JPS64819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、フアンデーシヨン・粉白粉・頬紅・
アイシヤドウ・口紅等の化粧料を収納するコンパ
クトに関するものである。

［従来の技術］ 従来、鏡付きのコンパクトは蓋体の内面に鏡を
取付け、閉蓋時は鏡が化粧料、或いは、化粧用塗
布具等と若干の空隙を残して対向した構造のもの
が殆どであつた。また、アイシヤドウ等の小型コ
ンパクトに於ては、化粧料充填部と鏡を併設した
収納体を、コンパクトの本体内に収容する技術も
既に知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、閉蓋時に鏡が化粧料充填部、或
いは、化粧料塗布具等と対向している従来のコン
パクトでは、化粧料の種類によつては化粧料中の
溶剤成分が揮散し、蒸着して鏡を曇らせる為に、
像が鮮明に映らない等の欠点を有していた。ま
た、携帯時の物理的衝撃によつて化粧料が飛散し
たり、化粧用塗布具が直接鏡に接触するなどの原
因により、鏡を汚し易いという欠点も存する。

前記欠点を防止する目的で、鏡と化粧料充填部
との間に薄板状のフイルムやシートを介在させて
工夫した方法もあるが、使用時には消費者が前記
フイルムやシートを捨ててしまう場合が多く、抜
本的な解決には至つていなかつた。

更に、化粧料充填部と鏡を併設した小型コンパ
クトでも化粧料の飛散等による鏡汚れは依然解消
されておらず、また、鏡が小さかつたり、鏡を起
立できない等使用上の不都合さも有していた。

［問題点を解決する為の手段］ 本考案は前記欠点を解消する為に改良されたも
ので、前端部を開口して左右の内側壁に案内溝を
形設すると共に、内底面に鏡を取付けた本体と、
塗布体収納ケース、及び、蓋体とを後端部で蝶着
し、前記案内溝と係合する係合突部を左右両側壁
の一部に突設した化粧料収納体を、前記本体内に
引出可能に収容し、且つ、前記化粧料収納体の引
出終端位置で前記本体と直角位置まで回動可能に
構成した事を特徴とするものである。更に、前記
蓋体とは別体に成型したヒンジ体を、前記蓋体の
後端部と枢着し、該ヒンジ体に対して前記蓋体が
自在に回動し得る様に構成した事を特徴とするも
のである。

［実施例］ 以下本考案の構造をその一実施例を示す図面に
従つて説明すれば、１はコンパクトの蓋体、２は
本体である。３は塗布体４を収納する塗布体収納
ケースで、該塗布体収納ケース３と前記蓋体１、
及び、本体２を後端部５ａで蝶着している。前記
本体２は前端部６ａを開口し、左右の内側壁７
ａ，７ｂには案内溝８ａ，８ｂを形設すると共
に、内底面９に鏡１０を接着等の方法で取付けて
ある。１１は化粧料充填部１２を有し、前端部６
ｂに指掛部１３ａ，１３ｂを形設した化粧料収納
体で、第２図、及び、第３図に示す如く、両側壁
１４ａ，１４ｂの一部に前記案内溝８ａ，８ｂと
係合する係合突部１５ａ，１５ｂを突設してあ
る。前記化粧料収納体１１は前記本体２内へ、前
記係合突部１５ａ，１５ｂが前記案内溝８ａ，８
ｂ中を摺動しながら引出せる様に収容し、且つ、
前記化粧料収納体１１の引出終端位置で前記本体
２と直角位置まで回動可能となる様に構成してい
る。その際、前記化粧料収納体１１が回動し得る
為に、背面１６の底部１７をＲ形状に形成してい
る。

第４図に示す如く、前記蓋体１は前記後端部５
ａで前記本体２、及び、前記塗布体収納ケース３
と蝶着しているが、前記蓋体１とは別体に成型し
たヒンジ体１８を、前記蓋体１の後端部５ｂと連
結部２０で枢着し、該ヒンジ体１８に対して前記
蓋体１が自在に回動し得る様に構成すれば、前記
蓋体１を前記塗布体収納ケース３の底面２１まで
裏返す事が可能となり、使用する際、手に持ち易
い形状に整える上で、特に有効な手段である。更
に、前記ヒンジ体１８の端部１９、及び、前記連
結部２０に於ける回動時の摩擦力の強度は、後者
を若干強めに設定する事により、常に前記端部１
９から先に回動する事が可能となるが、特に限定
するものではなく、使用条件を考慮して適宜設定
すれば良い。

