JP2545011Y2

JP2545011Y2 - コンパクト

Info

Publication number: JP2545011Y2
Application number: JP1520291U
Authority: JP
Inventors: 久雄岩本; 宏哲百合
Original assignee: Key Trading Co Ltd
Current assignee: Key Trading Co Ltd
Priority date: 1991-02-22
Filing date: 1991-02-22
Publication date: 1997-08-25
Anticipated expiration: 2006-02-22
Also published as: JPH04108016U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、フアンデーシヨン等
の化粧料を収容するコンパクトに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、フアンデーシヨン等の化粧料を
収容するコンパクトは、容器本体の後端部にヒンジを介
して蓋体が開閉自在に取り付けられて構成されている。
このようなコンパクトとして、例えば、図１０に示すよ
うなものがある。このコンパクトは、容器本体１の後端
部に切欠凹部２が形成され、この切欠凹部２に蓋体３の
裏面後端から垂下する連結片４が配設されている。この
連結片４は、図１１に示すように、上記切欠凹部２の左
右両側面の軸穴（図では隠れて見えない）と連結片４の
側面の貫通穴５とを位置合わせした状態で、両穴に軸体
６を嵌挿させることにより容器本体１に連結されてい
る。そして、上記蓋体３は、軸体６を中心に回動して開
閉しうるようになつている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記コ
ンパクトは、蓋体３が閉蓋状態であつても切欠凹部２と
連結片４との間に隙間ができるため、この隙間に塵埃等
がたまつて不衛生な状態になるという欠点を有してい
る。また、場合によつては、携帯時等に上記隙間から塵
埃等がコンパクト内に侵入し収容されている化粧料や塗
布具に付着して不衛生になるという欠点を有している。
さらに、蓋体３を勢いよく開けると、容器本体１内に収
容されている化粧料の粉末が飛散し、手や衣服等に飛び
散るという不都合な事態を生じてしまう。また、容器本
体１に収容されている化粧料の粉末が、蓋体３の裏面に
貼着された鏡３ａの表面に付着し、使用する度に鏡３ａ
に付着した化粧料の粉末を拭き取らなければならず煩雑
である。

【０００４】この考案は、このような事情に鑑みなされ
たもので、携帯時等に化粧料が収容されている空間以外
に流出したりすることがなく、また化粧料が蓋体を開動
作した際に飛散することのない使い勝手のよいコンパク
トの提供をその目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この考案のコンパクトは、円形状で上面に化粧料等
の収容部を有する容器を、基台の上部に回転自在に取り
付け、この容器の上に、円形状の中蓋を上面を上向きに
した状態で積重し、この積重状態において、上記容器の
上面の周端部に形成された嵌合部を、上記容器の上に位
置する上記中蓋の下面の周端部に形成された被嵌合部に
嵌合するとともに、上記基台の上面において上記容器の
嵌合部と軸対称になる周端の部分に突設されたガイド突
起を、上記中蓋の下面に周方向に形成されたガイド溝に
摺動可能に取り付けたという構成をとる。

【０００６】

【作用】すなわち、このコンパクトは、不使用時には、
円形状の容器の上面に中蓋を積重し、その底面で、容器
の上面に設けられた化粧料収容部を蓋した状態で保管さ
れる。そして、上記容器の収容部に収容されている化粧
料を使用する場合には、中蓋の下面に形成されたガイド
溝の一端側に位置している基台のガイド突起を、ガイド
溝内を他端側に摺動させながら中蓋を円弧状にスライド
移動させて容器の収容部を露呈させる。そして、この収
容部に収容されている化粧料で化粧が行われる。なお、
容器は、中蓋の被嵌合部と容器の嵌合部との嵌合により
中蓋に連結されているため、中蓋の円弧状のスライド移
動とともに、ガイド突起が摺動する方向と同じ方向に回
転する。

【０００７】つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳
しく説明する。

【０００８】

【実施例】図１および図２はこの考案のコンパクトの一
実施例を示している。すなわち、このコンパクトは、円
形状で上面に凹部８を有する基台９と、厚みの厚い円板
状で上記凹部８内に回転自在に取り付けられる容器１０
と、化粧料１２ａが収容され上記容器１０の上面に凹設
された収容部１１内に収容される中皿１２と、円板状で
上面に鏡１３ａが貼着され上記容器１０の上に積重され
る中蓋１３とで構成されている。なお、１４は蓋体で、
上記中蓋１３の上面を開閉自在に蓋するように中蓋１３
の周端部にヒンジ連結されている。また、１５は化粧料
１２ａを移し取るためのパフで、中蓋１３の上面に載置
されるようになつている。

