JPH0636510U - 二成分混合容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 １個の容器内に異なる二成分を隔離した状態
で収容することができるとともに、使用時まで二成分が
混合しない二成分混合容器を提供する。 【構成】 上部周壁にねじ部１ａが形成された有底筒状
の容器本体１と、下部周壁に上記ねじ部１ａと係合しう
るねじ部２ａが形成された仮キャップ２と、天井壁３ａ
にノズル体１２が連設され下部周壁に上記ねじ部１ａと
係合しうるねじ部１３ａが形成された本キャップ３とを
備えている。そして、上記容器本体１の内周面に、中央
部に流体通過口部４ａがあけられた仕切壁４を設け、上
記流体通過口部４ａに、これを栓する栓体５を着脱自在
に設け、上記本キャップ３の天井壁３ａの内周面から、
容器本体１との係合時に栓体５を下方に押し下げて流体
通過口部４ａから落下させる棒状の開栓部１４を下方に
向けて形成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、２種類の成分を、隔離状態で収容し、使用時等に混合することの できる二成分混合容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から化粧料，整髪料等は様々なものが開発されて市場に出回っているが、 そのなかで、２種類の異なる液体を混合して使用するものがある。このような化 粧料等は、上記２種類の液体を１個の容器に収容し、容器が静止状態に保持され ているときには、比重の違いから上下二層に分離するため、使用時に容器を振っ て充分に撹拌することが行われている。ところが、このような化粧料等には、予 め２種類の液体を混合した状態にしておくと化学変化等によりその効力が失われ るものがある。そのため、未使用時には２種類の液体が別々の容器に隔離した状 態に収容され、使用の際に、二液を混合して使用するようになっている。また、 化粧料のなかには、液状の化粧料と粉末状の化粧料を混合して使用するものがあ るが、このようなものも、上記と同様、予め混合しておくと効力が失われるとい う難点や、予め混合したものは泥状等の外観を呈し美観や使用感が悪いという難 点がある。そのため、上記のように２種類の成分が別々の容器に収容され、使用 の際に、二成分を混合して使用するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記のように、２種類の成分が別々の容器に収容されていると、使 用の際に、それぞれの容器の成分を他の容器に移すか、または一方の容器内に他 方の容器内の成分を移す等しなければならないため、動作が煩雑になり使い勝手 が悪い。また、上記のように二成分を移して混合する際に、粉末または液体等の 成分が飛び散る等の不都合が生じ、場合によっては手指を汚してしまう。さらに 、２個の容器に二成分が収容されているため、携帯に不便であるという欠点を有 している。

【０００４】 そこで、１個の容器内に異なる二成分を隔離した状態で収容することができる ものとして、実公昭５７−５２０２０号公報に開示されたものがある。このもの は、図１４に示すように、容器本体３０の首部３０ａの内周面に、下端開口をア ルミニウムフィルム３２で閉塞した内容器３１を取り付け、これにより、上記内 容器３１内に液３４を収容し、容器本体３０の胴部３０ｂ内に異種の液３５を収 容できるようにしたものである。そして、使用時には、図１５に示すように、キ ャップ３３を首部３０ａから取り外しこのキャップ３３の先端３３ａで上記内容 器３１のアルミニウムフィルム３２を破り、これにより、内容器３１内の液３４ を落下させて液３５と混合させ、ついで、図１６に示すように、上記キャップ３ ３を容器本体３０の首部３０ａに取り付けたのち、キャップ３３の先端３３ａを 切断してこの切断口から混合液を取り出すことが行われている。しかしながら、 このものでは、容器に衝撃等が加わると、内容器３１のアルミニウムフィルム３ ２が破れてしまい、このため、内容器３１内の液３４が落下して液３５と混合し 、使用前に効力が失われてしまうという難点がある。

【０００５】 この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、１個の容器内に異なる二 成分を隔離した状態で収容することができるとともに、使用時まで二成分が混合 することのない二成分混合容器の提供をその目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、この考案の二成分混合容器は、上部周壁に係合部 が形成された有底筒状の容器本体と、下部周壁に上記係合部と着脱自在に係合し うる被係合部が形成され上記容器本体の上端開口を蓋する仮キャップと、天井壁 にあけた開口部にノズル体が上方に向かって連設され下部周壁に上記係合部と係 合しうる被係合部が形成された本キャップとを備え、上記容器本体の内周面に、 中央部に流体通過口部があけられた環状仕切壁を設け、上記流体通過口部に、こ の流体通過口部を栓する栓体を着脱自在に設け、上記本キャップの天井壁の内周 面から、容器本体との係合時に上記栓体を下方に押し下げて上記流体通過口部か ら落下させる棒状の開栓部を下方に向かって形成したという構成をとる。

