JPH0445608Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、蓋体を、容器本体の上面をスライ
ド移動させることにより容器本体上面の開口を開
閉する化粧品容器に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、フアンデーシヨン等の化粧品を入れる
化粧品容器は、化粧品を収容する収容部が形成さ
れた容器本体と、これを蓋する蓋体とで構成され
ている。このような化粧品容器には、蓋体をヒン
ジ機構により容器本体に取り付け、蓋体全体を回
動させることにより容器本体を開成するものや、
蓋体が容器本体の開口に対してスライド移動でき
るようなスライド機構を用いて、容器本体に蓋体
を取り付け、この蓋体をスライド移動させること
により容器本体を開閉するようになつているもの
がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のうち、蓋体を回動させることにより容器
本体を開成するようになつている化粧品容器に
は、通常蓋体の裏面に鏡が貼着されている。この
ため、化粧時に、その鏡を見ながら容器本体に収
容されている化粧品を使用し化粧をすることがで
きる。しかしながら、蓋体のスライド移動により
容器本体を開成する化粧品容器では、鏡を取り付
けることができないため、化粧品容器とは別に、
鏡を手で持つてその鏡を見ながら化粧品容器内の
化粧品を使用し化粧を行わなければならず、化粧
が煩雑になるという問題がある。

この考案は、このような事情に鑑みなされたも
ので、蓋体のスライド移動により容器本体を開成
する化粧品容器に、鏡を取り付けた使い勝手のよ
い化粧品容器の提供をその目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案の化粧品
容器は、上面に開口を備えた容器本体と、この容
器本体の上面をスライド移動することにより、上
記容器本体の上面開口を開閉する蓋体とを備えた
化粧品容器であつて、上記蓋体を、枠体と、この
枠体の枠内に収容可能な回動板で構成し、この回
動板を軸体で上記枠体の枠内に回動自在に取り付
けるとともに、この回動板の裏面に鏡を貼着した
という構成をとる。

〔作用〕

すなわち、この化粧品容器は、化粧品が収容さ
れる容器本体の上面開口を蓋体がスライド移動す
ることにより、その容器本体を開閉できるように
なつており、その蓋体の裏面に鏡を貼着するとと
もに、この鏡貼着部分を蓋体の他の部分に対して
回動自在に連結している。このため、化粧時に
は、蓋体を容器本体に対してスライド移動させ
て、その容器本体を開成し、ついで、鏡が貼着さ
れた回動板を回動させ鏡を起立させることによ
り、その鏡を見ながら容器本体内の化粧品を用い
て化粧を行うことができる。したがつて、従来の
ように、化粧品容器と別に、鏡を手で持つて化粧
を行う必要がなく、使い勝手がよい。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく
説明する。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例を示している。す
なわち、この化粧品容器１は、容器本体２と、こ
の容器本体２の上面開口を蓋する蓋体３とで構成
されている。容器本体２は第２図に示すように、
内部に化粧品の収容部４が形成されており、後側
壁５が厚肉に形成され、第３図に示すように、両
側壁が、それぞれ下部側が厚肉で上部側が薄肉に
形成されている。６はその下部側壁７と上部側壁
８の境界に形成されている段部であり、９は両上
部側壁８の上端縁部に縁部に沿つて相対峙して設
けられた突条である。１０は容器本体２の後側壁
５の上端外側に、縁部に沿つて設けられた切欠き
部である。蓋体３は中央に穴部１１が設けられた
枠体１２と、この枠体１２の枠内のやや後端側
に、軸体（第６図および第７図参照）１９により
回動自在の状態で取り付けられた回動板１３とで
形成されている。この枠体１２は両側壁および前
側壁の外側下端部が縁部に沿つて切り欠かれて段
部に形成されているとともに、その両側壁の切欠
き部１４（一方は隠れて見えない）の上端に、切
欠き部１４の縁部に沿つて上記容器本体２の突条
９にスライド係合できる溝部１５が設けられてい
る。このため、容器本体２の突条９に枠体１２の
溝１５をスライド係合させることにより、容器本
体２の上面開口に対して開閉自在に、蓋体３を取
り付けることができる。注目すべきは、枠体１２
の両側壁の後端側には、切欠き部１４および溝１
５を設けていないことである。そのため、蓋体３
の閉成状態では、その蓋体３の後端側が容器本体
２の切欠き部１０に自動的に位置決めされ、化粧
品容器１の全体形状が四角の箱状になる。第２図
において、１６は枠体１２の前側壁の内側下端か
ら穴部１１に向かつて突設された回動止め部であ
り、その上面にばね１７が設けられている。回動
板１３の両側面は、後端部１３ａ側が下方に向か
つて突出した傾斜面に形成されており、その後端
部１３ａが蓋体３の閉成状態時に、容器本体２の
後側壁５の上面前側に当接するようになつてい
る。このため、ばね１７の弾性による回動板１３
の回動が防止される。１８は回動板１３の裏面に
貼着された鏡である。