【０００９】上記基台９の上端周縁には、半円弧状のフ
ランジ部１６が取着されており、このフランジ部１６が
取着されていない内周面に周方向に溝部８ａが形成され
ている。上記フランジ部１６の内周の端部には、突出部
１７が形成され、この突出部１７の上面にガイド突起１
８が突設されている。また、上記基台９の凹部８の内部
底面の略中心には係合突起１９が立設されている。上記
凹部８内に取り付けられる容器１０の収容部１１の内部
底面の略中心には、貫通孔２０が穿設されており、この
貫通孔２０の周縁を下向きに延ばして係合筒２１が形成
されている。この係合筒２１に上記係合突起１９を嵌挿
させることにより、上記凹部８内に上記容器１０が回転
自在に取り付けられる。なお、上記係合突起１９が上記
係合筒２１の内周に形成された細径部２１ａに抜け止め
されることにより、容器１０が凹部８から容易に外れな
いようになつている。

【００１０】上記中蓋１３の下面周縁には、半円弧状の
フランジ部２２が取着されている。このフランジ部２２
の両端部には、上記容器１０に上記中蓋１３を積重させ
た際に、上記容器１０のフランジ部１６の両端部に形成
された嵌合凹部１６ａに係合する嵌合突起２２ａが形成
されている。この嵌合凹部１６ａに嵌合突起２２ａを係
合させることにより、図３に示すように、容器１０のフ
ランジ部１６と中蓋１３のフランジ部２２とが連結され
たリング状体で保持されるようになつている。また、上
記容器１０に上記中蓋１３を積重した状態において、上
記基台９のフランジ部１６のガイド突起１８と軸対称と
なる上記フランジ２２の下面の周端の部分から、図２に
示すように、嵌合凸部２３が垂下している。この嵌合凸
部２３は、上記容器１０の外周縁に形成された嵌合凹部
２４に開放する外周側から嵌合し、上記嵌合凸部２３の
大径部２３ａが上記基台９の溝部８ａに摺動可能に嵌合
している。なお、上記嵌合凹部２４の上端部は、上記嵌
合凸部２３の先端の大径部２３ａを抜け止めするように
狭くなつている。上記中蓋１３の下面のフランジ部２２
が取着されていない周端部には、中蓋１３を裏返した状
態である図４に示すように、周方向にガイド溝２５が形
成されている。そして、上記容器１０の上に中蓋１３を
積重した状態において、上記ガイド溝２５の上記嵌合凸
部２３と略軸対称となる端部Ａに、図２に示すように、
上記基台９のフランジ部１６のガイド突起１８が嵌合す
るようになつている。なお、上記中蓋１３の外周面に
は、図１に示すように、蓋体１４とのヒンジ連結部分に
係合突起２７が形成され、この係合突起２７に蓋体１４
の裏面の周端部に形成された係合突条２６が係合して蓋
体１４の閉蓋状態を保持するようになつている。

【００１１】上記のように構成されたコンパクトは、不
使用時には、図２に示すように、基台９の凹部８内に回
転自在に取り付けられた容器１０の収容部１１を中蓋１
３の下面で蓋するように、中蓋１３が容器１０の上に積
重されている。そして、中蓋１３の上面にパフ１５を載
置した状態で、中蓋１３の上面が蓋体１４で蓋されてい
る。このコンパクトに収容されている化粧料１２ａを使
用する場合、まず、図２の平面図である図５に示す状態
から、中蓋１３のガイド溝２５（図では鎖線で示してい
る）の端部Ａに位置しているフランジ部１６のガイド突
起１８をガイド溝２５（図では鎖線で示している）のも
う一方の端部Ｂ側に向かつて摺動させながら、中蓋１３
を少し図示の矢印Ｃ方向にスライド移動させる。これに
より、図６に示すように、化粧料１２ａが少し露呈した
状態になるとともに、中蓋１３の嵌合凸部２３と容器１
０の嵌合凹部２４との嵌合により中蓋１３に連結されて
いる容器１０が半時計方向に少し回転する。この状態か
ら、さらにガイド突起１８をガイド溝２５の端部Ｂ側に
少し摺動させながら中蓋１３を図示の矢印Ｄ方向にスラ
イド移動させると、図７に示すように、化粧料１２ａの
略半分が露呈し、容器１０が半時計方向に少し回転す
る。そして、この状態からさらにガイド突起１８をガイ
ド溝１５の端部Ｂまで移動させながら中蓋１３を矢印Ｅ
方向にスライド移動させる。これにより、容器１０が、
図５の状態から略１８０度回転した図８に示す状態にな
り、化粧料１２ａ全体が露呈した状態になる。つぎに、
蓋体１４を上方に持ち上げて蓋体１４の係合突条２６と
中蓋１３の係合突条２７の係合を解除し、さらに蓋体１
４を持ち上げて蓋体１４を、図９に示す開蓋状態にす
る。そして、中蓋１３の上面に載置されているパフ１５
を手に取り、このパフ１５に容器１０の化粧料１２ａを
移して取り、中蓋１３の鏡１３ａを見ながら化粧するこ
とが行われる。なお、使用した後には、上記とは逆に各
部材を動かして図３の状態にして保管するようになつて
いる。