【０００７】

【作用】

すなわち、この考案の二成分混合容器は、有底筒状の容器本体と、この容器本 体の上端開口を蓋する仮キャップと、天井壁にあけた開口部にノズル体が連設さ れた本キャップとを備え、上記容器本体の内周面に、中央部に流体通過口部があ けられた環状仕切壁を設け、上記流体通過口部に、この流体通過口部を栓する栓 体を着脱自在に設けるようにしている。したがって、上記流体通過口部が栓体で 栓された環状仕切壁により容器本体内が上下空間に仕切られるようになり、これ ら両空間にそれぞれ異なった成分を収容することにより、１個の容器内に異なる 二成分を隔離した状態で収容することができるようになる。また、上記本キャッ プの天井壁の内周面から、容器本体との係合時に上記栓体を下方に押し下げて上 記流体通過口部から落下させる棒状の開栓部を下方に向かって形成している。こ のため、使用時には、仮キャップを取り外したのち本キャップを取り付けること により、上記開栓部で栓体を押し下げて流体通過口部から落下させ開栓すること ができる。その結果、上部空間に収容されている一成分が注出口から落下し、下 部空間に収容されている他成分と混合するようになる。

【０００８】 つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく説明する。

【０００９】

【実施例】

図１および図２はこの考案の二成分混合容器の一実施例を示している。すなわ ち、この二成分混合容器は、容器本体１と、プラスチック製の仮キャップ２と、 プラスチック製の本キャップ３とで構成されている。また、上記容器本体１の内 周面には、中央部に流体通過口部４ａがあけられた環状の仕切壁４が設けられて いるとともに、この流体通過口部４ａに、これを栓する栓体５が着脱自在に設け られており、かつ、上記本キャップ３の天井壁３ａからは開栓部１４が下向きに 延びている。そして、図１に示すように、上記容器本体１の流体通過口部４ａお よびこれを栓する栓体５の上方に粉状化粧料Ａを収容し、その下方に液状化粧料 Ｂを収容することで、１個の容器内に異なる二成分（粉状化粧料Ａと液状化粧料 Ｂ）を隔離した状態で収容することができるようにしている。また、使用時には 、図２に示すように、仮キャップ２を取り外して本キャップ３を取り付け、この 本キャップ３の開栓部１４で上記流体通過口部４ａを栓する栓体５を下方に落下 させて開栓するようにしている。

【００１０】 より詳しく説明すると、上記容器本体１は、プラスチック製の筒状体６と、こ の筒状体６の下端開口を閉塞するゴム製のドーム型パッキン７とで構成されてい る。上記筒状体６には、その上部周壁の外周面にねじ部１ａが形成されていると ともに、下部周壁の内周面に１条の溝１ｂが形成されている。また、上記筒状体 ６には、その内周面に仕切壁４が環状に一体形成されており、図３および図４に 示すように、この仕切板４の中央部にあけられた丸孔で流体通過口部４ａが形成 されている。上記仕切壁４は、その上面が下方に向かって傾斜する下り傾斜面に 形成されているとともに、下面が上方に向かって傾斜する上り傾斜面に形成され ており、これにより、中央側ほど薄くなるように形成されている。そして、上記 仕切壁４の上面には、上記流体通過口部４ａの周部に沿って６つの分流体９が所 定間隔をあけて立設されており、各分流体９間に上部流通路９ａが形成されてい る。上記各分流体９は、その上面が、中央側ほど低い下り傾斜面に形成され、そ の先端が上記流体通過口部４ａ側に入り込んでおり、これにより、流体通過口部 ４ａを流下した流体が各分流体９に衝突して各分流体９間の上部流通路９ａ内に 流れ込みやすくしている。

