JPS6310089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数の化粧料を収容するコンパクト
に関する。

外出時の化粧直しのほとんどは口紅とフアンデ
ーシヨンで処理される。従つて、これらを一つの
コンパクトに収めておくと便利であり、従来より
そのようなものが製品化されている。しかし従来
のものは同一平面上にフアンデーシヨンと口紅を
配置したもので、持ち運びの際のコンパクトの振
動や転倒によりフアンデーシヨンの粉が飛散して
口紅に混入してしまうという欠点があつた。

本考案は上記のような欠点が生じることなく複
数の化粧料を収容することのできるコンパクトを
得ることを目的としてなされたもので、その要旨
は、本体の上面には少なくとも一つの収容室が形
成してあり、本体の端部には前記上面より低位
で、且つ本体の上面と平行状に段差面が形成して
あり、この段差面と当接する下面を有し且つその
下面に少なくとも一つの収容室を形成してある補
助体が略180度回転して前記収容室を上向きとし
得るように回転可能に段差面の端部に枢着してあ
り、本体の上面及び補助体の前記収容室を形成し
てある下面と反対側の上面の一部又は全部を蔽う
蓋体が開閉可能に本体に枢着してあることを特徴
とするコンパクトに存する。

以下、本考案に係るコンパクトを図面に示す一
実施例に基づき詳細に説明する。

図面のうち第１図には一実施例に係るコンパク
トの斜視外観を示し、第２図にはその前後に沿う
断面を示し、第３図には蓋を開いた状態の斜視外
観を示し、第４図にはすべての開閉部を開いた状
態の斜視外観を示す。

角に丸味を付けた略矩形状の本体１の上面２に
はフアンデーシヨンを収容するフアンデーシヨン
収容室３が形成してある。本体１の前端部には垂
直面４を介して前記上面２より低位で、且つ本体
１の上面２と平行に形成した段差面５が形成して
あり、この段差面５には紅筆を収容するための細
長い用具収容室６が形成してある。段差面５の前
端部には当該コンパクトの幅方向に細長い補助体
７が蝶番結合により回転可能に枢着してある。蝶
番は、補助体７の下面８に設けた突部９に本体１
側より回転中心軸１０を貫通してなる。この補助
体７は閉じた状態では、その下面８は前記段差面
５と当接し、後面１１は前記垂直面４と重なり、
又上面１２は本体上面２とほぼ面一となり、前面
１３及び両側面１４も本体１の前面及び側面とほ
ぼ面一となる。補助体７にはその下面８より上面
１２に向けて二つの口紅収容室１５，１６が形成
してあり、ここに色の違う口紅をそれぞれ収容す
るようになつている。補助体７を180度回動させ
てその下面８を上向きにすれば、口紅収容室１
５，１６が上向きになると共に本体１側の紅筆収
容室６が露出することとなる。尚、図中１７は、
補助体７を開くときに補助体後面１１に指がかけ
られるように本体１の上面２と垂直面４との交差
部に設けた溝である。

補助体７の前面中央部には凹部１８が形成して
あり、その中央部には係止突起１９が設けてあ
る。一方、本体上面２及び補助体上面１２を蔽う
蓋２０は、その後端部で、本体１の後端部に、蓋
後端部に設けた突部２１と、突部２１、本体１に
貫入する回転中心軸２２とからなる蝶番構造によ
り枢着されている。蓋体２０の前端中央部には指
掛け部２３が突設してあり、その内側中央部には
係止突起２４が形成してある。補助体７を閉じた
状態で蓋体２０を閉めると、蓋体２０の指掛け部
２３の係止突起２４と補助体７前面の係止突起１
９とが係合し、蓋体２０の閉塞状態が維持される
ようになつている。尚、蓋体２０の裏面には鏡２
５が張り付けてある。

又、本体１にはその側面から出し入れできるよ
うに引出し２６が組み付けてあり、、この引出し
２６にはパフを収容するためのパフ収容室２７が
形成してある。

このコンパクトの携行による不使用時、フアン
デーシヨン収容室３と口紅収容室１５，１６とは
同一平面にはなく完全に遮断されるので、携行時
のコンパクトの振動や転倒によりフアンデーシヨ
ンが口紅に混入するといつた事態は完壁に防止さ
れる。このコンパクトの使用に際しては、蓋体２
０を開ければフアンデーシヨン収容室３が現われ
るので、フアンデーシヨンによる化粧直しが行な
え、更に補助体７を回転させれば口紅収容室１
５，１６と紅筆収容室６が現われ、紅筆を使つて
口紅による化粧直しが行なえる。

上記実施例では、フアンデーシヨンと口紅の収
納であるが、口紅の他にアイシヤドウ、チークカ
ラー等の他の化粧料やフアンデーシヨンのかわり
に他のブレスト状や、ゲル状の化粧料を収納して
もよい。

又、上記実施例ではコンパクトの本体１として
略矩形のものを挙げているが、本体１の形状はこ
れに限らず、円形、楕円形その他いかなる形状の
ものでもよい。又、本体１に設ける収容室は複数
でもよく、補助体７に設ける収容室も二つに限ら
ず一つ以上いくつ設けてもよい。更に又、補助体
７の上面１２は本体上面２と面一となる必要はな
く、段差が付いた形状とすることもできる。その
場合には蓋体２０の形状をそれに合わせる。蓋体
２０は本体上面２と補助体上面１２のすべてを蔽
うものである必要はなく、補助体７に対してはそ
れを拘束できるようになつていれば、補助体上面
１２の一部を蔽うものでもよい。

本考案は前述の如く構成したので、コンパクト
の本体１の上面２に形成した収容室と、補助体７
の収容室とが、異なる面に置かれて遮断され、コ
ンパクトの携行時の振動や転倒によつても、一方
の収容室の化粧料が他方の収容室の化粧料へ混入
することがない。

また、閉鎖位置にある補助体７が回転するに
は、補助体７の端部が垂直上方に移動するもので
あるので、本体１の上面２に形成した収容室を蔽
う蓋体２０により抑止され、補助体７の上面１２
と蓋体２０の下面との間に多少の間隙が存在して
も補助体７は確実に抑止される。さらに、補助体
７の上面１２を蓋体２０の下面で押圧して摩擦力
により補助体７の回転を抑止するものでないの
で、本体１と蓋体２０との係止力に悪影響を与え
ることもなく、製作も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンパクトの一実施例の
外観を示す斜視図、第２図はその前後方向に沿う
断面図、第３図はその蓋を開けた状態の斜視図、
第４図はすべての開閉部を開いた状態の斜視図で
ある。 図面中、１は本体、２は本体の上面、３はフア
ンデーシヨン収容室、５は段差面、６は用具収容
室、７は補助体、８は補助体の下面、１０は回転
中心軸、１２は補助体の上面、１５，１６は口紅
収容室、２０は蓋、２２は回転中心軸、２５は
鏡、２６は引出し、２７はパフ収容室である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１の上面２には少なくとも一つの収容室が
   形成してあり、本体１の端部には前記上面２より
   低位で、且つ本体１の上面２と平行状に段差面５
   が形成してあり、この段差面５と当接する下面８
   を有し、且つその下面８に少なくとも一つの収容
   室を形成してある補助体７が、略180度回転して
   前記収容室を上向きとし得るように回転可能に、
   段差面５の端部に枢着してあり、本体１の上面２
   及び補助体７の前記収容室を形成してある下面８
   と反対側の上面１２の一部又は全部を蔽う蓋体２
   ０が開閉可能に本体１に枢着してあるコンパク
   ト。