尚、２２は前記蓋体１に形設したフツクで、２
３は前記塗布体収納ケース３に設けたフツク受で
ある。

［作用］ 本考案は以上の如く構成したので、これを使用
する際には、第１図ａに示す如く、まず、蓋体１
を開蓋した後、本体２を持ち上げて塗布体収納ケ
ース３より塗布体４を取出す。次いで、第１図ｂ
に示す如く、本体２を塗布体収納ケース３上に重
ねた後、指掛部１３ａ，１３ｂに指を掛けて化粧
料収納体１１を手前へ引出し、その引出終端位置
で、第１図ｃ、及び、第５図に示す如く、本体
２、及び、塗布体収納ケース３を直角位置まで回
動して起立させる。尚、ヒンジ体１８を設けた場
合には蓋体１は、第６図に示す如く、ヒンジ体１
８の端部１９で該ヒンジ体１８と共に回動させ、
ヒンジ体１８が180度完全に回動した後、更に、
連結部２０に於て、蓋体１をヒンジ体１８に対し
て回動させれば、該蓋体１は前記塗布体収納ケー
ス３の底面２１へ裏返す事ができるので、本体２
と塗布体収納ケース３、及び、蓋体１を重ねて起
立させる事が可能となり、化粧操作時には通常と
全く同様の形態でコンパクトを手に持つ事ができ
る。化粧操作は、予め取出しておいた塗布体４で
化粧料を、適宜化粧料充填部１２から擦取して行
えば良い。

化粧操作終了後は、前記化粧料収納体１１を本
体２内へ収容した後、蓋体１に形設したフツク２
２を、塗布体収納ケース３に設けたフツク受２３
に係止し、閉蓋固定する。

［考案の効果］ 以上詳述せる如く、本考案は閉蓋時に於て、本
体２の内底面９に取付けられた鏡１０の上へ化粧
料収納体１１を収容しているので、鏡１０と化粧
料充填部１２が対向する事が全くあり得ない。従
つて、化粧料中の溶剤成分が揮散し、蒸着して鏡
１０を曇らせる事がないので、常に鮮明な像を写
し出す事が可能である。また、携帯時の物理的衝
撃によつて化粧料が飛散しても鏡を汚す事はな
く、塗布体４も塗布体収納ケース３に収納されて
いるので、鏡１０に直接接触する事もない。

更に、化粧料収納体１１は本体２内からの引出
終端位置に於て、直角位置まで回動する事が可能
となつている。また、ヒンジ体１８を設けた場合
には、蓋体１も塗布体収納ケース３の底面２１へ
裏返して重ねる事ができるから、通常のコンパク
トと全く同様に、使用時には鏡１０を起立させて
も、手に持ち易い形状に簡単に整える事ができ、
非常に便利である。

また、蓋体１を透明な合成樹脂材料で成型すれ
ば、第１図ｄに示す如く、閉蓋時に於ても化粧料
の実際の色調や質感を示す事が可能となり、商品
内容を消費者に正しく、且つ、魅力的に訴求でき
る点で実用上特に有利な点である。

然して、本考案は、携帯性に優れ、鏡を汚す事
もなく、使用上便利であり、しかも構造簡単にし
て組立容易に構成し得る等、多くの優れた作用効
果を有するコンパクトを消費者に提供する事がで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃ，ｄは本考案の一実施例を示
す斜視図である。第２図は化粧料収納体の斜視図
である。第３図は閉蓋時に於ける横断面図であ
る。第４図は閉蓋時に於ける縦断面図である。第
５図は化粧料収納体の引出しと回動の状況を説明
した部分拡大断面図である。第６図は蓋体とヒン
ジ体の回動状況を説明した部分拡大断面図であ
る。 １……蓋体、２……本体、３……塗布体収納ケ
ース、５ａ，５ｂ……後端部、６ａ……前端部、
７ａ，７ｂ……内側壁、８ａ，８ｂ……案内溝、
９……内底面、１０……鏡、１１……化粧料収納
体、１４ａ，１４ｂ……側壁、１５ａ，１５ｂ…
…係合突部、１８……ヒンジ体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前端部を開口して左右の内側壁に案内溝を形
   設すると共に、内底面に鏡を取付けた本体と、
   塗布体収納ケース、及び、蓋体とを後端部で蝶
   着し、前記案内溝と係合する係合突部を左右両
   側壁の一部に突設した化粧料収納体を、前記本
   体内に引出可能に収容し、且つ、前記化粧料収
   納体の引出終端位置で前記本体と直角位置まで
   回動可能に構成した事を特徴とするコンパク
   ト。 (2) 前記蓋体とは別体に成型したヒンジ体を、前
   記蓋体の後端部と枢着し、該ヒンジ体に対して
   前記蓋体が自在に回動し得る様に構成した事を
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のコンパクト。