【００１１】 また、上記仕切壁４の下面からは、図５に示すように、略１／３円弧状に形成 された３つの下壁１０が、上記流体通過口部４ａの周部に沿って、円弧状に並ぶ ようにして、所定間隔をあけて下向きに一体形成されており、各下壁１０間に下 部流通路１０ａが形成されている。これら各下壁１０には、その下端部内周面に 抜け止め用の突条１０ｂが突出形成されており、これにより、図６に示すように 、上記３つの下壁１０で囲まれた空間内に球状のプラスチック製の栓体５が、上 記流体通過口部４ａの下側開口に液密状に接する（栓する）状態で抜け止め状に 収容されるようにしている。

【００１２】 上記パッキン７は、図７および図８に示すように、一部が切り欠き形成された 筒状の保護用枠部７ａと、この枠部７ａの内周面に設けられたポンプ部７ｂとで 構成されており、上記枠部７ａの上部外周面に、上記筒状体６の溝１ｂに液密状 に係合しうる突条７ｃが形成されている。

【００１３】 上記仮キャップ２は、有天筒状に形成されており、その下部周壁の内周面に、 上記筒状体６のねじ部１ａとら合しうるねじ部２ａが形成されている。

【００１４】 また、上記本キャップ３には、その上壁３ａにあけた開口部３ｂの周縁からノ ズル体１２が立設されており、その上端部にノズル口１２ａが開口している。ま た、上記上壁３ａの下面からは、棒状の開栓部１４が垂下しており、上記本キャ ップ３のねじ部１３ａを筒状体６のねじ部１ａに一杯に締め込むと、上記開栓部 １４の下端部で流体通過口部４ａを栓する栓体５の上面が押し下げられて流体通 過口部４ａから落下させるようにしている。上記本キャップ３の下部周壁１３に は、その内周面に上記容器本体１のねじ部１ａとら合しうるねじ部１３ａが形成 されている。図２において、１５は上記ノズル口１２ａを蓋するキャップであり 、図９において、１４ａは開栓部の根元部に設けたリブである。

【００１５】 上記のように構成された二成分混合容器に、粉末状化粧料Ａと液状化粧料Ｂの ２種類の化粧料を隔離した状態で収容する場合には、まず、図１０に示すように 、容器本体１の筒状体６の流体通過口部４ａを栓体５で栓したのち、上記筒状体 ６の下端開口を上向きにし、この下端開口から液状化粧料Ｂを筒状体６内に収容 する。つぎに、上記筒状体６の下端開口上にパッキン７の枠部７ａの上端開口を 位置決めし、そのまま下方に押し込んで上記筒状体６の溝１ｂにパッキン７の凸 条７ｃを嵌合して容器本体１の下端開口を上記パッキン７で閉塞する。その状態 で、図１１に示すように、上記筒状体６の上端開口を上向きにし、この上端開口 から粉末状化粧料Ａを筒状体６内に収容する。そののち、上記筒状体６の上端開 口上に仮キャップ２の下端開口を位置合わせし筒状体６のねじ部１ａに仮キャッ プ２のねじ部２ａをら合する。この状態で、上記二成分混合容器が店頭等に並べ られる。そして、需要者が上記二成分混合容器を購入したのち化粧料を使用する 場合には、まず、仮キャップ２を筒状体６から取り外し、ついで、この筒状体６ に本キャップ３をら合する。これにより、図２に示すように、上記本キャップ３ の開栓部１４で栓体５が押し下げられて落下し、その結果、流体通過口部４ａが 開栓される。この開栓により、粉末状化粧料Ａが落下し液状化粧料Ｂと混合する 。このようにして二成分を充分に混合したのち、図１２に示すように、キャップ １５を取り外しパッキン７を指等で押圧すると、そのポンピング作用によりノズ ル体１２のノズル口１２ａから化粧料が吐出され、これを掌等に移し取つて化粧 することが行われる。このようにして化粧が行われたのち、この二成分混合容器 は捨てられる。