この構成において、化粧時には、まず第１図お
よび第２図の状態から蓋体３を後方に向けてスラ
イド移動させて、第４図の状態にする。この状態
では、回動板１３の後端部１３ａが容器本体２の
後側壁５の上面より後方に移動する。このため、
ばね１７の弾性により、回動板１３の前側が上方
に跳ね上がる。この状態から、さらに蓋体３を後
方に向けてスライド移動させて、第２図のように
容器本体２の収容部４を露呈させる。ついで回動
板１３を、後端側を下方に押圧して回動させ、第
５図の起立状態にする。この状態で、鏡１８を見
ながら、収容部４内に収容されている化粧品（図
示せず）を用いて化粧を行う。化粧が終わると、
蓋体３を前方（矢印方向）にスライド移動させ
る。その結果、回動板１３が第６図および第７図
のように、容器本体２の後端部に当たり自動的に
回転する。この回動板１３の前端部１３ｂがばね
１７を押圧するまで蓋体３をスライド移動させ第
１図および第２図の蓋閉成状態にする。

このように、この化粧品容器１は、容器本体２
に対して蓋体３をスライド移動させることによ
り、容器本体２を開成するようになつているにも
かかわらず、枠体１２に回動自在に取り付けられ
た回動板１３を回動させて鏡１８を起立させ、そ
の鏡１８を見ながら容器本体２に収容されている
化粧品を用いて化粧を行うことができる。また、
枠体１２の回動止め部１６にばね１７を取り付け
ているため、蓋体３を後方にスライド移動させる
と回動板１３が自動的に上方に跳ね上がる。この
ため、その跳ね上がつた回動板１３の前端部１３
ｂを手掛かりとして回動板１３を指で押し上げる
ことができ、回動板１３を回動させやすくなる。
さらに、閉成時には、蓋体３をスライド移動させ
るだけで鏡１８も自動的に閉成状態になる。した
がつて、極めて使い勝手がよい。

なお、上記枠体１２の上面の任意位置から穴部
１１に向けて突起を突設し、その突起により回動
板１３の回り止めをしたり、スパイロールピン等
を用いて回動板１３を枠体１２に取り付けること
により、回動板１３の裏面の鏡１８が、化粧を行
いやすい任意の位置で停止できるようにしてもよ
い。これにより、さらに化粧を行いやすくなり、
使い勝手がよくなる。

〔考案の効果〕

この考案の化粧品容器は、以上のように構成さ
れているため、蓋体をスライド移動させることに
より容器本体を開成する化粧品容器でありなが
ら、蓋体の裏面に鏡を貼着して化粧時にそれを利
用できるようになつており使い勝手がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図、第２図
はそのＡ−A′断面図、第３図はその蓋体をスラ
イド移動させた状態の斜視図、第４図はその蓋体
をスライド移動させた状態の断面図、第５図は使
用状態の斜視図、第６図および第７図は蓋閉成時
の動作を説明する縦断面図である。 １……化粧品容器、２……容器本体、３……蓋
体、１２……枠体、１３……回動板、１８……
鏡、１９……軸体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上面に開口を備えた容器本体２と、この容器
   本体２の上面をスライド移動することにより、
   上記容器本体２の上面開口を開閉する蓋体３と
   を備えた化粧品容器１であつて、上記蓋体３
   を、枠体１２と、この枠体１２の枠内に収容可
   能な回動板１３で構成し、この回動板１３を軸
   体１９で上記枠体１２の枠内に回動自在に取り
   付けるとともに、この回動板１３の裏面に鏡１
   ８を貼着したことを特徴とする化粧品容器。 (2) 枠体１２と回動板１３との間に、上記回動板
   １３を押し上げ付勢するばね１７が設けられて
   いるとともに、この回動板１３の軸体１９を挟
   んだ他方側に対応する容器本体２の上面部分に
   回動板１３の当接部が形成されている実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の化粧品容器。