【００１２】このように、上記コンパクトは、保管時に
は容器１０の上面を中蓋１３の下面で蓋した状態が保持
されるため、容器１０以外の空間に化粧料１２ａが流出
したりする不都合が生じない。また、中蓋１３の上面に
鏡１３ａが貼着されているため、化粧料１２ａの粉末が
鏡１３ａの表面に付着せず、使用する度に鏡１３ａに付
着した化粧料１２ａの粉末を拭き取るという煩雑な動作
を行うことなく使用することができる。さらに、中蓋１
３を円弧状にスライド移動させて容器１０の上面を露呈
するため、容器１０に収容されている化粧料１２ａの粉
末が飛散することがない。また、中蓋１３をスライド移
動させて容器１０の上面を露呈させた後、蓋体１４を開
蓋状態にして中蓋１３の上面からパフ１５を手に取ると
いう簡単な動作で、鏡１２ａを見ながら化粧料すること
ができ便利である。

【００１３】

【考案の効果】以上のように、この考案のコンパクト
は、円形状で上面に化粧料等の収容部を有する容器が、
基台の上部に回転自在に取り付けられ、この容器の上
に、円形状の中蓋が上面を上向きにした状態で積重され
ている。したがつて、保管時には、容器の上面が中蓋の
底面で蓋された状態が保持されるため、容器の収容部の
化粧料が収容されている場合、容器以外の空間に化粧料
が流出したりする不都合を生じない。また、上記積重状
態において、上記容器の上面の周端部に形成された嵌合
部が、上記容器の上に位置する上記中蓋の下面の周端部
に形成された被嵌合部に嵌合されているとともに、上記
基台の上面において上記容器の嵌合部と軸対称になる周
端の部分に突設されたガイド突起が、上記中蓋の下面に
周方向に形成されたガイド溝に摺動可能に取り付けられ
ている。したがつて、容器を開ける場合には、ガイド溝
の一端側に位置しているガイド突起をガイド溝の他端側
に摺動させながら中蓋をスライド移動させて容器の上面
を露呈させればよく、従来のコンパクトのように、上方
に勢いよく開くのではないため、容器に収容されている
化粧料の粉末が飛散したりするという不都合な事態を生
じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の分解斜視図である。

【図２】上記実施例の保管状態の縦断面図である。

【図３】上記実施例の保管状態の平面図である。

【図４】中蓋を裏返した状態を示す斜視図である。

【図５】上記実施例の使用態様を示す平面図である。

【図６】上記実施例の使用態様を示す平面図である。

【図７】上記実施例の使用態様を示す平面図である。

【図８】上記実施例の使用態様を示す平面図である。

【図９】上記実施例の使用態様を示す斜視図である。

【図１０】従来例を示す斜視図である。

【図１１】従来例を示す縦断面図である。

【符合の説明】

９基台１０容器１１収容部１３中蓋１８ガイド突起２３嵌合凸部２４嵌合凹部２５ガイド溝

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】円形状で上面に化粧料等の収容部１１を
有する容器を、基台９の上部に回転自在に取り付け、こ
の容器１０の上に、円形状の中蓋１３を上面を上向きに
した状態で積重し、この積重状態において、上記容器１
０の上面の周端部に形成された嵌合部２４を、上記容器
の上に位置する上記中蓋１３の下面の周端部に形成され
た被嵌合部２３に嵌合するとともに、上記基台９の上面
において上記容器１０の嵌合部２４と軸対称になる周端
の部分に突設されたガイド突起１８を、上記中蓋１３の
下面に周方向に形成されたガイド溝２５に摺動可能に取
り付けたことを特徴とするコンパクト。