【００１６】 このように、上記二成分混合容器によれば、１個の容器に異なる２種類の化粧 料等をそれぞれ隔離した状態で収容することができるため、携帯に便利である。 また、流体通過口部４ａを開栓するには、仮キャップ２を取り外し、そののち本 キャップ３を取り付けることを行わなければならず、容器に衝撃等が加わっても 簡単に開栓することはない。しかも、使用時に、栓体５が容器本体１の筒状体６ の側面を転がりながら下方に移動し、仕切壁４に形成した３つの下壁１０の下端 開口を略塞ぐような状態になっても、上記各下壁１０間に形成される下部流通路 １０ａを通って流体通過口部４ａに流れ込むため、化粧料の取り出しは常に行う ことができるようになっている。さらに、使用時に、流体通過口部４ａを通過し た混合化粧料は、上記各分流体９で一旦左右に分流されて上部流通路９ａを通過 し、この分流後に再び合流するようにしているため、拡散による混合効果に優れ る。

【００１７】 なお、上記実施例では、容器本体１の上部空間に粉末状化粧料Ａが収容され、 下部空間に液状化粧料Ｂが収容されているが、これに限定されるものではなく、 液状同士，粉末状同士であっても差し支えない。また、収容するものも化粧料に 限定されるものではない。

【００１８】 また、上記実施例では、仕切壁４の下面の各下壁１０間に形成される下部流通 路１０ａが、仕切壁４の上面の各分流体９間に形成される上部流通路９ａの下側 に位置するように形成されているが、これに限定するものではなく、上記下部流 通路１０ａがそれぞれ分流体９の下側に位置するように形成してもよい。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように、この考案の二成分混合容器によれば、容器本体内に設けた環状 仕切壁の中央部の流体通過口部を栓体で栓することにより、容器内を上下空間に 仕切ることができるため、これら両空間にそれぞれ異なった成分を収容すること により、１個の容器内に異なる二成分を隔離した状態で収容することができる。 しかも、上記流体通過口部を開栓するためには、仮キャップを取り外したのち本 キャップを取り付けるだけでよく、このように仮キャップに代えて本キャップを 取り付けることにより流体通過口部を開栓するようにしているため、容器に衝撃 等が加わっても容易に開栓することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の二成分混合容器を示す断
面図である。

【図２】上記二成分混合容器の使用状態を示す断面図で
ある。

【図３】容器本体の要部を上から見た状態を示す説明図
である。

【図４】上記容器本体の要部の斜視図である。

【図５】容器本体の要部を下から見た状態を示す説明図
である。

【図６】上記容器本体の要部の断面図である。

【図７】上記二成分混合容器の正面図である。

【図８】上記二成分混合容器の側面図である。

【図９】本キャップを下から見た状態を示す説明図であ
る。

【図１０】上記容器本体に液状化粧料を収容している状
態を示す断面図である。

【図１１】上記容器本体に粉状化粧料を収容している状
態を示す断面図である。

【図１２】上記二成分混合容器から化粧料を取り出して
いる状態を示す断面図である。

【図１３】上記二成分混合容器の使用状態を示す要部の
断面図である。

【図１４】従来例を示す断面図である。

【図１５】従来例の使用状態の説明図である。

【図１６】従来例の使用状態の説明図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 １ａ ねじ部 ２ 仮キャップ ２ａ ねじ部 ３ 本キャップ ３ａ 天井壁 ４ 仕切壁 ４ａ 流体通過口部 ５ 栓体 ７ パッキン １２ ノズル体 １３ａ ねじ部 １４ 開栓部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部周壁に係合部１ａが形成された有底
   筒状の容器本体１と、下部周壁に上記係合部１ａと着脱
   自在に係合しうる被係合部２ａが形成され上記容器本体
   １の上端開口を蓋する仮キャップ２と、天井壁３ａにあ
   けた開口部にノズル体１２が上方に向かって連設され下
   部周壁に上記係合部１ａと係合しうる被係合部１３ａが
   形成された本キャップ３とを備え、上記容器本体１の内
   周面に、中央部に流体通過口部４ａがあけられた環状仕
   切壁４を設け、上記流体通過口部４ａに、この流体通過
   口部４ａを栓する栓体５を着脱自在に設け、上記本キャ
   ップ３の天井壁３ａの内周面から、容器本体１との係合
   時に上記栓体５を下方に押し下げて上記流体通過口部４
   ａから落下させる棒状の開栓部１４を下方に向かって形
   成したことを特徴とする二成分混合容器。
2. 【請求項２】 容器本体１を、筒状体６と、上記筒状体
   ６の下端開口に着脱自在に固定されこの下端開口を蓋す
   る上面開放状のゴム製蓋体７とで構成した請求項１記載
   の二成分混合容器。