
の凸条3bを係合させる。そののち、図6に示すよう
に、仮キャップ4の下端開口を上向きにしこの下端開口
から液状化粧料Aを収容する。その状態で、上記下側筒
状体3に係合させた上側筒状体2の上端開口を下向きに
し、この上端開口の下方に上記仮キャップ4の下端開口
を位置合わせし、上側筒状体2の上端面が仮キャップ4
のストッパー4aに当たるまで上側筒状体2のねじ部2
aを仮キャップ4のねじ部4bにら合させる。このと
き、上記粉末状化粧料Bは上側筒状体2の連結片部6間
に形成される液流通路より大きいため、この液流通路を
落下しない。また、上記ら合後は、上記仮キャップ4の
下部周壁8が上側筒状体2内の栓部7の外周面に液密状
に密着し、容器本体1内が上下に仕切られる。このた
め、図1の正立姿勢にしても、仮キャップ4内の液状化
粧料Aは落下せず、この正立姿勢で上記二成分混合容器
が店頭等に並べられる。そして、需要者が上記二成分混
合容器を購入したのち化粧料を使用する場合には、図7
に示すように、まず、仮キャップ4を取り外す。これに
より、上記液流通路を介して上下の空間が連通し、仮キ
ャップ4内に収容される液状化粧料Aが容器本体1内に
落下し錠剤状化粧料Bと混合する。このようにして二成
分が充分に混合したのちは、錠剤状化粧料Bが液状化粧
料Aに溶解してその混合化粧料は上記液流通路を通過し
うる状態になる。したがって、図8に示すように、本キ
ャップ5を取り付け、この本キャップ5のノズル口9a
を下向きにして容器本体1の胴部を押圧すると、そのポ
ンピング作用により、容器本体1内の混合化粧料は上記
液流通路を通って上記ノズル口9aから吐出され、これ
を掌等に移し取つて化粧することが行われる。
【0014】このように、上記二成分混合容器によれ
ば、1個の容器に異なる2種類の化粧料等をそれぞれ隔
離した状態で収容することができるため、携帯に便利で
ある。また、液状化粧料Aと錠剤状化粧料Bとを混合さ
せるには、仮キャップ4を取り外すことを行わなければ
ならず、容器に衝撃等が加わっても簡単に開栓すること
はない。
【0015】なお、上記実施例では、仮キャップ4の内
部空間に液状化粧料Aが収容され、容器本体1の内部空
間に錠剤状化粧料Bが収容されているが、これに限定さ
れるものではなく、液状同士,錠剤状同士であっても差
し支えないし、液状化粧料Aもしくは錠剤状化粧料Bに
代えて、粉末状化粧料を用いてもよい。また、収容する
ものも化粧料に限定されるものではない。
【0016】また、上記実施例では、容器本体1を構成
する上側筒状体2と下側筒状体3とを別々に形成してい
るが、これに限定するものではなく、容器本体1を一体
形成してもよい。
【0017】
【考案の効果】以上のように、この考案の二成分混合容
器によれば、仮キャップの被係合部を容器本体の係合部
に係合させることにより、上記容器本体に形成した栓部
を仮キャップの下端部から延びる筒状部で液密状に外嵌
して容器内を上下空間に仕切ることができるため、これ
ら両空間にそれぞれ異なった成分を収容することによ
り、1個の容器内に異なる二成分を隔離した状態で収容
することができる。しかも、二成分を混合させるために
は、仮キャップを取り外すだけでよく、このように仮キ
ャップを取り外すことにより栓部と筒状部との外嵌を外
して開栓するようにしているため、容器に衝撃等が加わ
っても容易に開栓することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の二成分混合容器を示す断
面図である。
【図2】上記二成分混合容器の使用状態を示す断面図で
ある。
【図3】下側筒状体内に錠剤状化粧料を収容している状
態を示す説明図である。
【図4】容器本体の要部の斜視図である。
【図5】栓部を仮キャップの下部周壁で外嵌した状態を
示す斜視図である。
【図6】仮キャップ内に液状化粧料を収容している状態
を示す説明図である。
【図7】上記容器本体に本キャップを係合している状態
を示す説明図である。
【図8】上記二成分混合容器の使用状態の説明図であ
る。
【図9】従来例を示す断面図である。
【図10】従来例の使用状態の説明図である。
【図11】従来例の使用状態の説明図である。
【符号の説明】
1 容器本体 2 上側筒状体 2a ねじ部 3 下側筒状体 4 仮キャップ 4b ねじ部 5 本キャップ 4c ねじ部 6 連結片部 7 栓部 8 下部周壁 9 ノズル体

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部周壁に係合部2aが形成された有底
    筒状の容器本体1と、上端開口にノズル体9が連設され
    下部周壁に上記係合部2aに係合しうる被係合部5cが
    形成された本キャップ5と、下部周壁に上記係合部2a
    と着脱自在に係合しうる被係合部4bが形成された有天
    筒状の仮キャップ4とを備え、上記容器本体1の内周面
    から連結片部6を延ばしこの連結片部6の先端を有天筒
    状の栓部7の下部周壁に一体化し、上記仮キャップ4の
    下端部から、この仮キャップ4の被係合部4aを容器本
    体1の係合部2aに係合させた際に上記栓部7を液密状
    に外嵌する筒状部8を下方に延ばし、使用時に上記仮キ
    ャップ4に代えて本キャップ5の被係合部5cを容器本
    体1の係合部2aに係合させるようにしたことを特徴と
    する二成分混合容器。
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